JP2003287111A - 自動変速機の変速用ブレーキ装置 - Google Patents

自動変速機の変速用ブレーキ装置

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JP2003287111A
JP2003287111A JP2002091945A JP2002091945A JP2003287111A JP 2003287111 A JP2003287111 A JP 2003287111A JP 2002091945 A JP2002091945 A JP 2002091945A JP 2002091945 A JP2002091945 A JP 2002091945A JP 2003287111 A JP2003287111 A JP 2003287111A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】2つのサーボピストンを相互に嵌合させること
により、バンドブレーキを多板ブレーキに置換しても、
自動変速機の軸線方向寸法の増大を抑制する。 【解決手段】2個の多段ブレーキLR/B、2・6/B
を変速機ケース6の内周に軸線方向隣合わせに、且つ、
軸線方向同じ側(図中右側)からのスラストにより締結
されるように配置する。これらブレーキを締結状態にす
るためのサーボピストン19、21をそれぞれ、ブレー
キLR/Bの側に同軸に配置する。ブレーキ2・6/B
に係わるサーボピストン19を変速機ケース6に摺動自
在に嵌合し、このサーボピストン19の内周側にブレーキLR
/Bに係わるサーボピストン21を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
用ブレーキ装置に関し、特に、変速性能の安定性の点で
不利なバンドブレーキを、軸線方向のスペース効率の低
下なしに多板ブレーキに置換し得るようにする技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の歯車変速機構としては従
来、例えば特開2000−220703号公報や特開2
000−199548号公報に記載のごとく、入力回転
を減速して出力する減速用遊星歯車組と、これからの減
速回転を変速して出力するラビニョオ型プラネタリギヤ
セットとにより多段変速を可能にした歯車変速機構が知
られている。
【0003】この種の歯車変速機構においては特に、複
数の単純遊星歯車組を組み合わせて構成した歯車変速機
構も時としてそうであるが、変速用ブレーキを複数個具
え、これらブレーキを含む変速用摩擦要素の締結、解放
により伝動経路を切り替えて所定の変速が行われるよう
構成するのが常套である。
【0004】一方、変速用のブレーキとしては湿式のバ
ンドブレーキと多板ブレーキが多く用いられ、前者のバ
ンドブレーキはその締結時における締結容量がバラツキ
易く、変速性能の経時変化や温度による変速性能の変化
が時として問題になることがある。かといってバンドブ
レーキを多板ブレーキに置換しようとすると、この多板
ブレーキが、変速機ケースの内周に回転係合させる非回
転プレートと制動すべき回転メンバに結合させる回転プ
レートとの交互配置になるブレーキパックに対しサーボ
ピストンを軸線方向に並べて設置するため、軸線方向の
スペース効率の低下を生じて自動変速機が軸線方向に長
くなるという懸念がある。
【0005】そこで一般的には、上記両文献に記載され
ているように、できるだけ多板ブレーキを用いるように
するが、必要に応じて1つのブレーキをバンドブレーキ
で構成する手法を採用しているのが実情であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでバンドブレー
キは、ブレーキバンドの摩擦係数にバラツキがあるこ
と、そして当該摩擦係数の経時変化が比較的大きく、ま
た温度による摩擦係数の変化も比較的大きいため、バン
ドブレーキの締結容量を厳密に管理するのが難しく、従
って上記したごとく変速性能が不安定で、常時良好な変
速品質を維持することが難しい。
【0007】この意味合いにおいてバンドブレーキは多
板ブレーキに置換するのが好ましいが、この場合、上記
した軸線方向スペース効率に関する問題を生ずる。本発
明は、この観点から当該スペース効率の低下を招くこと
なくバンドブレーキを多板ブレーキに置換し得るように
し、もって自動変速機の軸線方向寸法を増大させること
なく、若しくは少なくとも当該増大を抑制しつつ、変速
品質の安定化を実現した自動変速機の変速用ブレーキ装
置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明に
よる自動変速機の変速用ブレーキ装置は、請求項1に記
載のごとく、入力回転を減速して出力する減速用遊星歯
車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力す
るラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変速
を可能にし、該変速が、少なくとも2個のブレーキを含
む変速用摩擦要素の締結、解放により制御されるように
した自動変速機において、前記2個のブレーキを共に多
板ブレーキにより構成し、これら多板ブレーキの回転プ
レートおよび非回転プレートよりなるブレーキパックを
変速機ケースの内周に軸線方向隣り合わせに、且つ、軸
線方向同じ側からのスラストにより締結されるよう配置
し、これらブレーキパックを締結状態にするためのサー
ボピストンをそれぞれ、一方のブレーキから遠い他方の
ブレーキの側に同軸に配置し、前記一方のブレーキに係
わるサーボピストンを変速機ケースに摺動自在に嵌合
し、このサーボピストンの内周側に前記他方のブレーキ
に係わるサーボピストンを配置したことを特徴とするも
のである。
【0009】
【発明の効果】かかる本発明の構成によれば、上記2個
のブレーキを共に多板ブレーキにより構成したから、バ
ンドブレーキを用いる場合における変速性能の不安定を
回避して変速品質を常時高く保つことができる。
【0010】加えて本発明によれば、両多板ブレーキの
ブレーキパックを変速機ケースの内周に軸線方向隣り合
わせに、且つ、軸線方向同じ側からのスラストにより締
結されるよう配置し、ブレーキ作動用のサーボピストン
をそれぞれ、一方のブレーキから遠い他方のブレーキの
側に同軸に配置し、上記一方のブレーキに係わるサーボ
ピストンを変速機ケースに摺動自在に嵌合し、このサー
ボピストンの内周側に上記他方のブレーキに係わるサー
ボピストンを配置したため、つまり両サーボピストンを
相互に嵌合させたことにより、上記2個のブレーキを共
に多板ブレーキにより構成しても軸線方向スペース効率
が大幅に悪くなることがなく、自動変速機の軸線方向寸
法の増大なしに、若しくはこの増大を抑制しつつ上記変
速性能の安定化を実現することができる。
【0011】なお請求項2に記載のごとく、変速用摩擦
要素にワンウエイクラッチが含まれ、このワンウエイク
ラッチのアウタレースが変速機ケースの内周に係着され
ている自動変速機の場合には、当該アウタレースを両ブ
レーキパック間に配置すると共に前記他方のブレーキに
係わるブレーキパックのスラスト反力受けとして利用す
るのが良く、この場合、当該他方のブレーキに係わるブ
レーキパックの専用のスラスト反力受けを省略すること
ができ、コスト的にまた組み立て性の点においても有利
である。
【0012】また請求項3に記載のごとく、前記両ブレ
