JP2000136853A - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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JP2000136853A JP10325982A JP32598298A JP2000136853A JP 2000136853 A JP2000136853 A JP 2000136853A JP 10325982 A JP10325982 A JP 10325982A JP 32598298 A JP32598298 A JP 32598298A JP 2000136853 A JP2000136853 A JP 2000136853A
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Tomochika Inagaki
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正宏 早渕
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    • F16H2200/20Transmissions using gears with orbital motion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 6速を達成するギヤ構成の車両用自動変速機
において、後端部の外径を小さくして車両搭載性を向上
させる。 【解決手段】 自動変速機は、入力軸11周りに、4つ
の変速要素S2,S3,C2(C3),R3(R2)を
有するプラネタリギヤセットG、減速プラネタリギヤG
1、2つのブレーキB−1,B−2、3つのクラッチC
−1,C−2,C−3を備える。入力軸の回転を直接プ
ラネタリギヤセットに入力するクラッチC−2の油圧サ
ーボ5を変速機構の最後部に配置し、同クラッチC−2
の摩擦部材53を、前側の適宜の回転部材であるプラネ
タリギヤセットGの外周側に重合させて配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
自動変速機に関し、特に、そのギヤトレインにおける各
変速機構成要素の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機の一形態として、フロ
ントエンジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエ
ンジン・リヤドライブ(RR)車用の横置式の自動変速
機がある。こうした形式の自動変速機では、車両の左右
ホイールの間にエンジンと自動変速機を直列に並べて横
置き搭載する配置となるため、自動変速機の軸長が著し
く制限される。そこで、こうした自動変速機のギヤトレ
インは、主として軸長を延ばす要素となる多数の変速要
素をもつプラネタリギヤセットや変速要素を操作するク
ラッチやブレーキの数を可能な限り少なくした構成のも
のとしなければならない。
【0003】他方、ドライバビリティの確保のみなら
ず、省エネルギに不可欠な燃費の向上のために、自動変
速機の多段化の要求があり、こうした要求に応えるに
は、ギヤトレインの変速段数当たりの変速要素数とクラ
ッチやブレーキ数の一層の削減が必要となる。そこで、
最小限の変速要素からなるプラネタリギヤセットを用
い、それを操作する3つのクラッチと2つのブレーキと
で、前進6速・後進1速を達成するギヤトレインが特開
平4−219553号公報において提案されている。こ
の提案に係るギヤトレインは、エンジン出力回転と、そ
れを減速した回転とを3つのクラッチを用いて適宜変速
機の4つの変速要素からなるプラネタリギヤセットへ2
つの速度の異なる入力として入力させ、2つのブレーキ
で2つの変速要素を係止制御することで多段の6速を達
成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、この提
案に係るギヤトレイン構成は、変速段数当たりの変速要
素数、必要とするクラッチ及びブレーキの数において非
常に合理的なものであるが、実用面での問題がないわけ
ではない。横置式の自動変速機の場合、車両の幅方向の
中心に対して外側、すなわち主軸上で後端(本明細書を
通じて、動力が入力される側を前として軸上の位置関係
を規定する)側に配置される変速機構成部材と車両側の
メンバーとの干渉を避けるために、特に小型の車両に搭
載するものにあっては、変速機全長の短縮もさることな
がら、変速機後端部の小径化が重要である。この点に関
して上記ギヤトレイン構成では、減速されることで増幅
されたトルクが入力されることから、減速入力を行わな
い従来のものに比べてプラネタリギヤセットのある程度
の大型化は避けられない。更に、減速入力のための2つ
のクラッチも同様の理由で大容量を必要とし、摩擦材の
多板化による軸方向長の増加も避けがたい。
【0005】ところで、上記ギヤトレイン構成におい
て、構成部材としてのギヤ類は、軽量・小型化を図る上
から、軸周における径方向内側に配置することを必須と
し、各クラッチの油圧サーボ類も、それらへの油圧の供
給の容易性と供給油圧の漏れ止めのためのシールリンン
グの摺動抵抗を小さくする上で、軸周における径方向内
側に配置することが望ましい。このように、主軸上に並
べる必要のある部材は、必然的に決まってくるので、最
小限必要な軸長は自ずと定まっている。したがって、レ
イアウトによる軸長自体の短縮には自ずと限界があり、
それを工夫しても、大幅な搭載性の向上を期待すること
はできない。
【0006】本発明は、こうした事情に鑑みなされたも
のであり、変速機の極端な大径化や伝達効率の悪化を防
ぎながら、主として変速機後端部の小径化により車両搭
載性を向上させることのできる自動変速機のレイアウト
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、入力軸の周りに、4つの変速要素を有す
