JP7282457B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、モータの下流に変速機構が接続された動力伝達装置が開示されている。
特許文献2には、クラッチとギアとで異なる種類のオイルを用いることが好適であることが開示されている。
特開2018-118616号公報 特開2015-124803号公報
モータの下流に変速機構が接続された動力伝達装置においても、クラッチとギアとで異なる種類のオイルを用いることが考えられるが2種類の油を用意することはコスト増加につながる。
さらに特許文献2においては、2つのオイルポンプを用いており、この点でもコスト増加につながる。
そこで、コストが増加しがちな2種類の油を用いる場合において、コストを極力抑制することが求められている。
本発明は、
モータと、
前記モータの下流に接続され摩擦締結要素を有する変速機構と、
前記変速機構の下流に接続されたギアと、
前記変速機構が収容される第1室と、
前記ギアが収容される第2室と、を有し、
前記第1室は、第1オイルがオイルポンプにより供給されるポンプ式潤滑方式であり、
前記第2室は、第2オイルを貯留する油浴式潤滑方式であり、
前記ギアはデファレンシャルギアであり、
前記変速機構の下流で且つ前記デファレンシャルギアの上流に遊星減速ギアが配置されており、
前記遊星減速ギアが前記第1オイルにより潤滑される構成の動力伝達装置とした。

本発明によれば、ポンプが一つとなるのでコストを極力減らすことができる。
第1実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 第1実施形態にかかる動力伝達装置の要部拡大図である。 第1実施形態にかかる動力伝達装置の変速機構を説明する図である。 第1実施形態にかかる動力伝達装置の差動装置周りの拡大図である。 第2実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 第2実施形態にかかる動力伝達装置の要部拡大図である。 第2実施形態にかかる動力伝達装置の変速機構を説明する図である。 第3実施形態にかかる動力伝達装置の変速機構を説明する図である。 第3実施形態にかかる動力伝達装置の要部拡大図である。 第4実施形態にかかる動力伝達装置を説明する図である。 第4実施形態にかかる動力伝達装置の要部拡大図である。 第4実施形態にかかる動力伝達装置の要部拡大図である。 変速機構と変形例にかかる変速機構の構成を模式的に示したスケルトン図である。 変形例にかかる変速機構の構成を模式的に示したスケルトン図である。 変形例にかかる変速機構の構成を模式的に示したスケルトン図である。 変形例にかかる変速機構の構成を模式的に示したスケルトン図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2の(a)は、動力伝達装置1の要部拡大図であって、モータ2からカウンタギア5までの範囲の拡大図である。図2の(b)は、オイルポンプOPから供給されるオイルOLの供給先を説明する図である。
図1に示すように動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3と、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、変速機構3で変速されたのち、カウンタギア5で減速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、動力伝達装置1を搭載した車両の左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
ここで、変速機構3は、モータ2の下流に接続されており、カウンタギア5は、変速機構3の下流に接続されており、差動装置6は、カウンタギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、変速機構3とカウンタギア5と差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
ここで、モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間は、モータ2を収容するモータ室Saとなっている。
図2に示すように、外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間は、内側ケース14に設けた仕切壁142により、カウンタギア5と差動装置6を収容する空間(第2ギア室Sb:第2室)と、変速機構3を収容する空間(第1ギア室Sc:第1室)とに区画されている。
図1に示すように、モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bの挿通孔200を有する筒状部材であり、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿されている。
モータシャフト20の挿通孔200は、長手方向の一端20a側の連結部201と、他端20b側の被支持部202が、回転軸X方向における連結部201と被支持部202との間の中間領域203よりも大きい内径で形成されている。
連結部201の内周および被支持部202の内周は、ドライブシャフト8Bに外挿されたニードルベアリングNB、NBで支持されている。
この状態において、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
モータシャフト20では、一端20a側の連結部201の外周と、他端20b側の被支持部202の外周に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の一端20a側は、ベアリングB1を介して、内側カバー12の内径側に位置するモータ支持部121で支持されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、外側カバー11の内径側に位置するモータ支持部111で支持されている。
ロータコア21の外周を所定間隔で囲むモータハウジング10は、円筒状の周壁部101を有している。モータハウジング10では、回転軸X方向の一端10aと他端10bに、シールリングSL、SLが設けられている。モータハウジング10の一端10aは、当該一端10aに設けたシールリングSLにより、内側カバー12の環状の接合部120に隙間なく接合されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSLにより、外側カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
この状態において、内側カバー12側のモータ支持部121は、後記するコイルエンド253aの内径側で、ロータコア21の一端部21aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
そして、外側カバー11側のモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
モータハウジング10の内側では、外側カバー11側のモータ支持部111と、内側カバー12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
回転軸X方向におけるロータコア21の一端部21aは、モータシャフト20の大径部204で位置決めされている。ロータコア21の他端部21bは、モータシャフト20に圧入されたストッパ23で位置決めされている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
本実施形態では、モータ室Saを囲むモータハウジング10に、冷却用の媒体(例えば、冷却水)が通流する流路102が設けられている。
流路102は、回転軸X方向に間隔をあけて複数(本実施形態では、3つ)設けられている。流路102の各々は、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
動力伝達装置1では、モータ2の駆動時に発生した熱を、流路102を通流する冷却用の媒体との熱交換により回収して、モータハウジング10の発熱で加熱された第1ケース部材(モータハウジング10、内側カバー12、外側カバー11)を冷却する。
図2に示すように、モータシャフト20の一端20aは、内側カバー12のモータ支持部121を、変速機構3側(図中、右側)に貫通して第1ギア室Sc内に位置している。
モータ支持部121の内周には、リップシールRSが設置されている。
リップシールRSは、モータ支持部121の内周と、モータシャフト20の外周との隙間を封止している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側のモータ室Saと、内側ケース14の内径側の第1ギア室Scと、を区画して、第1ギア室Sc側からモータ室Sa内へのオイルOLの進入を阻止するために設けられている。
図3は、変速機構3を説明する図である。
第1ギア室Sc内には、変速機構3が配置されている。
変速機構3は、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49と、を有している。
遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
遊星歯車組4の構成要素(サンギア41、リングギア42、ピニオンギア43、ピニオン軸44、キャリア45)は、クラッチドラム48の外壁部481の内径側に設けられている。
クラッチ47は、リングギア42の外周にスプライン嵌合したドライブプレート471(内径側摩擦板)と、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート472(外径側摩擦板)と、回転軸方向に移動可能に設けられたピストン475と、を有している。
クラッチドラム48は、外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、を有している。
外壁部481は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状を成している。円板部480は、外壁部481の差動装置6側(図中、右側)の端部から内径側に延びている。円板部480の内径側の領域は、遊星歯車組4から離れる方向に窪んだ凹部480aとなっている。
内壁部482は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状に形成されている。内壁部482は、円板部480の内径側の端部から遊星歯車組4側(図中、左側)に延びており、内壁部482の先端は、サンギア41とピニオンギア43との噛み合い部分に、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
連結部483は、回転軸Xを所定間隔で囲む円筒状を成している。連結部483は、長手方向の基端部483aが、内壁部482の先端側の内周に連結されている。
連結部483は、前記したモータシャフト20の連結部201の延長上を、モータ2に近づく方向(図中、左方向)に直線状に延びている。連結部483の先端483bは、外壁部481よりもモータ2側に位置している。
外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、から構成されるクラッチドラム48は、開口をモータ2側に向けて設けられており、内径側に位置する連結部483の外周に、遊星歯車組4のサンギア41がスプライン嵌合している。
遊星歯車組4では、サンギア41の外径側にリングギア42が位置している。リングギア42は、サンギア41の外周を所定間隔で囲む周壁部421と、周壁部421のモータ2側の端部から内径側に延びる円板部422と、円板部422の内径側の端部からモータ2側に延びる連結部423と、を有している。
連結部423は、回転軸Xを所定間隔で囲むリング状を成しており、連結部423の内周には、モータシャフト20の一端20a側の連結部201がスプライン嵌合している。
連結部423よりも外径側に位置する周壁部421は、サンギア41の外径側に位置する領域の内周に、ピニオンギア43の外周が噛合している。
ピニオンギア43は、リングギア42の周壁部421の内周と、サンギア41の外周に噛合している。
ピニオンギア43を支持するピニオン軸44は、回転軸Xに平行な軸線X3に沿う向きで設けられている。ピニオン軸44の一端と他端は、キャリア45を構成する一対の側板部451、452で支持されている。
側板部451、452は、軸線X3方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
モータ2側に位置する一方の側板部452は、他方の側板部451よりも回転軸X側まで延びている。側板部452の内径側の端部452aには、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状の連結部453が一体に形成されている。
連結部453は、モータシャフト20の連結部201よりも回転軸X側(内径側)を、回転軸Xに沿ってモータ2から離れる方向に延びている。
連結部453は、サンギア41の内径側をモータ2側から差動装置6側に横切って設けられており、連結部453は、クラッチドラム48の内壁部482の内径側で、中空軸50の連結部501の内周にスプライン嵌合している。
クラッチドラム48の外壁部481の内周には、クラッチ47のドリブンプレート472がスプライン嵌合している。クラッチ47のドライブプレート471は、リングギア42の周壁部421の外周にスプライン嵌合している。
リングギア42の周壁部421と、クラッチドラム48の外壁部481との間では、ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられている。
ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられた領域のモータ2側には、スナップリング474で位置決めされたリテーニングプレート473が位置しており、差動装置6側には、ピストン475の押圧部475aが位置している。
ピストン475の内径側の基部475bは、外径側の押圧部475aよりも遊星歯車組4から離れた位置に設けられている。ピストン475の内径側の基部475bは、回転軸X方向で隣接する円板部480の内径側の凹部480aに内挿されている。
基部475bのモータ2側(図中、左側)の面には、スプリングリテーナ476で支持されたスプリングSpが、回転軸X方向から圧接している。
