JP2020157551A - 化粧材 - Google Patents

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夏生 杉田
尚樹 土田
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尚樹 土田
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Hiroki Fujii
紘己 藤井
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Abstract

【課題】特に石材表面を表現するに際してこれまでとは異なる質感を与え、視覚的、触感的、或いは視覚的及び触感的の両面において従来とは異なる構造を具備した化粧材を提供する。【解決手段】表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、基材と、基材の一方の面に形成された凹凸を具備する模様形成層と、模様形成層に積層され、石材表面模様を有する絵柄層と、を有し、凹凸模様を形成する凸部が、第一傾斜面と第二傾斜面とを有し、第一傾斜面の一端と第二傾斜面の一端とが連結することにより、凸部の頂部が稜線を成し、第一傾斜面とシート面とのなす傾斜角が、第二傾斜面とシート面との成す傾斜角よりも小さい凹凸模様を含む。【選択図】図6

Description

本発明は化粧材に関し、特に石材表面を表現した化粧材において従来とは異なる質感を備える化粧材に関する。
化粧材における意匠表現は多岐に亘るが、例えば特許文献1、特許文献2に記載のように、表面に石材の劈開面、セメントや石膏等の左官による鏝痕の壁面形状の凹凸模様が表現された化粧材がある。
このような化粧材は、該化粧材の表面の凹凸模様の凹凸を反転した凹凸を有するエンボス版を基材表面に押圧して賦形することにより作製されることが多く、このエンボス版にはエッチング加工によってその表面の凹凸が形成される。これにより細かい表現を行うことができるとされている。
実開昭61−100595号公報 特開2003−211816号公報
一方、化粧材の分野では、近年における嗜好の多様化や、より新しい視覚的、触感的な表面形態の要求があり、かかる観点からより付加価値の高い意匠外観及び触感を発現する化粧材を提供することが望まれている。
そこで本発明は、特に石材表面を表現するに際してこれまでとは異なる質感を与え、視覚的、触感的、或いは視覚的及び触感的の両面において従来とは異なる構造を具備した化粧材を提供することを課題とする。
発明者は、従来における石材の表面凹凸を模した化粧材を検討した結果、その凹凸形状における高さの階調が、例えば、高低の2階調のみであったり、傾斜面があっても傾斜角が1種類のみであったり等であるため単調となっているという知見を得た。この知見に基づいて、視覚的、触感的にこれまでとは異なる模様の形態を具体化して本発明を完成させた。以下、本発明について説明する。
本発明の1つの態様は、表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、基材と、基材の一方の面に形成された凹凸を具備する模様形成層と、模様形成層に積層され、石材表面模様を有する絵柄層と、を有し、凹凸模様を形成する凸部が、第一傾斜面と第二傾斜面とを有し、第一傾斜面の一端と第二傾斜面の一端とが連結することにより、凸部の頂部が稜線を成し、第一傾斜面とシート面とのなす傾斜角よりも、第二傾斜面とシート面との成す傾斜角が大きい凹凸模様を含む、化粧材である。
また、絵柄層が大理石調の絵柄を備えているように構成してもよい。
本発明の化粧材によれば、従来に対してその凹凸模様における高さの階調が多様化し、視覚的、触感的にこれまでとは異なる意匠外観を表現する石材表面模様を有する化粧材を実現することが可能となる。
図1は化粧材10の表面の一部を拡大して表した平面図である。 図2は化粧材10の層構成を説明する断面が表れた斜視図である。 図3は化粧材10’の層構成を説明する断面が表れた斜視図である。 図4は模様形成層の平面視形状を説明する平面図である。 図5は図4の一部を拡大した図である。 図6(a)は化粧材10の一部を模式的に表した断面図、図6(b)は図6(a)の一部を拡大した図である。 図7は、化粧材の凹凸模様を構成する第一傾斜面及び第二傾斜面とからなる凹凸模様における傾斜角θ及び傾斜角θについて説明する図である。 図8はレーザにより型に凹凸を形成する場面を説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は1つの形態にかかる化粧材10の一部を拡大し、模様形成層12が形成された側から平面視した図(平面図)である。図1には便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)、即ち座標系も併せて表記した。ここでxy方向は化粧材10における面内方向、z方向は厚さ方向、即ち面内方向(xy平面)の法線方向である。従って図1は化粧材10を凹凸模様が形成された側であるz方向から見た図ということになる。
