JP2020136580A - 導電性接着剤を用いる接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、短時間で加熱加圧が完了するために有効や銀ナノ粒子を含む導電性接着剤を用いる接合方法を提供することも目的とする。【解決手段】本発明は、導電性接着剤を用いる接合方法において、1〜20Mpa、100℃〜250℃で20秒〜5分の加熱加圧工程を含み、導電性接着剤として、以下の(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。(1)平均粒径が50nm〜600nm、(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性接着剤を用いる接合方法に関するものである。
導電性接着剤とは、半導体、LED、パワー半導体等の素子を基板に接合させる材料であり、従来はハンダや銀ペーストをはじめとする導電性接着剤等が使用されてきた。
近年の半導体素子の高性能化、高集積化によって導電性接着剤は高い熱伝導性が必要となり、加えてSiCやGaN等の化合物半導体はTjmaxが200℃以上も可能となるため高い耐熱性も必要となってくる。しかしながら従来のハンダや銀ペーストでは熱伝導性、耐熱性は十分でなく代替材料の開発が進められている。
はんだや銀ペーストに代わる新たな接合方式として金属ナノ粒子を用いた導電性接着剤の開発が進んでいる。金属ナノ粒子は数百℃程度の低温で焼結し、焼結後はバルクと同等の熱伝導性、耐熱性を持たせることが可能である。例えば、特許文献1においては、粒子径が1〜300nmの銀粒子を含む導電性接着剤を用いて、1mm×1mmの素子の無加圧接合を行っている。
接合のプロセスとして無加圧と加圧に分類されるが、無加圧接合の場合、特に大面積の素子となるとボイドが発生しやすく、長期信頼性が担保できない可能性が高いことが課題であった。
そこで特許文献2や特許文献3の様に半導体素子を加圧して接合することがある。特許文献2では無加圧で予備焼成を行い加圧しながら本焼成を行うのに対し、特許文献3では加圧しながら予備焼成と本焼成を行っている。いずれも接合部のボイドを低減し、高い接合強度を得るために有効な手段である。
特許第6303392号 特許第5986929号 特許第5824201号
しかしながら、加圧プロセスはリフロー炉や乾燥オーブンと比較して時間当たりに処理できる半導体素子の数が少なく、生産のボトルネックとなる。すなわち、加熱加圧の時間が長時間となることで、生産効率が悪くなり製造コストが高くなることを意味する。
このような状況下、本発明は、加圧プロセスの生産におけるボトルネックとなる、加熱加圧時間を短縮させることにより、生産性の高いプロセスとなり、コスト低減を図ることを目的とする。さらに、本発明は、短時間で加熱加圧が完了するために有効や銀ナノ粒子を含む導電性接着剤を用いる接合方法を提供することも目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、導電性接着剤として特定の特徴を持つ金属微粒子を30質量%以上含むことで、加熱加圧を1〜20Mpa、100℃〜250℃の温度条件において、20秒〜5分の短時間で使用上十分な接合(せん断強度20MPa以上)が可能であることを見出した。より具体的には、導電性接着剤を用いる接合方法において、
1〜20Mpa、100℃〜250℃で20秒〜5分の加熱加圧工程を含み、
導電性接着剤として、以下の(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。
(1)平均粒径が50nm〜600nm、
(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
項1. 導電性接着剤を用いる接合方法において、
1〜20Mpa、100℃〜250℃で20秒〜5分の加熱加圧工程を含み、
導電性接着剤として、以下の(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。
(1)平均粒径が50nm〜600nm、
(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
項2. 前記金属微粒子において、さらに(4)の特性を有するものである項1に記載の接合方法。
(4)250℃、20秒の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が70nm以上である。
項3. 前記金属微粒子において、さらに(5)の特性を有するものである項1または2に記載の接合方法。
(5)アミンを含む保護層を備える。
項4. 前記アミンが、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、2つのアミノ基を有するジアミン化合物のいずれかである項3に記載の接合方法。
本発明の接合方法によれば、焼結による割れや欠け等が発生し難く、機械的強度(せん断強度)に優れた焼結体が得られる。より具体的には、短時間(20秒から5分程度)の加熱加圧工程で、高熱伝導性高耐熱の接合体を得ることができる。
本発明の接合方法を以下に示す。
本発明の導電性接着剤を用いる接合方法において、
1〜20Mpa、100℃〜250℃で20秒〜5分の加熱加圧工程を含み、
導電性接着剤として、以下の(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。
