JP2021161691A - 化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表現の自由度を高めることができる化粧材を提供する。【解決手段】表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、突出した複数の凸領域13と、凸領域13の間に配置された凹部である凹領域14と、凸領域13の突出高さより浅い窪みである複数の微小窪み15と、を有している。【選択図】図1

Description

本開示は化粧材に関する。
例えば特許文献1にはエンボス加工により凹陥模様が付され、ここにインキや塗料が配置されることで特有の外観を表現した化粧材が開示されている。このような化粧材において、嗜好性の多様化により、所望する印象(例えば高級感等)が表現されるなど、外観(表現)の自由度を高めることが求められている。
特公昭58−14312号公報
本開示は、上記の問題に鑑み、従来の単調な意匠表現に比べて、多彩なグロスマット表現、木質系や金属系素材等のリアルな意匠表現が可能であり、表現の自由度を高めることができる化粧材を提供することを課題とする。
本開示の1つの態様は、表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、突出した複数の凸領域と、凸領域の間に配置された凹部である凹領域と、凸領域の突出高さより浅い窪みである複数の微小窪みと、を有し、微小窪みは、凸領域の頂部又は凹領域の底部の何れかにのみ配置されている、化粧材である。
本開示の他の態様は、表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、突出した複数の凸領域と、凸領域の間に配置された凹部である凹領域と、凸領域の突出高さより浅い窪みである複数の微小窪みと、を有し、微小窪みは、凸領域の頂部及び凹領域の底部のいずれにも配置されており、凸領域の頂部に配置された微小窪みと、凹領域の底部に配置された微小窪みとは、深さ、大きさ、及び、配置密度の少なくとも1つにおいて異なる、化粧材である。
上記化粧材において微小窪みの内側にインキが配置されてもよい。
本開示によれば、基調とする凹凸構造に対して、当該凹凸構造に同調した微小な凹凸が設けることで、表現の自由度を高めることができる。
図1は、模様形成層12の形態を説明するために模式的に表した化粧材10の一部を表す斜視図である。 図2は、模様形成層12の形態を説明するために模式的に表した化粧材10の一部を表す斜視図である。 図3は化粧材10’の態様を説明する図である。 図4は化粧材10”の態様を説明する図である。 図5は、レーザにより型に凹凸模様を形成する場面を説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
[1つの形態]
<化粧材の構造>
図1は1つの形態にかかる化粧材10の一部を拡大し、模様形成層12側から見た斜視図である。また図2には、図1に比べてさらに拡大した図を表した。
なお、図1、図2及び以降に示す図には必要に応じて便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)、即ち座標系も併せて表記した。ここでxy方向は化粧材10における面内方向、z方向は厚さ方向である。
図1及び図2よりわかるように、化粧材10は、基材11及び該基材11の一方の面に具備された模様形成層12を有して構成されている。従って本形態では基材11の一方の面が模様形成層12として機能するように構成されている。換言すれば、本形態においては、基材11自体が模様形成層12を兼ねた単層構成となっている。なお、これに限らず、基材11と模様形成層12とを別個の独立層とし、両層を積層した複数層構成とした形態とすることもできる。
以下、各構成についてさらに詳しく説明する。
<<基材>>
基材11は、模様形成層12を保持するとともに化粧材10に強度を付与する機能を有するシート状の部材である。基材11の形態としてはフィルム、シート、或いは板の何れでも良い。一般的には、厚みが比較的薄いものから、順次、フィルム、シート、板と呼称されるが、本形態においては、これら基材の厚み形態による差異は本質的な事項ではなく重要な事項でも無い。そのため、本明細書中においてはフィルム、シート、及び板の何れかの用語は適宜他の用語に読み換えても本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
基材11は従来公知の化粧材と同様の機能を有するものであればよいので、その材料は特に限定されない。例えば、基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等の単量体やプレポリマーで電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。なお、基材の材料が樹脂の場合、公知の着色剤で着色しても良い。この他、紙、不織布、金属、木等もシート、板、立体物等の形状で、適宜上記樹脂材料と積層させて、使用することもできる。