図1からわかるように本形態の化粧材10は、石材表面の凹凸を具備する凹凸模様及び絵柄が付されたものである。
図2には、化粧材10の層構成を説明するため、化粧材10の一部を厚さ方向に切断(即ちzx面に平行な面に沿って切断)して切り取り、断面が表れるようにした斜視図を示した。
図2からわかるように、本形態の化粧材10は、基材11、基材11の一方の面に形成された模様形成層12、基材11のうち模様形成層12とは反対側に配置された絵柄層18、及び、絵柄層18のうち基材11とは反対側に配置された着色層19を有している。
ただし、層構成はこれに限らず、図3に示した化粧材10’の例のように、基材11、基材11の一方の面に形成された模様形成層12、及び、模様形成層12に積層された絵柄層18を有して構成されてもよい。
基材11は、模様形成層12を担持し、絵柄層18、及び必要に応じて着色層19を積層させる基材として機能するとともに、化粧材10に強度を付与する機能を有する。基材11の形態としてはフィルム、シート、あるいは板の何れでも良い。一般的には、厚さが比較的薄いものから、順次、フィルム、シート、板と呼称されるが、本形態においては、これら基材の厚さ形態による差異は本質的な事項では無く重要な事項でもない。そのため、本明細書中においてはフィルム、シート、及び板の何れかの用語は適宜他の用語に読み換えても本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
基材11は従来公知の化粧材と同様の機能を有するものであればよいので、その材料は特に限定されない。例えば、基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等の単量体やプレポリマーで電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。なお、基材の材料が樹脂の場合、公知の着色剤で着色しても良い。この他、紙、不織布、金属、木等もシート、板、立体物等の形状で、適宜上記樹脂材料と積層させて、使用することもできる。
また、基材11として、紙、あるいは合成樹脂や硝子の繊維から成る不織布、織布、又は編物等の繊維質シートにメラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂を含侵させて硬化せしめた複合体(いわゆる熱硬化性樹脂化粧材、FRP等)を使用することもできる。
ただし、図2の例では絵柄層18の模様が視認できるように基材11は透明であることが好ましい。一方、図3の例では基材11は必ずしも透明である必要はない。
基材の厚さには特に制限は無いが、シート状基材又はフィルム状基材の場合は例えば、厚さ20μm以上1000μm以下程度、板状基材の場合は例えば、1mm以上20mm以下程度のものが使用できる。
模様形成層12は、凹凸模様により化粧材10に対して触感及び視覚的な観点から外観を付与する層である。図4には模様形成層12による凹凸を濃淡で表し、平面視した拡大図を示した。黒い部分が高く(zの座標が大きい)、色が薄くなるにつれて低い(zが小さい)ことを意味する。従って図4からは模様形成層12が有する凹凸模様の形態を理解することができる。図5には図4の一部をさらに拡大した図を表した。
図6(a)には、化粧材10の厚さ方向断面(即ちzx面に平行な1つの面に沿って切断した面)のうち図5にI−Iで示した部位で、基材層11及び模様形成層12の部位を拡大し模式的に表した。また、図6(b)には図6(a)の一部であり、模様形成層12が具備する1つの凸部14の頂部が形成する稜線14a、及び、凹部15の谷底が形成する谷線15aの周辺に注目して拡大した図を表した。従って、図6(a)、図6(b)からは模様形成層12が有する凹凸模様のうち、凹凸の高さ方向の形態がわかる。
図4、図5、図6(a)、図6(b)からわかるように、本形態の化粧材10では、模様形成層12が、その高さ方向(z方向、厚さ方向)において凸部14及び凹部15が繰り返される凹凸形状を有する。これにより石材表面の立体的な凹凸模様が表現されている。より詳しくは次の通りである。
模様形成層12はその断面視において図6(a)、図6(b)からわかるように、凸部14及び凹部15が繰り返してなる。
図6(a)、図6(b)からわかるように、凸部14は、第一傾斜面16の一端と第二傾斜面17の一端とが頂部で接続することで形成され、この頂部が稜線14aを成している。一方、凹部15は、第一傾斜面16の他端と第二傾斜面17の他端とが谷底部で接続することで形成され、この谷底部が谷線15aを成している。これにより凸部14と凹部15とが交互に繰り返され、稜線14aと谷線15aとが交互に繰り返されている。