(1)平均粒径が50nm〜600nm、
(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
本発明の接合方法に用いる導電性接着剤は、以下(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。
(1)平均粒径が50nm〜600nm、
(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
本発明の導電性接着剤に用いる金属微粒子は、以下の(1)〜(3)の特性を有する。
(1)平均粒径が50nm〜600nm、
(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
本発明に用いる金属微粒子の平均粒子径は、50nm〜600nmの範囲であれば特に制限なく用いることができ、50nm〜500nmの範囲であることが好ましく、100nm〜500nmの範囲であることがより好ましい。平均粒子径が50nmより小さいと、十分な機械的強度(せん断強度)が得られず、600nmより大きいと十分な導電性が得られない。また、上記範囲内の平均粒子を有する金属微粒子を複数用いた場合の平均粒子径も上記範囲内にあれば、問題なく本発明の効果が得られる。
上記範囲の平均粒子径を有する金属微粒子を複数組み合わせて用いてもよい。この場合、上記範囲の平均粒子径を有する金属微粒子を任意で選択し、上記範囲内の平均粒子径の金属微粒子を組み合せて、導電性接着剤に用いる金属微粒子とすることができる。例えば、平均粒子径50nm〜200nm未満の平均粒子径の金属微粒子(例えば、小さい平均粒子径の金属微粒子(I))と、平均粒子径200nm以上600nm以下の金属微粒子(例えば、大きい平均粒子径の金属微粒子(II))との組み合せを例示することができる。上記範囲の平均粒子径の金属微粒子を組み合わせて用いる場合の比率は、適宜選択することができるが、小さい平均粒子径の金属微粒子(I)と大きい平均粒子の金属微粒子(II)の質量比(I:II)が、99:1〜1:99の範囲であればよく、90:10〜10:90の範囲が好ましい。
本発明において、金属微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる30個以上の粒子の長辺の長さの平均値または、レーザー回折粒度分布計(堀場製作所製 Partica LA−950V2)を用いて、フロー法で平均粒子径を測定した値である。なお、上記範囲内の平均粒子径の金属微粒子を組み合わせて用いる場合、平均粒子径は走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる各金属微粒子の30個以上の粒子の長辺の長さの平均値と各金属微粒子の混合比率により求めることができる。
より具体的には、例えば上記範囲の2種類の異なる平均粒子径の金属微粒子を組み合わせて用いる場合、金属微粒子の真密度を一定と仮定することで、次の式(A)より求めることができる。
混合した金属微粒子の平均粒子径=2×((A/R +B/R )/(A/R +B/R ))…(A)
[式中、小さい平均粒子径の金属微粒子:大きい平均粒子径の金属微粒子の比率をA:B、小さい平均粒子径の金属微粒子の半径をR、大きい平均粒子径の金属微粒子の半径をRで表す。]
導電性接着剤に用いる、金属微粒子の特性として、(2) 加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下であればよい。なお、XRD測定方法による結晶子径の測定方法としては、通常用いられる測定方法であれば、特に制限なく用いることができる。具体的な結晶子径の測定方法は後述するが、例えば、X線結晶構造解析装置(線源:Cu Kα線)を用いて、得られたチャートの(111)ピーク(2θ=38°)の半値幅から、Scherrerの式により結晶子径を算出することができる。
金属微粒子の加熱前のXRD測定による結晶子径は50nm以下であればよく、45nm以下であることが好ましく、10〜45nmの範囲であればよく、15〜45nmの範囲であることの好ましい。
導電性接着剤に用いる、金属微粒子の特性として、(3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上であればよく、さらに(3)と有し、且つ特性(4)250℃、20秒の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が70nm以上を有するものであってもよい。なお、特性(3)の200℃、1分、並びに(4)の250℃、20秒の熱処理とは、接合時における加熱加圧工程の熱処理を意味するものではなく、導電性接着剤に用いる、金属微粒子を熱処理に付することを意味する。即ち、導電性接着剤に用いる、金属微粒子の特性を測定するための熱処理を意味するものである。
本発明の金属微粒子の金属種としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム等を例示することができる。中でも、導電性の点では、金、銀、白金が好ましく、コスト及び低温焼結性の点では、銀、銅、ニッケルが好ましく、銀が特に好ましい。