ピストン475は、スプリングSpから作用する付勢力で差動装置6側に付勢されている。
クラッチドラム48では、凹部480aと内壁部482との境界部に、差動装置6側に突出する突出部484が設けられている。突出部484は、ベアリングB3の第1支持部141の内周に挿入されている。第1支持部141の内周にはオイルOLの供給路141a、141bが開口している。
突出部484の内部には、第1支持部141側から供給されるオイルOLを、クラッチドラム48の凹部480a内に導くための油路484aが設けられている。
油路484a介して供給されるオイルOLは、ピストン475の基部475bと凹部480aとの間の油室に供給されて、ピストン475をモータ2側に変位させる。
ピストン475がモータ2側に変位すると、クラッチ47のドライブプレート471とドリブンプレート472とが、ピストン475の押圧部475aとリテーニングプレート473との間で把持される。
これにより、ドライブプレート471がスプライン嵌合したリングギア42と、ドリブンプレート472がスプライン嵌合したクラッチドラム48との相対回転が、供給されるオイルOLの圧力に応じて規制されて、最終的に相対回転が規制される。
さらに、クラッチドラム48の外壁部481外周には、バンドブレーキ49が巻き掛けられている。アクチュエータACT(図示せず)によりバンドブレーキ49の巻き掛け半径が狭められると、クラッチドラム48の回転軸X回りの回転が規制される。
図2に示すように、変速機構3を収容する内側ケース14は、変速機構3の外周を所定間隔で囲む外周壁147と、外周壁147と仕切壁142との接続部から、外径側に延びる側壁143と、周壁部144と、を有している。
側壁143は、仕切壁142の延長上を回転軸Xの径方向外側に延びており、側壁143の外径側の端部は、カウンタギア5の外周を所定間隔で囲む周壁部144に連絡している。
変速機構3では、バンドブレーキ49の内径側に、遊星歯車組4と、クラッチ47が位置している。アクチュエータACTと、バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47は、回転軸Xの径方向でオーバラップしており、回転軸Xの径方向外側から見ると、アクチュエータACTと、バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47とが、重なる位置関係で設けられている。
本実施形態の変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42がモータ2の出力回転の入力部、キャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
変速機構3では、低速段と高速段との間での切替を、クラッチ47の締結/解放、バンドブレーキ49の作動の組み合わせの変更により行う仕様となっている。
変速機構3では、以下の条件(a)で低速段が実現し、条件(b)で高速段が実現する。
(a)バンドブレーキ49:作動、クラッチ47:解放
(b)バンドブレーキ49:非作動、クラッチ47:締結
ここで、変速機構3は、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
モータ2の出力回転は、変速機構3で変速された後、キャリア45の連結部453が連結された中空軸50に出力される。
図2に示すように、変速機構3で変速された回転が入力される中空軸50は、長手方向の一端50aが、デフケース60の支持部601を支持するベアリングB5に、回転軸X方向の隙間を空けて設けられている。中空軸50の他端50bが、遊星歯車組4との連結部501となっている。
連結部501の外周は、クラッチドラム48の内壁部482との間に介在するニードルベアリングNBで支持されている。
中空軸50の一端50a側の外周には、ギア部502が一体に形成されている。ギア部502の両側には、ベアリングB3、B3が外挿されている。
一端50a側のベアリングB3は、後記する支持部材15(図1参照)の第1支持部151で支持されており、他端50b側のベアリングB3は、内側ケース14の第1支持部141で支持されている。
第1支持部141の内周には、リップシールRSが設置されている。
中空軸50の連結部501側では、連結部501とベアリングB3と間の領域の外周に、リップシールRSの図示しないリップ部が弾発的に接触しており、第1支持部141の内周と、中空軸50の外周との隙間が、リップシールRSで封止されている。
第1支持部141の内周の供給路141bは、リップシールRSと連結部501との間の領域で、第1ギア室Sc側に開口している。
リップシールRSは、変速機構3を収容する第1ギア室Scと、カウンタギア5および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとを区画して、第1ギア室Scと第2ギア室Sbとの間でのオイルOLの移動を阻止するために設けられている。
ギア部502の外周には、カウンタギア5の大径歯車52が、回転伝達可能に噛合している。カウンタギア5において大径歯車52は、円筒状の中空軸部51の外周にスプライン嵌合している。
図2に示すように、中空軸部51の長手方向の一端部51aと他端部51bには、ベアリングB4が外挿されている。中空軸部51の一端部51aに外挿されたベアリングB4は、外側ケース13の円筒状の第2支持部135に挿入されている。中空軸部51の一端部51aは、ベアリングB4を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。
中空軸部51の他端部51bに外挿されたベアリングB4は、内側ケース14の円筒状の第2支持部145に挿入されている。中空軸部51の他端部51bは、ベアリングB4を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
この状態において、カウンタギア5の中空軸部51は、回転軸Xに平行な軸線X1に沿って設けられている。
中空軸部51では、大径歯車52から見て一端部51a側(図中、左側)に隣接して、パークギア53が設けられている。
中空軸部51では、パークギア53から見て一端部51a側(図中、右側)に離れた位置に、小径歯車部511が設けられている。小径歯車部511は、中空軸部51と一体に形成されていると共に、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている(図4参照:R1>R2)。
小径歯車部511は、差動装置6のデフケース60に固定されたファイナルギアFGに回転伝達可能に噛合している。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転が、変速機構3を介して中空軸50に入力される。中空軸50に入力された回転は、中空軸50のギア部502に噛合した大径歯車52を介して、カウンタギア5に入力される。
カウンタギア5では、大径歯車52とパークギア53が中空軸部51の外周にスプライン嵌合していると共に、小径歯車部511が中空軸部51と一体に形成されている。
そのため、モータ2の出力回転がカウンタギア5に入力されると、パークギア53と小径歯車部511とが、大径歯車52と共に軸線X1回りに回転する。
そうすると、小径歯車部511に回転伝達可能に噛合するファイナルギアFGが、デフケース60に固定されているので、カウンタギア5の軸線X1回りの回転に連動して、デフケース60が回転軸X回りに回転する。
ここで、カウンタギア5では、小径歯車部511の外径R2が大径歯車52の外径R1よりも小さくなっている(図4参照)。
そして、カウンタギア5では、大径歯車52が、モータ2側から伝達される回転の入力部となっており、小径歯車部511が、伝達された回転の出力部となっている。
そうすると、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、デフケース60に出力される。
図4は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
図4に示すように、デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
デフケース60の支持部602は、当該支持部602に外挿されたベアリングB5を介して、外側ケース13のリング状の第1支持部131で回転可能に支持されている。
支持部602には、外側ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の支持部601は、当該支持部601に外挿されたベアリングB5を介して、内側ケース14に固定された支持部材15の第1支持部151で回転可能に支持されている。
図1に示すように、支持部材15は、第1支持部151の外周から、モータ2側(図中、左側)に延びる筒状部152と、筒状部152の先端側の開口を全周に亘って囲むフランジ部153とを有している。支持部材15のフランジ部153は、当該フランジ部153を貫通したボルトBにより、内側ケース14の第1支持部141に固定されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB5を介して、支持部材15で回転可能に支持されている。本実施形態では、支持部材15が内側ケース14に固定されている。そのため、デフケース60の支持部601は、ベアリングB5と支持部材15を介して、固定側部材である内側ケース14で支持されている。
デフケース60の支持部601には、外側カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、遊星歯車組4と、中空軸50の内径側を、回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
外側カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
図4に示すように、デフケース60の内部では、ドライブシャフト8(8A、8B)の先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
デフケース60には、回転軸Xに直交する方向に貫通した軸孔60a、60bが、回転軸Xを挟んで対称となる位置に設けられている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、軸孔60a、60bには、シャフト61が挿入されている。
シャフト61は、ピンPでデフケース60に固定されており、シャフト61は、軸線Y周りの自転が禁止されている。
シャフト61は、デフケース60内において、サイドギア63A、63Bの間に位置しており、軸線Yに沿って配置されている。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Yの軸方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。
デフケース60内において、回転軸X方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸X方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
デフケース60の下部側は、第2ギア室Sbの内部に貯留された冷却用の媒体(オイルOL)に浸っている。本実施形態では、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくともオイルOL内に位置する高さまで、第2ギア室Sb内にオイルOL(第2オイルOL)が貯留されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1では、回転軸X回りに回転する差動装置6が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)により、カウンタギア5や差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する油浴式潤滑方式を採用している。
図2に示すように、本実施形態では、モータ2を収容するモータ室Saと、変速機構3を収容する第1ギア室Scとが、モータ支持部121の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。変速機構3を収容する第1ギア室Scと、カウンタギア5および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとが、仕切壁142の内径側の第1支持部141の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。
本実施形態では、前記した変速機構3(クラッチ47)の作動用のオイルOL(第1オイルOL)の一部が、第1支持部141の内周に開口する供給路141bから、変速機構3の内径側に供給される。
具体的には、図2の(b)に示すように、動力伝達装置1に付設されたオイルポンプOPから、クラッチ47の油室Rmに供給されるオイルOLの一部が、供給路141bから変速機構3の内径側に供給される。
変速機構3の内径側に供給されたオイルOL(第1オイルOL)は、遊星歯車組4を構成する回転体の回転による遠心力で外径側まで移動して、遊星歯車組4と、遊星歯車組4の外径側の位置するクラッチ47を潤滑する。
ここで、変速機構3の作動と潤滑に用いられるオイルOL(第1オイルOL)と、第2ギア室Sb内に貯留されたオイルOL(第2オイルOL)は、2種類の組成、粘度が異なるオイルOLである。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
図1に示すように、動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3と、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
図2に示すようにモータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、変速機構3に回転が入力される。
変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
そして、変速機構3では、バンドブレーキ49が作動している状態で低速段、クラッチ47が作動している状態で高速段が実現する。
そのため、変速機構3に入力された回転は、変速された後にキャリア45の連結部453から中空軸50に出力される。そして、中空軸50に入力された回転は、中空軸50のギア部502に噛合した大径歯車52を介して、カウンタギア5に入力される。
