以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、本発明のオイル戻し装置が適用されたアキュムレータ12を備えている。冷凍サイクル装置10は、車両に搭載されており、車両用空調装置に用いられている。冷凍サイクル装置10は、冷媒流れを切り替えることによって、車室の内部の冷房と暖房とを切り替えて実施する。冷凍サイクル装置10は、アキュムレータ12の他に、圧縮機14と、放熱器16と、暖房用膨張弁18と、室外熱交換器20と、冷房用膨張弁22と、蒸発器24を備える。
圧縮機14は、電動圧縮機である。圧縮機14は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。冷媒には、圧縮機14の摺動部の潤滑のためのオイルが含まれる。オイルは、液相の冷媒と非相溶性又は難溶性を有する冷凍機油である。
放熱器16は、圧縮機14から吐出された冷媒を放熱させる。放熱器16は、空調ユニット30のケース32の内部に配置されている。放熱器16は、車室に向かう空気と冷媒との熱交換によって、空気を加熱する加熱用熱交換器である。
暖房用膨張弁18は、暖房時に放熱器16から流出した冷媒を減圧膨張させる。室外熱交換器20は、冷媒と車室の外部の空気とを熱交換させる。冷房用膨張弁22は、冷房時に室外熱交換器20から流出した冷媒を減圧膨張させる。
蒸発器24は、冷房時に冷房用膨張弁22から流出した冷媒を蒸発させる。蒸発器24は、ケース32の内部のうち放熱器16の空気流れ上流側に配置されている。蒸発器24は、車室の内部に向かう空気と冷媒との熱交換によって、空気を冷却する冷却用熱交換器である。
アキュムレータ12は、圧縮機14の冷媒吸引側に接続されている。すなわち、アキュムレータ12は、圧縮機14の冷媒吸引側と蒸発器24の冷媒出口側との間に設置されている。アキュムレータ12は、圧縮機14に吸引される冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、分離した気相冷媒を圧縮機14に流入させるとともに、分離した液相冷媒を貯える。アキュムレータ12の構造については、後述する。
冷凍サイクル装置10は、第1迂回流路25と、第1迂回流路25を開閉する第1電磁弁26とを備える。第1迂回流路25は、室外熱交換器20から流出した冷媒を、冷房用膨張弁22および蒸発器24を迂回させて、アキュムレータ12に導く冷媒の流路である。第1電磁弁26は、蒸発器24を冷媒が流れる冷媒流れと、第1迂回流路25を冷媒が流れる冷媒流れとを切り替える第1切替弁である。第1電磁弁26の替わりに、三方弁が用いられてもよい。
冷凍サイクル装置10は、第2迂回流路27と、第2迂回流路27を開閉する第2電磁弁28とを備える。第2迂回流路27は、放熱器16から流出した冷媒を、暖房用膨張弁18を迂回させて、室外熱交換器20に導く冷媒の流路である。第2電磁弁28は、暖房用膨張弁18を冷媒が流れる冷媒流れと、第2迂回流路27を冷媒が流れる冷媒流れとを切り替える第2切替弁である。
ケース32の内部には、送風機34と、エアミックスドア36とが配置されている。送風機34は、車室内に向かう空気流れを形成する。エアミックスドア36は、放熱器16を流れる空気と、放熱器16を迂回して流れる空気との混合割合を調整する。
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷房時に、第1電磁弁26が閉弁し、第2電磁弁28が開弁する。エアミックスドア36の位置は、実線で示す位置とされる。これにより、圧縮機14から吐出された冷媒は、実線の矢印で示すように、放熱器16、第2迂回流路27、室外熱交換器20、冷房用膨張弁22、蒸発器24、アキュムレータ12の順に流れ、圧縮機14に吸入される。送風機34から送られた空気は、蒸発器24を通過し、放熱器16を通過しない。蒸発器24で冷却された空気が車室内に向かうことで、冷房が行わる。
暖房時に、第1電磁弁26が開弁し、第2電磁弁28が閉弁する。エアミックスドア36の位置は、破線で示す位置とされる。これにより、圧縮機14から吐出された冷媒は、破線の矢印で示すように、放熱器16、暖房用膨張弁18、室外熱交換器20、第1迂回流路25、アキュムレータ12の順に流れ、圧縮機14に吸入される。送風機34から送られた空気は、蒸発器24、放熱器16を通過して、車室内に向かう。放熱器16で加熱された空気が車室内に向かうことで、暖房が行われる。
次に、アキュムレータ12の構成について説明する。図2に示すように、アキュムレータ12は、タンク101と、インナーパイプ102と、アウターパイプ103と、気液分離部材104とを備える。
タンク101の内部には、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、分離された液相冷媒と冷媒に含まれていたオイルとを貯える空間101aが形成されている。本実施形態では、タンク101の内部の空間101aが、オイルを貯える貯油室に対応する。
タンク101は、タンク本体部105と、タンク蓋部106とを有する。タンク本体部105とタンク蓋部106とは、いずれも、金属製である。タンク本体部105は、上端側が開口し、下端側が閉塞した筒状である。タンク蓋部106は、タンク本体部105の上端側に位置し、タンク本体部105の上端側を閉塞する。タンク蓋部106には、冷媒流入孔107と冷媒流出孔108とが形成されている。
インナーパイプ102は、タンク101の内部に配置されている。インナーパイプ102は、上下方向に延びる筒である。インナーパイプ102は、金属製である。インナーパイプ102は、合成樹脂製であってもよい。インナーパイプ102の上端側は、インナーパイプ102の内部空間が冷媒流出孔108と連通するように、タンク蓋部106に接続されている。インナーパイプ102の下端102aは、開口しており、タンク本体部105の底部105aよりも上側に位置する。
アウターパイプ103は、タンク101の内部に配置されている。アウターパイプ103は、上下方向に延びる筒である。アウターパイプ103は、金属製である。アウターパイプ103は、合成樹脂製であってもよい。アウターパイプ103は、インナーパイプ102とアウターパイプ103とが二重管をなすように、インナーパイプ102の外側に配置されている。アウターパイプ103の上端は、開口しており、タンク蓋部106よりも下側に位置する。アウターパイプ103は、底部103aを有する。アウターパイプ103の底部103aは、上下方向におけるタンク本体部105の底部105aとインナーパイプ102の下端102aとの間に位置する。
気液分離部材104は、タンク101の内部のうち上方側の部位に配置されている。気液分離部材104は、下側が開口したカップ状である。気液分離部材104の上部は、上下方向に対して交差する方向に広がっている。気液分離部材104の上部は、冷媒流入孔107と上下方向で対向している。アウターパイプ103の上端は、気液分離部材104の上部よりも下側に位置する。
図3に示すように、アウターパイプ103の底部103aには、底部連通孔110が形成されている。底部連通孔110は、アウターパイプ103の内部空間と、アウターパイプ103の底部103aとタンク本体部105の底部105aとの間の空間とを連通させる。
アキュムレータ12は、アウターパイプ103の底部103aとタンク本体部105の底部105aとの間に設けられた仕切壁111を有する。仕切壁111は、上下方向に延びている。仕切壁111の上端は、アウターパイプ103の底部103aにつながっている。仕切壁111の下端は、タンク本体部105の底部105aにつながっている。