るプラネタリギヤセットと、減速プラネタリギヤと、2
つのブレーキと、3つのクラッチとを備える変速機構が
配置された車両用自動変速機であって、プラネタリギヤ
セットの第1の変速要素が第1のクラッチにより減速プ
ラネタリギヤを介して入力軸に連結され、第2の変速要
素が第3のクラッチにより減速プラネタリギヤを介して
入力軸に連結されるとともに第1のブレーキによりケー
スに係止可能とされ、第3の変速要素が第2のクラッチ
により入力軸に連結されるとともに第2のブレーキによ
りケースに係止可能とされ、第4の変速要素が出力要素
とされるものにおいて、前記第2のクラッチの油圧サー
ボは、変速機構の最後部に配置され、第2のクラッチの
摩擦部材は、第2のクラッチの油圧サーボより前側に配
置された他の回転部材の外周側に径方向に重合させて配
置されたことを特徴とする。
【0008】そして、更に変速機機構の全体的な小径化
の意味で、前記プラネタリギヤセットは、ラビニヨ型の
ギヤセットとされ、前記第2のクラッチの油圧サーボの
前側に配置され、第2のクラッチの摩擦部材は、プラネ
タリギヤセットのリングギヤのない部位の外周側に重合
させて配置された構成とするのが有効である。
【0009】更に、上記変速機構を含む変速機全体のコ
ンパクト化の点から、前記変速機構の前側に第1及び第
3のクラッチの油圧サーボ並びに減速プラネタリギヤが
配置され、第1及び第3のクラッチの摩擦部材は、減速
プラネタリギヤの外周部に配置された構成を採るのが有
効である。
【0010】また、同様の意味から、前記第1及び第3
のクラッチの油圧サーボは、共通のシリンダの内側に嵌
挿された第1のピストンと、外側に嵌挿された第2のピ
ストンを備え、共通のシリンダは、第1及び第3のクラ
ッチのいずれか一方のドラムを構成し、第2のピストン
は、いずれか他方のクラッチのドラムを構成するように
するのが有効である。
【0011】
【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の構成では、
入力回転をそのまま伝達するため相対的にトルク容量が
小さくてよい第2のクラッチについて、その摩擦部材を
他の回転部材の外周側に重合配置することによって、大
径化により摩擦部材の側でトルク伝達容量を稼ぎ、それ
により一層小容量化した油圧サーボを変速機構の最後端
に配置したので、所望のクラッチ容量を確保しながら、
油圧サーボの大幅な小径化が可能となる。したがって、
この構成によれば、変速機後端部を小径化することで、
多段化された変速機の車両搭載性を向上させることがで
きる。
【0012】次に、請求項2記載の構成では、上記他の
回転部材をラビニヨ型プラネタリギヤセットとし、その
特有の形状により生じる空きスペースを第2のクラッチ
の摩擦部材の配設スペースに利用した配置となるので、
本来空きスペースとなるべき空間の有効利用により部材
配設密度を上げることができ、それにより変速機後端部
の小径化と併せて、変速機構の小径化が可能となる。
【0013】そして、請求項3記載の構成では、変速機
をディファレンシャル装置を組み込んだ3軸のトランス
アクスルとする場合に、車両との位置関係から変速機構
の前側に位置するデフリングギヤと変速機構の大径部と
が干渉しない配置となるため、変速機の主軸としての入
力軸と、それと並行するデフ軸との軸間距離の設定に自
由度を与えることができ、車両の要求に合わせた良好な
デフギヤ比の設定が可能となる。また、変速機構につい
ては、減速プラネタリギヤと第1及び第3のクラッチの
摩擦部材の重合配置による軸長の短縮効果が得られる。
【0014】更に、請求項4記載の構成では、減速回転
を伝達するトルク容量を確保するために大径となる第1
及び第3のクラッチの摩擦部材を軸方向にまとめて配置
することができるため、デフリングギヤを変速機構側に
径方向に重ねるための空間の確保が容易となり、前記両
クラッチの油圧サーボの軸長も短縮され、更に、該油圧
サーボの外周部を利用したデフリングギヤ重合空間の確
保も変速機構との干渉なく可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。図1は本発明を具体化した車両用自動
変速機の第1実施形態のギヤトレインを、軸間を共通平
面内に展開してスケルトンで示す。また、図2は上記自
動変速機を端面からみて実際の軸位置関係を示す。この
自動変速機は、互いに並行する主軸X、カウンタ軸Y、
デフ軸Zの各軸上に各要素が配設された3軸構成とされ
ている。そして、主軸X上の入力軸11の周りには、4
つの変速要素S2,S3,C2(C3),R2(R3)
を有するプラネタリギヤセットGと、減速プラネタリギ
ヤG1と、2つのブレーキB−1,B−2と、3つのク
ラッチC−1,C−2,C−3とを備える変速機構が配
置されている。
【0016】この自動変速機では、プラネタリギヤセッ
トGの第1の変速要素S3が第1のクラッチC−1によ
り減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結さ
れ、第2の変速要素S2が第3のクラッチC−3により
減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結され
るとともに第1のブレーキB−1によりケース10に係
止可能とされ、第3の変速要素C2(C3)が第2のク
ラッチC−2により入力軸11に連結されるとともに第
2のブレーキB−2によりケース10に係止可能とさ
れ、第4の変速要素R2(R3)が出力要素としてカウ
ンタドライブギヤ19に連結されている。なお、図に示
すギヤトレインでは、ブレーキB−2に並列させてワン
ウェイクラッチF−1を配しているが、これは、後に詳
記する1→2変速時のブレーキB−2とブレーキB−1
の掴み替えのための複雑な油圧制御を避け、ブレーキB
−2の解放制御を単純化すべく、ブレーキB−1の係合