カウンタギア5では、中空軸50のギア部502に噛合する大径歯車52が、モータ2の出力回転の入力部となっており、デフケース60のファイナルギアFGに噛合する小径歯車部511が、入力された回転の出力部となっている。
ここで、カウンタギア5では、小径歯車部511の外径R2が大径歯車52の外径R1よりも小さくなっている(図4参照)。
そのため、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511が噛合するファイナルギアFGを介して、デフケース60(差動装置6)に出力される。
そして、デフケース60が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転する。これにより、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
動力伝達装置1では、動力伝達装置1を搭載した車両の走行時に、モータ2が発熱すると共に、変速機構3、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分で発熱する。
本実施形態にかかる動力伝達装置1では、モータ2の駆動により発生した熱が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により回収して、モータ2を冷却する。
さらに、回転駆動力の伝達時に回転軸X回りの回転する差動装置6(デフケース60)が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)で、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する。
そして、第1支持部141の内周に開口する供給路141bから、クラッチドラム48の内壁部482および連結部483と、キャリア45の連結部453および中空軸50の連結部501との間に冷却用のオイルOL(第1オイルOL)が供給される。これにより、変速機構3の内径側に供給されたオイルOLが、回転による遠心力で外径側に移動する際に、変速機構3を冷却する。
以上の通り、第1実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されていると共に、クラッチ47(摩擦締結要素)を有する変速機構3と、
変速機構3の下流に接続されたギア(カウンタギア5、差動装置6)と、
変速機構3が収容される第1ギア室Sc(第1室)と、
ギアが収容される第2ギア室Sb(第2室)と、を有する。
第1ギア室Scの冷却方式は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)で冷却されるポンプ式潤滑方式である。
第2ギア室Sbの冷却方式は、貯留されたオイルOL(第2オイルOL)で冷却する油浴式潤滑方式である。
2種類のオイル(第1オイルOL、第2オイルOL)を用いるにあたり、オイルポンプOPを一つ用意するだけで良いので、オイルOL毎に専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
第1実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(2)変速機構3のクラッチ47は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)により作動する。
クラッチ47の作動用のオイルOLの供給と、変速機構3の潤滑用のオイルOLの供給を、同一のポンプから供給されるオイルOLで賄うことができる。これにより、作動用のオイルOLと、潤滑用のオイルOLに対して、専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
前記した第1実施形態では、モータ2の冷却が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により行われる場合を例示した。
モータ2の冷却を、クラッチ47の作動用のオイルOL(第1オイルOL)を用いて行うようにしても良い。
この場合において、以下のような冷却方法を例示できる。
・図2の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータ2を収容するモータ室Sa内に供給して、モータ2を直接冷却する。
・図2の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータハウジング10内の流路102に供給して、モータ2を間接的に冷却する。
・図2の(a)においてモータ支持部121の内周のリップシールRSを省略して、第1ギア室Sc内のオイルOLが、モータ室Sa内に供給されるようにする。
このように、
(3)モータ2が、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)により冷却される油冷方式の冷却方式を採用しても良い。
このように構成すると、モータ2が油冷方式である場合には、ひとつのオイルポンプOPから供給されるオイルOLで、モータ2を効率的に冷却できる。
また、ひとつのオイルポンプOPを、クラッチ47の作動、潤滑に加えて、モータ2の冷却にも用いることで、コストを減らすことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明においては、前記した第1実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して示すと共に、可能な限り説明を省略する。
図5は、第2実施形態にかかる動力伝達装置1Aを説明する図である。
図6は、動力伝達装置1Aの要部拡大図である。
図7の(a)は、動力伝達装置1Aの変速機構3A周りの拡大図である。図7の(b)は、オイルポンプOPから供給されるオイルOLの供給先を説明する図である。
図5に示すように動力伝達装置1Aでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、変速機構3Aと、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、カウンタギア5で減速されたのち、変速機構3Aで変速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1Aが搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、カウンタギア5は、モータ2の下流に接続されており、変速機構3Aは、カウンタギア5の下流に接続されており、差動装置6は、変速機構3Aの下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、カウンタギア5と、変速機構3Aと、差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
ここで、モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間は、モータ2を収容するモータ室Saとなっている。
外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間は、内側ケース14に設けた支持部材15により、差動装置6を収容する空間(第2ギア室Sb:第2室)と、変速機構3を収容する空間(第1ギア室Sc:第1室)とに区画されている。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bの挿通孔200を有する筒状部材であり、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに外挿されている。
モータシャフト20の連結部201は、ベアリングB1を介して、内側カバー12の内径側に位置するモータ支持部121で、回転可能に支持されている。
モータシャフト20の被支持部202は、ベアリングB1を介して、外側カバー11の内径側に位置するモータ支持部111で、回転可能に支持されている。
モータハウジング10の内側では、外側カバー11側のモータ支持部111と、内側カバー12側のモータ支持部121との間に、ロータコア21が配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
ステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、電磁鋼板の各々は、モータハウジング10の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252を、有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用している。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
図6に示すように、モータシャフト20の一端20aは、内側カバー12のモータ支持部121を、差動装置6側(図中、右側)に貫通している。
モータ支持部121の内周には、リップシールRSが設置されている。
リップシールRSは、モータ支持部121の内周と、モータシャフト20の外周との隙間を封止している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側のモータ室Saと、内側ケース14の内径側の第1ギア室Scとを区画して、第1ギア室Sc側からモータ室Sa内へのオイルOLの進入を阻止するために設けられている。
モータシャフト20の一端20a側の連結部201の内周には、中空軸50の一端側の連結部501が挿入されてスプライン嵌合しており、モータシャフト20の連結部201と、中空軸50の連結部501とが互いに連結されている。
中空軸50は、ドライブシャフト8Bに外挿された筒状部材であり、回転軸X方向の略中央部の外周には、ギア部502が一体に形成されている。ギア部502の両側には、ベアリングB3、B3が外挿されている。
連結部501側のベアリングB3は、内側ケース14の第1支持部141で回転可能に支持されている。差動装置6側のベアリングB3は、後記する支持部材15の第2支持部155で回転可能に支持されている。
ギア部502の外周には、カウンタギア5の大径歯車52が、回転伝達可能に噛合している。カウンタギア5において大径歯車52は、円筒状の中空軸部51の外周にスプライン嵌合している。
中空軸部51の長手方向の一端部51a側には、後記する伝達軸55が外挿されており、他端部51bには、ベアリングB4が外挿されている。中空軸部51の一端部51aは、伝達軸55とベアリングB4を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。中空軸部51の他端部51bは、ベアリングB4を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
この状態において、カウンタギア5の中空軸部51は、回転軸Xに平行な軸線X1に沿う向きで設けられている。
中空軸部51では、カウンタギア5に隣接する位置に小径歯車部511が設けられている。小径歯車部511は、中空軸部51と一体に形成されていると共に、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている。小径歯車部511には、変速機構3A側の連結部423が回転伝達可能に噛合している。
図7は、変速機構3Aを説明する図である。
変速機構3Aは、支持部材15を内側ケース14にボルトBで固定して形成した空間(第1ギア室Sc)内に配置されている。
変速機構3Aは、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49と、を有している。
遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
遊星歯車組4の構成要素(サンギア41、リングギア42、ピニオンギア43、ピニオン軸44、キャリア45)は、クラッチドラム48の外壁部481の内径側に設けられている。
クラッチ47は、リングギア42の外周にスプライン嵌合したドライブプレート471(内径側摩擦板)と、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート472(外径側摩擦板)と、回転軸X(軸線X1)方向に移動可能に設けられたピストン475と、を有している。
クラッチドラム48は、外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、を有している。
外壁部481は、軸線X1を所定間隔で囲む筒状を成している。円板部480は、外壁部481の差動装置6側(図中、右側)の端部から内径側に延びている。円板部480の内径側の領域は、遊星歯車組4から離れる方向に窪んだ凹部480aとなっている。
内壁部482は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状に形成されている。内壁部482は、円板部480の内径側の端部から遊星歯車組4側(図中、左側)に延びており、内壁部482の先端は、サンギア41とピニオンギア43との噛み合い部分に、軸線X1方向の隙間をあけて対向している。
連結部483は、軸線X1を所定間隔で囲む円筒状を成している。連結部483は、長手方向の基端部483aが、内壁部482の先端側の内周に連結されている。
連結部483は、モータ2に近づく方向(図中、左方向)に直線状に延びている。連結部483の先端483bは、外壁部481よりもモータ2側(図中、左側)に位置している。
外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、から構成されるクラッチドラム48は、開口をモータ2側に向けて設けられており、内径側に位置する連結部483の外周に、遊星歯車組4のサンギア41がスプライン嵌合している。
遊星歯車組4では、サンギア41の外径側にリングギア42が位置している。リングギア42は、サンギア41の外周を所定間隔で囲む周壁部421と、周壁部421のモータ2側の端部から内径側に延びる円板部422と、円板部422の内径側の端部からモータ2側に延びる連結部423と、を有している。
連結部423は、軸線X1を所定間隔で囲むリング状を成しており、連結部423の内周には、カウンタギア5の小径歯車部511がスプライン嵌合している。
連結部423よりも外径側に位置する周壁部421では、サンギア41の外径側に位置する領域の内周に、ピニオンギア43の外周が噛合している。
ピニオンギア43は、リングギア42の周壁部421の内周と、サンギア41の外周に噛合している。