ーキパックの非回転プレートおよび前記ワンウエイクラ
ッチのアウタレースを変速機ケースの内周における共通
なスプラインに回転係合させ、当該スプラインの溝内に
沿うよう前記一方のブレーキに係わるサーボピストンの
櫛状先端を貫通させて対応するブレーキパックに当接さ
せるのが良い。この場合、前記一方のブレーキに係わる
サーボピストンが前記した配置であってもその櫛状先端
により当該ブレーキを容易に作動させることができ、さ
らに当該櫛状先端とスプラインの側壁との衝合によりブ
レーキ作動時のトルクを受け止めることができてサーボ
ピストンによるトルク受け能力が向上する。
【0013】なお、一方のブレーキに係わるサーボピス
トンの櫛状先端を上記のごとく上記共通なスプラインの
溝内に沿うよう貫通させるに当たっては、請求項4に記
載のごとく、変速機ケースの内周に設けたスプラインの
溝底と、該スプラインに回転係合するよう前記非回転プ
レートおよびアウタレースに設けたスプラインの歯先と
の間における隙間に、上記一方のブレーキに係わるサー
ボピストンの櫛状先端を貫通させたり、或いは請求項5
に記載のごとく、変速機ケースの内周にスプライン係合
するよう前記非回転プレートおよびアウタレースに設け
るべきスプラインの歯を間引いてできた、変速機ケース
の内周におけるスプラインの溝の内部空間に、上記一方
のブレーキに係わるサーボピストンの櫛状先端を貫通さ
せることができる。前者の構成では、前記非回転プレー
トおよびアウタレースのスプライン歯の歯数が減少しな
いためスプライン係合強度を高く保つことができ、後者
の構成では、サーボピストンの櫛状先端の上記貫通を容
易に行うことができて組立作業性が向上する。
【0014】なお、自動変速機が前記文献のうち特開2
000−220703号公報に記載のごときものである
場合、つまり、入力回転を減速して出力する減速用遊星
歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
速が可能で、該変速を可能にするために、減速用遊星歯
車組からの減速回転を第1クラッチによりラビニョオ型
プラネタリギヤセットの第1回転メンバに伝達し得るよ
うにし、減速用遊星歯車組からの減速回転を第2クラッ
チによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの第2回転
メンバに伝達し得るようにすると共にこの第2回転メン
バを第1ブレーキにより固定可能とし、減速用遊星歯車
組への入力回転を第3クラッチによりラビニョオ型プラ
ネタリギヤセットの第3回転メンバに伝達可能にすると
共にこの第3回転メンバをワンウエイクラッチにより前
記入力回転と逆方向に、また第2ブレーキにより両方向
に固定可能とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセットの
第4回転メンバを変速機出力回転メンバとした自動変速
機である場合は、請求項6に記載のごとく、変速機ケー
スの内周に形成した共通なスプラインに前記ワンウエイ
クラッチのアウタレースと、該ワンウエイクラッチの軸
線方向両側に配置した前記第1ブレーキおよび第2ブレ
ーキのブレーキパックを成す非回転プレートとを回転係
合させ、これらブレーキパックを締結状態にするための
サーボピストンをそれぞれ、第1ブレーキから遠い第2
ブレーキの側に同軸に配置し、第1ブレーキに係わるサ
ーボピストンを変速機ケースに摺動自在に嵌合し、この
サーボピストンの内周側に第2ブレーキに係わるサーボ
ピストンを配置し、変速機ケースの内周における前記共
通なスプラインの溝内に沿うよう前記第1ブレーキに係
わるサーボピストンの櫛状先端を貫通させて該第1ブレ
ーキに係わるブレーキパックに当接させるよう構成する
ことで前記したと同様の作用効果を得ることができる。
【0015】なお、自動変速機が前記文献のうち特開2
000−199548号公報に記載のごときものである
場合、つまり、入力回転を減速して出力する減速用遊星
歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
速が可能で、該変速を可能にするために、減速用遊星歯
車組からの減速回転を第1クラッチによりラビニョオ型
プラネタリギヤセットの第1回転メンバに伝達し得るよ
うにし、減速用遊星歯車組からの減速回転を第2クラッ
チによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの第2回転
メンバに伝達し得るようにすると共にこの第2回転メン
バを第1ワンウエイクラッチおよび第1ブレーキにより
前記入力回転と逆方向に、また第2ブレーキにより両方
向に固定可能とし、減速用遊星歯車組への入力回転を第
3クラッチによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの
第3回転メンバに伝達可能にすると共にこの第3回転メ
ンバを第2ワンウエイクラッチにより前記入力回転と逆
方向に、また第3ブレーキにより両方向に固定可能と
し、ラビニョオ型プラネタリギヤセットの第4回転メン
バを変速機出力回転メンバとした自動変速機である場合
は、請求項7に記載のごとく、変速機ケースの内周に形
成した共通なスプラインに、軸線方向隣り合わせに配置
した前記第1ブレーキおよび第2ブレーキのブレーキパ
ックを成す非回転プレートとを回転係合させ、これらブ
レーキパックを締結状態にするためのサーボピストンを
それぞれ、第2ブレーキから遠い第1ブレーキの側に同
軸に配置し、第2ブレーキに係わるサーボピストンを変
速機ケースに摺動自在に嵌合し、このサーボピストンの
内周側に第1ブレーキに係わるサーボピストンを配置
し、変速機ケースの内周における前記共通なスプライン
の溝内に沿うよう前記第2ブレーキに係わるサーボピス
トンの櫛状先端を貫通させて該第2ブレーキに係わるブ
レーキパックに当接させるよう構成することで前記した
と同様の作用効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる変速用ブレーキ装置を具えた自動変速機の歯車
変速機構を示し、図2は、その選択変速段と変速用摩擦
要素の締結論理との関係を示す図面である。本実施の形
態になる歯車変速機構は図1に示すように、入力軸1お
よびこれを取り巻くよう同軸に配置した中空の出力軸2
を具え、入力軸1には図の右端から図示せざるエンジン
の回転を入力する。そして、入出力軸1,2に同軸に配
置してエンジンに近い側から順次ラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3および減速用遊星歯車組4を設ける。
【0017】減速用遊星歯車組4はサンギヤS1、リン
グギヤR1、およびこれらギヤに噛合したピニオンP1
を回転自在に支持するキャリアC1とよりなる単純遊星
歯車組とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセット3は、
相互に噛合したロングピニオンP2およびショートピニ
オンP3と、ロングピニオンP2に噛合したサンギヤS
2およびショートピニオンP3に噛合したサンギヤS3
と、ロングピニオンP2に噛合したリングギヤR3と、
ロングピニオンP2を回転自在に支持したキャリアC2
と、ロングピニオンP2およびショートピニオンP3を
回転自在に支持したキャリアC3とで構成する。ここ
で、キャリアC2およびキャリアC3は一体物とする。
