JP6968515B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
遊星歯車組と、第1係合要素と、第2係合要素と、を有する変速機構を有し、
前記第1係合要素は、前記変速機構が低速段のときに係合されるノーマリクローズ式の係合要素であり、
前記第2係合要素は、前記変速機構が高速段のときに係合されるノーマリオープン式の係合要素である構成の動力伝達装置とした。
図1は、実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1のモータ2からカウンタギア5までの範囲の拡大図である。
モータ2の出力回転は、変速機構3で変速されたのち、カウンタギア5で減速されて差動装置6に伝達される。差動装置6では、伝達された回転が、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
そして、モータハウジング10と、外側カバー11と、内側カバー12で、モータ2のケース(第1ケース部材)を構成している。
外側ケース13と内側ケース14で、変速機構3とカウンタギア5と差動装置6を収容するケース(第2ケース部材)を構成している。
よって、空間Sbは、カウンタギア5と差動装置6を収容する第1ギア室となっており、空間Scは、変速機構3を収容する第2ギア室となっている。
モータシャフト20の挿通孔200は、長手方向の一端20a側の連結部201と、他端20b側の被支持部202が、回転軸X方向における連結部201と被支持部202との間の中間領域203よりも大きい内径で形成されている。
この状態において、モータシャフト20は、ドライブシャフト8Bに対して相対回転可能に設けられている。
ベアリングB1は、モータシャフト20の外周に設けた段部205により、ロータコア21側(図中、左側)への移動が規制されている。
そのため、モータシャフト20では、ロータコア21から見て一端20a側に離れた位置の外周が、ベアリングB1を介して、内側カバー12の円筒状のモータ支持部121で回転可能に支持されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、外側カバー11の円筒状のモータ支持部111で回転可能に支持されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSLにより、外側カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
そして、外側カバー11側のモータ支持部111は、後記するコイルエンド253bの内径側で、ロータコア21の他端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置される。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
リップシールRSは、モータ支持部121の内周と、モータシャフト20の外周との隙間を封止している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Saと、内側ケース14の内径側の空間Scと、を区画して、空間Sc側から空間Sa内へのオイルOLの進入を阻止するために設けられている。
空間Sc内には、変速機構3が配置されている。
変速機構3は、遊星歯車組4と、Lowブレーキ35と、Highクラッチ31と、を有している。
遊星歯車組4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、ピニオン軸44と、キャリア45と、を有している。
遊星歯車組4の構成要素(サンギア41、リングギア42、ピニオンギア43、ピニオン軸44、キャリア45)は、クラッチドラム48の外壁部481の内径側に設けられている。
Highクラッチ31は、リングギア42の外周にスプライン嵌合したドライブプレート311(内径側摩擦板)と、クラッチドラム48の外壁部481の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート312(外径側摩擦板)と、回転軸方向に移動可能に設けられたピストン315と、を有している。
外壁部481は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状を成している。円板部480は、外壁部481の差動装置6側(図中、右側)の端部から内径側に延びている。円板部480の内径側の領域は、遊星歯車組4から離れる方向に窪んだ凹部480aとなっている。
連結部483は、前記したモータシャフト20の連結部201の延長上を、モータ2に近づく方向(図中、左方向)に直線状に延びている。連結部483の先端483bは、外壁部481よりもモータ2側に位置している。
連結部423は、回転軸Xを所定間隔で囲むリング状を成しており、連結部423の内周には、モータシャフト20の一端20a側の連結部201がスプライン嵌合している。
ピニオンギア43は、リングギア42の周壁部421の内周と、サンギア41の外周に噛合している。
側板部451、452は、軸線X3方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
連結部453は、モータシャフト20の連結部201よりも回転軸X側(内径側)を、回転軸Xに沿ってモータ2から離れる方向に延びている。
リングギア42の周壁部421と、クラッチドラム48の外壁部481との間では、ドライブプレート311とドリブンプレート312とが交互に設けられている。
ピストン315は、スプリングSpから作用する付勢力で差動装置6側(図中、右側)に付勢されている。