本発明の導電性接着剤に用いる、金属微粒子は、金属により構成された粒子(金属微粒子)の表層に、特性(5)保護層を有していてもよい。保護層を形成する材料としては、金属微粒子の表層を形成でき、かつ、保護層として機能できるもの(例えば、金属微粒子同士の凝集を抑制する層)であれば、特に制限されないが、導電性接着剤の焼結体の機械的強度を効果的に高める観点からは、好ましくは脂肪酸、アミン、ヒドロキシ脂肪酸等が挙げられる。保護層は、1種類の材料により構成されていてもよいし、2種類以上の材料により構成されていてもよい。
金属微粒子の保護層における脂肪酸としては、特に制限されないが、好ましくはアルキル基の炭素数が3以上18以下の脂肪酸、より好ましくはアルキル基の炭素数が4以上18以下の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸の好ましい具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸等が挙げられる。また、脂肪酸の具体例としては、シクロヘキサンカルボン酸のような環状アルキルカルボン酸等も挙げられる。これらの中でも、導電性接着剤の焼結体の機械的強度を効果的に高める観点から、カプロン酸、2−エチルヘキシル酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸が好ましい。保護層における脂肪酸は、1種類の脂肪酸から構成されていてもよいし、2種類以上の脂肪酸により構成されていてもよい。
金属微粒子の保護層に含まれるアミンは、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、さらに、ひとつの化合物中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物等を例示することができる
第1級アミンとしては、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソアミルアミン、n−オクチルアミン、2−オクチルアミン、tert−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−アミノデカン、n−アミノウンデカン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、2−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−オレイルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、N‐エチル‐1,3‐ジアミノプロパン、N,N‐ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル‐1,3‐ジアミノプロパン、N,N‐ジブチル‐1,3‐アミノプロパン、N,N‐ジイソブチル‐1,3‐ジアミノプロパン、N‐ラウリルジアミノプロパン等の直鎖又は分岐炭化水素基を有するアミン等を例示できる。
また、脂環式アミンであるシクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミンや、芳香族アミンであるアニリン等も例示できる。
また、3−イソプロポキシプロピルアミン、イソブトキシプロピルアミン等のエーテルアミンも例示できる。
第2級アミンとしては、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、N,N−ジペンチルアミン、N,N−ジヘキシルアミン、N,N−ジペプチルアミン、N,N−ジオクチルアミン、N,N−ジノニルアミン、N,N−ジデシルアミン、N,N−ジウンデシルアミン、N,N−ジドデシルアミン、N,N−ジステアリルアミン、N−メチル−N−プロピルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N−プロピル−N−ブチルアミン等のジアルキルモノアミン、及びピペリジン等の環状アミンを例示することができる。
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン等を例示できる。
さらに、異なるアミンとしては、ひとつの化合物中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物も用いることができる。ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル‐1,3‐プロパンジアミン、N,N’‐ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン等を例示できる。
中でも、第1級アミンが好ましく、炭素数5〜7のモノアルキルアミンが好ましい。炭素数5〜7のモノアルキルアミンとしては、n‐アミルアミン、n‐ヘキシルアミン、n‐ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン等を例示することができる。中でもn−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミンが好ましく、n−ヘキシルアミンが特に好ましい。保護層におけるC5−7モノアルキルアミンは、1種類のモノアルキルアミンから構成されていてもよく、2種類以上のモノアルキルアミンから構成されていてもよい。