【0018】入力軸1から減速用遊星歯車組4およびラ
ビニョオ型プラネタリギヤセット3を経由して出力軸2
に至る伝動経路(選択変速段)を決定する変速用摩擦要
素を以下に説明するに、入力軸1はリングギヤR1に結
合し、出力軸2は一端をリングギヤR3に結合すると共
に他端を出力歯車5に結合する。そして、サンギヤS1
は変速機ケース6に常時固定し、キャリアC1をローク
ラッチL/CによりサンギヤS3に結合可能にすると共
に3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cによりサ
ンギヤS2に結合可能にするほか、サンギヤS2を2
速、6速ブレーキ2・6/Bにより変速機ケース6に固
定可能とする。キャリアC2,C3はローワンウエイク
ラッチL/OWCによりエンジンと逆向きの回転を阻止
すると共にローリバースブレーキLR/Bにより適宜に
固定可能とし、更にハイクラッチH/Cにより適宜入力
軸1に結合可能にする。
【0019】上記の構成になる歯車変速機構において
は、減速用遊星歯車組4が、エンジンからの入力回転を
減速してキャリアC1に出力し、ラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3が減速用遊星歯車組4(キャリアC1)
からの減速回転を変速してリングギヤR3へ出力するこ
とにより多段変速が可能である。この変速を可能にする
ために先ず、減速用遊星歯車組4からの減速回転をロー
クラッチL/OWC(第1クラッチ)によりラビニョオ型プ
ラネタリギヤセット3のサンギヤS3(第1回転メンバ)
に伝達し得るようにし、減速用遊星歯車組4からの減速
回転を更に、3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/C
(第2クラッチ)によりラビニョオ型プラネタリギヤセ
ット3のサンギヤS2(第2回転メンバ)に伝達し得るよ
うにすると共にこのサンギヤS2(第2回転メンバ)を2
速、6速ブレーキ2・6/B(第1ブレーキ)により固
定可能とする。そして、減速用遊星歯車組4への入力回
転をハイクラッチH/C(第3クラッチ)によりラビニョ
オ型プラネタリギヤセット3のキャリアC2,C3(第3回
転メンバ)に伝達可能にすると共にこのキャリアC2,C3
(第3回転メンバ)をローワンウエイクラッチL/OWC
(ワンウエイクラッチ)により入力回転と逆方向に、ま
たローリバースブレーキLR/B(第2ブレーキ)により
両方向に固定可能とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセ
ット3のリングギヤR3(第4回転メンバ)を変速機出力
回転メンバとして出力軸2に結合する。
【0020】上記変速用摩擦要素、つまりロークラッチ
L/Cと、3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/C
と、2速、6速ブレーキ2・6/Bと、ローワンウエイ
クラッチL/OWCと、ローリバースブレーキLR/B
と、ハイクラッチH/Cは、図2に示す締結(○で示
す)の組み合わせにより前進第1速〜第6速および後退
の変速段を、以下に概略説明するごとくに選択すること
ができる。
【0021】第1速の選択に際しては、図2に示すごと
くロークラッチL/Cの締結により以下の伝動経路に沿
い動力伝達を行わせる。すなわち入力軸1の回転はリン
グギヤR1に伝達され、リングギヤR1は固定のサンギ
ヤS1を反力受けとしてキャリアC1を入力回転と同じ
方向へ減速下に回転させ、この減速回転をロークラッチ
L/CによりサンギヤS3に伝達する。
【0022】サンギヤS3は、キャリアC2がローワン
ウエイクラッチL/OWCの係合によりエンジン回転と
逆方向の回転を阻止されていて反力受けの用をなすた
め、ショートピニオンP3およびロングピニオンP2を
介してリングギヤR3を出力軸2および出力歯車5と共
にエンジン回転と同じ方向へ減速下に回転させ、前進第
1速選択状態を実現することができる。
【0023】この第1速選択状態では、エンジンブレー
キを作用させるべき走行時にキャリアC2がエンジン回
転と同じ方向に回転されて反力受けの用をなさなくなる
ためエンジンブレーキを作用させることができない。そ
こで第1速選択状態においてエンジンブレーキが必要な
時は、図2に(○)で示すようにローリバースブレーキ
LR/Bを締結させてキャリアC2がエンジン回転と同
じ方向にも回転しないようにし、これにより第1速での
エンジンブレーキが得られるようにする。
【0024】第2速の選択に際しては、図2に示すごと
くロークラッチL/Cおよび2速、6速ブレーキ2・6
/Bの締結により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わ
せる。すなわち、軸1への入力回転は第1速選択時と同
様にして遊星歯車組4により減速され、ロークラッチL
/Cを経てサンギヤS3に達する。
【0025】サンギヤS3は、サンギヤS2が2速、6
速ブレーキ2・6/Bの締結により回転を阻止されてい
て反力受けの用をなすため、ショートピニオンP3およ
びロングピニオンP2を介してリングギヤR3を出力軸
2および出力歯車5と共にエンジン回転と同じ方向へ減
速下に、しかし第1速選択時よりも高速で回転させ、前
進第2速選択状態を実現することができる。
【0026】第3速の選択に際しては、図2に示すごと
くロークラッチL/Cおよび3速、5速、後退用クラッ
チ3・5・R/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動
力伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転は第1速
選択時と同様にして遊星歯車組4により減速され、この
減速回転はロークラッチL/Cを経てサンギヤS3に、
また3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを経て
サンギヤS2にも達する。
【0027】従ってサンギヤS2およびサンギヤS3は
一体回転されることとなり、ラビニョオ型プラネタリギ
ヤセット3はリングギヤR3を出力軸2および出力歯車
5と共にサンギヤS2およびサンギヤS3と同じ速度
で、しかし第2速選択時よりも高速で回転させ、前進第
3速選択状態を実現することができる。
【0028】第4速の選択に際しては、図2に示すごと
くロークラッチL/CおよびハイクラッチH/Cの締結
により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせる。すな
わち、軸1の入力回転は第1速選択時と同様にして遊星
歯車組4により減速され、これからの減速回転はローク
ラッチL/Cを経てサンギヤS3に達する。
【0029】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC3がエンジン回転と同速で回転されるため、サ
ンギヤS3への減速回転とによりラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2および出力
歯車5と共にエンジン回転と同じ方向へ、しかし第3速
選択時よりも高速で回転させ、前進第4速選択状態を実
現することができる。
【0030】第5速の選択に際しては、図2に示すごと
く3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびハ
