JP2020158675A - ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造において、エステル化反応で副生するテトラヒドロフランと水を抑制し、コストとポリテトラメチレングリコールの分散性に優れ、かつポリマ溶融時に発生するテトラヒドロフランの少ないポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法を提供する。【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸、1,4−ブタンジオール及び数平均分子量400〜6000のポリテトラメチレングリコールからなるポリブチレンテレフタレート共重合体を製造するに際し、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して1.0〜1.5モルの1,4−ブタンジオールを添加してエステル化反応を開始し、エステル化反応途中でテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して0.1〜0.5モルの1,4−ブタンジオールを追加添加した後、分子量分布が1.6〜1.9のポリテトラメチレングリコールを5〜80重量%添加し、重縮合反応させることを特徴とするポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法に関するものである。
熱可塑性ポリエステル樹脂の中で代表的なエンジニアプラスチックであるポリブチレンテレフタレート樹脂は、成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、自動車部品、電気・電子部品、精密機械部品などに広く使用されている。
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントに、ポリオール類をソフトセグメントとするポリブチレンテレフタレート共重合体は、従来の天然ゴム、合成ゴムに変わる新しいエラストマーとして、射出成形や押出成形のような従来の熱可塑性プラスチックの成形法で経済的に成形でき、さらに優れたゴム弾性、耐熱性、耐薬品性など多くの特長を有するため、柔軟・弾性素材として広く使用されている。
ポリブチレンテレフタレートの製造方法としては、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを原料とするいわゆる直接重合法と、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを原料とするいわゆるエステル交換重合法とが知られているが、原料コスト面および副生テトラヒドロフランの回収再利用が容易な面などから、前者の直接重合法が経済的に有利である。
特許文献1では、直接重合法の経済性が追及され、直接重合反応中に1,4−ブタンジオールが多量のテトラヒドロフランに転化、副生することを抑制させる、1,4−ブタンジオールの追加添加に関するポリブチレンテレフタレートの製造方法が示されている。
そして、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントに、ポリオール類をソフトセグメントとするポリブチレンテレフタレート共重合体を直接重合法で製造する際の具体例としては、テレフタル酸を主としたジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを主としたジオール成分をエステル化缶に仕込みエステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物を重縮合缶に移行してポリテトラメチレングリコールを主とするポリオール類と重縮合反応させる方法が知られている。
特許文献2では、このポリブチレンテレフタレート共重合体を製造するに際しての、エステル化反応中の1,4−ブタンジオール追加添加による副生テトラヒドロフランの抑制が記載されている。
特開昭61−163928号公報 特開平5−262861号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献2では、実施例においては1,4−ブタンジオールの追加添加量が比較的多いことに着目し、最適化が不十分ではないかと考えた。
また、重縮合させるポリオール類については、実施例では数平均分子量が1000の低分子量ポリテトラメチレングリコールが用いられているのみだが、本発明者らは、高分子量ポリテトラメチレングリコールを用いると、粗大相分離を形成し物理的性能が低下する問題が顕在化することを見出していた。
すなわち、本発明の課題は、上記した従来技術の問題点である、粗大相分離を形成して物理的性能が低下する問題を解消して良好な物性を得て、かつ、副生テトラヒドロフランのより少ない、ポリテトラメチレングリコールを重縮合したポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、ポリテトラメチレングリコールを重縮合したポリブチレンテレフタレート共重合体を直接重合法で製造する際の1,4−ブタンジオールの追加添加量に着目し、副生テトラヒドロフランのより少なくすべく、最適化を鋭意検討した。
また、粗大相分離を形成して物理的性能が低下する問題を解消すべく、ポリテトラメチレングリコールの分子量分布に着目し、最適化を鋭意検討した。
すなわち本発明は、上記課題を解決するため、次の特徴を有するものである。
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸、1,4−ブタンジオール及び数平均分子量400〜6000のポリテトラメチレングリコールからなるポリブチレンテレフタレート共重合体を製造するに際し、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して1.0〜1.5モルの1,4−ブタンジオールを添加してエステル化反応を開始し、エステル化反応途中でテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して0.1〜0.5モルの1,4−ブタンジオールを追加添加した後、分子量分布が1.6〜1.9のポリテトラメチレングリコールを5〜80重量%添加し、重縮合反応させることを特徴とするポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法。
