JP2021025117A - 導電性接着剤 - Google Patents

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崇充 森
淳一郎 三並
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淳一郎 三並
真利 奥田
Mari Okuda
真利 奥田
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Shigeto Iwasa
成人 岩佐
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Abstract

【課題】焼結による割れや欠け等が発生し難く、150℃程度の低温焼成で機械的強度に優れた焼結体が得られる、導電性接着剤を提供する。【解決手段】表面に脂肪酸が付着する、平均粒子径50〜600nmの金属ナノ粒子(銅ナノを除く)と銅ナノ粒子とを含有する導電性接着剤であって、銅ナノ粒子の含有量は金属ナノ粒子に対して、0.05〜1.5質量%である導電性接着剤。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性接着剤、その製造方法、当該導電性接着剤の焼結体、及び当該焼結体を部材間に備えている回路または装置に関する。
ダイボンド剤等を始めとする導電性接着剤は、半導体、LED、パワー半導体等の素子を基板に接合させる材料であり、従来はハンダや銀ペーストなどの材料が使用されてきた。
導電性接着剤を基板へ接合させる方式としては、加圧と加熱による接合、もしくは無加圧で加熱等による焼結によって基材と接合させることが一般に知られている。近年、製造プロセスの簡便さや効率の観点から、無加圧方式の接合材料の開発が進んでいる。
無加圧方式の接合材料として、一つはエポキシ樹脂を含む導電性接着剤が挙げられる。この接合材料は、低温処理でエポキシ樹脂を硬化させて使用するものであり、ボイド発生の抑制や基材との接合強度を向上させることができる(特許文献1)。しかしながら、エポキシ樹脂自体が抵抗体となるために、得られる導電性や熱伝導性が低くなる。
一方、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含まない接合材料として、銀のみからなる導電性接着剤が挙げられる。この接合材料は、ミクロ銀、もしくはサブミクロン銀(粒子径300〜900nm)を用いているが(特許文献2)、ボイドが発生しやすく、通常の焼結反応として、200〜250℃で1時間の処理が必要である。このため、より低温で短時間の処理で高いせん断強度(接合性の高い材料)が得られ、ボイド発生を抑制することのできる接合材料の開発が求められている。
近年、銀ナノ微粒子の開発が進んでおり、銀ナノ粒子は比表面積が大きいため表面エネルギーが高いことから、サブミクロン銀と比較してより低温での焼結が可能であると考えられる。一方で表面エネルギーによって粒子同士凝集がしやすいことから、通常は有機物を表面に付着させることで凝集を防ぎ、加熱によって有機物を除去することで、狙いのタイミングで焼結を開始させる。例えば特許文献3では、アミン及びカルボン酸が付着した銀ナノ微粒子を接合組成物に用いることで、200℃以下で焼結接合している。
しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、比較的粒子径の小さい(50nm未満の)ナノサイズの銀微粒子を含む従来の導電性接着剤では、膜厚が厚くなると、得られる焼結体に、割れ、欠け等が発生し、機械的強度が低下することを見出した。
また、表面に付着したカルボン酸は、アミンと比較して銀との結合が強固であることから溶媒中での凝集を防ぎ分散性を向上させるが、一方で熱によって除去されにくいため、ナノ粒子本来の低温焼結性を低下させ、加えて除去される速度が遅いためボイドの原因となり得た。
国際公開2010/18712 国際公開2014/104046 特許公報6021816号
このような状況下、本発明は、焼結による割れや欠け等が発生し難く、150℃程度の低温焼成で機械的強度に優れた焼結体が得られる、導電性接着剤を提供することを主な目的とする。
さらに、本発明は、導電性接着剤の製造方法、導電性接着剤の焼結体、及び当該焼結体を部材間に備えている回路または装置を提供することも目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、導電性接着剤において、表面に脂肪酸が付着する、平均粒子径50〜600nmの金属ナノ粒子(銅ナノを除く)と銅ナノ粒子とを含有する導電性接着剤であって、銅ナノ粒子の含有量は金属ナノ粒子に対して、0.05〜1.5質量%であると、150℃程度の低温焼成で、機械的強度に優れた焼結体が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