仕切壁111は、アウターパイプ103の底部103aとタンク本体部105の底部105aとの間の空間を内側空間112と外側空間113とに仕切る。内側空間112は、仕切壁111よりも内側に位置し、底部連通孔110に連通する。外側空間113は、仕切壁111よりも外側に位置し、タンク本体部105の内側かつアウターパイプ103の外側の空間に連通する。外側空間113に、異物を除去するフィルタ114が配置されている。
仕切壁111には、仕切壁孔115が形成されている。仕切壁孔115は、内側空間112と外側空間113とを連通させる。タンク本体部105の内側かつアウターパイプ103の外側の空間は、外側空間113、仕切壁孔115、内側空間112および底部連通孔110を介して、アウターパイプ103の内部空間に連通している。
アキュムレータ12は、バルブモジュールX0を有する。バルブモジュールX0は、タンク本体部105の底部105aの外側に設けられている。
[バルブモジュールX0の構成]
ここで、バルブモジュールX0の構成を説明する。バルブモジュールX0は、マイクロバルブX1、バルブケーシングX2、封止部材X3、2つのOリングX4、X5、2本の電気配線X6、X7を有している。
マイクロバルブX1は、板形状の弁部品であり、主として半導体チップによって構成されている。マイクロバルブX1は、半導体チップ以外の部品を有していてもいなくてもよい。したがって、マイクロバルブX1を小型に構成できる。マイクロバルブX1の厚さ方向の長さは例えば2mmであり、厚さ方向に直交する長手方向の長さは例えば10mmであり、長手方向にも厚さ方向にも直交する短手方向の長さは例えば5mmであるが、これに限定されない。
マイクロバルブX1は、開閉弁として機能する。マイクロバルブX1への通電、非通電が切り替わることで、開閉が切り替わる。具体的には、マイクロバルブX1は、通電時に開弁し、非通電時に閉弁する常閉弁である。
電気配線X6、X7は、マイクロバルブX1の表裏にある2つの板面のうち、バルブケーシングX2とは反対側の面から伸びて、封止部材X3、バルブケーシングX2内を通過して、バルブモジュールX0の外部にある電源に接続される。これにより、電気配線X6、X7を通して、電源からマイクロバルブX1に電力が供給される。
バルブケーシングX2は、マイクロバルブX1を収容する樹脂製のケーシングである。バルブケーシングX2は、ポリフェニレンサルファイドを主成分として樹脂成形によって形成されている。バルブケーシングX2は、一方側に底壁を有し、他方側が開放された箱体である。バルブケーシングX2の底壁は、マイクロバルブX1と底部105aとが直接接しないように、底部105aとマイクロバルブX1の間に介在する。そして、この底壁の一方側の面が底部105aに接触して固定され、他方側の面がマイクロバルブX1の2つの板面のうち一方に接触して固定される。このようになっていることで、マイクロバルブX1とタンク本体部105の線膨張係数の違いをバルブケーシングX2が吸収できる。これは、バルブケーシングX2の線膨張係数が、マイクロバルブX1の線膨張係数とタンク本体部105の線膨張係数の間の値となっているからである。
また、バルブケーシングX2の底壁は、マイクロバルブX1に対向する板形状のベース部X20と、マイクロバルブX1から離れる方向に当該ベース部X20から突出する柱形状の第1突出部X21、第2突出部X22を有する。
第1突出部X21は、底部105aに形成された第1開口部116に嵌め込まれている。第1開口部116は、内側空間112に連通している。第1突出部X21には、マイクロバルブX1側端から内側空間112側端まで貫通する第1連通孔XV1が形成されている。第1連通孔XV1は、内側空間112に連通している。
第2突出部X22は、底部105aに形成された第2開口部117に嵌め込まれている。第2開口部117は、外側空間113に連通している。第2突出部X22には、マイクロバルブX1側端から外側空間113側端まで貫通する第2連通孔XV2が形成されている。第2連通孔XV2は、外側空間113に連通している。
封止部材X3は、バルブケーシングX2の開放された上記他方側を封止するエポキシ樹脂製の部材である。封止部材X3は、マイクロバルブX1の表裏にある2つの板面のうち、バルブケーシングX2の底壁側とは反対側の板面を、覆う。また、封止部材X3は、電気配線X6、X7を覆うことで、電気配線X6、X7の防水および絶縁を実現する。封止部材X3は、樹脂ポッティング等によって形成される。
OリングX4は、第1突出部X21の外周に取り付けられ、底部105aと第1突出部X21の間を封止することで、タンク101の外部へのオイルの漏出を抑制する。OリングX5は、第2突出部X22の外周に取り付けられ、底部105aと第2突出部X22の間を封止することで、タンク101の外部へのオイルの漏出を抑制する。
ここで、マイクロバルブX1の構成について更に説明する。マイクロバルブX1は、図4、図5に示すように、いずれも半導体である第1外層X11、中間層X12、第2外層X13を備えたMEMSである。MEMSは、Micro Electro Mechanical Systemsの略称である。第1外層X11、中間層X12、第2外層X13は、それぞれが同じ外形を有する長方形の板形状の部材であり、第1外層X11、中間層X12、第2外層X13の順に積層されている。すなわち、中間層X12が、第1外層X11と第2外層X13に両側から挟まれている。第1外層X11、中間層X12、第2外層X13のうち、第2外層X13が、バルブケーシングX2の底壁に最も近い側に配置される。後述する第1外層X11、中間層X12、第2外層X13の構造は、化学的エッチング等の半導体製造プロセスによって形成される。
第1外層X11は、表面に非導電性の酸化膜のある導電性の半導体部材である。第1外層X11には、図4に示すように、表裏に貫通する2つの貫通孔X14、X15が形成されている。この貫通孔X14、X15に、それぞれ、電気配線X6、X7のマイクロバルブX1側端が挿入される。
第2外層X13は、表面に非導電性の酸化膜のある導電性の半導体部材である。第2外層X13には、図4、図6、図7に示すように、表裏に貫通する第1オイル孔X16、第2オイル孔X17が形成されている。図7に示すように、第1オイル孔X16はバルブケーシングX2の第1連通孔XV1に連通し、第2オイル孔X17はバルブケーシングX2の第2連通孔XV2に連通する。第1オイル孔X16、第2オイル孔X17の各々の水力直径は、例えば0.1mm以上かつ3mm以下であるが、これに限定されない。
中間層X12は、導電性の半導体部材である。中間層X12は、第1外層X11の酸化膜と第2外層X13の酸化膜とに接触するので、第1外層X11と第2外層X13とも電気的に非導通である。中間層X12は、図6に示すように、第1固定部X121、第2固定部X122、複数本の第1リブX123、複数本の第2リブX124、スパインX125、アームX126、梁X127、可動部X128を有している。
第1固定部X121は、第1外層X11、第2外層X13に対して固定された部材である。第1固定部X121は、第2固定部X122、第1リブX123、第2リブX124、スパインX125、アームX126、梁X127、可動部X128を同じ1つのオイル室X19内に囲むように形成されている。オイル室X19は、第1固定部X121、第1外層X11、第2外層X13によって囲まれた室である。第1固定部X121、第1外層X11、第2外層X13は、全体として基部に対応する。なお、電気配線X6、X7は複数の第1リブX123および複数の第2リブX124の温度を変化させて変位させるための電気配線である。