突出部484の内部には、第1支持部141側から供給されるオイルOLを、クラッチドラム48の凹部480a内に導くための油路484aが設けられている。
ピストン315がモータ2側に変位すると、Highクラッチ31のドライブプレート311とドリブンプレート312とが、ピストン315の押圧部315aとリテーニングプレート313との間で把持される。
これにより、ドライブプレート311がスプライン嵌合したリングギア42と、ドリブンプレート312がスプライン嵌合したクラッチドラム48との相対回転が、供給されるオイルOLの圧力に応じて規制されて、最終的に相対回転が規制される。
クラッチドラム48の外壁部481と、内側ケース14の周壁部146との間では、ドライブプレート351とドリブンプレート352とが交互に設けられている。
内側ケース14の仕切壁142では、ピストン355の基部355bに対向する領域に、遊星歯車組4から離れる方向に窪んだ凹部142bが設けられている。ピストン355の基部355bは、回転軸X方向で隣接する凹部142bに内挿されている。
ピストン355は、スプリングSpから作用する付勢力で遊星歯車組4側(図中、左側)に押圧されている。
供給路142aを介して供給されるオイルOLは、ピストン355の基部455bとリテーニングプレート353との間の油室Rbに供給されて、ピストン355を差動装置6側(図中、右側)に変位させる。
これにより、ドライブプレート351とドリブンプレート352とが、ピストン355の押圧部355aとリテーニングプレート353との間で把持されて、クラッチドラム48は、内側ケース14との相対回転が規制される。
変速機構3は、低速段と高速段の間での切り替えが可能である。
(a)Lowブレーキ35:締結、Highクラッチ31:解放
(b)Lowブレーキ35:解放、Highクラッチ31:締結
ここで、変速機構3は、二段変速機構であり、低速段、高速段は同一回転方向(前進段又は後進段)である。モータ2の正逆転により前後進の切替えが可能である。
Lowブレーキ35は、ノーマリクローズ式係合要素であり、Highクラッチ31は、ノーマリオープン式係合要素である。
例えば、本実施形態のLowブレーキ35のように、スプリング(付勢部材)で係合要素を係合側へ押す構成となっていればノーマリクローズ式を容易に作成可能である。逆に、本実施形態のHighクラッチ31のように、スプリングで係合要素を解放側へ押す構成となっていればノーマリオープン式を容易に作成可能である。態様はスプリングに限定されず、公知のものを適宜選択して使用すれば良い。
連結部501の外周は、クラッチドラム48の内壁部482との間に介在するニードルベアリングNBで支持されている。
一端50a側のベアリングB3は、支持部材15(図1参照)側の支持部151で支持されており、他端50b側のベアリングB3は、内側ケース14の第1支持部141で支持されている。
中空軸部51では、大径歯車52から見て一端部51a側(図中、左側)に隣接して、パークギア53が設けられている。
図4は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
そのため、モータ2の出力回転がカウンタギア5に入力されると、パークギア53と小径歯車部511とが、大径歯車52と共に軸線X1回りに回転する。
そして、カウンタギア5では、大径歯車52が、モータ2側から伝達される回転の入力部となっており、小径歯車部511が、伝達された回転の出力部となっている。
そうすると、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、デフケース60に出力される。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
デフケース60の支持部601は、ベアリングB5を介して、外側ケース13に固定された支持部材15の支持部151で回転可能に支持されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、変速機構3と、中空軸50の内径側を、回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、軸孔60a、60bには、シャフト61が挿入されている。
かさ歯車62A、62Bは、シャフト61の長手方向(軸線Yの軸方向)で間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bは、互いの歯部を対向させた状態で配置されている。
シャフト61においてかさ歯車62A、62Bは、当該かさ歯車62A、62Bの軸心を、シャフト61の軸心と一致させて設けられている。
デフケース60内において、回転軸Xの軸方向におけるかさ歯車62A、62Bの両側には、サイドギア63A、63Bが位置している。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸Xの軸方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
前記したように動力伝達装置1では、変速機構3における変速段の切り替えが、Highクラッチ31とLowブレーキ35の締結/解放の組み合わせを変更することで実現される。
なお、オイルポンプOPは、電源駆動される電動オイルポンプEOP、動力伝達装置1で伝達される回転駆動力で駆動されるメカオイルポンプMOPの何れであっても良い。
クラッチ側油路75aとブレーキ側油路75bには、それぞれ調圧弁71a、71bが設けられている。
オイルポンプOPを駆動させることなく、低速段を実現できるようにしている。
Lowブレーキ35を解放状態にしつつ、Highクラッチ31を締結状態にするために、オイルOL(油圧)を供給する。