本発明によれば、エステル化反応における副生テトラヒドロフランをより抑制させることで、製造経済性に優れ、高温特性、溶融粘度の大きさ、再溶融成形時の分解物発生量が少ないポリブチレンテレフタレート共重合体を製造することができる。
さらに、分子量分布が1.6〜1.9と非常に狭いことを特徴とするポリテトラメチレングリコールを5〜80重量%使用することで、重縮合反応中に、ポリテトラメチレングリコールの粗大相分離を抑制でき、均質なポリマを得ることができ重縮合反応が効率的に進められるので、生産性、省エネ効果が大である。
以下に本発明の実施形態を詳細説明するが、記載する構成要件は本発明の実施態様の一例であり、記載内容に限定されるものではない。
上述の通り、本発明のポリブチレンテレフタレート共重合体は、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントに、ポリオール類であるポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとする。
(ハードセグメントについて)
ハードセグメント単位として使用されるポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および1,4−ブタンジオールからなる。
(ソフトセグメントについて)
ソフトセグメント単位として使用されるポリテトラメチレングリコールの全ポリマに対する比率は、ポリマに要求される特性、特に弾性、硬さなどの要求に応じて適宜選択されるが、このポリブチレンテレフタレート共重合体組成においては、5〜80重量%であることが必要であり、好ましくは30〜75%、より好ましくは40〜50重量%である。80重量%を越えると粗大相分離して白濁しやすく、5重量%未満ではソフトセグメントとしての柔軟性を発現しない。
(ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量と分子量分布について)
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸とポリオール類による共重合体において、ポリオール類の数平均分子量(Mn)と共重合組成比を替えていくと、ある特定の共重合組成領域では、溶融時白濁したポリマとなる。すなわち、ポリオール類の数平均分子量(Mn)が高いものほど、またポリオール類の共重合が少ないものほど白濁しやすい。この関係はポリオール類の分子量分布によっても変動し、狭い分子量分布を持つポリオール類を用いた場合にはかなり広い共重合組成領域にわたって白濁することなく溶融時均質透明なポリマを得られる。
本発明におけるポリテトラメチレングリコールの数平均分子量は、400〜6000であることが必要であり、好ましくは、700以上、より好ましくは1000以上、さらに好ましくは1200以上である。また、好ましくは4000以下、より好ましくは2000以下である。数平均分子量が6000を越えると粗大相分離して白濁しやすく、400未満では分子量が小さすぎて物理的な物性が低下する。
本発明におけるポリテトラメチレングリコールの分子量分布は、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表され、数字が小さいほど分子量分布が狭いことを表している。この分子量分布は、1.6〜1.9であることが必要であり、好ましくは1.6〜1.7、より好ましくは1.6である。分子量分布が1.9を越えるとポリテトラメチレングリコールの粗大相分離が発生し、1.6未満とすることはポリテトラメチレングリコールの製造上困難である。
(分岐剤:トリメリット酸について)
本発明においては、分岐剤としてトリメリット酸を含むことが好ましく、トリメリット酸の含有量は重縮合反応の反応性の観点から、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して0.01〜0.20モルであることが好ましく、特に0.05〜0.15モルが好ましい。
(酸化防止剤について)
本発明においては、1種類以上の酸化剤を含むことが好ましい。酸化防止剤としては、従来公知のヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系耐光剤、ベンゾトリアゾール系耐光剤などを用いることができる。好ましくはヒンダードフェノール系酸化防止剤が使用され、一般的なIR1010やIR1098などに加えて、芳香環の数が多く耐熱性に優れるIR1330と併用することがポリテトラメチレングリコールの分解抑制の観点からより好ましい。酸化防止剤の添加量は、生成するポリマ中の含有物質量及び異物生成などの観点から、生成ポリマに対して0.01〜0.09重量%が好ましく、特に0.03〜0.07重量%が好ましい。
(エステル化触媒について)
本発明における、エステル化反応には従来公知のチタン化合物および/またはスズ化合物のエステル化触媒が用いられる。チタン化合物の具体例としては、テトラアルキルチタネート、テトラアルキルチタネートとアルキレングリコールとの反応生成物、テトラアルキルチタネートの部分加水分解物、チタニウムヘキサアルコオキサイドの金属塩、チタンのカルボン酸塩、チタニル化合物などが挙げられる。また、スズ化合物の具体例としては、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド、モノn−ブチルスズトリアセテート、モノn−ブチルスズモノオクチレート、モノn−ブチルスズモノアセテートなどのモノアルキルスズ化合物、ジn−ブチルスズオキサイド、ジn−ブチルスズジアセテート、ジフェニルスズオキサイド、ジフェニルスズジアセテート、ジn−ブチルスズジオクチレートなどのジアルキル(またはジアリール)スズ化合物などが挙げられる。エステル化触媒のチタン化合物添加量は、エステル化反応の反応性及び異物生成などの観点から、生成ポリマに対して0.01〜0.10重量%が好ましく、特に0.03〜0.07重量%が好ましい。また、エステル化触媒のスズ化合物添加量はエステル化反応の反応性及び生成するポリマ色差のなどの観点から、生成ポリマに対して0.005〜0.015重量%が好ましく、特に0.008〜0.012重量%が好ましい。