イクラッチH/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動
力伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転は第1速
選択時と同様にして遊星歯車組4により減速され、これ
からの減速回転は3速、5速、後退用クラッチ3・5・
R/Cを経てサンギヤS2に達する。
【0031】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC3がエンジン回転と同速で回転されるため、サ
ンギヤS2への減速回転とによりラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2および出力
歯車5と共にエンジン回転と同じ方向へ、しかし第4速
選択時よりも高速で回転させ、前進第5速選択状態を実
現することができる。
【0032】第6速の選択に際しては、図2に示すごと
くハイクラッチH/Cおよび2速、6速ブレーキ2・6
/Bの締結により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わ
せる。すなわち、ハイクラッチH/Cの締結によりキャ
リアC3がエンジン回転と同速で回転され、2速、6速
ブレーキ2・6/Bの締結によりサンギヤS2が回転を
阻止され反力要素として機能するため、ラビニョオ型プ
ラネタリギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2およ
び出力歯車5と共にエンジン回転と同じ方向へ、しかし
第5速選択時よりも更に高速で回転させ、前進第6速選
択状態を実現することができる。
【0033】後退の選択に際しては、図2に示すごとく
3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびロー
リバースブレーキLR/Bの締結により以下の伝動経路
に沿い動力伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転
は遊星歯車組4により減速され、これからの減速回転は
3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを経てサン
ギヤS2に達する。
【0034】一方でローリバースブレーキLR/Bの締
結によりキャリアC2が回転を阻止され、反力要素とし
て機能するため、サンギヤS2への減速回転がロングピ
ニオンP2により反転されてリングギヤR3に達し、こ
の逆回転を出力軸2および出力歯車5から取り出すこと
ができ、後退選択状態を実現することができる。
【0035】図1に示す歯車変速機構の実体構成は、そ
の要部のみにつき図3に示すごとく前記した特開200
0−220703号公報に記載の構成と基本的に同じも
のとするが、本実施の形態においては特に、ローリバー
スブレーキLR/Bだけでなく2速、6速ブレーキ2・6
/Bをも多板ブレーキにより構成する。
【0036】詳しくは、先ずローワンウエイクラッチL
/OWCのアウタレース11を変速機ケース6の内周にス
プライン嵌合してこれに回転係合させる。これがため変
速機ケース6の内周に図6のごとくスプライン溝6aを
形成し、これに回転係合するスプライン歯11aをアウ
タレース11の外周に設ける。アウタレース11は更
に、その両側において変速機ケース6の内周に係着した
スナップリング12,13により軸線方向に位置決めす
る。
【0037】ローリバースブレーキLR/Bは、キャリアC
2と共に回転するブレーキハブ14に回転係合させた回
転プレートおよび変速機ケース6の内周にスプライン嵌
合させた非回転プレートの軸線方向交互配置になるブレ
ーキパック15を具え、このブレーキパック15を図3
においてアウタレース11の右隣に配置すると共にアウ
タレース11により図の左方向変位を制限する。2速、
6速ブレーキ2・6/Bも、サンギヤS2と共に回転する
ブレーキハブ16に回転係合させた回転プレートおよび
変速機ケース6の内周にスプライン嵌合させた非回転プ
レートの軸線方向交互配置になるブレーキパック17を
具え、このブレーキパック17を図3においてアウタレ
ース11の左隣に配置すると共に変速機ケース6の内周
に係着したスナップリング18により図の左方向変位を
制限する。
【0038】ところで、ブレーキパック15,17の非
回転プレートを変速機ケース6の内周にスプライン嵌合
するに際しては、アウタレース11用に変速機ケース6
の内周に形成するスプライン溝6a(図6参照)を、図
3に示すようにアウタレース11の両側へ軸線方向に延
長して、共通なスプライン溝6aに対してブレーキパッ
ク15,17の非回転プレート(詳しくは外周における
スプライン歯)を係合させることにより当該スプライン
嵌合を行う。
【0039】ブレーキパック17を図3の左方へ押して
2速、6速ブレーキ2・6/Bを締結させるためのサー
ボピストン19は、図4に明示するように全体としてカ
ップ状に成形し、その小径基端部19aを変速機ケース
6に摺動自在に嵌合してシリンダ室20を画成する。サ
ーボピストン19の先端19bは図4に示すように櫛状
とし、この櫛状先端19bを図3および図6に示すごと
くスプライン溝6aの底面と、アウタレース11のスプ
ライン歯11aおよびブレーキパック15,17の非回
転プレートにおける同様なスプライン歯との間の隙間に
貫通させ、これによりサーボピストン19の櫛状先端1
9bをブレーキパック17に当接させる。
【0040】ブレーキパック15を図3の左方へ押して
ローリバースブレーキLR/Bを締結させるためのサーボ
ピストン21は、図3に示すようにサーボピストン19
の基端部内に摺動自在に嵌合してシリンダ室22を画成
する。本実施の形態になる2速、6速ブレーキ2・6/
BおよびローリバースブレーキLR/Bの構成において
は、それぞれのシリンダ室20,22に作動油圧を供給
することでこれらブレーキを個々に締結させることがで
きる。
【0041】ところで本実施の形態においては、ローリ
バースブレーキLR/Bだけでなく2速、6速ブレーキ2
・6/Bをも多板ブレーキにより構成したから、バンド
ブレーキを用いる場合における変速性能の不安定を回避
して変速品質を常時高く保つことができる。そして、こ
れら多板ブレーキの回転プレートおよび非回転プレート
よりなるブレーキパック15,17を変速機ケース6の
内周に軸線方向隣り合わせに配置すると共に軸線方向同
じ側(図3の右側)からのスラストにより締結されるよ
う配置し、これらブレーキパック15,17を締結状態
にするためのサーボピストン21,19をそれぞれ、2
速、6速ブレーキ2・6/Bから遠いローリバースブレ
ーキLR/Bの側に同軸に配置し、2速、6速ブレーキ2
・6/Bに係わるサーボピストン19を変速機ケース6
に摺動自在に嵌合し、このサーボピストン19に摺動自
在に嵌合してローリバースブレーキLR/Bに係わるサー
ボピストン21を配置したため、つまり両サーボピスト
ン19,21を相互に嵌合させたため、ローリバースブ
レーキLR/Bおよび2速、6速ブレーキ2・6/Bを共
に多板ブレーキにより構成しても軸線方向スペース効率
が大幅に悪くなることがなく、自動変速機の軸線方向寸
法の増大なしに、若しくはこの増大を抑制しつつ、上記
変速性能の安定化による変速品質の向上を実現すること
ができる。
【0042】更に本実施の形態においては、ローワンウ