に伴って自ずと係合力を解放するワンウェイクラッチF
−1を用いたものであり、ブレーキB−2と同等のもの
である。
【0017】以下、この実施形態のギヤトレインを更に
詳細に説明する。主軸X上には、図示しないエンジンの
回転を入力軸11に伝達するロックアップクラッチ付の
トルクコンバータ4が配置されている。カウンタ軸Y上
には、カウンタギヤ2が配置されている。カウンタギヤ
2は、カウンタ軸20に固定され、カウンタドライブギ
ヤ19に噛合する大径のカウンタドリブンギヤ21と、
同じくカウンタ軸20に固定され、デフリングギヤ31
に噛合する小径のデフドライブピニオンギヤ22とが配
設されており、これらにより主軸X側からの出力を減速
するとともに、反転させてディファレンシャル装置3に
伝達する機能を果たす。デフ軸Z上には、ディファレン
シャル装置3が配設されている。ディファレンシャル装
置3は、デフリングギヤ31に固定してデフケース32
が設けられ、その中に配置された差動歯車の差動回転が
左右軸30に出力され、最終的なホイール駆動力とされ
る。
【0018】プラネタリギヤセットGは、大小径の異な
る一対のサンギヤS2,S3と、互いに噛合して一方が
大径のサンギヤS2に噛合するとともにリングギヤR2
(R3)に噛合し、他方が小径のサンギヤS3に噛合す
る一対のピニオンギヤP2,P3を支持するキャリアC
2(C3)からなるラビニヨ式のギヤセットで構成され
ている。そして、この形態では、小径のサンギヤS3が
第1の変速要素、大径のサンギヤS2が第2の変速要
素、キャリアC2(C3)が第3の変速要素とされ、リ
ングギヤR2(R3)が第4の変速要素とされている。
【0019】減速プラネタリギヤG1は、そのサンギヤ
S1を変速機ケース10に固定され、リングギヤR1を
入力要素として入力軸11に連結され、キャリアC1を
出力要素として第1のクラッチC−1及び第3のクラッ
チC−3を介してプラネタリギヤセットGに連結されて
いる。プラネタリギヤセットGの第1の変速要素すなわ
ち小径のサンギヤS3は、第1のクラッチC−1に連結
され、第2の変速要素すなわち大径のサンギヤS2は、
第3のクラッチC−3に連結されるとともに、バンドブ
レーキで構成される第1のブレーキB−1により自動変
速機ケース10に係止可能とされている。また、第3の
変速要素であるキャリアC2(C3)は、第2のクラッ
チC−2を介して入力軸11に連結され、かつ、第2の
ブレーキB−2により変速機ケース10に係止可能とさ
れるとともに、ワンウェイクラッチF−1により変速機
ケース10に一方向回転係止可能とされている。そし
て、第4の変速要素すなわちリングギヤR2(R3)が
カウンタドライブギヤ19に連結されている。
【0020】こうした構成からなる自動変速機は、図示
しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運
転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車
両負荷と車速に基づき、変速を行う。図3は各クラッチ
及びブレーキの係合及び解放(○印で係合、無印で解放
を表す)で達成される変速段を図表化して示す。また、
図4は各クラッチ及びブレーキの係合(●印でそれらの
係合を表す)により達成される変速段と、そのときの各
変速要素の回転数比との関係を速度線図で示す。
【0021】両図を併せ参照してわかるように、第1速
(1ST)は、クラッチC−1 とブレーキB−2の係合
(本形態において、作動表を参照してわかるように、こ
のブレーキB−2の係合に代えてワンウェイクラッチF
−1の自動係合が用いられているが、この係合を用いて
いる理由及びこの係合がブレーキB−2の係合に相当す
る理由については後に詳述する。)により達成される。
この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経
て減速された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤ
S3に入力され、ワンウェイクラッチF−1の係合によ
り係止されたキャリアC3に反力を取って、リングギヤ
R3の最大減速比の減速回転がカウンタドライブギヤ1
9に出力される。
【0022】次に、第2速(2ND)は、クラッチC−
1 とブレーキB−1の係合により達成される。この場
合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速
された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤS3に
入力され、ブレーキB−1の係合により係止された大径
サンギヤS2に反力を取って、リングギヤR2(R3)
の減速回転がカウンタドライブギヤ19に出力される。
このときの減速比は、図4にみるように、第1速(1S
T)より小さくなる。
【0023】また、第3速(3RD)は、クラッチC−
1とクラッチC−3の同時係合により達成される。この
場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減
速された回転がクラッチC−1とクラッチC−3経由で
同時に大径サンギヤS2と小径サンギヤS3に入力さ
れ、プラネタリギヤセットGが直結状態となるため、両
サンギヤへの入力回転と同じリングギヤR2(R3)の
回転が、入力軸11の回転に対しては減速された回転と
して、カウンタドライブギヤ19に出力される。
【0024】更に、第4速(4TH)は、クラッチC−
1とクラッチC−2の同時係合により達成される。この
場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を
経て減速された回転がクラッチC−1経由でサンギヤS
3に入力され、他方で入力軸11からクラッチクラッチ
C−2経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入