第1固定部X121の第1外層X11および第2外層X13に対する固定は、オイルがこのオイル室X19から第1オイル孔X16、第2オイル孔X17以外を通ってマイクロバルブX1から漏出することを抑制するような形態で、行われている。
第2固定部X122は、第1外層X11、第2外層X13に対して固定される。第2固定部X122は、第1固定部X121に取り囲まれると共に、第1固定部X121から離れて配置される。
複数本の第1リブX123、複数本の第2リブX124、スパインX125、アームX126、梁X127、可動部X128は、第1外層X11、第2外層X13に対して固定されておらず、第1外層X11、第2外層X13に対して変位可能である。
スパインX125は、中間層X12の矩形形状の短手方向に伸びる細長い棒形状を有している。スパインX125の長手方向の一端は、梁X127に接続されている。
複数本の第1リブX123は、スパインX125の長手方向に直交する方向におけるスパインX125の一方側に配置される。そして、複数本の第1リブX123は、スパインX125の長手方向に並んでいる。各第1リブX123は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第1リブX123は、その長手方向の一端で第1固定部X121に接続され、他端でスパインX125に接続される。そして、各第1リブX123は、第1固定部X121側からスパインX125側に近付くほど、スパインX125の長手方向の梁X127側に向けてオフセットされるよう、スパインX125に対して斜行している。そして、複数の第1リブX123は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第2リブX124は、スパインX125の長手方向に直交する方向におけるスパインX125の他方側に配置される。そして、複数本の第2リブX124は、スパインX125の長手方向に並んでいる。各第2リブX124は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第2リブX124は、その長手方向の一端で第2固定部X122に接続され、他端でスパインX125に接続される。そして、各第2リブX124は、第2固定部X122側からスパインX125側に近付くほど、スパインX125の長手方向の梁X127側に向けてオフセットされるよう、スパインX125に対して斜行している。そして、複数の第2リブX124は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第1リブX123、複数本の第2リブX124、スパインX125は、全体として、駆動部に対応する。
アームX126は、スパインX125と非直交かつ平行に伸びる細長い棒形状を有している。アームX126の長手方向の一端は梁X127に接続されており、他端は第1固定部X121に接続されている。
梁X127は、スパインX125およびアームX126に対して約90°で交差する方向に伸びる細長い棒形状を有している。梁X127の一端は、可動部X128に接続されている。アームX126と梁X127は、全体として、増幅部に対応する。
アームX126と梁X127の接続位置XP1、スパインX125と梁X127の接続位置XP2、梁X127と可動部X128の接続位置XP3は、梁X127の長手方向に沿って、この順に並んでいる。そして、第1固定部X121とアームX126との接続点をヒンジXP0とすると、中間層X12の板面に平行な面内におけるヒンジXP0から接続位置XP2までの直線距離よりも、ヒンジXP0から接続位置XP3までの直線距離の方が、長い。
可動部X128は、その外形が、梁X127の長手方向に対して概ね90°の方向に伸びる矩形形状を有している。この可動部X128は、オイル室X19内において梁X127と一体に動くことができる。そして、可動部X128は、そのように動くことで、ある位置にいるときには第1オイル孔X16と第2オイル孔X17とをオイル室X19を介して連通させ、また別の位置にいるときには第1オイル孔X16と第2オイル孔X17とをオイル室X19内において遮断する。可動部X128は、中間層X12の表裏に貫通する貫通孔X120を囲む枠形状となっている。したがって、貫通孔X120も、可動部X128と一体的に移動する。貫通孔X120は、オイル室X19の一部である。
また、第1固定部X121のうち、複数の第1リブX123と接続する部分の近傍の第1印加点X129には、図4に示した第1外層X11の貫通孔X14を通った電気配線X6のマイクロバルブX1側端が接続される。また、第2固定部X122の第2印加点X130には、図4に示した第1外層X11の貫通孔X15を通った電気配線X7のマイクロバルブX1側端が接続される。
[バルブモジュールX0の作動]
ここで、バルブモジュールX0の作動について説明する。マイクロバルブX1への通電時は、電気配線X6、X7から第1印加点X129、第2印加点X130に電圧が印加される。すると、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124を電流が流れる。この電流によって、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124が発熱してそれらの温度が上昇する。その結果、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124の各々が、その長手方向に膨張する。
このような、温度上昇に伴う熱的な膨張の結果、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124は、スパインX125を接続位置XP2側に付勢する。付勢されたスパインX125は、接続位置XP2において、梁X127を押す。このように、接続位置XP2は付勢位置に対応する。その結果、梁X127とアームX126から成る部材は、ヒンジXP0を支点として、接続位置XP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁X127のアームX126とは反対側の端部に接続された可動部X128も、その長手方向の、スパインX125が梁X127を押す側に、移動する。その移動の結果、可動部X128は、図8、図9に示すように、移動方向の先端が第1固定部X121に当接する位置に到達する。以下、可動部X128のこの位置を通電時位置という。
このように、梁X127およびアームX126は、ヒンジXP0を支点とし、接続位置XP2を力点とし、接続位置XP3を作用点とする梃子として機能する。上述の通り、中間層X12の板面に平行な面内におけるヒンジXP0から接続位置XP2までの直線距離よりも、ヒンジXP0から接続位置XP3までの直線距離の方が、長い。したがって、力点である接続位置XP2の移動量よりも、作用点である接続位置XP3の移動量の方が大きくなる。したがって、熱的な膨張による変位量が、梃子によって増幅されて可動部X128に伝わる。
図8、図9に示すように、可動部X128が通電時位置にある場合、貫通孔X120が中間層X12の板面に直交する方向に第1オイル孔X16、第2オイル孔X17と重なる。その場合、第1オイル孔X16と第2オイル孔X17とがオイル室X19の一部である貫通孔X120を介して連通する。この結果、第1連通孔XV1と第2連通孔XV2との間で、第1オイル孔X16、貫通孔X120、第2オイル孔X17を介した、オイルの流通が可能となる。つまり、マイクロバルブX1が開弁する。