基材の厚さには特に制限は無いが、シート状の基材又はフィルム状の基材の場合は、例えば、厚さ20μm以上1000μm以下程度、板状の基材の場合は、例えば、1mm以上20mm以下程度のものが使用される。
<<模様形成層>>
模様形成層12は、本形態では基材11の一方の面に具備され、化粧材に凹凸模様を付与する層である。本形態では、模様形成層12は、凸領域13、凹領域14、微小窪み15、及び、インキ部16を備えている。以下それぞれについて説明する。
{凸領域13}
凸領域13は、所定の領域がz方向に突出する部位であり、模様形成層12にはこのような凸領域13が複数設けられている。また、凸領域13は次のような形態を有していることが好ましい。
凸領域13はその頂部13aの少なくとも一部に平坦な部位を有することが好ましい。
また、凸領域13の平面視(z方向から模様形成層12を見た視点)形状は特に限定されることはなく、三角形や四角形等の多角形、円形、及び、楕円形等のような定形的な幾何学形状であってもよいし、決まった形状でない不定形な幾何学形状であってもよい。例えば不定形な幾何学形状としては、平面視においてその輪郭が滑らかな複数の曲線が組み合わされて閉じた領域を形成し、その一部に半島状の突出部や湾状の凹部が含まれるような形態を挙げることができる。
また、凸領域13の平面視における面積は特に限定されることはなく、表現に必要な大きさで設定することができる。ただし、本形態のように凸領域13の頂部13aに微小窪み15が設けられる場合には、複数の微小窪み15が配置できる程度の面積を有していることが好ましい。
さらに、凸領域13の突出高さH(凸領域13のz方向の大きさであり、凹領域14の底部14aから凸領域13の頂部13aまでの距離)も特に限定されることはない。また、複数の凸領域13でその突出高さが同じであってもよいが、必ずしも同じである必要はなく、突出高さが異なる複数の凸領域13が混在してもよい。突出高さHの範囲は特に限定されることはないが、化粧材における凹凸の突出高さを考慮すれば50μm乃至100μm程度であることが好ましい。
ここで、凹領域における底部は、完全な平坦面である必要はなく、外観上の違和感がなく品質に支障のない範囲で凹凸を有することは許容される。
{凹領域}
凹領域14は模様形成層12のうち頂部13aを除いた部分であり、凹領域14は隣り合う凸領域13の間に具備される谷部分となり底部14aを有する領域である。従ってその形状や大きさは凸領域13によって決まる。
{微小窪み}
微小窪み15は微小な窪みであり、より具体的には凸領域13の突出高さHよりも浅い深さを有する窪みである。本形態では凸領域13の頂部13aに複数の微小窪み15が配置されている。
複数の微小窪み15は、凸領域13の突出高さHよりも浅く、凸領域13、凹領域14に複数配置される大きさ及び密集度合を有している(本形態では凸領域13の頂部13aのみ配置されている。)。このような微小窪み15として例えばショットブラスト、梨地調、つや消し(マット)の態様を付与する窪みを挙げることができる。
微小窪みは、その深さ、大きさ、及び、密集度合により異なる外観を付与することができる。ある外観を特徴づけられる複数の微小窪みをここでは「微小窪み群」と記載することがある。すなわち、ある微小窪み群と、他の微小窪み群とで、それぞれに属する微小窪みの「深さ、大きさ、及び、密集度合」が異なることで両群が異なる外観となるときには、両群は互いに「異なる態様の微小窪み群」であるということができる。
本開示では凸領域、凹領域ごとに微小窪みの有無、及び、異なる態様の微小窪み群が適用される。本形態では凸領域13には1つの態様の微小窪み群が配置され、凹領域14にはいずれの微小窪み群も配置されていない。
これに対して逆に凹領域14の底部14aに微小窪み群が配置され、凸領域13の頂部13aにはいずれの微小窪み群も配置しないこともできる。
また、凸領域13の頂部13aに、ある態様の微小窪み群が配置され、凹領域14の底部14aにはこれとは異なる態様の微小窪み群が配置されてもよい。
さらには、複数の凸領域13についても、全ての凸領域13の頂部13aで同じ態様の微小窪み群が配置されてもよいが、異なる態様の微小窪み群が混在して配置されてもよい。
微小窪み15の深さは、凸領域13の突出高さHによって適切な深さが決定され、特に規定はないが15μm乃至60μm程度が好ましい。微小窪み15の深さは一定である必要はなく、変化があってもよい。
微小窪み15の大きさは1つあたりの直径が120μm乃至300μm程度が好ましい。ただし、2つ以上の微小窪みが連なって大きくなった形で不規則な形状が含まれてもよい。これにより単一で微小窪みを設けるよりも豊かな意匠表現となることがある。
微小窪み15の密度は特に規定はないが、1000μm四方あたり1個乃至20個程度が好ましく、これにより適度ないわゆる梨地調形状、ツヤ消し効果が得られ、リアルな意匠感を得る事ができる。
これら微小窪みの深さ、大きさ、密度は例えば形状測定レーザーマイクロスコープ(キーエンス株式会社製)等を用いて観察された化粧材の表面形状や断面形状プロファイルから計測することができる。
{インキ部}
本形態では凹領域14の底部14a、及び、微小窪み15の内側にインキが配置されており、インキ部16とされている。これにより必要に応じた外観を演出することができる。ただし、インキ部16は必ずしも設ける必要はなく任意の構成要素である。