そして、この稜線14a及び谷線15aがシート面内方向において所定の形状で延びることにより、石材表面の模様を有する形態となる。
ここで、第一傾斜面15は、図6(b)に示したようにシート面PSheet(図6(b)に示したP Sheet)におけるシート面内方向、即ち、図6(b)においてはxy平面乃至これと平行な仮想平面に平行である方向に対してθの傾斜角を有している。一方、第二傾斜面17は、図6(b)に示したようにシート面PSheetにおけるシート面内方向に平行である方向に対してθの傾斜角を有している。尚、同図においては、シート面内方向の断面をx方向に平行に延びる点線で表示している。
なお、以降、シート面と第一傾斜面16とのなす角を、第一傾斜面16の傾斜角θあるいは略して傾斜角θと呼称する。又、シート面と第二傾斜面17とのなす角を第二傾斜面17の傾斜角θあるいは略して傾斜角θと呼称する。更に、傾斜角θと傾斜角θとを総称して、傾斜角あるいは傾斜角θ、傾斜角θとも略称する。
ここで、「シート面PSheet」とは化粧材を大局的に全体として視た時に、平面内において延在する(広がっている)方向を代表する面を言う。通常の化粧材の場合は、模様形成層の凹凸模様の表面の包絡面を最小二乗法等により平滑化した面が平面となる場合が多い。この場合には、かかる包絡面を平滑化して得られる平面及びこれと平行な任意の平面がシート面に相当する。なお、図6(b)の如く、化粧材の模様形成層とは反対側の面(いわゆる裏面)が平滑な平面となる場合は該化粧材の模様形成層の反対面を平滑化した面及びこれと平行な任意の面をシート面とすることができる。
なお、これら包絡面を平滑化した面又は模様形成層の反対面を平滑化した面が曲面に代表される非平面の場合は、かかる一度平滑化した包絡面又は一度平滑化した反対面を、更に、最小二乗法等により平面化した面を以ってシート面と定義する。
ここで、傾斜角を定義する測定基準となるシート面PSheetは、第一傾斜面16及び第二傾斜面17の両面と交差するシート面を選ぶ。その中でも、第一傾斜面16と第二傾斜面17との傾斜角の差異が視覚及び触感に及ぼす影響度は稜線14a(頂部)近傍が一番大きい為、傾斜角度θ及び傾斜角θを定義する測定基準となるシート面PSheetは稜線14aに近い面を選ぶことが好ましい。この点を考慮して、以下の(1)乃至(6)のように傾斜角定義の測定基準とすべきシート面PSheet選定するとともに傾斜角θ、傾斜角θを得る。
(1)
先ず、当傾斜角度θ及び傾斜角θの測定対象とすべき特定の凸部14について、その第一傾斜面16と第二傾斜面17のうちで、シート面方向への延在距離L16及びL17(これは、傾斜面のシート面PSheetへの正射影についての傾斜方向(同図ではx方向)の長さに相当する)のうち、より短い距離Lshort(=min(L16、L17))となる方の傾斜面を選ぶ。ここで、min(a、b)は、aとbの2つの数値のうちで、より小さい方の数値を選ぶ演算子である。図3(b)の場合は、Lshort=min(L16、L17)=L17となるため、第二傾斜面17が選択される。
(2)
次いで、Lshortと4/3mm=1.33333…mmとの大小関係を明らかにする。4/3mmの実測上の有效桁数であるが、汎用測定機器での測定精度及び目視と触感に於ける差異検知の判別閾値を考慮して1.3mmとすれば十分である。
(3)
そして明らかにした上記大小関係に基づいて図3(b)にP Sheetで表したように第一傾斜面16及び第二傾斜面17の両面と交差するシート面である特定シート面P Sheetを選ぶ。具体的には次のようにしておこなう。
(3−1)Lshort>4/3mm(≒1.3)の場合;
稜線14aを起点として、そこからシート面内方向(同図ではx方向に)に、稜線からのシート面内方向距離=1mmの距離において第一傾斜面16及び第二傾斜面17の両面と交差するシート面を特定シート面とする。
(3−2)Lshort≦4/3mm(≒1.3)の場合;
稜線14aを起点として、そこからシート面内方向(同図ではx方向に)に、(1/4)×Lshort≦稜線からのシート面内方向距離≦(3/4)×Lshortの距離において第一傾斜面16及び第二傾斜面17の両面と交差するシート面を特定シート面とする。
(4)
第一傾斜面16、第二傾斜面17、及び該特定シート面P Sheetで構成される3角柱を稜線14aの主切断面(同図ではzx平面乃至これと平行な面)における該3角柱と該直交平面とが交差して形成される3角形を求める。
(5)
そして、該3角形における該特定シート面P Sheetに対応する底辺と第一傾斜面16に相当する辺とで形成される内角を第一傾斜面16の傾斜角θと定義する。同様に、該3角形における該特定シート面P Sheetに対応する底辺と第二傾斜面17に相当する辺とで形成される内角を第二傾斜面17の傾斜角θと定義する。
(5−1)
第一傾斜面16及び第二傾斜面17が図6の如く平面(主切断面においては直線)であり、且つ稜線14aが直線(この形態は図示無し)の場合は、以上の通りである。
