JP2020143780A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの下流に変速機構を有する動力伝達機構を小型化する。【解決手段】動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の下流に接続されたカウンタギア5と、カウンタギア5の下流に接続された変速機構3と、を有する。変速機構3の中心軸(軸線X1)は、モータ2の中心軸(回転軸X)と、径方向にオフセットしている。変速機構3は、1つの遊星歯車組4と、遊星歯車組4の1つの回転要素を固定要素と連結するバンドブレーキ49と、遊星歯車組4の2つの回転要素を連結するクラッチ47と、を有する。バンドブレーキ49と、クラッチ47、及び遊星歯車組4が、径方向にオーバーラップする。【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、モータの下流に変速機構が接続された動力伝達機構が開示されている。
特開2018−118616号公報
この種のモータの下流に変速機構を有する動力伝達機構を小型化することが求められている。
本発明は
モータと、
前記モータの下流に接続された減速ギアと、
前記減速ギアの下流に接続された変速機構と、を有し、
前記変速機構の中心軸は前記モータの中心軸と径方向にオフセットしており、
前記変速機構は、1つの単純遊星歯車組から構成されている構成の動力伝達装置とした。
本発明によれば、モータの下流に変速機構を有する動力伝達機構を小型化できる。
実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 動力伝達装置のモータからカウンタギアまでの範囲の拡大図である。 動力伝達装置の変速機構を説明する図である。 動力伝達装置の差動装置周りの拡大図である。 実施形態にかかる動力伝達装置の構成を模式的に示したスケルトン図である。 変形例にかかる動力伝達装置の構成を模式的に示したスケルトン図である。 変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。 変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。 変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。 変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1のカウンタギア5周りの拡大図である。
図1に示すように動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、変速機構3と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、カウンタギア5で減速されたのち、変速機構3で変速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、動力伝達装置1を搭載した車両の左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
ここで、カウンタギア5は、モータ2の下流に接続されており、変速機構3は、カウンタギア5の下流に接続されており、差動装置6は、変速機構3の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、カウンタギア5と、変速機構3と、差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
ここで、モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間Saは、モータ2を収容するモータ室となっている。
外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間Sbは、カウンタギア5と変速機構3と差動装置6を収容するギア室となっている。
図1に示すように、モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bの挿通孔200を有する筒状部材であり、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿されている。
モータシャフト20の挿通孔200は、長手方向の一端20a側の連結部201と、他端20b側の被支持部202が、モータ2の回転軸X方向における連結部201と被支持部202との間の中間領域203よりも大きい内径で形成されている。
連結部201の内周および被支持部202の内周は、ドライブシャフト8Bに外挿されたニードルベアリングNB、NBで支持されている。
この状態において、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
モータシャフト20では、一端20a側の連結部201と、他端20b側の被支持部202に、それぞれベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の連結部201は、ベアリングB1を介して、内側カバー12の内径側に位置するモータ支持部121で、回転可能に支持されている。
モータシャフト20の被支持部202は、ベアリングB1を介して、外側カバー11の内径側に位置するモータ支持部111で、回転可能に支持されている。
ロータコア21の外周を所定間隔で囲むモータハウジング10では、回転軸X方向の一端10aと他端10bに、シールリングSL、SLが設けられている。モータハウジング10の一端10aは、当該一端10aに設けたシールリングSLにより、内側カバー12の環状の接合部120に隙間なく接合されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSLにより、外側カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