(1,4−ブタンジオールの追加添加について)
本発明では、エステル化反応中に1,4−ブタンジオールを追加添加することが、副生するテトラヒドロフランを抑制、その際発生する水を抑制するために必要である。
追加添加方法としては、エステル化反応開始直後から連続的に添加する方法、エステル化反応途中の任意の段階で一括して添加する方法、何回かに分けて添加する方法のいずれを用いても、また組み合わせてもよい。
エステル化反応開始時の、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分に対する1,4−ブタンジオールの仕込みモル比(以下、「反応初期仕込みモル比」という場合がある)は、1.0〜1.5モルであることが必要で、好ましくは1.1〜1.2モルである。
また、該テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比が1.0モル未満の場合、両者の混合物のスラリー性が悪化し流動性が不十分となり反応が完結せず、目標の物性が得られない。
追加添加する1,4−ブタンジオールの、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分に対する仕込みモル比(以下、「追加添加仕込みモル比」という場合がある。)は、0.1〜0.5モルである必要があり、0.1〜0.3モルがより好ましい。該テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して1,4−ブタンジオールの追加添加仕込みモル比が0.5モルを超えると副生するテトラヒドロフラン、水の量が増え好ましくなく、0.1モル未満でもエステル化反応が完結せず、反応が遅延し目標とする物性が得られないため好ましくない。
テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分に対する、1,4−ブタンジオールを主とするジオール成分の全仕込みモル比は、反応初期仕込みモル比と追加添加仕込みモル比の合計であるが、エステル化反応速度およびテトラヒドロフラン副生の観点から、1.1〜2.2が好ましく、1.1〜1.5がより好ましい。本発明の1,4−ブタンジオールの追加添加製法を行うことで、エステル化反応で副生するテトラヒドロフランの低減のみではなく、得られたポリマの成形加熱時の分解ガスも低減させることができる。
以下に、本発明におけるポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法の具体例について述べる。
まず、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールをエステル化触媒とエステル化缶に仕込み、反応系を減圧下として撹拌しながら150℃付近から220℃〜240℃くらいまで徐々に昇温し、生成する水及びテトラヒドロフランを精留塔を通して系外へ留出させながらエステル化反応を行う。
また、1,4−ブタンジオールの仕込みをエステル化反応開始時とエステル化反応中に分割して添加すると、副生するテトラヒドロフランをより低減させることができるので好ましい。エステル化反応中に追加する1,4−ブタンジオール添加方法としては、反応開始直後から連続的に添加する方法、反応途中の任意の段階で一括して添加する方法、何回かに分けて添加する方法などの方法を採用することができる。
本発明におけるエステル化反応温度は、160〜240℃の範囲で行なうのが好ましく、エステル化反応の開始時から完結するまでの間、一定温度で行なってもよく、反応を開始してから随時温度を上昇させる方法でもよい。また、エステル化反応は、反応が完結するまで100〜700mmHgの減圧度の範囲で行われる。その際、弱減圧状態でエステル化反応を開始し、反応の途中から1,4−ブタンジオールが反応系外に留去させないようにコントロールしながら減圧度を高める方法は、1,4−ブタンジオールの分解を抑制することができ、一層有効である。ここでいうエステル化反応の完結とは、反応率97%以上に到達した時点をいう。反応率は、反応留出液中の水の量から求められる。
エステル化反応時間は、触媒種、触媒量、反応温度、減圧度または1,4−ブタンジオールの仕込みモル比などにより異なるが、一般には2〜7時間程度である。エステル化反応触媒としては、従来公知のチタン化合物およびスズ化合物が用いられる。ついで、該エステル化反応生成物と数平均分子量400〜6000のポリオール類を混合する。混合する方法は、重縮合反応開始前にエステル化缶内にポリオール類を添加する方法、重縮合缶内に予めポリオール類を仕込んでおきそこへエステル化反応生成物を添加する方法、あるいは、ポリオール類の重合缶への仕込みと同時にエステル化反応生成物を重合缶へ移行する方法等が挙げられる。この後1mmHg以下の高真空度まで徐々に減圧にし、230〜250℃で数時間重縮合反応せしめて所望の高重合度ポリブチレンテレフタレート共重合体を製造する。
なお、重縮合反応開始時に必要に応じて重縮合触媒、安定剤、顔料、難燃化剤、結晶核剤、その他改質剤などを添加することもできる。かかる重縮合触媒としては、エステル化触媒として例示されたチタン化合物が一般に用いられる。また、安定剤としては、従来公知のヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系着色防止剤、ベンゾフェノン系耐光剤、ベンゾトリアゾール系耐光剤などを用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を説明する。なお、物性の測定方法、効果の評価方法は以下の方法で行った。
(1)ポリテトラメチレングリコールの分子量分布