(5−2)
一方、現実の凹凸模様には、第一傾斜面16及び第二傾斜面17の少なくとも一方が、少なくとも一部領域において、非平面(図7のように主切断面においては非直線)となる場合の方が寧ろ多い。そこでこのような非平面の場合には次のように考える。
その際、第一傾斜面16又は第二傾斜面17の何れかが表面に微細な凹凸を有して粗面となる場合は、該粗面を最小二乗法等の適宜手法で平滑化した面を求める。この場合には、第一傾斜面16を平滑化した面を平滑化第一傾斜面16Sと呼称し、第二傾斜面17を平滑化した面を平滑化第一傾斜面17Sと呼称する。この平滑化第一傾斜面16S、平滑化第二傾斜面17Sの面の性質により、さらに次のように考える。
(5−2−1)
平滑化第一傾斜面16S又は平滑化第一傾斜面17Sが平面となる場合は、かかる平滑化した傾斜面16S又は傾斜面17Sについて上記した傾斜面が平面の場合と同様の方法にて傾斜角θ又は傾斜角θを求める。
図5についてこの例に倣って傾斜角θ及び傾斜角θを演算したところ、傾斜角θは3.94°、傾斜角θは18.48°となった。演算の元となる形状の測定は、三次元測定器(株式会社キーエンス、VR−3000)にて得た三次元形状を用いた。
(5−2−2)
一方、平滑化第一傾斜面16S又は平滑化第一傾斜面17Sの何れかが曲面等の非平面となる場合は、以下の如くする。
(5−2−2a)
非平面となる平滑化第一傾斜面16S又は平滑化第二傾斜面17Sについて、図7のように、稜線14a(に対応する点(頂点))と谷線15a(に対応する点)とを接続し、主切断面と直交する平面を求める。図7の如き主切断面内においては、稜線14aに対応する点と谷線15aに対応する点とを結ぶ直線を引くことに相当する。これを平面化した平滑化第一傾斜面16P、平面化した第二平滑化傾斜面17Pと呼称する。
(5−2−2b)
しかる後、非平面となる平滑化第一傾斜面16S又は平滑化第二傾斜面17Sを平面化した平滑化第一傾斜面16P又は平面化した第二平滑化傾斜面17Pと置換する。以降は、前記傾斜面が平面の場合と同様の方法にて傾斜角θ又はθを求める。
(6)
次に凹凸中のシート面内方向における分布の有無を確認し、傾斜角を決める。その際には凹凸中の傾斜角の特徴によって次のように考える。
(6−1)
もし、凹凸中の第一傾斜面16の傾斜角θ及び第二傾斜面17の傾斜角θがシート面内の全域において同一の値を有する場合は、凹凸模様中の任意の点における傾斜角θ及び傾斜角θの値を以ってその凹凸模様を代表する傾斜角θ及び傾斜角θとすれば良い。
(6−2)
一方、もし凹凸中の第一傾斜面16の傾斜角θ及び第二傾斜面17の傾斜角θがシート面内の場所によって異なる場合には、以下の如くとする。
(6−2a)
先ず、凹凸中において任意の1条の稜線14aの任意の部分を選択する。該稜線の選択部分の中で、任意の異なる場所10箇所について、前記方法により傾斜角θ及び傾斜角θの値を求め、その10点平均値を以って、当該稜線の当該選択部分の傾斜角θ及び傾斜角θとする。
(6−2b)
次いで、凹凸中において他の任意の1条の稜線の任意の部分を選択して同樣に10点平均値として当該稜線の当該選択部分の傾斜角θ及び傾斜角θを求める。
(6−2c)
かかる測定を、傾斜角θ及び傾斜角θの10点平均値の分散が十分収束したと判断される程度に複数の稜線の複数の選択部が5個乃至10個程度揃えれば、該10点平均値の値は収束したとみなし得る。
(6−2d)
かかる後、得られた個数の傾斜角θ及び傾斜角θの10点平均値を、更に、傾斜角θ、傾斜角θ別に各々平均した値を以って、当該凹凸模様の傾斜角θ及び傾斜角θの値とする。
以上の(1)乃至(6)により傾斜角定義の測定基準とすべき特定シート面P Sheet選定するとともに傾斜角θ、傾斜角θを得る。
本形態では傾斜角θが傾斜角θより小さくなる関係を有して構成されている。これにより従来のように凹凸模様における高さの階調が限定的であるため単調となることが避けられ、より実際の石材表面に近い豊かな外観の化粧材を得ることができ、外観について違和感が少なくできる。また、触感の観点からも同様の観点からこれまでとは異なる化粧材となる。
具体的な傾斜角θ及び傾斜角θの大きさは特に限定されることはないが、傾斜角θは0°より大きく10°以下であることが好ましい。また、傾斜角θは10°より大きく80°以下であることが好ましい。
また、傾斜角θと傾斜角θとの差は特に限定されることはないが、大きい方が視覚及び触感の観点からその効果が大きくなる。好ましくはその差は5°以上70°以下である。
ここで、隣り合う凸部14の間隔(図6(b)における傾斜面16、及び傾斜面17のシート面Psheetに対する正射影の長さの和L16+L17に相当)は、表現しようとする模様により異なるため特にその好ましい範囲はなく、表現に必要な大きさを適宜設定可能であり、規則的であっても不規則であっても良い。ただし、通常の石材表面の凹凸模様の外観を再現する観点からは、凸部14の間隔は5mm以上200mm以下の範囲とすることが好ましい。
