JP2020145928A - 風味油脂組成物の製造方法 - Google Patents

風味油脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明においては、ネギのフレッシュ感の強い風味油脂組成物の製造方法、前記風味油脂組成物の風味の増強方法、及び前記風味油脂組成物を含む食品を提供することを目的とする。【解決手段】ネギ油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、前記ネギ油が(a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、(b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び(c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程を含む工程で得られ、前記タマネギ油が(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程を含む工程で得られ、前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、風味に優れた風味油脂組成物の製造方法、風味油脂組成物の風味の増強方法および前記風味油脂組成物を含む食品である。
香味を有する野菜の中で代表的なネギは、その特有の風味を活かして、炒飯や八宝菜、焼きそば、中華スープなどの中国料理や、そばやうどん、ラーメン等の薬味としての利用や、肉類、野菜類、魚介類などの炒め物等に利用されている。これらの料理では、ネギのツンとしたフレッシュな風味が美味しさに寄与している。
また、フレーバー等を添加した油脂やガーリック等の香味を有する野菜等を油脂中で処理して得られる当該野菜等の風味を有する風味油脂組成物が知られている。これらは、その食材に由来する特有の風味が高められた食品を簡単に調理、加工等することができるので、レストランの調理や冷凍食品加工などの業務用では勿論のこと、一般家庭の消費者にも好評である。
しかしながら、一般的に、野菜等を油脂中で処理して得られる風味油脂組成物は、いわゆるフレッシュ感が十分ではなかった。
特許文献1には、動植物性油脂に香味性素材を加え、密封された容器内で、内圧0.1〜15MPaの条件下で保持し、油分を採取することでフレッシュな風味をより忠実に再現した香味油の製造方法が記載されている。また、特許文献2には、香味性素材と油脂類の混合、加熱抽出、固液分離を行う香味油の製造方法のうち、加熱抽出、固液分離を密閉された状態で行うことで、フレッシュな風味をより忠実に再現した香味油が得られることが記載されている。
一方、特許文献3には、ネギの成分と共にベンズアルデハイド、胡椒、カルダモン、ジンジャー、酢酸からなる群から選ばれた1以上と、ベースとなる油脂とを加えると、ネギの香気を強化できることが記載されている。
特許第5171380号公報 特開2008−283894号公報 特許第3238657号公報
上記特許文献1及び2に記載の方法は、加熱抽出の工程および固液分離の工程を密閉した状態に保つ必要があり、特別な製造装置が必要となる。
また、特許文献3にはタマネギ油やニンニク油を使用することについては開示も示唆もない。
そこで、本発明においては、特別な製造装置を必要とすることのない、ネギのフレッシュ感の強い風味油脂組成物の製造方法、前記風味油脂組成物の風味の増強方法、及び前記風味油脂組成物を含む食品を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、ネギ油に所定量のタマネギ油を配合することにより、ネギ油の風味が増強されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の製造方法は、ネギ油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
前記ネギ油が
(a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、
(b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記タマネギ油が
(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記製造方法である。
さらに、前記風味油脂組成物は、さらにニンニク油を含み、
前記ニンニク油が、
(a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
(b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の第二の製造方法は、ネギタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
前記ネギタマネギ油が
(a−4)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下混合して、ネギタマネギ混合油脂を得る工程、
(b−4)前記ネギタマネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−4)保持した前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む、前記製造方法である。
さらに、前記風味油脂組成物は、さらにニンニク油を含み、
前記ニンニク油が
(a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
(b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギタマネギ油100質量部に対して、ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の第三の製造方法は、ネギニンニク油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
前記ネギニンニク油が
(a−5)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、ニンニクを前記ネギ100質量部に対して0.008質量部以上5質量部以下混合して、ネギニンニク混合油脂を得る工程、