さらに、保護層におけるアミンには、アルコキシアミンを含んでいてもよい。アルコキシアミンの具体例としては、1−メトキシメチルアミン、1−エトキシメチルアミン、1−プロポキシメチルアミン、1−イソプロポキシメチルアミン、1−ブトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−プロポキシエチルアミン、2−イソプロポキシエチルアミン、2−ブトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、4−メトキシブチルアミン、4−エトキブチルアミン、4−プロポキシブチルアミン、4−イソプロポキシブチルアミン、4−ブトキシブチルアミン等を例示することができる。中でも、2−エトキシエチルアミン、2−プロポキシエチルアミン、2−イソプロポキシエチルアミン、2−ブトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンが好ましい。
本発明の導電性接着剤において、金属微粒子の保護層に含まれているアミンは、導電性接着剤の接合時に金属微粒子の表面から離脱するため、導電性には実質的に影響を与えない。また、保護層に含まれるアミンは、金属微粒子の合成時の用いたアミンを、他のアミンに置換してもよい。保護層のアミンの置換方法は、通常用いられる手法で実施することができる。具体的には、実施例で後述する方法で行うことができる。
保護層において、アミンと脂肪酸とを併用する場合、アミンと脂肪酸とのモル比(アミン:脂肪酸)としては、約90:10〜約99.9:0.1の範囲が好ましく、約95:5〜約99.5:0.5の範囲がより好ましい。
さらに、本発明における金属微粒子の保護層には、ヒドロキシ脂肪酸を含有してもよい、保護層に含まれ得るヒドロキシ脂肪酸としては、ヒドロキシ脂肪酸としては、炭素数3〜24で、かつ水酸基を1個以上(例えば、1個)有する化合物を使用できる。ヒドロキシ脂肪酸として、例えば、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ヒドロキシトリコサン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシトリデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、3−ヒドロキシヘキサデカン酸、3−ヒドロキシヘプタデカン酸、3−ヒドロキシオクタデカン酸、ω−ヒドロキシ−2−デセン酸、ω−ヒドロキシペンタデカン酸、ω−ヒドロキシヘプタデカン酸、ω−ヒドロキシエイコサン酸、ω−ヒドロキシドコサン酸、6−ヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、[R−(E)]−12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸等が挙げられる。中でも、炭素数4〜18で、かつω位以外(特に、12位)に1個の水酸基を有するヒドロキシ脂肪酸が好ましく、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸がより好ましい。第2の保護層に含まれるヒドロキシ脂肪酸は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
保護層において、ヒドロキシ脂肪酸を含む場合、ヒドロキシ脂肪酸の含有量は、アミン1モルに対して、0.1〜10モルの範囲であればよく、0.2〜5モルの範囲であることが好ましい。
金属微粒子における保護層の割合(質量%)としては、特に制限されないが、金属微粒子の表面を保護しつつ、導電性接着剤の焼結体の機械的強度を効果的に高める観点から、0.1質量%〜10質量%程度が好ましく、0.2質量%〜8質量%程度がより好ましく、0.2質量%〜5質量%程度がさらに好ましい。
本発明の導電性接着剤において、(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))の特性を有する金属微粒子の含有量としては、特に制限されないが、30質量%以上であればよく、好ましくは30質量%〜100質量%程度が挙げられる。
本発明の導電性接着剤において、(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))の特性を有しない、金属微粒子を含有してもよい。また、(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))のいずれかの特性を有する金属微粒子であってもよい。具体的には、(1)と(2)の特性を有する金属微粒子、(1)と(3)の特性を有する金属微粒子、(2)と(3)の特性を有する金属微粒子、(1)の特性を有する金属微粒子、(2)の特性を有する金属微粒子、(3)の特性を有する金属微粒子などを例示することができる。(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))の特性を有しない、金属技粒子、また、(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))のいずれかの特性を有する、金属微粒子を含有としては、0質量%〜70質量%の範囲であればよい。
本発明の導電性接着剤に用いる金属微粒子は、上述した特性を有するものであれば、市販されているものを購入して用いてもよく、通常、用いられる金属微粒子(例えば、銀微粒子)の製造方法(例えば、特開2015−40319号公報)によって製造したものを用いてもよい。また、本発明の金属微粒子は、合成時のアミンと異なるアミンに置換したものを用いることも可能である。