力され、2つの入力回転の中間の回転が、入力軸11の
回転に対しては僅かに減速されたリングギヤR3の回転
としてカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0025】次に、第5速(5TH)は、クラッチC−
2とクラッチC−3の同時係合により達成される。この
場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を
経て減速された回転がクラッチC−3経由でサンギヤS
2に入力され、他方で入力軸11からクラッチクラッチ
C−2経由で入力された非減速回転がキャリアC2に入
力され、リングギヤR2の入力軸11の回転より僅かに
増速された回転がカウンタドライブギヤ19に出力され
る。
【0026】そして、第6速(6TH)は、クラッチC
−2とブレーキB−1の係合により達成される。この場
合、入力軸11からクラッチクラッチC−2経由で非減
速回転がキャリアC2にのみ入力され、ブレーキB−1
の係合により係止されたサンギヤS2に反力を取るリン
グギヤR2の更に増速された回転がカウンタドライブギ
ヤ19に出力される。
【0027】なお、後進(REV)は、クラッチC−3
とブレーキB−2の係合により達成される。この場合、
入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速され
た回転がクラッチC−3経由でサンギヤS2に入力さ
れ、ブレーキB−2の係合により係止されたキャリアC
2に反力を取るリングギヤR2の逆転がカウンタドライ
ブギヤ19に出力される。
【0028】ここで、先に触れたワンウェイクラッチF
−1とブレーキB−2との関係について説明する。上記
の第1速と第2速時の両ブレーキB−1,B−2の係合
・解放関係にみるように、これら両ブレーキは、両変速
段間でのアップダウンシフト時に、一方の解放と同時に
他方の係合が行われる、いわゆる掴み替えされる摩擦要
素となる。こうした摩擦要素の掴み替えは、それらを操
作する油圧サーボの係合圧と解放圧の精密な同時制御を
必要とし、こうした制御を行うには、そのためのコント
ロールバルブの付加や油圧回路の複雑化等を招くことと
なる。そこで、本形態では、第1速と第2速とで、キャ
リアC2(C3)にかかる反力トルクが逆転するのを利
用して、ワンウェイクラッチF−1の係合方向を第1速
時の反力トルク支持方向に合わせた設定とすることで、
ワンウェイクラッチF−1に実質上ブレーキB−2の係
合と同等の機能を発揮させて、第1速時のブレーキB−
2の係合に代えて(ただし、ホイール駆動の車両コース
ト状態ではキャリアC2(C3)にかかる反力トルクの
方向がエンジン駆動の状態に対して逆転するので、エン
ジンブレーキ効果を得るためには、図3に括弧付きの○
印で示すようにブレーキB−2の係合を必要とする)、
キャリアC2(C3)の係止を行っているわけである。
したがって、変速段を達成する上では、ワンウェイクラ
ッチを設けることなく、ブレーキB−2の係合により第
1速を達成する構成を採ることもできる。
【0029】このようにして達成される各変速段は、図
4の速度線図上で、リングギヤR2,R3の速度比を示
す○印の上下方向の間隔を参照して定性的にわかるよう
に、各変速段に対して比較的等間隔の良好な速度ステッ
プとなる。この関係を具体的に数値を設定して、定量的
に表すと、図3に示すギヤ比となる。この場合のギヤ比
は、減速プラネタリギヤG1のサンギヤS1とリングギ
ヤR1の歯数比λ1=44/78、プラネタリギヤセッ
トGの大径サンギヤ側のサンギヤS2とリングギヤR2
(R3)の歯数比λ2=36/78、小径サンギヤ側の
サンギヤS3とリングギヤR3の歯数比λ3=30/7
8に設定すると、入出力ギヤ比は、 第1速(1ST):(1+λ1)/λ3=4.067 第2速(2ND):(1+λ1)(λ2+λ3)/λ3
(1+λ2)=2.354 第3速(3RD):1+λ1=1.564 第4速(4TH):(1+λ1)/(1+λ1−λ1・
λ3)=1.161 第5速(5TH):(1+λ1)/(1+λ1+λ1・
λ2)=0.857 第6速(6TH):1/(1+λ2)=0.684 後進(REV):−(1+λ1)/λ2=3.389 となる。そして、これらギヤ比間のステップは、 第1・2速間:1.73 第2・3速間:1.51 第3・4速間:1.35 第4・5速間:1.35 第5・6速間:1.25 となる。
【0030】次に、図5は自動変速機の構成を更に具体
化した模式的断面で示す。先にスケルトンを参照して説
明した各構成要素については、同じ参照符号を付して説
明に代えるが、スケルトンから参照し得ない細部につい
て、ここで説明する。なお、本明細書を通じて、各クラ
ッチ及びブレーキという用語は、摩擦部材と油圧サーボ
を総称するものとする。したがって、第1のクラッチC
−1は摩擦部材63と油圧サーボ6で、同様に第2のク
ラッチC−2は摩擦部材53と油圧サーボ5で、第3の
クラッチC−3は摩擦部材73と油圧サーボ7で構成さ
れている。また、ブレーキB−1,B−2については、
それがバンドブレーキ構成の場合は、それぞれバンドと
図示しない油圧サーボで構成され、多板ブレーキの場合
は、摩擦部材と油圧サーボで構成されている。
【0031】入力軸11は、その内部に潤滑油路を形成
され、前端側と後端側とを変速機ケース10から延びる
前側ボス部10aと後側ボス部10bにベアリングを介
して回転自在に支持され、支持部に隣接させて形成され
たそれぞれのフランジ11a,11bと両ボス部先端と
の間に介装されたスラストベアリングにより軸方向支持
されている。
【0032】次に、プラネタリギヤセットGは、入力軸
11の後部に両サンギヤS2,S3を、ベアリングを介
して入力軸11に支持された減速回転伝達部材13の外
周にベアリングを介して支持された形態で位置決め支持
されている。プラネタリギヤセットGの第1の変速要素
