JP2022190675A - ヒートポンプモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を可能とするヒートポンプモジュールを提供する。
【解決手段】ヒートポンプモジュール70は、流路ボックス71と、第2制御部62と、を備える。流路ボックス71は、ヒートポンプサイクル10を構成する構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器として、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、開閉弁17が取り付けられる。ヒートポンプサイクル10の制御装置60を形成する第2制御部62は、流路ボックス71に取り付けられた複数の電気式機器の作動を制御するために、複数の電気式機器に電気的に接続される共通の電気基板部である。
【選択図】図6
【解決手段】ヒートポンプモジュール70は、流路ボックス71と、第2制御部62と、を備える。流路ボックス71は、ヒートポンプサイクル10を構成する構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器として、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、開閉弁17が取り付けられる。ヒートポンプサイクル10の制御装置60を形成する第2制御部62は、流路ボックス71に取り付けられた複数の電気式機器の作動を制御するために、複数の電気式機器に電気的に接続される共通の電気基板部である。
【選択図】図6
Description
本発明は、ヒートポンプサイクルを構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールに関する。
従来、ヒートポンプサイクルを構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールが知られている。ヒートポンプモジュールは、冷媒回路を切替可能に構成されたヒートポンプサイクルのように、構成機器の数量が多くなるヒートポンプサイクルの小型化を図るために適用して有効である。
例えば、特許文献1に、複数の冷媒流路が形成された取付部材である接続モジュールに、電気式膨張弁、電磁弁、熱交換器等の構成機器を取り付けることによって形成されたヒートポンプモジュールが開示されている。さらに、特許文献1には、接続モジュールに温度センサや圧力センサ等を取り付けてもよいことが記載されている。
ところで、特許文献1のヒートポンプモジュールでは、ヒートポンプサイクルの構成機器のうち、電気式膨張弁や電磁弁のように電気によって作動する複数の電気式機器が一体化されている。これらの電気式機器を適切に作動させるためには、電力を供給するための電力線や制御信号等を送受信するための信号線といった電線を、それぞれの電気式機器に適切に接続しなければならない。
ところが、特許文献1のヒートポンプモジュールでは、ヒートポンプサイクル全体としての小型化効果を得るために、ヒートポンプモジュール自体も小型化させている。このため、特許文献1のヒートポンプモジュールでは、狭い領域に複数の電気式機器が近接配置されており、それぞれの電気式機器と対応する電線とを接続する際の作業性が悪化しやすい。その結果、ヒートポンプサイクルの生産性を悪化させてしまう可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を可能とするヒートポンプモジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のヒートポンプモジュールは、ヒートポンプサイクル(10、10a)を構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールであって、取付部材(71)と、電気基板部(62、624a~624d)と、を備える。
取付部材は、複数の構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器(13a~13c、17、65a、65c)が取り付けられる。電気基板部は、取付部材に取り付けられた電気式機器の作動を制御するために、電気式機器に電気的に接続される。
これによれば、複数の電気式機器(13a…65c)を、取付部材(71)に取り付けて一体化させることによって、ヒートポンプサイクルの小型化を図ることができる。
さらに、取付部材(71)に取り付けられた電気式機器(13a…65c)が、電気基板部(62)に電気的に接続される。従って、ヒートポンプサイクルを製造する際に、複数の電気式機器(13a~13c他)のそれぞれに対して適切な電線を選別して接続する作業負担を軽減することができる。従って、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上とを両立させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1~図9を用いて、本発明に係るヒートポンプモジュール70の第1実施形態を説明する。本実施形態のヒートポンプモジュール70は、電気自動車に搭載された車両用空調装置1に適用されている。電気自動車は、走行用の駆動力を電動モータから得る車両である。車両用空調装置1は、空調対象空間である車室内の空調、および車載機器の冷却を行う。従って、車両用空調装置1は、車載機器冷却機能付きの空調装置、あるいは、空調機能付きの車載機器冷却装置と呼ぶことができる。
図1~図9を用いて、本発明に係るヒートポンプモジュール70の第1実施形態を説明する。本実施形態のヒートポンプモジュール70は、電気自動車に搭載された車両用空調装置1に適用されている。電気自動車は、走行用の駆動力を電動モータから得る車両である。車両用空調装置1は、空調対象空間である車室内の空調、および車載機器の冷却を行う。従って、車両用空調装置1は、車載機器冷却機能付きの空調装置、あるいは、空調機能付きの車載機器冷却装置と呼ぶことができる。
より具体的には、車両用空調装置1は、車載機器として、バッテリ80の冷却を行う。バッテリ80は、電気によって作動する複数の車載機器へ供給される電力を蓄える二次電池である。バッテリ80は、積層配置された複数の電池セルを、電気的に直列あるいは並列に接続することによって形成された組電池である。本実施形態の電池セルは、リチウムイオン電池である。
バッテリ80は、作動時(すなわち、充放電時)に発熱する。バッテリ80は、低温になると出力が低下しやすく、高温になると劣化が進行しやすいという特性を有している。このため、バッテリ80の温度は、適切な温度範囲内(本実施形態では、15℃以上、かつ、55℃以下)に維持されている必要がある。そこで、本実施形態の車両用空調装置1では、バッテリ80の温度が上昇した際に、バッテリ80の冷却を行う。
車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10、室内空調ユニット30、高温側熱媒体回路40、低温側熱媒体回路50、制御装置60等を備えている。ヒートポンプモジュール70は、ヒートポンプサイクル10を構成する複数の構成機器、および制御装置60の一部を一体化させた構成部品である。
まず、図1を用いて、ヒートポンプサイクル10について説明する。ヒートポンプサイクル10は、車室内へ送風される送風空気、高温側熱媒体回路40を循環する高温側熱媒体、および低温側熱媒体回路50を循環する低温側熱媒体の温度を調整する蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置である。さらに、ヒートポンプサイクル10は、車室内の空調およびバッテリ80の冷却のために、後述する各種運転モードに応じて、冷媒回路を切替可能に構成されている。
ヒートポンプサイクル10では、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11から吐出された高圧側冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油は、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイルである。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、ヒートポンプサイクル10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、車室の前方側の駆動装置室内に配置されている。駆動装置室は、走行用の駆動量を発生させるための機器(例えば、モータジェネレータ)等の少なくとも一部が配置される空間を形成している。
圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置60の第1制御部61から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。従って、圧縮機11は、ヒートポンプサイクル10を構成する複数の構成機器のうち、電気によって作動する電気式機器に含まれる。
圧縮機11の吐出口には、水冷媒熱交換器12の冷媒通路の入口側が接続されている。水冷媒熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧側冷媒と高温側熱媒体回路40を循環する高温側熱媒体とを熱交換させる高温側水冷媒熱交換器である。水冷媒熱交換器12では、冷媒通路を流通する高圧側冷媒の有する熱を熱媒体通路を流通する高温側熱媒体に放熱させて、高温側熱媒体を加熱する。
水冷媒熱交換器12の冷媒通路の出口には、ヒートポンプモジュール70の高圧側冷媒入口71a側が接続されている。本実施形態のヒートポンプモジュール70では、ヒートポンプサイクル10の複数の構成機器のうち、図1の破線で囲まれた構成機器等が一体化されている。
具体的には、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、ヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、開閉弁17等が一体化されている。これらの構成機器は、取付部材である流路ボックス71に取り付けられることによって一体化されている。
流路ボックス71は、内部に冷媒通路を形成する通路形成部711を有している。流路ボックス71の外表面には、内部に形成された冷媒通路に連通する複数の冷媒出入口が形成されている。ヒートポンプモジュール70の詳細構成については後述する。
流路ボックス71に形成された高圧側冷媒入口71aは、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、暖房用膨張弁13aの入口に連通している。暖房用膨張弁13aは、後述する暖房モード時等に、水冷媒熱交換器12の冷媒通路から流出して高圧側冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量(質量流量)を調整する暖房用減圧部である。
暖房用膨張弁13aは、制御装置60の第2制御部62から出力される制御信号(具体的には、制御パルス)によって、その作動が制御される電動式の可変絞り機構である。従って、暖房用膨張弁13aは、電気式機器に含まれる。さらに、暖房用膨張弁13aは、弁体部が絞り通路を全開にすることで流量調整作用および冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。
暖房用膨張弁13aの出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、流路ボックス71の高圧側冷媒出口71bに連通している。流路ボックス71の高圧側冷媒入口71aから高圧側冷媒出口71bへ至る冷媒通路は、後述する冷房モード時にサイクルの高圧側冷媒を流通させる高圧側冷媒通路70aである。
高圧側冷媒出口71bには、室外熱交換器14の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器14は、暖房用膨張弁13aから流出した冷媒と図示しない冷却ファンにより送風された外気とを熱交換させる室外熱交換部である。室外熱交換器14は、駆動装置室内の前方側に配置されている。このため、車両走行時には、グリルを介して駆動装置室内へ流入した走行風を、室外熱交換器14に当てることができる。
室外熱交換器14の冷媒出口には、流路ボックス71の室外器側冷媒入口71c側が接続されている。室外器側冷媒入口71cは、流路ボックス71の内部に形成された第1内部三方継手部15aの流入口に連通している。第1内部三方継手部15aは、流路ボックス71の内部に形成された複数の冷媒通路同士を接続することによって形成された三方継手構造の部位である。
さらに、本実施形態の流路ボックス71の内部には、第2内部三方継手部15b、および第3内部三方継手部15cが形成されている。第2内部三方継手部15b、第3内部三方継手部15c、および以下の実施形態で説明する内部三方継手部の基本的構成は、いずれも第1内部三方継手部15aと同様である。
これらの内部三方継手は、3つの流入出口のうち1つが流入口として用いられ、2つが流出口として用いられた際には、1つの流入口から流入した冷媒の流れを分岐する分岐部となる。また、3つの流入出口のうち2つが流入口として用いられ、1つが流出口として用いられた際には、2つの流入口から流入した冷媒の流れを合流させる合流部となる。