エイクラッチL/OWCのアウタレース11をローリバース
ブレーキLR/Bのブレーキパック15および2速、6速
ブレーキ2・6/Bのブレーキパック17間に配置して
変速機ケース6の内周にスプライン係合させ、アウタレ
ース11をローリバースブレーキLR/Bに係わるブレー
キパック15のスラスト反力受けとして利用する構成に
したから、ローリバースブレーキLR/Bに係わるブレー
キパック15の専用のスラスト反力受けを省略すること
ができ、コスト的にまた組み立て性の点においても有利
である。
【0043】また、両ブレーキパック15,17の非回
転プレートおよびローワンウエイクラッチL/OWCのアウ
タレース11を変速機ケース6の内周における共通なス
プライン溝6aに回転係合させ、このスプライン溝6a
内に沿うよう2速、6速ブレーキ2・6/Bに係わるサ
ーボピストン19の櫛状先端19bを貫通させて対応す
るブレーキパック17に当接させるから、2速、6速ブ
レーキ2・6/Bに係わるサーボピストン19が前記の
配置であってもその櫛状先端19bにより2速、6速ブ
レーキ2・6/Bを容易に作動させることができ、さら
に加えて、櫛状先端19bとスプライン溝6aの側壁と
の衝合によりブレーキ作動時のトルクを受け止めること
ができてサーボピストン19によるトルク受け能力が向
上する。
【0044】なお、サーボピストン19の櫛状先端19
bを上記のごとく共通なスプライン溝6a内に沿うよう
貫通させるに当たり本実施の形態においては、スプライ
ン溝6aの底面と、これに回転係合するようブレーキパ
ック15,17の非回転プレートおよびアウタレース1
1に設けたスプラインの歯先との間における隙間に櫛状
先端19bを貫通させたから、ブレーキパック15,1
7の非回転プレートおよびアウタレースのスプライン歯
の歯数が減少しないこととなりスプライン係合強度を高
く保つことができる。
【0045】なおサーボピストン19の櫛状先端19b
を共通なスプライン溝6a内に沿うよう貫通させるに当
たっては、上記の代わりに以下の構成を採用することが
できる。つまり図7に示すように、変速機ケース6の内
周にスプライン係合するようブレーキパック15,17
の非回転プレートおよびアウタレース11に設けるべき
スプラインの歯を間引いてできた、変速機ケース6の内
周におけるスプライン溝6aの内部空間に、サーボピス
トン19の櫛状先端19bを貫通させることができる。
この場合、サーボピストン19の櫛状先端19bの上記
貫通を容易に行うことができて組立作業性が向上する。
【0046】図8は、本発明の他の実施の形態になる変
速用ブレーキ装置を具えた自動変速機の歯車変速機構を
示し、図9は、その選択変速段と変速用摩擦要素の締結
論理との関係を示す図面である。本実施の形態になる歯
車変速機構は図8に示すように、入力軸31およびこれ
に同軸に配置した出力軸32を具え、入力軸31には図
の左端から図示せざるエンジンの回転を入力する。そし
て、入出力軸31,32に同軸に配置してエンジンと反
対の後端側から順次ラビニョオ型プラネタリギヤセット
33および減速用遊星歯車組34を設ける。
【0047】減速用遊星歯車組34はサンギヤS1、リ
ングギヤR1、およびこれらギヤに噛合したピニオンP
1を回転自在に支持するキャリアC1とよりなる単純遊
星歯車組とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセット33
は、相互に噛合したロングピニオンP2およびショート
ピニオンP3と、ロングピニオンP2に噛合したサンギ
ヤS2およびショートピニオンP3に噛合したサンギヤ
S3と、ロングピニオンP2に噛合したリングギヤR3
と、ロングピニオンP2を回転自在に支持したキャリア
C2と、ロングピニオンP2およびショートピニオンP
3を回転自在に支持したキャリアC3とで構成する。こ
こで、キャリアC2およびキャリアC3は一体物とす
る。
【0048】入力軸31から減速用遊星歯車組34およ
びラビニョオ型プラネタリギヤセット33を経由して出
力軸32に至る伝動経路(選択変速段)を決定する変速
用摩擦要素を以下に説明するに、入力軸31はリングギ
ヤR1に結合し、出力軸32はリングギヤR3に結合す
る。そして、サンギヤS1は変速機ケース36に常時固
定し、キャリアC1をロークラッチL/Cによりサンギ
ヤS3に結合可能にすると共に3速、5速、後退用クラ
ッチ3・5・R/CによりサンギヤS2に結合可能にす
る。
【0049】サンギヤS2は2速、6速ブレーキ2・6
/Bにより変速機ケース36に固定可能とするほか、2
速ワンウエイクラッチ2/OWCおよび2速ブレーキ2Bによ
りエンジンと逆向きの回転を阻止され得るようにする。
キャリアC2,C3は1速ワンウエイクラッチ1/OWCに
よりエンジンと逆向きの回転を阻止すると共にローリバ
ースブレーキLR/Bにより適宜に固定可能とし、更に
ハイクラッチH/Cにより適宜入力軸31に結合可能に
する。
【0050】上記の構成になる歯車変速機構において
は、減速用遊星歯車組34が、エンジンからの入力回転
を減速してキャリアC1に出力し、ラビニョオ型プラネ
タリギヤセット33が減速用遊星歯車組34(キャリア
C1)からの減速回転を変速してリングギヤR3へ出力
することにより多段変速が可能である。この変速を可能
にするために先ず、減速用遊星歯車組34からの減速回
転をロークラッチL/OWC(第1クラッチ)によりラビニ
ョオ型プラネタリギヤセット33のサンギヤS3(第1回
転メンバ)に伝達し得るようにし、減速用遊星歯車組3
4からの減速回転を更に、3速、5速、後退用クラッチ
3・5・R/C(第2クラッチ)によりラビニョオ型プラネ
タリギヤセット33のサンギヤS2(第2回転メンバ)に
伝達し得るようにすると共にこのサンギヤS2(第2回転
メンバ)を1速ワンウエイクラッチ1/OWC(第1ワンウ
エイクラッチ)および2速ブレーキ2/B(第1ブレー
キ)により入力回転と逆方向に、また2速、6速ブレー
キ2・6/B(第2ブレーキ)により両方向に固定可能
とし、更に、減速用遊星歯車組34への入力回転をハイ
クラッチH/C(第3クラッチ)によりラビニョオ型プラ
ネタリギヤセット33のキャリアC2,C3(第3回転メン
バ)に伝達可能にすると共に、このキャリアC2,C3(第
3回転メンバ)を1速ワンウエイクラッチ1/OWC(第2
ワンウエイクラッチ)により入力回転と逆方向に、また
ローリバースブレーキLR/B(第3ブレーキ)により両
方向に固定可能とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセッ
ト33のリングギヤR3(第4回転メンバ)を変速機出力
回転メンバとして出力軸32に結合する。
【0051】上記変速用摩擦要素、つまりロークラッチ
L/Cと、3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/C
と、2速、6速ブレーキ2・6/Bと、ローリバースブ
レーキLR/Bと、ハイクラッチH/Cと、2速ブレー
キ2/Bと、1速ワンウエイクラッチ1/OWCと、2速ワン
ウエイクラッチ2/OWCとは、図9に示す締結(○で示
す)の組み合わせにより前進第1速〜第6速および後退
の変速段を、以下に概略説明するごとくに選択すること
ができる。
【0052】第1速の選択に際しては、図9に示すごと
くロークラッチL/Cの締結により以下の伝動経路に沿
い動力伝達を行わせる。すなわち入力軸31の回転はリ
ングギヤR1に伝達され、リングギヤR1は固定のサン
