JP4083498B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される自動変速機に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、遊星ギヤセットと、それを介する動力の伝達経路を変更するクラッチ及びブレーキとから構成されている。自動変速機には、ドライバビリティの向上と燃費の改善を図るために多段化の要請があり、近年は、前進6速・後進1速の変速段を達成した自動変速機が実用化されている。
【0003】
前進6速・後進1速を達成する自動変速機として、例えば特開2000-120813号公報(この公報の図1)に記載されている装置(以下、従来の自動変速機と称する)がある。
この従来の自動変速機は、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)車両用の縦置き式のトランスアクスルの形態をとっており、図15で示すように、エンジン(図示せず)から入力軸4に伝達された回転駆動力を常時減速する減速遊星ギヤ(公報では減速プラネタリギヤと称している)6と、減速遊星ギヤ6からの減速回転と入力軸4側からの非減速回転とを入力し、出力軸8に出力する変速遊星ギヤ(公報ではプラネタリギヤセットと称している)10と、3箇所のクラッチC−1,C−2,C−3と、3箇所のブレーキB−1,B−2,B−3等の各変速機構成要素が装置ケース12内に配置されおり、車両前方側から車両後方側に向けて、クラッチC−2、減速遊星ギヤ6、ブレーキB−2、ブレーキB−1及びクラッチC−3、クラッチC−1、ブレーキB−3の順で同軸に配置されている。そして、各クラッチ及び各ブレーキの締結動作、或いは開放動作を行うことで、所定の変速段(前進6速・後進1速のいずれか)が達成される。
【0004】
そして、減速遊星ギヤ6側から伝達されてきた減速回転を変速遊星ギヤ10側に出力する経路(以下、減速回転経路と称する)に配置された大きな締結容量を必要とするクラッチC−1,C−3を減速遊星ギヤ6と変速遊星ギヤ10との間に長手方向に並列に配置し、入力回転を変速遊星ギヤ10側に出力する経路(以下、非減速回転経路と称する)に比べ強度が必要な減速回転経路を短縮することで、軽量化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機にあっては、大きな締結容量を必要とする減速回転経路の2つのクラッチC−1,C−3を長手方向に並列に配置した構造では、燃費や自動変速機の外形寸法が大型化して車両搭載性が悪化するという問題がある。
【0006】
すなわち、締結容量を大きくするには、2つのクラッチC−1,C−3のピストン18,20の受圧面積を大きくしたり、クラッチの作動油圧を高くしたり、摩擦板の面積を大きくしたり、枚数を増加したりする必要がある。
そこで、例えば、クラッチC−1,C−3のピストン18,20の受圧面積を大きくして締結容量を大きくする場合には、非減速回転経路の回転軸22の外周に減速回転経路の回転軸24が配置され、これら回転軸22,24を回転自在に支持するセンターサポート14の円筒部16の外周にピストン18,20を配置しているため、ピストン18,20の内径側は、回転軸22,24や円筒部16に規制され、装置ケース12の外形を大きくせざるを得ない。
【0007】
また、装置ケース10の長手方向に各変速機構成要素を略直列に配置しているので軸方向寸法が増大して大型の装置となってしまい、車両への搭載性が低下するという問題がある。
また、締結容量を大きくするためにクラッチC−1,C−3の摩擦板の枚数を増やそうとしても、2つのクラッチC−1,C−3を長手方向に並列に配置しているため、現実的には枚数を増加することは困難であり、さらに、作動油圧を高くすると燃費が悪化するなどの問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、燃費を悪化させることなく、軽量化と、軸方向寸法及び径方向寸法を短縮して車両搭載性の向上とを両立することが可能な自動変速機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動変速機は、一方に配置した入力軸と、この入力軸の回転を常時減速する減速遊星ギヤと、この減速遊星ギヤ側からの減速回転及び前記入力軸側からの非減速回転を入力して他方側の出力軸に出力する変速遊星ギヤと、前記非減速回転を前記変速遊星ギヤに伝達する非減速回転経路上で、前記変速遊星ギヤの回転メンバの一方向のみの回転を許容するワンウェイクラッチと、前記減速回転を前記変速遊星ギヤに伝達する減速回転経路上に設けた第1減速クラッチ及び第2減速クラッチと、を備え、前記減速遊星ギヤ、前記ワンウェイクラッチ、前記第1減速クラッチ及び第2減速クラッチのシリンダ室、前記変速遊星ギヤの順で同軸に配置した自動変速機において、前記減速遊星ギヤと前記シリンダ室との間に、前記減速回転経路の回転を伝達する減速回転軸及び前記非減速回転経路の回転を伝達する非減速回転軸とを回転自在に支持するボス部を有するセンターサポートを設け、前記減速回転軸の外周側に、前記非減速回転軸を配置することで前記ボス部の外周に前記ワンウェイクラッチを配置し、前記ボス部の内周に、前記減速回転軸の外周面上に摺動可能に配置した前記第1及び第2減速クラッチのシリンダ室への作動油路を構成する複数の油穴を形成し、前記油穴のうち少なくとも1つを前記ワンウェイクラッチと軸方向でオーバーラップさせた装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動変速機の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、1実施形態としての自動変速機を示すスケルトン図である。