このときの、マイクロバルブX1におけるオイルの流路は、Uターン構造を有している。具体的には、オイルは、マイクロバルブX1の一方側の面からマイクロバルブX1内に流入し、マイクロバルブX1内を通って、マイクロバルブX1の同じ側の面からマイクロバルブX1外に流出する。そして、同様にバルブモジュールX0におけるオイルの流路も、Uターン構造を有している。具体的には、オイルは、バルブモジュールX0の一方側の面からバルブモジュールX0内に流入し、バルブモジュールX0内を通って、バルブモジュールX0の同じ側の面からバルブモジュールX0外に流出する。なお、中間層X12の板面に直交する方向は、第1外層X11、中間層X12、第2外層X13の積層方向である。
また、マイクロバルブX1への非通電時は、電気配線X6、X7から第1印加点X129、第2印加点X130への電圧印加が停止される。すると、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124を電流が流れなくなり、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124の温度が低下する。その結果、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124の各々が、その長手方向に収縮する。
このような、温度低下に伴う熱的な収縮の結果、複数の第1リブX123、複数の第2リブX124は、スパインX125を接続位置XP2とは反対側に付勢する。付勢されたスパインX125は、接続位置XP2において、梁X127を引っ張る。その結果、梁X127とアームX126から成る部材は、ヒンジXP0を支点として、接続位置XP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁X127のアームX126とは反対側の端部に接続された可動部X128も、その長手方向の、スパインX125が梁X127を引っ張る側に、移動する。その移動の結果、可動部X128は、図6、図7に示すように、第1固定部X121に当接しない位置に到達する。以下、可動部X128のこの位置を非通電時位置という。
図6、図7に示すように、可動部X128が非通電時位置にある場合、貫通孔X120は、中間層X12の板面に直交する方向に第1オイル孔X16と重なるが、当該方向に第2オイル孔X17とは重ならない。第2オイル孔X17は、中間層X12の板面に直交する方向に可動部X128と重なる。つまり、第2オイル孔X17は、可動部X128によって塞がれる。この場合、第1オイル孔X16と第2オイル孔X17とがオイル室X19内において遮断される。この結果、第1連通孔XV1と第2連通孔XV2との間で、第1オイル孔X16、第2オイル孔X17を介したオイルの流通は阻害される。つまり、マイクロバルブX1が閉弁する。
次に、アキュムレータ12の作動について説明する。
図2中の矢印R0のように、冷媒は、冷媒流入孔107からタンク101の内部に流入した後、気液分離部材104に衝突して液相冷媒と気相冷媒とに分離される。分離された液相冷媒および冷媒中に含まれていたオイルは、矢印R1のように、そのまま直進下降してタンク101の内部に貯留される。その後、液相冷媒とオイルとの分離が進む。図2に示すように、液相冷媒R1aの下方にオイルR1bが溜まる。すなわち、オイルは、タンク101の底部側に部分に溜まる。
一方、分離された気相冷媒は、図2中の矢印R2のように、タンク101の内部を流れる。すなわち、気相冷媒は、アウターパイプ103の上端からアウターパイプ103の内部に流入する。気相冷媒は、アウターパイプ103の内周面とインナーパイプ102の外周面との間を下降する。下降した気相冷媒は、インナーパイプ102の下端102aからインナーパイプ102の内部に流入し、インナーパイプ102の内部を上昇する。上昇した気相冷媒は、冷媒流出孔108から流出し、圧縮機14に吸入される。
タンク101の底部側に溜まったオイルは、図3中の矢印O1のように、外側空間113、仕切壁孔115、内側空間112を通過して、底部連通孔110からアウターパイプ103の内部に吸引される。このオイルの流れは、図2中の矢印R2に示される気相冷媒の流れによって形成される。したがって、底部連通孔110は、気相冷媒の流れによってオイルが吸引されるオイル吸引部に対応する。このとき、フィルタ114によって異物のアウターパイプ103の内部への侵入が阻止される。オイルは、気相冷媒とともに、冷媒流出孔108から流出し、圧縮機14に戻される。
マイクロバルブX1が開弁しているとき、図3中の矢印O1のオイル流れに加えて、図3中の矢印O2のオイル流れが形成される。すなわち、オイルは、外側空間113、第2連通孔XV2、マイクロバルブX1、第1連通孔XV1、内側空間112を順に流れる。マイクロバルブX1を通過したオイルは、内側空間112で、仕切壁孔115を通過したオイルに合流する。一方、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、図3中の矢印O2のオイル流れは、形成されない。
本実施形態では、マイクロバルブX1が開弁しているとき、矢印O1、矢印O2のようにオイルが流れる。このため、外側空間113、仕切壁孔115、内側空間112、底部連通孔110、第2連通孔XV2および第1連通孔XV1が、全体として、貯油室から圧縮機の摺動部に向かってオイルが流れるオイル流路に対応する。また、アウターパイプ103の底部103a、タンク本体部105の底部105aおよび仕切壁111は、内側空間112、外側空間113を形成する。アウターパイプ103の底部103aは、底部連通孔110を形成する。仕切壁111は、仕切壁孔115を形成する。バルブケーシングX2は、第1連通孔XV1、第2連通孔XV2を形成する。このため、アウターパイプ103の底部103a、タンク本体部105の底部105a、仕切壁111およびバルブケーシングX2が、全体として、オイル流路を形成する流路形成部に対応する。
また、マイクロバルブX1は、バルブケーシングX2に設けられている。このため、弁部品は、オイル流路を形成する流路形成部に設けられている。マイクロバルブX1の第1オイル孔X16は、バルブケーシングX2の第1連通孔XV1に連通している。このため、第1オイル孔X16は、オイル流路の一部に連通している。マイクロバルブX1の第2オイル孔X17は、バルブケーシングX2の第2連通孔XV2に連通している。このため、第2オイル孔X17は、オイル流路の他の一部に連通している。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、弁機構として、マイクロバルブX1が用いられている。マイクロバルブX1は、従来の電磁弁と比べて容易に小型化できる。その理由の1つは、マイクロバルブX1が上述の通り半導体チップにより形成されているということである。また、上述の通り、梃子を利用して熱的な膨張による変位量が増幅されることも、そのような梃子を利用しない電磁弁と比べた小型化に寄与する。
また、本実施形態と異なり、アキュムレータ12がマイクロバルブX1を備えていない場合、オイルは、オイル戻し孔である仕切壁孔115を通過して、アウターパイプ103の内部に吸引される。このとき、仕切壁孔115の大きさは固定されている。このとき、仕切壁孔115を通過するオイルの流量は、アウターパイプ103およびインナーパイプ102を流れる気相冷媒の流速によって決まる。したがって、サイクル全体を流れる冷媒の流量が少なく、気相冷媒の流速が遅い場合、仕切壁孔115を通過するオイルの流量は少ない。圧縮機14の摺動部に戻されるオイルの流量であるオイル戻し量は、少ない。オイル戻し量が少ない状態が続くと、圧縮機14が故障する。