第1内部三方継手部15aの一方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第2内部三方継手部15bの流入口が接続されている。第1内部三方継手部15aの一方の流出口から第2内部三方継手部15bの流入口へ至る冷媒通路には、逆止弁16が配置されている。
逆止弁16は、冷媒が第1内部三方継手部15a側から第2内部三方継手部15b側へ流れることを許容し、冷媒が第2内部三方継手部15b側から第1内部三方継手部15a側へ流れることを禁止している。
第2内部三方継手部15bの一方の流出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、冷房用膨張弁13bの入口に連通している。
冷房用膨張弁13bは、後述する冷房モード時等に、冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する冷房用減圧部である。冷房用膨張弁13bの基本的構成は、暖房用膨張弁13aと同様である。さらに、冷房用膨張弁13bは、絞り通路を全閉とすることで、冷媒通路を閉塞させる全閉機能を有している。
冷房用膨張弁13bの出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、流路ボックス71の冷房側冷媒出口71dに連通している。
冷房側冷媒出口71dには、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器18は、後述する室内空調ユニット30の空調ケース31内に配置されている。室内蒸発器18は、冷房用膨張弁13bにて減圧された低圧側冷媒と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させる冷却用熱交換器である。室内蒸発器18では、低圧側冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、送風空気を冷却する。
室内蒸発器18の冷媒出口には、外部三方継手部151の一方の流入口側が接続されている。外部三方継手部151は、互いに連通する3つの流入出口を有する三方継手である。
第2内部三方継手部15bの他方の流出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、冷却用膨張弁13cの入口に連通している。
冷却用膨張弁13cは、後述するバッテリ冷却モード時等に、冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する冷却用減圧部である。冷却用膨張弁13cの基本的構成は、冷房用膨張弁13bと同様である。従って、冷却用膨張弁13cは、全閉機能を有している。
冷房用膨張弁13bおよび冷却用膨張弁13cは、いずれも電気式機器に含まれる。また、冷房用膨張弁13bおよび冷却用膨張弁13cは、冷媒通路を閉塞させることによって、冷媒回路を切り替えることができる。従って、冷房用膨張弁13bおよび冷却用膨張弁13cは、冷媒回路切替部としての機能を兼ね備える。
冷却用膨張弁13cの出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、流路ボックス71の冷却側冷媒出口71eに連通している。
冷却側冷媒出口71eには、チラー19の冷媒入口側が接続されている。チラー19は、冷却用膨張弁13cにて減圧された低圧側冷媒と低温側熱媒体回路50を循環する低温側熱媒体とを熱交換させる低温側水冷媒熱交換器である。チラー19では、冷媒通路を流通する低圧側冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、熱媒体通路を流通する低温側熱媒体を冷却する。
チラー19の冷媒通路の出口には、外部三方継手部151の他方の流入口側が接続されている。外部三方継手部151の流出口には、流路ボックス71の低圧側冷媒入口71f側が接続されている。低圧側冷媒入口71fには、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第3内部三方継手部15cの一方の流入口が接続されている。
また、前述の第1内部三方継手部15aの他方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第3内部三方継手部15cの他方の流入口が接続されている。第1内部三方継手部15aの他方の流出口から第3内部三方継手部15cの他方の流入口へ至る冷媒通路には、開閉弁17が配置されている。
開閉弁17は、第1内部三方継手部15aから第3内部三方継手部15cへ至る冷媒通路を開閉する電磁弁である。開閉弁17は、制御装置60の第2制御部62から出力される制御電圧によって、開閉作動が制御される。従って、開閉弁17は、電気式機器に含まれる。また、開閉弁17は、冷媒通路を開閉することによって、冷媒回路を切り替えることができる。従って、開閉弁17は、冷媒回路切替部である。
第3内部三方継手部15cの流出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、流路ボックス71の低圧側冷媒出口71gに連通している。また、流路ボックス71の低圧側冷媒入口71fから第3内部三方継手部15cを介して低圧側冷媒出口71gへ至る冷媒通路は、冷房モード時にサイクルの低圧側冷媒を流通させる低圧側冷媒通路70bである。
低圧側冷媒出口71gには、アキュムレータ20の入口側が接続されている。アキュムレータ20は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える低圧側の気液分離器である。アキュムレータ20の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
次に、高温側熱媒体回路40について説明する。高温側熱媒体回路40は、高温側熱媒体を循環させる回路である。高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用している。高温側熱媒体回路40には、水冷媒熱交換器12の熱媒体通路、高温側ポンプ41、ヒータコア42等が配置されている。
高温側ポンプ41は、高温側熱媒体を吸入して圧送する高温側の熱媒体圧送部である。高温側ポンプ41は、高温側熱媒体を水冷媒熱交換器12の熱媒体通路の入口側へ圧送する。高温側ポンプ41は、制御装置60の第1制御部61から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動水ポンプである。
水冷媒熱交換器12の熱媒体通路の出口には、ヒータコア42の熱媒体入口側が接続されている。ヒータコア42は、室内空調ユニット30の空調ケース31内に配置されている。ヒータコア42は、水冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させる加熱用熱交換部である。ヒータコア42では、高温側熱媒体の有する熱を送風空気に放熱させて、送風空気を加熱する。ヒータコア42の熱媒体出口には、高温側ポンプ41の吸入口側が接続されている。
従って、本実施形態では、水冷媒熱交換器12および高温側熱媒体回路40の各構成機器によって、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として、送風空気を加熱する加熱部が形成されている。
次に、低温側熱媒体回路50について説明する。低温側熱媒体回路50は、低温側熱媒体を循環させる回路である。低温側熱媒体回路50では、低温側熱媒体として、高温側熱媒体と同種の流体を採用している。低温側熱媒体回路50には、チラー19の水通路、低温側ポンプ51、バッテリ80の冷却水通路80a等が接続されている。
低温側ポンプ51は、低温側熱媒体を吸入して圧送する低温側の熱媒体圧送部である。低温側ポンプ51は、低温側熱媒体をチラー19の熱媒体通路の入口側へ圧送する。低温側ポンプ51の基本的構成は、高温側ポンプ41と同様である。
チラー19の熱媒体通路の出口には、バッテリ80の冷却水通路80aの入口側が接続されている。バッテリ80の冷却水通路80aは、積層配置された複数の電池セルを収容するバッテリ専用ケースの内部に形成されている。冷却水通路80aの通路構成は、バッテリ専用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した通路構成となっている。これにより、冷却水通路80aでは、全ての電池セルを均等に冷却できるようにしている。冷却水通路80aの出口には、低温側ポンプ51の吸入口側が接続されている。
次に、図2を用いて、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内の空調のために適切な温度に調整された送風空気を、車室内の適切な箇所へ吹き出すために、複数の構成機器を一体化したユニットである。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、送風空気の空気通路を形成する空調ケース31内に、室内送風機32、室内蒸発器18、ヒータコア42等を収容することによって形成されている。空調ケース31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
空調ケース31の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置33が配置されている。内外気切替装置33は、空調ケース31内へ内気(すなわち、車室内空気)と外気(すなわち、車室外空気)とを切替導入する。内外気切替装置33は、制御装置60の第1制御部61から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、室内送風機32が配置されている。室内送風機32は、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。室内送風機32は、制御装置60の第1制御部61から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
室内送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器18およびヒータコア42が配置されている。室内蒸発器18は、ヒータコア42よりも、送風空気流れ上流側に配置されている。空調ケース31内には、室内蒸発器18通過後の送風空気を、ヒータコア42を迂回させて流す冷風バイパス通路35が形成されている。
空調ケース31内の室内蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、かつ、ヒータコア42および冷風バイパス通路35の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。
エアミックスドア34は、室内蒸発器18通過後の送風空気のうち、ヒータコア42側を通過させる送風空気の風量と冷風バイパス通路35を通過させる送風空気の風量との風量割合を調整する。エアミックスドア34の駆動用のアクチュエータは、制御装置60の第1制御部61から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア42および冷風バイパス通路35の送風空気流れ下流側には、混合空間36が配置されている。混合空間36は、ヒータコア42にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路35を通過して加熱されていない送風空気とを混合させる空間である。
従って、室内空調ユニット30では、エアミックスドア34の開度調整によって、混合空間36にて混合されて車室内へ吹き出される送風空気(すなわち、空調風)の温度を調整することができる。
空調ケース31の送風空気流れ最下流部には、空調風を車室内の様々な箇所へ向けて吹き出すための図示しない複数の開口穴が形成されている。複数の開口穴には、それぞれの開口穴を開閉する図示しない吹出モードドアが配置されている。吹出モードドアの駆動用のアクチュエータは、制御装置60の第1制御部61から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
従って、室内空調ユニット30では、吹出モードドアが開閉する開口穴を切り替えることによって、車室内の適切な箇所へ適切な温度に調整された空調風を吹き出すことができる。
次に、図3を用いて、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。制御装置60は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータ、および周辺回路を有している。制御装置60は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
制御装置60は、第1制御部61と第2制御部62とに分割されている。第1制御部61は、ヒートポンプサイクル10の圧縮機11、室内空調ユニット30の室内送風機32、内外気切替装置33、エアミックスドア34の駆動用のアクチュエータ、吹出モードドアの駆動用のアクチュエータ、高温側ポンプ41、低温側ポンプ51等の作動を制御する。