ギヤS1を反力受けとしてキャリアC1を入力回転と同
じ方向へ減速下に回転させ、この減速回転をロークラッ
チL/CによりサンギヤS3に伝達する。
【0053】サンギヤS3は、キャリアC2が1速ワン
ウエイクラッチ1/OWCの係合によりエンジン回転と逆
方向の回転を阻止されていて反力受けの用をなすため、
ショートピニオン(図面では見えていない)およびロン
グピニオンP2を介してリングギヤR3を出力軸32と
共にエンジン回転と同じ方向へ減速下に回転させ、前進
第1速選択状態を実現することができる。
【0054】この第1速選択状態では、エンジンブレー
キを作用させるべき走行時にキャリアC2がエンジン回
転と同じ方向に回転されて反力受けの用をなさなくなる
ためエンジンブレーキを作用させることができない。そ
こで第1速選択状態においてエンジンブレーキが必要な
時は、図9に(○)で示すようにローリバースブレーキ
LR/Bを締結させてキャリアC2がエンジン回転と同
じ方向にも回転しないようにし、これにより第1速での
エンジンブレーキが得られるようにする。
【0055】第2速の選択に際しては、図9に示すごと
くロークラッチL/Cおよび2速ブレーキ2/Bの締結
により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせる。すな
わち、軸31への入力回転は第1速選択時と同様にして
遊星歯車組34により減速され、ロークラッチL/Cを
経てサンギヤS3に達する。
【0056】サンギヤS3は、サンギヤS2が2速ブレ
ーキ2/Bの締結および2速ワンウエイクラッチ2/OWC
の係合により入力回転と逆方向の回転を阻止されていて
反力受けの用をなすため、ショートピニオンP3および
ロングピニオンP2を介してリングギヤR3を出力軸3
2と共にエンジン回転と同じ方向へ減速下に、しかし第
1速選択時よりも高速で回転させ、前進第2速選択状態
を実現することができる。
【0057】この第2速選択状態では、エンジンブレー
キを作用させるべき走行時に2速ワンウエイクラッチ2/
OWCのフリーランニングによりサンギヤS2がエンジン回
転と同じ方向に回転されて反力受けの用をなさなくなる
ためエンジンブレーキを作用させることができない。そ
こで第2速選択状態においてエンジンブレーキが必要な
時は、図9に(○)で示すように2速、6速ブレーキ2
・6/Bを締結させてサンギヤS2がエンジン回転と同じ
方向にも回転しないようにし、これにより第2速でのエ
ンジンブレーキが得られるようにする。
【0058】第3速の選択に際しては、図9に示すごと
くロークラッチL/Cおよび3速、5速、後退用クラッ
チ3・5・R/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動
力伝達を行わせる。すなわち、軸31の入力回転は第1
速選択時と同様にして遊星歯車組34により減速され、
この減速回転はロークラッチL/Cを経てサンギヤS3
に、また3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを
経てサンギヤS2にも達する。
【0059】従ってサンギヤS2およびサンギヤS3は
一体回転されることとなり、ラビニョオ型プラネタリギ
ヤセット33はリングギヤR3を出力軸32と共にサン
ギヤS2およびサンギヤS3と同じ速度で、しかし第2
速選択時よりも高速で回転させ、前進第3速選択状態を
実現することができる。
【0060】第4速の選択に際しては、図9に示すごと
くロークラッチL/CおよびハイクラッチH/Cの締結
により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせる。すな
わち、軸31の入力回転は第1速選択時と同様にして遊
星歯車組34により減速され、これからの減速回転はロ
ークラッチL/Cを経てサンギヤS3に達する。
【0061】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC2,C3がエンジン回転と同速で回転されるため、
サンギヤS3への減速回転とによりラビニョオ型プラネ
タリギヤセット33はリングギヤR3を出力軸32と共
にエンジン回転と同じ方向へ、しかし第3速選択時より
も高速で回転させ、前進第4速選択状態を実現すること
ができる。
【0062】第5速の選択に際しては、図9に示すごと
く3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびハ
イクラッチH/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動
力伝達を行わせる。すなわち、軸31の入力回転は第1
速選択時と同様にして遊星歯車組34により減速され、
これからの減速回転は3速、5速、後退用クラッチ3・
5・R/Cを経てサンギヤS2に達する。
【0063】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC2,C3がエンジン回転と同速で回転されるため、
サンギヤS2への減速回転とによりラビニョオ型プラネ
タリギヤセット33はリングギヤR3を出力軸32と共
にエンジン回転と同じ方向へ、しかし第4速選択時より
も高速で回転させ、前進第5速選択状態を実現すること
ができる。
【0064】第6速の選択に際しては、図9に示すごと
くハイクラッチH/Cおよび2速、6速ブレーキ2・6
/Bの締結により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わ
せる。すなわち、ハイクラッチH/Cの締結によりキャ
リアC2,C3がエンジン回転と同速で回転され、2速、6
速ブレーキ2・6/Bの締結によりサンギヤS2が回転
を阻止され反力要素として機能するため、ラビニョオ型
プラネタリギヤセット33はリングギヤR3を出力軸3
2と共にエンジン回転と同じ方向へ、しかし第5速選択
時よりも更に高速で回転させ、前進第6速選択状態を実
現することができる。
【0065】後退の選択に際しては、図9に示すごとく
3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびロー
リバースブレーキLR/Bの締結により以下の伝動経路
に沿い動力伝達を行わせる。すなわち、軸31の入力回
転は遊星歯車組34により減速され、これからの減速回
転は3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを経て
サンギヤS2に達する。
【0066】一方でローリバースブレーキLR/Bの締
結によりキャリアC2,C3が回転を阻止され、反力要素と
して機能するため、サンギヤS2への減速回転がロング
ピニオンP2により反転されてリングギヤR3に達し、
この逆回転を出力軸32から取り出すことができ、後退
選択状態を実現することができる。
【0067】図8に示す歯車変速機構の実体構成は、そ
の要部のみにつき図10に示すごとく前記した特開20
00−199548号公報に記載の構成と基本的に同じ
ものとするが、本実施の形態においては特に、2速ブレ
ーキ2/Bだけでなく2速、6速ブレーキ2・6/Bを
も多板ブレーキにより構成する。
【0068】2速ブレーキ2/Bは上記公報にも記載さ
れている通り、サンギヤS2と共に回転するドラム41の
前端に2速ワンウエイクラッチ2/OWCを介して結合され
たブレーキハブ42に回転係合させた回転プレートおよ