ピニオンギア43を支持するピニオン軸44は、回転軸Xに平行な軸線X3に沿う向きで設けられている。ピニオン軸44の一端と他端は、キャリア45を構成する一対の側板部451、452で支持されている。
側板部451、452は、軸線X3方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
モータ2側に位置する一方の側板部452は、他方の側板部451よりも軸線X1側まで延びている。側板部452の内径側の端部452aには、軸線X1を所定間隔で囲む筒状の連結部453が一体に形成されている。
連結部453は、クラッチドラム48の連結部483よりも軸線X1側(内径側)を、軸線X1に沿ってモータ2から離れる方向に延びている。
連結部453は、サンギア41の内径側をモータ2側から差動装置6側に横切って設けられており、連結部453は、クラッチドラム48の内壁部482の内径側で、伝達軸55の連結部56の内周にスプライン嵌合している。
クラッチドラム48の外壁部481の内周には、クラッチ47のドリブンプレート472がスプライン嵌合している。クラッチ47のドライブプレート471は、リングギア42の周壁部421の外周にスプライン嵌合している。
リングギア42の周壁部421と、クラッチドラム48の外壁部481との間では、ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられている。
ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられた領域のモータ2側には、スナップリング474で位置決めされたリテーニングプレート473が位置しており、差動装置6側には、ピストン475の押圧部475aが位置している。
ピストン475の内径側の基部475bは、外径側の押圧部475aよりも遊星歯車組4から離れた位置に設けられている。ピストン475の内径側の基部475bは、軸線X1方向で隣接する円板部480の内径側の凹部480aに内挿されている。
基部475bのモータ2側(図中、左側)の面には、スプリングリテーナ476で支持されたスプリングSpが、軸線X1方向から圧接している。
ピストン475は、スプリングSpから作用する付勢力で差動装置6側に付勢されている。
クラッチドラム48では、凹部480aと内壁部482との境界部に、差動装置6側に突出する突出部484が設けられている。支持部材15の仕切壁部156の内周に挿入されている。仕切壁部156の内周にはオイルOLの供給路153a、153bが開口している。
突出部484では、供給路153aに対向する領域の外周に、油路484aが開口している。油路484aは、供給路153aから供給されるオイルOLを、クラッチドラム48内の油室Rmに導くために設けられている。
油室Rmは、クラッチドラム48の凹部480aと、ピストン475の基部475bとの間に形成されている。
油室RmにオイルOLが供給されると、ピストン475が、油室Rm内の油圧により押されてモータ2側(図中、左側)に変位する。
ピストン475がモータ2側に変位すると、クラッチ47のドライブプレート471とドリブンプレート472とが、ピストン475の押圧部475aとリテーニングプレート473との間で把持される。
これにより、ドライブプレート471がスプライン嵌合したリングギア42と、ドリブンプレート472がクラッチドラム48との相対回転が、油室Rmに供給されるオイルOLの圧力に応じて規制されて、最終的に相対回転が規制される。
さらに、クラッチドラム48の外壁部481外周には、バンドブレーキ49が巻き掛けられている。図示しないアクチュエータによりバンドブレーキ49の巻き掛け半径が狭められると、クラッチドラム48の軸線X1回りの回転が規制される。
変速機構3Aでは、バンドブレーキ49の内径側に、遊星歯車組4と、クラッチ47が位置している。バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47は、回転軸X(軸線X1)の径方向でオーバラップしており、回転軸Xの径方向外側から見ると、バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47とが、重なる位置関係で設けられている。
本実施形態の変速機構3Aでは、遊星歯車組4のリングギア42がモータ2の出力回転の入力部、キャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
変速機構3Aでは、以下の条件(a)で低速段が実現し、条件(b)で高速段が実現する。
(a)バンドブレーキ49:作動、クラッチ47:解放
(b)バンドブレーキ49:非作動、クラッチ47:締結
ここで、変速機構3Aは、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
変速機構3Aに入力された回転は、変速機構3で変速された後、キャリア45の連結部453が連結された伝達軸55に出力される。
図6に示すように、伝達軸55は、中空軸部51に外挿された状態で、中空軸部51に対して相対回転可能に設けられている。
伝達軸55では、軸線X3方向の一端55a側が、ベアリングB4を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。
伝達軸55の他端55bは、変速機構3Aとの連結部56となっている。
図7に示すように、連結部56の外周は、クラッチドラム48の内壁部482との間に介在するニードルベアリングNBで支持されている。連結部56の内周は、キャリア45側の連結部453の外周にスプライン嵌合している。
そのため、伝達軸55は、変速機構3Aで変速された回転が、キャリア45の連結部453にスプライン嵌合した連結部56を介して入力されて、キャリア45と一体に軸線X1回りに回転する。
伝達軸55では、長手方向の一端55aと他端55bとの間の領域の外周に、ギア部57が一体に形成されている。
ギア部57には、差動装置6のデフケース60に固定されたファイナルギアFGが回転伝達可能に噛合している。
図5および図6に示すように、デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
デフケース60の支持部602は、ベアリングB5を介して、外側ケース13のリング状の第1支持部131で回転可能に支持されている。
支持部602には、外側ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト8Aは、支持部602で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB5を介して、内側ケース14に固定された支持部材15の第1支持部151で回転可能に支持されている。
図5に示すように、支持部材15は、第1支持部151と、筒状部152と、フランジ部153と、第2支持部155と、仕切壁部156と、を有している。
第1支持部151は、回転軸Xに直交する向きで配置された筒状部材である。筒状部152は、第1支持部151の外周からモータ2側(図中、左側)に延びており、筒状部152の先端に設けられたフランジ部153は、当該フランジ部153を貫通するボルトBにより、内側ケース14の第1支持部141に固定されている。
筒状部152では、長手方向の途中位置の内周に、第2支持部155が設けられている。第2支持部155では、前記した中空軸50に外挿されたベアリングB3が支持されている。
中空軸50は、ドライブシャフト8Bに外挿された状態で、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
ドライブシャフト8Bは、第1支持部151の内周を回転軸X方向に貫通している。第1支持部151の内側には、デフケース60の支持部601が挿入されている。第1支持部151の内周には、支持部601外挿されたベアリングB5が支持されている。
ドライブシャフト8Bおよびデフケース60は、ベアリングB5を介して、支持部材15の第1支持部151で支持されている。
第1支持部151では、ベアリングB5に隣接する位置の内周に、リップシールRSが設けられている。リップシールRSの図示しないリップ部は、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触しており、ドライブシャフト8Bの外周と第1支持部151の内周との隙間を封止している。
第1支持部151の外周には、回転軸Xの径方向に延びる仕切壁部156が、一体的に連結されている。
仕切壁部156は、回転軸Xに直交する向きで設けられており、仕切壁部156の外周部は、ボルトBで内側ケース14の内周に固定されている。
仕切壁部156は、外側ケース13と内側ケース14の内部に第1ギア室Scを形成するために設けられている、
図7に示すように、仕切壁部156では、前記したカウンタギア5の中空軸部51と交差する領域に、貫通孔156aが形成されている。
貫通孔156aにはリップシールRSが固定されている。リップシールRSの図示しないリップ部は、中空軸部51に外挿された伝達軸55の外周に弾発的に接触しており、伝達軸55の外周と仕切壁部156(貫通孔156a)の内周との隙間を封止している。
仕切壁部156では、前記したクラッチ47の作動用のオイルOLの供給路153aに隣接して、潤滑用のオイルOLの供給路153bが設けられている。供給路141bは、軸線X1方向におけるリップシールRSと突出部484との間の領域に開口しており、第1ギア室Sc側に連絡している。
支持部材15では、第1支持部151と仕切壁部156のリップシールRSは、差動装置6を収容する第2ギア室Sbと、変速機構3を収容する第1ギア室Scを区画して、第1ギア室Scと第2ギア室Sbとの間でのオイルOLの移動を阻止するために設けられている。
図5に示すように、デフケース60の支持部601には、外側カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と中空軸50の内径側を、回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
外側カバー11の開口部114の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Bの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Bの外周と開口部114の内周との隙間が封止されている。
図4に示すように、デフケース60の内部では、ドライブシャフト8(8A、8B)の先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合しており、サイドギア63A、63Bとドライブシャフト8(8A、8B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
デフケース60の下部側は、第2ギア室Sbの内部に貯留された冷却用の媒体(オイルOL)に浸っている。本実施形態では、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくともオイルOL内に位置する高さまで、第2ギア室Sb内にオイルOL(第2オイルOL)が貯留されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Aでは、回転軸X回りに回転する差動装置6が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)により、差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する油浴式潤滑方式を採用している。
本実施形態では、モータ2を収容するモータ室Saと、変速機構3Aを収容する第1ギア室Scとが、モータ支持部121の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。変速機構3Aを収容する第1ギア室Scと、カウンタギア5および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとが、支持部材15の第1支持部151と仕切壁部156に設けたリップシールRSにより区画されている。
本実施形態では、前記した変速機構3A(クラッチ47)の作動用のオイルOL(第1オイルOL)の一部が、仕切壁部156の内周に開口する供給路153bから、変速機構3Aの内径側に供給される。
変速機構3Aの内径側に供給されたオイルOL(第1オイルOL)は、遊星歯車組4を構成する回転体の回転による遠心力で外径側まで移動して、遊星歯車組4と、遊星歯車組4の外径側の位置するクラッチ47を潤滑する。
かかる構成の動力伝達装置1Aの作用を説明する。
図5に示すように、動力伝達装置1Aでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、カウンタギア5と、変速機構3Aと、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
図6に示すようにモータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20と、中空軸50とを介して、カウンタギア5に回転が入力される。
カウンタギア5では、中空軸50のギア部502に噛合する大径歯車52が、モータ2の出力回転の入力部、小径歯車部511が回転の出力部となっている。
カウンタギア5では、小径歯車部511が、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている。カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511に噛合する変速機構3Aのリングギア42に出力される。
図7に示すように変速機構3Aでは、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
そして、変速機構3Aでは、バンドブレーキ49が作動している状態で低速段、クラッチ47が作動している状態で高速段が実現する。
そのため、変速機構3に入力された回転は、変速された後にキャリア45の連結部453から伝達軸55に出力される。そして、伝達軸55に入力された回転は、伝達軸55のギア部57に噛合したファイナルギアFGを介して、差動装置6のデフケース60に伝達される。
差動装置6のデフケース60は、ファイナルギアFGを介して入力される回転で、回転軸X回りに回転する。これにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転して、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