としてのサンギヤS2は、連結部材14により第3のク
ラッチC−3のハブ74に連結されている。また、第2
の変速要素としてのサンギヤS3は、第1のクラッチC
−1のハブ64に連結されている。そして、第3の変速
要素としてのキャリアC2(C3)は、第2のクラッチ
のハブ54に連結され、ハブ54はワンウェイクラッチ
F−1のインナレースを介して第2のブレーキB−2の
ハブに連結されている。更に、第4の変速要素としての
リングギヤR2(R3)は、連結部材を介してカウンタ
ドライブギヤ19にスプライン結合されている。
【0033】減速プラネタリギヤG1は、前側ボス部1
0aの先端外周に反力要素としてのサンギヤS1を固定
し、入力要素としてのリングギヤR1を入力軸11のフ
ランジ11aに連結させて、変速機構の前側に配置され
ている。出力要素としてのキャリアC1は、第1及び第
3のクラッチの油圧サーボ6,7に共通のシリンダ60
に連結されている。
【0034】本発明の特徴に従い、第2のクラッチの油
圧サーボ5は、変速機構の最後部に配置され、第2のク
ラッチの摩擦部材53は、第2のクラッチの油圧サーボ
5より前側に配置された他の回転部材としてのプラネタ
リギヤセットGの外周側で、かつ、リングギヤのない部
位に径方向に重合させて配置されている。第2のクラッ
チC−2の油圧サーボ5は、内周側を入力軸11のフラ
ンジ部11bに連結され、外周側を拡径延長してドラム
52とされたシリンダ50と、シリンダ50に内包され
たピストン51と、遠心油圧のキャンセルプレート55
と、リンターンスプリングとで構成されている。この油
圧サーボ6の油圧の給排は、変速機ケースの後側ボス部
10bに形成された油路10zを介して行われる。
【0035】第2のクラッチC−2の摩擦部材53は、
内周側をハブ54にスプライン係合させ、外周側をドラ
ム52にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレー
タプレートから構成され、ドラム52の先端に固定され
たバッキングプレートと、油圧サーボ5内への油圧の供
給によりシリンダ50から押し出されるピストン51と
で挟持されるクラッチ係合作動により、ドラム52から
ハブ54にトルクを伝達する構成とされている。
【0036】このように、入力回転をそのまま伝達する
ため相対的にトルク容量が小さくてよい第2のクラッチ
C−2について、その摩擦部材53を他の回転部材とし
てのプラネタリギヤセットGの外周側に重合配置するこ
とによって、大径化により摩擦部材53の側でトルク伝
達容量を稼ぎ、それにより一層小容量化した油圧サーボ
5を変速機構の最後端に配置したので、所望のクラッチ
容量を確保しながら、油圧サーボ5の大幅な小径化がな
されている。こうして変速機後端部を小径化すること
で、多段化されることである程度の大型化を避けられな
い変速機と車両側部材Bとで干渉の可能性の最も高い変
速機後端部での干渉を防いで、車両搭載性を向上させる
ことができる。また、上記他の回転部材をラビニヨ型プ
ラネタリギヤセットとし、その特有の形状により生じる
空きスペースを第2のクラッチC−2の摩擦部材53の
配設スペースに利用した配置としたので、本来空きスペ
ースとなるべき空間の有効利用により部材配設密度を上
げることができ、それにより変速機後端部の小径化と併
せて、変速機構の小径化がなされている。
【0037】次に、第1及び第3のクラッチC−1,C
−3の油圧サーボ6,7は、減速プラネタリギヤG1の
前側に配置され、変速機ケースの前側ボス部10aの外
周に回転自在に支持された共通のシリンダ60と、シリ
ンダ60の内側に嵌挿された第1のピストン61と、外
側に嵌挿された第2のピストン71を備え、共通のシリ
ンダ60は、拡径延長されて第1のクラッチのドラム6
2を構成し、第2のピストン71も同様に拡径延長され
て、他方の第3のクラッチのドラム72を構成してい
る。そして、これら両ドラム62,72は、スプライン
係合で相互にトルク伝達可能に連結されている。これら
の油圧サーボ6,7の油圧の給排は、前側ボス部10a
に形成された油路10x,10yを介して行われる。な
お、図において符号65,75は、ピストン61,71
の背面にかかる遠心油圧を相殺するキャンセルプレー
ト、66,76はリターンスプリングを示す。
【0038】第1のクラッチC−1の摩擦部材63は、
内周側をハブ64にスプライン係合させ、外周側をドラ
ム62にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレー
タプレートから構成され、ドラム62の先端に固定され
たバッキングプレートと、油圧サーボ6内への油圧の供
給によりシリンダ60から押し出されるピストン61と
で挟持されるクラッチ係合作動により、ドラム62から
ハブ64にトルクを伝達する構成とされている。
【0039】第3のクラッチC−3の摩擦部材73は、
内周側をハブ74にスプライン係合させ、外周側をドラ
ム72にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレー
タプレートから構成され、ドラム72の先端に固定され
たバッキングプレートと、油圧サーボ7内への油圧の供
給によりシリンダ60から押し出されるピストン71と
で挟持されるクラッチ係合作動により、ドラム72から
ハブ74にトルクを伝達する構成とされている。
【0040】このように、減速回転を伝達するトルク容
量を確保するために大径となる第1及び第3のクラッチ
C−1,C−3の摩擦部材63,73を軸方向にまとめ
て配置し、上記のような油圧サーボの組み合わせ構造に
より、両ピストンの押し引き操作でクラッチの係合を行
う構造は、変速機をディファレンシャル装置を組み込ん
だ3軸のトランスアクスルとする場合に、デフリングギ
ヤ31を変速機構側に径方向に重ねるための空間の確保
が容易となり、変速機の主軸Xとしての入力軸11と、
それと並行するデフ軸Zとの軸間距離の設定に自由度を