(b−5)前記ネギニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−5)保持した前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記タマネギ油が
(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程を含む工程で得られ、
前記ネギニンニク油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記製造方法である。
また、本発明は、ネギ油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
前記ネギ油が
(a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、
(b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記タマネギ油が
(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記増強方法である。
さらに、前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
前記ニンニク油が
(a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
(b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、ネギタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
前記ネギタマネギ油が
(a−4)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下混合して、ネギタマネギ混合油脂を得る工程、
(b−4)前記ネギタマネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−4)保持した前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む、前記増強方法である。
さらに、前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
前記ニンニク油が
(a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
(b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギタマネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、ネギニンニク油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
前記ネギニンニク油が
(a−5)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、ニンニクを前記ネギ100質量部に対して0.008質量部以上5質量部以下混合して、ネギニンニク混合油脂を得る工程、
(b−5)前記ネギニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−5)保持した前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記タマネギ油が
(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
を含む工程で得られ、
前記ネギニンニク油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記増強方法である。
さらに、前記風味は、ネギのフレッシュ感であることが好ましい。
また、本発明は、上記風味油脂組成物の製造方法で得られた該風味油脂組成物を含む食品の製造方法である。
本発明の風味油脂組成物の製造方法によれば、ネギのフレッシュな風味が増強された風味油脂組成物の製造方法、並びに、風味油脂組成物の風味の増強方法、またさらに、風味の良好な食品の製造方法を提供することができる。
本発明において、ネギ油とは、食用油脂にネギを混合し、当該食用油脂にネギの風味等の成分を抽出したものである。同様に、タマネギ油とは、食用油脂にタマネギを混合し、当該食用油脂にタマネギの風味等の成分を抽出したものであり、さらにニンニク油とは、食用油脂にニンニクを混合し、当該食用油脂にニンニクの風味等の成分を抽出したものである。また、ネギタマネギ油とは、食用油脂にネギ及びタマネギを混合し、当該食用油脂にネギやタマネギの風味等の成分を抽出したものである。同様に、ネギニンニク油とは、食用油脂にネギ及びニンニクを混合し、当該食用油脂にネギやニンニクの風味等の成分を抽出したものである。
前記ネギ油等に用いるネギとしては、例えば、長ネギ、下仁田ネギ、赤ネギ、九条ネギ、万能ネギ、ワケギ、アサツキ、リーキなどが挙げられ、例えば長ネギが好ましい。また、ネギの部位は、風味の観点から葉鞘部が好ましい。
また、ネギは0.25cm角以上2cm角以下に細断し、用いることが好ましい。
前記タマネギ油等に用いるタマネギとしては、黄タマネギ、白タマネギ、赤タマネギなどが挙げられるが、一般的に入手しやすい黄タマネギが好ましい。
また、タマネギは0.25cm角以上2cm角以下に細断し、用いることが好ましい。
前記ニンニク油等に用いるニンニクとしては、食用に用いられるニンニクであれば、いずれの品種でも用いることができる。
また、ニンニクは0.25角cm以上2cm角以下に細断し、用いることが好ましい。
本発明で用いる食用油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サル脂、カカオ脂、シア脂、米油、綿実油、紅花油、ヒマワリ油、オリーブ油、亜麻仁油、落花生油などの植物油脂、牛脂、豚脂、鶏脂、乳脂、魚油などの動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの合成油脂が挙げられる。また、これらの分別油、エステル交換油、水素添加油脂などの加工油脂を使用することができる。前記食用油脂は、これらの油脂から一種または二種以上を選択して用いることができるが、菜種油、大豆油、コーン油、パームオレイン、牛脂及び豚脂から選ばれる一種または二種以上を含むものが好ましく、特に菜種油が好ましい。