び変速機ケース36の内周にスプライン嵌合させた非回
転プレートの軸線方向交互配置になるブレーキパック4
3を具えるが、当該非回転プレートをスプライン嵌合さ
せるため変速機ケース36の内周に形成するスプライン
溝36a(図6および図7の6aと同様なもの)を2
速、6速ブレーキ2・6/Bの方向(後方)に延長させ
る。
【0069】2速、6速ブレーキ2・6/Bは、当該延
長させたスプライン溝36aに回転係合する非回転プレ
ートと、上記回転ドラム41の外周にスプライン嵌合さ
せた回転プレートとの軸線方向交互配置になるブレーキ
パック44を具え、このブレーキパック44を図10に
おいてブレーキパック43の右隣に配置すると共に変速
機ケース36の内周に係着したスナップリング45によ
り図の右方向変位を制限する。
【0070】2速、6速ブレーキ2・6/Bのブレーキ
パック44を図10の右方へ押して2速、6速ブレーキ
2・6/Bを締結させるためのサーボピストン46は、
図4につき前述したサーボピストン19と同様に全体と
してカップ状に成形し、その小径基端部46aを変速機
ケース36に摺動自在に嵌合してシリンダ室47を画成
する。サーボピストン46の先端46bは図4につき前
述したサーボピストン19と同様に櫛状とし、この櫛状
先端46bを図6または図7につき前述したごとくにし
てスプライン溝36a内に貫通させ、これによりサーボ
ピストン46の櫛状先端46bをブレーキパック44に
当接させる。
【0071】2速ブレーキ2/Bのブレーキパック43
を図10の右方へ押して2速ブレーキ2/Bを締結させ
るためのサーボピストン48はサーボピストン46の基
端部内に摺動自在に嵌合してシリンダ室49を画成す
る。本実施の形態になる2速、6速ブレーキ2・6/B
および2速ブレーキ2/Bの構成においては、それぞれ
のシリンダ室47,49に作動油圧を供給することでこ
れらブレーキを個々に締結させることができる。
【0072】ところで本実施の形態においては、2速ブ
レーキ2/Bだけでなく2速、6速ブレーキ2・6/B
をも多板ブレーキにより構成したから、バンドブレーキ
を用いる場合における変速性能の不安定を回避して変速
品質を常時高く保つことができる。そして、これら多板
ブレーキの回転プレートおよび非回転プレートよりなる
ブレーキパック43,44を変速機ケース36の内周に
軸線方向隣り合わせに配置すると共に軸線方向同じ側
(図10の左側)からのスラストにより締結されるよう
配置し、これらブレーキパック43,44を締結状態に
するためのサーボピストン46,48をそれぞれ、2
速、6速ブレーキ2・6/Bから遠い2速ブレーキ2/
Bの側に同軸に配置し、2速、6速ブレーキ2・6/B
に係わるサーボピストン46を変速機ケース36に摺動
自在に嵌合し、このサーボピストン46に摺動自在に嵌
合して2速ブレーキ2/Bに係わるサーボピストン48
を配置したため、つまり両サーボピストン46,48を
相互に嵌合させたため、2速ブレーキ2/Bおよび2
速、6速ブレーキ2・6/Bの双方を多板ブレーキによ
り構成しても軸線方向スペース効率が大幅に悪くなるこ
とがなく、自動変速機の軸線方向寸法の増大なしに、若
しくはこの増大を抑制しつつ、上記変速性能の安定化に
よる変速品質の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速用ブレーキ
装置を具えた自動変速機の変速歯車機構を模式的に示す
略線図である。
【図2】 同歯車変速機構における変速用摩擦要素の締
結と選択変速段との関係を示す締結論理説明図である。
【図3】 同実施の形態になる変速用ブレーキ装置に係
わる要旨部分を拡大して示す、同歯車変速機構の実体構
成図である。
【図4】 同変速用ブレーキ装置のサーボピストンを示
す斜視図である。
【図5】 同サーボピストンの基端部を詳細に示す断面
図である。
【図6】 同サーボピストンの櫛状先端を変速機ケース
内周のスプライン溝に貫通させる要領の一手法を示す断
面図である。
【図7】 同サーボピストンの櫛状先端を変速機ケース
内周のスプライン溝に貫通させる要領の他の方法を示す
断面図である。
【図8】 本発明の他の実施の形態になる変速用ブレー
キ装置を具えた自動変速機の変速歯車機構を模式的に示
す略線図である。
【図9】 同歯車変速機構における変速用摩擦要素の締
結と選択変速段との関係を示す締結論理説明図である。
【図10】 同実施の形態になる変速用ブレーキ装置に
係わる要旨部分を拡大して示す、同歯車変速機構の実体
構成図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 ラビニョオ型プラネタリギヤセット 4 減速用遊星歯車組 S1 サンギヤ R1 リングギヤ P1 ピニオン C1 キャリア P2 ロングピニオン P3 ショートピニオン S2 サンギヤ S3 サンギヤ R3 リングギヤ C2 キャリア C3 キャリア 5 出力歯車 6 変速機ケース 6a スプライン溝 11 アウタレース 11a スプライン歯 14 ブレーキハブ 15 ブレーキパック 16 ブレーキハブ 17 ブレーキパック 19 サーボピストン 19a サーボピストン基端部 19b サーボピストン櫛状先端 L/C ロークラッチ 3・5・R/C 3速、5速、後退用クラッチ 2・6/B 2速、6速ブレーキ L/OWC ローワンウエイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ H/C ハイクラッチ 31 入力軸 32 出力軸 33 ラビニョオ型プラネタリギヤセット 34 減速用遊星歯車組 36 変速機ケース 36a スプライン溝 1/OWC 1速ワンウエイクラッチ 2/OWC 2速ワンウエイクラッチ 2/B 2速ブレーキ 41 回転ドラム 42 ブレーキハブ 43 ブレーキパック 44 ブレーキパック 46 サーボピストン 46a サーボピストン基端部 46 サーボピストン櫛状先端 48 サーボピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J028 EA21 EA25 EB08 EB13 EB31 EB33 EB35 EB37 EB62 EB66 FB02 FC18 FC24 FC64 GA02 HA14 3J063 AA02 AB12 AC04 BB23 CA01 CD14 CD17 CD24 CD34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力回転を減速して出力する減速用遊星
    歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
    するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
    速を可能にし、該変速が、少なくとも2個のブレーキを
    含む変速用摩擦要素の締結、解放により制御されるよう
    にした自動変速機において、 前記2個のブレーキを共に多板ブレーキにより構成し、
    これら多板ブレーキの回転プレートおよび非回転プレー
    トよりなるブレーキパックを変速機ケースの内周に軸線
    方向隣り合わせに、且つ、軸線方向同じ側からのスラス
    トにより締結されるよう配置し、 これらブレーキパックを締結状態にするためのサーボピ
    ストンをそれぞれ、一方のブレーキから遠い他方のブレ
    ーキの側に同軸に配置し、前記一方のブレーキに係わる