これに対して、本実施形態では、アキュムレータ12は、マイクロバルブX1を備えている。上述の通り、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、オイルは仕切壁孔115を通過し、マイクロバルブX1を通過しない。マイクロバルブX1が開弁しているとき、オイルは仕切壁孔115とマイクロバルブX1との両方を通過する。このため、図10に示すように、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、アウターパイプ103の内部に流入するオイルの流量は、0よりも多い第1流量A1である。マイクロバルブX1が開弁しているとき、アウターパイプ103の内部に流入するオイルの流量は、第1流量A1よりも多い第2流量A2である。このように、マイクロバルブX1の開閉が切り替わることで、オイルの流量を第1流量A1と第2流量A2との二段階で調整することができる。
そこで、サイクル中の冷媒の流量が所定量よりも多い場合、マイクロバルブX1は閉弁する。サイクル中の冷媒の流量が所定量よりも多い場合とは、例えば、圧縮機14の回転数が所定の回転数よりも大きい場合である。サイクル中の冷媒の流量が所定量よりも少ない場合、マイクロバルブX1は開弁する。サイクル中の冷媒の流量が所定量よりも少ない場合とは、例えば、圧縮機14の回転数が所定の回転数よりも小さい場合である。マイクロバルブX1が開弁することで、閉弁時と比較して、オイル戻し量を増大させることができる。これにより、圧縮機14の故障を回避することができる。
このように、本実施形態によれば、アキュムレータ12の体格の増大を抑制しつつ、オイル戻し量の調整をすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、マイクロバルブX1の流路開度が任意の大きさに変更可能となっている。それ以外のアキュムレータ12およびそれを含む冷凍サイクル装置10の構成は、第1実施形態と同じである。
具体的には、本実施形態では、図8中の第1印加点X129、第2印加点X130に印加される電圧がPWM制御される。PWM制御は、通電と非通電とを繰り返し切り替える制御である。このとき、Duty比が大きいほど、供給される電力が大きい。Duty比は、ある期間に占める通電時間の割合である。電力が大きいほど、温度が高くなり、熱膨張量が大きくなる。このため、Duty比が大きいほど、非通電時に対する通電時の移動量が大きくなる。よって、PWM制御により、可動部X128の位置を全閉位置から全開位置の間で連続的に変更することができる。
このため、マイクロバルブX1は、Duty比を0%から100%までの間で連続的に変更することで、図11に示すように、流路の開度を0%から100%までの間で直線的に変更することができる。流路の開度が0%よりも大きいときの流路断面積は、冷媒を減圧させる大きさである。マイクロバルブX1の流路開度を任意の大きさに変更することで、アウターパイプ103に流入するオイルの流量を、第1流量A1と第2流量A2との間の任意の大きさに調整することができる。
ここで、本実施形態と異なり、アキュムレータ12がマイクロバルブX1を備えていない場合、オイルは、仕切壁孔115を通過して、アウターパイプ103の内部に吸引される。このとき、仕切壁孔115の大きさは固定されている。このため、オイル戻し量を所望の量に調整することができない。このため、圧縮機14の回転数が変動すると、圧縮機14の効率を高くするための最適なオイルレートに維持することができない。オイルレートは、冷媒全体に対するオイルの割合である。
これに対して、本実施形態によれば、上述の通り、マイクロバルブX1の開度を変更することで、オイル戻し量を第1流量A1と第2流量A2との間の任意の大きさに調整することができる。このため、圧縮機の回転数に応じた最適なオイル戻り量となるように、圧縮機の回転数に基づいて、マイクロバルブX1の開度が制御される。この最適なオイル戻り量は、圧縮機の回転数に応じた最適なオイルレートとなるように、設定されるオイル戻し量である。これにより、圧縮機の回転数が変動しても、最適な量でオイルを戻すことができ、最適なオイルレートを維持することができる。
なお、本実施形態では、仕切壁111に仕切壁孔115が形成されている。しかし、仕切壁111に仕切壁孔115が形成されていなくてもよい。この場合、マイクロバルブX1の開度を変更することで、オイル戻し量をゼロと最大値との間で任意の大きさに調整することができる。
(第3実施形態)
図12に示すように、本実施形態では、本発明のオイル戻し装置がオイルセパレータ15に適用されている。オイルセパレータ15は、圧縮機14から吐出された冷媒に含まれるオイルを分離し、分離したオイルを圧縮機14の摺動部に戻す。本実施形態では、オイルセパレータ15は、圧縮機14と一体のものとして構成されている。
圧縮機14は、ハウジング201と、電動機部202と、圧縮機構部203とを備える。ハウジング201は、密閉容器である。ハウジング201は、電動機部202と、圧縮機構部203とを収容する。ハウジング201の内部には、吐出室204と、貯油室205とが形成されている。電動機部202は、圧縮機構部203の回転軸206を回転させる。圧縮機構部203は、回転軸206の回転によって冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出室204に吐出する。本実施形態の圧縮機構部203は、スクロール式であるが、斜板式等の他の種類であってもよい。
ハウジング201は、円筒状の第1ハウジング211と、第1ハウジング211の一端側に接合された有底円筒状の第2ハウジング212と、第1ハウジング211の他端側に接合された有底円筒状の第3ハウジング213と、第3ハウジング213の端部の内周面に接合された第4ハウジング214とを含む。第1ハウジング211と、第2ハウジング212と、第3ハウジング213とによって囲まれた空間が、電動機部202および圧縮機構部203を収容する収容室である。第3ハウジング213と第4ハウジング214とによって囲まれた空間が貯油室205である。
圧縮機構部203は、可動スクロール221と、固定スクロール222と、回転軸206とを含む。可動スクロール221は、ハウジング201に対して固定されていない。可動スクロール221は、クランク機構を介して、回転軸206と連結されている。固定スクロール222は、ハウジング201に対して固定されている。固定スクロール222は、回転軸206の軸方向で可動スクロール221に対向して配置されている。回転軸206は、ハウジング201に固定された主軸受224と副軸受225とによって支持されている。
可動スクロール221は、回転軸206が回転すると、クランク機構によって公転する。可動スクロール221と固定スクロール222とは、それぞれ、渦巻き状の溝を有している。これらの溝の噛み合いによって形成される複数の作動室226が体積を縮小させる。これにより、作動室226に供給された冷媒が圧縮される。
固定スクロール222に対して可動スクロール221側の反対側に、吐出室204が形成されている。吐出室204は、吐出口227を介して、作動室226に連通している。作動室226で圧縮された冷媒は、吐出室204に吐出される。
また、固定スクロール222には、オイル戻し通路228が形成されている。オイル戻し通路228は、可動スクロール221と固定スクロール222との摺動界面に連通している。可動スクロール221には、オイル供給通路229が形成されている。回転軸206の内部には、オイル供給通路230が形成されている。オイル供給通路229、230は、オイル戻し通路228に連通している。