本発明の導電性接着剤は、金属微粒子に加えて、さらに溶媒を含むことが好ましい。溶媒を含むことにより、流動性が高まり、本発明の導電性接着剤を所望の場所に配置しやすくなる。
溶媒としては、金属微粒子を分散できるものであれば、特に制限されないが、極性有機溶媒を含むことが好ましい。極性有機溶媒としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセロール;炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルコール、シクロヘキサノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、蟻酸エチル、テキサノール等の脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール又はグリコールエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;テルピネオール等のテルペン類;アセトニトリル;γ−ブチロラクトン;2−ピロリドン;N−メチルピロリドン;N−(2−アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。これらの中でも、導電性接着剤の焼結体の機械的強度をより一層効果的に高める観点から、炭素数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テルピネオール、テキサノールが好ましい。
溶媒は、極性有機溶媒に加えて、さらに非極性又は疎水性溶媒を含んでいてもよい。非極性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサン等の直鎖、分枝、又は環状の飽和炭化水素;炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル等の芳香族化合物;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メチル−n−アミルケトン;メチルエチルケトンオキシム;トリアセチン等が挙げられる。これらの中でも、飽和炭化水素及び炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルコール類が好ましく、ヘキサン、オクタン、デカン、オクタノール、デカノール、ドデカノールがより好ましい。溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
極性有機溶媒と非極性有機溶媒との双方を含む場合、極性有機溶媒の比率は、溶媒の全量に対して、5容量%以上が好ましく、10容量%以上がより好ましく、15容量%以上がさらにより好ましい。また、60容量%以下とすることができ、55容量%以下とすることもでき、50容量%以下とすることもできる。溶媒は極性有機溶媒のみからなるものとすることもできる。本発明の導電性接着剤は、このように極性有機溶媒を多く含む場合にも、金属微粒子の分散性が良い。
本発明の導電性接着剤において、溶媒の割合としては、特に制限されないが、20質量%以下が好ましく、5質量%〜15質量%程度がより好ましい。
本発明に用いる導電性接着剤は、(1)〜(3)(または、(1)〜(4)、若しくは(1)〜(5))の特性を有する金属微粒子と溶剤を混合する工程を備える方法により、簡便に製造することができる。ここで、金属微粒子の詳細については、前述に詳述した通りである。
また、各成分の混合手段も特に制限されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー、ボルテックスミキサー、遊星ミル、ボールミル、三本ロール、ラインミキサー、プラネタリーミキサー、ディゾルバー等の汎用の装置で混合できる。混合時の溶解熱、摩擦熱等の影響で組成物の温度が上昇し、銀微粒子の熱分解反応が開始することを回避するために、組成物の温度を、例えば60℃以下、特に40℃以下に抑えながら混合することが好ましい。
本発明の導電性接着剤を用いる接合方法は、前述の「導電性接着剤」を用いて、基板と半導体素子とを加熱加圧工程に付することにより、接合することができる。
次に、本発明の接合方法について、具体的に説明する。本発明の接合方法は、基板上に導電性接着剤を塗布した後に予備乾燥を行い、予備乾燥膜を形成する予備乾燥膜形成工程と、予備乾燥膜に半導体素子を配置し、プレス機等により、十分な加圧を行いながら、加熱して基板と半導体素子とを接合させる加熱加圧工程を含むものである。
まず、予備乾燥膜形成工程としては公知の手法を採用することができる。例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷により基板に対し導電性接着剤を塗布し、その後、形成された塗膜を60〜130℃(好ましくは80〜120℃)で、1分〜30分程度乾燥して導電性接着剤中の溶剤を除去して予備乾燥膜を形成する。
次に、加熱加圧工程についても公知の手法を採用して構わないが、本加熱加圧工程について一例を挙げると以下の通りである。