本実施形態の自動変速機は、駆動源であるエンジン(図示せず)からの回転駆動力がトルクコンバータ(図示せず)等を介して入力する入力軸52と、変速した回転駆動力をファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する出力軸54と、遊星ギヤセットGSと、第1〜第3クラッチC1,C2,C3と、第1〜第3ブレーキB1,B2,B3と、第1及び第2ワンェイクラッチOWC1,OWC2とを備えている。
【0011】
遊星ギヤセットGSは、入力回転を常時減速するダブルピニオン型の減速遊星ギヤG1と、減速遊星ギヤG1からの減速回転、或いは入力軸52からの非減速回転を入力して出力軸54に出力する変速遊星ギヤ列GTとで構成されている。そして、減速遊星ギヤG1及び変速遊星ギヤ列GTは同一軸線上に配置されている。
【0012】
減速遊星ギヤG1は、減速サンギヤS1と、この減速サンギヤS1に対して同心円上に配置した減速リングギヤR1と、減速サンギヤS1に噛合している減速ピニオンP1aと、この減速ピニオンP1a及び減速リングギヤR1に噛合している減速ピニオンP1bと、これら減速ピニオンP1a,P1bを自転かつ公転自在に保持している減速キャリアPC1とを備えたダブルピニオン型の遊星ギヤである。
【0013】
変速遊星ギヤ列GTは、2組の第1及び第2変速遊星ギヤG2,G3で構成されている。
第1変速遊星ギヤG2は、同心及び同一外径の一対の第1サンギヤS2a、S2bと、これら一対の第1サンギヤS2a、S2bに対して同心円上に配置した第1リングギヤR2と、一対の第1サンギヤS2a、S2b及び第1リングギヤR2間で噛合している第1ピニオンP2と、第1ピニオンP2を自転かつ公転自在に保持している第1キャリアPC2とを備えた遊星ギヤである。
【0014】
第2変速遊星ギヤG3は、第2サンギヤS3と、この第2サンギヤS3に対して同心円上に配置した第2リングギヤR3と、第2サンギヤS3及び第2リングギヤR3間で噛合している第2ピニオンP3と、第2ピニオンP3を自転かつ公転自在に保持している第2キャリアPC3とを備えた遊星ギヤである。
一方、第1クラッチC1は、減速遊星ギヤG1の減速リングギヤR1と第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2とを選択的に連結するクラッチである。また、第2クラッチC2は、減速遊星ギヤG1の減速リングギヤR1と、第1変速遊星ギヤG2の一対の第1サンギヤS2a、S2bのうち一方の第1サンギヤS2aとを選択的に連結するクラッチである。また、第3クラッチC3は、減速遊星ギヤG1の減速キャリアPC1と第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3とを選択的に連結するクラッチである。
【0015】
また、第1ブレーキB1は、第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3を選択的に停止させるブレーキである。第2ブレーキB2は、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2b及び第2変速遊星ギヤG3の第2サンギヤS3を選択的に停止させるブレーキである。第3ブレーキB3は、第2ブレーキB2と並列に配置され、第1遊星ギヤG2の第2サンギヤS2b及び第2変速遊星ギヤG3の第2サンギヤS3を選択的に停止させるブレーキである。この第3ブレーキB3は、後述する前進1速時から前進2速時に移行する際の第1ブレーキB1と第2ブレーキB2の締結・開放動作の複雑な油圧制御を避けるために設けた装置である。
【0016】
さらに、第1ワンウェイクラッチOWC1は、第1ブレーキB1と並列に配置されており、係合方向が後述する前進1速時の反力トルク支持方向に設定されてブレーキの機能を発揮する装置である。第2ワンウェイクラッチOWC2は、第3ブレーキB3と直列に配置されており、係合方向が後述する前進6速時の反力トルク支持方向に設定されて第2ブレーキB2の機能を高める装置である。
【0017】
また符号M1,M2,M3,M4,M5は回転メンバである。回転メンバM1は、第1変速遊星ギヤG2の第1キャリアPC2と第2変速遊星ギヤG3の第2リングギヤR3と出力軸54とに連結し、一体回転するメンバである。
回転メンバM2は、第2ブレーキB2に連結するとともに、第1変速遊星ギヤG2の一方の第1サンギヤS2bと第2変速遊星ギヤG3の第2サンギヤS3とに連結し、一体回転するメンバである。
【0018】
回転メンバM3は、第2クラッチC2と第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aとに連結し、一体回転するメンバである。
回転メンバM4は、第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2と第1クラッチC1に連結し、一体回転するメンバである。
回転メンバM5は、第3クラッチC3と第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3とを一体回転するメンバである。
【0019】