与えることができ、車両の要求に合わせた良好なデフギ
ヤ比の設定が可能となる効果をもたらす。また、変速機
構については、クラッチの油圧サーボ6,7の軸長も短
縮され、減速プラネタリギヤG1と第1及び第3のクラ
ッチの摩擦部材63,73の重合配置による軸長の短縮
効果が得られる。
【0041】また、第1のブレーキB−1はバンドブレ
ーキとされ、そのブレーキバンド81は、第3のクラッ
チC−3のハブ74に連結されたブレーキドラム82を
締めつける構成とされている。これにより、第1のブレ
ーキB−1は、軸方向スペースを要せず、しかも径方向
寸法をほとんど増加させずに配置されていることにな
る。なお、このバンドブレーキの油圧サーボは、ブレー
キバンド81と同じ軸方向位置で、ブレーキドラム82
に対して接線方向に延びるものであるため、図示を省略
している。
【0042】第2のブレーキB−2は、各クラッチと同
様に多板構成とされ、その摩擦部材93は、プラネタリ
セットGの外周側に、ワンウェイクラッチF−1と並べ
て配置されている。第2のブレーキB−2の油圧サーボ
9は、変速機ケース10のほぼ中央に設けられたサポー
ト10eに、ピストン91を内包するシリンダを内蔵さ
せた形態で設けられている。
【0043】そして、カウンタドライブギヤ19の支持
に関しては、該ギヤ19は、上記サポート10eの内周
にベアリング12を介して支持されており、詳しくは、
カウンタドライブギヤ19の内周を軸方向に延びるボス
部の外周がベアリング12を介して、第2のブレーキB
−2の油圧サーボシリンダを兼ねる変速機ケース10の
サポート10eの内周に支持されている。
【0044】ところで、本発明の基本的特徴とする、第
2のクラッチC−2の油圧サーボ5を変速機構の最後部
に配置した構成を採りながら、他の部材の配置について
は、種々の形態を採り得る。そこで、次にそうした実施
形態について説明する。図6は第1及び第3のクラッチ
を分散配置した第2実施形態の変速機構を模式的断面で
示す。この場合の相違点のみ説明すると、第1実施形態
において減速プラネタリギヤG1に隣接配置されていた
第1のクラッチC−1は、この形態では、プラネタリギ
ヤセットGの直前に移されている。
【0045】こうした配置の変更に伴い、第3のクラッ
チC−3の油圧サーボ7は、そのシリンダ70を単独で
ケース10の前側ボス部10aに回転自在に支持され、
シリンダ70の拡径延長部がドラム72とされている。
そして、ドラム72と協働して摩擦部材73を支持する
ハブ74は、減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に
連結され、更に連結部材13aにより第1のクラッチC
−1の油圧サーボ6のシリンダ60に連結されている。
また、ドラム72は減速回転伝達部材14に連結されて
いる。なお、摩擦部材73と減速プラネタリギヤG1の
位置関係については、第1実施形態のものとほぼ同様で
あるが、この場合、ドラム72が減速回転伝達部材14
を介してサンギヤS2に連結されているため、ドラム7
2の外周をそのまま第1のブレーキB−1のブレーキド
ラムとしている。
【0046】一方、第1のクラッチC−1の油圧サーボ
6は、そのシリンダ60を単独で入力軸11に回転自在
に支持され、シリンダ60の拡径延長部がドラム62と
されている。そして、ドラム62と協働して摩擦部材6
3を支持するハブ64は、連結部材13bによりサンギ
ヤS3に連結されている。シリンダ60の支持手段の変
更に伴い、油圧サーボ6のサーボ圧の給排は、前側ボス
部10aの油路に連なる入力軸11の軸内油路により成
される。
【0047】次に、図7は第1実施形態と同様の第1及
び第3のクラッチC−1,C−3の摩擦部材配置におい
て、それらの油圧サーボ6,7の配置のみを変更した第
3実施形態を示す。この場合、両クラッチのハブ64,
74は相互に連結させて、減速プラネタリギヤG1のキ
ャリアC1に連結されている。そして、クラッチC−1
のドラム62は、減速回転伝達部材13に連結され、ク
ラッチC−3のドラム72は、連結部材14に連結され
ている。また、第3のクラッチC−3の油圧サーボ7の
シリンダ70は、単独で前側ボス部10aに回転自在に
支持して、キャリアC1に連結されている。一方、第1
のクラッチC−1の油圧サーボ6のシリンダ60は、入
力軸11に回転自在に支持して、減速回転伝達部材13
に連結されている。したがって、油圧サーボ6の油圧の
給排は、前記第2実施形態の場合と同様に、前側ボス部
10aの油路に連なる入力軸11の軸内油路により成さ
れる。
【0048】次に、図8は第2実施形態に対して更に第
1のクラッチC−1を後方に移動させて、プラネタリギ
ヤセットGの後側に配置した第4実施形態を示す。この
場合、第1のクラッチC−1の摩擦部材63がプラネタ
リギヤセットGの外周側のリングギヤを欠く部位に重合
され、これに伴って、第2のクラッチC−2の摩擦部材
53は、回転部材を第1のクラッチC−1の油圧サーボ
6として、その外周側に重合配置されている。油圧サー
ボ6と他の部材との連結関係については、該サーボが減
速回転伝達部材の端部に位置するところから、該部材1
4が第2実施形態の場合のように分割されていない点の
みが異なる。
【0049】以上の各実施形態は、第1及び第3のクラ
ッチC−1,C−3の配置を変更したものであるが、第
1実施形態に対する連結関係を変更した例を次に挙げ
る。まず、プラネタリギヤセットGは、入出力の連結関
係を逆にした構成を採ることもできる。図9はこうした
形態を採る第5実施形態をスケルトンで示す。この場
合、小径のサンギヤS3が第1のクラッチC−1に連結
され、大径のサンギヤS2が第3のクラッチC−3に連
結される点は同様であるが、リングギヤR3が第2のク
ラッチC−2に連結され、キャリアC2(C3)がカウ
ンタドライブギヤ19に連結されている点が異なる。ま
た、第1のブレーキB−1はサンギヤS2を係止するも