上記の予備乾燥膜形成工程にて形成された予備乾燥膜に対し、半導体素子を載置し、1〜20MPaで加圧しながら100〜250℃(好ましくは120〜200℃)で、20秒〜5分程度、加熱処理して接合させる。加圧は基板と半導体素子との間にかけ、より具体的には、例えば基板を固定した状態で、半導体素子の上から基板方向に半導体素子を押圧することで加圧する。このような加圧を行いながらの加熱処理により、予備乾燥膜を介して基板と半導体素子との接合が実現される。より具体的には、このような加圧を伴った加熱処理により、予備乾燥膜中の金属粒子が焼結して接合層を形成し、この接合層により基板と半導体素子との接合が実現される。その際、製造ラインの構成等によっては予備乾燥工程から加熱加圧工程まで様々なインターバル(日数の間隔)が存在しうることを鑑み、予備乾燥における温度未満の温度で予備乾燥膜(より正確には基板と予備乾燥膜の積層体)を2日以上(通常1か月以下)放置してから接合を実施しても構わない。この放置の際の温度は通常室温である。
また、予備乾燥工程と加熱加圧工程の間に仮接合工程を含んでいてもよい。仮接合工程は、予備乾燥膜工程によって、形成された予備乾燥膜に対して、半導体素子を載置し、1MPaを超える加圧を行いながら、60℃以上(好ましくは60〜160℃)で、1分〜30分程度加熱処理して、予備乾燥塗膜と半導体素子とを仮接合することができる。加圧は基板と半導体素子との間にかけ、より具体的には、例えば基板を固定した状態で、半導体素子を上から、基板の方向へ向かって押圧することによって加圧を実施する。なお、通常は仮接合体を形成した後、これを加熱加圧の工程(を行うプレス機等)に搬送して加熱加圧が実施されることになるので、仮接合体については、その形成から加熱加圧が行われるまでに、仮接合の加熱温度より低い温度で30秒以上(通常6時間以下)の時間が経過することになる。
なお、加熱加圧工程(仮接合工程を含む場合も)は、窒素雰囲気などの不活性雰囲気中で加熱しても被接合物同士を接合することができるが、大気中で加熱しても、被接合物同士を接合することができる。
本発明の接合方法について、上記では本発明の接合材をスクリーン印刷やメタルマスク印刷により印刷するとして説明したが、ディスペンス式印刷などの他の方法によって印刷してもよい。さらに、前記接合方法における被接合物の例としては、基板と半導体素子、基板同士(異なる材質のもの同士であってもよい)が挙げられる。
以上、本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
以下の実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例及び比較例において使用した各成分の詳細は、以下の通りである。
・シュウ酸銀((COOAg))は、特許第5574761号公報に記載の方法で合成した。
・N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン(和光純薬工業株式会社製)
・2−(2−アミノエトキシ)エタノール(和光純薬工業株式会社製)
・n−ヘキシルアミン(炭素数6、和光純薬工業株式会社製)
・ブタノール(和光純薬工業株式会社製)
・メタノール(和光純薬工業株式会社製)
・比較例4の銀微粒子にはDOWAエレクトロニクス株式会社製の製品名AG 2−1Cを用いた。
<実施例1>
(銀微粒子の合成)
磁気撹拌子を入れた50mLガラス製遠沈管に、オレイン酸(0.1g)、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(3.25g)、及びブタノール(6.0g)を投入し、1分間程度攪拌したのち、シュウ酸銀(4.0g)を投入し、約10分間攪拌することで、銀微粒子調製用組成物を得た。その後、アルミブロックを備えたホットスターラー(小池精密機器製作所製HHE-19G-U)上に、これらのガラス製遠沈管を立てて設置し、40℃で30分間攪拌し、さらに、90℃で30分間攪拌した。放冷後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、製造された銀微粒子1を回収した。
(保護層の置換)
上記で得られた銀ナノ粒子1の分散液(メタノール溶液)を用いて、n−ヘキシルアミンを銀ナノ粒子の質量の等量を添加し、室温で4時間撹拌した。撹拌後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、保護層におけるアミンの比率を調整(置換)した実施例1の銀微粒子Aを回収した。
<実施例2>
オレイン酸(0.1g)、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン(3.25g)、ペンタノール(4.0g)、及びシュウ酸銀(4.0g)を用いて、実施例1と同様に銀微粒子の合成と保護層の置換(n−ヘキシルアミン)を行い、銀微粒子Bを回収した。
<実施例3>
N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン(1.72g)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(1.39g)、ブタノール(6.0g)、及びシュウ酸銀(4.0g)を用いて実施例1と同様に銀微粒子の合成と保護層の置換(n−ヘキシルアミン)を行い、銀微粒子Cを回収した。
<比較例1>
オレイン酸(0.06g)、オクチルアミン(1.40g)N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン(0.43g)、ドデシルアミン(0.16g)、シクロヘキシルアミン(0.12g)、ブチルアミン(0.64g)、及びシュウ酸銀(3.2g)を用いて銀微粒子の合成を行い。銀微粒子Dを回収した。なお、保護層の置換は行わなかった。