この状態において、内側カバー12側のモータ支持部121は、後記するコイルエンド253aの内径側で、ロータコア21の一端部21aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
そして、外側カバー11側のモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
モータハウジング10の内側では、外側カバー11側のモータ支持部111と、内側カバー12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
回転軸X方向におけるロータコア21の一端部21aは、モータシャフト20の大径部204で位置決めされている。ロータコア21の他端部21bは、モータシャフト20に圧入されたストッパ23で位置決めされている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
図2に示すように、モータシャフト20の一端20aは、内側カバー12のモータ支持部121を、差動装置6側(図中、右側)に貫通している。モータシャフト20の一端20aは、内側カバー12と内側ケース14との間に形成された空間Sc内に位置している
モータ支持部121の空間Sc側の内周には、リップシールRSが設置されている。
リップシールRSは、モータ支持部121の内周と、モータシャフト20の外周との隙間を封止している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Saと、内側ケース14の内径側の空間Scとを区画して、空間Sc側から空間Sa内へのオイルOLの進入を阻止するために設けられている。
モータシャフト20の連結部201の内周には、中空軸50の一端側の連結部501が挿入されてスプライン嵌合しており、モータシャフト20の連結部201と、中空軸50の連結部501とが互いに連結されている。
中空軸50は、ドライブシャフト8Bに外挿された筒状部材であり、回転軸X方向の略中央部の外周には、ギア部502が一体に形成されている。ギア部502の両側には、ベアリングB3、B3が外挿されている。
連結部201側のベアリングB3は、内側ケース14の第1支持部141で回転可能に支持されている。差動装置6側のベアリングB3は、後記する支持部材15の第2支持部155で回転可能に支持されている。
ギア部502の外周には、カウンタギア5の大径歯車52が、回転伝達可能に噛合している。カウンタギア5において大径歯車52は、円筒状の中空軸部51の外周にスプライン嵌合している。
中空軸部51の長手方向の一端部51aと他端部51bには、ベアリングB4がそれぞれ外挿されている。
中空軸部51の一端部51aは、ベアリングB4を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。中空軸部51の他端部51bは、ベアリングB4を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
この状態において、カウンタギア5の中空軸部51は、回転軸Xに平行な軸線X1に沿って設けられている。
中空軸部51では、カウンタギア5に隣接する位置に小径歯車部511が設けられている。中空軸部51において小径歯車部511は、カウンタギア5の一端部51a側(図中、右側)に隣接する位置に設けられている。
小径歯車部511は、中空軸部51と一体に形成されていると共に、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている(図4参照:R1>R2)。
小径歯車部511には、変速機構3側の連結部423が回転伝達可能に噛合している。
図3は、変速機構3を説明する図である。
変速機構3は、外側ケース13と内側ケース14との間の空間Sbに配置されている。
変速機構3は、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49と、を有している。
遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
遊星歯車組4の構成要素(サンギア41、リングギア42、ピニオンギア43、ピニオン軸44、キャリア45)は、クラッチドラム48の外壁部481の内径側に設けられている。
クラッチ47は、リングギア42の外周にスプライン嵌合したドライブプレート471(内径側摩擦板)と、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート472(外径側摩擦板)と、回転軸X(軸線X1)方向に移動可能に設けられたピストン475と、を有している。
クラッチドラム48は、外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、を有している。
外壁部481は、軸線X1を所定間隔で囲む筒状を成している。円板部480は、外壁部481の差動装置6側(図中、右側)の端部から内径側に延びている。円板部480の内径側の領域は、遊星歯車組4から離れる方向に窪んだ凹部480aとなっている。
内壁部482は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状に形成されている。内壁部482は、円板部480の内径側の端部から遊星歯車組4側(図中、左側)に延びており、内壁部482の先端は、サンギア41とピニオンギア43との噛み合い部分に、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
連結部483は、回転軸Xを所定間隔で囲む円筒状を成している。連結部483は、長手方向の基端部483aが、内壁部482の先端側の内周に連結されている。
連結部483は、モータ2に近づく方向(図中、左方向)に直線状に延びている。連結部483の先端483bは、外壁部481よりもモータ2側(図中、左側)に位置している。