のとされ、第2のブレーキB−2とワンウェイクラッチ
F−1はリングギヤR3を係止するものとされている。
したがって、この形態では、サンギヤS3が第1の変速
要素、サンギヤS2が第2の変速要素となる点は、先の
実施形態と同様であるが、リングギヤR3が第3の変速
要素となり、キャリアC2(C3)が第4の変速要素と
なる点が、先の実施形態とは異なる。こうした形態を採
った場合、例えば下記の表1に示すようなギヤ比とステ
ップが得られる。
【表1】 ちなみに、この場合の減速プラネタリギヤG1の歯数比
λ1=0.556、プラネタリギヤGの小径サンギヤS
2側の歯数比λ2=0.306、大径サンギヤS3側の
歯数比λ3=0.579であり、ギヤ比幅は6.109
となる。
【0050】ところで、前記第1〜5実施形態では、プ
ラネタリギヤセットGをラビニヨ式としたが、比較的良
好なギヤ比とステップが得られるギヤセットGは、これ
に限るものではない。そこで、プラネタリギヤセットG
を他の形式のものに変更した実施形態について、次に説
明する。
【0051】図10は第1実施形態に対してプラネタリ
ギヤセットGの部分だけを一部変更した第6実施形態を
示す。この形態では、プラネタリギヤセットGは、シン
プルプラネタリギヤG2と、互いに噛合する一対のピニ
オンギヤP3,P3’の一方がサンギヤS3に噛合し、
他方がリングギヤR3に噛合するダブルピニオン式のプ
ラネタリギヤG3とを組み合わせた構成とされている。
このプラネタリギヤセットGの場合、第1のクラッチC
−1が2つのサンギヤS2,S3に連結され、第3のク
ラッチC−3がシンプルプラネタリギヤG2のリングギ
ヤR2に連結され、第2のクラッチC−2がキャリアC
2とキャリアC3に連結され、リングギヤR3がカウン
タドライブギヤ19に連結されている。そして、ブレー
キB−1はシンプルプラネタリギヤG2のリングギヤR
2を係止するものとされ、ブレーキB−2とワンウェイ
クラッチF−1は双方のキャリアC2とキャリアC3を
係止するものとされる。したがって、この形態では、2
つのサンギヤS2,S3が第1の変速要素、リングギヤ
R2が第2の変速要素、キャリアC2(C3)が第3の
変速要素、リングギヤR3が第4の変速要素となる。こ
うした場合、例えば下記の表2に示すようなギヤ比とス
テップが得られる。
【表2】 ちなみに、この場合の減速プラネタリギヤG1の歯数比
λ1=0.556、シンプルプラネタリギヤG2の歯数
比λ2=0.636、ダブルプラネタリギヤG3の歯数
比λ3=0.333であり、ギヤ比幅は7.111とな
る。
【0052】次に、図11は第6実施形態に対してプラ
ネタリギヤセットGのシンプルプラネタリギヤとダブル
プラネタリギヤの位置関係を逆転させた第7実施形態を
示す。この形態では、第1のクラッチC−1がダブルプ
ラネタリギヤG2のサンギヤS2に連結され、第3のク
ラッチC−3がダブルプラネタリギヤG2のキャリアC
2とシンプルプラネタリギヤG3のサンギヤS3に連結
され、第2のクラッチC−2がシンプルプラネタリギヤ
G3のキャリアC3とダブルプラネタリギヤG2のリン
グギヤR2に連結され、シンプルプラネタリギヤG3の
リングギヤR3がカウンタドライブギヤ19に連結され
ている。そして、ブレーキB−1はキャリアC2とサン
ギヤS3を係止するものとされ、ブレーキB−2とワン
ウェイクラッチF−1はリングギヤR2とキャリアC3
を係止するものとされる。この形態では、サンギヤS2
が第1の変速要素、サンギヤS3とキャリアC2が第2
の変速要素、キャリアC3とリングギヤR2が第3の変
速要素、リングギヤR3が第4の変速要素となる。こう
した場合、例えば下記の表3に示すようなギヤ比とステ
ップが得られる。
【表3】 ちなみに、この場合の減速プラネタリギヤG1の歯数比
λ1=0.556、ダブルプラネタリギヤG2の歯数比
λ2=0.447、シンプルプラネタリギヤG3の歯数
比λ3=0.444であり、ギヤ比幅は6.245とな
る。
【0053】次に、図12はプラネタリギヤセットGを
2つのダブルプラネタリギヤG2,G3で構成した第8
実施形態を示す。この形態では、第1のクラッチC−1
がサンギヤS3とキャリアC2に連結され、第3のクラ
ッチC−3がサンギヤS2に連結され、第2のクラッチ
C−2がキャリアC3とリングギヤR2に連結され、リ
ングギヤR3がカウンタドライブギヤ19に連結されて
いる。そして、ブレーキB−1はサンギヤS2を係止す
るものとされ、ブレーキB−2とワンウェイクラッチF
−1はリングギヤR2とキャリアC3を係止するものと
される。この形態では、サンギヤS3とキャリアC2が
第1の変速要素、サンギヤS2が第2の変速要素、キャ
リアC3とリングギヤR2が第3の変速要素、リングギ
ヤR3が第4の変速要素となる。こうした場合、例えば
下記の表4に示すようなギヤ比とステップが得られる。
【表4】 ちなみに、この場合の減速プラネタリギヤG1の歯数比
λ1=0.556、プラネタリギヤG2の歯数比λ2=
0.556、プラネタリギヤG3の歯数比λ3=0.3
61であり、ギヤ比幅は6.252となる。
【0054】最後に、図13は第8実施形態に対して連
結関係のみを変更した第9実施形態を示す。この形態で
は、第1のクラッチC−1が両サンギヤS2,S3に連
結され、第3のクラッチC−3がキャリアC2に連結さ
れ、第2のクラッチC−2がキャリアC3とリングギヤ
R2に連結され、リングギヤR3がカウンタドライブギ
ヤ19に連結されている。そして、ブレーキB−1はキ
ャリアC2を係止するものとされ、ブレーキB−2とワ
ンウェイクラッチF−1はリングギヤR2とキャリアC
3を係止するものとされる。この形態では、両サンギヤ
S2,S3が第1の変速要素、キャリアC2が第2の変
速要素、キャリアC3とリングギヤR2が第3の変速要
素、リングギヤR3が第4の変速要素となる。こうした
場合は、減速プラネタリギヤG1の歯数比λ1=0.5
56、プラネタリギヤG2の歯数比を変更してλ2=