<比較例2>
実施例2の保護層の置換工程のn−ヘキシルアミンをヘキサン酸に代えて行い、銀微粒子Eを得た。
<比較例3>
実施例2の保護層の置換工程のn−ヘキシルアミンを2-(2-アミノエトキシ)エタノールに代えて行い、銀微粒子Fを得た。
<平均粒子径の測定>
実施例1、2、3及び比較例1、2、3、4の各銀微粒子を0.5%のドデカンチオールが添加されたイソプロパノールで銀微粒子が1%となるように希釈し、超音波バスで3分間分散させた。堀場製作所製のレーザー回折粒度分布計(Partica LA−950V2)を用いて、フロー法で平均粒子径を測定した。測定の分散媒にはイソプロパノールを使用した。
<導電性接着剤の製造>
実施例1、2、3及び比較例1、2、3、4の各銀微粒子を用い、銀含有量が85質量%となるようにテキサノールを添加し、各銀ナノ粒子分散液を得た。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、各導電性接着剤を調製した。
<実施例4>
銀微粒子BとAG 2−1Cを4:6で秤量し、銀含有量が85質量%なるようにテキサノールを添加し、各銀ナノ粒子分散液を得た。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、各導電性接着剤を調製した。
<比較例5>
銀微粒子BとAG 2−1Cを2:8で秤量し、銀含有量が85質量%なるようにテキサノールを添加し、各銀ナノ粒子分散液を得た。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、各導電性接着剤を調製した。
<結晶子径の測定>
各銀ナノ粒子と、各導電性接着剤の焼結体(110℃、10分の乾燥を行った後、200℃で1分間の焼結条件で得られた塗膜、及び110℃、10分の乾燥を行った後250℃で20秒間の焼結条件で得られた塗膜)の平均結晶子径をRIGAKU Ultima IV(線源:Cu Kα線)を用いて、X線結晶構造解析を行った。得られたチャートの(111)ピーク(2θ=38°)の半値幅から、Scherrerの式により結晶子径を算出した。結果を表1に示す。
<塗膜(焼結体)の剪断強度の測定>
銅板上に無電解銀めっきを0.5μm施した基材を準備し、その上に各導電性接着剤を塗膜厚みが50μmとなるように、メタルマスクを用いて均一に塗膜を形成した。塗膜を110℃の乾燥器(循環式)に投入し、10分間焼成し、溶剤分を除去した。乾燥した塗膜の上に、裏面(導電性接着剤と接する面)に金めっきもしくは金スパッタ処理が施されたシリコンウエハ(サイズ5mm×5mm)を上に乗せた。次に、焼結(加熱)・加圧装置にて、10MPaの加重をかけながら、200℃、1分間で加熱し、各導電性接着剤が焼結した塗膜(焼結体)を得た。得られた各塗膜(焼結体)の剪断強度は、ボンドテスター(西進商事製SS30−WD)を用いてダイシェアテストを実施して測定した。測定結果を表1に示す。20MPa以上;○、20MPa以下;×とした。また、比較例1は焼結後割れが発生したため、せん断強度は求めなかった。なお、実施例4と比較例5の測定結果は表2に示す。
実施例1〜3に示すように、特性(1)〜(3)((4))を有する微粒子は、高いせん断強度を示した。比較例1は粒子径が小さいため、焼成時の収縮が大きくせん断強度を測定することができなかった。比較例2〜4では、特性(3)や(4)に示される熱処理による結晶子径の成長性が悪いためせん断強度は低かった。即ち、結晶子径の成長は粒子の焼結に起因するものであり、結晶子径の成長性が悪い粒子は短時間での加熱加圧処理を行った際の焼結が不十分となるため、せん断強度が低くなったものと推測される。また、実施例4においては、実施例2の粒子が比較例4の粒子同士や基材界面を接合させるため高いせん断強度を示したが、方比較例5では実施例の2の粒子の添加量がすくないため、せん断強度を示さなかった。

Claims (4)

  1. 導電性接着剤を用いる接合方法において、
    1〜20Mpa、100℃〜250℃で20秒〜5分の加熱加圧工程を含み、
    導電性接着剤として、以下の(1)〜(3)の特性を有する金属微粒子を30質量%以上含むものである。
    (1)平均粒径が50nm〜600nm、
    (2)加熱前のXRD測定による結晶子径が、50nm以下、
    (3)200℃、1分の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が65nm以上である。
  2. 前記金属微粒子において、さらに(4)の特性を有するものである請求項1に記載の接合方法。
    (4)250℃、20秒の熱処理に付することにより、XRD測定による結晶子径が70nm以上である。
  3. 前記金属微粒子において、さらに(5)の特性を有するものである請求項1または2に記載の接合方法。
    (5)アミンを含む保護層を備える。
  4. 前記アミンが、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、2つのアミノ基を有するジアミン化合物のいずれかである請求項3に記載の接合方法。
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