動力伝達装置1Aでは、動力伝達装置1Aを搭載した車両の走行時に、モータ2が発熱すると共に、変速機構3A、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分で発熱する。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Aでは、モータ2の駆動により発生した熱が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により回収して、モータ2を冷却する。
さらに、回転駆動力の伝達時に回転軸X回りの回転する差動装置6(デフケース60)が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)で、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する。
そして、仕切壁部156に設けた供給路153bから、クラッチドラム48の内壁部482および連結部483と、キャリア45の連結部453および伝達軸55の連結部56との間に冷却用のオイルOL(第1オイルOL)が供給される。これにより、変速機構3の内径側に供給されたオイルOLが、回転による遠心力で外径側に移動する際に、変速機構3を冷却する。
以上の通り、第2実施形態にかかる動力伝達装置1Aは、以下の構成を有している。
(4)動力伝達装置1Aは、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されていると共に、クラッチ47(摩擦締結要素)を有する変速機構3Aと、
変速機構3Aの下流に接続されたギア(差動装置6)と、
変速機構3Aが収容される第1ギア室Sc(第1室)と、
ギアが収容される第2ギア室Sb(第2室)と、を有する。
第1ギア室Scの冷却方式は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)で冷却されるポンプ式潤滑方式である。
第2ギア室Sbの冷却方式は、貯留されたオイルOL(第2オイルOL)で冷却する油浴式潤滑方式である。
2種類のオイル(第1オイルOL、第2オイルOL)を用いるにあたり、オイルポンプOPを一つ用意するだけで良いので、オイルOL毎に専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
第2実施形態にかかる動力伝達装置1Aは、以下の構成を有している。
(5)変速機構3Aのクラッチ47は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)により作動する。
クラッチ47の作動用のオイルOLの供給と、変速機構3Aの潤滑用のオイルOLの供給を、同一のポンプから供給されるオイルOLで賄うことができる。これにより、作動用のオイルOLと、潤滑用のオイルOLに対して、専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
第2実施形態にかかる動力伝達装置1Aは、以下の構成を有している。
(6)動力伝達装置1Aは、モータ2の下流で、且つ変速機構3Aの上流に接続されたカウンタギア5(減速ギア)を有する。
差動装置6(ギア)は、カウンタギア5の下流に接続されている。
モータ2は変速機構3Aと回転軸X方向においてオフセットしている。
カウンタギア5を収容する第2ギア室Sbと、差動装置6を収容する第1ギア室Scとを区切る仕切壁部156(隔壁)を設けると共に、カウンタギア5が第1オイルOLにより潤滑される。
このように構成すると、第2軸(軸線X1)に変速機構3Aを配置する場合は、変速機構3Aの上流に位置するカウンタギア5も含めて第1オイルで潤滑できる。これにより、本体ケース9内の各部屋(モータ室Sa、第1ギア室Sc、第2ギア室Sb)の分離をしやすい構造とすることができる。
前記した第2実施形態では、モータ2の冷却が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により行われる場合を例示した。
モータ2の冷却を、クラッチ47の作動用のオイルOL(第1オイルOL)を用いて行うようにしても良い。
この場合において、以下のような冷却方法を例示できる。
・図7の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータ2を収容するモータ室Sa内に供給して、モータ2を直接冷却する。
・図7の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータハウジング10内の流路102に供給して、モータ2を間接的に冷却する。
・図6においてモータ支持部121の内周のリップシールRSを省略して、第1ギア室Sc内のオイルOLが、モータ室Sa内に供給されるようにする。
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bを説明する図である。
図9の(a)は、動力伝達装置1Bの要部拡大図である。図9の(b)は、オイルポンプOPから供給されるオイルOLの供給先を説明する図である。
第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bは、変速機構3Bの下流側に、段付きピニオンギア73を有する遊星減速ギア7が設けられているという点において、前記した第1実施形態にかかる動力伝達装置1と相違する。
以下の説明においては、前記した第1実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して示すと共に、可能な限り説明を省略する。
図8に示すように動力伝達装置1Bでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3Bと、遊星減速ギア7と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、変速機構3Bで変速されたのち、遊星減速ギア7で減速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、変速機構3Bは、モータ2の下流に接続されており、遊星減速ギア7は、変速機構3Bの下流に接続されており、差動装置6は、カウンタギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1Bの本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、変速機構3Bとカウンタギア5と差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
ここで、モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間は、モータ2を収容するモータ室Saとなっている。
図9に示すように、外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間は、内側ケース14に設けた仕切壁142により、遊星減速ギア7と差動装置6を収容する空間(第2ギア室Sb:第2室)と、変速機構3を収容する空間(第1ギア室Sc:第1室)とに区画されている。
モータ2の出力回転が入力される変速機構3Bは、前記した第1実施形態の変速機構3と同一の構成を有している。
図9に示すように、変速機構3Bは、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49と、を有している。遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
変速機構3Bでは、遊星歯車組4のリングギア42がモータ2の出力回転の入力部、キャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
変速機構3Bでは、以下の条件(a)で低速段が実現し、条件(b)で高速段が実現する。
(a)バンドブレーキ49:作動、クラッチ47:解放
(b)バンドブレーキ49:非作動、クラッチ47:締結
ここで、変速機構3Bは、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
モータ2の出力回転は、変速機構3Bで変速された後、キャリア45の連結部453から、遊星減速ギア7のサンギア71に出力される。
遊星減速ギア7は、サンギア71と、リングギア72と、段付きピニオンギア73と、ピニオン軸74と、キャリア75と、を有している。遊星減速ギア7では、サンギア71が回転の入力部、キャリア75が回転の出力部となっている。
サンギア71は、ドライブシャフト8Bに外挿された筒状部材であり、回転軸X方向における変速機構3B側の連結部711が、キャリア75の連結部453にスプライン嵌合している。サンギア71では、連結部711とは反対側の領域の外周に、段付きピニオンギア73の大径歯車部731が噛合する歯部712を有している。
サンギア71の差動装置6側の端部71aは、デフケース60の円筒状の支持部601に回転軸X方向の隙間を空けて対向しており、端部71aと支持部601との間には、ニードルベアリングNBが介在している。
サンギア71は、歯部712の連結部711側(図中、左側)の外周が、ベアリングB1を介して、内側ケース14の第1支持部141で回転可能に支持されている。第1支持部141では、ベアリングB1が設けられた領域に隣接してリップシールRSが設けられている。
リップシールRSは、第1支持部141の内周とサンギア71の連結部711側の領域の外周との隙間を封止している。
第1支持部141の内周の供給路141bは、リップシールRSと連結部711との間の領域で、第1ギア室Sc側に開口している。
リップシールRSは、変速機構3Bを収容する第1ギア室Scと、遊星減速ギア7および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとを区画して、第1ギア室Scと第2ギア室Sbとの間でのオイルOLの移動を阻止するために設けられている。
サンギア71の歯部712には、段付きピニオンギア73の大径歯車部731が噛合している。
段付きピニオンギア73は、サンギア71に噛合する大径歯車部731と、大径歯車部731よりも小径の小径歯車部732とを有している。
段付きピニオンギア73は、大径歯車部731と小径歯車部732が、回転軸Xに平行な軸線X1方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
段付きピニオンギア73は、大径歯車部731と小径歯車部732の内径側を軸線X1方向に貫通した貫通孔730を有している。
段付きピニオンギア73は、貫通孔730を貫通したピニオン軸74の外周で、ニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸74の外周では、大径歯車部731の内径側と、小径歯車部732の内径側に、ニードルベアリングNBがそれぞれ設けられている。ピニオン軸74の外周においてニードルベアリングNB、NBは、軸線X1方向に直列に並んでいる。
ピニオン軸74の長手方向の一端と他端は、デフケース60と一体に形成された側板部651と、この側板部651に間隔をあけて配置された側板部751で支持されている。
側板部651、751は、回転軸X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
側板部651、751の間では、複数の段付きピニオンギア73が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
小径歯車部732の各々は、リングギア72の内周に噛合している。リングギア72は、外側ケース13の内周にスプライン嵌合しており、リングギア72は、外側ケース13との相対回転が規制されている。
側板部751の内径側には、モータ2側に延びる筒状部752が設けられている。筒状部752の外周には、内側ケース14に固定されたベアリングB3が接触している。側板部751の筒状部752は、ベアリングB3を介して、内側ケース14で回転可能に支持されている。
図9に示すように遊星減速ギア7では、キャリア75を構成する側板部751と側板部651のうちの一方の側板部651は、差動装置6のデフケース60と一体に形成されている。
そのため、遊星減速ギア7のキャリア75(側板部651、751、ピニオン軸74)は、デフケース60と実質的に一体に形成されている。
デフケース60は、シャフト61と、かさ歯車62A、62Bと、サイドギア63A、63Bとを、内部に収納する中空状に形成されている。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
デフケース60の支持部602は、当該支持部602に外挿されたベアリングB5を介して、外側ケース13のリング状の第1支持部131で回転可能に支持されている。
支持部602には、外側ケース13の開口部130を貫通したドライブシャフト8Aが、回転軸X方向から挿入されている。
デフケース60の支持部601には、外側カバー11の開口部114を貫通したドライブシャフト8Bが、回転軸X方向から挿入されている。
デフケース60の内部では、ドライブシャフト8(8A、8B)の先端部の外周に、サイドギア63A、63Bがスプライン嵌合している。サイドギア63A、63Bの各々は、シャフト61で回転可能に支持されたかさ歯車62A、62Bに回転伝達可能に噛合している。
デフケース60の下部側は、第2ギア室Sbの内部に貯留された冷却用の媒体(オイルOL)に浸っている。本実施形態では、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくともオイルOL内に位置する高さまで、第2ギア室Sb内にオイルOL(第2オイルOL)が貯留されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Bでは、回転軸X回りに回転する差動装置6が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)により、遊星減速ギア7や差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する油浴式潤滑方式を採用している。