0.444、そしてプラネタリギヤG3の歯数比を同様
にλ3=0.556とすることでギヤ比、そのステッ
プ、ギヤ比幅とも第8実施形態と同様となる。
【0055】以上、本発明を構成要素の形式及び配置並
びに連結関係を変更した実施形態を挙げて詳説したが、
これらは、比較的良好なギヤ比ステップが得られるもの
に絞って例示したものであって、本発明は、これら実施
形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の個々
の請求項に記載の事項の範囲内で種々に具体的な構成を
変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用自動変速機の第1実施
形態のギヤトレインを展開して示すスケルトン図であ
る。
【図2】上記ギヤトレインの実際の3軸位置関係を示す
軸方向端面図である。
【図3】上記ギヤトレインの作動及び達成されるギヤ比
並びにギヤ比ステップを示す図表である。
【図4】上記ギヤトレインの速度線図である。
【図5】上記ギヤトレインの主軸部分のみを模式化した
断面図である。
【図6】上記ギヤトレインのクラッチ配置を変更した第
2実施形態の主軸部分の模式化断面図である。
【図7】上記ギヤトレインのクラッチ配置を更に変更し
た第3実施形態の主軸部分の模式化断面図である。
【図8】上記ギヤトレインのクラッチ配置を更に変更し
た第4実施形態の主軸部分の模式化断面図である。
【図9】上記ギヤトレインのプラネタリギヤセットの入
出力関係を変更した第5実施形態の主軸部分のスケルト
ン図である。
【図10】第1実施形態に対してプラネタリギヤセット
の構成を変更した第6実施形態の主軸部分のスケルトン
図である。
【図11】同様のプラネタリギヤセットについて連結関
係を変更した第7実施形態の主軸部分のスケルトン図で
ある。
【図12】同様にプラネタリギヤセットを更に他の形態
に変更した第8実施形態の主軸部分のスケルトン図であ
る。
【図13】同様のプラネタリギヤセットについて連結関
係を更に変更した第9実施形態の主軸部分のスケルトン
図である。
【符号の説明】
G プラネタリギヤセット G1 減速プラネタリギヤ S1 サンギヤ(固定変速要素) S2,S3 サンギヤ(変速要素) C1 キャリア(出力要素) C2,C3 キャリア(変速要素) R1 リングギヤ(入力要素) R2,R3 リングギヤ(変速要素) B−1 第1のブレーキ B−2 第2のブレーキ C−1 第1のクラッチ C−2 第2のクラッチ C−3 第3のクラッチ 5,6,7 油圧サーボ 10 ケース 11 入力軸 31 デフリングギヤ 50,60,70 シリンダ 51,61,71 ピストン 52,62,72 ドラム 53,63,73 摩擦部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 一雅 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 早渕 正宏 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 後藤 健次 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA07 EA24 EA27 EB08 EB13 EB31 EB35 EB37 EB54 EB62 EB66 FA06 FB06 FC13 FC17 FC20 FC24 FC63 GA03 HA14 HA17 HA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の周りに、4つの変速要素を有す
    るプラネタリギヤセットと、減速プラネタリギヤと、2
    つのブレーキと、3つのクラッチとを備える変速機構が
    配置された車両用自動変速機であって、 プラネタリギヤセットの第1の変速要素が第1のクラッ
    チにより減速プラネタリギヤを介して入力軸に連結さ
    れ、第2の変速要素が第3のクラッチにより減速プラネ
    タリギヤを介して入力軸に連結されるとともに第1のブ
    レーキによりケースに係止可能とされ、第3の変速要素
    が第2のクラッチにより入力軸に連結されるとともに第
    2のブレーキによりケースに係止可能とされ、第4の変
    速要素が出力要素とされるものにおいて、 前記第2のクラッチの油圧サーボは、変速機構の最後部
    に配置され、第2のクラッチの摩擦部材は、第2のクラ
    ッチの油圧サーボより前側に配置された他の回転部材の
    外周側に径方向に重合させて配置されたことを特徴とす
    る車両用自動変速機。
  2. 【請求項2】 前記プラネタリギヤセットは、ラビニヨ
    型のギヤセットとされ、前記第2のクラッチの油圧サー
    ボの前側に配置され、 第2のクラッチの摩擦部材は、プラネタリギヤセットの
    リングギヤのない部位の外周側に重合させて配置され
    た、請求項1記載の車両用自動変速機。
  3. 【請求項3】 前記変速機構の前側に第1及び第3のク
    ラッチの油圧サーボ並びに減速プラネタリギヤが配置さ
    れ、 第1及び第3のクラッチの摩擦部材は、減速プラネタリ
    ギヤの外周部に配置された、請求項1又は2記載の車両
    用自動変速機。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第3のクラッチの油圧サー
    ボは、共通のシリンダの内側に嵌挿された第1のピスト
    ンと、外側に嵌挿された第2のピストンを備え、共通の
    シリンダは、第1及び第3のクラッチのいずれか一方の
    ドラムを構成し、第2のピストンは、いずれか他方のク
    ラッチのドラムを構成する、請求項2又は3記載の車両
    用自動変速機。
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