また、前記食用油脂のヨウ素価は、好ましくは30以上180以下であり、より好ましくは40以上160以下であり、さらに好ましくは80以上150以下である。
また、風味油脂組成物に使用される食用油脂は、融点が0℃未満であることが好ましい。なお、上昇融点の測定は、基準油脂分析試験法2.2.4.2−1996に従って測定することができる。
本発明の製造方法は、その他の製造工程を含んでもよく、例えば、通常、食用の油脂組成物に配合される成分を、発明の効果を損なわない範囲において添加する工程を設けてもよい。例えば、トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、ローズマリー抽出物、茶抽出物、甘草抽出物等の酸化防止剤;クエン酸やリンゴ酸等の金属キレート剤;ビタミンA、ビタミンD等のビタミン類;香料等を添加する工程である。
本発明のネギ油は、以下の(a−1)、(b−1)、及び(c−1)を含む工程で製造されるものである。
(a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、
(b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程。
前記工程(a−1)は、ネギ混合油脂を得る工程であり、食用油脂100質量部に対し、ネギを、好ましくは10質量部以上150質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上50質量部以下混合する。食用油脂に対して、ネギの量を所定量とすることで、固形分の除去工程が容易になる。
前記工程(b−1)は、前記ネギ混合油脂を保持する工程であり、好ましくは2℃以上50℃以下、より好ましくは2℃以上40℃以下の温度で保持する。また、保持する時間は、好ましくは0時間超50時間以下、より好ましくは0.5時間以上40時間以下であり、さらに好ましくは1時間以上30時間以下である。
前記工程(c−1)は、前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程であり、除去する方法は、特に限定されないが、例えば、ろ過分離、静置分離、遠心分離等が挙げられ、好ましくは、ろ過分離である。
本発明のタマネギ油は、以下の(a−2)、(b−2)、及び(c−2)を含む工程で製造されるものである。
(a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
(b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程。
前記工程(a−2)は、タマネギ混合油脂を得る工程であり、食用油脂100質量部に対し、タマネギを、好ましくは10質量部以上150質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上50質量部以下混合する。食用油脂に対して、ネギの量を所定量とすることで、固形分の除去工程が容易になる。
前記工程(b−2)は、前記タマネギ混合油脂を保持する工程であり、好ましくは2℃以上75℃以下、より好ましくは4℃以上70℃以下、さらに好ましくは4℃以上50℃以下の温度で保持する。また、保持する時間は、好ましくは0時間超60時間以下、より好ましくは0.3時間以上55時間以下であり、さらに好ましくは0.5時間以上50時間以下である。
前記工程(c−2)は、前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程であり、前記工程(c−1)と同じである。
そして、本発明の第一の製造方法は、前記ネギ油100質量部に対して、タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含み、前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上180質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上150質量部以下、さらにより好ましくは35質量部以上100質量部以下、特に好ましくは35質量部以上80質量部以下配合する。
また、ネギ油とタマネギ油の配合量は、ネギ油調製時に使用するネギに対する、タマネギ油調製時に使用するタマネギの質量比が、0.2以上3.0以下となるようにすることが好ましく、0.2以上2.0以下となるようにすることがより好ましく、0.3以上1.8以下となるようにすることがさらに好ましく、0.35以上1.5以下となるようにすることがさらにより好ましく、0.35以上1.0以下となるようにすることが特に好ましく、0.35以上0.8以下となるようにすることが最も好ましい。
また、本発明の第一の製造方法は、好ましくは、前記ネギ油100質量部に対して、ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含む。前記ネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を、好ましくは0.01質量部以上4質量部以下、より好ましくは0.08質量部以上3.5質量部以下、さらに好ましくは0.08質量部以上3質量部以下配合する。
前記ニンニク油は、以下の(a−3)、(b−3)、及び(c−3)を含む工程で製造されるものである。
(a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
(b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程。
前記工程(a−3)は、ニンニク混合油脂を得る工程であり、食用油脂100質量部に対し、ニンニクを、好ましくは10質量部以上150質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上50質量部以下混合する。食用油脂に対して、ネギの量を所定量とすることで、固形分の除去工程が容易になる。
前記工程(b−3)は、前記ニンニク混合油脂を保持する工程であり、好ましくは2℃以上30℃以下、より好ましくは4℃以上30℃以下の温度で保持する。また、保持する時間は、好ましくは0時間超60時間以下、より好ましくは0.5時間以上50時間以下であり、さらに好ましくは1時間以上50時間以下である。
前記工程(c−3)は、前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程であり、前記工程(c−1)と同じである。