外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、から構成されるクラッチドラム48は、開口をモータ2側に向けて設けられており、内径側に位置する連結部483の外周に、遊星歯車組4のサンギア41がスプライン嵌合している。
遊星歯車組4では、サンギア41の外径側にリングギア42が位置している。リングギア42は、サンギア41の外周を所定間隔で囲む周壁部421と、周壁部421のモータ2側の端部から内径側に延びる円板部422と、円板部422の内径側の端部からモータ2側に延びる連結部423と、を有している。
連結部423は、軸線X1を所定間隔で囲むリング状を成しており、連結部423の内周には、カウンタギア5の小径歯車部511がスプライン嵌合している。
連結部423よりも外径側に位置する周壁部421では、サンギア41の外径側に位置する領域の内周に、ピニオンギア43の外周が噛合している。
ピニオンギア43は、リングギア42側の周壁部421の内周と、サンギア41の外周に噛合している。
ピニオンギア43を支持するピニオン軸44は、回転軸Xに平行な軸線X3に沿う向きで設けられている。ピニオン軸44の一端と他端は、キャリア45を構成する一対の側板部451、452で支持されている。
側板部451、452は、軸線X3方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
モータ2側に位置する一方の側板部452は、他方の側板部451よりも回転軸X側(軸線X1側)まで延びている。側板部452の内径側の端部452aには、軸線X1を所定間隔で囲む筒状の連結部453が一体に形成されている。
連結部453は、クラッチドラム48の連結部483よりも回転軸X側(内径側)を、回転軸Xに沿ってモータ2から離れる方向に延びている。
連結部453は、サンギア41の内径側をモータ2側から差動装置6側に横切って設けられており、連結部453は、クラッチドラム48の内壁部482の内径側で、後記する伝達軸7の連結部71の内周にスプライン嵌合している。
クラッチドラム48の外壁部481の内周には、クラッチ47のドリブンプレート472がスプライン嵌合している。クラッチ47のドライブプレート471は、リングギア42の周壁部421の外周にスプライン嵌合している。
リングギア42の周壁部421と、クラッチドラム48の外壁部481との間では、ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられている。
ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられた領域のモータ2側には、スナップリング474で位置決めされたリテーニングプレート473が位置しており、差動装置6側には、ピストン475の押圧部475aが位置している。
ピストン475の内径側の基部475bは、外径側の押圧部475aよりも遊星歯車組4から離れた位置に設けられている。ピストン475の内径側の基部475bは、回転軸X方向で隣接する円板部480の内径側の凹部480aに内挿されている。
基部475bのモータ2側(図中、左側)の面には、スプリングリテーナ476で支持されたスプリングSpが、軸線X3方向から圧接している。
ピストン475は、スプリングSpから作用する付勢力で差動装置6側(図中、右側)に付勢されている。
クラッチドラム48では、凹部480aと内壁部482との境界部に、差動装置6側に突出する突出部484が設けられている。突出部484は、外側ケース13の壁部138の内周に挿入されている。壁部138の内周にはオイルOLの供給路138aが開口している。
突出部484では、供給路138aに対向する領域の外周に、油路484aが開口している。油路484aは、供給路138aから供給されるオイルOLを、クラッチドラム48内の油圧室Rmに導くために設けられている。
油圧室Rmは、クラッチドラム48の凹部480aと、ピストン475の基部475bとの間に形成されている。
油圧室RmにオイルOLが供給されると、ピストン475が、油圧室Rm内の油圧により押されてモータ2側(図中、左側)に変位する。
ピストン475がモータ2側に変位すると、クラッチ47のドライブプレート471とドリブンプレート472とが、ピストン475の押圧部475aとリテーニングプレート473との間で把持される。
これにより、ドライブプレート471がスプライン嵌合したリングギア42と、ドリブンプレート472がクラッチドラム48との相対回転が、油圧室Rmに供給されるオイルOLの圧力に応じて規制されて、最終的に相対回転が規制される。
さらに、クラッチドラム48の外壁部481外周には、バンドブレーキ49が巻き掛けられている。図示しないアクチュエータによりバンドブレーキ49の巻き掛け半径が狭められると、クラッチドラム48の回転軸X回りの回転が規制される。
変速機構3では、バンドブレーキ49の内径側に、遊星歯車組4と、クラッチ47が位置している。バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47は、回転軸X(軸線X1)の径方向でオーバーラップしており、回転軸Xの径方向外側から見ると、バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47とが、重なる位置関係で設けられている。
本実施形態の変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
変速機構3では、低速段と高速段との間での切替を、クラッチ47の締結/解放、バンドブレーキ49の作動の組み合わせの変更により行う仕様となっている。
変速機構3は、低速段と高速段の間での切り替えが可能である。
変速機構3では、以下の条件(a)で低速段が実現し、条件(b)で高速段が実現する。
(a)バンドブレーキ49:作動、クラッチ47:解放
(b)バンドブレーキ49:非作動、クラッチ47:締結
ここで、変速機構3は、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
