JP2021195955A - 弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計の自由度の向上を図ることが可能な弁装置を提供する。【解決手段】第1膨張弁33および第2膨張弁35は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部337、357と、制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向DRaxに変位する主弁332、352と、を備える。第1膨張弁33の圧力調整部337および主弁332は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置されている。同様に、第2膨張弁35の圧力調整部357および主弁352は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置されている。【選択図】図4

Description

本開示は、弁装置に関する。
従来、制御流体の圧力を調整する圧力調整部、制御流体の圧力に応じて変位する主弁を備える弁装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された弁装置は、圧力調整部を構成するマイクロバルブアセンブリおよび主弁を構成するスプールが、スプールが変位する方向(すなわち、弁軸方向)に沿って直列に並んで配置されている。
米国特許出願公開2017/0219259号明細書
しかしながら、従来技術の弁装置は、依然として改善の余地がある。
例えば、従来技術の如く、弁装置において比較的大きい部品である圧力調整部と主弁とが弁軸方向に並んで配置されていると、弁装置と弁装置の弁軸方向に隣接する位置に配置される他の部品とが干渉し易くなる。このように、弁装置において比較的大きい部品である圧力調整部と主弁とが弁軸方向に並んで配置されていると、弁装置や他の部品のレイアウトが制限される。これは、設計の自由度の低下を招く要因となることから好ましくない。これらのことは、本発明者らの鋭意検討の末に見い出された。
本開示は、設計の自由度の向上を図ることが可能な弁装置を提供することを1つの目的とする。
請求項1に記載の発明は、
弁装置であって、
制御流体の圧力を調整する圧力調整部(337、357、397)と、
制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部分を有する主弁(332、352、392)と、を備え、
圧力調整部および主弁は、弁軸方向に直交する方向において異なる位置に配置されている。
このように、圧力調整部と主弁とが弁軸方向に重ならないレイアウトになっていれば、弁装置と弁装置の弁軸方向に隣接する位置に配置される他の部品とが干渉し難くなり、弁装置および他の部品のレイアウトの自由度が高まる。したがって、本開示の弁装置によれば、設計の自由度の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、
弁装置であって、
制御流体の圧力を調整する圧力調整部(337、357、397)および制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部分を有する主弁(332、352、392)を一組とする複数の弁ユニット(UT1、UT2、UT3)を備え、
複数の弁ユニットのうち、少なくとも1つの弁ユニットに含まれる圧力調整部は、弁軸方向において主弁と重ならないように、主弁が配置される位置に対して弁軸方向に直交する方向にずれた位置に配置されている。
これによれば、弁装置と弁装置の弁軸方向に隣接する位置に配置される他の部品とが干渉し難くなり、弁装置および他の部品のレイアウトの自由度が高まる。したがって、本開示の弁装置によれば、設計の自由度の向上を図ることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の概略構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の電子制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の運転モードと各膨張弁等の状態との関係を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る各膨張弁の模式的な断面図である。 制御圧力と各膨張弁の絞り開度との関係を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な断面図である。 圧力調整部に用いられるマイクロバルブの模式的な分解図である。 圧力調整部に用いられるマイクロバルブの模式的な側面図である。 図8のIX−IX断面を示すものであって、マイクロバルブへの非通電状態を示す断面図である。 図9のX−X断面を示す断面図である。 図8のIX−IX断面を示すものであって、マイクロバルブへの通電状態を示す断面図である。 図11のXII−XII断面を示す断面図である。 制御圧力の調整方法を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の主弁モジュールの模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な分解斜視図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な側面図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な断面図である。 第2実施形態に係る各膨張弁の圧力調整部の模式的な下面図である。 第3実施形態の冷凍サイクル装置の概略構成図である。 第3実施形態の冷凍サイクル装置の電子制御部を示すブロック図である。 第3実施形態の冷凍サイクル装置の運転モードと各膨張弁等の状態との関係を説明するための説明図である。 第3実施形態に係る統合弁の模式的な分解斜視図である。 第3実施形態に係る統合弁の模式的な正面図である。 図25のXXVI−XXVI断面図である。 図26のXXVII−XXVII断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。本実施形態では、本開示の弁装置を自動車に搭載される冷凍サイクル装置30に適用した例について説明する。
図1に示すように、冷凍サイクル装置30は、圧縮機31、凝縮器32、第1膨張弁33、室外熱交換器34、第2膨張弁35、冷房用蒸発器36、バイパス弁37を備えている。これらの各構成機器同士は、冷媒配管によって接続されている。また、冷凍サイクル装置30は、各構成機器の動作を制御する制御装置300を備えている。
冷凍サイクル装置30は、冷媒として、HFC系冷媒(具体的には、R134a)が採用されている。冷媒には圧縮機31を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。なお、冷媒としては、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)や自然冷媒(例えば、R744)等が採用されていてもよい。
圧縮機31は、冷凍サイクル装置30において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機31は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機で構成されている。圧縮機31は、車両のボンネットの内側に配置される。なお、圧縮機31を構成する電動モータは、後述の制御装置300から出力される制御信号によって、その作動(例えば、回転数)が制御される。
圧縮機31の冷媒吐出側には、凝縮器32の冷媒入口側が接続されている。凝縮器32は、圧縮機31から吐出された冷媒を放熱して凝縮させる熱交換器である。具体的には、凝縮器32は、冷媒が流通する冷媒流路部321とヒータ回路HCの熱媒体が流通する熱媒体流路部322を備え、冷媒とヒータ回路HCを流れる熱媒体とを熱交換させて、熱媒体を加熱する加熱用熱交換器を構成している。
ヒータ回路HCは、圧縮機31から吐出された冷媒を車室内へ送風する送風空気の加熱、バッテリの暖機等を行うための熱源として利用するための回路である。図示しないが、ヒータ回路HCには、熱媒体を車室内への送風空気に放熱させるためのヒータコア、熱媒体をバッテリに放熱させるための放熱器等が設けられている。なお、ヒータコアは、後述の冷房用蒸発器36とともに空調ケースCの内側に配置されている。
凝縮器32の冷媒出口側には、凝縮器32を通過した冷媒を減圧させる第1膨張弁33が接続されている。第1膨張弁33は、車室内の暖房時および除湿暖房時に、凝縮器32を通過した冷媒を減圧する暖房用膨張弁である。第1膨張弁33は、絞り開度が最大となる全開状態において、冷媒の減圧機能が発揮されない構造になっている。本実施形態では、第1膨張弁33が本開示の弁装置の一部を構成している。なお、第1膨張弁33の詳細は後述する。
第1膨張弁33の冷媒出口側には、室外熱交換器34の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器34は、第1膨張弁33を通過した冷媒を室外ファン341から送風される外気と熱交換させる熱交換器である。室外熱交換器34は、冷房時に外気に放熱させる放熱器として機能し、暖房時に外気から吸熱する吸熱器として機能する。なお、室外ファン341は、室外熱交換器34を通過する気流を発生させる送風機である。
室外熱交換器34の冷媒出口側には、室外熱交換器34を通過した冷媒を減圧させる第2膨張弁35が接続されている。第2膨張弁35は、車室内の冷房時および除湿暖房時に、室外熱交換器34を通過した冷媒を減圧する冷房用膨張弁である。第2膨張弁35は、絞り開度が最小となる全閉状態において、冷媒の流れが遮断される構造になっている。本実施形態では、第2膨張弁35が第1膨張弁33と同様に本開示の弁装置の一部を構成している。なお、第2膨張弁35の詳細は後述する。
第2膨張弁35の冷媒出口側には、冷房用蒸発器36の冷媒入口側が接続されている。冷房用蒸発器36は、第2膨張弁35を通過した冷媒を蒸発させる蒸発器である。冷房用蒸発器36は、空調ケースCの内側に配置され、冷媒と室内ファン361から送風される空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる。換言すると、冷房用蒸発器36は、室内ファン361からの送風空気を冷媒と熱交換させて冷却する空気冷却器である。冷房用蒸発器36は、空調ケースCにおいてヒータコアよりも空気流れ上流側に配置されている。なお、室内ファン361は、冷房用蒸発器36で冷却された空気を車室内へ送風する送風機である。
ここで、冷凍サイクル装置30は、室外熱交換器34の冷媒出口側に、第2膨張弁35および冷房用蒸発器36を迂回して圧縮機31の冷媒吸入側に導くバイパス配管38が接続されている。バイパス配管38は、暖房時に室外熱交換器34を通過した冷媒を第2膨張弁35および冷房用蒸発器36を迂回して圧縮機31の冷媒吸入側に導く。バイパス配管38は、一端側が室外熱交換器34の冷媒出口から第2膨張弁35の冷媒入口に至る冷媒流路に接続され、他端側が冷房用蒸発器36の冷媒出口から圧縮機31の冷媒吸入口に至る冷媒流路に接続されている。
バイパス配管38には、バイパス弁37が設けられている。バイパス弁37は、バイパス配管38の内側に形成される冷媒流路を開閉する開閉弁である。バイパス弁37は、ソレノイドの電磁吸引力により弁体を駆動する電磁弁で構成されている。バイパス弁37は、後述の制御装置300から出力される制御信号によって、開閉作動が制御される。なお、バイパス弁37は、ステッピングモータ等により弁体が駆動される構造になっていてもよい。
次に、冷凍サイクル装置30の電子制御部を構成する制御装置300について図2を参照して説明する。図2に示すように、制御装置300は、プロセッサ、ROMおよびRAM等のメモリを含むマイクロコンピュータとその周辺回路で構成されている。なお、制御装置300のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
制御装置300の入力側には、空調用センサ群301および操作パネル302が接続されている。空調用センサ群301は、冷房処理の制御に用いられる複数種類のセンサによって構成されている。
空調用センサ群301は、例えば、サイクルの低圧側における冷媒温度を検出する温度センサ(蒸発器温度センサ等)、サイクルの高圧側の冷媒圧力を検出する高圧センサ、高圧冷媒の温度を検出する温度センサを含んでいる。操作パネル302の各種操作スイッチには、オートスイッチ、運転モード切替スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ、吹出モード切替スイッチ等が含まれている。
制御装置300は、空調用センサ群301および操作パネル102から取得した各種情報、およびメモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、出力側に接続された各構成機器の作動を制御する。
制御装置300の出力側には、圧縮機31、第1膨張弁33、室外ファン341、第2膨張弁35、室内ファン361、バイパス弁37が接続されている。制御装置300は、圧縮機31による冷媒吐出性能(例えば、冷媒圧力)、各膨張弁33、35の絞り開度、各ファン341、361の送風性能、バイパス弁37の開閉状態を状況に応じて変更することができる。すなわち、冷凍サイクル装置30は、制御装置300が、圧縮機31、各膨張弁33、35、各ファン341、361、バイパス弁37それぞれの動作を制御することで、車室内に供給する空気を所望の温度に調整することができる。
冷凍サイクル装置30は、空調用センサ群301および操作パネル302による入力を受け付けることで、冷凍サイクル装置30の運転モードを適宜切り替える。具体的には、制御装置300は、各膨張弁33、35およびバイパス弁37等を制御して冷凍サイクル装置30における冷媒の流れ方を変更することで、冷凍サイクル装置30の運転モードを切り替える。