    サーボピストンを変速機ケースに摺動自在に嵌合し、こ
    のサーボピストンの内周側に前記他方のブレーキに係わ
    るサーボピストンを配置したことを特徴とする自動変速
    機の変速用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記変速用摩擦要素にワンウエイクラッ
    チが含まれ、このワンウエイクラッチのアウタレースが
    変速機ケースの内周に係着された請求項1に記載の自動
    変速機において、 該ワンウエイクラッチのアウタレースを前記両ブレーキ
    パック間に配置すると共に前記他方のブレーキに係わる
    ブレーキパックのスラスト反力受けとして利用する構成
    にしたことを特徴とする自動変速機の変速用ブレーキ装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の自動変速機の
    変速用ブレーキ装置において、 前記両ブレーキパックの非回転プレートおよび前記ワン
    ウエイクラッチのアウタレースを変速機ケースの内周に
    おける共通なスプラインに回転係合させ、該スプライン
    の溝内に沿うよう前記一方のブレーキに係わるサーボピ
    ストンの櫛状先端を貫通させて該一方のブレーキに係わ
    るブレーキパックに当接させるよう構成したことを特徴
    とする自動変速機の変速用ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の自動変速機の変速用ブ
    レーキ装置において、 前記変速機ケースの内周に設けたスプラインの溝底と、
    該スプラインに回転係合するよう前記非回転プレートお
    よびアウタレースに設けたスプラインの歯先との間にお
    ける隙間に、前記一方のブレーキに係わるサーボピスト
    ンの櫛状先端を貫通させたことを特徴とする自動変速機
    の変速用ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の自動変速機の変速用ブ
    レーキ装置において、 前記変速機ケースの内周にスプライン係合するよう前記
    非回転プレートおよびアウタレースに設けるべきスプラ
    インの歯を間引いてできた前記変速機ケースの内周にお
    けるスプラインの溝の内部空間に、前記一方のブレーキ
    に係わるサーボピストンの櫛状先端を貫通させたことを
    特徴とする自動変速機の変速用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 入力回転を減速して出力する減速用遊星
    歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
    するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
    速が可能で、該変速を可能にするために、減速用遊星歯
    車組からの減速回転を第1クラッチによりラビニョオ型
    プラネタリギヤセットの第1回転メンバに伝達し得るよ
    うにし、減速用遊星歯車組からの減速回転を第2クラッ
    チによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの第2回転
    メンバに伝達し得るようにすると共にこの第2回転メン
    バを第1ブレーキにより固定可能とし、減速用遊星歯車
    組への入力回転を第3クラッチによりラビニョオ型プラ
    ネタリギヤセットの第3回転メンバに伝達可能にすると
    共にこの第3回転メンバをワンウエイクラッチにより前
    記入力回転と逆方向に、また第2ブレーキにより両方向
    に固定可能とし、ラビニョオ型プラネタリギヤセットの
    第4回転メンバを変速機出力回転メンバとした請求項1
    に記載の自動変速機において、 変速機ケースの内周に形成した共通なスプラインに前記
    ワンウエイクラッチのアウタレースと、該ワンウエイク
    ラッチの軸線方向両側に配置した前記第1ブレーキおよ
    び第2ブレーキのブレーキパックを成す非回転プレート
    とを回転係合させ、 これらブレーキパックを締結状態にするためのサーボピ
    ストンをそれぞれ、第1ブレーキから遠い第2ブレーキ
    の側に同軸に配置し、第1ブレーキに係わるサーボピス
    トンを変速機ケースに摺動自在に嵌合し、このサーボピ
    ストンの内周側に第2ブレーキに係わるサーボピストン
    を配置し、 変速機ケースの内周における前記共通なスプラインの溝
    内に沿うよう前記第1ブレーキに係わるサーボピストン
    の櫛状先端を貫通させて該第1ブレーキに係わるブレー
    キパックに当接させるよう構成したことを特徴とする自
    動変速機の変速用ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 入力回転を減速して出力する減速用遊星
    歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
    するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
    速が可能で、該変速を可能にするために、減速用遊星歯
    車組からの減速回転を第1クラッチによりラビニョオ型
    プラネタリギヤセットの第1回転メンバに伝達し得るよ
    うにし、減速用遊星歯車組からの減速回転を第2クラッ
    チによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの第2回転
    メンバに伝達し得るようにすると共にこの第2回転メン
    バを第1ワンウエイクラッチおよび第1ブレーキにより
    前記入力回転と逆方向に、また第2ブレーキにより両方
    向に固定可能とし、減速用遊星歯車組への入力回転を第
    3クラッチによりラビニョオ型プラネタリギヤセットの
    第3回転メンバに伝達可能にすると共にこの第3回転メ
    ンバを第2ワンウエイクラッチにより前記入力回転と逆
    方向に、また第3ブレーキにより両方向に固定可能と
    し、ラビニョオ型プラネタリギヤセットの第4回転メン
    バを変速機出力回転メンバとした請求項1に記載の自動
    変速機において、 変速機ケースの内周に形成した共通なスプラインに、軸
    線方向隣り合わせに配置した前記第1ブレーキおよび第
    2ブレーキのブレーキパックを成す非回転プレートとを
    回転係合させ、 これらブレーキパックを締結状態にするためのサーボピ
    ストンをそれぞれ、第2ブレーキから遠い第1ブレーキ
    の側に同軸に配置し、第2ブレーキに係わるサーボピス
    トンを変速機ケースに摺動自在に嵌合し、このサーボピ
    ストンの内周側に第1ブレーキに係わるサーボピストン
    を配置し、 変速機ケースの内周における前記共通なスプラインの溝
    内に沿うよう前記第2ブレーキに係わるサーボピストン
    の櫛状先端を貫通させて該第2ブレーキに係わるブレー
    キパックに当接させるよう構成したことを特徴とする自
    動変速機の変速用ブレーキ装置。
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