本発明のネギタマネギ油は、以下の(a−4)、(b−4)、及び(c−4)を含む工程で製造されるものである。
(a−4)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下混合して、ネギタマネギ混合油脂を得る工程、
(b−4)前記ネギタマネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−4)保持した前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程。
前記工程(a−4)は、ネギタマネギ混合油脂を得る工程であり、食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下、好ましくは10質量部以上150質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上50質量部以下混合し、さらに、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上180質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上150質量部以下、さらにより好ましくは35質量部以上100質量部以下、特に好ましくは35質量部以上80質量部以下配合する。
また、ネギに対するタマネギの質量比が、0.2以上3.0以下となるようにすることが好ましく、0.2以上2.0以下となるようにすることがさらに好ましく、0.3以上1.8以下となるようにすることがより好ましく、0.35以上1.5以下となるようにすることがさらにより好ましく、0.35以上1.0以下となるようにすることが特に好ましく、0.35以上0.8以下となるようにすることが最も好ましい。
前記工程(b−4)は、前記ネギタマネギ混合油脂を保持する工程であり、好ましくは2℃以上50℃以下、より好ましくは2℃以上40℃以下、さらに好ましくは4℃以上30℃以下の温度で保持する。また、保持する時間は、好ましくは0時間超50時間以下、より好ましくは0.5時間以上40時間以下であり、さらに好ましくは1時間以上30時間以下である。
前記工程(c−4)は、前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程であり、前記工程(c−1)と同じである。
そして、本発明の第二の製造方法は、前記ネギタマネギ油100質量部に対して、ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含み、前記ネギタマネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を、好ましくは0.01質量部以上4質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上3質量部以下、さらに好ましくは0.05質量部以上2質量部以下配合する。
本発明のネギニンニク油は、以下の(a−5)、(b−5)、及び(c−5)を含む工程で製造されるものである。
(a−5)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、ニンニクを前記ネギ100質量部に対して0.008質量部以上5質量部以下混合して、ネギニンニク混合油脂を得る工程、
(b−5)前記ネギニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
(c−5)保持した前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程。
前記工程(a−5)は、ネギニンニク混合油脂を得る工程であり、食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下、好ましくは10質量部以上150質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上50質量部以下混合し、さらに、ニンニクを、前記ネギ100質量部に対して、0.008質量部以上5質量部以下、好ましくは0.01質量部以上4質量部以下、より好ましくは0.08質量部以上3.5質量部以下、さらに好ましくは0.08質量部以上3質量部以下混合する。
前記工程(b−5)は、前記ネギニンニク混合油脂を保持する工程であり、好ましくは2℃以上30℃以下、より好ましくは4℃以上30℃以下、の温度で保持する。また、保持する時間は、好ましくは0時間超50時間以下、より好ましくは0.5時間以上40時間以下であり、さらに好ましくは1時間以上30時間以下である。
前記工程(c−5)は、前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程であり、前記工程(c−1)と同じである。
そして、本発明の第三の製造方法は、前記ネギニンニク油100質量部に対して、タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含み、前記ネギニンニク油100質量部に対して、前記タマネギ油を、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上180質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上150質量部以下、さらにより好ましくは35質量部以上100質量部以下、特に好ましくは35質量部以上80質量部以下配合する。
また、ネギニンニク油とタマネギ油の配合量は、ネギニンニク油調製時に使用するネギに対する、タマネギ油調製時に使用するタマネギの質量比が、0.2以上3.0以下となるようにすることが好ましく、0.2以上2.0以下となるようにすることがより好ましく、0.3以上1.8以下となるようにすることがさらに好ましく、0.35以上1.5以下となるようにすることがさらにより好ましく、0.35以上1.0以下となるようにすることが特に好ましく、0.35以上0.8以下となるようにすることが最も好ましい。
本発明の風味の増強方法は、前記製造方法で説明したネギ油等を使用し、配合等も同じである。
本発明の食品の製造方法は、前記製造方法で得られた風味油脂組成物を含むことを特徴とする。食品100質量部に対して、前記風味油脂組成物は、好ましくは0.5質量部以上10質量部以下、より好ましくは1質量部以上8質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上5質量部以下含む。