第2制御部62は、ヒートポンプサイクル10の暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、および開閉弁17の作動を制御する。第2制御部62は、いわゆる硬質プリント基板で形成された電気基板部である。第2制御部62は、単一の部材で矩形の平板状に形成されている。
従って、第2制御部62は、流路ボックス71に取り付けられた暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、および開閉弁17といった複数の電気式機器に電気的に接続される共通の電気基板部である。また、第2制御部62は、ヒートポンプモジュール70として、他のヒートポンプサイクル10の構成機器と一体化されている。
第1制御部61の入力側には、内気温センサ63a、外気温センサ63b、日射センサ63c、第1冷媒温度センサ64a、第2冷媒温度センサ64b、第1冷媒圧力温度センサ65a~第3冷媒圧力温度センサ65c、高温側熱媒体温度センサ66a、低温側熱媒体温度センサ66b、バッテリ温度センサ67、空調風温度センサ68等の制御用のセンサ群が接続されている。
第1制御部61には、これらのセンサの検出信号が入力される。これらのセンサは、ヒートポンプサイクル10を構成する構成機器に含まれる。さらに、いずれも電気的な信号を出力する。従って、上述したセンサは、いずれも電気式機器に含まれる。
内気温センサ63aは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ63bは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ63cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。
第1冷媒温度センサ64aは、圧縮機11から吐出された吐出冷媒の温度Tdを検出する吐出冷媒温度検出部である。第2冷媒温度センサ64bは、室外熱交換器14から流出した冷媒の室外側温度Toを検出する室外器側温度検出部である。
第1冷媒圧力温度センサ65aは、水冷媒熱交換器12の冷媒通路から流出した冷媒の高圧側冷媒圧力P1および高圧側冷媒温度T1を検出する高圧側圧力温度検出部である。第2冷媒圧力温度センサ65bは、室内蒸発器18から流出した冷媒の室内器側冷媒圧力P2および室内器側冷媒温度T2を検出する室内器側圧力温度検出部である。第3冷媒圧力温度センサ65cは、チラー19から流出した冷媒のチラー側冷媒圧力P3およびチラー側冷媒温度T3を検出するチラー側圧力温度検出部である。
第1冷媒圧力温度センサ65a~第3冷媒圧力温度センサ65cでは、圧力検出部と温度検出部が一体化された検出部を採用しているが、もちろん、それぞれ別体で構成された圧力検出部と温度検出部とを採用してもよい。
高温側熱媒体温度センサ66aは、ヒータコア42へ流入する高温側熱媒体の温度である高温側熱媒体温度TWHを検出する高温側熱媒体温度検出部である。低温側熱媒体温度センサ66bは、バッテリ80の冷却水通路80aへ流入する低温側熱媒体の温度である低温側熱媒体温度TWLを検出する低温側熱媒体温度検出部である。
バッテリ温度センサ67は、バッテリ温度TB(すなわち、バッテリ80の温度)を検出するバッテリ温度検出部である。本実施形態のバッテリ温度センサ67は、複数の温度センサを有し、バッテリ80の複数の箇所の温度を検出している。このため、制御装置60では、バッテリ80を形成する各電池セルの温度差を検出することができる。さらに、バッテリ温度TBとしては、複数の温度センサの検出値の平均値を採用している。
空調風温度センサ68は、混合空間36から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
第1制御部61の入力側には、空調用の操作パネル69が接続されている。空調用の操作パネル69は、車室内前部の計器盤付近に配置されている。制御装置60には、空調用の操作パネル69に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。空調用の操作パネル69に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、オートスイッチ、エアコンスイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。
オートスイッチは、ユーザが車室内空調の自動制御運転を設定あるいは解除する操作部である。エアコンスイッチは、ユーザが室内蒸発器18にて送風空気の冷却を行うことを要求する操作部である。風量設定スイッチは、ユーザが室内送風機32の風量をマニュアル設定する操作部である。温度設定スイッチは、ユーザが車室内の設定温度Tsetを設定する操作部である。
なお、本実施形態の制御装置60は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する機器制御部が一体に構成されたものである。つまり、制御装置60のうち、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する機器制御部を形成している。
例えば、制御装置60の第1制御部61うち、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、圧縮機11の回転数)を制御する構成は、圧縮機制御部61aを形成している。
例えば、制御装置60の第2制御部62うち、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13cの作動を制御する構成は、それぞれ暖房用膨張弁制御部62a、冷房用膨張弁制御部62b、冷却用膨張弁制御部62cを形成している。第2制御部62のうち、開閉弁17の作動を制御する構成は、開閉弁制御部62dを形成している。
また、第1制御部61と第2制御部62は、ハーネス601を介して、CAN(Controller Area Network)通信プロトコル等によって互いに通信可能に接続されている。従って、一方の制御部に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御部の出力側に接続された制御対象機器の作動を制御することができる。
また、図3では、図示の明確化のため、例えば、暖房用膨張弁制御部62aを第2制御部62内に記載しているが、暖房用膨張弁制御部62aの一部または全部が第1制御部61側に形成されていてもよい。つまり、第2制御部62には、暖房用膨張弁制御部62aの一部を形成する配線部のみが配置されていてもよい。このことは、他の機器制御部ついても同様である。
また、図3では、第1制御部61を1つの制御装置として示しているが、第1制御部61を複数の制御装置で形成してもよい。例えば、圧縮機制御部61aを別の制御装置として形成してもよい。
次に、図4~図7を用いて、ヒートポンプモジュール70の製造方法、並びに、詳細構成について説明する。上述の如く、ヒートポンプモジュール70は、ヒートポンプサイクル10を構成する電気式機器である暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、開閉弁17、並びに、制御装置60の第2制御部62を一体化させた構成部品である。
さらに、ヒートポンプモジュール70は、流路ボックス71、カバー部材72を備えている。
流路ボックス71は、金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。流路ボックス71は、略直方体形状に形成されている。流路ボックス71の1つの面(本実施形態では、上面)は、電気式機器が取り付けられる取付面712となっている。取付面712には、電気式機器およびコネクタ620を取り付けるための取付穴が形成されている。コネクタ620は、ハーネス601の一方の端部が接続される接続部である。
電気式機器が取り付けられる取付穴は、流路ボックス71内に形成された各種冷媒通路に連通している。コネクタ620が取り付けられる取付穴は、取付面712のうち流路ボックス71から突出した板状部の表裏を貫通するように形成されている。また、流路ボックス71の複数の面(本実施形態では、2つの側面)には、上述した高圧側冷媒入口71a等の複数の冷媒出入口が形成されている。
ヒートポンプモジュール70を製造する際には、まず、図4に示すように、流路ボックス71の取付面712に形成された取付穴に、電気式機器およびコネクタ620をネジ締結や圧入等の手段で取り付ける(機器取付工程)。電気式機器と取付穴との隙間には、図示しないシール部材が配置されている。これにより、隙間を介して冷媒が漏れてしまうことが抑制されている。
流路ボックス71に取り付けられる電気式機器およびコネクタ620は、それぞれ第2制御部62に電気的に接続される接続端子部であるターミナル131a、131b、131c、171を有している。コネクタ620は、第2制御部62に電気的に接続される接続端子部であるターミナル621を有している。
電気式機器およびコネクタ620が流路ボックス71に取り付けられた状態では、図4、図5に示すように、暖房用膨張弁13aのターミナル131a、冷房用膨張弁13bのターミナル131b、冷却用膨張弁13cのターミナル131c、開閉弁17のターミナル171、およびコネクタ620のターミナル621は、いずれも取付面に垂直な方向(本実施形態では上下方向)に突出している。
機器取付工程の完了後、図6に示すように、角柱状のスペーサ622を介して、第2制御部62を流路ボックス71の取付面712にネジ止め等の手段で取り付ける(基板取付工程)。スペーサ622は、上下方向から見たときに第2制御部62の4つの角部側に配置される。第2制御部62は、板面が取付面712と並行となるように取り付けられる。
スペーサ622は金属(本実施形態では、ステンレス合金)で形成されている。スペーサ622の少なくとも1つは、第2制御部62のグランド線に電気的に接続されている。このため、流路ボックス71は、スペーサ622を介して、第2制御部62のグランド線に電気的に接続されている。
スペーサ622の高さ寸法(すなわち、軸方向長さ)は、電気式機器のターミナル131a、131b、131c、171、およびコネクタ620のターミナル621が、それぞれ第2制御部62に形成された所定の接続部に直接接続されるように設定されている。
換言すると、それぞれの電気式機器のターミナル131a、131b、131c、171、およびコネクタ620のターミナル621は、複数の電気式機器およびコネクタ620が流路ボックス71に取り付けられた際に、同一方向に突出しており、第2制御部62に形成された電気配線の接続部に直接接続可能に配置されている。
基板取付工程の完了後、図7に示すように、流路ボックス71の取付面712の外縁部に、カバー部材72を接着や溶着等の手段で取り付ける(カバー取付工程)。これにより、ヒートポンプモジュール70が製造される。カバー部材72は、金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。
カバー部材72は、1つの面が開口した有底箱状に形成されている。カバー部材72は、流路ボックス71とともに、複数の電気式機器および第2制御部62の収容空間を形成している。カバー部材72と流路ボックス71との隙間、およびコネクタ620と取付穴との隙間には、図示しないシール部材が配置されている。これにより、隙間を介して水分や異物が収容空間内へ侵入してしまうことが抑制されている。
次に、図8、図9を用いて、ヒートポンプモジュール70の内部に形成される冷媒通路について説明する。
流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路のうち高圧側冷媒通路70aは、図8に示すように、取付面712よりも底面713の近くに形成された部位が多い。底面713は、流路ボックス71の取付面712の反対側の面である。一方、低圧側冷媒通路70bは、図9に示すように、底面713よりも取付面712の近くに形成された部位が多い。
つまり、低圧側冷媒通路70bは、高圧側冷媒通路70aよりも取付面712の近くに配置される部位が多い。すなわち、低圧側冷媒通路70bは、高圧側冷媒通路70aよりも第2制御部62の近くに配置される部位が多い。
このため、高圧側冷媒通路70aおよび低圧側冷媒通路70bは、高圧側冷媒通路70aに高圧側冷媒が流通しても、第2制御部62が高圧側冷媒によって加熱されてしまうことを抑制可能に配置されている。さらに、高圧側冷媒通路70aおよび低圧側冷媒通路70bは、低圧側冷媒通路70bを流通する低圧側冷媒によって第2制御部62を冷却可能に配置されている。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。前述の如く、車両用空調装置1は、車室内の空調、および車載機器であるバッテリ80の冷却を行う。車両用空調装置1では、車室内の空調、およびバッテリ80の冷却を行うために、ヒートポンプサイクル10の冷媒回路を切り替えて、各種運転モードを実行する。
車両用空調装置1の運転モードとしては、車室内の空調を行うための空調用の運転モード、およびバッテリ80の冷却を行うための冷却用の運転モードがある。
まず、空調用の運転モードについて説明する。空調用の運転モードには、冷房モード、除湿暖房モード、暖房モードがある。