本発明によれば、焼結による割れや欠け等が発生し難く、150℃程度の低温で機械的強度に優れた焼結体が得られる導電性接着剤を提供することができる。
実施例1および、比較例1の熱重量示差熱分析曲線図。
本発明の導電性接着剤は、表面に脂肪酸が付着する、平均粒子径50〜600nmの金属ナノ粒子(銅ナノを除く)と銅ナノ粒子とを含有する導電性接着剤であって、銅ナノ粒子の含有量は金属ナノ粒子に対して、0.05〜1.5質量%であることを特徴とする。
以下、本発明の導電性接着剤、当該導電性接着剤の製造方法、当該導電性接着剤の焼結体、及び当該焼結体を部材間に備えている回路または装置について詳述する。
1.導電性接着剤
本発明の導電性接着剤は、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子を所定の割合で含んでなるものである。
金属ナノ粒子
本発明の金属ナノ粒子は、表面に脂肪酸が付着する、平均粒子径50〜600nmの金属ナノ粒子(銅ナノを除く)である。
本発明の金属ナノ粒子の平均粒子径は、50〜600nmの範囲であれば特に制限なく用いることができ、80〜500nmの範囲であることが好ましく、100〜500nmの範囲であることがより好ましい。平均粒子径が50nmより小さいと、塗膜(焼結体)がひび割れるため十分な機械的強度(せん断強度)が得られず、600nmより大きいと十分な導電性が得られない。また、上記範囲内の平均粒子径を有する金属ナノ粒子を複数用いた場合の平均粒子径も上記範囲内にあれば、問題なく本発明の効果が得られる。
上記範囲の平均粒子径を有する金属ナノ粒子を複数組み合わせて用いてもよい。この場合、上記範囲の平均粒子径を有する金属ナノ粒子を任意で選択し、上記範囲内の平均粒子径の金属ナノ粒子を組み合せて、導電性接着剤に用いる金属ナノ粒子とすることができる。例えば、平均粒子径50〜200nm未満の平均粒子径の金属ナノ粒子(例えば、小さい平均粒子径の金属ナノ粒子(I))と、平均粒子径200nm以上600nm以下の金属ナノ粒子(例えば、大きい平均粒子径の金属ナノ粒子(II))との組み合せを例示することができる。上記範囲の平均粒子径の金属ナノ粒子を組み合わせて用いる場合の比率は、適宜選択することができるが、小さい平均粒子径の金属ナノ粒子(I)と大きい平均粒子の金属ナノ粒子(II)の質量比(I:II)が、99:1〜1:99の範囲であればよく、90:10〜10:90の範囲が好ましい。
本発明において、金属ナノ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる30個以上の粒子の長辺の長さの平均値または、レーザー回折粒度分布計(堀場製作所製 Partica LA−950V2)を用いて、フロー法で平均粒子径を測定した値である。なお、上記範囲内の平均粒子径の金属ナノ粒子を組み合わせて用いる場合、平均粒子径は走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる各金属ナノ粒子の30個以上の粒子の長辺の長さの平均値と各金属ナノ粒子の混合比率により求めることができる。
より具体的には、例えば上記範囲の2種類の異なる平均粒子径の金属ナノ粒子を組み合わせて用いる場合、金属ナノ粒子の真密度を一定と仮定することで、次の式(A)より求めることができる。
混合した金属ナノ粒子の平均粒子径=2×((A/R +B/R )/(A/R +B/R ))…(A)
[式中、小さい平均粒子径の金属ナノ粒子:大きい平均粒子径の金属ナノ粒子の比率をA:B、小さい平均粒子径の金属ナノ粒子の半径をR、大きい平均粒子径の金属ナノ粒子の半径をRで表す。]
本発明の導電性接着剤において、金属ナノ粒子の含有量としては、特に制限されないが、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは85質量%〜95質量%程度が挙げられる。
本発明の金属ナノ粒子の金属種としては、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム等を例示することができる。中でも、導電性の点では、金、銀、白金が好ましく、コスト及び低温焼結性の点では、銀、ニッケルが好ましく、銀が特に好ましい。
本発明の金属ナノ粒子は、金属により構成された粒子(金属粒子)の表層に、有機分子が付着しており、その少なくとも一部は脂肪酸である。この有機分子は銀族微粒子の凝集を防ぐ目的から、微粒子の保護層ともいわれる。保護層は、1種類の材料により構成されていてもよいし、2種類以上の材料により構成されていてもよい。さらに保護層を形成する材料としては、金属粒子の表層を形成でき、かつ、保護層として機能できるものであれば、特に制限されず、導電性接着剤の焼結体の機械的強度を効果的に高める観点からは、好ましくは脂肪酸、アルキルアミン等が挙げられる。中でも、高いせん断強度が得られる点で、保護層に脂肪酸を含むことが好ましい。