本発明の食品は、特に限定するものではないが、例えば、炒飯、野菜炒め等の炒め物類、お好み焼き、焼そば、焼肉等の焼き物類、麻婆豆腐のソース、パスタソース、味付け肉のたれ等のソース類、ラーメンスープ、中華スープ等のスープ類、餃子、肉まんの具、等の食肉加工品類、炊き込みご飯、ピラフ等の米飯類、シーズニングソース、ドレッシング、マヨネーズ、ポン酢、中華料理の素、鍋つゆ等の調味料類等が挙げられる。このうち、炒め物類、焼き物類、スープ類が好ましく、炒め物類がより好ましい。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定するものではない。まず、本実施例に用いた風味油脂組成物の製造方法を説明する。
<タマネギ油の配合量の検討>
タマネギ油の配合量とネギのフレッシュ感の強さとの関係を検討した。
(A−1)ネギ油1の調製
(原料)
ネギ:市販の長ネギの葉鞘部
精製菜種油:さらさらキャノーラ油、株式会社J−オイルミルズ製(ヨウ素価112、上昇融点0℃未満)
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを100g入れ、25℃で2時間撹拌した後、1時間静置した。その後、ろ紙でろ別してネギ油1を得た。
(B−1)タマネギ油1の調製
(原料)
タマネギ:市販の黄タマネギ
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたタマネギを100g入れ、25℃で2時間撹拌した後、1時間静置した。その後、ろ紙でろ別してタマネギ油1を得た。
<評価方法>
香りは、調製した各風味油脂組成物の香りを嗅ぎ、風味は各風味油脂組成物を口に含み、香りと風味の点で、ネギのフレッシュ感の評価を行った。点数は、精製菜種油のネギのフレッシュ感を、0点(ネギのフレッシュ感なし)とし、切りたての長ネギの葉鞘部のネギの香りを嗅いだ時の香りと口に含んだ時のネギのフレッシュ感を、10点とした。評価は、専門パネラー3名の合議の上で決定した。ネギのフレッシュ感は4点以上を合格とした。
表1に示す配合比にて風味油脂組成物を調製した。得られた風味油脂組成物について、前記評価方法により官能評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
Figure 2020145928
ネギのフレッシュ感は、表1に示すように、タマネギ油を所定量、すなわち、ネギ油100質量部に対し、25質量部以上150質量部以下配合することで強くなった。特に、66.67質量部以上150質量部以下(実施例1−2と1−3)において、ネギのフレッシュ感がより強くなった。一方、タマネギ油をネギ油100質量部に対し400質量部配合した比較例1−3ではタマネギの香りや風味が強く、ネギのフレッシュ感は弱くなった。
<ニンニク油の配合量の検討>
ニンニク油の配合量とネギのフレッシュ感の強さとの関係を検討した。
(C−1)ニンニク油1の調製
(原料)
ニンニク:市販のニンニク
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたニンニクを100g入れ、25℃で2時間撹拌した後、1時間静置した。その後、ろ紙でろ別してニンニク油1を得た。
表2に示す配合比にて風味油脂組成物を調製した。得られた風味油脂組成物について、前記評価方法により官能評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
Figure 2020145928
表2に示すように、ネギ油、タマネギ油に加えてニンニク油を、ネギ油100質量部に対し、0.08質量部以上1.67質量部以下配合することで、ネギのフレッシュ感が強くなり0.17質量部以上1.67質量部以下(実施例2−2〜2−4)で顕著であった。また、実施例2−4と同量のニンニク油であるがタマネギ油を含まない比較例2−1では、ネギのフレッシュ感が非常に弱かった。
<保持温度の検討>
保持温度(抽出温度)とネギのフレッシュ感の強さとの関係を検討した。
(A−2)ネギ油2の調製
(調製方法)
500mL容のガラスビーカーに、精製菜種油150gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを150g入れ、4℃の冷蔵庫の中で24時間静置した。その後、ろ紙でろ別してネギ油2を得た。
(A−3)ネギ油3の調製
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを60g入れ、70℃に達するまで加熱した。70℃に達したら撹拌しながら30分間その状態を保持した。保持後、油温が60℃以下になるまで静置した。その後、ろ紙でろ別してネギ油3を得た。
(A−4)ネギ油4の調製
前記ネギ油3の調製温度を120℃にした以外は、前記ネギ油3と同じ調製方法で、ネギ油4を得た。
(B−2)タマネギ油2の調製
(調製方法)
500mL容のガラスビーカーに、精製菜種油150gと、みじん切り(1cm程度)にしたタマネギを150g入れ、4℃の冷蔵庫の中で48時間静置した。その後、ろ紙でろ別してタマネギ油2を得た。
(B−3)タマネギ油3の調製
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたタマネギを100g入れ、50℃に達するまで加熱した。50℃に達したら撹拌しながら30分間その状態を保持した。保持後、25℃の環境下で1時間静置した。その後、ろ紙でろ別してタマネギ油3を得た。
(B−4)タマネギ油4の調製
前記タマネギ油3のタマネギを60gにした以外は、前記タマネギ油3と同じ調製方法で、タマネギ油4を得た。
(B−5)タマネギ油5の調製
(調製方法)
直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたタマネギを60g入れ、70℃に達するまで加熱した。70℃に達したら撹拌しながら30分間その状態を保持した。保持後、油温が60℃以下になるまで静置した。その後、ろ紙でろ別してタマネギ油5を得た。
(C−2)ニンニク油2の調製
(調製方法)
500mL容のガラスビーカーに、精製菜種油100gと、みじん切り(1cm程度)にしたニンニクを100g入れ、4℃の冷蔵庫の中で48時間静置した。その後、ろ紙でろ別してニンニク油2を得た。