そして、第1〜第3クラッチC1,C2,C3及び第1〜第3ブレーキB1,B2,B3には、図示しない変速油圧制御装置が接続されており、この変速油圧制御装置が、図2の締結作動表に示すように、各変速段にて締結及び開放(○印で締結、無印で開放、△印でエンジンブレーキ時のみの締結)を作り出す。なお、変速油圧制御装置としては、油圧制御タイプ、電子制御タイプ、油圧+電子制御タイプ等が考えられる。
【0020】
次に、本実施形態の自動変速機の各変速段の作用について、図3の共線図及び図4から図10のトルクフローを参照して説明する。なお、図4から図10においてクラッチ・ブレーキ・のトルク伝達経路はハッチングで示し、トルク伝達メンバの経路は太線で示す。
(前進1速)
前進1速(1st)は、図2に示すように、第1クラッチC1と第1ブレーキB1の締結により得られる。ここで、第1ブレーキB1の締結はエンジンブレーキ時とされ、エンジンブレーキ以外のときには、第1ワンウェイクラッチOWC1がブレーキの機能を果たす。
【0021】
この前進1速では、図4に示すように、減速遊星ギヤG1の減速サンギヤS1が装置ケース50に固定され、入力軸52の回転が減速キャリアPC1に入力するので、減速リングギヤR1から正方向の減速回転が出力する。そして、第1クラッチC1の締結により、減速遊星ギヤG1からの正方向の減速回転が、回転メンバM4である第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2に入力される。
【0022】
一方、第2変速遊星ギヤG3においては、第1ワンウェイクラッチOWC1の係合により第3キャリアPC3が固定され、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2bの減速回転が第2サンギヤS3に入力し、回転メンバM1である第2リングギヤR3からさらに減速した回転が第1変速遊星ギヤG2の第1キャリアPC2に出力される。
【0023】
よって、第1変速遊星ギヤG2は、最も低速の減速回転が第1キャリアPC2から出力軸54に伝達される。
したがって、前進1速では、図3の共線図に示すように、減速遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3の回転を停止する第1ワンウェイクラッチOWC1(第1ブレーキB1)の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した回転が減速されて出力軸54に出力される。
【0024】
(前進2速)
前進2速(2nd)は、図2に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2、又は第3ブレーキB3と第2ワンウェイクラッチOWC2の締結により得られる。
この前進2速では、図5に示すように、第1クラッチC1の締結により減速遊星ギヤG1から正方向の減速回転が回転メンバM4である第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2に入力される。回転メンバM2である第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2bは、第2ブレーキB2又は第3ブレーキB3及び第2ワンウェイクラッチOWC2の締結によって装置ケース50に固定されることから、第1変速遊星ギヤG2の第1キャリアPC2は第1リングギヤR2さらに減速した正方向の回転となる。
【0025】
よって、第1変速遊星ギヤG2は、第1キャリアPC2から前進1速より高速の回転が出力軸54に伝達される。
したがって、前進2速では、図3の共線図に示すように、減速遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2bの回転を停止する第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した減速回転を、前進1速より高速とした減速回転として出力軸54に出力される。
【0026】
(前進3速)
前進3速(3rd)は、図2に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを締結することで得られる。
この前進3速では、図6に示すように、第1クラッチC1の締結により、減速遊星ギヤG1から正方向の減速回転が回転メンバM4である第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2に入力され、回転メンバM1である第1キャリアPC2から出力軸54側に伝達される。同時に、第2クラッチC2の締結により、減速遊星ギヤG1からの正方向の減速回転が第1遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aに入力され、第1キャリアPC2から出力軸54側に伝達される。
【0027】
したがって、前進3速では、図3の共線図に示すように、減速遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第1遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aへの入力回転とする第2クラッチC2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した減速回転を減速して出力軸54に出力される。
【0028】
(前進4速)
前進4速(4th)は、図2に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3とを締結することにより得られる。