変速機構3に入力された回転は、変速機構3で変速された後、キャリア45の連結部453が連結された伝達軸7に出力される。
図2に示すように、伝達軸7は、中空軸部51の一端部51a側に外挿されている。この状態において伝達軸7は、中空軸部51の長手方向に沿う軸線X1回りに回転可能であると共に、中空軸部51に対して相対回転可能である。
伝達軸7は、軸線X3方向の一端70a側が、ベアリングB4が外挿された被支持部となっており、他端70b側が、変速機構3との連結部71となっている。
伝達軸7は、軸線X3方向の一端70a側が、ベアリングB4を介して、外側ケース13で回転可能に支持されている。
伝達軸7の他端70b側の連結部71は、軸線X1方向から、クラッチドラム48の内壁部482の内周に挿入されている。
連結部71の外周は、クラッチドラム48の内壁部482との間に介在するニードルベアリングNBで支持されている。連結部71の内周は、キャリア45側の連結部453の外周にスプライン嵌合している。
そのため、伝達軸7は、変速機構3で変速された回転が、キャリア45の連結部453にスプライン嵌合した連結部71を介して入力されて、キャリア45と一体に軸線X1回りに回転する。
伝達軸7では、長手方向の一端70aと他端70bとの間の領域の外周に、ギア部72が一体に形成されている。
ギア部72には、差動装置6のデフケース60に固定されたファイナルギアFGが回転伝達可能に噛合している。
図4は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転が、カウンタギア5と変速機構3とを介して伝達軸7に入力されて、伝達軸7が軸線X1回りに回転する。
そうすると、伝達軸7のギア部72が回転伝達可能に噛合するファイナルギアFGが、デフケース60に固定されているので、伝達軸7の軸線X1回りの回転に連動して、デフケース60が回転軸X回りに回転する。
図4に示すように、デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
デフケース60の支持部602には、ベアリングB5が外挿されている。支持部602に外挿されたベアリングB5は、外側ケース13のリング状の第1支持部131で回転可能に支持されている。
支持部602には、外側ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の支持部601には、ベアリングB5が外挿されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB5を介して、内側ケース14に固定された支持部材15の第1支持部151で回転可能に支持されている。
支持部材15は、第1支持部151の外周から、モータ2側(図中、左側)に延びる筒状部152と、筒状部152の先端側の開口を全周に亘って囲むフランジ部153と、を有している。
筒状部152では、長手方向の途中位置の内周に、第2支持部155が設けられている。第2支持部155では、前記した中空軸50に外挿されたベアリングB3が支持されている。
支持部材15のフランジ部153は、当該フランジ部153を貫通したボルトBにより、内側ケース14の第1支持部141に固定されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB5を介して、支持部材15で回転可能に支持されている。本実施形態では、支持部材15が内側ケース14に固定されている。そのため、デフケース60の支持部601は、ベアリングB5と支持部材15を介して、固定側部材である内側ケース14で支持されている。
図1に示すように、デフケース60の支持部601には、外側カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と中空軸50の内径側を、回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
外側カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
図4に示すように、デフケース60の内部では、ドライブシャフト8(8A、8B)の先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
デフケース60では、回転軸Xに直交する軸線Yに沿う向きでシャフト61が設けられている。シャフト61は、ピンPでデフケース60に固定されており、シャフト61は、軸線Y周りの自転が禁止されている。
シャフト61は、デフケース60内において、サイドギア63A、63Bの間に位置している。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Yの軸方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。
デフケース60内において、回転軸Xの軸方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸Xの軸方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
図1に示すように、動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、変速機構3と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
図2に示すようにモータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20と、中空軸50とを介して、カウンタギア5に回転が入力される。
カウンタギア5では、中空軸50のギア部502に噛合する大径歯車52が、モータ2の出力回転の入力部、小径歯車部511が回転の出力部となっている。