本実施形態では、モータ2を収容するモータ室Saと、変速機構3を収容する第1ギア室Scとが、モータ支持部121の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。変速機構3を収容する第1ギア室Scと、遊星減速ギア7および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとが、仕切壁142の内径側の第1支持部141の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。
本実施形態では、前記した変速機構3B(クラッチ47)の作動用のオイルOL(第1オイルOL)の一部が、第1支持部141の内周に開口する供給路141bから、変速機構3Bの内径側に供給される。
変速機構3Bの内径側に供給されたオイルOL(第1オイルOL)は、遊星歯車組4を構成する回転体の回転による遠心力で外径側まで移動して、遊星歯車組4と、遊星歯車組4の外径側の位置するクラッチ47を潤滑する。
かかる構成の動力伝達装置1Bの作用を説明する。
図8に示すように、動力伝達装置1Bでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3Bと、遊星減速ギア7と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、変速機構3Bに回転が入力される。
図9に示すように変速機構3Bでは、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
そして、変速機構3Bでは、バンドブレーキ49が作動している状態で低速段、クラッチ47が作動している状態で高速段が実現する。
そのため、変速機構3に入力された回転は、変速された後にキャリア45の連結部453から、遊星減速ギア7のサンギア71に出力される。
サンギア71が入力された回転で回転軸X回りに回転すると、段付きピニオンギア73(大径歯車部731、小径歯車部732)が、サンギア71側から入力される回転で、軸線X1回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア73の小径歯車部732は、外側ケース13の内周に固定されたリングギア72に噛合している。そのため、段付きピニオンギア73は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X周りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア73では、小径歯車部732の外径R2が大径歯車部731の外径R1よりも小さくなっている。
これにより、段付きピニオンギア73を支持するキャリア75(側板部651、751)が、変速機構3B側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア7のサンギア71に入力された回転は、段付きピニオンギア73により、大きく減速されたのちに、キャリア75の側板部651が一体に形成されたデフケース60(差動装置6)に出力される。
差動装置6のデフケース60は、ファイナルギアFGを介して入力される回転で、回転軸X回りに回転する。これにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸X回りに回転して、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
動力伝達装置1Bでは、動力伝達装置1Bを搭載した車両の走行時に、モータ2が発熱すると共に、変速機構3B、差動装置6におけるギアの噛み合い部分で発熱する。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Bでは、モータ2の駆動により発生した熱が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により回収して、モータ2を冷却する。
さらに、回転駆動力の伝達時に回転軸X回りに回転する差動装置6(デフケース60)が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)で、遊星減速ギア7や差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する。
そして、仕切壁部156に開口する供給路156bから、クラッチドラム48の内壁部482および連結部483と、キャリア45の連結部453および伝達軸55の連結部56との間に冷却用のオイルOL(第1オイルOL)が供給される。これにより、変速機構3Bの内径側に供給されたオイルOLが、回転による遠心力で外径側に移動する際に、変速機構3を冷却する。
以上の通り、第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bは、以下の構成を有している。
(7)動力伝達装置1Bは、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されていると共に、クラッチ47(摩擦締結要素)を有する変速機構3Bと、
変速機構3Bの下流に接続されたギア(遊星減速ギア7、差動装置6)と、
変速機構3Bが収容される第1ギア室Sc(第1室)と、
ギアが収容される第2ギア室Sb(第2室)と、を有する。
第1ギア室Scの冷却方式は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)で冷却されるポンプ式潤滑方式である。
第2ギア室Sbの冷却方式は、貯留されたオイルOL(第2オイルOL)で冷却する油浴式潤滑方式である。
2種類のオイル(第1オイルOL、第2オイルOL)を用いるにあたり、オイルポンプOPを一つ用意するだけで良いので、オイルOL毎に専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bは、以下の構成を有している。
(8)変速機構3Bのクラッチ47は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)により作動する。
クラッチ47の作動用のオイルOLの供給と、変速機構3Bの潤滑用のオイルOLの供給を、同一のポンプから供給されるオイルOLで賄うことができる。これにより、作動用のオイルOLと、潤滑用のオイルOLに対して、専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
なお、第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bでは、遊星減速ギア7が、貯留されたオイルOL(第2オイルOL)で冷却する油浴式潤滑方式である場合を例示した。遊星減速ギア7を、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)で冷却されるようにしても良い。
この場合には、ベアリングB1の第1支持部141に段付きピニオンギア73側にオイルを供給する供給路を設けることで実現可能である。
このように、第3実施形態にかかる動力伝達装置1Bにおいて、以下の構成を採用しても良い。
(9)ギアは、差動装置6が備えるギア(かさ歯車62A、62B、サイドギア63A、63B)である。
変速機構3Bの下流で、かつ差動装置6の上流に遊星減速ギア7が配置されている。
遊星減速ギア7は、第1オイルOLにより潤滑される。
遊星減速ギア7を用いることで、動力伝達装置1Bの小型化が可能になるが、遊星減速ギア7の隅々までを油浴・かき揚げのみで潤滑するためにはオイルポンプを用いることが効率的であることから遊星減速ギアには第1オイルを用いることが好適である。
前記した第3実施形態では、モータ2の冷却が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により行われる場合を例示した。
モータ2の冷却を、クラッチ47の作動用のオイルOL(第1オイルOL)を用いて行うようにしても良い。
この場合において、以下のような冷却方法を例示できる。
・図9の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータ2を収容するモータ室Sa内に供給して、モータ2を直接冷却する。
・図9の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータハウジング10内の流路102に供給して、モータ2を間接的に冷却する。
・図9においてモータ支持部121の内周のリップシールRSを省略して、第1ギア室Sc内のオイルOLが、モータ室Sa内に供給されるようにする。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態にかかる動力伝達装置1Cを説明する図である。
図11の(a)は、動力伝達装置1Cの要部拡大図である。図11の(b)は、オイルポンプOPから供給されるオイルOLの供給先を説明する図である。
図12は、動力伝達装置1Cの要部拡大図である。
図10に示すように動力伝達装置1Cは、モータ2と、変速機構3Cと、変速機構3Cの出力回転を差動装置6に伝達するカウンタギア5と、伝達された回転をドライブシャフト8(8A、8B)に伝達する差動装置6と、を有している。
動力伝達装置1Cでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3Cと、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の出力回転は、変速機構3Cで変速されたのち、カウンタギア5で減速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1Cが搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ここで、変速機構3Cは、モータ2の下流に接続されており、カウンタギア5は、変速機構3Cの下流に接続されており、差動装置6は、カウンタギア5の下流に接続されており、ドライブシャフト8(8A、8B)は、差動装置6の下流に接続されている。
動力伝達装置1Cでは、モータ2と変速機構3Cとが、共通の回転軸Xa上で同軸に配置されている。回転軸Xaの径方向外側では、カウンタギア5の回転軸Xbと、差動装置6およびドライブシャフト8(8A、8B)の回転軸Xcが、回転軸Xaに対して平行に設けられている。
動力伝達装置1Cは、回転の伝達に関与する回転軸Xa、Xb、Xcが、互い平行となるように配置された、いわゆる3軸タイプの動力伝達装置である。
第4実施形態にかかる動力伝達装置1Cにおいても、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12と、外側ケース13と、内側ケース14で、動力伝達装置1Cの本体ケース9を構成している。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、変速機構3Cと、カウンタギア5と、差動装置6と、を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
ここで、モータハウジング10の内径側で、外側カバー11と内側カバー12との間に形成される空間は、モータ2を収容するモータ室Saとなっている。
外側ケース13と内側ケース14の間に形成される空間は、内側ケース14に設けた支持部材15により、カウンタギア5と差動装置6を収容する空間(第2ギア室Sb:第2室)と、変速機構3を収容する空間(第1ギア室Sc:第1室)とに区画されている。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有している。
モータシャフト20では、ロータコア21の両側にベアリングB1、B1が外挿されている。モータシャフト20は、外側カバー11のモータ支持部111と、内側カバー12の支持部112に、ベアリングB1、B1を介して回転可能に支持されている。
図11に示すように、モータシャフト20の一端20a側の連結部201は、内側ケース14のリング状の第3支持部148内で、変速機構3C側の連結部423の内周にスプライン嵌合している。
第3支持部148の内周には、連結部423に外挿されたベアリングB2が支持されている。第3支持部148では、ベアリングB2から見てモータ2側に隣接した位置に、リップシールRSが設けられている。リップシールRSは、第3支持部148の内周と、連結部423の外周との隙間を封止している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側のモータ室Saと、内側ケース14の内径側の第1ギア室Scとを区画して、第1ギア室Sc側からモータ室Sa内へのオイルOLの進入を阻止するために設けられている。
変速機構3Cは、遊星歯車組4と、クラッチ47と、バンドブレーキ49と、を有している。
遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
遊星歯車組4の構成要素(サンギア41、リングギア42、ピニオンギア43、ピニオン軸44、キャリア45)は、クラッチドラム48の外壁部481の内径側に設けられている。
クラッチ47は、リングギア42の外周にスプライン嵌合したドライブプレート471(内径側摩擦板)と、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート472(外径側摩擦板)と、回転軸Xa方向に移動可能に設けられたピストン475と、を有している。
クラッチドラム48は、外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、を有している。
外壁部481は、回転軸Xaを所定間隔で囲む筒状を成している。円板部480は、外壁部481のモータ2とは反対側(図中、左側)の端部から内径側に延びている。円板部480の内径側の端部には、内壁部482が設けられている。
内壁部482は、回転軸Xaを所定間隔で囲む筒状に形成されている。内壁部482は、円板部480の内径側の端部から遊星歯車組4側(図中、右側)に延びており、内壁部482の先端は、バンドブレーキ49の内径側に位置している。
連結部483は、回転軸Xaを所定間隔で囲む円筒状を成している。連結部483は、長手方向の基端部483aが、内壁部482の先端側の内周に連結されている。
連結部483は、モータ2に近づく方向(図中、右方向)に直線状に延びている。
外壁部481と、円板部480と、内壁部482と、連結部483と、から構成されるクラッチドラム48は、開口をモータ2側に向けて設けられている。
内壁部482の内周は、ニードルベアリングNBを介して、支持軸30の外周で支持されている。
支持軸30は、小径部301と大径部302とが、回転軸Xa方向に並んで一体に形成された軸状部材であり、回転軸Xaに沿う向きで配置されている。