インキ部を構成するインキの材料は特に限定されることはなく、公知のものを用いることができる。例えばベヒクルに着色顔料、艶消し顔料、染料、紫外線吸収剤等の何れか1種又は2種以上を含有するものを適用できる。ベヒクルは、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線効果型樹脂から適宜選択可能である。
以上のような化粧材によれば、凸領域及び凹領域を基調とした凹凸に同調するようにして微小窪みが配置されるため、基調とする凹凸構造(凸領域及び凹領域)に対して、当該凹凸構造に同調した、当該凹凸に対して相対的に微小な凹凸(微小窪み)が設けられ、表現の自由度を高めることができる。
また、当該微小窪みは必要に応じて部位ごとに、深さ、大きさ、配置密度を変えて適用することができるため、さらに表現の自由度を高めることができる。
[他の形態]
図3、図4には他の形態例にかかる化粧材について説明する図を示した。これらの図は図1の相当する図である。
図3の形態例にかかる化粧材10’は凹領域14の底部14aにも微小窪み15’が配置されている例である。ただし、この微小窪み15’は凸領域13の頂部13aに配置された微小窪み15とはその形態(深さ、大きさ、配置密度)が異なるものとされている。
本例ではインキ部は設けられていないが、微小窪み15、及び、微小窪み15’の少なくとも一方の内側にインキ部が配置されてもよい。
図4の形態例にかかる化粧材10”は、複数の凸領域13のうち一部において、他の凸領域13に配置された微小窪み15とは形態が異なる微小窪み15”が配置されている例である。例えば図4の左上の凸領域13に配置された微小窪み15”は、他の微小窪み15に比べて配置密度が小さくされている。また、図4の右上の凸領域13に配置された微小窪み15”は、他の微小窪み15に比べて大きさが多く形成されている。
また、上記した各形態にかかる化粧材では、模様形成層に対してさらに保護層を積層してもよい。これにより化粧材を汚染や傷つきから保護する。このような保護層は、透明樹脂、又は透明ガラスなどにより構成することができる。透明樹脂を用いる場合には、例えば、熱可塑性樹脂、硬化樹脂による層を挙げることができる。
なお、基材11、模様形成層12のみでも目的の用途において十分な耐汚染性、耐擦傷性等の表面耐久性能が確保可能な場合には、保護層は省略することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
硬化樹脂による層は、硬化性樹脂組成物が硬化した層であり、硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する組成物である。硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む。)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、熱硬化性樹脂の硬化反応に関与する成分、例えば、触媒、硬化剤(架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を含む)等を含有してもよい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波及び荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものであり、紫外線(UV)及び電子線(EB)の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も包含するが、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が使用される。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られる。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋可能な(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合、エポキシ基等を分子中に有するモノマー、オリゴマー、或いはプレポリマー等の1種以上を含有する組成物を使用することができる。
保護層の厚さは特に限定されることはないが、0.1μm以上35μm以下とすることができる。薄いと曲げ等による耐久性は高いが耐擦傷性では弱く、厚いと耐擦傷、傷には強いが曲げ等の変形に弱く割れ等が発生するため、上記範囲の厚さとすることによりバランスのよい保護層とすることができる。そのため1μm以上10μm以下としてもよい。
[化粧材10の製造方法]
次に化粧材10を例に、化粧材の製造方法の例を説明する。ただし、化粧材を製造する方法がこれに限定されることはない。
以下に説明する製造方法には、濃淡画像を作製する工程、版下画像を作製する工程、版を作製する工程、模様形成層を形成する工程、及びインキを充填する工程を含んでいる。
<濃淡画像を作製する工程>