カウンタギア5では、小径歯車部511が、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている(図4参照)。カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511に噛合する変速機構3のリングギア42に出力される。
図3に示すように変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
そして、変速機構3では、バンドブレーキ49が作動している状態で低速段、クラッチ47が作動している状態で高速段が実現する。
そのため、変速機構3に入力された回転は、変速された後にキャリア45の連結部453から伝達軸7に出力される。そして、伝達軸7に入力された回転は、伝達軸7のギア部72に噛合したファイナルギアFGを介して、差動装置6のデフケース60に伝達される。
差動装置6のデフケース60は、ファイナルギアFGを介して入力される回転で、回転軸X回りに回転する。これにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転して、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、動力伝達装置1では、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49とを備える変速機構3を採用して、カウンタギア5の出力回転を変速機構3で変速して差動装置6に伝達している。
ここで、図4に示すように、変速機構3は、カウンタギア5の大径歯車52の外径R1を利用して設けられている。そのため、軸線X1方向から見て、カウンタギア5の大径歯車52と、変速機構3とが、軸線X1方向でオーバーラップしており、軸線X1方向から見て、大径歯車52と変速機構3とが重なるように設けられている。
そのため、動力伝達装置1では、変速機構3が、カウンタギア5の回転軸Xに直交する方向(図4における上下方向)の範囲内に納められている。よって、変速機構3をカウンタギア5に設けるにあたり、動力伝達装置1が回転軸Xに直交する方向に大型化しないようにされている。
図5は、実施形態にかかる動力伝達装置1の構成を模式的に示したスケルトン図である。図5の(a)は、動力伝達装置1全体の構成を模式的に示した図であり、図5の(b)は、変速機構3の部分を模式的に示した図である。
なお、図5の(b)においては、符号「S」が、遊星歯車組4のサンギア41を意味し、符号「R」が、リングギア42を意味し、符号「C」が、キャリア45を意味している。
また、符号「BB」が、バンドブレーキ49を意味し、符号「CL」が、クラッチ47を意味し、符号「P」が、ピストン475を意味し、符号「DR」が、クラッチドラム48を意味し、符号「HB」が、ハブを意味している。
実施形態にかかる動力伝達装置1では、モータ2のロータコア21の内径側を、ドライブシャフト8Bが回転軸X方向に貫通して設けられており、モータ2の回転軸と、ドライブシャフト8(8A、8B)が同芯に配置されている。
そして、変速機構3は、変速機構3の中心軸がカウンタギア5の回転軸(軸線X1)に対して同芯に設けられていると共に、軸線X1方向から見て、変速機構3が大径歯車52の外径の範囲内に収まるように設けられている。
これにより、動力伝達装置1の回転軸X方向の長さと、回転軸Xに直交する方向の長さを大きくすることなく、動力伝達装置1に変速機構3を設けることができるようになっている。
ここで、動力伝達装置1に変速機構3を設けるにあたり、変速機構3の中心軸をモータ2の回転軸Xと同芯に設けると、動力伝達装置1が回転軸X方向(軸心方向)に大型化してしまう。
本実施形態では、変速機構3をカウンタギア5の回転軸(軸線X1)に対して同芯に設けたことで、動力伝達装置1の回転軸方向と径方向の大型化を抑制している。
以上の通り、本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されたカウンタギア5(減速ギア)と、
カウンタギア5の下流に接続された変速機構3と、を有する。
変速機構3の中心軸(軸線X1)は、モータ2の中心軸(回転軸X)と、径方向にオフセットしている。
変速機構3は、1つの遊星歯車組4(単純遊星歯車組)から構成されている。
変速機構3の中心軸(軸線X1)と、モータ2の中心軸(回転軸X)とが、径方向でオフセットしていることで、動力伝達装置1の回転軸X方向の短縮が可能になる。
また、変速機構3が、1つの単純遊星歯車組から構成されているので、複数の遊星歯車組から構成された変速機構と比較して小型化が可能である。また、例えば、ラビニヨ型遊星歯車組のように2つのサンギアを有するようなものと比較して軸方向の短縮が可能となる。
ここで、本明細書における用語「単純遊星歯車組」とは、1つのサンギア、1つのキャリア、1つのリングギアからなる遊星歯車組を意味する。ピニオンはシングルピニオン、ダブルピニオンとピニオンの数は限定されない。また、ピニオンの形状も段無しピニオン、段付きピニオン等限定されないが、段付きピニオンとするより段無しピニオンとした方が小型化になる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(2)変速機構3は、
遊星歯車組4の1つの回転要素を固定要素と連結するバンドブレーキ49(ブレーキ)と、
遊星歯車組4の2つの回転要素を連結するクラッチ47と、を有する。
バンドブレーキ49と、クラッチ47、及び遊星歯車組4が、径方向にオーバーラップする。
回転軸Xの径方向から見て、バンドブレーキ49とクラッチ47と遊星歯車組4とが重なるように配置されている。
このように構成すると、動力伝達装置1の回転軸X方向の長さの更なる短縮が可能になる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(3)変速機構3の下流に接続された差動装置6(デファレンシャルギア)と、