アキュムレータ72は、油室RbにオイルOLが供給される際に、内部にオイルOLを蓄積する。そして、アキュムレータ72は、油室RbへのオイルOLの供給圧(油圧)が所定圧力未満になると、内部に蓄積していたオイルOLを、ブレーキ側油路75bに排出して、油室Rb内のオイルの圧力(油圧)の低下速度を低減させる。
図1に示すように、動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、変速機構3と、カウンタギア5と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42が回転の入力部、キャリア45が入力された回転の出力部となっている。
そのため、カウンタギア5に入力された回転は、大きく減速されたのちに、小径歯車部511が噛合するファイナルギアFGを介して、デフケース60(差動装置6)に出力される。
変速機構3が高速段であるとき(Lowブレーキ35:解放、Highクラッチ:締結)に動力伝達装置1を搭載したモータ車両の走行速度が低下すると、オイルポンプOPの吐出圧が低下する。
そうすると、Lowブレーキ35とHighクラッチ31が同時に締結された状態になって、動力伝達装置1と搭載したモータ車両の走行に支障が生じる場合がある。
アキュムレータ72は、油室RbにオイルOLが供給される際に、内部にオイルOLを蓄積する。そして、アキュムレータ72は、油室RbへのオイルOLの供給圧(油圧)が所定圧力未満になると、内部に蓄積していたオイルOLを、ブレーキ側油路75bに排出して、油室Rb内のオイルの圧力(油圧)の低下速度を低減させる。
これにより、油室Rb内のオイルの圧力(油圧)の低下速度が低減するので、Highクラッチ31の締結が解消される前に、Lowブレーキ35が締結状態になる事態の発生を防止できる。よって、Lowブレーキ35とHighクラッチ31が同時に締結された状態になって、動力伝達装置1と搭載したモータ車両の走行に支障が生じないようになっている。
(1)動力伝達装置1は、遊星歯車組4と、Lowブレーキ35(第1係合要素)と、Highクラッチ31(第2係合要素)と、を有する変速機構3を有する。
Lowブレーキ35は、変速機構3が低速段の時に係合されるノーマリクローズ式係合要素である。
Highクラッチ31は、変速機構3が高速段の時に係合されるノーマリクローズ式係合要素である。
そのため、動力伝達装置1を搭載したモータ車両の停車時、発進時、低速段選択時などのシーンにおいては、油圧の供給や電力の供給を必要とせずに低速段が実現される。
低速段の実現に油圧の供給や電力の供給を必要とする場合には、低速段の実現のためにモータ車両に搭載された電力供給源からの電力の供給が必要である。
本件発明にかかる動力伝達装置1では、低速段の実現に油圧の供給や電力の供給を必要としないので、油圧の供給のための燃料や電力の消費を必要としない。よって、燃料と電力の消費の低減が可能であり、動力伝達装置1の高効率化が実現する。
特許文献1の有段変速機構では、伝達切替部材が、低速段を実現する要素と、高速段を実現する要素のうちの一方にスプライン係合して、低速段または高速段を実現する仕様となっている。
そのため、高速段を実現する要素のスプラインの位相と、低速段を実現する要素のスプラインの位相とがズレていると、伝達切替部材の係合先を切り替えることができないので、スプラインの位相合わせが必要となる。
これに対して、本件発明では、摩擦式の係合要素を採用しているので、スプラインの位相合わせは不要である。そのため、本件発明では、動力伝達装置を搭載した車両の停車中に、高速段と低速段との間での変速段の切り替えに支障が生じない。
(2)Lowブレーキ35に付設された油室Rb(ノーマリクローズ式の第1係合要素の係合圧供給室)に接続されたアキュムレータ72を有する。
Lowブレーキ35の油室Rb(第1係合要素の係合圧供給室)に供給される油圧が低下する結果、高速段を実現するHighクラッチ31を係合している状態で、低速段を実現するLowブレーキ35が係合した状態、すなわち、同時係合状態が生じることがある。
上記のように、Lowブレーキ35に付設された油室Rbに接続されたアキュムレータ72を設けることで、Lowブレーキ35の油室Rbに供給される油圧の低下速度を抑えることができる。
モータ車両の高速段が選択された走行状態から、停車状態へ移行シーンにおいて、速度の低下に伴ってメカオイルポンプMOPの吐出圧が低下して、システム全体として油圧低下した場合。
このような場合に、Lowブレーキ35に付設された油室Rbに接続されたアキュムレータ72を設けることで、Lowブレーキ35とHighクラッチ31の両方が解放されたニュートラル状態を一時的に生じさせることができる。
これにより、変速機構3における高速段から低速段への切替が、ニュートラル状態を経て行われるようになるので、Lowブレーキ35とHighクラッチ31の両方が締結された状態(同時係合状態)の発生を防いで、モータ車両の走行に支障が生じる事態を回避できる。
その場合、アキュムレータにより低速段・高速段の同時係合の発生を遅らせることができるので、ショックの発生を抑制できる場合がある。例えば、アキュムレータにより低速段・高速段の同時係合の発生を遅らせている間に停車してしまえばショックの発生は生じない。
(4)動力伝達装置1は、変速機構3の上流に配置されたモータ2を有する。
そのため、本実施形態にかかる動力伝達装置1では、Lowブレーキ35としてノーマリクローズ式の係合要素を採用して、Lowブレーキ35の油室Rbへの油圧の供給がない場合には、変速段が自動的に低速段になるようにしている。
すなわち、動力伝達装置1を搭載したモータ車両の停車および駐車時に、変速段が自動的に低速段になるようにしている。