支持軸30は、モータシャフト20と同軸に配置されている。
大径部302のモータ2側の端部には、円板状のフランジ部303が一体に形成されている。フランジ部303は、回転軸Xaに直交する向きで設けられており、フランジ部303の外周は、クラッチドラム48の連結部483の側方まで及んでいる。
連結部483の外周には、遊星歯車組4のサンギア41がスプライン嵌合している。
遊星歯車組4では、サンギア41の外径側にリングギア42が位置している。リングギア42は、サンギア41の外周を所定間隔で囲む周壁部421と、周壁部421のモータ2側の端部から内径側に延びる円板部422と、円板部422の内径側からモータ2側に延びる連結部423と、円板部422の内径側の端部からモータ2とは反対側に延びる軸部424と、を有している。
軸部424よりも外径側に位置する周壁部421では、サンギア41の外径側に位置する領域の内周に、ピニオンギア43の外周が噛合している。
ピニオンギア43は、リングギア42の周壁部421の内周と、サンギア41の外周に噛合している。
ピニオンギア43を支持するピニオン軸44は、モータ2の回転軸Xaに平行な軸線X3に沿う向きで設けられている。ピニオン軸44の一端と他端は、キャリア45を構成する一対の側板部451、452で支持されている。
側板部451、452は、軸線X3方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
モータ2側に位置する一方の側板部452は、他方の側板部451よりも回転軸Xa側まで延びている。側板部452の内径側の端部452aは、支持軸30側のフランジ部303の外周に連結されている。
リングギア42の周壁部421は、回転軸Xaを所定間隔で囲むリング状を成しており、周壁部421の外周には、クラッチ47のドライブプレート471がスプライン嵌合している。クラッチ47のドリブンプレート472は、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合している。
リングギア42の周壁部421と、クラッチドラム48の外壁部481との間では、ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられている。
ドライブプレート471とドリブンプレート472とが交互に設けられた領域のモータ2側には、スナップリング474で位置決めされたリテーニングプレート473が位置しており、モータ2とは反対側には、ピストン475の押圧部475aが位置している。
ピストン475は、回転軸Xaに直交する向きで設けられた基部475bを有している。回転軸Xaの径方向における基部475bの略中央部には、遊星歯車組4側(図中、右側)に延びる筒壁部475cが設けられている。
ピストン475の基部475bでは、筒壁部475cが設けられた領域に、クラッチドラム48の円板部480から離れる方向(図中、右方向)に窪んだスリット475dが設けられている。
スリット475dには、クラッチドラム48の円板部480からモータ2側に延びるガイド片480bが挿入されている。
基部475bにおける筒壁部475cよりも内径側の領域では、基部475bのモータ2側の面に、スプリングリテーナ476で支持されたスプリングSpが、回転軸X方向から圧接している。
ピストン475は、スプリングSpから作用する付勢力でクラッチドラム48の円板部480側(図中、左側)に付勢されている。
クラッチドラム48では、円板部480と内壁部482との境界部に、モータ2とは反対側に突出する突出部484が設けられている。突出部484は、ベアリングB2の第1支持部151の内周に挿入されている。第1支持部151の内周にはオイルOLの供給路151aが開口している。
突出部484の内部には、第1支持部151側から供給されるオイルOLを、クラッチドラム48の円板部480とピストン475の基部475bとの間の油室Rmに導くための油路484aが設けられている。
油路484a介して油室Rmに供給されるオイルOLは、ピストン475をモータ2側(図中、右側)に変位させる。
ピストン475がモータ2側に変位すると、クラッチ47のドライブプレート471とドリブンプレート472とが、ピストン475の押圧部475aとリテーニングプレート473との間で把持される。
これにより、ドライブプレート471がスプライン嵌合したリングギア42と、ドリブンプレート472がスプライン嵌合したクラッチドラム48との相対回転が、供給されるオイルOLの圧力に応じて規制されて、最終的に相対回転が規制される。
さらに、クラッチドラム48の外壁部481外周には、バンドブレーキ49が巻き掛けられている。図示しないアクチュエータによりバンドブレーキ49の巻き掛け半径が狭められると、クラッチドラム48の回転軸Xa回りの回転が規制される。
変速機構3Cでは、バンドブレーキ49の内径側に、遊星歯車組4と、クラッチ47が位置している。バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47は、回転軸Xaの径方向でオーバラップしており、回転軸Xaの径方向外側から見ると、バンドブレーキ49と、遊星歯車組4と、クラッチ47とが、重なる位置関係で設けられている。
本実施形態の変速機構3Cでは、遊星歯車組4のリングギア42がモータ2の出力回転の入力部、キャリア45が、入力された回転の出力部となっている。
変速機構3Cでは、以下の条件(a)で低速段が実現し、条件(b)で高速段が実現する。
(a)バンドブレーキ49:作動、クラッチ47:解放
(b)バンドブレーキ49:非作動、クラッチ47:締結
ここで、変速機構3Cは、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
モータ2の出力回転は、変速機構3Cで変速された後、キャリア45の側板部452から、支持軸30に出力される。
図12に示すように、支持軸30は、回転軸Xaに沿ってモータ2から離れる方向に延びている。支持軸30では、小径部301の外周に中空軸31がスプライン嵌合している。
中空軸31では、回転軸Xa方向の両側に、ベアリングB2、B2が外挿されている。
中空軸31は、ベアリングB2、B2を介して、外側ケース13側の第3支持部138と、支持部材15の第1支持部151で支持されている。
支持部材15の外周部は、ボルトB、Bで、内側ケース14に固定されており、支持部材15と内側ケース14との間に、変速機構3Cを収容する第1ギア室Scが形成されている。
ベアリングB2を支持する第1支持部151では、ベアリングB2のモータ2側(図中、右側)の内周にリップシールRSが設けられている。
リップシールRSは、第1支持部151の内周と、中空軸31の外周との隙間を封止している。リップシールRSは、第2ギア室Sbと第1ギア室Scとの間でのオイルOLの移動を阻止するために設けられている。
第1支持部151の内周には、供給路151bが開口している。供給路151bは、第1ギア室Sc側に開口しており、第1ギア室Scに連絡している。
中空軸31では、ベアリングB2、B2の間の領域の外周に、ギア部311が一体に形成されている。
ギア部311の外周には、カウンタギア5の大径歯車52が、回転伝達可能に噛合している。
図10に示すように、カウンタギア5において大径歯車52は、円筒状の中空軸部51の外周にスプライン嵌合している。
中空軸部51の長手方向の一端部51aは、ベアリングB3を介して、外側ケース13の第2支持部135で回転可能に支持されている。
中空軸部51の他端部51bは、ベアリングB3を介して、内側ケース14の第2支持部145で回転可能に支持されている。
この状態において、カウンタギア5の中空軸部51は、回転軸Xaに平行な回転軸Xbに沿って設けられている。
中空軸部51では、大径歯車52から見て他端部51b側(図中、右側)に隣接して、小径歯車部511が設けられている。小径歯車部511は、中空軸部51と一体に形成されていると共に、大径歯車52の外径R1よりも小さい外径R2で形成されている(R1>R2)。
小径歯車部511は、差動装置6のデフケース60に固定されたファイナルギアFGに回転伝達可能に噛合している。
デフケース60では、回転軸Xc方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。
支持部602は、ベアリングB4を介して、外側ケース13のリング状の第1支持部131で回転可能に支持されている。
支持部601は、ベアリングB4を介して、内側ケース14のリング状の第1支持部141で回転可能に支持されている。
デフケース60の下部側は、第2ギア室Sbの内部に貯留された冷却用の媒体(オイルOL)に浸っている。本実施形態では、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくともオイルOL内に位置する高さまで、第2ギア室Sb内にオイルOL(第2オイルOL)が貯留されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Cでは、回転軸X回りに回転する差動装置6が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)により、カウンタギア5と差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する油浴式潤滑方式を採用している。
本実施形態では、モータ2を収容するモータ室Saと、変速機構3Cを収容する第1ギア室Scとが、第3支持部148の内周に設けたリップシールRSにより区画されている。変速機構3Cを収容する第1ギア室Scと、カウンタギア5および差動装置6を収容する第2ギア室Sbとが、支持部材15の第1支持部151に設けたリップシールRSにより区画されている。
本実施形態では、前記した変速機構3C(クラッチ47)の作動用のオイルOL(第1オイルOL)の一部が、支持部材15の内周に開口する供給路151bから、変速機構3Cの内径側に供給される。
変速機構3Aの内径側に供給されたオイルOL(第1オイルOL)は、遊星歯車組4を構成する回転体の回転による遠心力で外径側まで移動して、遊星歯車組4と、遊星歯車組4の外径側の位置するクラッチ47を潤滑する。
かかる構成の動力伝達装置1Cの作用を説明する。
図10に示すように、動力伝達装置1Cでは、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3Cと、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸Xa回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、変速機構3Cに回転が入力される。
変速機構3Cでは、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
変速機構3Cでは、バンドブレーキ49が作動している状態で低速段、クラッチ47が作動している状態で高速段が実現する。
そのため、変速機構3Cに入力された回転は、変速された後にキャリア45の連結部453から中空軸31に出力される。そして、中空軸31に入力された回転は、中空軸31のギア部311に噛合した大径歯車52を介して、カウンタギア5に入力される。
カウンタギア5では、小径歯車部511の外径R2が大径歯車52の外径R1よりも小さくなっている(図10参照)。
そのため、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511が噛合するファイナルギアFGを介して、デフケース60(差動装置6)に出力される。
そして、デフケース60が入力された回転で回転軸Xc回りに回転することにより、ドライブシャフト8(8A、8B)が回転軸Xc回りに回転する。これにより、モータ2の出力回転が、動力伝達装置1Cが搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
動力伝達装置1Cでは、動力伝達装置1Cを搭載した車両の走行時に、モータ2が発熱すると共に、変速機構3C、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分で発熱する。
本実施形態にかかる動力伝達装置1Cでは、モータ2の駆動により発生した熱が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により回収して、モータ2を冷却する。
さらに、回転駆動力の伝達時に回転軸X回りの回転する差動装置6(デフケース60)が掻き上げたオイルOL(第2オイルOL)で、カウンタギア5、そして差動装置6におけるギアの噛み合い部分を冷却する。
そして、支持部材15の第1支持部151の内周に設けた供給路151bから、クラッチドラム48の内壁部482および連結部483と、支持軸30との間に冷却用のオイルOL(第1オイルOL)が供給される。これにより、変速機構3Cの内径側に供給されたオイルOLが、回転による遠心力で外径側に移動する際に、変速機構3Cを冷却する。
以上の通り、第4実施形態にかかる動力伝達装置1Cは、以下の構成を有している。
(10)動力伝達装置1Cは、
モータ2と、
モータ2の下流に接続されていると共に、クラッチ47(摩擦締結要素)を有する変速機構3Cと、
変速機構3Cの下流に接続されたギア(カウンタギア5、差動装置6)と、
変速機構3Cが収容される第1ギア室Sc(第1室)と、
ギアが収容される第2ギア室Sb(第2室)と、を有する。
第1ギア室Scの冷却方式は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)で冷却されるポンプ式潤滑方式である。
第2ギア室Sbの冷却方式は、貯留されたオイルOL(第2オイルOL)で冷却する油浴式潤滑方式である。
2種類のオイル(第1オイルOL、第2オイルOL)を用いるにあたり、オイルポンプOPを一つ用意するだけで良いので、オイルOL毎に専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
第4実施形態にかかる動力伝達装置1Cは、以下の構成を有している。
(11)変速機構3Cのクラッチ47は、オイルポンプOPから供給されるオイルOL(第1オイルOL)により作動する。
クラッチ47の作動用のオイルOLの供給と、変速機構3Cの潤滑用のオイルOLの供給を、同一のポンプから供給されるオイルOLで賄うことができる。これにより、作動用のオイルOLと、潤滑用のオイルOLに対して、専用のオイルポンプOPを用意する場合に比べて、コストを減らすことができる。
前記した第4実施形態では、モータ2の冷却が、モータハウジング10内の流路102を通流する冷却用の媒体(例えば、水)との熱交換により行われる場合を例示した。