脂肪酸
金属ナノ粒子の保護層における脂肪酸としては、特に制限されないが、好ましくはアルキル基の炭素数が3以上18以下の脂肪酸、より好ましくはアルキル基の炭素数が4以上18以下の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸の好ましい具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸等が挙げられる。また、脂肪酸の具体例としては、シクロヘキサンカルボン酸のような環状アルキルカルボン酸等も挙げられる。これらの中でも、導電性接着剤の焼結体の機械的強度を効果的に高める観点から、カプロン酸、2−エチルヘキシル酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸が好ましい。保護層における脂肪酸は、1種類の脂肪酸から構成されていてもよいし、2種類以上の脂肪酸により構成されていてもよい。
また、脂肪酸は炭素鎖中に水酸基等の置換基を有するヒドロキシ脂肪酸でもよい。例えば、水酸基を有するヒドロキシ脂肪酸としては、炭素数3〜24で、かつ水酸基を1個以上(例えば、1個)有する化合物を使用できる。水酸基を有するヒドロキシ脂肪酸として、例えば、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ヒドロキシトリコサン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシトリデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、3−ヒドロキシヘキサデカン酸、3−ヒドロキシヘプタデカン酸、3−ヒドロキシオクタデカン酸、ω−ヒドロキシ−2−デセン酸、ω−ヒドロキシペンタデカン酸、ω−ヒドロキシヘプタデカン酸、ω−ヒドロキシエイコサン酸、ω−ヒドロキシドコサン酸、6−ヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、[R−(E)]−12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸等が挙げられる。中でも、炭素数4〜18で、かつω位以外(特に、12位)に1個の水酸基を有するヒドロキシ脂肪酸が好ましく、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸がより好ましい。保護層に含まれるヒドロキシ脂肪酸は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
アミン
金属ナノ粒子の保護層に含まれるアミンは、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、さらに、ひとつの化合物中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物等を例示することができる
第1級アミンとしては、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソアミルアミン、n−オクチルアミン、2−オクチルアミン、tert−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−アミノデカン、n−アミノウンデカン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、2−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−オレイルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、N−エチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジブチル−1,3−アミノプロパン、N,N−ジイソブチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ラウリルジアミノプロパン等の直鎖又は分岐炭化水素基を有するアミン等を例示できる。
また、脂環式アミンであるシクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミンや、芳香族アミンであるアニリン等も例示できる。
また、3−イソプロポキシプロピルアミン、イソブトキシプロピルアミン等のエーテルアミンも例示できる。