以下、冷凍サイクル装置30の作動について説明する。冷凍サイクル装置30は、室内冷房、室内暖房、除湿暖房といった3つの運転モードに設定可能になっている。
[室内冷房]
室内冷房は、冷房用蒸発器36で所望の温度に冷却した空気を車室内へ吹き出す運転モードである。室内冷房は、例えば、運転モード切替スイッチによって運転モードが冷房モードに設定されると冷凍サイクル装置30によって実行される。この室内冷房時には、ヒータ回路HCにおける熱媒体の流れが停止される。
制御装置300は、室内冷房時における各種機器の作動状態を空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。例えば、制御装置300は、図3に示すように、第1膨張弁33が全開状態となり、第2膨張弁35が絞り状態となるように各膨張弁33、35を制御する。また、制御装置300は、バイパス弁37を閉状態に制御する。制御装置300は、圧縮機31、各ファン341、361等の他の機器に対する制御信号について、空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。
冷凍サイクル装置30は、室内冷房時に、圧縮機31から吐出された高圧冷媒が凝縮器32に流入する。室内冷房時には、ヒータ回路HCに熱媒体が流れていないので、凝縮器32に流入した冷媒は、殆ど放熱することなく第1膨張弁33に流入する。
室内冷房時には、第1膨張弁33が全開状態になっているので、第1膨張弁33に流入した冷媒は、殆ど減圧されることなく室外熱交換器34に流入する。室外熱交換器34に流入した冷媒は、外気に放熱して凝縮する。室外熱交換器34を通過した冷媒は、第2膨張弁35に流入し、第2膨張弁35にて所望の圧力となるまで減圧される。なお、室内冷房時は、バイパス弁37が閉状態になっているので、冷媒がバイパス配管38に流入せず、冷媒の全量が第2膨張弁35にて減圧される。
第2膨張弁35で減圧された冷媒は、冷房用蒸発器36に流入する。冷房用蒸発器36に流入した冷媒は、室内ファン361からの送風空気から吸熱して蒸発する。車室内には、冷房用蒸発器36で所望の温度に冷却された空気が吹き出される。冷房用蒸発器36を通過した冷媒は、圧縮機31に吸入される。圧縮機31に吸入された冷媒は、圧縮機31にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内冷房時には、冷房用蒸発器36で冷却された空気が車室内に吹き出されることによって、室内の冷房が実現される。
[室内暖房]
室内暖房は、ヒータコアで所望の温度に加熱した空気を車室内へ吹き出す運転モードである。室内暖房は、例えば、運転モード切替スイッチによって運転モードが暖房モードに設定されると冷凍サイクル装置30によって実行される。この室内暖房時には、ヒータ回路HCがヒータコアに対して熱媒体が流れる経路に設定される。
制御装置300は、室内暖房時における各種機器の作動状態を空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。例えば、制御装置300は、図3に示すように、第1膨張弁33が絞り状態となり、第2膨張弁35が全閉状態となるように各膨張弁33、35を制御する。また、制御装置300は、バイパス弁37を開状態に制御する。制御装置300は、圧縮機31、各ファン341、361等の他の機器に対する制御信号について、空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。
冷凍サイクル装置30は、室内暖房時に、圧縮機31から吐出された高圧冷媒が凝縮器32に流入する。室内暖房時には、ヒータ回路HCを流れる熱媒体がヒータコアに流れるので、凝縮器32に流入した冷媒は、ヒータコアを介して車室内へ吹き出す空気に放熱する。これにより、車室内には、ヒータコアで所望の温度に加熱された空気が吹き出される。
凝縮器32を通過した冷媒は、第1膨張弁33に流入し、第1膨張弁33にて所望の圧力となるまで減圧される。第1膨張弁33で減圧された冷媒は、室外熱交換器34に流入する。
室外熱交換器34に流入した冷媒は、室外ファン341からの送風空気から吸熱して蒸発する。室内暖房時には、バイパス弁37が開状態になっているので、室外熱交換器34を通過した冷媒は、バイパス配管38を介して圧縮機31に吸入される。圧縮機31に吸入された冷媒は、圧縮機31にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。なお、室内暖房時は、第2膨張弁35が全閉状態となっているので、冷媒が冷房用蒸発器36に流入せず、冷媒の全量がバイパス配管38を介して圧縮機31に吸入される。
以上の如く、室内暖房時には、ヒータコアで加熱された空気が車室内に吹き出されることによって、室内の暖房が実現される。
[除湿暖房]
除湿暖房は、冷房用蒸発器36で露点温度よりも低い温度まで空気を冷却した後、ヒータコアで所望の温度まで昇温させて車室内へ吹き出す運転モードである。除湿暖房は、例えば、運転モード切替スイッチによって運転モードが除湿暖房モードに設定されると冷凍サイクル装置30によって実行される。この除湿暖房時には、ヒータ回路HCがヒータコアに対して熱媒体が流れる経路に設定される。
制御装置300は、除湿暖房時における各種機器の作動状態を空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。例えば、制御装置300は、図3に示すように、第1膨張弁33および第2膨張弁35それぞれを絞り状態に制御する。また、制御装置300は、バイパス弁37を閉状態に制御する。制御装置300は、圧縮機31、各ファン341、361等の他の機器に対する制御信号について、空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。
冷凍サイクル装置30は、除湿暖房時に、圧縮機31から吐出された高圧冷媒が凝縮器32に流入する。除湿暖房時には、ヒータ回路HCを流れる熱媒体がヒータコアに流れるので、凝縮器32に流入した冷媒は、ヒータコアを介して車室内へ吹き出す空気に放熱する。これにより、車室内には、ヒータコアで所望の温度に加熱された空気が吹き出される。
凝縮器32を通過した冷媒は、第1膨張弁33に流入し、第1膨張弁33に流入した冷媒にて所望の圧力となるまで減圧される。第1膨張弁33で減圧された冷媒は、室外熱交換器34に流入する。室外熱交換器34に流入した冷媒は、外気と熱交換する。室外熱交換器34に流入した冷媒は、外気よりも冷媒の温度が低いと外気から吸熱し、外気よりも冷媒の温度が高いと外気に放熱する。
室外熱交換器34を通過した冷媒は、第2膨張弁35に流入し、第2膨張弁35にて所望の圧力となるまで減圧される。なお、除湿暖房時は、バイパス弁37が閉状態になっているので、冷媒がバイパス配管38に流入せず、冷媒の全量が第2膨張弁35にて減圧される。
第2膨張弁35で減圧された冷媒は、冷房用蒸発器36に流入する。冷房用蒸発器36に流入した冷媒は、室内ファン361からの送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内ファン361からの送風空気は、冷房用蒸発器36で冷却されて除湿される。冷房用蒸発器36で除湿された空気は、ヒータコアで所望の温度まで加熱された後、車室内へ吹き出される。冷房用蒸発器36を通過した冷媒は、圧縮機31に吸入される。圧縮機31に吸入された冷媒は、圧縮機31にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、除湿暖房時には、冷房用蒸発器36で除湿された空気がヒータコアで加熱された後に車室内に吹き出されることによって、室内の除湿暖房が実現される。
[膨張弁の詳細]
次に、本実施形態の第1膨張弁33および第2膨張弁35の詳細について図4を参照して説明する。図4に示す上下を示す矢印は、第1膨張弁33および第2膨張弁35を車両に取り付けた状態での上下方向DRgを示している。
第1膨張弁33および第2膨張弁35は、制御態様は異なるものの、基本構造は同様に構成されている。このため、図4では、第1膨張弁33の構成要素を示す参照符号および第2膨張弁35の構成要素を示す参照符号を併記している。なお、図4では、各膨張弁33、35の構成要素を区別するために、第1膨張弁33の構成要素の一部を示す符号の上二桁を「33」とし、第2膨張弁35の構成要素の一部を示す符号の上二桁を「35」としている。
各膨張弁33、35は、図4に示すように、ボデー部330、350、主弁332、352、圧力調整部337、357、回路基板338、358を備える。各膨張弁33、35は、ボデー部330、350の内側に形成された内部流路331、351の絞り開度を変化させて、各膨張弁33、35を通過する冷媒の圧力を所望の圧力に調整するものである。
ボデー部330、350は、各膨張弁33、35の外殻を形成するものである。ボデー部330、350は、例えば、アルミニウム合金製の金属ブロックに孔開け加工等が施されたものである。ボデー部330、350には、冷媒が流れる内部流路331、351、弁室333、353、圧力室334、354等が形成されている。
内部流路331、351は、ボデー部330、350の側面に開口する入口部330a、350aおよび出口部330b、350bに連なっている。内部流路331、351の途中には、弁室333、353が形成されている。弁室333、353は、主弁332、352の一部が収容されている。
弁室333、353は、入口部330a、350aおよび出口部330b、350bそれぞれに連通している。弁室333、353には、冷媒が流れる流路が細く絞られた絞り部333a、353aが設けられている。絞り部333a、353aは、入口部330a、350aから弁室333、353に流入した冷媒を減圧膨張させながら出口部330b、350bに導く流路である。絞り部333a、353aの冷媒入口側には、主弁332、352の弁体332a、352aが接離する弁座333b、353bが形成されている。
ここで、本実施形態では、内部流路331、351における絞り部333a、353aを通過する前の冷媒が流れる流路が入口流路331a、351aを構成する。また、内部流路331、351における絞り部333a、353aから流出した冷媒が流れる流路が出口流路331b、351bを構成している。
主弁332、352は、弁体332a、352a、支持部332b、352b、第1バネ332c、352c、第2バネ332d、352d、調整ネジ332e、352e、作動棒332f、352f、キャップ332i、352iを有している。
弁体332a、352aは、主弁332、352の軸心CLに沿って変位することで、絞り部333a、353aの通路面積を調整するものである。本開示では、軸心CLに沿って延びる方向を弁軸方向DRaxとする。本実施形態の各膨張弁33、35は、弁軸方向DRaxが上下方向DRgと一致する姿勢で主弁332、352が配置される。弁体332a、352aは、主弁332、352において弁軸方向DRaxに変位する弁部分である。
弁体332a、352aは、球状の弁体で構成されている。各膨張弁33、35は、弁体332a、352aが弁座333b、353bに対して交差する方向(例えば、直交方向)に変位して内部流路331、351の絞り開度が変化するポペット式の弁構造になっている。
弁体332a、352aは、支持部332b、352bおよび第1バネ332c、352cとともに弁室333、353に配置されている。支持部332b、352bは、弁体332a、352aの軸方向の他方側に固定されている。第1バネ332c、352cは、支持部332b、352bを介して弁体332a、352aを閉弁方向に付勢する付勢部材である。
第1バネ332c、352cが弁体332a、352aに対して付勢する荷重は、ボデー部330、350に設けられた調整ネジ332e、352eによって調整可能になっている。調整ネジ332e、352eは、ボデー部330、350のうち、第1バネ332c、352cと対向する部位に開口するネジ孔に螺合されている。調整ネジ332e、352eを回転させ、第1バネ332c、352cの取付長さを変更することで、第1バネ332c、352cが弁体332a、352aに対して付勢する荷重を調整することができる。
弁体332a、352aのうち弁軸方向DRaxの一方側には、作動棒332f、352fが配置されている。作動棒332f、352fは、略円柱形状の金属棒である。作動棒332f、352fは、弁軸方向DRaxに沿って延びた姿勢で絞り部333a、353aの内側に配置されている。
作動棒332f、352fのうち弁軸方向DRaxの一方側には、ストッパ332g、352gが固定されている。ストッパ332g、352gは、作動棒332f、352fの軸方向の変位を制限するものである。
作動棒332f、352fのうち弁軸方向DRaxの一方側の端部には、仕切部332h、352hが設けられている。この仕切部332h、352hは、ボデー部330、350のうち絞り部333a、353aよりも弁軸方向DRaxの一方側にある内部空間を圧力室334、354と低圧空間335、355に仕切るものである。
圧力室334、354には、圧力調整部337、357によって圧力調整された冷媒が、弁体332a、352aを開弁側または閉弁側に押圧する制御流体として導入される。仕切部332h、352hは、圧力室334、354に導入される制御流体の圧力を受ける。
圧力室334、354には、第2バネ332d、352dが配置されている。第2バネ332d、352dは、仕切部332h、352h、ストッパ332g、352g、作動棒332f、352fを介して弁体332a、352aを開弁方向に付勢する付勢部材である。
キャップ332i、352iは、圧力室334、354の上方側にある開口を閉塞する閉塞部材である。キャップ332i、352iの底面と仕切部332h、352hとの間に第2バネ332d、352dが配置されている。