すなわち、動力伝達装置1をモータ車両(電動車両)に搭載すると、モータ車両の停車時や駐車時に、オイルポンプOPを停止することができるので、モータ車両での省エネルギー化が可能となる。
前記した実施形態にかかる油圧制御回路7Aでは、アキュムレータ72が、ブレーキ側油路75bに直接接続されている場合を例示した。
図6に示すように、アキュムレータ72が、オン/オフバルブ76を介してブレーキ側油路75bに接続された構成の油圧制御回路7Aとしても良い。
そうすると、Highクラッチ31の解放が完了しているにも拘わらず、Lowブレーキの締結が完了していない状態(ニュートラル状態)になって、モータ車両の乗員が、動力伝達に違和感を持つ可能性がある。
これにより、変速段の高速段から低速段への変更の過程で、ニュートラル状態を生じさせることなく、低速段への変更ができるので、モータ車両の乗員が動力伝達に違和感を持つことを好適に防止できる。
(5)アキュムレータ72は、オン/オフバルブ76(制御バルブ)を介して、Lowブレーキ35に付設された油室Rb(第1係合要素の係合圧供給室)と接続している。
アキュムレータが存在することにより、Lowブレーキ35に付設された油室Rbからの油圧の排出が遅れる結果、高速段から低速段への移行が遅れる。
上記のように、オン/オフバルブ76を設けて、高速段から低速段への移行時に、アキュムレータ72と油室Rbとの連絡を遮断することで、高速段から低速段への移行が遅れる事態の発生を好適に防止できる。
前記した実施形態にかかる油圧制御回路7では、ブレーキ側油路75bにオイルOLが供給されているときに内部にオイルOLを蓄積し、オイルOLの供給が終了すると、内部に蓄積していたオイルOLを排出するアキュムレータ72を例示した。
図7に示すように、オイルOLの蓄積と蓄積したオイルOLの排出が、オイルポンプOPの吐出圧に応じて切り替えられる構成のアキュムレータ72Bを採用した油圧制御回路7Bとしても良い。
ケース73内において弁体74は、ケース73の長手方向に沿う軸線Z方向に進退移動可能に設けられている。
弁体74は、スプリングSpから支持部743に作用する付勢力で、ケース73の一端731側に付勢されている。
アキュムレータ72Bでは、オイルポンプOPから吐出されたオイルOLの一部が、分岐路77を通って、連絡口73aからケース73の内部に供給される。
ケース73の内部に供給されたオイルOLは、弁体74の受圧部742に作用して、弁体74をケース73の他端732側に付勢する。
受圧部742に作用するオイルOLの圧力(吐出圧)が、所定圧以上である場合には、弁体74が、ケース73の最も他端732寄りの位置に配置される(図7の(b)参照)。
連絡口73bは、弁体74が図7の(b)に示す位置に配置された場合と、図7の(c)に示す位置に配置された場合の何れにおいても、ケース73の内部空間(蓄圧室730)とブレーキ側油路75bとを連絡させた状態で維持できる位置に設けられている。
これにより、動力伝達装置1を搭載したモータ車両の走行速度が低下して、オイルポンプOPの吐出量が所定量よりも少なくなった場合に、変速機構3の変速段が、高速段から低速段に切り替わる過程で、Highクラッチ31とLowブレーキの両方が解放状態になるニュートラル状態を経ることができるようになる。
よって、Highクラッチ31とLowブレーキの両方が一時的に締結状態になる事態が発生して、モータ車両の走行に影響が生じることを好適に防止できる。
(6)アキュムレータ72Bは、オイルポンプOPの吐出量が所定量より大きいときはロックされる。
アキュムレータは、オイルポンプOPの吐出量が所定量未満になるとアンロックされる。
そのため、オイルポンプOPの吐出量が所定量より大きく、油圧を十分に確保できるときには、アキュムレータ72Bをロックして、アキュムレータ72Bの放圧機能を殺しておく。
これにより、アキュムレータ72Bがアンロック状態になったとき、すなわちアキュムレータ72Bを作動させようとする際に、蓄圧室730にオイルOL油を充填する手間が省けると共に、ブレーキ側油路75bに速やかにオイルを排出できる。
前記した変速機構3では、遊星歯車組4が、ひとつのピニオンギア43を有するシングルピニオンである場合を例示した。
この変速機構3では、遊星歯車組4のリングギア42(R)が、回転の入力部、キャリア45が出力部である。そして、Highクラッチ31(CL2)が、リングギア42(R)とサンギア(S)とを相対回転不能に締結し、Lowブレーキ35(CL1)が、クラッチドラム48(DR)に連結されたサンギア41(S)を固定する。
以下に、適用可能な変速機構の態様を、図8の(b)から図11を用いて列挙する。
図8の(b)の態様では、遊星歯車組のリングギアRが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、LowブレーキCL1が、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。HighクラッチCL2が、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図9の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。HighクラッチCL2が、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図9の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。HighクラッチCL2が、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