第2級アミンとしては、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、N,N−ジペンチルアミン、N,N−ジヘキシルアミン、N,N−ジペプチルアミン、N,N−ジオクチルアミン、N,N−ジノニルアミン、N,N−ジデシルアミン、N,N−ジウンデシルアミン、N,N−ジドデシルアミン、N,N−ジステアリルアミン、N−メチル−N−プロピルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N−プロピル−N−ブチルアミン等のジアルキルモノアミン、及びピペリジン等の環状アミンを例示することができる。
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン等を例示できる。
さらに、異なるアミンとしては、ひとつの化合物中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物も用いることができる。ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル‐1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン等を例示できる。
中でも、第1級アミンが好ましく、炭素数5〜7のモノアルキルアミンが好ましい。炭素数5〜7のモノアルキルアミンとしては、n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン等を例示することができる。中でもn−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミンが好ましく、n−ヘキシルアミンが特に好ましい。保護層における炭素数5〜7のモノアルキルアミンは、1種類のモノアルキルアミンから構成されていてもよく、2種類以上のモノアルキルアミンから構成されていてもよい。
さらに、保護層におけるアミンには、アルコキシアミンを含んでいてもよい。アルコキシアミンの具体例としては、1−メトキシメチルアミン、1−エトキシメチルアミン、1−プロポキシメチルアミン、1−イソプロポキシメチルアミン、1−ブトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−プロポキシエチルアミン、2−イソプロポキシエチルアミン、2−ブトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、4−メトキシブチルアミン、4−エトキブチルアミン、4−プロポキシブチルアミン、4−イソプロポキシブチルアミン、4−ブトキシブチルアミン等を例示することができる。中でも、2−エトキシエチルアミン、2−プロポキシエチルアミン、2−イソプロポキシエチルアミン、2−ブトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンが好ましい。
本発明の導電性接着剤において、金属ナノ粒子表面に付着した脂肪酸は、凝集を防ぐだけでなく分散性を向上させる効果もある。保護層に含まれている脂肪酸は、金属ナノ粒子の合成時に用いた脂肪酸であってもよいし、導電性接着剤調製時に添加することでも表面に付着させることができる。
金属ナノ粒子表面に付着している脂肪酸の含有量は、金属ナノ粒子に対して0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%ある。
金属ナノ粒子表面に付着している脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィーまたは熱重量示差熱分析により測定することができる。
本発明の導電性接着剤において、金属ナノ粒子の保護層に含まれているアミンは、導電性接着剤の接合(焼結)時に金属ナノ粒子の表面から離脱するため、導電性には実質的に影響を与えない。また、保護層に含まれるアミンは、金属ナノ粒子の合成時に用いたアミンを、他のアミンに置換してもよい。保護層のアミンの置換方法は、通常用いられる手法で実施することができる。具体的には、実施例で後述する方法で行うことができる。
保護層において、脂肪酸とアミンを併用してもよく、併用する場合、脂肪酸とアミンのモル比(脂肪酸:アミン)としては、0.01:99.99〜10:90の範囲が好ましい。
本発明に用いる金属ナノ粒子は、上述した特徴を有するものであれば、市販されているものを購入して用いてもよく、通常用いられる金属ナノ粒子(例えば、銀ナノ粒子)の製造方法(例えば、特開2015−40319号公報)によって製造したものを用いてもよい。
銅ナノ粒子
本発明の導電性接着剤は、前述の金属ナノ粒子(銅ナノ粒子以外)に加えて、銅ナノ粒子を含んでいる。
本発明の銅ナノ粒子の形状は特に制限されない。例えば、略球状、球状、長粒状、棒状、針状、鱗片状、板状が挙げられ、より好ましい形状は略球状または球状であり、さらに好ましい形状は球状である。