図6(b)にHで示した稜線14aと谷線15aとの厚さ方向(z方向)の差、即ち厚さ方向の高低差(乃至は段差)も特に限定されることはなく傾斜角θや凸部14の間隔により決まる。その中でも化粧材に形成された模様の十分な視認性、意匠外観、及び触感の再現性の点で、一般には高低差は大きい方が好ましい。但し、一方では、基材11への凹凸模様の賦形の容易さの点で、一般に高低差は小さい方が好ましい。即ち、一般に、高低差が大きくなるに従って版の製造、及び、版の凹凸模様の基材への忠実な賦形が共に難しくなる。且つ、凹凸模様を賦形可能な基材の最低厚みも増大する。よって、意匠外観の再現性と賦形の容易性との両立の観点から、高低差Hは1μm以上1000μm以下程度であることが好ましい。
本形態では一般に石材表面を印象付ける表面を例示した。ただしさらにこれを特徴づける観点から、花崗岩等の多結晶体石板表面の劈開面の凹凸模様、石灰岩、大理石(結晶質石灰岩)、砂岩等のより具体的な石材破断面の表面凹凸模様を模擬することもできる。
ここで、本発明において表現する凹凸模様は、必ずしも実物の石材表面の凹凸模様と同じ凹凸形状乃至凹凸構造を有している必要は無い。要するに、本発明では表現対象とする凹凸模様と同様の意匠外観及び/又は触感を観察者が知覚できるように構成されていればよい。
図3に戻って絵柄層18について説明する。絵柄層18は、絵柄(デザイン)が施された層であり、図2の例では基材11のうち模様形成層12とは反対側に配置され、図3の例では模様形成層12の全体に亘って積層されている。
絵柄層18における具体的な絵柄は、より石材表面の印象を強調するための花崗岩、大理石、砂岩等の岩石の板の表面又は破断面に代表される石材表面等の各種の模様の他、色彩パターン、写真、絵画、図画又は幾何学模様等を配置することができる。例えば模様形成層12により石材表面模様が形成されていればこの模様に合わせた絵柄とすることができる。その際には、模様形成層12の凹凸に合わせた絵柄であっても良いし、模様形成層12の凹凸とは異なる絵柄であってもよい。
このような絵柄層18のデザインは例えばグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等の印刷で形成したインキ層により形成することができる。
絵柄層18を構成するインキとしては、公知のものの中から絵柄の色調及び要求される物性に応じて適宜選択すれば良い。インキのバインダ樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を1種単独で或いは2種以上混合して用いることができる。
着色剤(顔料、染料等)としては、例えば、チタン白、亜鉛華等の白色着色剤、カーボンブラック(墨)、鉄黒、アゾメチンアゾ系顔料等の黒色着色剤、黄鉛、チタン黄、ポリアゾ系イエロー、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体等の黄色着色剤、弁柄、カドミウム赤、ポリアゾ系レッド、キナクリドンレッド等の赤色着色剤、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー等の青色着色剤、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を用いることができる。
その他、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、熱安定剤、紫外線吸收剤、光安定剤、滑剤等各種添加剤を適量添加することができる。
また、図3の例では絵柄層18に対してさらに透明保護層を積層してもよい。透明保護層は、絵柄層18及び模様形成層12を汚染や傷等から保護する層であり、透明樹脂、又は透明ガラスなどにより構成することができる。
透明樹脂を用いる場合には、例えば、熱可塑性樹脂、硬化樹脂による層を挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
硬化樹脂による層は、硬化性樹脂組成物が硬化した層であり、硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する組成物である。硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む。)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、熱硬化性樹脂の硬化反応に関与する成分、例えば、触媒、硬化剤(架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を含む)等を含有してもよい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波及び荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものであり、紫外線(UV)及び電子線(EB)の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も包含するが、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が使用される。