この前進4速では、図7に示すように、第1クラッチC1の締結により、減速遊星ギヤG1から正方向の減速回転が回転メンバM4である第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2に入力される。また、第3クラッチC3の締結により、入力軸52の回転が減速遊星ギヤG1の減速キャリアPC1を介して回転メンバM5である第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力される。
【0029】
このため、第1変速遊星ギヤG2は、第1キャリアPC2に減速回転が入力されることになり、第1リングギヤR2からの減速回転を増速した回転(入力回転よりも低回転)が、第1キャリアPC2から出力軸54側に伝達される。
したがって、前進4速では、図3の共線図に示すように、減速遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、入力軸52の回転を第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力する第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した回転を僅かに増速して出力軸54に出力される。
【0030】
(前進5速)
前進5速(5th)は、図2に示すように、第2クラッチC2と第3クラッチC3とを締結することにより得られる。
この前進5速では、図8に示すように、第2クラッチC2の締結により、減速遊星ギヤG1から正方向の減速回転が回転メンバM3である第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aに入力される。また、第3クラッチC3の締結により、入力軸52の回転が減速遊星ギヤG1の減速キャリアPC1、回転メンバM5である第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力される。
【0031】
このため、第1変速遊星ギヤG2は、第1キャリアPC2に入力軸52の回転よりも増速された回転が入力されることになり、第1サンギヤS2aからの減速回転を増速した回転(前進4速よりも高回転)が、回転メンバM1である第1キャリアPC2から出力軸54側に伝達される。
したがって、前進5速では、図3の共線図に示すように、第1遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aへの入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、入力軸52の回転を第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力する第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した回転を増速して出力軸54に出力される。
【0032】
(前進6速)
前進6速(6th)は、図2に示すように、第3クラッチC3と第2ブレーキB2とを締結することにより得られる。
この前進6速では、図9に示すように、第3クラッチC3の締結により、入力軸52の回転が減速遊星ギヤG1の減速キャリアPC1を介して回転メンバM5である第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力される。また、第2ブレーキB2の締結により第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2b及び第2変速遊星ギヤG3の第2サンギヤS3が装置ケース50に固定される。
【0033】
このため、第2変速遊星ギヤG3は、第2サンギヤS3が固定されたことで、第2キャリアPC3に入力した回転が回転メンバM1である第2リングギヤR3及び第1変速遊星ギヤG2の第1キャリアPC2に増速されて伝達される。
したがって、前進6速では、図3の共線図に示すように、入力軸52の回転を第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に入力する第3クラッチC3の締結点と、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aを装置ケース50に固定する第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した回転をさらに増速して出力軸54に出力する。
【0034】
(後退1速)
後退1速(Rev)は、図2に示すように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1を締結することで得られる。
この後退1速では、第2クラッチC1の締結により減速遊星ギヤG1からの減速回転が第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aに入力される。また、第1ブレーキB1の締結により、第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3が装置ケース50に固定される。
【0035】
よって、第1変速遊星ギヤG2においては、第1ブレーキB1の締結により固定された第2キャリアPC3に第1サンギヤS2aの反力が取られ、第1サンギヤS2aの逆方向の減速回転が回転メンバM1である第1キャリアPC2及び出力軸54側に伝達される。