濃淡画像を作製する工程では、模様形成層12に表現すべき平面視における凹凸模様(凸領域、凹領域、微小窪み)を光学濃度の大小からなる濃淡画像として作成する。例えば、本形態では、アドビシステムズ社製のグラフィックデザイン描画ソフトウエア「Illustrator」を用い、TIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の濃淡画像データを作成することができる。
<版下画像を作製する工程>
版下画像を作製する工程では、得られた原稿画像を、濃度から凹凸即ちエンボス版の版深への変換プログラムによって、模様の濃度階調画像に対応して二値画像としての凸線条パターンの版深を二次元仮想平面XY平面上に生成して配置し、デジタルデータとして版下画像を得る。
その際、光学濃度の最小値(例えば、0)を凹凸データの最小値(例えば、0μm)に対応させ、光学濃度の最大値(例えば、255)を凹凸データの最大値(例えば、250μm)に対応させることにより、2次元平面上の各座標(X、Y)における光学濃度P(X、Y)の分布からなる濃淡画像データを同座標における版深D(X、Y)の分布から」なるエンボス版の版深データH(X、Y)に変換する。
ここでは、凸線条の生成条件に従い、二値画像として模様形成層の平面視画像を生成する。ここでは、当該平面視画像の濃淡がエンボス版の版深を表す(光学濃度が版深と対応付けられている)ものとなっている。このようにして版下画像が得られる。
<版を作製する工程>
版を作製する工程では、版下画像に基づいて平面視形状の凹凸模様を表面に有するエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。具体的には凹凸模様の製造工程は以下の手順(1)乃至(4)を含んでなる。
(1)金属ロール準備工程
図5に示したようなエンボス版彫刻用の金属ロール20を準備した。金属ロール20は、軸方向両端部に回転駆動軸(shaft)21を有する中空の鉄製の円筒の表面に銅層をメッキ形成したものである。砥石で金属ロール20の表面を研磨して粗面化し、彫刻用レーザ光の鏡面反射による彫刻効率の低下を防止する処理をした。
(2)レーザ光彫刻工程
図5に模式的に示したように、レーザ光直接彫刻機を用い、工程(1)で用意した金属ロール20の表面を版下画像作成工程で作成した凹凸模様画像データに基づき彫刻する。これによりその表面に図1のような化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸領域に対応する部分がエンボス版面上では凹となる関係)の凹凸形状を形成する。
従ってエンボス版における凹凸模様が備えるべき形状は、上記した化粧材における凹凸模様の凹凸関係が反転した態様であり、同様に考えることができる。
金属ロール20をその回転駆動軸21を介して電動機で駆動し、回転駆動軸21を中心軸として回転する。レーザーヘッド22から出射される発振波長1024nm、レーザスポット径10μm、出力360Wのファイバーレーザ光Pで金属ロール20の表面を走査する。その際には工程(1)で作成した凹凸模様画像データの濃度値に応じてレーザ光をON−OFF切換(照射又は非照射の切換)を行い、照射位置には1回のレーザ光照射による金属の蒸発で深さ10μmの凹部を形成する。本例ではかかるレーザ光による金属ロール表面に対する走査を例えば10回繰り返す。また、蒸発した金属が粉体となって金属ロール20の表面に残留又は付着することを防止するため、彫刻液吐出口23から彫刻液Tを金属ロール20の表面のレーザ光照射領域に吹き付けた状態でレーザ光照射を行う。
その際に、例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計25回の走査のうち、最初の5回分のみレーザ光を照射(ON)し、残り20回分についてはレーザ光は非照射(OFF)となるよう制御して所望の深さを得る。
かかるレーザ光の走査を完了させ、金属ロール20の表面に所望の凹凸形状を形成する。
(3)電解研磨工程
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロール20の表面に付着した金属の残渣を除去する。
(4)クロムメッキ工程
工程(3)の後、金属ロール表面にメッキにより厚さ10μmのクロム層を形成した。
以上により模様形成層12の表面に形成された凹凸模様の凹凸が反転した凹凸形状を表面に備える版(化粧材用成形型、本形態ではエンボス版)を得ることができる。
<模様形成層を形成する工程>
次に、模様形成層を形成する工程では、作製された版(エンボス版)を用いて、基材11にエンボス加工を行えば化粧材10が得られる。エンボス加工は、適宜な公知の方法によれば良く、特に制限はない。エンボス加工の代表的な方法は例えば次のようなものである。
基材としてポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを用いる。この基材を加熱軟化させ、その表面にエンボス版を押圧して該樹脂シート表面にエンボス版表面の凹凸模様を賦形する。そして樹脂シートを冷却して固化させて樹脂シート上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂シートをエンボス版から離型する。