圧縮機14は、第1筒体231と、第2筒体232と、冷媒吐出管233と、オイル輸送管234と、流量調整部235とをさらに備える。本実施形態では、第1筒体231と、第2筒体232と、冷媒吐出管233と、オイル輸送管234と、流量調整部235と、第3ハウジング213と、第4ハウジング214とが、オイルセパレータ15を構成している。
第1筒体231は、上端が開口し下端に底を有する円筒形状である。第2筒体232は、上端と下端とが開口する円筒形状である。第2筒体232は、外径が大きい大径部と、大径部よりも外径が小さい小径部とを有する。小径部は、大径部の下側に位置する。第2筒体232は、第1筒体231の内部に、第1筒体231に対して同心状に配置されている。第2筒体232の大径部は、第1筒体231の上端部に固定されている。第1筒体231の周壁部231aのうち第2筒体232の小径部に対向する位置に、冷媒流入口231bが形成されている。第2筒体232の上端には、図1に示す放熱器16の冷媒流入口側が接続されている。
冷媒吐出管233の一端側は、吐出室204に接続されている。冷媒吐出管233の他端側は、冷媒流入口231bに接続されている。冷媒吐出管233を介して、吐出室204から冷媒流入口231bへ冷媒が流れる。
第1筒体231の下端側の部分は、第3ハウジング213の上部を貫通し、貯油室205に位置している。第1筒体231の周壁部231aのうち貯油室205に位置する部分に、オイル出口231cが形成されている。
貯油室205は、オイル出口231cから流出したオイルを貯える。すなわち、貯油室205は、冷媒から分離されたオイルを貯える。貯油室205には、磁石236が配置されている。磁石236は、オイル出口231cから磁石236へオイルが落下する位置に配置されている。磁石236は、第3ハウジング213に固定された取付金具237に取り付けられている。
オイル輸送管234は、貯油室205から圧縮機14の摺動部に向けてオイルが流れる流路を内部に形成する。オイル輸送管234の一端側は、第3ハウジング213の底部に設けられたオイル輸送口213aに接続されている。オイル輸送管234の他端側は、第1ハウジング211に設けられたオイル戻し口211aに接続されている。オイル戻し口211aは、オイル戻し通路228に連通している。オイル輸送管234を介して、貯油室205とオイル戻し通路228とが連通している。
流量調整部235は、オイル輸送管234の途中に設けられている。流量調整部235は、オイル輸送管234の内部の流路を流れるオイルの流量を調整する。
図13に示すように、流量調整部235は、バルブモジュールX0と、ブロック体240とを有する。バルブモジュールX0は、ブロック体240に接続されている。バルブモジュールX0の構成は、第1実施形態と同じである。オイル輸送管234は、第1配管234aと、第2配管234bとを含む。第1配管234aの内部の流路234cは、貯油室205に連通している。第2配管234bの内部の流路234dは、オイル戻し通路228に連通している。
ブロック体240は、バルブモジュールX0と、第1配管234aと、第2配管234bとを接続する接続部材である。ブロック体240の内部には、第1流路241と第2流路242と第3流路243とが形成されている。ブロック体240の内部では、第3流路243を介して、第1流路241と第2流路242とが連通している。第3流路243は、第1流路241と第2流路242とのそれぞれよりも流路断面積が小さな流路である。第1流路241に第1配管234aが接続されている。第2流路242に第2配管234bが接続されている。
ブロック体240には、第1流路241に連通する第1開口部241aと、第2流路242に連通する第2開口部242aとが形成されている。第2開口部242aは、第1開口部241aの隣りに配置されている。第1開口部241a、第2開口部242aのそれぞれに、バルブモジュールX0の第1突出部X21、第2突出部X22が挿入されている。これにより、第1配管234aの内部の流路234cは、第1連通孔XV1と連通している。第2配管234bの内部の流路234dは、第2連通孔XV2と連通している。
次に、圧縮機14およびオイルセパレータ15の作動について説明する。
作動室226で圧縮された冷媒は、吐出口227を介して、吐出室204に流入する。吐出室204に流入した冷媒は、冷媒吐出管233を流れ、冷媒流入口231bから第1筒体231の内部に流入する。流入した冷媒は、第1筒体231の内周面と第2筒体の232の外周面との間の空間に、旋回流を形成する。旋回流の遠心力によって冷媒に混入しているオイルおよび異物が分離される。したがって、第1筒体231、第2筒体232および冷媒流入口231bは、全体として、冷媒からオイル部を分離する分離部に対応する。オイルが分離された冷媒は、第2筒体232から流出し、放熱器16へ向かって流れる。
分離されたオイルおよび異物は、第1筒体231の内壁を伝って流下する。オイルおよび異物は、オイル出口231cから落下して、貯油室205に流入する。このとき、オイルおよび異物は、磁石236に上面に落下する。これにより、オイルに含まれている金属の異物が磁石236に吸着される。金属の異物が除去されたオイルは、貯油室205に貯えられる。
貯油室205に貯えられたオイルは、オイル輸送管234および流量調整部235を介して、オイル戻し通路228に流入する。具体的には、図13に示すように、流量調整部235の内部では、図13中の矢印O3のオイル流れが形成される。すなわち、貯油室205に貯えられたオイルは、第1配管234aの内部の流路234c、第1流路241、第3流路243、第2流路242、第2配管234bの内部の流路234dの順に流れる。
マイクロバルブX1が開弁しているとき、図13中の矢印O3のオイル流れに加えて、図13中の矢印O4のオイル流れが形成される。すなわち、オイルは、第1流路241、第1連通孔XV1、マイクロバルブX1、第2連通孔XV2、第2流路242を順に流れる。換言すると、オイルは、第3流路243を迂回して流れる。マイクロバルブX1を通過したオイルは、第3流路243を通過したオイルに合流する。一方、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、図13中の矢印O4のオイル流れは形成されない。なお、貯油室205からオイル戻し通路228に向かうオイルの流れは、貯油室205とハウジング201の収容室との間の圧力差によって形成される。
オイル戻し通路228を流れるオイルは、可動スクロール221と固定スクロール222との摺動界面に供給される。さらに、オイル戻し通路228から流出したオイルは、オイル供給通路229、230を流れる。これにより、主軸受224、副軸受225等にオイルが供給される。
このように、圧縮機14から吐出された冷媒に含まれるオイルは、オイルセパレータ15で分離される。分離されたオイルは、可動スクロール221と固定スクロール222との摺動界面、主軸受224、副軸受225等の圧縮機構部203の摺動部に戻される。
本実施形態では、マイクロバルブX1が開弁しているとき、矢印O3、矢印O4のようにオイルが流れる。このため、第1配管234aの内部の流路234c、第1流路241、第3流路243、第2流路242、第2配管234bの内部の流路234d、第1連通孔XV1および第2連通孔XV2が、全体として、貯油室から圧縮機の摺動部に向かってオイルが流れるオイル流路に対応する。また、第1配管234aは、流路234cを形成する。第2配管234bは、流路234dを形成する。ブロック体240は、第1流路241、第3流路243、第2流路242を形成する。バルブケーシングX2は、第1連通孔XV1、第2連通孔XV2を形成する。このため、第1配管234a、第2配管234b、ブロック体240およびバルブケーシングX2は、全体として、オイル流路を形成する流路形成部に対応する。また、マイクロバルブX1は、バルブケーシングX2に設けられている。このため、弁部品は、オイル流路を形成する流路形成部に設けられている。