冷房モードは、車室内へ送風される送風空気を冷却して車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行う運転モードである。除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を行う運転モードである。暖房モードは、送風空気を加熱して車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行う運転モードである。
空調用の運転モードの切り替えは、制御装置60に記憶されている空調用の制御プログラムによって行われる。空調用の制御プログラムは、操作パネル69のオートスイッチによって、車室内空調の自動制御運転が設定された際に実行される。空調用の制御プログラムでは、各種センサ群によって検出された検出信号や操作パネル69の操作信号に基づいて、運転モードを切り替える。
空調用の制御プログラムでは、主に夏季のように比較的外気温が高い場合に冷房モードに切り替える。また、主に春季あるいは秋季に除湿暖房モードに切り替える。また、主に冬季のように比較的外気温が低い場合に、暖房モードに切り替える。以下に空調用の各運転モードの詳細作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを減圧作用を発揮する絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
冷房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを減圧作用を発揮する絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
ここで、冷却用膨張弁13cについては、冷却用の運転モードに応じて制御される。冷却用の運転モードが実行されていない場合は、制御装置60は、冷却用膨張弁13cを全閉状態とする。冷却用膨張弁13cの制御については、他の空調用の運転モードにおいても同様である。
このため、冷房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、全開となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、絞り状態となっている冷房用膨張弁13b、室内蒸発器18、アキュムレータ20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、冷房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が、水冷媒熱交換器12の熱媒体通路、ヒータコア42、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する。
従って、冷房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12および室外熱交換器14を、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器(換言すると、放熱器)として機能させ、室内蒸発器18を、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
その結果、冷房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12にて、高温側熱媒体が加熱される。さらに、室内蒸発器18にて、送風空気が冷却される。
また、冷房モードの高温側熱媒体回路40では、水冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体が、ヒータコア42へ供給される。
また、冷房モードの室内空調ユニット30では、室内送風機32から送風された送風空気が、室内蒸発器18にて冷却される。室内蒸発器18にて冷却された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、ヒータコア42にて加熱される。これにより、混合空間36における送風空気の温度が、目標吹出温度TAOに近づく。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
目標吹出温度TAOは、車室内へ送風される送風空気の目標温度である。目標吹出温度TAOは、空調用の制御プログラムにおいて、各種センサによって検出された検出信号、および操作パネル69の操作信号を用いて算定される。
(b)除湿暖房モード
除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、絞り状態となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、絞り状態となっている冷房用膨張弁13b、室内蒸発器18、アキュムレータ20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が、水冷媒熱交換器12の熱媒体通路、ヒータコア42、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する。
従って、除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12を凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。さらに、室外熱交換器14における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも高い場合には、室外熱交換器14を凝縮器として機能させる。また、室外熱交換器14における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも低い場合には、室外熱交換器14を蒸発器として機能させる。
その結果、除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12にて、高温側熱媒体が加熱される。さらに、室内蒸発器18にて、送風空気が冷却される。
また、除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、水冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体が、ヒータコア42へ供給される。
また、除湿暖房モードの室内空調ユニット30では、室内送風機32から送風された送風空気が、室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて除湿された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、ヒータコア42にて再加熱される。これにより、混合空間36における送風空気の温度が、目標吹出温度TAOに近づく。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(c)暖房モード
暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを全閉状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を開く。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを全閉状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を開く。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、絞り状態となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、アキュムレータ20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、暖房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が、水冷媒熱交換器12の熱媒体通路、ヒータコア42、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する。
従って、暖房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12を凝縮器として機能させ、室外熱交換器14を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
その結果、暖房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12にて、高温側熱媒体が加熱される。
また、暖房モードの高温側熱媒体回路40では、水冷媒熱交換器12にて加熱された熱媒体がヒータコア42へ供給される。
また、暖房モードの室内空調ユニット30では、室内送風機32から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、ヒータコア42にて加熱される。これにより、混合空間36から車室内へ吹き出される送風空気の温度が、目標吹出温度TAOに近づく。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
次に、冷却用の運転モードについて説明する。冷却用の運転モードは、制御装置60に記憶されている冷却用の制御プログラムが実行されることによって行われる。冷却用の制御プログラムでは、バッテリ温度センサ67によって検出されたバッテリ温度TBが、予め定めた基準冷却温度TB1以上となった際に、冷却モードの運転を行う。
冷却用の制御プログラムは、乗員が車室内の空調を要求しているか否かにかかわらず、車両システムが起動している際、および外部電源からバッテリ80に充電している際に実行される。このため、冷却モードには、空調中の冷却モードおよび非空調中の冷却モードがある。以下に冷却用の各運転モードの詳細作動を説明する。
(d)空調中の冷却モード
空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。さらに、空調用の運転モードが暖房モードになっている際には、開閉弁17を閉じる。その他の制御対象機器の作動は、空調用の各運転モードと同様である。
空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。さらに、空調用の運転モードが暖房モードになっている際には、開閉弁17を閉じる。その他の制御対象機器の作動は、空調用の各運転モードと同様である。
このため、空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、冷却用膨張弁13cにて減圧されたチラー19の冷媒通路へ流入する冷媒回路に切り替えられる。
また、空調中の冷却モードの低温側熱媒体回路50では、低温側ポンプ51から圧送された低温側熱媒体が、チラー19の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ51の吸入口の順に循環する。
従って、空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、少なくともチラー19を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。
また、空調中の冷却モードの低温側熱媒体回路50では、チラー19冷却された低温側熱媒体が、バッテリ80の冷却水通路80aへ供給される。これにより、バッテリ80が冷却される。
(e)非空調中の冷却モード
非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、圧縮機11を作動させる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを全閉とし、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、圧縮機11を作動させる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを全閉とし、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。また、制御装置60は、開閉弁17を閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、冷房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、全開となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、絞り状態となっている冷却用膨張弁13c、チラー19、アキュムレータ20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、非空調中の冷却モードの低温側熱媒体回路50では、低温側ポンプ51から圧送された低温側熱媒体が、チラー19の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ51の吸入口の順に循環する。
従って、非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、少なくとも室外熱交換器14を凝縮器として機能させ、チラー19を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。