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られる。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋可能な(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合、エポキシ基等を分子中に有するモノマー、オリゴマー、或いはプレポリマー等の1種以上を含有する組成物を使用することができる。
透明保護層の厚さは特に限定されることはないが、0.1μm以上400μm以下が好ましい。薄いと曲げ等による耐久性は高いが耐擦傷性では弱く、厚いと耐擦傷、傷には強いが曲げ等の変形に弱く割れ等が発生するため、上記範囲の厚さとすることによりバランスのよい透明保護層とすることができる。より好ましくは1μm以上10μm以下である。
着色層19は、図2で示した化粧材10を作製するに際して絵柄層18を積層する際に用いる層であり、化粧材10の作製において絵柄層18の基材となる。すなわち、絵柄層18が積層された着色層19と模様形成層12が形成された基材11が貼り合わされることにより化粧材10とされる。
着色層19に用いられる材料は基材11と同様に考えることができるが、着色されていることが好ましい。
次に化粧材10の製造方法の例を説明する。ただし、化粧材10を製造する方法がこれに限定されることはない。
以下に説明する製造方法には、版下画像を作製する工程、版を作製する工程、凹凸模様を形成する工程を含んでいる。
版下画像を作製する工程では、基材11表面に表現すべき平面視における模様を画像濃度(濃淡)として取得してこれを版下画像とする。版下画像はデジタルデータであることが好ましいため、デジタルデータでない場合には石材表面等の原稿自体或いは原稿の写真をスキャナで読み込みAD変換する手法を用いることにより、2次元座標平面(x、y)内に画素が配列してなり、各画素には各々固有の濃度値が対応して成るデジタルデータを得る。また、初めから模様をCAD等を用いてデジタルデータを利用して設計していた場合にはそのデジタルデータを用いることができる。
これで、デジタルデータとして版下画像が得られる。
この版下画像を作製する工程では、得られた模様の濃度の連続階調画像を基に該連続階調濃度画像中に線状の二値画像パターンを生成して該連続階調濃度画像中の一部の画素が稜線又は谷線を構成する画素となるように配置し、デジタルデータとして版下画像中における稜線及び谷線を得る。
具体的には、例えば以下のような方法を用いる。但し、本発明は下記の方法により得られた化粧材のみに限定される訳では無い。ここでは凹凸形成層における凸部14及び凹部15の形成に注目して説明する。
即ち、面内の各方向に向かって位置座標の増加に伴い画像濃度が増減の変化率を計算する。そして、画像濃度が座標の増加とともに増加から減少に転じる極大点の画素を稜線14aの画素とする。又、画像濃度が座標の増加とともに減少から増加に転じる極小点の画素を谷線15aの画素とする。
かかる処理を連続階調濃度画像の各画素について実施する事により、連続階調濃度画像中に稜線14a及び谷線15aに対応する線を有する画像データを得る。
画像データにおいては、2次元座標平面内で稜線14aに相当する線と直交する方向で該稜線14aに対応する点に向って漸次接近するに従い濃度値は増加し、該稜線14aに対応する点で濃度値が極大となり、該稜線14aに対応する点から漸次離脱するに従い濃度値は減少する特徴を有した画像データとなっている。
又、該画像データにおいて、2次元座標平面内で谷線15aに相当する線と直交する方向で該谷線15aに対応する点に向って漸次接近するに従い濃度値は減少し、該谷線15aに対応する点で濃度値が極小となり、該谷線15aに対応する点から漸次離脱するに従い濃度値は増加する特徴を有した画像データとなっている。
次いで、製造する化粧材に求める凹凸模様において、第一傾斜面16の傾斜角θと第二傾斜面17とのなす角を第二傾斜面17の傾斜角θについて、「θがθよりも小さくなる関係を満たす面積の化粧材全面積に対する面積率σ」の設計値を所望の値に設定する。
次いで、以上の如く処理した連続階調濃度画像において、稜線14aの前後における濃度勾配の差を計算し、稜線14aを挟んだ両側の領域における平均濃度勾配の差異を確認する。
具体的には、稜線14aと直交する方向で該稜線14aに向って所定の距離漸次前進しながら各位置座標における濃度値を求め、該前進した経路と距離に沿った平均濃度勾配を計算する。かかる所定の距離としては、谷線15aと稜線14aとが隣接する場合は、該隣接する谷線15aから稜線14aまでの距離とされる。又、かかる前進経路に沿って稜線14aから隣接する谷線15aに向い前進しながら各位置座標における濃度値を求め、該前進した経路と距離に沿った平均濃度勾配を計算する。