本発明の銅ナノ粒子の平均粒子径は特に制限されないが、10〜500nmの範囲が望ましい。より好ましい平均粒子径は10〜300nmであり、さらに好ましい平均粒子径は50〜300nmである。銅ナノ粒子の平均粒子径は10nmよりも小さいと凝集しやすく、500nm以上であると比表面積が小さくなるため効果を発揮するには多量の添加が必要となり、接合性の低下を引き起こす。また、上記範囲内の平均粒子径を有する銅ナノ粒子を複数用いた場合の平均粒子径も上記範囲内にあれば、問題なく本発明の効果が得られる。
本発明の銅ナノ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる30個以上の粒子の長辺の長さの平均値または、レーザー回折粒度分布計(堀場製作所製 Partica LA−950V2)を用いて、フロー法で平均粒子径を測定した値である。なお、上記範囲内の平均粒子径の銅ナノ粒子を組み合わせて用いる場合、平均粒子径は走査型電子顕微鏡で観察される画像に含まれる各銅ナノ粒子の30個以上の粒子の長辺の長さの平均値と各銅ナノ粒子の混合比率により求めることができる。
より具体的には、例えば上記範囲の2種類の異なる平均粒子径の銅ナノ粒子を組み合わせて用いる場合、上述した方法で求めることができる。
本発明の導電性接着剤中の銅ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子に対して0.05〜1.5質量%であるとよい。銅ナノ粒子のより好ましい含有量は、金属ナノ粒子に対して0.1〜1.5質量%であり、さらに好ましい含有量は、金属ナノ粒子に対して0.1〜1質量%ある。0.05%より小さいと効果を発揮することができず、1.5質量%以上添加すると銅ナノ粒子の酸化によって接合性・導電性を損なう。
本発明の導電性接着剤中の銅ナノ粒子の表面は有機分子が付着していてもよく、酸化膜等で保護されていてもよい。
本発明の導電性接着剤中の銅ナノ粒子は、市販されているもの又は合成したものを用いることができる。市販されている銅ナノ粒子としては、例えば、CH−0200(三井金属鉱業株式会社製)、HT−14(三井金属鉱業株式会社製)、CT−500(三井金属鉱業株式会社製)、TN−Cu100(太陽日産株式会社製)及びCu−C−40(福田金属箔粉工業株式会社製)が挙げられる。
溶媒
本発明の導電性接着剤は、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子に加えて、必要に応じて、さらに溶媒を含むことが好ましい。溶媒を含むことにより、流動性が高まり、本発明の導電性接着剤を所望の場所に配置しやすくなる。
溶媒としては、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子を分散できるものであれば、特に制限されないが、極性有機溶媒を含むことが好ましい。
極性有機溶媒としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセロール;炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルコール、シクロヘキサノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、蟻酸エチル、テキサノール等の脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール又はグリコールエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;テルピネオール等のテルペン類;アセトニトリル;γ−ブチロラクトン;2−ピロリドン;N−メチルピロリドン;N−(2−アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。これらの中でも、導電性接着剤の焼結体の機械的強度をより一層効果的に高める観点から、炭素数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テルピネオール、テキサノールが好ましい。
溶媒は、極性有機溶媒に加えて、さらに非極性又は疎水性溶媒を含んでいてもよい。
非極性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサン等の直鎖、分枝、又は環状の飽和炭化水素;炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル等の芳香族化合物;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メチル−n−アミルケトン;メチルエチルケトンオキシム;トリアセチン等が挙げられる。これらの中でも、飽和炭化水素及び炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルコール類が好ましく、ヘキサン、オクタン、デカン、オクタノール、デカノール、ドデカノールがより好ましい。溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