差動装置6の下流に接続されたドライブシャフト8(8A、8B)と、を有する。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のロータコア21の内周を貫通して配置されている。
差動装置6の回転軸Xを、モータ2および変速機構3の回転軸(軸線X1)に対して径方向にオフセットさせると、動力伝達装置1が回転軸Xの径方向に拡大する。上記のように構成すると、差動装置6の回転軸Xとモータ2の回転軸とを同軸に配置することができるので、動力伝達装置1の回転軸Xの径方向の拡大を抑制できる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(4)差動装置6は、モータ2と回転軸X方向にオーバーラップする。
このように構成すると、動力伝達装置1の回転軸方向の短縮が可能になる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(5)動力伝達装置1は、モータ2を有する。
変速機構3は、モータ2の下流に接続されている。
モータ2は高回転になるほど出力トルクが減少していく傾向にあることから、高速段のときのフリクションを低減できる当該構成はモータを駆動源とする動力伝達装置にとって特に好適である。
次に、本発明の変形例を説明する。
図6は、変形例にかかる動力伝達装置1Aの構成を模式的に示したスケルトン図である。図6の(a)は、動力伝達装置1A全体の構成を模式的に示した図であり、図6の(b)は、変速機構3Aの部分を模式的に示した図である。
以下の説明においては、前記した実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して示すと共に、可能な限り説明を省略する。
前記した実施形態では、変速機構の中心軸を、モータ2の回転軸の径方向外側に位置するカウンタギアの回転軸と同芯に設けた場合を例示した。本件発明は、この態様にのみ限定されない。
図6に示す動力伝達装置1Aのように、モータ2の回転軸Xaを、ドライブシャフト8(8A、8B)の回転軸Xbの径方向外側に設けると共に、変速機構3Aをドライブシャフト8(8A、8B)と同芯に設けた構成としても良い。
動力伝達装置1Aでは、モータシャフト20の外周に設けたギア部26に、ドライブシャフト8Bに外挿された減速ギア55が回転伝達可能に噛合している。
減速ギア55は、変速機構3Aのリングギア42に連結されており、モータ2の出力回転が、減速ギア55で減速されたのち、変速機構3Aのリングギア42に入力される。
図6の(a)に示すように、変速機構3Aは、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49とを有しており、変速機構3Aは、リングギア42が回転の入力部、キャリア45が回転の出力部となっている。
変速機構3Aでは、バンドブレーキ49が作動すると、クラッチドラムDRに連結されたサンギア41の回転が規制されて、低速段が実現する。クラッチ47が締結されると、リングギア42と、クラッチドラムDRに連結されたサンギア41との相対回転が規制されて、高速段が実現する。
変速機構3Aで減速された回転は、キャリア45に連結された伝達部材46を介して、差動装置6のデフケース60に入力される。これにより、ドライブシャフト8(8A、8B)と、ドライブシャフト8(8A、8B)に連結された左右の駆動輪W、Wが回転する。
動力伝達装置1Aでは、モータ2と、減速ギア55および変速機構3Aとが、モータ2の回転軸Xaの径方向でオーバーラップしており、モータ2の回転軸Xaの径方向から見て、モータ2と、減速ギア55および変速機構3Aとが、重なる位置関係で設けられている。
以上の通り、変形例にかかる動力伝達装置1Aは、以下の構成を有している。
(6)動力伝達装置1Aは、
モータ2と、
モータ2の下流に接続された減速ギア55と、
減速ギア55の下流に接続された変速機構3Aと、を有する。
変速機構3Aの中心軸(回転軸Xb)は、モータ2の中心軸(回転軸Xa)と、径方向にオフセットしている。
変速機構3Aは、1つの遊星歯車組4(単純遊星歯車組)から構成されている。
変速機構3Aの中心軸(回転軸Xb)と、モータ2の中心軸(回転軸Xa)とが、径方向でオフセットしていることで、動力伝達装置1Aの回転軸X方向の短縮が可能になる。
また、変速機構3Aが、1つの単純遊星歯車組から構成されているので、複数の遊星歯車組から構成された変速機構と比較して小型化が可能である。また、例えば、ラビニヨ型遊星歯車組のように2つのサンギアを有するようなものと比較して軸方向の短縮が可能となる。
(7)変速機構3Aは、
遊星歯車組4の1つの回転要素を固定要素と連結するバンドブレーキ49(ブレーキ)と、
遊星歯車組4の2つの回転要素を連結するクラッチ47と、を有する。
バンドブレーキ49と、クラッチ47、及び遊星歯車組4が、径方向にオーバーラップする。
このように構成すると、動力伝達装置の回転軸X方向の拡大を抑制できる。
変形例にかかる動力伝達装置1Aは、以下の構成を有している。
(8)動力伝達装置1Aは、変速機構3Aの下流に接続された差動装置6(デファレンシャルギア)と、差動装置6の下流に接続されたドライブシャフト8(8A、8B)と、を有する。
ドライブシャフト8Bは、遊星歯車組4の内周を貫通して配置されている。
モータ2の回転軸Xaの径方向から見て、モータ2と、変速機構3Aとが、重なる位置関係で設けられている。
このように構成すると、動力伝達装置の回転軸X方向の拡大を抑制できる。
なお、前記した動力伝達装置1では、カウンタギア5側の小径歯車部511と、変速機構3側の連結部423とが回転伝達可能に噛合している場合を例示した(図2、図3参照)。
カウンタギア5側から変速機構3側への回転の伝達は、この態様にのみ限定されない。
例えば、以下のようにして、カウンタギア5側から変速機構3側に回転が伝達されるようにしても良い。
(a)カウンタギア5側の小径歯車部511に相当する部位と、変速機構3側の連結部423に相当する部位とを溶接して連結する。
(b)カウンタギア5側の小径歯車部511に相当する部位と、変速機構3側のリングギア42の一部(連結部423)とを一体に形成する。
