JP2020128479A - 研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 - Google Patents

研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Ni−P基板の研磨に用いられてナノ欠陥の数を効果的に低減し得る研磨用組成物を提供すること。【解決手段】シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子と、含窒素有機化合物と、水とを含む研磨用組成物が提供される。上記研磨用組成物のpHは4.0以下である。上記研磨用組成物は、Ni−P基板を浸漬し、取り出して水で洗浄し、次いでアルカリ性水溶液で洗浄する浸漬−洗浄試験において、上記研磨用組成物に浸漬する前のNi−P基板の腐食電位Ea[V]と、上記水で洗浄した後の腐食電位Eb[V]と、上記アルカリ性水溶液で洗浄した後の腐食電位Ec[V]との関係が:0.012V≦(Eb−Ea)≦0.050V;および−0.050V≦(Ec−Eb)≦−0.005V;を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物および該研磨用組成物を用いた磁気ディスク基板製造方法に関する。
従来、高精度な表面が要求される基板の製造プロセスには、研磨液を用いて該基板の原材料である研磨対象物を研磨する工程が含まれる。例えば、ニッケルリンめっきが施されたディスク基板(以下、Ni−P基板ともいう。)の製造においては、一般に、より研磨効率を重視した研磨(一次研磨)と、最終製品の表面精度に仕上げるために行う最終研磨(仕上げ研磨)とが行われている。磁気ディスク基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物に関する技術文献として特許文献1、2が挙げられる。
特開2010−188514号公報 特開2015−93983号公報
特許文献1は、研磨後の基板表面のスクラッチおよびナノ欠陥の低減を実現できるものとして、シリカ粒子と、複素環含有芳香族化合物と、特定の重合体と、酸と、水とを含む磁気ディスク基板用研磨液組成物を提案している。特許文献1の段落0015には、研磨時において上記複素環芳香族化合物が被研磨基板上に保護膜を形成し、さらに上記特定の重合体の効果により、スクラッチの一層の低減およびナノ突起欠陥の低減が実現されることが記載されている。特許文献2の段落0013にも、複素環芳香族化合物が被研磨基板上に保護膜を形成することでスクラッチやナノ欠陥の低減に寄与する旨の記載がある。しかし、研磨後のNi−P基板表面に対する要求品質はますます高まる傾向にあり、さらなる欠陥低減技術が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Ni−P基板の研磨に用いられてナノ欠陥の数を効果的に低減し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。関連する他の目的は、そのような研磨用組成物を用いて高品質の表面を有するNi−P基板を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、研磨用組成物に含まれる成分によってNi−P基板上に形成される保護膜は、研磨中にはナノ欠陥やスクラッチの発生に貢献し得る一方、研磨後には上記保護膜がNi−P基板表面から十分に除去されていないことがナノ欠陥を発生させる要因となり得ることに着目した。しかし、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とは本質的に相反する性質であり、これらを高レベルで両立することは容易ではない。本発明者らは、所定の関係式を満たす研磨用組成物によると、上記保護性と上記除去性とをナノ欠陥の低減に効果的なバランスで両立できることを見出して本発明を完成した。
本発明によると、Ni−P基板の研磨に用いられる研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子と、含窒素有機化合物と、水とを含む。上記研磨用組成物は、pHが4.0以下である。上記研磨用組成物は、該研磨用組成物にNi−P基板を浸漬し、該研磨用組成物から取り出して水で洗浄し、次いでアルカリ性水溶液で洗浄する浸漬−洗浄試験において、上記研磨用組成物に浸漬する前の上記Ni−P基板の腐食電位Ea[V]と、上記研磨用組成物から取り出して水で洗浄した後の上記Ni−P基板の腐食電位Eb[V]と、上記アルカリ性水溶液で洗浄した後の上記Ni−P基板の腐食電位Ec[V]との関係が、以下の式(1)、(2)を満たす。
0.012V≦(Eb−Ea)≦0.050V (1)
−0.050V≦(Ec−Eb)≦−0.005V (2)
以下、Eb−Eaのことを、「腐食電位差ΔE1」または単に「ΔE1」と表記することがあり、Ec−Ebのことを、「腐食電位差ΔE2」または単に「ΔE2」と表記することがある。また、以下において、Ni−P基板のことを、単に「基板」と表記することがある。