分子量分布は「重量平均分子量」対「数平均分子量」の比として定義されるが、ポリテトラメチレングリコールの分子量分布の近似値はバルク粘度および数平均分子量の測定値から得られることが知られている。即ち、バルク粘度は既知の方法により測定され、数平均分子量は公知の測定方法によるヒドロキシル価(mgKOH/g)より求められる。近似の分子量分布は、「粘度平均分子量」対「数平均分子量」の比から得ることができる。粘度平均分子量は40℃で測定されるバルク粘度(ポアズ;Poise)に関する以下の関係式から計算される。
(粘度平均分子量)= anti log(0.493 log粘度 + 3.0646)
すなわち「粘度平均分子量」対「数平均分子量」の比が大きいほうが広い分子量分布をもつことを示している。
(2)エステル化反応時留出液中のテトラヒドロフラン量
留出液中のテトラヒドロフラン濃度をガスクロマトグラフィーにより予め求めた検量線を使用して、定量した。
(3)ポリブチレンテレフタレート共重合体の相対粘度
ポリブチレンテレフタレート共重合体の試料1.25g±0.0005gを秤量し、オルソクロルフェノール溶液25ml加え102±3℃で撹拌しながら70分間撹拌溶解する。冷却後15mlをオストワルド改良型粘度計に入れて落下秒数から相対粘度ηrを測定する。この相対粘度ηrは5%オルソクロルフェノール溶液時のもので換算式により8%オルソクロルフェノール溶液の相対粘度ηrを求める。
(4)ポリブチレンテレフタレート共重合体の融点
ポリブチレンテレフタレート共重合体の試料約10mgを秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(TAインスツルメント社製:DSC Q100)を使用して融点を測定した。
(5)ポリブチレンテレフタレート共重合体の溶融時の目視状況
ポリブチレンテレフタレート共重合体を試験管に10g入れ、230℃で10min溶融時のポリマを目視にて透明か白濁を判断した。
(6)ポリブチレンテレフタレート共重合体樹脂成形時のテトラヒドロフラン量
ポリブチレンテレフタレート共重合体ペレット10gを、50ml/minを通気しつつ、80℃×2hr加熱し、発生ガスを吸着管に捕集後、260℃に加熱し解脱させ、GC/MSを用いてトルエン換算で定量行った。
[実施例1]
まず、テレフタル酸501.0部、1,4−ブタンジオール量326.0部(1,4−ブタンジオール/テレフタル酸の反応初期仕込みモル比1.20)およびテトラブチルチタネート0.27部、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド0.20部、トリメリット酸0.58部(トリメリット酸/テレフタル酸のモル比0.10)を精留塔、撹拌機を有するエステル化缶に仕込み、160℃、650mmHgの減圧下でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温するとともに、さらに1,4−ブタンジオール量81.0部(1,4−ブタンジオール量/テレフタル酸のモル比0.30)を連続的に追加添加しながら、反応途中から減圧度を500mmHgに変更した。反応を開始してから3時間40分後(この時の反応系内温度;230℃)に透明な反応生成物を得、反応を終了させた。この時の反応率は、98.5%であり、反応留出液153.0部中のテトラヒドロフラン量は21.0重量%であった。エステル化反応終了後、重縮合触媒としてテトラブチルチタネート2.00部、安定剤として“IRGANOX”1098(BASFジャパン社製)0.50部をエステル化缶に添加し、一方、数平均分子量1400、分子量分布1.8のポリテトラメチレングリコール354.0部(含有量50wt%)を重縮合缶に仕込んだ後、上記のエステル化反応生成物をエステル化缶から重縮合缶へ移行した。そして、重縮合缶内の反応系を撹拌混合させながら、常圧から1mmHg以下の高真空度まで1時間かけて徐々に減圧系にし、同時に240℃に昇温して、240℃,1mmHg以下の条件下で重縮合反応を行った。2時間00分後、透明な反応生成物を得、相対粘度59.5の強靭で弾性のある高重合度ポリブチレンテレフタレート共重合体を得た。得られたポリマを樹脂成形加熱溶融時の発生するテトラヒドロフラン量は93.1重量%であった。
[実施例2、3]
1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比を変更した以外は実施例1と同様にしてエステル化反応・重縮合反応を行った。エステル化反応で発生するテトラヒドロフラン量、得られたポリマの物性値、樹脂成形時の発生するテトラヒドロフラン量を表1に示す。実施例2においては、実施例1と同様のポリマを得た。またエステル化反応及び樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は少ない結果となった。また、実施例3においては、実施例1と同様のポリマを得たが、エステル化反応及び樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は多い結果となった。
[実施例4、5]
1,4−ブタンジオールの追加添加仕込みモル比を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例4においては、エステル化反応及び樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は少ない結果となった。また、実施例5においては、エステル化反応及び樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は多い結果となった。
[実施例6、7]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの含有量を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例6、7においては、得られたポリマの融点が上下したが、使用できる範囲のものであった。
[実施例8]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの数平均分子量を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例8においては、得られたポリマの融点が降下したが、使用できる範囲のものであった。