表3に示す配合比にて風味油脂組成物を調製した。得られた風味油脂組成物について、前記評価方法により官能評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
Figure 2020145928
表3に示すようにネギ油の保持温度(抽出温度)は、比較例3−1〜3−2の結果にみられるように、70℃を超えるとネギのフレッシュ感が弱くなった。また、タマネギ油においては、実施例3−5の結果にみられるように、保持温度70℃においても、タマネギ油調製時のタマネギ量を食用油脂100質量部に対し20質量部でも効果があった。
<製造方法の検討>
製造方法とネギのフレッシュ感の強さとの関係を検討した。
(1)ネギタマネギ油の調製
実施例3−1の原料比率に相当するネギ、タマネギを用いて、ネギタマネギ油を調製した。具体的には直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを60.6gとタマネギを39.4gとした以外は前記ネギ油1の調製と同じ条件にて調製し、実施例4−1の風味油脂組成物を調製した。また、このネギタマネギ油を99gとニンニク油1を1g混合し、実施例3−1の原料比率に相当する、実施例4−2の風味油脂組成物を調製した。
(2)ネギニンニク油の調製
実施例3−1の原料比率に相当するネギ、ニンニクを用いて、ネギニンニク油を調製した。具体的には直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを98.4gとニンニクを1.6gとした以外は前記ネギ油1の調製と同じ条件にて調製した。このネギニンニク油を61gとタマネギ油1を39g混合し、実施例3−1の原料比率に相当する、実施例4−3の風味油脂組成物を調製した。
(3)タマネギニンニク油の調製
実施例3−1の原料比率に相当するタマネギ、ニンニクを用いて、タマネギニンニク油を調製した。具体的には直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたタマネギを97.5gとニンニクを2.5gとした以外は前記ネギ油1の調製と同じ条件にて調製した。このタマネギニンニク油を40gとネギ油1を60g混合し、実施例3−1の原料比率に相当する、比較例4−1の風味油脂組成物を調製した。
(4)ネギタマネギニンニク油の調製
実施例3−1の原料比率に相当するネギ、タマネギ、ニンニクを用いて、ネギタマネギニンニク油を調製した。具体的には直径15cm、高さ8cmのステンレス製片手鍋に精製菜種油300gと、みじん切り(1cm程度)にしたネギを60g、タマネギを39g及びニンニクを1gとした以外は前記ネギ油1の調製と同じ条件にて調製し、比較例4−2の風味油脂組成物を調製した。
得られた風味油脂組成物について、前記評価方法により官能評価を行った。なお、評価は専門パネラー1名で実施した。得られた評価結果を表4に示す。
Figure 2020145928
表4に示すように、ネギタマネギ油である実施例4−1、ネギタマネギ油とニンニク油を混合した実施例4−2、ネギニンニク油とタマネギ油を混合した実施例4−3ではネギのフレッシュ感が強く感じられた。一方、タマネギとニンニクを同じ精製菜種油の中で抽出した比較例4−1と4−2ではネギのフレッシュ感は弱かった。ネギ油とタマネギ油とニンニク油をそれぞれ調製した後に混合する製造方法が最もネギのフレッシュ感を強くすることがわかる。
<風味油脂組成物の原料量の検討>
(A−5)ネギ油5の調製
前記ネギ油1のネギを50gにした以外は、前記ネギ油1と同じ調製方法でネギ油5を得た。
(B−6)タマネギ油6の調製
前記タマネギ油1のタマネギを50gにした以外は、前記タマネギ油1と同じ調製方法でタマネギ油6を得た。
得られたネギ油5とタマネギ油6を用いて、表5に示す配合比にて風味油脂組成物を調製した。得られた風味油脂組成物について、前記評価方法により官能評価を行った。なお、評価は専門パネラー1名で実施した。得られた評価結果を表5に示す。
Figure 2020145928
表5に示した結果と実施例2−4の結果から、ネギ油調製時のネギの量を食用油脂100質量部に対し、16.7質量部以上33.3質量部以下で効果を確認することができた。また、タマネギ油調製時のタマネギの量を食用油脂100質量部に対し、16.7質量部以上33.3質量部以下で効果を確認することができた。
さらに、ネギ油とタマネギ油の配合から算出したネギに対するタマネギの質量比は、0.33以上1.3以下で効果が確認でき、好ましくは0.33以上0.65以下であることがわかった。
<炒飯による評価>
冷凍炒飯(商品名:本格炒め炒飯、ニチレイフーズ社製)225gを電子レンジにて600Wで3分50秒あたため、得られた炒飯25gに対し、比較例1−2又は実施例2−4の風味油脂組成物を0.5g添加し、よく混合した。専門パネラー1名が炒飯を食し、ネギのフレッシュな風味について評価した。
実施例2−4の風味油脂組成物を添加した炒飯は、ネギのフレッシュ感に非常に優れた炒飯であった。一方、比較例1−2を添加した炒飯は、ネギのフレッシュ感が弱い炒飯であった。

Claims (12)

  1. ネギ油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
    前記ネギ油が
    (a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、
    (b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記タマネギ油が
    (a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記製造方法。
  2. 前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
    前記ニンニク油が
    (a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. ネギタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
    前記ネギタマネギ油が
    (a−4)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下混合して、ネギタマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−4)前記ネギタマネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−4)保持した前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む、前記製造方法。