ボデー部330、350には、圧力室334、354の側方部位に、第1凹部330c、350c、第2凹部330d、350d、第3凹部330e、350eが形成されている。
ボデー部330、350には、圧力室334、354に隣接する側方部位に、第1凹部330c、350c、第2凹部330d、350d、第3凹部330e、350eが形成されている。
第1凹部330c、350c、第2凹部330d、350d、第3凹部330e、350eは、後述するバルブモジュールY0の第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23が嵌め合わされる凹部である。
第1凹部330c、350c、第2凹部330d、350d、第3凹部330e、350eは、上方から下方に向けて第3凹部330e、350e、第1凹部330c、350c、第2凹部330d、350dの順に直線状に並ぶように配置されている。
第1凹部330c、350cの底部には、第1凹部330c、350cと圧力室334、354とを連通させる第1貫通孔330f、350fが形成されている。第2凹部330d、350dの底部には、第2凹部330d、350dと入口流路331a、351aとを連通させる第2貫通孔330g、350gが形成されている。第3凹部330e、350eの底部には、第3凹部330e、350eと出口流路331b、351bとを連通させる第3貫通孔330h、350hが形成されている。
このように構成される各膨張弁33、35は、内部流路331、351の流路面積(すなわち、絞り開度)が弁体332a、352aの位置によって変化する。そして、弁体332a、352aの位置は、弁体332a、352aに作用する力によって決定される。
具体的には、弁体332a、352aの位置は、圧力室334、354内の制御流体の圧力による荷重Fm、各バネ332c、352c、332d、352dcからの荷重Fs1、Fs2、弁室333、353での冷媒圧力による荷重Fc等によって決定される。以下では、圧力室334、354内の制御流体の圧力を制御圧力Pmと呼ぶことがある。
各膨張弁33、35は、制御圧力Pmが絞り部333a、353aの下流側の冷媒圧力(すなわち、低圧圧力Pl)と同等の圧力となる場合、絞り部333a、353aの上流側の圧力(すなわち、高圧圧力Ph)と制御圧力Pmとの圧力差が最大となる。この場合、弁体332a、352aは、絞り開度が最小となる位置に変位する。
この状態から制御圧力Pmが低圧圧力Plよりも高くなると、高圧圧力Phと制御圧力Pmとの圧力差が小さくなることで、弁体332a、352aが絞り開度が大きくなる位置に変位する。そして、制御圧力Pmが高圧圧力Phと同等の圧力となると、弁体332a、352aが絞り開度が最大となる位置に変位する。
これにより、各膨張弁33、35は、図5に示すように、制御圧力Pmが小さくなると内部流路331、351の絞り開度が小さくなり、制御圧力Pmが大きくなると絞り開度が大きくなる構造になっている。
本実施形態の各膨張弁33、35は、制御圧力Pmが圧力調整部337、357によって調整される。圧力調整部337、357は、ボデー部330、350に対して取り付けられている。そして、圧力調整部131で圧力調整された制御流体は、第1貫通孔330f、350fを介して圧力室334、354に導入される。圧力調整部337、357は、主弁332、352を駆動するパイロット弁として機能するマイクロバルブY1を含んでいる。
圧力調整部337、357は、回路基板338、358に実装された駆動回路によって駆動される。回路基板338、358は、圧力調整部337、357のうち、ボデー部330、350に対して取り付けられる部位の反対側に固定されている。図示しないが、回路基板338、358は、圧力調整部337、357の接続端子が接続されている。圧力調整部337、357は、回路基板338、358を介して電力が供給される。具体的には、回路基板338、358には、接続端子を介してバルブモジュールY0の電気配線Y6、Y7に接続されている。
ここで、各膨張弁33、35では、主弁332、352および圧力調整部337、357が他に比べて大型である。このため、従来技術の如く、主弁332、352および圧力調整部337、357が弁軸方向DRaxに並んで配置されていると、各膨張弁33、35とその周囲に配置される他の部品とが干渉し易くなり、各膨張弁33、35や他の部品のレイアウトが制限される。これは、各膨張弁33、35の設計の自由度が低くなる要因となることから好ましくない。
これらを考慮し、第1膨張弁33は、主弁332および圧力調整部337が弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置されている。同様に、第2膨張弁35は、主弁352および圧力調整部357が弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置されている。換言すれば、圧力調整部337、357は、主弁332、352に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にオフセットして配置されている。本実施形態では、弁軸方向DRaxが上下方向DRgに一致する。このため、主弁332、352および圧力調整部337、357は、水平方向において異なる位置に配置されている。
本実施形態の圧力調整部337、357は、少なくとも一部が、弁軸方向DRaxに直交する方向において主弁332、352と重なり合うように配置されている。具体的には、圧力調整部337、357は、弁軸方向DRaxに直交する方向において、主弁332、352のうち、圧力室334、354に配置される第2バネ332d、352dおよびキャップ332i、352iの一部と重なり合っている。
この場合、圧力調整部337、357と圧力室334、354とが隣接して配置される構造となる。このため、圧力調整部337、357からの制御流体を圧力室334、354に導く第1貫通孔330f、350fを、曲り部がなく、且つ、長さが小さい孔形状で構成することができる。このような孔形状を有することで、第1貫通孔330f、350fは、制御流体が流通する際の圧力損失が低くなっている。
具体的には、圧力調整部337、357は、上下方向DRgにおいて、ボデー部330、350における入口部330a、350aよりも出口部330b、350bに近い部位に取り付けられている。
回路基板338、358は、回路基板338、358の板面338a、358aが水平方向に対して交差する姿勢で圧力調整部337、357に接続されている。具体的には、回路基板338、358は、その板面338a、358aが上下方向DRgに並行に延びる姿勢で圧力調整部337、357に接続されている。
また、回路基板338、358は、ボデー部330、350の上端よりも上方に突き出ないように、回路基板338、358の全体が水平方向においてボデー部330、350と重なり合うように配置されている。
圧力調整部337、357は、バルブモジュールY0によって構成されている。以下、圧力調整部131を構成するバルブモジュールY0の詳細について図6〜図13を参照しつつ説明する。
[バルブモジュールY0の構成]
図6に示すように、バルブモジュールY0は、マイクロバルブY1、バルブケーシングY2、封止部材Y3、3つのOリングY4、Y5a、Y5b、2本の電気配線Y6、Y7、変換プレートY8を有している。
マイクロバルブY1は、圧力室334、354に導入する制御流体(本例では冷媒)の圧力を調整するための流体室Y19を有する弁部品である。マイクロバルブY1は、板形状であり、その全体が半導体チップによって構成されている。
マイクロバルブY1の厚さ方向の長さは例えば2mmであり、厚さ方向に直交する長手方向の長さは例えば10mmであり、長手方向にも厚さ方向にも直交する短手方向の長さは例えば5mmであるが、これに限定されない。マイクロバルブY1への供給電力が変動することで、マイクロバルブY1の流路構成が変化する。
電気配線Y6、Y7は、マイクロバルブY1の2つの板面のうち、バルブケーシングY2とは反対側の面から伸びて、封止部材Y3、バルブケーシングY2内を通過して、バルブモジュールY0の外部にある電源に接続される。これにより、電気配線Y6、Y7を通して、電源からマイクロバルブY1に電力が供給される。
変換プレートY8は、マイクロバルブY1とバルブケーシングY2の間に配置される板形状の部材である。変換プレートY8は、ガラス基板である。変換プレートY8の2つの板面の一方側は、マイクロバルブY1に対して接着剤で固定され、他方側はバルブケーシングY2に対して接着剤で固定されている。変換プレートY8には、マイクロバルブY1の後述する3つの冷媒孔とバルブケーシングY2の3つの連通孔とを繋げるための流路Y81、Y82、Y83が形成されている。これら流路Y81、Y82、Y83は、一列に並ぶ上記3つの冷媒孔のピッチと一列に並ぶ上記3つの連通孔のピッチの違いを吸収するための部材である。流路Y81、Y82、Y83は、変換プレートY8の2つの板面の一方から他方に貫通している。
バルブケーシングY2は、マイクロバルブY1および変換プレートY8を収容する樹脂製のケーシングである。バルブケーシングY2は、ポリフェニレンサルファイドを主成分として樹脂成形によって形成されている。バルブケーシングY2は、線膨張係数が、マイクロバルブY1の線膨張係数とボデー部330、350の線膨張係数の間の値となるように構成されている。なお、バルブケーシングY2は、マイクロバルブY1をボデー部330、350に対して取り付けるための部品取付部を構成している。バルブケーシングY2は、一方側に底壁を有し、他方側が開放された箱体である。バルブケーシングY2の底壁は、マイクロバルブY1および変換プレートY8がボデー部330、350に直に接しないように、ボデー部330、350とマイクロバルブY1の間に介在する。そして、この底壁の一方側の面がボデー部330、350に接触して固定され、他方側の面が変換プレートY8に接触して固定される。
このようになっていることで、マイクロバルブY1とボデー部330、350の線膨張係数の違いをバルブケーシングY2が吸収できる。これは、バルブケーシングY2の線膨張係数が、マイクロバルブY1の線膨張係数とボデー部330、350の線膨張係数の間の値となっているからである。なお、変換プレートY8の線膨張係数は、マイクロバルブY1の線膨張係数とバルブケーシングY2の線膨張係数の間の値となっている。
また、バルブケーシングY2の底壁は、マイクロバルブY1に対向する板形状のベース部Y20と、マイクロバルブY1から離れる方向に当該ベース部Y20から突出する柱形状の第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23を有する。
第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23は、ボデー部330、350に形成された第1凹部167、第2凹部168、第3凹部169に嵌め込まれている。第1突出部Y21には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第1連通孔YV1が形成されている。第2突出部Y22には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第2連通孔YV2が形成されている。第3突出部Y23には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第3連通孔YV3が形成されている。第1連通孔YV1、第2連通孔YV2、第3連通孔YV3は一列に並んでおり、第2連通孔YV2と第3連通孔YV3の間に第1連通孔YV1が位置する。
第1連通孔YV1のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y81のバルブケーシングY2側端に連通している。第2連通孔YV2のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y82のバルブケーシングY2側端に連通している。第3連通孔YV3のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y83のバルブケーシングY2側端に連通している。
封止部材Y3は、バルブケーシングY2の開放された上記他方側を封止するエポキシ樹脂製の部材である。封止部材Y3は、マイクロバルブY1の表裏の2つの板面のうち、変換プレートY8側とは反対側の板面の全体を覆う。また、封止部材Y3は、変換プレートY8の2つの板面のうち、バルブケーシングY2の底壁側とは反対側の板面の一部を覆う。また、封止部材Y3は、電気配線Y6、Y7を覆うことで、電気配線Y6、Y7の防水および絶縁を実現する。封止部材Y3は樹脂ポッティング成形等によって形成される。
OリングY4は、第1突出部Y21の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第1突出部Y21の間を封止することで、外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。OリングY5aは、第2突出部Y22の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第2突出部Y22の間を封止することで、外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。OリングY5bは、第3突出部Y23の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第3突出部Y23の間を封止することで、外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。
[マイクロバルブY1の構成]