したがって、後退1速では、図3の共線図に示すように、第1遊星ギヤG1からの減速回転を第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aへの入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3の回転を停止する第1ブレーキB1の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸52から入力した回転を逆方向に減速して出力軸54に出力する。
【0036】
次に、上述した本実施形態の自動変速機を構成している各変速要素の具体的な構成及び配置について、図11から図14を参照して説明する。
本実施形態の自動変速機は、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)車用の縦置き式トランスアクスルの形態をとっており、装置ケース50内に、入力軸52、第1中間回転軸56及び出力軸54が車両前後方向に延在して配置され、入力軸52が駆動源であるエンジン(図示せず)側の車両前方側に位置し、出力軸54が車両後方側に位置している。
【0037】
円筒形状の装置ケース50の内壁には、ケース内空間の後述する複数のクラッチや遊星ギヤを車両前方側のケース内空間Sf及び車両後方側のケース内空間Srとに画成するセンターサポート70が固定されている。
センターサポート70は、入力軸52及び第1中間回転軸56の軸心に対して直交する方向に装置ケース50の内壁から延在している環状の支持壁70aと、この支持壁70aの内径部から前記軸心と平行に車両後方側に延在している略円筒形状のボス部70bとを一体化した部材である。そして、ボス部70bの内周の車両前方側にはインナースリーブ71が嵌め込まれており、ブッシュ73を介して第2中間回転軸74を回転自在に支持している(図14参照)。また、この第2中間回転軸74の内周にブッシュ75が嵌合しており、このブッシュ75を介して第1中間回転軸56が回転自在に支持されている(図14参照)。
【0038】
減速遊星ギヤG1及び第3クラッチC3は、入力軸52の径方向外方位置である車両前方側のケース内空間Sfに配置されている。
第1ブレーキB1及び第1ワンウェイクラッチOWC1は、第1中間回転軸56の車両前方側端部の径方向外方側であるセンターサポート70近くの車両後方側のケース内空間Srに配置されている。また、第2クラッチC2は、第1中間回転軸56の車両後方側端部の径方向外方位置である車両後方側のケース内空間Srに配置されている。
【0039】
そして、第1及び第2変速遊星ギヤG2,G3,第1クラッチC1,第2及び第3ブレーキB2,B3及び第2ワンウェイクラッチOWC2は、出力軸54の径方向外方位置である車両後方側のケース内空間Srに配置されている。また、第2ブレーキB2は、他の変速要素に対して最も車両後方位置に配置されている。
【0040】
次に、各変速要素を、車両の前方側に配置した変速要素からさらに具体的に説明していくと、減速遊星ギヤG1は、減速キャリアPC1の内径側に形成した円筒部と入力軸52の外周とがスプライン結合されているとともに、減速リングギヤR1の内径側に形成した円筒部と第1中間回転軸56の外周とがスプライン結合されている。
【0041】
第3クラッチC3は、図12に示すように、減速遊星ギヤG1の外周に配置されており、減速遊星ギヤG1のキャリアPC1にスプライン結合したドラム72aと、このドラム72aの内周側に配置したクラッチハブ72bと、ドラム72a及びクラッチハブ72b間に交互に配置された摩擦板72c,72dと、ドラム72aの内周部に形成したシリンダ部に嵌め込んだピストン72eと、ピストン72eをシリンダ部側に押圧するリターンスプリング72fとを備えている。そして、減速遊星ギヤG1に対して車両前方側であってシリンダ部とピストン72eとの間に画成したシリンダ室72gに入力軸52の油路52a側からドラム油路72hを介して油圧の供給制御を行うことで、ピストン72eを軸方向に移動させて摩擦板72c,72dの締結・開放を行っている。
【0042】
センターサポート70の支持壁70aと減速遊星ギヤG1の減速リングギヤR1の壁部との間で平行に延在している前記クラッチハブ72bの壁部は、支持壁70a側及び減速リングギヤR1側に配置したスラストベアリングSBに回転自在に支持されている。そして、クラッチハブ72bの内径部は、センターサポート70のボス部70b内を通過している第2中間回転軸74の一端側外周にスプライン結合されている。この第2中間回転軸74の他端側は、変速遊星ギヤ列GT、第1クラッチ1及び第2クラッチ2を囲むように配置した胴長ドラム76の一端部に固定されている。
【0043】
そして、センターサポート70の支持壁70aには、装置ケース50側から油圧が供給されてくる油路70cと共に図示しない油路が複数形成されており、ボス部70bには、油路70cに連通する油路70dと共に、前記の複数の油路に連通する図示しない油路が形成されている。
また、図14に示すように、ボス部70bの内周側には、油路70dを含む複数の油路にそれぞれ連通する複数の油穴70e,70f,70gが形成されている。これらの油孔のうち、油孔70eは、第1ワンウェイクラッチOWC1と軸方向でオーバーラップした位置に設けられている。ボス部70bの内周に嵌め込まれているインナースリーブ71には、前記油穴70e,70f,70gにそれぞれ連通する複数の油穴71a,71b,71cが形成されている。そして、これらインナースリーブ71の複数の油穴71a,71b,71cに、第2中間回転軸74の径方向に形成した複数の油路74a,74b,74cが連通している。さらに、第1中間回転軸56には、内部に油路56aと共に図示しない油路が複数形成され、この油路56aと共に図示しない油路にそれぞれ連通する複数の油穴56d,56e,56fが径方向に形成されており、これら油穴56de,56fが、それぞれ前記第2中間回転軸74の油路74a,74b,74cに連通している。