次に、本実施形態の特徴について説明する。本実施形態では、オイルの流量を調整する弁機構として、第1実施形態と同様に、マイクロバルブX1が用いられている。第1実施形態での説明の通り、従来の電磁弁と比べてマイクロバルブX1の小型化が可能である。
また、本実施形態と異なり、オイルセパレータ15がマイクロバルブX1を備えていない場合、オイルは、第3流路243を通過して、アウターパイプ103の内部に吸引される。第3流路243の大きさは固定されている。このため、第3流路243を通過するオイルの流量は、一定である。圧縮機14の回転数が高く、圧縮機14から吐出される冷媒の流量が多いとき、貯油室205から圧縮機14の内部へのオイル戻しが間に合わず、貯油室205からオイルがあふれることがある。あふれたオイルは、冷媒とともに放熱器16等に流入する。このため、圧縮機14の内部のオイルが不足する。
これに対して、本実施形態では、オイルセパレータ15は、マイクロバルブX1を含む流量調整部235を備えている。上述の通り、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、オイルは第3流路243を通過し、マイクロバルブX1を通過しない。マイクロバルブX1が開弁しているとき、オイルは第3流路243とマイクロバルブX1との両方を通過する。このため、図10に示すように、マイクロバルブX1が閉弁しているとき、流量調整部235から流出するオイルの流量は、第1流量A1である。マイクロバルブX1が開弁しているとき、流量調整部235から流出するオイルの流量は、第2流量A2である。このように、マイクロバルブX1の開閉が切り替わることで、オイルの流量を第1流量A1と第2流量A2との二段階で調整することができる。
そこで、本実施形態では、圧縮機14の回転数が所定値よりも低い場合、マイクロバルブX1は閉弁する。圧縮機14の回転数が所定値よりも高い場合、マイクロバルブX1は開弁する。これにより、貯油室205に溜まっているオイルがあふれることを回避できる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、流量調整部235のブロック体240に、第3流路243が形成されている。本実施形態では、第3実施形態と異なり、図14に示すように、ブロック体240に、第3流路243が形成されていない。第1流路241と第2流路242とのそれぞれは、マイクロバルブX1の流路に連通している。
さらに、本実施形態では、第3実施形態と異なり、マイクロバルブX1の流路開度が任意の大きさに変更可能となっている。マイクロバルブX1の流路開度を任意の大きさに変更する方法は、第2実施形態と同じである。これら以外のオイルセパレータ15の構成は、第3実施形態と同じである。
ここで、本実施形態と異なり、オイルセパレータ15が流量調整部235を備えていない場合、オイル戻し量を所望の量に調整することができない。このため、圧縮機14の回転数の変動したときに、最適なオイルレートに維持することができない。
これに対して、本実施形態によれば、マイクロバルブX1の開度を変更することで、第2実施形態と同様に、図11に示すように、オイル戻し量を第1流量A1と第2流量A2との間の任意の大きさに調整することができる。このため、圧縮機14の回転数に応じた最適なオイル戻り量となるように、圧縮機14の回転数に基づいて、マイクロバルブX1の開度が制御される。これにより、圧縮機14の回転数が変動しても、最適な量でオイルを戻すことができ、最適なオイルレートを維持することができる。
(第5実施形態)
本実施形態は、第1実施形態のマイクロバルブX1が、故障検知機能を有するよう変更されている。具体的には、マイクロバルブX1は、第1実施形態と同じ構成に加え、図15、図16に示すように、故障検知部X50を備えている。
故障検知部X50は、中間層X12のアームX126に形成されたブリッジ回路を含む。ブリッジ回路は、図16のように接続された4つのゲージ抵抗を含んでいる。つまり、故障検知部X50は、ダイヤフラムに相当するアームX126の歪みに応じて抵抗が変化するブリッジ回路である。つまり、故障検知部X50は半導体ピエゾ抵抗式の歪みセンサである。故障検知部X50は、電気的絶縁膜を介して、アームX126と導通しないように、アームX126に接続されていてもよい。
このブリッジ回路の対角にある2つの入力端子に配線X51、X52が接続される。そして、配線X51、X52から当該入力端子に、定電流発生用の電圧が印加される。この配線X51、X52は、電気配線X6、X7を介してマイクロバルブX1に印加される電圧(すなわち、マイクロバルブ駆動電圧)から分岐して上記2つの入力端子まで伸びている。
また、このブリッジ回路の別の対角にある2つの出力端子に、配線X53、X54が接続される。そして、アームX126の歪み量に応じたレベルの電圧信号が配線X53、X54から出力される。この電圧信号は、後述する通り、マイクロバルブX1が正常に作動しているか否かを判別するための情報として使用される。配線X53、X54から出力される電圧信号は、マイクロバルブX1の外部にある制御装置X55に入力される。
この制御装置X55は、例えば、車両用空調装置において圧縮機、送風機、エアミックスドア、内外気切替ドア等の作動を制御するエアコンECUであってもよい。あるいは、この制御装置X55は、車両において、車速、燃料残量、電池残量等を表示するメータECUであってもよい。
アームX126の歪み量に応じた電圧信号を制御装置X55が配線X53、X54を介して取得すると、制御装置X55は、当該電圧信号に応じて、マイクロバルブX1の故障の有無を検知する。検知対象の故障としては、例えば、アームX126が折れる故障、可動部X128と第1外層X11または第2外層X13との間に微小な異物が挟まって可動部X128が動かなくなる故障、等がある。
複数本の第1リブX123および複数本の第2リブX124の伸縮に応じて、梁X127および可動部X128が変位する際、アームX126の歪み量が変化する。したがって、アームX126の歪み量に応じた電圧信号から、可動部X128の位置を推定できる。一方、マイクロバルブX1が正常であれば、電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への通電量と可動部X128の位置との間にも相関関係がある。この通電量は、マイクロバルブX1を制御するための制御量である。
制御装置X55は、このことを利用して、マイクロバルブX1の故障の有無を検知する。つまり、制御装置X55は、配線X53、X54からの電圧信号から、あらかじめ定められた第1マップに基づいて、可動部X128の位置を算出する。そして、あらかじめ定められた第2マップに基づいて、可動部X128の位置から、正常時において当該位置を実現するために必要な電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への供給電力を算出する。これら第1マップ、第2マップは、制御装置X55の不揮発性メモリに記録されている。不揮発性メモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。第1マップにおける電圧信号のレベルと位置との対応関係は、あらかじめ実験等によって定められてもよい。また、第2マップにおける位置と供給電力との対応関係も、あらかじめ実験等によって定められてもよい。