図9の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、LowブレーキCL1が、リングギアRを固定する。HighクラッチCL2が、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図9の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、LowブレーキCL1が、リングギアRを固定する。HighクラッチCL2が、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRと、ハブHBに連結されたキャリアCとを相対回転不能に締結する。
図10の(a)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSを固定する。HighクラッチCL2が、リングギアRと、クラッチドラムDRに連結されたサンギアSとを相対回転不能に締結する。
図10の(c)の態様では、遊星歯車組のキャリアCが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、ハブHBに連結されたサンギアSを固定する。HighクラッチCL2が、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
図10の(d)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、ハブHBに連結されたキャリアCを固定する。HighクラッチCL2が、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図10の(f)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、リングギアRが出力部であり、LowブレーキCL1が、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCを固定する。HighクラッチCL2が、クラッチドラムDRに連結されたキャリアCと、リングギアRとを相対回転不能に締結する。
図11の(a)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、LowブレーキCL1が、リングギアRを固定する。HighクラッチCL2が、サンギアSと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
図11の(c)の態様では、遊星歯車組のサンギアSが回転の入力部であり、キャリアCが出力部であり、LowブレーキCL1が、リングギアRを固定する。HighクラッチCL2が、ハブHBに連結されたキャリアCと、クラッチドラムDRに連結されたリングギアRとを相対回転不能に締結する。
これら全18パターンのうち、図8に示す態様、図9の(e)に示す態様、図10の(a)に示す態様、図10の(f)に示す態様では、モータ2の出力回転を正回転方向に維持したままで、低速段と高速段との切り替えが可能である。
そして、図8に示す態様、図10の(a)の態様は、クラッチドラムDRの外径が最も大きくなるので、HighクラッチCL2を、余裕を持って締結状態にできる。
例えば、図8の(a)、(b)、(c)、図9の(c)に示す態様のように、LowブレーキCL1とリングギアRの間に、HighクラッチCL2を設けても良い。
さらに、例えば図9の(a)、(b)、(d)〜(f)に示す態様のように、サンギアSの内径側にHighクラッチCL2を設けても良い。
このように、HighクラッチCL2は、リングギアRの外径側と、サンギアSの内径側の何れに設けても良い。
図10の(a)、(b)、(c)、(f)に示すように、リングギアRの外径側にHighクラッチCL2を設けても良い。
図10の(d)、(e)、図11の(a)、(b)、(c)に示すように、サンギアSの内径側にHighクラッチCL2を設けても良い。
このように、本件発明は、ノーマリクローズ式の係合要素がバンドブレーキ49である変速機構3Aを備える動力伝達装置1Aであっても良い。
例えば、モータ2の下流に接続された変速機構3という場合は、モータ2から変速機構3へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
実施形態では駆動用モータにより駆動するオイルポンプで油圧が賄われる例を示したが駆動用モータと別の専用モータにより駆動する電動オイルポンプを利用しても良い。
Claims (4)
- 遊星歯車組と、ノーマリクローズ式係合要素と、ノーマリオープン式係合要素と、アキュムレータと、を有する変速機構を有し、
前記ノーマリクローズ式係合要素は、前記変速機構が低速段のときに係合され、
前記ノーマリオープン式係合要素は、前記変速機構が高速段のときに係合され、
前記アキュムレータは、前記ノーマリクローズ式係合要素の油室と接続している、動力伝達装置。 - 請求項1において、
前記アキュムレータは、制御バルブを介して、前記ノーマリクローズ式係合要素の油室と接続している、動力伝達装置。 - 請求項1又は請求項3において、
前記アキュムレータはオイルポンプの吐出量が所定量より大きいときはロックされ、
前記アキュムレータは前記オイルポンプの吐出量が前記所定量未満になるとアンロックされる、動力伝達装置。 - 請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか一において、
前記変速機構の上流に配置されたモータを有する、動力伝達装置。
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