ここで、マイクロバルブY1の構成について更に説明する。マイクロバルブY1は、図7、図8に示すように、いずれも半導体である第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13を備えたMEMSである。なお、「MEMS」は、Micro Electro Mechanical Systemsの略称である。
第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13は、それぞれが同じ外形を有する長方形の板形状の部材であり、第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の順に積層されている。第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13のうち、第2外層Y13が、バルブケーシングY2の底壁に最も近い側に配置される。後述する第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の構造は、化学的エッチング等の半導体製造プロセスによって形成される。
第1外層Y11は、半導体部材である。第1外層Y11には、図7に示すように、表裏に貫通する2つの貫通孔Y14、Y15が形成されている。この貫通孔Y14、Y15に、それぞれ、電気配線Y6、Y7のマイクロバルブY1側端が挿入される。
第2外層Y13は、半導体部材である。第2外層Y13には、図7、図9、図10に示すように、表裏に貫通する第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18が形成されている。第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、それぞれ、第1流体孔、第2流体孔、第3流体孔に対応する。
図10に示すように、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、それぞれ、変換プレートY8の流路Y81、Y82、Y83に連通する。第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、一列に並んでいる。第2冷媒孔Y17と第3冷媒孔Y18の間に第1冷媒孔Y16が配置される。
中間層Y12は、導電性の半導体部材であり、第1外層Y11と第2外層Y13に挟まれている。中間層Y12は、図9に示すように、第1固定部Y121、第2固定部Y122、複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128を有している。
第1固定部Y121は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定された部材である。第1固定部Y121は、第2固定部Y122、第1リブY123、第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128を同じ1つの流体室Y19内に囲むように形成されている。流体室Y19は、第1固定部Y121、第1外層Y11、第2外層Y13によって囲まれた室である。流体室Y19は、第1圧力室PC1に導入する冷媒が流通する。第1固定部Y121、第1外層Y11、第2外層Y13は、全体として基部に対応する。なお、電気配線Y6、Y7は複数の第1リブY123および複数の第2リブY124の温度を変化させて変位させるための電気配線である。
第1固定部Y121の第1外層Y11および第2外層Y13に対する固定は、冷媒が流体室Y19から第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18以外を通ってマイクロバルブY1から漏出することを抑制するような形態で、行われている。
第2固定部Y122は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定される。第2固定部Y122は、第1固定部Y121に取り囲まれると共に、第1固定部Y121から離れて配置される。
複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定されておらず、第1外層Y11、第2外層Y13に対して変位可能である。
スパインY125は、中間層Y12の矩形形状の短手方向に伸びる細長い棒形状を有している。スパインY125の長手方向の一端は、梁Y127に接続されている。
複数本の第1リブY123は、スパインY125の長手方向に直交する方向におけるスパインY125の一方側に配置される。そして、複数本の第1リブY123は、スパインY125の長手方向に並んでいる。各第1リブY123は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第1リブY123は、その長手方向の一端で第1固定部Y121に接続され、他端でスパインY125に接続される。そして、各第1リブY123は、第1固定部Y121側からスパインY125側に近付くほど、スパインY125の長手方向の梁Y127側に向けてオフセットされるよう、スパインY125に対して斜行している。そして、複数の第1リブY123は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第2リブY124は、スパインY125の長手方向に直交する方向におけるスパインY125の他方側に配置される。そして、複数本の第2リブY124は、スパインY125の長手方向に並んでいる。各第2リブY124は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第2リブY124は、その長手方向の一端で第2固定部Y122に接続され、他端でスパインY125に接続される。そして、各第2リブY124は、第2固定部Y122側からスパインY125側に近付くほど、スパインY125の長手方向の梁Y127側に向けてオフセットされるよう、スパインY125に対して斜行している。そして、複数の第2リブY124は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125は、全体として、駆動部に対応する。
アームY126は、スパインY125と非直交かつ平行に伸びる細長い棒形状を有している。アームY126の長手方向の一端は梁Y127に接続されており、他端は第1固定部Y121に接続されている。
梁Y127は、スパインY125およびアームY126に対して約90°で交差する方向に伸びる細長い棒形状を有している。梁Y127の一端は、可動部Y128に接続されている。アームY126と梁Y127は、全体として、増幅部に対応する。
アームY126と梁Y127の接続位置YP1、スパインY125と梁Y127の接続位置YP2、梁Y127と可動部Y128の接続位置YP3は、梁Y127の長手方向に沿って、この順に並んでいる。そして、第1固定部Y121とアームY126との接続点をヒンジYP0とすると、中間層Y12の板面に平行な面内におけるヒンジYP0から接続位置YP2までの直線距離よりも、ヒンジYP0から接続位置YP3までの直線距離の方が、長い。例えば、前者の直線距離を後者の直線距離で除算した値は、1/5以下であってもよいし、1/10以下であってもよい。
可動部Y128は、流体室Y19を流れる冷媒の圧力を調整するものである。可動部Y128は、その外形が、梁Y127の長手方向に対して概ね90°の方向に伸びる矩形形状を有している。この可動部Y128は、流体室Y19内において梁Y127と一体に動くことができる。そして、可動部Y128は、中間層Y12の表裏に貫通する貫通孔Y120を囲む枠形状となっている。したがって、貫通孔Y120も、可動部Y128と一体的に移動する。貫通孔Y120は、流体室Y19の一部である。
可動部Y128は、上記のように動くことで、第2冷媒孔Y17の貫通孔Y120に対する開度および第3冷媒孔Y18の貫通孔Y120に対する開度を変更する。第1冷媒孔Y16は、貫通孔Y120に対して常に全開で連通している。
また、第1固定部Y121のうち、複数の第1リブY123と接続する部分の近傍の第1印加点Y129には、図7に示した第1外層Y11の貫通孔Y14を通った電気配線Y6のマイクロバルブY1側端が接続される。また、第2固定部Y122の第2印加点Y130には、図7に示した第1外層Y11の貫通孔Y15を通った電気配線Y7のマイクロバルブY1側端が接続される。
[バルブモジュールY0の作動]
ここで、バルブモジュールY0の作動について説明する。マイクロバルブY1への通電が開始されると、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130の間に電圧が印加される。すると、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124を電流が流れる。この電流によって、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124が発熱する。その結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の各々が、その長手方向に膨張する。
このような熱的な膨張の結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124は、スパインY125を接続位置YP2側に付勢する。付勢されたスパインY125は、接続位置YP2において、梁Y127を押す。このように、接続位置YP2は付勢位置および調圧用付勢位置に対応する。
そして、梁Y127とアームY126から成る部材は、ヒンジYP0を支点として、接続位置YP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁Y127のアームY126とは反対側の端部に接続された可動部Y128も、その長手方向の、スパインY125が梁Y127を押す側に、移動する。
また、マイクロバルブY1への通電が停止されたときは、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130への電圧印加が停止される。すると、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124を電流が流れなくなり、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の温度が低下する。その結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の各々が、その長手方向に収縮する。
このような熱的な収縮の結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124は、スパインY125を接続位置YP2とは反対側に付勢する。付勢されたスパインY125は、接続位置YP2において、梁Y127を引っ張る。その結果、梁Y127とアームY126から成る部材は、ヒンジYP0を支点として、接続位置YP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁Y127のアームY126とは反対側の端部に接続された可動部Y128も、その長手方向の、スパインY125が梁Y127を引っ張る側に、移動する。その移動の結果、可動部Y128は、所定の非通電時位置で停止する。
このようなマイクロバルブY1への通電時、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130を介してマイクロバルブY1に供給される電力が大きいほど、非通電時位置に対する可動部Y128の移動量も大きくなる。これは、マイクロバルブY1に供給される電力が高いほど、第1リブY123、第2リブY124の温度が高くなり、膨張度合いが大きいからである。
例えば電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130へ印加される電圧がPWM制御される場合、デューティ比が大きいほど非通電時に対する可動部Y128の移動量も大きくなる。
図9、図10に示すように、可動部Y128が非通電時位置にある場合、貫通孔Y120は、中間層Y12の板面に直交する方向に第1冷媒孔Y16、第3冷媒孔Y18と重なるが、当該方向に第2冷媒孔Y17とは重ならない。第2冷媒孔Y17は、中間層Y12の板面に直交する方向に可動部Y128と重なる。つまりこのとき、貫通孔Y120に対して第1冷媒孔Y16、第3冷媒孔Y18は全開になり、第2冷媒孔Y17は全閉になる。したがってこの場合、第1冷媒孔Y16が第3冷媒孔Y18に可動部Y128を介して連通し、第2冷媒孔Y17は第1冷媒孔Y16とも第3冷媒孔Y18とも遮断される。この結果、第1連通孔YV1と第3連通孔YV3との間で、流路Y81、第1冷媒孔Y16、貫通孔Y120、第3冷媒孔Y18、流路Y83を介した、冷媒の流通が可能となる。
また、図11、図12に示すように、マイクロバルブY1への通電によって可動部Y128が非通電時位置から最も遠ざかった位置にある場合、そのときの可動部Y128の位置を最大通電時位置という。可動部Y128が最大通電時位置にある場合は、マイクロバルブY1へ供給される電力が制御範囲内の最大となる。例えば、可動部Y128が最大通電時位置にある場合、上述のPWM制御においてデューティ比が制御範囲内の最大値(例えば100%)となる。
可動部Y128が最大通電時位置にある場合、貫通孔Y120は、中間層Y12の板面に直交する方向に第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17と重なるが、当該方向に第3冷媒孔Y18とは重ならない。第3冷媒孔Y18は、中間層Y12の板面に直交する方向に可動部Y128と重なる。つまりこのとき、貫通孔Y120に対して第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17は全開になり、第3冷媒孔Y18は全閉になる。したがってこの場合、第1冷媒孔Y16が第2冷媒孔Y17に可動部Y128を介して連通し、第3冷媒孔Y18は第1冷媒孔Y16とも第2冷媒孔Y17とも遮断される。この結果、第1連通孔YV1と第2連通孔YV2との間で、流路Y81、第1冷媒孔Y16、貫通孔Y120、第2冷媒孔Y17、流路Y83を介した、冷媒の流通が可能となる。