極性有機溶媒と非極性有機溶媒との双方を含む場合、極性有機溶媒の比率は、溶媒の全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらにより好ましい。また、60質量%以下とすることができ、55質量%以下とすることもでき、50質量%以下とすることもできる。溶媒は極性有機溶媒のみからなるものとすることもできる。本発明の導電性接着剤は、このように極性有機溶媒を多く含む場合にも、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子の分散性が良い。
本発明の導電性接着剤において、溶媒の割合としては、特に制限されないが、18.5質量%以下が好ましく、3.5質量%〜15質量%程度がより好ましい。
2.導電性接着剤の製造方法
本発明に用いる導電性接着剤は、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子と溶剤とを混合する工程を備える方法により、簡便に製造することができる。ここで、金属ナノ粒子と銅ナノ粒子、及び溶剤の詳細については、前述の「1.導電性接着剤」に詳述した通りである。
また、各成分の混合手段も特に制限されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー、ボルテックスミキサー、遊星ミル、ボールミル、三本ロール、ラインミキサー、プラネタリーミキサー、ディゾルバー等の汎用の装置で混合できる。混合時の溶解熱、摩擦熱等の影響で組成物の温度が上昇し、金属ナノ粒子の熱分解反応が開始することを回避するために、組成物の温度を、例えば60℃以下、特に40℃以下に抑えながら混合することが好ましい。
3.導電性接着剤の焼結体
本発明の導電性接着剤の焼結体は、前述の「1.導電性接着剤」で詳述した本発明の導電性接着剤を焼結することにより得られる。本発明の導電性接着剤の焼結体においては、導電性接着剤の保護層を構成している成分が、焼結の際の高熱により、ほとんどが離脱しており、焼結体は、実質的に金属により構成されている。
焼結温度としては、特に制限されないが、得られる焼結体が高い導電性と高い接着力を発揮しつつ、機械的強度を効果的に高め、なおかつ半導体部品への熱ダメージを少なくする観点から、好ましくは150℃〜200℃程度、より好ましくは150℃〜185℃程度が挙げられる。同様の観点から、焼結時間としては、好ましくは0.4時間〜2.0時間程度、より好ましくは0.5時間〜1.2時間程度が挙げられる。焼結は、大気、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)等の雰囲気下で行うことができる。焼結手段としては、特に制限されず、オーブン、熱風式乾燥炉、赤外線乾燥炉、レーザー照射、フラッシュランプ照射、マイクロウェーブ等が挙げられる。
本発明の導電性接着剤の焼結体におけるせん断強度の下限値は20Mpaであり、せん断強度がこの範囲であれば実用上十分な接着強度であるといえる。
4.回路又は装置
本発明の回路又は装置は、それぞれ、本発明の焼結体により部材間が接着された部分を備えている。すなわち、本発明の回路又は装置は、前述の「1.導電性接着剤」で詳述した本発明の導電性接着剤を、回路又は装置の部材間に配置し、導電性接着剤を焼結させて、部材間を接着したものである。
前述の通り、本発明の焼結体は、高い導電性と高い接着力を発揮しつつ、機械的強度が効果的に高められていることから、これを備える回路又は装置においても、部材間の導電性及び密着性に優れており、機械的強度も優れている。
以下の実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例及び比較例において使用した各成分の詳細は、以下の通りである。
・シュウ酸銀((COOAg))は、特許第5574761号公報に記載の方法で合成した。
・N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・2−(2−アミノエトキシ)エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・n−ヘキシルアミン(炭素数6、富士フイルム和光純薬株式会社製)
・ブタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・メタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・エチレングリコール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・テキサノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・銅ナノ粒子(太陽日酸株式会社製 TN−Cu100 平均粒子径100nm)