  4. 前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
    前記ニンニク油が
    (a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギタマネギ油100質量部に対して、ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. ネギニンニク油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の製造方法であって、
    前記ネギニンニク油が
    (a−5)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、ニンニクを前記ネギ100質量部に対して0.008質量部以上5質量部以下混合して、ネギニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−5)前記ネギニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−5)保持した前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記タマネギ油が
    (a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギニンニク油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記製造方法。
  6. ネギ油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
    前記ネギ油が
    (a−1)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合して、ネギ混合油脂を得る工程、
    (b−1)前記ネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−1)保持した前記ネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記タマネギ油が
    (a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギ油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記増強方法。
  7. 前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
    前記ニンニク油が
    (a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含む、請求項6に記載の増強方法。
  8. ネギタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
    前記ネギタマネギ油が
    (a−4)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、タマネギを前記ネギ100質量部に対して20質量部以上300質量部以下混合して、ネギタマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−4)前記ネギタマネギ混合油脂を0℃以上60℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−4)保持した前記ネギタマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む、前記増強方法。
  9. 前記風味油脂組成物が、さらにニンニク油を含み、
    前記ニンニク油が
    (a−3)食用油脂100質量部に対し、ニンニクを10質量部以上200質量部以下混合して、ニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−3)前記ニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−3)保持した前記ニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギタマネギ油100質量部に対して、前記ニンニク油を0.008質量部以上5質量部以下配合する工程を含む、請求項8に記載の増強方法。
  10. ネギニンニク油及びタマネギ油を含む風味油脂組成物の風味の増強方法であって、
    前記ネギニンニク油が
    (a−5)食用油脂100質量部に対し、ネギを10質量部以上200質量部以下混合し、ニンニクを前記ネギ100質量部に対して0.008質量部以上5質量部以下混合して、ネギニンニク混合油脂を得る工程、
    (b−5)前記ネギニンニク混合油脂を0℃以上40℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−5)保持した前記ネギニンニク混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記タマネギ油が
    (a−2)食用油脂100質量部に対し、タマネギを10質量部以上200質量部以下混合して、タマネギ混合油脂を得る工程、
    (b−2)前記タマネギ混合油脂を0℃以上80℃以下の温度で保持する工程、及び
    (c−2)保持した前記タマネギ混合油脂から、固形分を除去する工程
    を含む工程で得られ、
    前記ネギニンニク油100質量部に対して、前記タマネギ油を20質量部以上300質量部以下配合する工程を含む、前記増強方法。
  11. 前記風味が、ネギのフレッシュ感である、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の増強方法。
  12. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法で得られた風味油脂組成物を含む食品の製造方法。
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