また、マイクロバルブY1に供給される電力を、例えばPWM制御で調整することで、可動部Y128を、非通電時位置と最大通電時位置の間のどの中間位置にでも、停止させることができる。例えば、最大通電時位置と非通電時位置からも等距離の位置(すなわち、中央位置)で可動部Y128を停止させるには、マイクロバルブY1に供給される電力が、制御範囲内の最大値の半分であればいい。例えば、PWM制御のデューティ比が50%であればいい。
可動部Y128が中間位置に停止している場合、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、いずれも貫通孔Y120に連通している。しかし、第2冷媒孔Y17および第3冷媒孔Y18は、貫通孔Y120に対して全開状態ではなく、100%未満かつ0%よりも大きい開度となっている。可動部Y128が中間位置において最大通電時位置に近づくほど、貫通孔Y120に対する第3冷媒孔Y18の開度が減少し、第2冷媒孔Y17の開度が増大する。
マイクロバルブY1は、梁Y127およびアームY126が、ヒンジYP0を支点とし、接続位置YP2を力点とし、接続位置YP3を作用点とする梃子として機能する。上述の通り、中間層Y12の板面に平行な面内におけるヒンジYP0から接続位置YP2までの直線距離よりも、ヒンジYP0から接続位置YP3までの直線距離の方が、長い。したがって、力点である接続位置YP2の移動量よりも、作用点である接続位置YP3の移動量の方が大きくなる。したがって、熱的な膨張による変位量が、梃子によって増幅されて可動部Y128に伝わる。
また、マイクロバルブY1における冷媒の流路は、Uターン構造を有している。具体的には、冷媒は、マイクロバルブY1の一方側の面からマイクロバルブY1内に流入し、マイクロバルブY1内を通って、マイクロバルブY1の同じ側の面からマイクロバルブY1外に流出する。そして同様にバルブモジュールY0における冷媒の流路も、Uターン構造を有している。具体的には、冷媒は、バルブモジュールY0の一方側の面からバルブモジュールY0内に流入し、バルブモジュールY0内を通って、バルブモジュールY0の同じ側の面からバルブモジュールY0外に流出する。なお、中間層Y12の板面に直交する方向は、第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の積層方向である。
ここで、バルブモジュールY0は、第1冷媒孔Y16が、第1連通孔YV1、第1凹部167の第1貫通孔167aを介して圧力室334、354に連通している。また、第2冷媒孔Y17が、第2連通孔YV2、第2凹部168の第2貫通孔168aを介して入口流路331a、351aに連通している。そして、第3冷媒孔Y18が、第3連通孔YV3、第3凹部169の第3貫通孔169aを介して出口流路331b、351bに連通している。
このため、例えば、マイクロバルブY1の可動部Y128が非通電時位置にある場合、第1冷媒孔Y16と第3冷媒孔Y18とが連通し、圧力室334、354が内部流路331、351における出口流路331b、351bに連通する。これにより、圧力室334、354の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が内部流路331、351における出口流路331b、351bと同等の低圧圧力Plに低下する。
この状態からマイクロバルブY1への通電によって、可動部Y128が非通電時位置から最大通電時位置に近づくと、各冷媒孔Y16、Y17、Y18が連通し、圧力室334、354が入口流路331a、351aおよび出口流路331b、354bと連通する。これにより、圧力室334、354の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が低圧圧力Plよりも大きく高圧圧力Phよりも小さい中間圧力となる。
また、マイクロバルブY1への通電によって、可動部Y128が最大通電時位置にある場合、第1冷媒孔Y16と第2冷媒孔Y17が連通し、圧力室334、354が入口流路331a、351aと連通する。これにより、圧力室334、354の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が第1絞り部333a、353aの上流側と同等の高圧圧力Phとなる。
これらを加味して、本実施形態の冷凍サイクル装置30では、マイクロバルブY1に印加される電圧をPWM制御によって変更することで、制御圧力Pmを変化させる。冷凍サイクル装置30は、例えば、図13に示すように、PWM制御のデューティ比を大きくすることで制御圧力Pmを大きくし、PWM制御のデューティ比を小さくすることで制御圧力Pmを小さくする。
具体的には、制御装置300は、室内冷房時に、第1膨張弁33のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を最大値にすることで、第1膨張弁33を全開状態に制御する。また、制御装置300は、室内冷房時に、第2膨張弁35のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を中間値にすることで、第2膨張弁35を絞り状態に制御する。
制御装置300は、室内暖房時に、第1膨張弁33のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を中間値にすることで、第1膨張弁33を絞り状態に制御する。また、制御装置300は、室内暖房時に、第2膨張弁35のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を最小値にすることで、第2膨張弁35を全閉状態に制御する。
制御装置300は、除湿暖房時に、第1膨張弁33のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を中間値にすることで、第1膨張弁33を絞り状態に制御する。また、制御装置300は、除湿暖房時に、第2膨張弁35のマイクロバルブY1に対するPWM制御のデューティ比を中間値にすることで、第2膨張弁35を絞り状態に制御する。
以上説明した各膨張弁33、35は、主弁332、352と圧力調整部337、357とが弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置されている。このように、圧力調整部337、357と主弁332、352とが弁軸方向DRaxに重ならないレイアウトになっていれば、各膨張弁33、35と各膨張弁33、35の周囲に配置される他の部品とが干渉し難くなる。これにより、各膨張弁33、35および他の部品のレイアウトの自由度が高まるので、設計の自由度の向上を図ることができる。なお、各膨張弁33、35の周囲に配置される他の部品は、冷媒の流れ方向の前後に位置する凝縮器32、室外熱交換器34、冷房用蒸発器36等が挙げられる。
ここで、各膨張弁33、35には、弁軸方向DRaxにおいて主弁332、352を変位させる空間が必要となる。このため、圧力調整部337、357と主弁332、352とが弁軸方向DRaxにおいて重なり合っていると、各膨張弁33、35の弁軸方向DRaxにおける体格の大型化が避けられない。
これに対して、本実施形態の圧力調整部337、357は、少なくとも一部が主弁332、352と弁軸方向DRaxに直交する方向に重なり合うレイアウトになっている。このように、圧力調整部337、357の少なくとも一部と主弁332、352とが弁軸方向DRaxに直行する方向に重なり合うレイアウトになっていれば、各膨張弁33、35の弁軸方向DRaxにおける体格の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態の各膨張弁33、35の回路基板338、358は、その板面338a、358aが水平方向に対して交差する姿勢で圧力調整部337、357に接続されている。
回路基板338、358の周囲には、回路基板338、358に実装される駆動回路の発熱に伴って自然対流が生ずる。回路基板338、358の板面338a、358aが水平方向に対して交差する姿勢になっていると、自然対流によって板面338a、358aに沿って上方に向かう気流が生ずる。このため、回路基板338、358の板面338a、358aが水平方向に対して交差する姿勢で配置されていれば、自然対流によって回路基板338、358を冷却することができる。
圧力調整部337、357は、冷凍サイクル装置30のうち異なる箇所を流れる冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整可能になっている。このように、冷凍サイクル装置30における冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整する構造とすれば、冷凍サイクル装置30の構成要素とは異なる別の要素によって制御流体の圧力を調整するものに比べて、各膨張弁33、35の簡素化を図ることができる。
また、圧力調整部337、357は、バルブモジュールY0で構成されている。バルブモジュールY0は、マイクロバルブY1による圧力室334、354の圧力調整によって、弁体332a、352aを開弁側または閉弁側に変位させる構成になっているので、電磁弁や電動弁よりも小型に構成することができる。その理由の1つは、マイクロバルブY1が上述の通り半導体チップにより形成されているということである。また、上述の通り、梃子を利用して熱的な膨張による変位量が増幅されることも、そのような梃子を利用しない電磁弁や電動弁と比べて小型に構成することが可能となる。圧力調整部337、357を小型に構成できると、各膨張弁33、35における圧力調整部337、357が占める割合が小さくなり、圧力調整部337、357以外の部品の設定をより広い範囲で検討することが可能となる。したがって、各膨張弁33、35の設計の自由度を充分に高めることができる。
具体的には、マイクロバルブY1は、可動部Y128によって第2冷媒孔Y17および第3冷媒孔Y18の開度を調整して圧力室334、354の圧力を変化させる構成になっている。これによれば、マイクロバルブY1による圧力室334、354の圧力調整によって、弁体332a、352aを閉弁側および開弁側に変位させることができる。
また、マイクロバルブY1およびバルブモジュールY0はUターンの構造の冷媒流路を有しているので、ボデー部330、350の掘り込みを少なくすることができる。つまり、バルブモジュールY0を配置するためにボデー部330、350に形成された凹みの深さを抑えることができる。その理由は以下の通りである。
例えば、バルブモジュールY0がUターンの構造の冷媒流路を有しておらず、バルブモジュールY0のボデー部330、350側の面に冷媒入口があり、バルブモジュールY0の反対側の面に冷媒出口があったとする。その場合、バルブモジュールY0の両面に、冷媒流路を形成する必要がある。したがって、バルブモジュールY0の両面の冷媒流路までボデー部330、350に収容しようとすると、バルブモジュールY0を配置するためにボデー部330、350に形成しなければならない凹みが深くなってしまう。また、マイクロバルブY1自体が小型であるので、ボデー部330、350の掘り込みを更に低減することができる。
また、マイクロバルブY1の両面のうち、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17が形成される面とは反対側の面に電気配線Y6、Y7を配置した場合、電気配線Y6、Y7を大気雰囲気により近い側に置くことができる。したがって、電気配線Y6、Y7への冷媒雰囲気の影響を低減するためのハーメチック等のシール構造が不要となる。その結果、アクチュエータ130の小型化が実現できる。
また、マイクロバルブY1が軽量であることから、各膨張弁33、35が軽量化される。マイクロバルブY1の消費電力が小さいので、各膨張弁33、35が省電力化される。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態では、各膨張弁33、35として、基本構造が同様に構成されているものを例示したが、各膨張弁33、35は、これに限定されない。各膨張弁33、35は、異なる構造になっていてもよい。例えば、第1膨張弁33および第2膨張弁35は、一方の膨張弁が第1実施形態で説明したものと同様に構成され、他方の膨張弁がソレノイドや電動モータを含む電気式膨張弁で構成されていてもよい。なお、第2膨張弁35は、全閉機能が付いていないものであってもよい。
第1実施形態では、各膨張弁33、35として、回路基板338、358の板面338a、358aが上下方向DRgに並行となる姿勢で圧力調整部337、357に接続されているものを例示したが、各膨張弁33、35は、これに限定されない。各膨張弁33、35は、例えば、回路基板338、358の板面338a、358aが上下方向DRgおよび水平方向それぞれに交差する姿勢で圧力調整部337、357に接続されていてもよい。これによっても、自然対流によって回路基板338、358を冷却することができる。
第1実施形態では、各膨張弁33、35が実質的に同じもので構成されているものを例示したが、各膨張弁33、35はこれに限定されない。各膨張弁33、35は、少なくとも一部が異なる構造になっていてもよい。このことは、第1実施形態と異なる実施形態においても同様である。なお、「実質的に同じ」とは、本件の出願時点での製造技術において制作可能な程度に同一であることを意味するものである。このため、本件の出願時点での製造技術において生じ得る誤差等により生ずる差は同一として解釈することができる。
(第2実施形態)