【0044】
また、第2中間回転軸74の油路74b,74cの間には、各油路からリークした油をドレンする油路74dが形成されている。
第1ブレーキB1は、図12に示すように、センターサポート70の支持壁70aに形成したシリンダ部78aと、このシリンダ部78aに嵌め込んだピストン78bと、胴長ドラム76の外周に固定した第1ワンウェイクラッチOWC1のアウターレース79aと装置ケース50の内壁との間に交互に配置された摩擦板78c,78dと、ピストン78bをシリンダ部78a側に押圧するリターンスプリング78eとを備えている。そして、シリンダ部78aとピストン78bとの間に画成したシリンダ室78fに油路(図示せず)から油圧の供給制御を行うことで、ピストン78bを軸方向に移動させて摩擦板78c,78dの締結・開放の制御を行っている。
【0045】
第1ワンウェイクラッチOWC1は、第1ブレーキB1の径方向内方側に配置されており、前述したアウターレース79aと、センターサポート70のボス部70bの外周にスプライン結合されているインナーレース79bと、アウターレース79a及びインナーレース79bの間に所定間隔をあけて配置されているスプラグ等のコマ79cとを備えている。
【0046】
第2クラッチC2は、図13に示すように、胴長ドラム76の内径側に配置されて第1中間回転軸56の結合部56hで結合されている第1ドラム80と、この第1ドラム80の内径側に軸方向に摺動自在に嵌め込まれているシリンダ形成部材82aと、このシリンダ形成部材82aと接しながら第1ドラム80の外径側の内壁及び第1中間回転軸56の外周面上で軸方向に摺動自在に配置され、第1クラッチC1のピストンとして機能する第2ドラム82bと、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2に固定したクラッチハブ82cと、第2ドラム82b及びクラッチハブ82c間に交互に配置された摩擦板82d,82eと、第1中間回転軸56の外周面上を長手方向に摺動可能に配置されたピストン82fと、ピストン82fをシリンダ部側に押圧するリターンスプリング82gとを備えている。そして、第2ドラム82b、ピストン82f及び第1中間回転軸56で画成したシリンダ室85cに、第1中間回転軸56の油路56aに連通している油穴85c1から油圧の供給制御を行うことで、ピストン82fを軸方向に移動させて摩擦板82d,82eの締結・開放の制御を行っている。
【0047】
第1クラッチC1は、第1ドラム80及び第1変速遊星ギヤG2の第1リングギヤR2間に交互に配置された摩擦板84a,84bと、前述した第1ドラム80、シリンダ形成部材82a、第2ドラム82b、リターンスプリング82gとを構成部材とし、第1ドラム80、シリンダ形成部材82a及び第1中間回転軸56とで画成したシリンダ室85a、シリンダ形成部材82a、第2ドラム82b及び第1中間回転軸56とで画成したシリンダ室85bとに、第1中間回転軸56の油路56aに連通している油穴85a1、85b1から油圧の供給制御を行うことで、ピストンとして機能するシリンダ形成部材82a及び第2ドラム82bを軸方向に移動させて摩擦板84a,84bの締結・開放の制御を行っている。
【0048】
ここで、図12では、第1クラッチC1のシリンダ室85a、シリンダ室85bと、第2クラッチC2のシリンダ室85cに通じる作動油の油路(センターサポート70の油路70c、70dからインナースリーブ71、第2中間回転軸74を介して第1中間回転軸56に通じる油路)を同一経路の油路として記載しているが、実際には、シリンダ室85a、シリンダ室85b及びシリンダ室85cのぞれぞれに対して専用の油路が設けられており、そのため、センターサポート70、インナースリーブ71、第2中間回転軸74及び第1中間回転軸56には、複数経路の作動油の油路が形成されている。
【0049】
図13に示すように、第1変速遊星ギヤG2には、第1キャリアPC2と一体回転するセンタプレート61が配置されているが、このセンタプレート61は、出力軸54にスプライン結合されている。
第2変速遊星ギヤG3は、第2リングギヤR3が第1変速遊星ギヤの第1キャリアPC2に固定され、第2キャリアPC3の車両後方側のキャリアプレートPC3Aが第1クラッチ1及び第2クラッチ2を囲っている胴長ドラム76の他端部に連結している。また、第2サンギヤS3は、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2bとともに筒形状のサンギヤ一体部材58の外周に形成されており、このサンギヤ一体部材58は、出力軸54の外周にスプライン結合されている。
【0050】
第2ワンウェイクラッチOWC2は、前述したサンギヤ一体部材58にスプライン結合されているインナーレース87aと、アウターレース87bと、インナーレース87a及びインナーレース87bの間に所定間隔をあけて配置されているスプラグ等のコマ87cとを備えている。