また、非空調中の冷却モードの低温側熱媒体回路50では、チラー19冷却された低温側熱媒体が、バッテリ80の冷却水通路80aへ供給される。これにより、バッテリ80が冷却される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1によれば、車室内の快適な空調および車載機器であるバッテリ80の冷却を行うことができる。
さらに、本実施形態では、ヒートポンプモジュール70を採用しているので、ヒートポンプサイクル10の小型化と生産性の向上とを両立させることができる。
より詳細には、本実施形態のヒートポンプサイクル10のように、冷媒回路を切替可能に形成されたヒートポンプサイクルでは、構成機器の数量が増加しやすい。このため、ヒートポンプモジュール70のように複数の構成機器を一体化させることは、ヒートポンプサイクルの小型化のために有効である。
ところが、ヒートポンプサイクルの小型化を効果を得るためには、ヒートポンプモジュール自体を小型化させなければならないので、それぞれの電気式機器に対して、適切な電力線や信号線といった電線を接続する際の作業性が悪化しやすい。その結果、ヒートポンプサイクルの生産性を悪化させてしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、流路ボックス71に取りけられた複数の電気式機器が、共通の電気基板部である第2制御部62に電気的に接続される。これによれば、複数の電気式機器のそれぞれに対して適切な電線を選別して接続する作業が不要となる。さらに、第2制御部62のコネクタ620にハーネス601を接続して、一体化された複数の電気式機器の作動を制御することができる。
従って、ヒートポンプモジュール70によれば、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を図ることができる。延いては、車両用空調装置1としての生産性を向上させることができる。さらに、複数の電気式機器のそれぞれに対して接続される電線を廃止することができるので、電線およびコネクタ等の部品点数を削減することもできる。
また、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、機器取付工程で説明したように、流路ボックス71に取り付けられた状態で、複数の電気式機器のターミナルが、同一方向に延びるように配置される。さらに、基板取付工程で説明したように、複数の電気式機器のターミナルが、第2制御部62に形成された所定の接続部に直接接続される。
これによれば、流路ボックス71に取り付けられた複数の電気式機器のターミナルを、第2制御部62に同時に接続することができる。従って、より一層、ヒートポンプサイクルの生産性を向上させることができる。
また、本実施形態のヒートポンプモジュール70の流路ボックス71には、高圧側冷媒通路70aおよび低圧側冷媒通路70bが形成されている。そして、低圧側冷媒通路70bは、高圧側冷媒通路70aよりも第2制御部62の近くに配置される部位が多くなるように配置されている。
これによれば、冷房モード時に、高温の高圧側冷媒が高圧側冷媒通路70aを流通しても、高圧側冷媒によって第2制御部62が加熱されてしまうことを抑制しやすい。さらに、冷房モード時に、低圧側冷媒通路70bを流通する低温の低圧側冷媒によって第2制御部62を冷却しやすい。従って、比較的外気温が高くなる冷房モード時等であっても、第2制御部62の温度上昇を抑制して、第2制御部62の作動を安定させることができる。
また、本実施形態のヒートポンプモジュール70の流路ボックス71は、金属で形成されており、金属で形成されたスペーサ622を介して、第2制御部62のグランド線に接続されている。これによれば、流路ボックス71を接地することで、第2制御部62のグランドを容易に確保することができる。そして、第2制御部62の耐ノイズ性を向上させて、より一層、第2制御部62の作動を安定させることができる。
また、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、カバー部材72を備えている。従って、流路ボックス71に取り付けられた電気式機器や第2制御部62の防水性を高めることができる。さらに、カバー部材72が導電性を有する材料で形成されているので、電磁両立性(いわゆる、EMC)を向上させやすい。
(第2実施形態)
本実施形態のヒートポンプモジュール700では、ヒートポンプサイクル10の複数の構成機器のうち、図10の破線で囲まれた構成機器が一体化されている。
本実施形態のヒートポンプモジュール700では、ヒートポンプサイクル10の複数の構成機器のうち、図10の破線で囲まれた構成機器が一体化されている。
具体的には、ヒートポンプモジュール700では、ヒートポンプサイクル10を構成する構成機器のうち、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、開閉弁17、第1冷媒圧力温度センサ65a、および第3冷媒圧力温度センサ65c等が、流路ボックス71に取り付けられることによって一体化されている。
さらに、ヒートポンプモジュール700の流路ボックス71の内部には、第4内部三方継手部15dが形成されている。第4内部三方継手部15dは、第1実施形態で説明した外部三方継手部151に対応する内部三方継手部である。このため、本実施形態のヒートポンプサイクル10では、外部三方継手部151は廃止されている。
また、図11に示すように、ヒートポンプモジュール700においても、電気式機器およびコネクタ620が流路ボックス71に取り付けられた状態では、暖房用膨張弁13aのターミナル131a、冷房用膨張弁13bのターミナル131b、冷却用膨張弁13cのターミナル131c、開閉弁17のターミナル171、コネクタ620のターミナル621、第1冷媒圧力温度センサ65aのターミナル651a、および第3冷媒圧力温度センサ65cのターミナル651cが、取付面に垂直な方向(図11では、紙面表裏方向)に突出している。
これらの電気式機器のターミナル131a、131b、131c、171、651a、651c、およびコネクタ620のターミナル621は、第2制御部62に形成された電気配線の接続部に直接接続可能に配置されている。このため、本実施形態では、第1冷媒圧力温度センサ65aおよび第3冷媒圧力温度センサ65cも、第2制御部62に接続される。
さらに、ヒートポンプモジュール700では、ヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、圧縮機11、水冷媒熱交換器12、チラー19、アキュムレータ20が、ネジ締結等によって、流路ボックス71の側面に取り付けられて、一体化されている。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール700においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態のヒートポンプモジュール700によれば、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を図ることができる。
本発明に係るヒートポンプモジュールに取り付けられるヒートポンプサイクルの構成機器は、第1実施形態および第2実施形態に記載された組み合わせに限定されない。つまり、適用されるヒートポンプサイクルの仕様に応じて、適宜決定すればよい。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71の構成を変更した例を説明する。本実施形態の流路ボックス71は、図13に示すように、機器形成部714を有している。機器形成部714は、電気式機器の一部を形成する部位である。
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71の構成を変更した例を説明する。本実施形態の流路ボックス71は、図13に示すように、機器形成部714を有している。機器形成部714は、電気式機器の一部を形成する部位である。
具体的には、本実施形態の機器形成部714は、暖房用膨張弁13aの一部として、シート部133aが固定される部位を形成している。シート部133aは、暖房用膨張弁13aの弁体部132aの弁座である。弁体部132aとシート部133aとの隙間には、冷媒を減圧させる絞り通路が形成される。これにより、暖房用膨張弁13aでは、弁体部132aを変位させることによって、絞り通路の開度を変更することができる。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、流路ボックス71が機器形成部714を有しているので、電気式機器の部品点数を低減することができる。
なお、機器形成部714は、暖房用膨張弁13aのシート部133aを固定する部位に限定されない。例えば、機器形成部714がシート部を形成していてもよい。また、機器形成部714は、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、あるいは開閉弁17の一部を形成していてもよい。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71に取り付けられた電気式機器と第2制御部62との接続態様を変更した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71に取り付けられた電気式機器と第2制御部62との接続態様を変更した例を説明する。
具体的には、本実施形態では、図14に示すように、第2制御部62の少なくとも一部をフレキシブル基板で形成している。そして、基板取付工程時に、一部の電気式機器の接続端子部(図14では、冷房用膨張弁13bのターミナル131b)を、第2制御部62のうちフレキシブル基板で形成された部位623に接続している。
フレキシブル基板は、絶縁性を有する薄膜状の樹脂フィルムに電子部品や導体箔等を貼り合わせることによって形成されている。このため、硬質プリント基板よりも柔らかく、湾曲させることができる。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、第2制御部62の少なくとも一部をフレキシブル基板で形成している。従って、一部の電気式機器の仕様を変更して形状が変化した場合等でも、電気式機器と第2制御部62とを容易に接続することが可能となり、電気式機器の設計自由度を向上させることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、ヒートポンプモジュール70の流路ボックス71に取り付けられる電気式機器のうち、一部の電気式機器を第2制御部62に接続されないように取り付けた例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、ヒートポンプモジュール70の流路ボックス71に取り付けられる電気式機器のうち、一部の電気式機器を第2制御部62に接続されないように取り付けた例を説明する。
具体的には、本実施形態では、図15に示すように、一部の電気式機器(図15では、開閉弁17)が、流路ボックス71のカバー部材72の外部に取り付けられている。本実施形態の開閉弁17は、接続部であるコネクタ170を有している。開閉弁17は、コネクタ170を介して制御装置60の第1制御部61に接続される。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、コネクタ620の配置を変更した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、コネクタ620の配置を変更した例を説明する。
具体的には、本実施形態のコネクタ620は、図16に示すように、第2制御部62の端部に固定されている。コネクタ620の一部は、カバー部材72の側面に形成された貫通穴720を介して、カバー部材72の外部へ突出している。コネクタ620と貫通穴720との隙間には、第1実施形態と同様に、図示しないシール部材が介在されている。
なお、図16では、第6実施形態のヒートポンプモジュールを側面方向から見た側面図であって、カバー部材72内を断面として表した一部断面図である。このことは、図17、図21、図27についても同様である。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、カバー部材72の構成およびコネクタ620の配置を変更した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、カバー部材72の構成およびコネクタ620の配置を変更した例を説明する。
具体的には、本実施形態のカバー部材72は、図17に示すように、側壁部721および天板部722に分割されている。本実施形態のコネクタ620は、第6実施形態と同様に、第2制御部62の端部に固定されている。コネクタ620の一部は、カバー部材72の側壁部721に形成された貫通穴720からカバー部材72の外部へ突出している。さらに、第2制御部62には、スペーサ622が取り付けられている。
つまり、本実施形態では、側壁部721、コネクタ620、第2制御部62、およびスペーサ622が、カバーユニット723として一体化されている。
このため、本実施形態の基板取付工程では、カバーユニット723として一体化された第2制御部62を、スペーサ622を介して、流路ボックス71にネジ止め等の手段で取り付ける。さらに、流路ボックス71の取付面712の外縁部に、側壁部721の一端側(図17では、下方側)を接着や溶着等の手段で取り付ける。