本実施形態について、図14〜図20を参照して説明する。本実施形態の冷凍サイクル装置30は、各膨張弁33、35の一部が第1実施形態で説明したものと異なっている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図14に示すように、各膨張弁33、35は、直方体形状のボデー部330、350を備える。ボデー部330、350には、上面から下面まで貫通する貫通孔330j、350j、上面から下方に向かう有底孔330k、350kが形成されている。貫通孔330j、350jと有底孔330k、350kとは、ボデー部330、350において、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に形成されている。
各膨張弁33、35は、貫通孔330j、350jに主弁332、352が配置され、有底孔330k、350kに圧力調整部337、357が配置されている。これにより、主弁332、352および圧力調整部337、357は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置される。換言すれば、圧力調整部337、357は、主弁332、352に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にオフセットして配置される。
圧力調整部337、357は、少なくとも一部が、弁軸方向DRaxに直交する方向において主弁332、352と重なり合うように配置されている。これにより、圧力調整部337、357と圧力室334、354とが隣接して配置される構造になっている。
図15に示すように、主弁332、352は、弁体332a、352a、支持部332b、352b、第1バネ332c、352c、第2バネ332d、352d、調整ネジ332e、352e、作動棒332f、352f、キャップ332i、352iを有する。
キャップ332i、352i、第2バネ332d、352d、作動棒332f、352f、弁体332a、352a、支持部332b、352b、第1バネ332c、352c、調整ネジ332e、352eは、この順序で弁軸方向DRaxに並んで配置されている。
本実施形態の主弁332、352は、ストッパ332g、352gが仕切部332h、352hを介して作動棒332f、352fの端部に固定されている。すなわち、主弁332、352は、ストッパ332g、352g、仕切部332h、352h、作動棒332f、352fが、この順序で弁軸方向DRaxに並んでいる。仕切部332h、352hの外周には、シール部材としてのOリングS1が設けられている。また、キャップ332i、352iの外周および調整ネジ332e、352eの外周にもシール部材としてのOリングS2、S3、S4が設けられている。
ボデー部330、350には、第1連接管339a、359a、第2連接管339b、359b、第3連接管339c、359cが接続されている。第1連接管339a、359a、第2連接管339b、359b、第3連接管339c、359cは、キャピラリチューブ等の細管によって構成されている。第1連接管339a、359aは、後述の第2流路Z23と圧力室334、354とを連通させる管である。第2連接管339b、359bは、後述の第1流路Z22と入口流路331a、351aとを連通させる管である。第3連接管339c、359cは、後述の第3流路Z24と出口流路331b、351bとを連通させる管である。
圧力調整部337、357は、図16および図17に示すバルブモジュールZ0で構成されている。バルブモジュールZ0は、有底孔330k、350kに嵌め込むことが可能なように、有底孔330k、350kに対応する外形状を有している。
本実施形態のバルブモジュールZ0は、マイクロバルブZ1、バルブケーシングZ2、3つのOリングZ4、Z5a、Z5b、2本のターミナルZ6、Z7、リッドZ8を有している。
図18および図19に示すように、バルブケーシングZ2は、略円柱形状になっている。バルブケーシングZ2は、底部を構成する下端部に、上端部に向かって窪んだ凹部Z21が形成されている。図19に示すように、バルブケーシングZ2には、第1流路Z22、第2流路Z23、第3流路Z24が形成されている。
第1流路Z22は、バルブケーシングZ2の凹部Z21の内側の空間によって形成されている。第1流路Z22は、第2連接管339b、359bを介して入口流路331a、351aに連通している。
第2流路Z23は、バルブケーシングZ2の側面から下端部までバルブケーシングZ2を貫通する。第2流路Z23は、第1連接管339a、359aを介して圧力室334、354に連通している。第2流路Z23は、第2横孔Z23aと第2縦孔Z23bを有する。第2横孔Z23aは、バルブケーシングZ2の軸心CLmに交差する方向に延びる貫通孔である。第2縦孔Z23bは、第2横孔Z23aの途中で分岐してバルブケーシングZ2の軸心CLmに沿って下端部まで延びている。第2流路Z23は、バルブケーシングZ2の側面のうち、上端部と下端部との略中間となる位置に開口している。また、第2流路Z23は、図17に示すように、凹部Z21の底面に開口している。
第3流路Z24は、バルブケーシングZ2の側面から下端部までバルブケーシングZ2を貫通する。第3流路Z24は、第3連接管339c、359cを介して出口流路331b、351bに連通している。第3流路Z24は、第3横孔Z24aと第3縦孔Z24bを有する。第3横孔Z24aは、バルブケーシングZ2の軸心CLmに交差する方向に延びる貫通孔である。第3縦孔Z24bは、第3横孔Z24aの途中で分岐してバルブケーシングZ2の軸心CLmに沿って下端部まで延びている。第3流路Z24は、バルブケーシングZ2の側面のうち、第2流路Z23の開口よりも上端部に近い位置に開口している。また、第3流路Z24は、図17に示すように、凹部Z21の底面のうち、第2流路Z23の開口とは異なる位置に開口している。なお、第2流路Z23および第3流路Z24は、互いに連通しないように、バルブケーシングZ2において異なる位置に形成されている。
図19に示すように、バルブケーシングZ2の側面には、第1溝部Z25、第2溝部Z26、第3溝部Z27が形成されている。第1溝部Z25、第2溝部Z26、第3溝部Z27は、バルブケーシングZ2の周方向に沿って延びている。
第1溝部Z25は、バルブケーシングZ2の側面のうち、第2流路Z23が開口する位置の下方に形成されている。第1溝部Z25には、OリングZ4が取り付けられている。このOリングZ4は、バルブケーシングZ2と有底孔330k、350kとの隙間からの冷媒漏れを抑制する。
第2溝部Z26は、バルブケーシングZ2の側面のうち、第2流路Z23の開口と第3流路Z24の開口との間に形成されている。第2溝部Z26には、OリングZ5aが取り付けられている。このOリングZ5aは、バルブケーシングZ2と有底孔330k、350kとの隙間からの冷媒漏れを抑制する。
第3溝部Z27は、バルブケーシングZ2の側面のうち、第3流路Z24が開口する位置よりも上方に形成されている。第3溝部Z27には、OリングZ5bが取り付けられている。このOリングZ5bは、バルブケーシングZ2と有底孔330k、350kとの隙間からの冷媒漏れを抑制する。
ここで、第2流路Z23は、バルブケーシングZ2の側面のうち第2流路Z23が形成された開口と有底孔330k、350kの内壁との間の隙間を介して第1連接管339a、359aに連通する。第3流路Z24は、バルブケーシングZ2の側面のうち第3流路Z24が形成された開口と有底孔330k、350kの内壁との間の隙間を介して第3連接管339c、359cに連通する。
バルブケーシングZ2は、上端部にリッドZ8が配置されるとともに、上端部からターミナルZ6、Z7の一部が突き出ている。ターミナルZ6、Z7は、回路基板338、358とマイクロバルブZ1とを電気的に接続する配線部品である。ターミナルZ6、Z7は、一部がバルブケーシングZ2の上端部から突き出るように、バルブケーシングZ2にインサート成形される。リッドZ8は、略中央に窓部Z81が形成された環状の部品である。リッドZ8は、有底孔330k、350kに対してカシメ、ネジ、溶接等の接合手段によって固定される。リッドZ8の窓部Z81は、ターミナルZ6、Z7が通すための挿通孔である。
本実施形態のマイクロバルブZ1は、第1実施形態で説明したマイクロバルブY1と同様に構成されている。本実施形態のマイクロバルブZ1の構成要素のうち、第1実施形態のマイクロバルブY1の構成要素と共通するものは、符号の先頭に付した「Y1」を「Z1」に変更して表記する。例えば、マイクロバルブZ1の構成要素のうち、第1実施形態の第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18に対応するものは、第1冷媒孔Z16、第2冷媒孔Z17、第3冷媒孔Z18と表記する。
図20に示すように、マイクロバルブZ1は、バルブケーシングZ2の凹部Z21に配置されている。図示しないが、マイクロバルブZ1は、凹部Z21に設けられた支持部材によって支持されている。
マイクロバルブZ1は、第1冷媒孔Z16、第2冷媒孔Z17、第3冷媒孔Z18が形成された面が、凹部Z21の底面に向く姿勢で凹部Z21の内側に配置されている。具体的には、マイクロバルブZ1は、第1冷媒孔Z16が第2流路Z23の開口と向き合うとともに、第2冷媒孔Z17が第1流路Z22と向き合い、さらに、第3冷媒孔Z18が第3流路Z24の開口と向き合うように、凹部Z21の内側に配置されている。これにより、マイクロバルブZ1は、第1冷媒孔Z16が第2流路Z23に連通し、第2冷媒孔Z17が第1流路Z22に連通し、第3冷媒孔Z18が第3流路Z24に連通する。
また、マイクロバルブZ1は、第1冷媒孔Z16、第2冷媒孔Z17、第3冷媒孔Z18が形成された面の反対側に電極Z28が設けられている。この電極Z28は、マイクロバルブZ1をターミナルZ6、Z7に電気的に接続する部品である。電極Z28の一部およびマイクロバルブZ1の一部は、モールド樹脂部Z29によって封止されている。
マイクロバルブZ1は、電極Z28、ターミナルZ6、Z7を介して回路基板338、358に接続されている。マイクロバルブZ1は、回路基板338、358からの電力供給によって駆動される。
図14に示すように、回路基板338、358は、回路基板338、358の板面338a、358aが水平方向に並行となる姿勢で圧力調整部337、357のターミナルZ6、Z7に接続されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の各膨張弁33、35は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、各膨張弁33、35は、ボデー部330、350の貫通孔330j、350jに上下方向DRgから主弁332、352を取り付けるとともに、有底孔330k、350kに上下方向DRgから圧力調整部337、357を取り付ける構造になっている。これによると、ボデー部330、350に対する主弁332、352および圧力調整部337、357の組付け作業が容易となる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態では、ボデー部330、350の貫通孔330j、350jおよび有底孔330k、350kが上下方向DRgに沿って延びているものを例示したが、ボデー部330、350は、これに限定されない。ボデー部330、350は、例えば、貫通孔330j、350jおよび有底孔330k、350kが弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に形成されていれば、上記のものと異なる態様になっていてもよい。
第2実施形態では、回路基板338、358の板面338a、358aが水平方向に沿って延びる姿勢で圧力調整部337、357に回路基板338、358が接続されているものを例示したが、これに限定されない。回路基板338、358は、その板面338a、358aが水平方向に対して交差する姿勢で圧力調整部337、357に接続されていてもよい。
(第3実施形態)
本実施形態について、図21〜図27を参照して説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明する。
本実施形態の冷凍サイクル装置30は、冷媒の蒸発時の吸熱作用によって車両に搭載されたバッテリ等の冷却対象機器を冷却する機器冷却を実行可能になっている。図21に示すように、冷凍サイクル装置30は、凝縮器32の冷媒出口側に、第2膨張弁35および冷房用蒸発器36と並列になるように、第3膨張弁39および機器用蒸発器40が接続されている。
第3膨張弁39は、室外熱交換器34と第2膨張弁35とを繋ぐ冷媒配管から分岐する分岐配管に設けられている。第3膨張弁39は、機器冷却時に、室外熱交換器34を通過した冷媒を減圧する機器冷却用の膨張弁である。第3膨張弁39は、絞り開度が最小となる全閉状態において、冷媒の流れが遮断される構造になっている。
本実施形態の第1膨張弁33、第2膨張弁35、および第3膨張弁39は、一部の部品が統合された1つの統合弁VDとして構成されている。統合弁VDは、本開示の弁装置を構成している。統合弁VDの詳細は後述する。
第3膨張弁39の冷媒出口側には、機器用蒸発器40が接続されている。機器用蒸発器40は、第3膨張弁39を通過した冷媒を蒸発させる熱交換器である。具体的には、機器用蒸発器40は、冷媒が流通する冷媒流路部401と冷却回路LCの熱媒体が流通する熱媒体流路部402を備え、冷媒と冷却回路LCを流れる熱媒体とを熱交換させて、熱媒体を冷却する冷却用熱交換器を構成している。なお、冷却回路LCは、冷媒の蒸発潜熱を冷却対象機器の冷却を行うための冷熱源として利用するための回路である。図示しないが、冷却回路LCには、バッテリから吸熱するための吸熱器等が設けられている。