第3ブレーキB3は、装置ケース50の内壁に形成したシリンダ部88aと、このシリンダ部88aに嵌め込んだ第3ブレーキ用ピストン88bと、装置ケース50の内壁及び第2ワンウェイクラッチOWC2のアウターレース87baの間に交互に配置された摩擦板88d,88eと、第3ブレーキ用ピストン88bをシリンダ部88a側に押圧するリターンスプリング88fとを備えている。そして、シリンダ部88aと第3ブレーキ用ピストン88bとの間に画成したシリンダ室88gに油路(図示せず)から油圧の供給制御を行うことで、第3ブレーキピストン88bを軸方向に移動させて摩擦板88d,88eの締結・開放の制御を行っている。
【0051】
第2ブレーキB2は、前述した第3ブレーキ用ピストン88bの内壁部をシリンダ部とし、このシリンダ部に嵌め込んだ第2ブレーキ用ピストン90aと、第2ワンウェイクラッチOWC2のインナーレース87aに固定されたブレーキハブ90bと、このブレーキハブ90b及び第3ブレーキ用ピストン88bの間に交互に配置された摩擦板90c,90dと、第3ブレーキ用ピストン90aをシリンダ部側に押圧する前述したリターンスプリング88aとで構成されており、シリンダ部と第2ブレーキ用ピストン90aとの間に画成したシリンダ室90eに油圧の供給制御を行うことで、第2ブレーキピストン90aを軸方向に移動させて摩擦板90c,90dの締結・開放の制御を行っている。
【0052】
さらに、図13に示すように、第2ブレーキB2の内径側に位置している出力軸54は、車両前方側に延在している装置ケース50の筒状部内に配置したブッシュ91を介して回転自在に支持されている。
ここで、図1のスケルトン図で示した回転メンバM1は、互いに連結している第1変速遊星ギヤG2の第1キャリアPC2と、第2変速遊星ギヤG3の第2リングギヤP3と、出力軸54とで構成されている。回転メンバM2は、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2bと、第2変速遊星ギヤG3の第2サンギヤS3と、前述したサンギヤ一体部材58と、第2ワンウェイクラッチOWC2のインナレース87aと、第2ブレーキB2のブレーキハブ90bとで構成される。回転メンバM3は、第1変速遊星ギヤG2の第1サンギヤS2aと、第2クラッチC2のクラッチハブ82cとで構成されている。
【0053】
また、回転メンバM4は、減速回転経路を構成する回転メンバであり、減速遊星ギヤG1の減速リングギヤR1で構成されている。さらに、回転メンバM5は、非減速回転経路を構成する回転メンバであり、第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3と、他端側が第2変速遊星ギヤG3の第2キャリアPC3に固定されている胴長ドラム76と、第3クラッチC3のクラッチハブにスプライン結合している第2中間回転軸74と、第3クラッチC3のクラッチハブとで構成されている。
【0054】
次に、本実施形態の作用効果について述べる。
入力軸52側から減速遊星ギヤG1、第1ワンウェイクラッチOWC1、第1及び第2クラッチC1,C2のシリンダ室85a,85b,85c、変速遊星ギヤGTの順に同軸に配置したので、非減速回転経路に比べ強度が必要となる減速回転経路を短縮でき、軽量化を達成できる。これに加え、以下に列挙する効果を有する。
【0055】
第1クラッチC1及び第2クラッチC2は、減速遊星ギヤG1側から伝達されてきた減速回転を第1変速遊星ギヤG2に伝達する減速回転経路上に配置されているので、締結容量を大きくする必要があるが、本実施形態では、第1クラッチC1のピストンとして機能するシリンダ形成部材(以下、ピストンと称する)82a、第2ドラム(以下、ピストンと称する)82b、第2クラッチC2のピストン82fを、センターサポート70のボス部70bに対して軸方向にオフセットした位置に配置し、それらピストンの内径部が、第1中間回転軸56の外周で摺動自在に係合している。このように、ピストン82a,82b,82fの内径部がセンターサポート70のボス部70bに対して軸方向にオフセットした中間回転軸56の外周に係合していることから、ピストン82a,82b,82fの内径を小さくすることで、装置ケース50の外径寸法を大きくせずにピストン82a,82b,82fの受圧面積を増大させて締結容量を大きくすることができる。
【0056】
また、減速回転経路を構成する第1中間回転軸56を、非減速回転経路を構成する第2中間回転軸74の内周側に配置するようにしたため、ピストン82a,82b,82fの配置が第2中間回転軸74に規制されなくなり、第1中間回転軸56を小径の部材とすることでピストン82a,82b,82fの内径をさらに小径として受圧面積を十分に大きくすることができる。
【0057】
また、本実施形態では第1クラッチC1及び第2クラッチC2の締結容量を大きくするために作動油圧を高くする方法等を採用していないので、燃費の悪化を防止することができる。
また、装置ケース50の外径寸法が小さい本実施形態の自動変速機をFR車両に適用し、車両フロア下部のトンネルに搭載しても、トンネルの広さに関係なく容易に搭載できるので、FR車両用への搭載性が向上する。
【0058】
さらに、第1中間回転軸56の外周に第2中間回転軸74を配置しているため、ボス部70bの外周上への第1ワンウェイクラッチOWC1の配置が容易となるとともに、ボス部70bの内周に第1クラッチC1、第2クラッチC2のシリンダ室85a,85b,85cへの作動油路の一部を構成する油穴70e,70f,70gを形成し、少なくとも1つの油穴70eを第1ワンウェイクラッチOWC1と軸方向でオーバーラップさせることで、自動変速機の径方向を短縮できるという効果を得ることもできる。
【0059】