また、本実施形態のカバー取付工程では、側壁部721の他端側(図17では、上方側)に、平板状の天板部722を接着や溶着等の手段で取り付ける。側壁部721と流路ボックス71との隙間、および天板部722と側壁部721との隙間には、第1実施形態と同様に、図示しないシール部材が介在されている。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、カバーユニット723を採用しているので、カバーユニット723の上に、別のカバーユニット723を重ねることによって、基板の段重ね(いわゆる基板のマウント)を行うことができる。これによれば、第2制御部62の電子部品やコネクタ620の数量を容易に増加させることが可能となり、第2制御部62の設計自由度を向上させることができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71およびカバー部材72の構成を変更した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、流路ボックス71およびカバー部材72の構成を変更した例を説明する。
具体的には、本実施形態の流路ボックス71は、図18に示すように、側壁部715を有している。
側壁部715は、流路ボックス71の取付面712の外縁部を垂直方向(図18では、上方向)に延長させることによって形成されている。側壁部715は、第7実施形態で説明したカバー部材72の側壁部721に対応する部位である。側壁部715の4つの角部には、第2制御部62が固定される支柱部715aが形成されている。支柱部715aは、第1実施形態で説明したスペーサ622に対応する部位である。
また、本実施形態のカバー部材72は、第7実施形態で説明した天板部722と同様の形状となっている。
このため、本実施形態の基板取付工程では、図19に示すように、第2制御部62が、側壁部715の支柱部715aにネジ止めされることによって取り付けられる。この際、流路ボックス71は、第2制御部62のグランド線に電気的に接続される。また、本実施形態のカバー取付工程では、図20に示すように、側壁部715の端部に、第1実施形態と同様に、カバー部材72を接着や溶着等の手段で取り付ける。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態のヒートポンプモジュール70においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、スペーサ622aの配置を変更した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、スペーサ622aの配置を変更した例を説明する。
具体的には、本実施形態のスペーサ622aは、図21に示すように、冷房用膨張弁13b、開閉弁17等に取り付けられている。冷房用膨張弁13bや開閉弁17等の外殻を形成する部位は金属で形成されている。従って、本実施形態の流路ボックス71は、スペーサ622a、並びに、冷房用膨張弁13bや開閉弁17等の外殻を形成する部位を介して、第2制御部62のグランド線に接続されている。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態のヒートポンプモジュール70においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図22に示すように、カバー部材72に排気口724を形成した例を説明する。排気口724は、収容空間と外部とを連通させる連通穴である。排気口724は、収容空間内の空気を外部へ流出させて、収容空間内の熱を外部へ逃がすために設けられている。このような排気口724は、流路ボックス71に形成されていてもよい。
本実施形態では、第1実施形態に対して、図22に示すように、カバー部材72に排気口724を形成した例を説明する。排気口724は、収容空間と外部とを連通させる連通穴である。排気口724は、収容空間内の空気を外部へ流出させて、収容空間内の熱を外部へ逃がすために設けられている。このような排気口724は、流路ボックス71に形成されていてもよい。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態のヒートポンプモジュール70においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプモジュール70には、排気口724が形成されているので、第2制御部62の温度上昇を抑制して、第2制御部62の作動を安定させることができる。
また、排気口724に、透湿部材を配置してもよい。透湿部材は、湿気を含んだ空気を通過させることはできるものの、水を通過させることができない素材で形成される。これによれば、排気口724を介して、外部から収容空間内へ水分が侵入してしまうことを抑制することができる。
また、図23に示すように、排気口724に連通する連通路724aを形成してもよい。連通路724aによって空気の移動距離を延ばすことで、外部から収容空間内へ水分が侵入してしまうことを抑制することができる。このような連通路724aは、カバー部材72と流路ボックス71との合わせ面に溝を設けることによって形成することができる。
さらに、連通路724aを蛇行状に形成して、ラビリンスシール構造とすれば、外部から収容空間内へ水分が侵入してしまうことを、より一層効果的に抑制することができる。なお、
また、図24に示すように、収容空間内の空気を吸い込んで外部へ吹き出す電動ファン724bを配置してもよい。さらに、収容空間内の空間内温度Tmjを検出する温度検出部を配置し、空間内温度Tmjが予め定めた基準収容空間温度以上となった際に、制御装置60が電動ファン724bを作動させるようにしてもよい。
また、図24に示すように、収容空間内の空気を吸い込んで外部へ吹き出す電動ファン724bを配置してもよい。さらに、収容空間内の空間内温度Tmjを検出する温度検出部を配置し、空間内温度Tmjが予め定めた基準収容空間温度以上となった際に、制御装置60が電動ファン724bを作動させるようにしてもよい。
(第11実施形態)
本実施形態では、図25の全体構成図に示す車両用空調装置1aに適用されたヒートポンプモジュール701について説明する。
本実施形態では、図25の全体構成図に示す車両用空調装置1aに適用されたヒートポンプモジュール701について説明する。
具体的には、本実施形態の車両用空調装置1aでは、ヒートポンプサイクル10aを備えている。ヒートポンプサイクル10aは、アキュムレータ20に代えて、レシーバ21を備えている。レシーバ21は、凝縮器として機能する熱交換器から流出した高圧側冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える高圧側の気液分離器である。
ヒートポンプサイクル10aの水冷媒熱交換器12の冷媒通路の出口には、ヒートポンプモジュール701の高圧側冷媒入口71a側が接続されている。本実施形態のヒートポンプモジュール701では、ヒートポンプサイクル10aの複数の構成機器のうち、図25の破線で囲まれた構成機器等が一体化されている。
より具体的には、ヒートポンプモジュール701では、ヒートポンプサイクル10aの構成機器のうち、暖房用膨張弁13a、冷却用膨張弁13c、第1開閉弁17a、第2開閉弁17b等が一体化されている。
ヒートポンプモジュール701の高圧側冷媒入口71aは、流路ボックス71の内部に形成された第5内部三方継手部15eの流入口に連通している。第5内部三方継手部15eの一方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第1開閉弁17aの入口が接続されている。
第1開閉弁17aの出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、流路ボックス71の内部に形成された第6内部三方継手部15fの一方の流入口に接続されている。第6内部三方継手部15fの流出口は、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、暖房用膨張弁13aの入口に接続されている。従って、第1開閉弁17aは、第5内部三方継手部15eの一方の流出口から第6内部三方継手部15fの一方の流入口へ至る冷媒通路を開閉する。
さらに、ヒートポンプサイクル10aでは、第2開閉弁17bおよび第3開閉弁17cを備えている。第1開閉弁17a~第3開閉弁17cの基本的構成は、第1実施形態で説明した開閉弁17と同様である。従って、第1開閉弁17a~第3開閉弁17cは、電気式機器に含まれる。さらに、第1開閉弁17a~第3開閉弁17cは、冷媒回路切替部である。
第5内部三方継手部15eの他方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第2開閉弁17bの入口が接続されている。
第2開閉弁17bの出口には、流路ボックス71の内部に形成された第7内部三方継手部15gの一方の流入口側に接続されている。第7内部三方継手部15gの流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、レシーバ21の入口が接続されている。従って、第2開閉弁17bは、第5内部三方継手部15eの他方の流出口から第7内部三方継手部15gの一方の流入口へ至る冷媒通路を開閉する。
レシーバ21は、第2実施形態で説明したアキュムレータ20と同様に、流路ボックス71の側面に取り付けられて一体化されている。さらに、第5内部三方継手部15eの他方の流出口から第7内部三方継手部15gの一方の流入口へ至る冷媒通路には、第1固定絞り22aが配置されている。第1固定絞り22aは、暖房モード等にレシーバ21へ流入する冷媒を減圧させる第1減圧部である。
レシーバ21の出口には、流路ボックス71の内部に形成された第8内部三方継手部15hの流入口側が接続されている。第8内部三方継手部15hの一方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された冷媒通路を介して、第6内部三方継手部15fの他方の流入口が接続されている。
第8内部三方継手部15hの一方の流出口から第6内部三方継手部15fの他方の流入口へ至る冷媒通路には、第1逆止弁16aが配置されている。第1逆止弁16aは、冷媒が第8内部三方継手部15h側から第6内部三方継手部15f側へ流れることを許容し、冷媒が第6内部三方継手部15f側から第8内部三方継手部15h側へ流れることを禁止している。
第8内部三方継手部15hの他方の流出口には、流路ボックス71の内部に形成された第2内部三方継手部15bの流入口側が接続されている。
また、ヒートポンプサイクル10aの室外熱交換器14の冷媒出口には、第2外部三方継手部152の流入口側が接続されている。さらに、ヒートポンプサイクル10aでは、第3外部三方継手部153を備えている。第2外部三方継手部152および第3外部三方継手部153の基本的構成は、第1実施形態で説明した外部三方継手部151と同様である。さらに、本実施形態では、説明の明確化のため、外部三方継手部151を第1外部三方継手部151と記載する。
第2外部三方継手部152の一方の流出口には、流路ボックス71の室外器側冷媒入口71c側が接続されている。室外器側冷媒入口71cは、第7内部三方継手部15gの他方の流入口に連通している。室外器側冷媒入口71cから第7内部三方継手部15gの他方の流入口へ至る冷媒通路には、第2逆止弁16bおよび第2固定絞り22bが配置されている。
第2逆止弁16bは、冷媒が室外器側冷媒入口71c側から第7内部三方継手部15g側へ流れることを許容し、冷媒が第7内部三方継手部15g側から室外器側冷媒入口71c側へ流れることを禁止している。第2固定絞り22bは、冷房モード等にレシーバ21へ流入する冷媒を減圧させる第2減圧部である。
また、本実施形態のヒートポンプモジュール701では、冷房用膨張弁13bが一体化されていない。このため、ヒートポンプモジュール701の冷房側冷媒出口71dには、冷房用膨張弁13bの入口側が接続されている。冷房用膨張弁13bの出口側には、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器18の冷媒出口には、第3外部三方継手部153の一方の入口側が接続されている。
また、第2外部三方継手部152の他方の流出口には、バイパス通路24を介して、第3外部三方継手部153の他方の流入口が接続されている。バイパス通路24には、第3開閉弁17c、第4逆止弁16d、および第4冷媒圧力温度センサ65dが配置されている。
本実施形態の第3開閉弁17cは、バイパス通路24を開閉する。第4逆止弁16dは、冷媒が第3開閉弁17c側から第3外部三方継手部153側へ流れることを許容し、冷媒が第3外部三方継手部153側から第3開閉弁17c側へ流れることを禁止している。第4冷媒圧力温度センサ65dは、バイパス通路24を流通する冷媒のバイパス側冷媒圧力P4およびバイパス側冷媒温度T4を検出するバイパス側圧力温度検出部である。
第3外部三方継手部153の流出口には、第1外部三方継手部151の一方の流入口側が接続されている。また、本実施形態では、チラー19の冷媒通路の出口側に、第1外部三方継手部151の他方の流入口側が接続されている。第1外部三方継手部151の流出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