モータ2の冷却を、クラッチ47の作動用のオイルOL(第1オイルOL)を用いて行うようにしても良い。
この場合において、以下のような冷却方法を例示できる。
・図11の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータ2を収容するモータ室Sa内に供給して、モータ2を直接冷却する。
・図11の(b)に点線で示すように、オイルポンプOPから吐出されるオイルOLの一部を、モータハウジング10内の流路102に供給して、モータ2を間接的に冷却する。
・図11の(a)において第3支持部148の内周のリップシールRSを省略して、第1ギア室Sc内のオイルOLが、モータ室Sa内に供給されるようにする。
図13は、変速機構3、3A、3B、3Cの構成を模式的に示したスケルトン図である。
図13の(b)から図16は、変速機構の変形例を説明するスケルトン図である。
なお、以下の説明では、符号「S」が、遊星歯車組4のサンギア41を意味し、符号「R」が、リングギア42を意味し、符号「C」が、キャリア45を意味している。
また、符号「BB」が、バンドブレーキ49を意味し、符号「CL」が、クラッチ47を意味し、符号「P」が、ピストン475を意味し、符号「DR」が、クラッチドラム48を意味し、符号「HB」が、ハブを意味している。また、符号「P」が、ピストン475を意味している。
前記した変速機構3、3A、3Bは、図13の(a)のように示すことができる。
前記した変速機構3、3A、3Bでは、遊星歯車組4が、ひとつのピニオンギア43を有するシングルピニオンである場合を例示した。
この変速機構3、3A、3Bでは、遊星歯車組4のリングギア42(R)が、回転の入力部、キャリア45が出力部である。そして、クラッチ47(C)が、リングギア42(R)とサンギア(S)とを相対回転不能に締結し、バンドブレーキ49(BB)が、クラッチドラム48(DR)に連結されたサンギア41(S)を固定する。
本件発明にかかる動力伝達装置に適用可能な変速機構は、この態様にのみ限定されない。
以下に、適用可能な変速機構の態様を、図13の(b)から図16を用いて列挙する。
例えば、シングルピニオンで、サンギアSの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図13の(b)、(c)に示す態様でも良い。
図13の(b)の態様では、遊星歯車組のリングギアRが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図13の(c)の態様では、遊星歯車組のリングギアRが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、リングギアRと、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
また、シングルピニオンで、キャリアCの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図14の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図14の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図14の(b)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図14の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、シングルピニオンで、リングギアRの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図14の(d)、(e)、(f)に示す態様でも良い。
図14の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図14の(e)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図14の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、サンギアSの回転をバンドブレーキBBで固定する場合には、
図15の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図15の(a)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、リングギアRと、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSとを相対回転不能に締結する。
図15の(b)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図15の(c)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたサンギアSを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、キャリアCの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図15の(d)、(e)、(f)に示す態様でも良い。
図15の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図15の(e)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図15の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、バンドブレーキBBが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
また、ダブルピニオンで、リングギアRの回転をバンドブレーキBBで固定する場合、図16の(a)、(b)、(c)に示す態様でも良い。
図16の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図16の(b)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、サンギアSとを相対回転不能に締結する。
図16の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、バンドブレーキBBが、リングギアRを固定する。クラッチCLが、ハブHBに連結されたキャリアCと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
以上、図13から図16に、変速機構の取り得る態様を全18パターン例示した。
これら全18パターンのうち、図13に示す態様、図14の(e)に示す態様、図15の(a)に示す態様、図15の(f)に示す態様では、モータ2の出力回転を正回転方向に維持したままで、低速段と高速段との切り替えが可能である。
そして、図13に示す態様、図15の(a)~(c)の態様は、クラッチドラムDRの外径が最も大きくなるので、クラッチCLを、余裕を持って締結状態にできる。
また、遊星歯車組の構成要素(サンギアS、リングギアR、キャリアC)のうちの2つの要素を締結するクラッチCLは、変速機構においてどこに設けても良い。
例えば、図13の(a)~(c)、図14の(c)に示す態様のように、バンドブレーキBBとリングギアRの間に、クラッチCLを設けても良い。
さらに、例えば図14の(a)、(b)、(d)~(f)に示す態様のように、サンギアSの内径側にクラッチを設けても良い。
このように、クラッチCLは、リングギアRの外径側と、サンギアSの内径側の何れに設けても良い。
なお、ピニオンギアを2つ有するダブルピニオンにおいても同様である。
図15の(a)、(b)、(c)、(f)に示すように、リングギアRの外径側にクラッチCLを設けても良い。
図15の(d)、(e)、図16の(a)、(b)、(c)に示すように、サンギアSの内径側にクラッチCLを設けても良い。
なお、図16の(c)に示す態様と、図16の(b)に示す態様では、低速段と高速段の切り替えにあたり、モータ2の出力回転の方向を逆転させる必要がある。
ここで、本明細書における用語「下流に接続」とは、上流に配置された部品から下流に配置された部品へと動力が伝達される接続関係にあることを意味する。
例えば、モータ2の下流に接続された変速機構3という場合は、モータ2から変速機構3へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
本件発明は、以下の3タイプの変速機構付きの動力伝達装置に好適に適用可能である。
変速機構3Cとモータ2の回転軸が同心に配置されていると共に、モータ2の回転軸と、カウンタギア5の回転軸と、ドライブシャフト8(8A、8B)の回転軸が並列に並んだ、いわゆる3軸タイプの動力伝達装置1C(図10参照)。
モータ2と変速機構3とドライブシャフト8(8A、8B)の回転軸が同心に配置されていると共に、モータ2の回転軸と、カウンタギア5の回転軸が並列に並んだ、いわゆる2軸タイプの動力伝達装置1(図1参照)。
モータ2と変速機構3Bとドライブシャフト8(8A、8B)の回転軸が同心に配置された、いわゆる1軸タイプの動力伝達装置1B(図8参照)。
これら3タイプの動力伝達装置のうち、カウンタギア5の外径が大きい(径方向の面積が大きい)2軸タイプの動力伝達装置1は、最もスペースが空く(領域Rxを広く取ることができる)ので好ましい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1、1A、1B、1C 動力伝達装置
2 モータ
20 モータシャフト
201 連結部
202 被支持部
21 ロータコア
25 ステータコア
251 ヨーク部
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
3、3A、3B、3C 変速機構
30 支持軸
301 小径部
302 大径部
303 フランジ部
31 中空軸
311 ギア部
4 遊星歯車組
41、S サンギア
42、R リングギア
421 周壁部
422 円板部
423 連結部
424 軸部
43 ピニオンギア
44 ピニオン軸
45、C キャリア
451、452 側板部
453 連結部
47、CL クラッチ
471 ドライブプレート
472 ドリブンプレート
475 ピストン
476 スプリングリテーナ
48、DR クラッチドラム
480 円板部
481 外壁部
482 内壁部
483 連結部
484 突出部
484a 油路
49、BB バンドブレーキ
HB ハブ
5 カウンタギア
50 中空軸
501 連結部
502 ギア部
51 中空軸部
511 小径歯車部
52 大径歯車
53 パークギア
55 伝達軸
55a 一端
55b 他端
56 連結部
57 ギア部
6 差動装置
60 デフケース
601、602 支持部
651 側板部
61 シャフト
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
7 遊星減速ギア
71 サンギア
711 連結部
712 歯部
72 リングギア
73 段付きピニオンギア
730 貫通孔
731 大径歯車部
732 小径歯車部
751 側板部
752 筒状部
74 ピニオン軸
75 キャリア
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
10 モータハウジング
101 周壁部
102 流路
11 外側カバー
111 モータ支持部
12 内側カバー
121 モータ支持部
13 外側ケース
131 第1支持部
135 第2支持部
138 第3支持部
14 内側ケース
141 第1支持部
141a 供給路
141b 供給路
142 仕切壁
143 側壁
144 周壁部
145 第2支持部
147 外周壁
148 第3支持部
15 支持部材
151 第1支持部
151a 供給路
151b 供給路
152 筒状部
153 フランジ部
153a 供給路
153b 供給路
155 第2支持部
156 仕切壁部
156a 貫通孔
156b 供給路
B ボルト
B1、B2、B3、B4、B5 ベアリング
FG ファイナルギア
NB ニードルベアリング
OL 第1オイル、第2オイル、オイル
OP オイルポンプ
Rm 油室
RS リップシール
Sa モータ室
Sb 第2ギア室
Sc 第1ギア室
SL シールリング
Sp スプリング
X、Xa、Xb、Xc 回転軸
X1、X3、Y 軸線

Claims (4)

  1. モータと、
    前記モータの下流に接続され摩擦締結要素を有する変速機構と、
    前記変速機構の下流に接続されたギアと、
    前記変速機構が収容される第1室と、
    前記ギアが収容される第2室と、を有し、
    前記第1室は、第1オイルがオイルポンプにより供給されるポンプ式潤滑方式であり、
    前記第2室は、第2オイルを貯留する油浴式潤滑方式であり、
    前記ギアはデファレンシャルギアであり、
    前記変速機構の下流で且つ前記デファレンシャルギアの上流に遊星減速ギアが配置されており、
    前記遊星減速ギアが前記第1オイルにより潤滑されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. モータと、
    前記モータの下流に接続され摩擦締結要素を有する変速機構と、
    前記変速機構の下流に接続されたギアと、
    前記変速機構が収容される第1室と、
    前記ギアが収容される第2室と、を有し、
    前記第1室は、第1オイルがオイルポンプにより供給されるポンプ式潤滑方式であり、
    前記第2室は、第2オイルを貯留する油浴式潤滑方式であり、
    前記モータの下流で且つ前記変速機構の上流に接続された減速ギアを有し、
    前記ギアは、前記減速ギアの下流に接続されており、
    前記モータは前記変速機構と軸方向においてオフセットしており、
    前記減速ギアと前記ギアとを区切る隔壁とを設けると共に、前記減速ギアが前記第1オイルにより潤滑されることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記摩擦締結要素は、前記オイルポンプにより作動することを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記モータが前記第1オイルにより冷却されることを特徴とする動力伝達装置。
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