このように、小径歯車部511に相当する部位と、リングギア42側の連結部423に相当する部位とを一体にすると、カウンタギア5(中空軸部51)の軸線X1方向のスライドを防止(抑制)できる。
これにより、中空軸部51の一端部51a側を支持するベアリングB4を、ボールベアリングから、より小型のニードルベアリングに置換できる。これにより、カウンタギア5周りの回転軸X方向の小型化が可能になるので、動力伝達装置1の回転軸X方向の小型化が可能になる。
図7から図10は、変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。
なお、以下の説明においても、符号「S」が、遊星歯車組4のサンギア41を意味し、符号「R」が、リングギア42を意味し、符号「C」が、キャリア45を意味している。
また、符号「BB」が、バンドブレーキ49を意味し、符号「CL」が、クラッチ47を意味し、符号「P」が、ピストン475を意味し、符号「DR」が、クラッチドラム48を意味し、符号「HB」が、ハブを意味している。
前記した変速機構3、3Aは、図5の(b)、図6の(b)のように示すことができる。
前記した変速機構3、3Aでは、遊星歯車組4が、ひとつのピニオンギア43を有するシングルピニオンである場合を例示した。
この変速機構3、3Aでは、遊星歯車組4のリングギア42(R)が、回転の入力部、キャリア45が出力部である。そして、クラッチ47(C)が、リングギア42(R)とサンギア(S)とを相対回転不能に締結し、バンドブレーキ49(BB)が、クラッチドラム48(DR)に連結されたサンギア41(S)を固定する。
本件発明にかかる動力伝達装置に適用可能な変速機構は、この態様にのみ限定されない。
以下に、適用可能な変速機構の態様を、図7から図10を用いて列挙する。
例えば、シングルピニオンで、サンギアSの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図7の(a)、(b)に示す態様でも良い。
図7の(a)の態様では、遊星歯車組のリングギアRが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図7の(b)の態様では、遊星歯車組のリングギアRが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、リングギアRと、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
また、シングルピニオンで、キャリアCの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図8の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図8の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図8の(b)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図8の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、シングルピニオンで、リングギアRの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図8の(d)、(e)、(f)に示す態様でも良い。
図8の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図8の(e)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図8の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、サンギアSの回転をバンドブレーキBBで固定する場合には、図9の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図9の(a)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、リングギアRと、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSとを相対回転不能に締結する。
図9の(b)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図9の(c)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、キャリアCの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図9の(d)、(e)、(f)に示す態様でも良い。
図9の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図9の(e)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図9の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、リングギアRの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図10の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図10の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図10の(b)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、サンギアSとを相対回転不能に締結する。
図10の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、ハブHBに連結されたキャリアCと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