ここで、各種エンボス加工法について、さらに説明すると例えば次の(A)乃至(E)のような方法がある。
(A)基材となる樹脂シートを加熱軟化させ、エンボス版を押圧して、エンボス加工する。
(B)エンボス版を押圧する時の熱圧で表面シートとなる樹脂シート(基材)とベースシートとする樹脂シート(第2の基材)とを熱融着することにより、エンボス加工とラミネートとを同時に行うダブリングエンボス法によりエンボス加工する。
(C)表面シートとする樹脂シート(基材)を、Tダイから溶融押出しをし、冷却ローラを兼ねるシリンダ状のエンボス版上に接触させて表面シートの成膜と同時にエンボス加工する。このとき、さらに表面シートの裏面側に挿入したベースシートとする樹脂シート(第2の基材)を熱融着させてダブリングエンボスを成膜と同時に行う。
(D)特開昭57−87318号公報、特開平7−32476号公報等に開示の如く、シリンダ状のエンボス版の表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状物を塗工する。さらにその上に、樹脂シート等からなるベースシートを重ねた状態で電離放射線を照射して未硬化液状物を硬化させて硬化物とする。その際、該硬化物をベースシートと接着させた後、エンボス版から離型して、ベースシートと該ベースシート上の硬化物とからなる基材とすることで、基材にエンボス加工する。
(E)チタン紙等の紙にメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸した含浸紙を、コア紙、木材合板上等の裏打材上に載置して、これら載置した複数層を熱プレス成形することによって各層を積層一体化して熱硬化性樹脂化粧材を作製する。そのとき、含浸紙表面側にエンボス版を挿入することによって、熱硬化性樹脂を含浸硬化させて化粧材とする際にその表面に熱プレスと同時にエンボス加工する。
なお、(A)乃至(C)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱可塑性樹脂が使用され、(D)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には電離放射線硬化性樹脂が使用され、(E)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱硬化性樹脂が使用される。
<インキを充填する工程>
インキを充填する工程では、基材11の表面に形成された凹領域14、微小窪み15にインキを充填してインキ部16を形成する。これは、基材11のうち凹領域14が形成された側の面にインキ部16となるべき材料のインキ(未硬化状態)を供給し、その上をドクターブレードで掻く(ワイピングする)ことにより行う。これにより、余分なインキを除去することができるとともに凹領域14、微小窪み15にインキを押し込むことができる。そしてドクターブレードを移動することで行う。すなわち、これにより上記したようなインキ部16の形状を容易に形成することができる。
そして、適切な方法によりインキを硬化させることにより化粧材10となる。
以上のようにして化粧材10を得ることができる。
[化粧材の用途]
以上説明した化粧材の用途は特に制限は無いが、例えば、壁、床、天井等の建築物の内装材、建築物の外壁、屋根、門扉、塀、柵等の外裝材、扉、窓枠、扉枠等の建具、廻り縁、幅木、手摺等の造作部材の表面材、テレビ受像機、冷蔵庫等の家電製品や複写機等の事務機器の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、箱、樹脂瓶等の容器の表面材、車両等の内装材又は外裝材、船舶の内装材又は外裝材等である。
10、10’、10” 化粧材
11 基材
12 模様形成層
13 凸領域
13a 頂部
14 凹領域
14a 底部
15 微小窪み
16 インキ部

Claims (3)

  1. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    突出した複数の凸領域と、
    前記凸領域の間に配置された凹部である凹領域と、
    前記凸領域の突出高さより浅い窪みである複数の微小窪みと、を有し、
    前記微小窪みは、前記凸領域の頂部又は前記凹領域の底部の何れかにのみ配置されている、化粧材。
  2. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    突出した複数の凸領域と、
    前記凸領域の間に配置された凹部である凹領域と、
    前記凸領域の突出高さより浅い窪みである複数の微小窪みと、を有し、
    前記微小窪みは、前記凸領域の頂部及び前記凹領域の底部のいずれにも配置されており、前記凸領域の前記頂部に配置された前記微小窪みと、前記凹領域の前記底部に配置された前記微小窪みとは、深さ、大きさ、及び、配置密度の少なくとも1つにおいて異なる、化粧材。
  3. 前記微小窪みの内側にインキが配置されてなる請求項1又は2に記載の化粧材。
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