また、本実施形態に制御装置60では、第2制御部62の出力側に、暖房用膨張弁13a、冷却用膨張弁13c、第1開閉弁17a、第2開閉弁17b、および第3開閉弁17cが接続される。
その他のヒートポンプサイクル10aおよび車両用空調装置1aの構成および作動は、第1実施形態のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1aの作動について説明する。車両用空調装置1aにおいても、第1実施形態と同様に、空調用の運転モードおよび冷却用の運転モードが実行される。以下、各運転モードの詳細作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを減圧作用を発揮する絞り状態とする。冷却用膨張弁13cについては、冷却用の運転モードに応じて制御される。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを減圧作用を発揮する絞り状態とする。冷却用膨張弁13cについては、冷却用の運転モードに応じて制御される。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、全開となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、固定絞り22b、レシーバ21、絞り状態となっている冷房用膨張弁13b、室内蒸発器18、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
従って、冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器12および室外熱交換器14を、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器(換言すると、放熱器)として機能させ、室内蒸発器18を、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、第1実施形態と同様に、車室内の冷房を実現することができる。
(b)除湿暖房モード
除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、絞り状態となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、固定絞り22b、レシーバ21、絞り状態となっている冷房用膨張弁13b、室内蒸発器18、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
従って、除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器12を凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、室外熱交換器14における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも高い場合には、室外熱交換器14を凝縮器として機能させる。また、室外熱交換器14における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも低い場合には、室外熱交換器14を蒸発器として機能させる。その結果、第1実施形態と同様に、車室内の除湿暖房を実現することができる。
(c)暖房モード
暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを閉じ、第2開閉弁17bを開き、第3開閉弁17cを開く。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、暖房用膨張弁13aを絞り状態とし、冷房用膨張弁13bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを閉じ、第2開閉弁17bを開き、第3開閉弁17cを開く。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、レシーバ21、絞り状態となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
従って、暖房モードのヒートポンプサイクル10では、水冷媒熱交換器12を凝縮器として機能させ、室外熱交換器14を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、第1実施形態と同様に、車室内を実現することができる。
(d)空調中の冷却モード
空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。さらに、空調用の運転モードが暖房モードになっている際には、第3開閉弁17cを閉じる。その他の制御対象機器の作動は、空調用の各運転モードと同様である。
空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。さらに、空調用の運転モードが暖房モードになっている際には、第3開閉弁17cを閉じる。その他の制御対象機器の作動は、空調用の各運転モードと同様である。
このため、空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、冷却用膨張弁13cにて減圧されたチラー19の冷媒通路へ流入する冷媒回路に切り替えられる。
従って、空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、少なくともチラー19を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、第1実施形態と同様に、バッテリ80を冷却することができる。
(e)非空調中の冷却モード
非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、圧縮機11を作動させる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを全閉とし、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、圧縮機11を作動させる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁13aを全開とし、冷房用膨張弁13bを全閉とし、冷却用膨張弁13cを絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁17aを開き、第2開閉弁17bを閉じ、第3開閉弁17cを閉じる。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
このため、冷房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12、全開となっている暖房用膨張弁13a、室外熱交換器14、固定絞り22b、レシーバ21、絞り状態となっている冷却用膨張弁13c、チラー19、室内蒸発器18、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
従って、非空調中の冷却モードのヒートポンプサイクル10では、少なくとも室外熱交換器14を凝縮器として機能させ、チラー19を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。その結果、第1実施形態と同様に、バッテリ80を冷却することができる。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1aによれば、車室内の快適な空調および車載機器であるバッテリ80の冷却を行うことができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプサイクル10aでは、レシーバ21を備えているので、各運転モード時に、蒸発器として機能する熱交換器の出口側冷媒に過熱度を持たせることができる。従って、蒸発器として機能する熱交換器における冷媒の吸熱量を増加させることができる。その結果、ヒートポンプサイクル10aの成績係数(COP)を向上させて、車両用空調装置1aの作動効率を向上させることができる。
具体的には、第2冷媒圧力温度センサ65b~第4冷媒圧力温度センサ65dの検出値を用いて、蒸発器として機能する熱交換器の出口側冷媒の過熱度を算定する。そして、算定された過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13cの作動を制御すればよい。
また、本実施形態では、ヒートポンプモジュール701を採用しているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態のヒートポンプモジュール701によれば、ヒートポンプサイクル10aの小型化と生産性の向上との両立を図ることができる。
(第12実施形態)
本実施形態のヒートポンプモジュール702では、ヒートポンプサイクル10aの複数の構成機器のうち、図26の破線で囲まれた構成機器が一体化されている。
本実施形態のヒートポンプモジュール702では、ヒートポンプサイクル10aの複数の構成機器のうち、図26の破線で囲まれた構成機器が一体化されている。
より具体的には、ヒートポンプモジュール702では、図26に示すように、ヒートポンプサイクル10aを構成する電気式機器のうち、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、第1開閉弁17a、第2開閉弁17b、第3開閉弁17c、第2冷媒圧力温度センサ65b~第4冷媒圧力温度センサ65d等が、流路ボックス71に取り付けられて一体化されている。
さらに、ヒートポンプモジュール702では、ヒートポンプサイクル10aの構成機器のうち、圧縮機11、水冷媒熱交換器12、チラー19、レシーバ21が、ネジ締結等によって、流路ボックス71の側面に取り付けられて、一体化されている。
その他のヒートポンプサイクル10aおよび車両用空調装置1aの構成および作動は、第11実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール702においても、第11実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態のヒートポンプモジュール702によれば、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を図ることができる。
(第13実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、第2制御部62を複数の部材で形成した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、第2制御部62を複数の部材で形成した例を説明する。
具体的には、本実施形態の第2制御部62は、図27に示すように、第1基板部624a、第2基板部624b、第3基板部624c、および第4基板部624dの4枚の硬質プリント基板で形成されている。第1基板部624a~第4基板部624dは、それぞれ暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、冷却用膨張弁13c、および開閉弁17に電気的に接続されている。
第1基板部624a~第4基板部624dは、それぞれ角柱状のスペーサ622を介して、流路ボックス71の取付面712にネジ止め等の手段で取り付けられている。スペーサ622は、第1基板部624a~第4基板部624dの4つの角部側に配置されている。本実施形態では、同等の長さのスペーサ622を採用しているので、第1基板部624a~第4基板部624dは、概ね同一平面状に配置されている。
また、第1基板部624a~第4基板部624dは、必要に応じて、図示しない基板コネクタ等を介して互いに電気的に接続されている。基板コネクタは、硬質プリント基板に直接固定される電気接続部である。従って、第2制御部62は、必要に応じて、第1基板部624a~第4基板部624dを互いに電気的に接続するための構成を有している。
その他のヒートポンプサイクル10および車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプモジュール70においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、複数の電気式機器のそれぞれに対して適切な電線を選別して接続する作業負担を軽減させて、ヒートポンプサイクルの小型化と生産性の向上との両立を図ることができる。
さらに、本実施形態のヒートポンプモジュール70では、第2制御部62のそれぞれの基板部624a~624d毎に、別の基板部を重ねるマウントを行うことができる。これによれば、第2制御部62の電子部品やコネクタ620の数量を容易に増加させることが可能となり、第2制御部62の設計自由度を向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)本発明に係るヒートポンプモジュールの一体化の態様は上述の実施形態に限定されない。例えば、ヒートポンプモジュールに一体化される複数の電気式機器として、いずれの電気式機器が選択されていてもよい。さらに、ヒートポンプモジュールに、ヒートポンプサイクル10、10aのみならず、高温側熱媒体回路40、および低温側熱媒体回路50を構成する電気式機器が一体化されていてもよい。