以上、図5の(b)と、図7から図10に、変速機構の取り得る態様を全18パターン例示した。
これら全18パターンのうち、図7に示す態様、図8の(e)に示す態様、図9の(a)に示す態様、図9の(f)に示す態様では、モータ2の出力回転を正回転方向に維持したままで、低速段と高速段との切り替えが可能である。
そして、図7に示す態様、図9の(a)の態様は、クラッチドラムDRの外径が最も大きくなるので、クラッチCLを、余裕を持って締結状態にできる。
また、遊星歯車組の構成要素(サンギアS、リングギアR、キャリアC)のうちの2つの要素を締結するクラッチCLは、変速機構においてどこに設けても良い。
例えば、図7の(a)、(b)、図8の(c)に示す態様のように、バンドブレーキBBとリングギアRの間に、クラッチCLを設けても良い。
さらに、例えば図8の(a)、(b)、(d)〜(f)に示す態様のように、サンギアSの内径側にクラッチを設けても良い。
すなわち、クラッチCLは、リングギアRの外径側と、サンギアSの内径側の何れに設けても良い。
なお、ピニオンギアを2つ有するダブルピニオンにおいても同様である。
図9の(a)、(b)、(c)、(f)に示すように、リングギアRの外径側にクラッチCLを設けても良い。
図9の(d)、(e)、図10の(a)、(b)、(c)に示すように、サンギアSの内径側にクラッチCLを設けても良い。
なお、図8の(c)に示す態様と、図10の(b)に示す態様では、低速段と高速段の切り替えにあたり、モータ2の出力回転の方向を逆転させる必要がある。
ここで、本明細書における用語「下流に接続」とは、上流に配置された部品から下流に配置された部品へと動力が伝達される接続関係にあることを意味する。
例えば、モータ2の下流に接続され変速機構3という場合は、モータ2から変速機構3へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1、1A 動力伝達装置
10 モータハウジング
11 外側カバー
111 モータ支持部
12 内側カバー
121 モータ支持部
13 外側ケース
131 第1支持部
135 第2支持部
138 壁部
14 内側ケース
141 第1支持部
145 第2支持部
15 支持部材
151 第1支持部
152 筒状部
153 フランジ部
155 第2支持部
2 モータ
20 モータシャフト
200 挿通孔
201 連結部
202 被支持部
21 ロータコア
23 ストッパ
25 ステータコア
251 ヨーク部
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
26 ギア部
3、3A 変速機構
4 遊星歯車組
41 サンギア
42 リングギア
421 周壁部
422 円板部
423 連結部
43 ピニオンギア
44 ピニオン軸
45 キャリア
451、452 側板部
453 連結部
46 伝達部材
47 クラッチ
471 ドライブプレート
472 ドリブンプレート
475 ピストン
48 クラッチドラム
480 円板部
481 外壁部
482 内壁部
483 連結部
49 バンドブレーキ
5 カウンタギア
50 中空軸
501 連結部
502 ギア部
51 中空軸部
511 小径歯車部
52 大径歯車
55 減速ギア
6 差動装置
60 デフケース
601、602 支持部
61 シャフト
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
7 伝達軸
71 連結部
72 ギア部
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
B ボルト
B1、B2、B3、B4、B5 ベアリング
BB バンドブレーキ
S サンギア
R リングギア
C キャリア
CL クラッチ
DR クラッチドラム
FG ファイナルギア
HB ハブ
NB ニードルベアリング
OL オイル
P ピン
Rm 油圧室
RS リップシール
Sa 空間(モータ室)
Sp スプリング
Sb 空間(ギア室)
SL シールリング
W 駆動輪
X、Xa、Xb 回転軸
X1、X3、Y 軸線

Claims (5)

  1. モータと、
    前記モータの下流に接続された減速ギアと、
    前記減速ギアの下流に接続された変速機構と、を有し、
    前記変速機構の中心軸は前記モータの中心軸と径方向にオフセットしており、
    前記変速機構は、1つの単純遊星歯車組から構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記変速機構は、前記単純遊星歯車組の1つの回転要素を固定要素と連結するブレーキと、前記単純遊星歯車組の2つの回転要素を連結するクラッチと、を有し、
    前記ブレーキ、前記クラッチ、及び前記単純遊星歯車組が径方向にオーバーラップすることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記変速機構の下流に接続されたデファレンシャルギアと、
    前記デファレンシャルギアの下流に接続されたドライブシャフトを有し、
    前記ドライブシャフトは、前記モータのロータの内周を貫通して配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    前記変速機構の下流に接続されたデファレンシャルギアと、
    前記デファレンシャルギアの下流に接続されたドライブシャフトを有し、
    前記ドライブシャフトは、前記単純遊星歯車組の内周を貫通して配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項4において、
    前記デファレンシャルギアは、前記モータと径方向にオーバーラップすることを特徴とする動力伝達装置。
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