なお、上記実施形態においては、自動変速機を前進6速を実現するギヤトレインを構成しているが、これに限定されるものではなく、前進5速以下又は7速以上の自動変速機にも本発明を適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動変速機によると、減速遊星ギヤ、ワンウェイクラッチ、第1減速クラッチ及び第2減速クラッチのシリンダ室、変速遊星ギヤの順で同軸に配置し、減速遊星ギヤとシリンダ室との間に、減速回転経路の回転を伝達する減速回転軸及び前記非減速回転経路の回転を伝達する非減速回転軸とを回転自在に支持するボス部を有するセンターサポートを設けたので、非減速回転経路に比べて強度が必要となる減速回転経路を短縮でき、軸方向の寸法の短縮化を図ることができるとともに、軽量化を達成することができる。
【0061】
また、ボス部の内周に、減速回転軸の外周面上に摺動可能に配置した第1及び第2減速クラッチのシリンダ室への作動油路を構成する複数の油穴を形成し、これら油穴のうち少なくとも1つをワンウェイクラッチと軸方向でオーバーラップさせているので、自動変速機の径方向寸法も短縮できる。したがって、自動変速機の軸方向寸法及び径方向寸法を短縮することができるので、車両搭載性を大幅に向上させることができる。
【0062】
また、減速回転軸の外周側に非減速回転軸を配置することでセンターサポートのボス部の外周にワンウェイクラッチを配置しているので、ボス部の外周上へのワンウェイクラッチの配置を容易に行うことができる。
さらに、第1及び第2減速クラッチの締結容量を大きくするために作動油圧を高くする方法等を採用していないので、燃費の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1実施形態の自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】本発明に係る1実施形態の自動変速機の締結表である。
【図3】本発明に係る1実施形態の自動変速機の共線図である。
【図4】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進1速のトルクフロー図である。
【図5】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進2速のトルクフロー図である。
【図6】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進3速のトルクフロー図である。
【図7】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進4速のトルクフロー図である。
【図8】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進5速のトルクフロー図である。
【図9】本発明に係る1実施形態の自動変速機における前進6速のトルクフロー図である。
【図10】本発明に係る1実施形態の自動変速機における後進1速のトルクフロー図である。
【図11】本発明に係る1実施形態の自動変速機を構成している各変速要素の具体的な構成及び配置を示す軸方向の半断面図である。
【図12】図11の軸方向の半断面図において入力軸側の一方側を具体的に示した図である。
【図13】図11の軸方向の半断面図において出力軸側の他方側を具体的に示した図である。
【図14】図11の軸方向の半断面図においてセンタサポートから第1中間回転軸に通じる油路を詳細に示した図である。
【図15】従来の自動変速機を簡略的に示した図である。
【符号の説明】
52 入力軸
54 出力軸
56 第1中間回転軸(減速回転軸)
70 センターサポート
70a 支持壁部
70b ボス部
70e,70f,70g ボス部に形成した油穴
74 第2中間回転軸(非減速回転軸)
85a,85b 第1クラッチのシリンダ室
85c 第2クラッチのシリンダ室
C1 第1クラッチ(第1減速クラッチ)
C2 第2クラッチ(第2減速クラッチ)
G1 減速遊星ギヤ
GT 変速遊星ギヤ列(変速遊星ギヤ)
OWC1 第1ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)

Claims (1)

  1. 一方に配置した入力軸と、この入力軸の回転を常時減速する減速遊星ギヤと、この減速遊星ギヤ側からの減速回転及び前記入力軸側からの非減速回転を入力して他方側の出力軸に出力する変速遊星ギヤと、前記非減速回転を前記変速遊星ギヤに伝達する非減速回転経路上で、前記変速遊星ギヤの回転メンバの一方向のみの回転を許容するワンウェイクラッチと、前記減速回転を前記変速遊星ギヤに伝達する減速回転経路上に設けた第1減速クラッチ及び第2減速クラッチと、を備え、前記減速遊星ギヤ、前記ワンウェイクラッチ、前記第1減速クラッチ及び第2減速クラッチのシリンダ室、前記変速遊星ギヤの順で同軸に配置した自動変速機において、
    前記減速遊星ギヤと前記シリンダ室との間に、前記減速回転経路の回転を伝達する減速回転軸及び前記非減速回転経路の回転を伝達する非減速回転軸とを回転自在に支持するボス部を有するセンターサポートを設け、
    前記減速回転軸の外周側に、前記非減速回転軸を配置することで前記ボス部の外周に前記ワンウェイクラッチを配置し、前記ボス部の内周に、前記減速回転軸の外周面上に摺動可能に配置した前記第1及び第2減速クラッチのシリンダ室への作動油路を構成する複数の油穴を形成し、前記油穴のうち少なくとも1つを前記ワンウェイクラッチと軸方向でオーバーラップさせたことを特徴とする自動変速機。
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