また、流路ボックス71における各電気式機器の取付位置は、上述の実施形態で説明した取付位置に限定されない。つまり、流路ボックス71内に形成された冷媒通路に応じて、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、および冷却用膨張弁13cの取付位置が、図4や図11に示された配置と異なっていてもよい。高圧側冷媒入口71a等の複数の冷媒出入口の配置についても同様である。
(2)上述の実施形態では、金属で形成された流路ボックス71、カバー部材72、およびスペーサ622を採用した例を説明したが、他の材料で形成された流路ボックス71、カバー部材72、およびスペーサ622を採用してもよい。より具体的には、導電性樹脂、導電性塗料を塗った樹脂、導電性カーボン等、導電性を有する材料で形成された流路ボックス71、カバー部材72、およびスペーサ622を採用することができる。
(3)上述の実施形態で説明した電気基板部としての第2制御部62は、通信、制御用の電気信号のみを通電させる電子基板であってもよい。また、第2制御部62は、駆動電流等が流れる電気回路基板であってもよい。さらに、中央演算処理装置(すなわち、CPU)等を搭載するマザーボードであってもよい。
上述の第13実施形態等では、第2制御部62を複数の基板部で形成し、1つ基板部に1つの電気式機器を接続した例を説明したが、1つの基板部に複数の電気式機器を接続してもよい。例えば、第2制御部62を、第1基板部と第2基板部で形成し、第1基板部に、暖房用膨張弁13a、冷房用膨張弁13b、および冷却用膨張弁13cを接続し、第2基板部に、開閉弁17を接続してもよい。
(4)上述の実施形態では、流路ボックス71内の冷媒通路として、高圧側冷媒通路70aおよび低圧側冷媒通路70bについて説明したが、高圧側冷媒通路70aおよび低圧側冷媒通路70bの形状や配置態様は、上述の実施形態に限定されない。
例えば、図27に示すように、流路ボックス71の取付面712に第2制御部62側へ突出した突出部712aを形成して、突出部712aの内部に低圧側冷媒通路70bを形成してもよい。これによれば、低圧側冷媒通路70bを第2制御部62に近づけることができるので、より一層、低圧側冷媒通路70bを流通する低圧側冷媒によって、第2制御部62を冷却しやすくなる。
(5)本発明に係るヒートポンプモジュールの適用は、上述の実施形態に開示された例に限定されない。
例えば、ヒートポンプサイクル10の高温側熱媒体回路40を廃止し、水冷媒熱交換器12に代えて室内凝縮器を有するヒートポンプサイクルに適用してもよい。室内凝縮器は、圧縮機11から吐出された吐出冷媒と送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する送風空気加熱用の熱交換器である。室内凝縮器は、ヒータコア42と同様に、室内空調ユニット30内に配置される。このため、室内凝縮器は、ヒートポンプモジュールに一体化する必要はない。
また、ヒートポンプサイクル10の冷却対象物となる車載機器は、バッテリ80に限定されない。具体的には、車載機器は、モータジェネレータ、インバータ、PCU、トランスアクスル、ADAS用の制御装置等であってもよい。さらに、本発明に係るヒートポンプモジュールは、機器冷却機能を有していない空調装置に適用されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ヒートポンプサイクル10、10aの冷媒として、R1234yfを採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C等を採用してもよい。または、これらのうち複数の冷媒を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
また、高温側熱媒体回路40および低温側熱媒体回路50の構成は、上述の実施形態に開示された例に限定されない。例えば、高温側熱媒体回路40に高温側熱媒体を加熱する電気ヒータを追加してもよい。さらに、低温側熱媒体回路50に低温側熱媒体と外気とを熱交換させる低温側外部熱交換器を追加してもよい。さらに、低温側熱媒体回路の熱媒体回路を切り替える電気式の切替弁を追加してもよい。
そして、高温側熱媒体回路40の電気ヒータや、低温側熱媒体回路50の電気式の切替弁をヒートポンプモジュールに一体化させてもよい。
また、上述の実施形態では、高温側熱媒体および低温側熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用した例を説明したが、これに限定されない。例えばジメチルポリシロキサン、あるいはナノ流体等を含む溶液、不凍液、アルコール等を含む水系の液冷媒、オイル等を含む液媒体を採用してもよい。
また、本発明に係るヒートポンプモジュールの適用は車両用に限定されない。例えば、室内の空調を行いつつ、温度調整対象物(例えば、コンピュータ、サーバ装置、その他の周辺機器)の温度を調整する温度調整機能付きの据え置き型の空調装置等に適用してもよい。
本明細書に開示されたヒートポンプモジュールの特徴を以下の通り示す。
(項目1)
ヒートポンプサイクル(10、10a)を構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールであって、
前記複数の構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器(13a~13c、17、65a、65c)が取り付けられる取付部材(71)と、
前記取付部材に取り付けられた前記電気式機器の作動を制御するために、前記電気式機器に電気的に接続される電気基板部(62、624a~624d)と、を備えるヒートポンプモジュール。
(項目2)
前記電気基板部は、単一の部材で形成されている項目1に記載のヒートポンプモジュール。
(項目3)
前記複数の電気式機器は、それぞれ前記電気基板部に電気的に接続される接続端子部(131a、131b、131c、171)を有し、
それぞれの前記接続端子部は、前記複数の電気式機器が前記取付部材に取り付けられた際に、同一方向に突出しており、前記電気基板部に直接接続可能に配置されている項目1または2に記載のヒートポンプモジュール。
(項目4)
前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)および前記電気式機器の一部を形成する機器形成部(714)を有している項目1ないし3のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目5)
前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)を有し、
前記冷媒通路として、前記ヒートポンプサイクルの高圧側冷媒を流通させる高圧側冷媒通路(70a)、および前記ヒートポンプサイクルの低圧側冷媒を流通させる低圧側冷媒通路(70b)が形成されており、
前記高圧側冷媒通路および前記低圧側冷媒通路は、前記低圧側冷媒通路を流通する前記低圧側冷媒によって前記電気基板部を冷却可能に配置されている項目1ないし4のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目6)
前記取付部材は、導電性を有し、前記電気基板部のグランド線に電気的に接続されている項目1ないし5のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目7)
前記取付部材とともに前記電気基板部の収容空間を形成するカバー部材(72)を備える項目1ないし6のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目1)
ヒートポンプサイクル(10、10a)を構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールであって、
前記複数の構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器(13a~13c、17、65a、65c)が取り付けられる取付部材(71)と、
前記取付部材に取り付けられた前記電気式機器の作動を制御するために、前記電気式機器に電気的に接続される電気基板部(62、624a~624d)と、を備えるヒートポンプモジュール。
(項目2)
前記電気基板部は、単一の部材で形成されている項目1に記載のヒートポンプモジュール。
(項目3)
前記複数の電気式機器は、それぞれ前記電気基板部に電気的に接続される接続端子部(131a、131b、131c、171)を有し、
それぞれの前記接続端子部は、前記複数の電気式機器が前記取付部材に取り付けられた際に、同一方向に突出しており、前記電気基板部に直接接続可能に配置されている項目1または2に記載のヒートポンプモジュール。
(項目4)
前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)および前記電気式機器の一部を形成する機器形成部(714)を有している項目1ないし3のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目5)
前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)を有し、
前記冷媒通路として、前記ヒートポンプサイクルの高圧側冷媒を流通させる高圧側冷媒通路(70a)、および前記ヒートポンプサイクルの低圧側冷媒を流通させる低圧側冷媒通路(70b)が形成されており、
前記高圧側冷媒通路および前記低圧側冷媒通路は、前記低圧側冷媒通路を流通する前記低圧側冷媒によって前記電気基板部を冷却可能に配置されている項目1ないし4のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目6)
前記取付部材は、導電性を有し、前記電気基板部のグランド線に電気的に接続されている項目1ないし5のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
(項目7)
前記取付部材とともに前記電気基板部の収容空間を形成するカバー部材(72)を備える項目1ないし6のいずれか1つに記載のヒートポンプモジュール。
1、1a 車両用空調装置
10、10a ヒートポンプサイクル
13a、13b、13c 暖房用膨張弁、冷房用膨張弁、冷却用膨張弁
17 開閉弁
62 第2制御部(電気基板部)
624a~624d 第1基板部~第4基板部(電気基板部)
70、700~702 ヒートポンプモジュール
70a、70b 高圧側冷媒通路、低圧側冷媒通路
71 流路ボックス(取付部材)
711 通路形成部
714 機器形成部
72 カバー部材
10、10a ヒートポンプサイクル
13a、13b、13c 暖房用膨張弁、冷房用膨張弁、冷却用膨張弁
17 開閉弁
62 第2制御部(電気基板部)
624a~624d 第1基板部~第4基板部(電気基板部)
70、700~702 ヒートポンプモジュール
70a、70b 高圧側冷媒通路、低圧側冷媒通路
71 流路ボックス(取付部材)
711 通路形成部
714 機器形成部
72 カバー部材
Claims (7)
- ヒートポンプサイクル(10、10a)を構成する複数の構成機器を一体化させたヒートポンプモジュールであって、
複数の前記構成機器のうち、電気によって作動する複数の電気式機器(13a~13c、17、65a、65c)が取り付けられる取付部材(71)と、
前記取付部材に取り付けられた前記電気式機器の作動を制御するために、前記電気式機器に電気的に接続される電気基板部(62、624a~624d)と、を備えるヒートポンプモジュール。 - 前記電気基板部は、単一の部材で形成されている請求項1に記載のヒートポンプモジュール。
- 複数の前記電気式機器は、それぞれ前記電気基板部に電気的に接続される接続端子部(131a、131b、131c、171)を有し、
それぞれの前記接続端子部は、複数の前記電気式機器が前記取付部材に取り付けられた際に、同一方向に突出しており、前記電気基板部に直接接続可能に配置されている請求項1または2に記載のヒートポンプモジュール。 - 前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)および前記電気式機器の一部を形成する機器形成部(714)を有している請求項1または2に記載のヒートポンプモジュール。
- 前記取付部材は、冷媒を流通させる冷媒通路を形成する通路形成部(711)を有し、
前記冷媒通路として、前記ヒートポンプサイクルの高圧側冷媒を流通させる高圧側冷媒通路(70a)、および前記ヒートポンプサイクルの低圧側冷媒を流通させる低圧側冷媒通路(70b)が形成されており、
前記高圧側冷媒通路および前記低圧側冷媒通路は、前記低圧側冷媒通路を流通する前記低圧側冷媒によって前記電気基板部を冷却可能に配置されている請求項1または2に記載のヒートポンプモジュール。 - 前記取付部材は、導電性を有し、前記電気基板部のグランド線に電気的に接続されている請求項1または2に記載のヒートポンプモジュール。
- 前記取付部材とともに前記電気基板部の収容空間を形成するカバー部材(72)を備える請求項1または2に記載のヒートポンプモジュール。
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