・リシノール酸(東京化成工業株式会社製)
<合成例1>
(金属ナノ粒子1の合成)
磁気撹拌子を入れた50mLガラス製遠沈管に、リシノール酸(0.1g)、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン(3.25g)、及びブタノール(6.0g)を投入し、1分間程度攪拌したのち、シュウ酸銀(4.0g)を投入し、約10分間攪拌することで、金属ナノ粒子調製用組成物を得た。その後、アルミブロックを備えたホットスターラー(小池精密機器製作所製HHE−19G−U)上に、これらのガラス製遠沈管を立てて設置し、40℃で30分間攪拌し、さらに、90℃で30分間攪拌した。放冷後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、メタノールを含んだ金属ナノ粒子1を回収した。
(保護層のアミン化合物の置換)
上記で得られた金属ナノ粒子1を用いて、n−ヘキシルアミンを金属ナノ粒子の質量の等量を添加し、室温で4時間撹拌した。撹拌後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、保護層におけるアミンの比率を調整(置換)した金属ナノ粒子Aを回収した。
実施例1
(導電性接着剤の製造)
合成例1の金属ナノ粒子Aを用い、表2の配合比を元に、銀含有量が90質量%となるようにテキサノールを添加し、金属ナノ粒子分散液を得、そこに銅ナノ粒子を0.09質量%添加した。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、導電性接着剤を調製した。
実施例2、3及び比較例1、2
合成例1の金属ナノ粒子Aを用いて、導電性接着剤製造時の銅ナノ粒子の添加量を変えて、表2の配合比を元に導電性接着剤を調製した。
<合成例2>
(金属ナノ粒子2の合成)
磁気撹拌子を入れた50mLガラス製遠沈管にリシノール酸(0.1g)、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン(3.25g)、及びブタノール(3.0g)、エチレングリコール(3.0g)を投入し、1分間程度攪拌したのち、シュウ酸銀(4.0g)を投入し、約10分間攪拌することで、金属ナノ粒子調製用組成物を得た。その後、アルミブロックを備えたホットスターラー(小池精密機器製作所製HHE−19G−U)上に、これらのガラス製遠沈管を立てて設置し、40℃で30分間攪拌し、さらに、90℃で30分間攪拌した。放冷後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、製造された金属ナノ粒子2を回収した。
(保護層のアミン化合物の置換)
金属ナノ粒子1の代わりに金属ナノ粒子2を用いて、前記の合成例1と同様にして、金属ナノ粒子Bを回収した。
実施例4
(導電性接着剤の製造)
合成例2の金属ナノ粒子Bを用い、表3の配合比を元に、銀含有量が90質量%となるようにテキサノールを添加し、金属ナノ粒子分散液を得、そこにリシノール酸0.2質量%、銅ナノ粒子を0.45質量%添加した。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、導電性接着剤を調製した。
実施例5、比較例3、4
合成例2の金属ナノ粒子Bを用いて、導電性接着剤製造時の銅ナノ粒子の添加量を変えて、表3の配合比を元に導電性接着剤を調製した。
<合成例3>
(金属ナノ粒子3の合成)
磁気撹拌子を入れた50mLガラス製遠沈管に、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(2.91g)、及びブタノール(6.0g)を投入し、1分間程度攪拌したのち、シュウ酸銀(4.0g)を投入し、約10分間攪拌することで、金属ナノ粒子調製用組成物を得た。その後、アルミブロックを備えたホットスターラー(小池精密機器製作所製HHE−19G−U)上に、これらのガラス製遠沈管を立てて設置し、40℃で30分間攪拌し、さらに、90℃で30分間攪拌した。放冷後、磁気撹拌子を取り出し、各組成物にメタノール15gを添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機(日立工機製CF7D2)にて3000rpm(約1600×G)で1分間の遠沈操作を実施し、遠沈管を傾けることにより上澄みを除去した。メタノール15gの添加、撹拌、遠心分離、及び上澄み除去の工程を2回繰り返し、製造された金属ナノ粒子3を回収した。
(保護層のアミン化合物の置換)