[実施例9,10]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの分子量分布を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例9,10においては、実施例1と同様の粘度を得た。
[実施例11,12]
トリメリット酸のモル比を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例11、12においては、得られたポリマの相対粘度ηrが上下したが、使用できる範囲のものであった。
[実施例13、14]
エステル化反応終了後、重縮合触媒の酸化防止剤を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。実施例13においては、樹脂成形時の発生するテトラヒドロフラン量は少ない結果となった。実施例14においては、実施例1と同様の粘度を得たが樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は多い結果となったが、使用できる範囲のものであった。
[比較例1]
実施例1において、1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比を変更した以外は実施例1と同様にしてエステル化反応を行った。エステル化反応を開始してから4時間00分後においても反応は完結せず、反応を中断した。この結果から、1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比が1.0から1.5の範囲外だと本発明の効果が得られない事がわかる。
[比較例2]
実施例1において、1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比を変更した以外は実施例1と同様にしてエステル化反応・重縮合反応を行い、実施例1と同様なポリマを得た。この時のエステル化反応で発生するテトラヒドロフラン量は29.6重量%、樹脂成形時の発生するテトラヒドロフラン量は97.8重量%であった。この結果から、1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比が1.60となると、テトラヒドロフラン発生量が多くなることがわかる。この結果から、1,4−ブタンジオールの反応初期仕込みモル比が1.0から1.5の範囲外だと本発明の効果が得られない事がわかる。
[比較例3,4]
1,4−ブタンジオールの追加添加仕込みモル比を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。比較例3においては、エステル化反応を開始してから4時間00分後においても反応は完結せず、反応を中断した。比較例4においては、エステル化反応及び樹脂成形時のテトラヒドロフラン発生量は多い結果となった。この結果から、1,4−ブタンジオールの追加添加仕込みモル比が0.1〜0.5の範囲外だと本発明の効果が得られない事がわかる。
[比較例5、6]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの含有量を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。比較例5、6においては溶融状態のポリマが白濁し融点も上下し使用できないポリマとなった。
[比較例7、8]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの数平均分子量を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。比較例7、8においては、得られたポリマの融点は上下し使用できないポリマとなった。比較例8においては、溶融状態のポリマは白濁した。
[比較例9]
重合缶へ仕込んだポリテトラメチレングリコールの分子量分布を変更した以外は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。比較例9においては、得られたポリマの融点は実施例1と同等であったが、溶融状態のポリマは白濁し相対粘度ηrも低下し使用できないポリマとなった。
Figure 2020158675

Claims (3)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸、1,4−ブタンジオール及び数平均分子量400〜6000のポリテトラメチレングリコールからなるポリブチレンテレフタレート共重合体を製造するに際し、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して1.0〜1.5モルの1,4−ブタンジオールを添加してエステル化反応を開始し、エステル化反応途中でテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して0.1〜0.5モルの1,4−ブタンジオールを追加添加した後、分子量分布が1.6〜1.9のポリテトラメチレングリコールを5〜80重量%添加し、重縮合反応させることを特徴とするポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法。
  2. トリメリット酸の含有量がテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸に対して0.01〜0.20モルであることを特徴とする請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法。
  3. 1種類以上の酸化防止剤を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のポリブチレンテレフタレート共重合体の製造方法。
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