そして、制御装置X55は、算出された電力と、実際に電気配線X6、X7からマイクロバルブX1へ供給されている電力とを比較する。そして、制御装置X55は、前者の電力と後者の電力の差の絶対値が許容値を超えていれば、マイクロバルブX1が故障していると判定し、許容値を超えていなければ、マイクロバルブX1が正常であると判定する。そして、制御装置X55は、マイクロバルブX1が故障していると判定した場合に、所定の故障報知制御を行う。
制御装置X55は、この故障報知制御においては、車内の人に報知を行う報知装置X56を作動させる。例えば、制御装置X55は、警告ランプを点灯させてもよい。また、制御装置X55は、画像表示装置に、マイクロバルブX1に故障が発生したことを示す画像を表示させてもよい。これによって、車両の乗員は、マイクロバルブX1の故障に気付くことができる。
また、制御装置X55は、この故障報知制御においては、車両内の記憶装置に、マイクロバルブX1に故障が発生したことを示す情報を記録してもよい。この記憶装置は、非遷移的実体的記憶媒体である。これにより、マイクロバルブX1の故障を記録に残すことができる。
また、制御装置X55は、マイクロバルブX1が故障していると判定した場合は、通電停止制御を行う。通電停止制御では、制御装置X55は、電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への通電を停止させる。このように、マイクロバルブX1の故障時にマイクロバルブX1への通電を停止することで、マイクロバルブX1の故障時の安全性を高めることができる。
以上のように、故障検知部X50が、マイクロバルブX1が正常に作動しているか否かを判別するための電圧信号を出力することで、制御装置X55は、マイクロバルブX1の故障の有無を容易に判別することができる。
また、この電圧信号は、アームX126の歪み量に応じた信号である。したがって、電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への通電量とこの電圧信号との関係に基づいて、マイクロバルブX1の故障の有無を容易に判別することができる。
なお、本実施形態では、ブリッジ回路を構成する抵抗の変化に基づいてマイクロバルブX1が故障しているか否かが判定されている。しかし、他の方法として、静電容量の変化に基づいてマイクロバルブX1が故障しているか否かが判定されてもよい。この場合、ブリッジ回路の代わりに容量成分を形成する複数の電極がアームX126に形成される。アームX126の歪み量と複数の電極間の静電容量の間は相関関係がある。したがって、制御装置は、この複数の電極間の静電容量の変化に基づいて、マイクロバルブX1が故障しているか否かを判定できる。
(他の実施形態)
(1)第1、第2実施形態では、オイルを貯える貯油室から圧縮機の摺動部に向かってオイルが流れるオイル流路は、タンク101の内部に形成されている。しかし、オイル流路は、タンク101の外部に形成されていてもよい。
(2)第3、第4実施形態では、貯油室205は、第1筒体231等によって構成される分離部とは別に形成されている。しかし、貯油室205は、分離部の一部として形成されていてもよい。
(3)第3、第4実施形態では、オイル流路は、ハウジング201の外側に接続されたオイル輸送管234に形成されている。しかし、オイル流路はハウジング201の内部に形成されていてもよい。
(4)第3、第4実施形態では、オイルセパレータ15は、圧縮機14と一体のものとして構成されている。しかし、オイルセパレータ15は、圧縮機14に対して別体として構成されていてもよい。
(5)上記各実施形態では、複数本の第1リブX123、複数本の第2リブX124は、半導体材料で構成されている。しかし、これらの部材は、通電されることで発熱し、その発熱によって自らの温度が上昇することで膨張する金属材料等の他の材料から構成されていてもよい。また、これらの部材は、温度が変化すると、変形する形状記憶材料から構成されていてもよい。この場合、駆動部は、その熱的な変形によって変位する。
(6)第1実施形態等では、電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への通電が停止したとき、マイクロバルブX1は閉弁状態となる。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、電気配線X6、X7からマイクロバルブX1への通電が停止したとき、マイクロバルブX1は開弁状態となってもよい。
(7)マイクロバルブX1の形状やサイズは、上記実施形態で示したものに限られない。マイクロバルブX1は、極微少流量制御可能で、かつ、流路内に存在する微小ゴミを詰まらせないような水力直径の第1オイル孔X16、第2オイル孔X17を有していればよい。
(8)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷凍サイクル装置の圧縮機へオイルを戻すオイル戻し装置は、オイルを貯える貯油室から圧縮機の摺動部に向かってオイルが流れるオイル流路を形成する流路形成部と、流路形成部に設けられ、オイル流路を流れるオイルの流量を調整する弁部品とを備える。弁部品は、オイルが流通するオイル室、オイル室に連通する第1オイル孔、およびオイル室に連通する第2オイル孔が形成される基部と、自らの温度が変化すると変位する駆動部と、駆動部の温度の変化による変位を増幅する増幅部と、増幅部によって増幅された変位が伝達されてオイル室内で動くことで、オイル室を介した第1オイル孔と第2オイル孔との間の連通、遮断を切り替える可動部と、を有する。駆動部が温度の変化によって変位したときに、駆動部が付勢位置において増幅部を付勢することで、増幅部がヒンジを支点として変位するとともに、増幅部と可動部の接続位置で増幅部が可動部を付勢する。ヒンジから付勢位置までの距離よりも、ヒンジから接続位置までの距離の方が長い。
また、第2の観点によれば、オイル戻し装置は、冷凍サイクル装置の蒸発器と圧縮機の冷媒吸引側との間に設置され、圧縮機に吸引される冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離するアキュムレータに適用される。第2の観点のように、第1の観点のオイル戻し装置をアキュムレータに適用することができる。
また、第3の観点によれば、オイル戻し装置は、圧縮機から吐出される冷媒に含まれるオイルを分離し、分離したオイルを圧縮機に戻すオイルセパレータに適用される。第3の観点のように、第1の観点のオイル戻し装置を、オイルセパレータに適用することができる。
また、第4の観点によれば、弁部品は、当該弁部品が正常に作動しているか故障しているかを判別するための信号を出力する故障検知部を備えている。弁部品がこのような信号を出力することで、弁部品の故障の有無を容易に判別できる。
また、第5の観点によれば、信号は、増幅部の歪み量に応じた信号である。このようになっていることで、この信号と弁部品を制御するための制御量との関係に基づいて、弁装置の故障の有無を判別することができる。
また、第6の観点によれば、駆動部は、通電されることで発熱する。故障検知部は、弁部品が故障している場合に弁部品に対する通電を停止する装置に、信号を出力する。このように、弁部品の故障時に通電を停止することで、故障時の安全性を高めることができる。
また、第7の観点によれば、故障検知部は、弁部品が故障している場合に、人に報知を行う報知装置を作動させる装置に、信号を出力する。これにより、人は、弁部品の故障を知ることができる。
また、第8の観点によれば、弁部品は、半導体チップによって構成されている。したがって、弁部品を小型に構成することができる。