機器用蒸発器40の冷媒出口側には、蒸発圧力調整弁41を介して、冷房用蒸発器36と圧縮機31とを接続する冷媒配管に接続されている。蒸発圧力調整弁41は、機器用蒸発器40を通過する冷媒の圧力を所定の設定圧力値以上に維持するものである。蒸発圧力調整弁41は、例えば、ベローズ式の弁で構成される。冷凍サイクル装置30は、蒸発圧力調整弁41を備えることで、例えば、冷却対象機器の冷却と車室内の冷房を同時に行う際、機器用蒸発器40を通過する冷媒の圧力を維持しつつ、冷房用蒸発器36を通過する冷媒の圧力を低下させることができる。
続いて、制御装置300は、図22に示すように、制御装置300の入力側に、空調用センサ群301に加えて、機器冷却用センサ303が接続されている。機器冷却用センサ303は、例えば、冷却対象機器の温度を検出する温度センサを含んでいる。
制御装置300の出力側には、圧縮機31、第1膨張弁33、室外ファン341、第2膨張弁35、室内ファン361、バイパス弁37、第3膨張弁39が接続されている。制御装置300は、第3膨張弁39の絞り開度を状況に応じて変更することができる。
冷凍サイクル装置30は、空調用センサ群301、操作パネル302、機器冷却用センサ303による入力を受け付けることで、冷凍サイクル装置30の運転モードを適宜切り替える。
具体的には、制御装置300は、各膨張弁33、35、39およびバイパス弁37等を制御して冷凍サイクル装置30における冷媒の流れ方を変更することで、冷凍サイクル装置30の運転モードを切り替える。本実施形態の冷凍サイクル装置30は、室内冷房、室内暖房、除湿暖房、機器冷却といった4つの運転モードに設定可能になっている。
ここで、室内冷房、室内暖房、および除湿暖房を行う際には、図23に示すように、制御装置300によって第3膨張弁39が全閉状態に制御され、第1膨張弁33、第2膨張弁35が第1実施形態と同様に制御される。室内冷房、室内暖房、および除湿暖房を行う際の冷凍サイクル装置30の作動は第1実施形態と同様である。以下、機器冷却時の冷凍サイクル装置30の作動について説明する。
[機器冷却]
機器冷却は、冷房用蒸発器36で所望の温度に冷却した空気を車室内へ吹き出しつつ、冷却対象機器を所望の温度に冷却する運転モードである。機器冷却は、例えば、運転モード切替スイッチによって運転モードが冷房モードに設定された状態で、冷却対象機器の温度が適正温度を上回ると冷凍サイクル装置30によって実行される。この機器冷却時には、ヒータ回路HCにおける熱媒体の流れが停止される。
制御装置300は、室内冷房時における各種機器の作動状態を空調用センサ群301、機器冷却用センサ303の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。例えば、制御装置300は、図23に示すように、第1膨張弁33が全開状態となり、第2膨張弁35および第3膨張弁39が絞り状態となるように各膨張弁33、35、39を制御する。また、制御装置300は、バイパス弁37を閉状態に制御する。制御装置300は、圧縮機31、各ファン341、361等の他の機器に対する制御信号について、空調用センサ群301の検出信号および操作パネル302の操作信号を用いて適宜決定する。
冷凍サイクル装置30は、機器冷却時に、圧縮機31から吐出された高圧冷媒が凝縮器32に流入する。機器冷却時には、ヒータ回路HCに熱媒体が流れていないので、凝縮器32に流入した冷媒は、殆ど放熱することなく第1膨張弁33に流入する。
機器冷却時には、第1膨張弁33が全開状態になっているので、第1膨張弁33に流入した冷媒は、殆ど減圧されることなく室外熱交換器34に流入する。室外熱交換器34に流入した冷媒は、外気に放熱して凝縮する。
機器冷却時には、第2膨張弁35および第3膨張弁39が絞り状態になっているので、室外熱交換器34を通過した冷媒が第2膨張弁35および第3膨張弁39それぞれに流入する。
第2膨張弁35に流入した冷媒は、第2膨張弁35にて所望の圧力となるまで減圧される。第2膨張弁35で減圧された冷媒は、冷房用蒸発器36に流入する。冷房用蒸発器36に流入した冷媒は、室内ファン361からの送風空気から吸熱して蒸発する。車室内には、冷房用蒸発器36で所望の温度に冷却された空気が吹き出される。
一方、第3膨張弁39で減圧された冷媒は、機器用蒸発器40に流入する。機器用蒸発器40に流入した冷媒は、冷却回路LCを流れる熱媒体から吸熱して蒸発する。この際、冷媒の蒸発時の吸熱作用によって冷却回路LCを流れる熱媒体が冷却されるので、機器用蒸発器40で冷却された熱媒体によって冷却対象機器が冷却される。
冷房用蒸発器36および機器用蒸発器40を通過した冷媒は、圧縮機31に吸入される。圧縮機31に吸入された冷媒は、圧縮機31にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、機器冷却時には、冷房用蒸発器36で冷却された空気が車室内に吹き出されるとともに、機器用蒸発器40で冷却された熱媒体によって冷却対象機器が冷却される。
次に、統合弁VDの詳細について図24〜図27を参照しつつ説明する。図24および図25に示すように、統合弁VDは、各膨張弁33、35、39におけるボデー部BPおよび回路基板CBが統合されている。
ボデー部BPは、各膨張弁33、35、39の外殻を形成するものである。ボデー部BPは、例えば、アルミニウム合金製の金属ブロックに孔開け加工等が施されたものである。図26および図27に示すように、ボデー部BPには、第1内部流路331、第2内部流路351、第3内部流路391が形成されている。
第1内部流路331は、第1膨張弁33の一部を構成する冷媒流路であって、凝縮器32を通過した冷媒が通過する。第2内部流路351は、第2膨張弁35の一部を構成する冷媒流路であって、室外熱交換器34を通過した冷媒が通過する。第3内部流路391は、第3膨張弁39の一部を構成する冷媒流路であって、室外熱交換器34を通過した冷媒が通過する。
図25に示すように、ボデー部BPの正面には、第1内部流路331の入口部330aと出口部330b、第2内部流路351の出口部350b、第3内部流路391の出口部390bが形成されている。ボデー部BPの側面には、第2内部流路351の入口部350aおよび第3内部流路391の入口部391aが形成されている。
図24に示すように、ボデー部BPには、ボデー部BPの正面から背面まで貫通する3つの貫通孔330j、350j、390j、上面から下方に向かう3つの有底孔330k350k、390kが形成されている。
3つの貫通孔330j、350j、390jは、横一列に並ぶように水平方向に延びている。3つの有底孔330k、350k、390kは、縦一列に並ぶように上下方向DRに延びている。3つの貫通孔330j、350j、390jおよび3つの有底孔330k、350k、390kは、ボデー部BPにおいて、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に形成されている。弁軸方向DRaxは、各膨張弁33、35、39の主弁332、352、392の弁部分が変位する方向である。本実施形態では、各膨張弁33、35、39の主弁332、352、392の弁部分の変位する方向が同じ方向になっている。なお、各膨張弁33、35、39の主弁332、352、392の弁部分の変位する方向が異なる場合、弁軸方向DRaxは、各膨張弁33、35、39で異なる方向となる。
統合弁VDは、圧力調整部337、357、397および主弁332、352、392を一組とする複数の弁ユニットUT1、UT2、UT3を備える。具体的には、統合弁VDは、第1弁ユニットUT1、第2弁ユニットUT2、第3弁ユニットUT3を備える。
第1弁ユニットUT1は、第1膨張弁33の圧力調整部337および主弁332を一組とする弁ユニットである。第1膨張弁33は、貫通孔330jに主弁332が配置され、有底孔330kに圧力調整部337が配置されている。これにより、第1膨張弁33の主弁332および圧力調整部337は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置される。換言すれば、第1膨張弁33の圧力調整部337は、第1膨張弁33の主弁332に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にオフセットして配置される。圧力調整部337は、弁軸方向DRaxに直交する方向において、絞り部333aと重なり合う位置に配置されている。これにより、第1弁ユニットUT1は、弁軸方向DRaxに直交する方向の体格が抑えられている。なお、第1膨張弁33の主弁332および圧力調整部337は、第2実施形態と同様に構成されている。
第2弁ユニットUT2は、第2膨張弁35の圧力調整部357および主弁352を一組とする弁ユニットである。第2膨張弁35は、貫通孔350jに主弁352が配置され、有底孔350kに圧力調整部357が配置されている。これにより、第2膨張弁35の主弁352および圧力調整部357は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置される。換言すれば、第2膨張弁35の圧力調整部357は、第2膨張弁35の主弁352に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にオフセットして配置される。圧力調整部357は、弁軸方向DRaxに直交する方向において、絞り部353aと重なり合う位置に配置されている。これにより、第2弁ユニットUT2は、弁軸方向DRaxに直交する方向の体格が抑えられている。なお、第2膨張弁35の主弁352および圧力調整部357は、第2実施形態と同様に構成されている。
第3弁ユニットUT3は、第3膨張弁39の圧力調整部397および主弁392を一組とする弁ユニットである。第3膨張弁39は、貫通孔390iに主弁392が配置され、有底孔390kに圧力調整部397が配置されている。これにより、第3膨張弁39の主弁392および圧力調整部397は、弁軸方向DRaxに直交する方向において異なる位置に配置される。換言すれば、第3膨張弁39の圧力調整部397は、第3膨張弁39の主弁392に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にオフセットして配置される。圧力調整部397は、弁軸方向DRaxに直交する方向において、絞り部393aと重なり合う位置に配置されている。これにより、第3弁ユニットUT3は、弁軸方向DRaxに直交する方向の体格が抑えられている。
ここで、図26に示すように、第3膨張弁39の主弁392は、弁体392a、支持部392b、第1バネ392c、第2バネ392d、調整ネジ392e、作動棒392f、ストッパ392g、仕切部392h、キャップ392iを有する。
弁体392a、支持部392b、第1バネ392cは、内部流路391の途中に設けられた弁室393に収容されている。弁室393には、絞り部393aが設けられるとともに、弁体392aの弁座393bが形成されている。また、第2バネ392dは、圧力室394に配置されている。この圧力室394には、第3膨張弁39の圧力調整部397によって圧力調整された冷媒が制御流体として導入される。なお、主弁392の他の構成要素は、第1、第2実施形態で説明した主弁332、352と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第3膨張弁39の圧力調整部397は、バルブモジュールZ0で構成されている。バルブモジュールZ0は、第2実施形態で説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
図26に示すように、ボデー部BPには、第3膨張弁39の圧力調整部397の第2流路Z23と圧力室394とを連通させる第1圧力導入路Lp1が形成されている。図示しないが、ボデー部BPには、第1膨張弁33の圧力調整部337の第2流路Z23と圧力室334とを連通させる第1圧力導入路および第2膨張弁35の圧力調整部357の第2流路Z23と圧力室354とを連通させる第1圧力導入路が形成されている。これにより、各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397で調整された制御流体の圧力が、各膨張弁33、35、39の圧力室334、354、394に導入される。
また、図27に示すように、ボデー部BPには、圧縮機31から吐出される冷媒と同等の圧力を有する高圧冷媒が流れる高圧流路L1、圧縮機31に吸入される冷媒と同等の圧力を有する低圧冷媒が流れる低圧流路L2が形成されている。
高圧流路L1は、ボデー部BPに形成された第2圧力導入路Lp2を介して各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397の第1流路Z22に接続されている。これにより、各膨張弁33、35、39の第1流路Z22には、高圧冷媒の圧力が導入される。
一方、低圧流路L2は、ボデー部BPに形成された第3圧力導入路Lp3を介して各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397の第3流路Z24に接続されている。これにより、各膨張弁33、35、39の第3流路Z24には、低圧冷媒の圧力が導入される。
また、図27に示すように、各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397のターミナルZ6、Z7は、1つの回路基板CBに接続されている。この回路基板CBには、各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397それぞれの駆動回路が実装されている。
回路基板CBは、その板面が各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397の並び方向に沿って延びる姿勢で、圧力調整部337、357、397のターミナルZ6、Z7に接続されている。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。本実施形態の各膨張弁33、35、39は、第1実施形態および第2実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態および第2実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置30は、各膨張弁33、35、39が1つの統合弁VDとして統合されている。これによると、各膨張弁33、35、39を簡素に実現できるとともに、冷凍サイクル装置30の搭載性を向上させることができる。