次いで、該前進経路に沿った特定稜線14a上の特定画素の両側の平均濃度勾配を比較する。かかる処理を各稜線14a上の各画素について行う。
次いで、該連続階調濃度画像において、全稜線14a上の画素のうちについて、稜線14aの両側の平均濃度勾配が異なる条件を満たす稜線14aの部分の長さを連続階調濃度画像の全領域に亘って積分した積分値Sを求める。
次いで、該積分値Sと設計値として設定した面積率σとを比較する。そして、両者の誤差が予め設定した許容範囲e以内に収束しているか否か、即ち、
|(S−σ)/σ|≦e
を満たす否かを確認する。
これがもし収束していれば、版下画像作成を終了する。一方もし収束していない場合は、収束するように該連続階調濃度画像における各画素の濃度を修整する。
このようにして生成された稜線は、その線分部分が、化粧材における稜線に該当し、該稜線を基準として、版下画像作成者が選択した、一方の側の隣接する谷線までの領域を第一傾斜面に割り当て、他方の側の隣接する谷線までの領域を第二傾斜面に割り当てる。
版を作製する工程では、版下画像に基づいて平面視形状の模様における濃淡画像(濃度値の濃淡)を版深に変換して成る凹凸模樣(高さの高低)の逆凹凸の凹凸模様を表面に有するエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。
そして具体的には凹凸模様の製造工程は以下の手順(A)乃至(E)を含んでなる。
〔(A)濃淡階調版下画像作成工程〕
以上で得られた図1の凹凸模様に対応する濃淡画像データを得る。この濃淡画像データを凹凸模様画像データともいう。
〔(B)金属ロール準備工程〕
上記工程(A)と並行して、図8に示したようなエンボス版彫刻用の金属ロール70を準備する。金属ロール70は、軸方向両端部に回転駆動軸(shaft)71を有する中空の鉄製の円筒の表面に銅層をメッキ形成したものである。砥石で金属ロール70の表面を研磨して粗面化し、彫刻用レーザ光の鏡面反射による彫刻効率の低下を防止する処理をする。
〔(C)レーザ光彫刻工程〕
図8に模式的に示したように、レーザ光直接彫刻機を用い、工程(B)で用意した金属ロール70の表面を工程(A)で作成した凹凸模様画像データに基づき彫刻する。これによりその表面に図4(a)のような化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸に対応する部分がエンボス版面上では凹となる関係)の凹凸形状を形成する。
従ってエンボス版における凹凸模様が備えるべき形状は、上記した化粧材における凹凸模様の凹凸関係が反転した態様であり、同様に考えることができる。
金属ロール70をその回転駆動軸71を介して電動機で駆動し、回転駆動軸71を中心軸として回転する。レーザーヘッド72から出射される発振波長1024nm、レーザスポット径10μm、出力600Wのファイバーレーザ光Lで金属ロール70の表面の全面を走査する。その際には工程(A)で作成した凹凸模様画像データの濃度値に応じてレーザ光をON−OFF切換(照射又は非照射の切換)を行い、照射位置には1回のレーザ光照射による金属の蒸発で深さ10μmの凹部を形成する。かかるレーザ光による金属ロール表面に対する走査を10回繰り返す。また、蒸発した金属が粉体となって金属ロール70の表面に残留又は付着することを防止するため、彫刻液吐出口73から彫刻液Tを金属ロール70の表面のレーザ光照射領域に吹き付けた状態でレーザ光照射を行う。
その際に、例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計10回の走査のうち、最初の5回分のみレーザ光を照射(ON)し、残り5回分についてはレーザ光は非照射(OFF)となるよう制御する。
尚、金属ロール70上の各位置座標に対応する凹凸模様画像データ上の画像濃度を彫刻すべき版深に変換するに当たっては、先ず、エンボス上の所望の(設計目標としての)版深の分布幅(最大版深−差意匠版深であり、これはエンボス加工後に得られる化粧材表面の最大の高低差に対応する)を決定する。かかる後、凹凸模様画像データ上の画像濃度の分布幅を版深の分布幅に対応するよう、レーザ光直接彫刻機の彫刻制御プログラムを設定する。
具体的には、凹凸模様画像データ上の画像濃度に対して、画像濃度が大きな部分を版深の大きな部分に対応させる場合は、最大濃度が最大版深(最大彫刻量)に、又、最小濃度が最小版深(最小彫刻量)に対応するようプログラムする。
かかるレーザ光の走査を完了させ、金属ロール70の表面に所望の凹凸形状を形成する。
〔(D)電界研磨工程〕
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロール70の表面に付着した金属の残渣を除去する。