金属ナノ粒子1の代わりに金属ナノ粒子3を用いて、前記の合成例1と同様にして、金属ナノ粒子Cを回収した。
実施例6
(導電性接着剤の製造)
合成例3の金属ナノ粒子Cを用い、表4の配合比を元に、銀含有量が90質量%となるようにテキサノールを添加し、金属ナノ粒子分散液を得、そこにリシノール酸0.2質量%、銅ナノ粒子を0.45質量%添加した。これらの液をそれぞれクラボウ社製のマゼルスターを用い、2回撹拌優先モードにて混合し、導電性接着剤を調製した。
比較例5
合成例3の金属ナノ粒子Cを用いて、導電性接着剤製造時の銅ナノ粒子を添加せず表4の配合比を元に、導電性接着剤を調製した。
<平均粒子径の測定>
各金属ナノ粒子(A、B、C)を0.5質量%のドデカンチオールが添加されたイソプロパノールで金属ナノ粒子が1質量%となるように希釈し、超音波バスで3分間分散させた。堀場製作所製のレーザー回折粒度分布計(Partica LA−950V2)を用いて、フロー法で体積平均粒子径を測定した。測定の分散媒にはイソプロパノールを使用した。結果を表1に示す。
<機械的接合強度(機械的強度、せん断強度)の試験方法>
次に、銅板上に無電解銀めっきを0.5μm施した基材を準備し、その上に各導電性接着剤を塗膜厚みが50μmとなるように、均一に塗膜を行い、その上に裏面(導電性接着剤と接する面)に金めっきもしくは金スパッタ処理が施されたシリコンウエハ(サイズ2mm×2mm)を上に乗せた。これを乾燥器(循環式)により、所定温度(150℃)にて60分間加熱させ、各導電性接着剤が焼結した塗膜(焼結体)を得た。
(機械的強度(せん断強度)の評価)
実施例1〜6、比較例1〜5の各導電性接着剤が焼結して得られた各塗膜(焼結体)のせん断強度は、ボンドテスター(西進商事製SS30−WD)を用いてダイシェアテストを実施して測定した。結果を表2〜表4に示す。
※表中の金属ナノ粒子A、溶剤、銅ナノ粒子の単位は質量%である
※1:テキサノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
※2:銅ナノ粒子(太陽日酸株式会社製 TN−Cu100 平均粒子径100nm)
※表中の金属ナノ粒子B、溶剤、銅ナノ粒子、脂肪酸の単位は質量%である
※1:テキサノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
※2:銅ナノ粒子(太陽日酸株式会社製 TN−Cu100 平均粒子径100nm)
※3:リシノール酸(東京化成工業株式会社製)
※表中の金属ナノ粒子C、溶剤、銅ナノ粒子、脂肪酸の単位は質量%である
※1:テキサノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
※2:銅ナノ粒子(太陽日酸株式会社製 TN−Cu100 平均粒子径100nm)
※3:リシノール酸(東京化成工業株式会社製)
金属ナノ粒子A、金属ナノ粒子Bは合成時に脂肪酸を使用していることから、粒子保護層に脂肪酸が付着している。一方金属ナノ粒子Cは合成時には脂肪酸を使用していないが、導電性接着剤作製時に脂肪酸を添加することで金属ナノ粒子表面に脂肪酸を付着させている。一般にアミンと脂肪酸では脂肪酸の方が銀との結合性が高いため、金属ナノ粒子表面のアミンは脂肪酸に置き換えられてしまうためである。
表2〜表4から、銅ナノ粒子を添加していない例(比較例1、3、5)では十分なせん断強度が得られなかったが、金属ナノ粒子100質量%に対して銅ナノ粒子を0.1〜1質量%添加することで、せん断強度が向上していることがわかる。これは付着した有機分子が銅ナノ粒子の触媒効果によって分解された結果低温で焼結するためであり、実施例1と比較例1で用いた導電性接着剤の熱重量示差熱分析曲線を図1にした通り、銅ナノ粒子を添加することで低温側にシフトしている。一方で、金属ナノ粒子100質量%に対して銅ナノ粒子を3.0質量%以上添加した例(比較例2、4)では、銅ナノ粒子の酸化の影響により接合性が低下することが分かった。

Claims (5)

  1. 表面に脂肪酸が付着する、平均粒子径50〜600nmの金属ナノ粒子(銅ナノを除く)と銅ナノ粒子とを含有する導電性接着剤であって、
    銅ナノ粒子の含有量は金属ナノ粒子に対して、0.05〜1.5質量%である導電性接着剤。
  2. 前記脂肪酸が、水酸基を有する炭素数3〜24のヒドロキシ脂肪酸である請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 前記金属ナノ粒子が銀である請求項1または2に記載の導電性接着剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性接着剤の焼結体。
  5. 請求項4に記載の焼結体によって部材間が接合されてなる装置。
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