この統合弁VDは、各弁ユニットUT1、UT2、UT3の圧力調整部337、357、397が、弁軸方向DRaxにおいて主弁332、352、392と重ならないように配置されている。すなわち、各弁ユニットUT1、UT2、UT3の圧力調整部337、357、397は、主弁332、352、392が配置される位置に対して弁軸方向DRaxに直交する方向にずれた位置に配置されている。これによれば、統合弁VDと統合弁VDの周囲に配置される他の部品とが干渉し難くなり、統合弁VDおよび他の部品のレイアウトの自由度が高まるので、設計の自由度の向上を図ることができる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態では、各弁ユニットUT1、UT2、UT3の圧力調整部337、357、397が、弁軸方向DRaxにおいて主弁332、352、392と重ならないように配置されているものを例示したが、統合弁VDは、これに限定されない。統合弁VDは、例えば、各弁ユニットUT1、UT2、UT3のうち、一部の圧力調整部337、357、397が、弁軸方向DRaxにおいて主弁332、352、392と重ならないように配置されていてもよい。
第3実施形態では、各膨張弁33、35、39が統合されたものを例示したが、統合弁VDは、これに限らず、例えば、バイパス弁37等の他の機器が統合されていたり、各膨張弁33、35、39の一部が統合されていたりしてもよい。
また、第3実施形態で説明した統合弁VDは、各膨張弁33、35、39の駆動回路が共通の回路基板CBに実装されているが、これに限らず、例えば、各膨張弁33、35、39の駆動回路が異なる基板に実装されていてもよい。
第3実施形態では、各膨張弁33、35、39の圧力調整部337、357、397および主弁332、352、392が実質的に同じもので構成されているものを例示したが、各膨張弁33、35、39はこれに限定されない。各膨張弁33、35、39は、圧力調整部337、357、397および主弁332、352、392の少なくとも一部が異なる構造になっていてもよい。
第3実施形態では、回路基板CBの板面が水平方向に沿って延びる姿勢で圧力調整部337、357、397に回路基板CBが接続されているものを例示したが、これに限定されない。回路基板CBは、その板面が水平方向に対して交差する姿勢で圧力調整部337、357、397に接続されていてもよい。
第3実施形態では、冷房モード時に機器冷却が実行されるものを例示したが、機器冷却は、これに限らず、暖房モード時や除湿暖房モード時に実行されるようになっていてもよい。また、機器冷却は、室内の空調を行っていない状況下で実行されるようになっていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、各膨張弁33、35、39の主弁332、352、392と圧力調整部337、357、397とが弁軸方向DRaxに直交する方向に重なり合っているものを例示したが、各膨張弁33、35、39は、これに限定されない。各膨張弁33、35、39は、少なくとも1つが、主弁332、352、392と圧力調整部337、357、397とが弁軸方向DRaxに直交する方向に重なり合っていなくてもよい。また、各膨張弁33、35、39の姿勢は、上述の実施形態で示したものに限定されない。例えば、各膨張弁33、35、39は、弁軸方向DRaxが上下方向DRgと交差して延びる姿勢で搭載されていてもよい。
上述の実施形態等のマイクロバルブY1、Z1は、非通電時に絞り開度が最小となる常閉弁ではなく、非通電時に絞り開度が最大となる常開弁として構成されていてもよい。
上述の実施形態では、複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124が通電されることで発熱し、その発熱によって自らの温度が上昇することで膨張する。しかし、これら部材は、温度が変化すると長さが変化する形状記憶材料から構成されていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置30における冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整するものを例示したが、圧力調整部337、357、397は、これに限定されない。圧力調整部337、357、397は、例えば、冷凍サイクル装置30とは異なる機器で生ずる流体の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整するようになっていてもよい。
上述の実施形態の如く、圧力調整部337、357、397にマイクロバルブY1、Z1を用いることが望ましいが、圧力調整部337、357、397は、これに限定されない。圧力調整部337、357、397は、例えば、電動モータ、磁気カップリング等の出力を利用して圧力室334、354、394の圧力を調整するようになっていてもよい。
上述の実施形態では、各膨張弁33、35、39がポペット式の弁構造になっているものを例示したが、各膨張弁33、35、39は、例えば、スプール式の弁構造またはスライド式の弁構造になっていてもよい。
上述の実施形態では、本開示の弁装置を蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置30に適用した例について説明したが、本開示の弁装置は、冷凍サイクル装置30以外の様々なシステムに対して広く適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路で構成されたプロセッサとの組合せにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、弁装置は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部と、制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部材を有する主弁と、を備える。圧力調整部および主弁は、弁軸方向に直交する方向において異なる位置に配置されている。
第2の観点によれば、圧力調整部は、圧力調整部の少なくとも一部が主弁と弁軸方向に直交する方向に重なり合っている。
弁装置には、弁軸方向において主弁を変位させる空間が必要であり、圧力調整部と主弁とが弁軸方向において重なり合うレイアウトになっていると、弁装置の弁軸方向における体格の大型化が避けられない。
これに対して、上記の如く、圧力調整部の少なくとも一部と主弁とが弁軸方向に直行する方向に重なり合うレイアウトになっていれば、弁装置の弁軸方向における体格の大型化を抑制することができる。
第3の観点によれば、弁装置は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部および制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部分を有する主弁を一組とする複数の弁ユニットを備える。複数の弁ユニットのうち、少なくとも1つの弁ユニットに含まれる圧力調整部は、弁軸方向において主弁と重ならないように、主弁が配置される位置に対して弁軸方向に直交する方向にずれた位置に配置されている。
第4の観点によれば、弁装置は、圧力調整部が取り付けられるボデー部と、圧力調整部を駆動するための駆動回路が形成された回路基板と、を備える。回路基板は、回路基板の板面が水平方向に対して交差する姿勢で圧力調整部に接続されている。
回路基板の周囲には、駆動回路の発熱に伴って自然対流が生ずる。回路基板の板面が水平方向に対して交差する姿勢になっていると、自然対流によって回路基板の板面に沿って上方に向かう気流が生ずる。このため、回路基板の板面が水平方向に対して交差する姿勢で配置されていれば、自然対流によって回路基板を冷却することができる。
第5の観点によれば、圧力調整部は、制御流体の圧力を調整するための流体室を有する弁部品を含む。弁部品は、流体室が形成される基部と、自らの温度が変化すると変位する駆動部と、駆動部の温度の変化による変位を増幅する増幅部と、増幅部によって増幅された変位が伝達されて動くことで、流体室を流れる冷媒の圧力を調整する可動部と、を有する。弁部品では、駆動部が温度の変化によって変位したときに、駆動部が付勢位置において増幅部を付勢することで、増幅部がヒンジを支点として変位するとともに、増幅部と可動部の接続位置で増幅部が可動部を付勢する。弁部品では、ヒンジから付勢位置までの距離よりも、ヒンジから接続位置までの距離の方が長くなっている。
これによると、弁部品の増幅部は、梃子として機能する。このため、駆動部の温度変化に応じた変位量が、梃子によって増幅されて可動部に伝わる。このように、梃子を利用して熱的な膨張による変位量が増幅される弁部品は、そのような梃子を利用しない電磁弁や電動弁を用いたものに比べて小型に構成することが可能となる。圧力調整部の弁部品を小型に構成できると、弁装置における圧力調整部が占める割合が小さくなり、圧力調整部以外の部品の設定をより広い範囲で検討することが可能となるので、弁装置の設計の自由度を高めることができる。
第6の観点によれば、弁部品は、半導体チップによって構成されている。このように、弁部品を半導体チップで構成すれば、弁部品を含む圧力調整部の小型化を実現することができる。
第7の観点によれば、弁装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用される。圧力調整部は、冷凍サイクル装置のうち異なる箇所を流れる冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整可能になっている。冷凍サイクル装置における冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整する構造とすれば、冷凍サイクル装置の構成要素とは異なる別の要素によって制御流体の圧力を調整するものに比べて、弁装置の簡素化を図ることができる。
33 第1膨張弁(弁装置)
332 主弁
337 圧力調整部
35 第2膨張弁(弁装置)
352 主弁
357 圧力調整部
39 第3膨張弁(弁装置)
392 主弁
397 圧力調整部
VD 統合弁

Claims (7)

  1. 弁装置であって、
    制御流体の圧力を調整する圧力調整部(337、357、397)と、
    前記制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部分を有する主弁(332、352、392)と、を備え、
    前記圧力調整部および前記主弁は、前記弁軸方向に直交する方向において異なる位置に配置されている弁装置。
  2. 前記圧力調整部は、前記圧力調整部の少なくとも一部が前記主弁と前記弁軸方向に直交する方向に重なり合っている請求項1に記載の弁装置。
  3. 弁装置であって、
    制御流体の圧力を調整する圧力調整部(337、357、397)および前記制御流体の圧力に応じて所定の弁軸方向に変位する弁部分を有する主弁(332、352、392)を一組とする複数の弁ユニット(UT1、UT2、UT3)を備え、
    複数の前記弁ユニットのうち、少なくとも1つの前記弁ユニットに含まれる前記圧力調整部は、前記弁軸方向において前記主弁と重ならないように、前記主弁が配置される位置に対して前記弁軸方向に直交する方向にずれた位置に配置されている弁装置。
  4. 前記圧力調整部が取り付けられるボデー部(330、350、BP)と、
    前記圧力調整部を駆動するための駆動回路が形成された回路基板(338、358)と、を備え、
    前記回路基板は、前記回路基板の板面が水平方向に対して交差する姿勢で前記圧力調整部に接続されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の弁装置。
  5. 前記圧力調整部は、前記制御流体の圧力を調整するための流体室(Y19)を有する弁部品(Y1)を含み、
    前記弁部品は、
    前記流体室(Y19)が形成される基部(Y121、Y11、Y13)と、
    自らの温度が変化すると変位する駆動部(Y123、Y124、Y125)と、
    前記駆動部の温度の変化による変位を増幅する増幅部(Y126、Y127)と、
    前記増幅部によって増幅された変位が伝達されて動くことで、前記流体室を流れる冷媒の圧力を調整する可動部(Y128)と、を有し、
    前記駆動部が温度の変化によって変位したときに、前記駆動部が付勢位置において前記増幅部を付勢することで、前記増幅部がヒンジを支点として変位するとともに、前記増幅部と前記可動部の接続位置で前記増幅部が前記可動部を付勢し、
    前記ヒンジから前記付勢位置までの距離よりも、前記ヒンジから前記接続位置までの距離の方が長くなっている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の弁装置。
  6. 前記弁部品は、半導体チップによって構成されている請求項5に記載の弁装置。
  7. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(30)に適用されるものであって、
    前記圧力調整部は、前記冷凍サイクル装置のうち異なる箇所を流れる冷媒の圧力差を利用して前記制御流体の圧力を調整可能になっている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の弁装置。
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