〔(E)クロムメッキ工程〕
工程(D)の後、該金属ロール表面にメッキにより厚さ10μmのクロム層を形成する。
次に、凹凸模様を形成する工程で、作製された版(エンボス版)を用いて、基材11にエンボス加工を行えば化粧材10が得られる。エンボス加工は、適宜な公知の方法によれば良く、特に制限はない。エンボス加工の代表的な方法は例えば次のようなものである。
基材としてポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを用いる。この基材を加熱軟化させ、その表面にエンボス版を押圧して該樹脂シート表面にエンボス版表面の凹凸模様を賦形する。そして樹脂シートを冷却して固化させて樹脂シート上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂シートをエンボス版から離型する。
ここで、各種エンボス加工法について、さらに説明すると例えば次の(a)〜(e)のような方法がある。
(a)基材となる樹脂シートを加熱軟化させ、エンボス版を押圧して、エンボス加工する。
(b)エンボス版を押圧する時の熱圧で表面シートとなる樹脂シート(基材)とベースシートとする樹脂シート(第2の基材)とを熱融着することにより、エンボス加工とラミネートとを同時に行うダブリングエンボス法によりエンボス加工する。
(c)表面シートとする樹脂シート(基材)を、Tダイから溶融押出しをし、冷却ローラを兼ねるシリンダ状のエンボス版上に接触させて表面シートの成膜と同時にエンボス加工する。このとき、さらに表面シートの裏面側に挿入したベースシートとする樹脂シート(第2の基材)を熱融着させてダブリングエンボスを成膜と同時に行う。
(d)特開昭57−87318号公報、特開平7−32476号公報等に開示の如く、シリンダ状のエンボス版の表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状物を塗工する。さらにその上に、樹脂シート等からなるベースシートを重ねた状態で電離放射線を照射して未硬化液状物を硬化させて硬化物とする。その際、該硬化物をベースシートと接着させた後、エンボス版から離型して、ベースシートと該ベースシート上の硬化物とからなる基材とすることで、基材にエンボス加工する。
(e)チタン紙等の紙にメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸した含浸紙を、コア紙、木材合板上等の裏打材上に載置して、これら載置した複数層を熱プレス成形することによって各層を積層一体化して熱硬化性樹脂化粧材を作製する。そのとき、含浸紙表面側にエンボス版を挿入することによって、熱硬化性樹脂を含浸硬化させて化粧材とする際にその表面に熱プレスと同時にエンボス加工する。
なお、(a)乃至(c)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱可塑性樹脂が使用され、(d)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には電離放射線硬化性樹脂が使用され、(e)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱硬化性樹脂が使用される。
以上のようにして基材11に模様形成層12を形成して、他の層を必要に応じて積層することで化粧材10を得ることができる。
以上説明した化粧材の用途は特に制限は無いが、例えば、壁、床、天井等の建築物の内装材、建築物の外壁、屋根、門扉、塀、柵等の外裝材、扉、窓枠、扉枠等の建具、廻り縁、幅木、手摺等の造作部材の表面材、テレビ受像機、冷蔵庫等の家電製品や複写機等の事務機器の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、箱、樹脂瓶等の容器の表面材、車両等の内装材又は外裝材、船舶の内装材又は外装材等である。
10 化粧材
11 基材
12 模様形成層
14 凸部
14a 稜線
15 凹部
15a 谷線
18 絵柄層
19 着色層

Claims (2)

  1. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    基材と、
    前記基材の一方の面に形成された凹凸を具備する模様形成層と、
    前記模様形成層に積層され、石材表面模様を有する絵柄層と、を有し、
    前記凹凸模様を形成する凸部が、第一傾斜面と第二傾斜面とを有し、前記第一傾斜面の一端と前記第二傾斜面の一端とが連結することにより、前記凸部の頂部が稜線を成し、
    前記第一傾斜面とシート面とのなす傾斜角が、前記第二傾斜面とシート面との成す傾斜角よりも小さい前記凹凸模様を含む、化粧材。
  2. 前記絵柄層が大理石調の絵柄を備えている請求項1に記載の化粧材。
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