研磨用組成物への浸漬により基板上に保護膜が形成されると、該基板の腐食電位は浸漬前(すなわち、上記保護膜の形成前)の腐食電位に比べて上昇する。腐食電位差ΔE1が0.012V以上である研磨用組成物によると、研磨中の基板表面に保護膜が適切に形成され、欠陥(特に、微小スクラッチ等の凹欠陥)の発生が抑制される傾向にある。ΔE1が0.050V以下であることにより、過剰な保護膜の形成による研磨効果の低下を防ぐことができる。また、保護膜が形成された基板をアルカリ性水溶液で洗浄すると、該保護膜の除去の進行につれて腐食電位は低くなる。腐食電位差ΔE2が−0.005V以下である研磨用組成物は、該研磨用組成物によって基板上に形成された保護膜がアルカリ性水溶液に対して良好な洗浄除去性を示すので、欠陥(特に、微小突起等の凸欠陥)の発生を効果的に抑制することができる。ここで、ΔE1は0.050V以下であるため、ΔE2は、典型的には−0.050V以上である。上記式(1)および(2)を満たす研磨用組成物によると、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立し、ナノ欠陥の発生を効果的に抑制することができる。
好ましい一態様に係る研磨用組成物は、さらに以下の式(3)を満たす。
(Ea−Ec)≦0.012V (3)
以下、Ea−Ecのことを、「腐食電位差ΔE3」または単に「ΔE3」と表記することがある。式(3)を満たす研磨用組成物は、特に欠陥(特に凸欠陥)の抑制効果に優れたものとなり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、上記含窒素有機化合物を0.005重量%以上5重量%以下の濃度で含むことが好ましい。上記濃度で含窒素有機化合物を含む研磨用組成物によると、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立する研磨用組成物が得られやすい。
ここに開示される研磨用組成物は、上記水溶性高分子を0.0001重量%以上0.1重量%以下の濃度で含むことが好ましい。上記濃度で水溶性高分子を含む研磨用組成物によると、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立する研磨用組成物が得られやすい。
ここに開示される研磨用組成物は、上記水溶性高分子の濃度CP[重量%]に対する上記含窒素有機化合物の濃度CN[重量%]の比(CN/CP)が2以上であることが好ましい。すなわち、含窒素有機化合物の濃度CN[重量%]が、水溶性高分子の濃度CP[重量%]の2倍以上であることが好ましい。含窒素有機化合物および水溶性高分子を上記比(CN/CP)を満たす濃度で含む研磨用組成物によると、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立する研磨用組成物が得られやすい。
上記水溶性高分子としては、スルホン酸系重合体を好ましく採用し得る。スルホン酸系重合体と含窒素有機化合物とを組み合わせて用いることにより、上記式(1)および(2)を満たす研磨用組成物が好適に実現され得る。
上記酸は、少なくとも有機カルボン酸を含むことが好ましい。酸として有機カルボン酸を用いることにより、研磨後の表面の荒れが抑制される傾向にある。このことは欠陥低減の観点から有利となり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、上記酸の少なくとも一種の塩をさらに含み得る。上記塩を含むことにより、良好な欠陥低減効果が安定して発揮される傾向にある。
上記シリカ粒子としては、コロイダルシリカを好ましく採用し得る。コロイダルシリカを含む研磨用組成物において、ここに開示される技術を適用することによる効果が好ましく発揮され得る。
また、この明細書によると、Ni−P基板の製造方法が提供される。その製造方法は、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を用いてNi−P基板を研磨する工程と、研磨後の上記Ni−P基板をアルカリ性水溶液で洗浄する工程と、を含む。かかる製造方法によると、高品位な表面を有するNi−P基板を効率よく製造し得る。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<研磨用組成物>
ここに開示される研磨用組成物は、Ni−P基板の研磨(好ましくは仕上げ研磨)に用いられる研磨用組成物であって、シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子と、含窒素有機化合物と、水とを含む。
(pH)
ここに開示される研磨用組成物のpHは、4.0以下である。研磨効率等の観点から、研磨用組成物のpHは、好ましくは3.7以下、より好ましくは3.5以下であり、3.2以下でもよく、3.0以下でもよい。また、研磨用組成物のpHは、通常、1.0より高くすることが適当であり、研磨後の基板表面の荒れを抑制する観点から、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上(例えば1.5超)であり、1.7以上でもよく、2.0以上でもよく、2.2以上でもよく、2.5以上でもよく、2.7以上でもよい。ここに開示される技術は、研磨用組成物のpHが例えば1.7以上3.7以下である態様で好ましく実施され得る。上述したpHは、Ni−P基板の仕上げ研磨用の研磨用組成物において特に好ましく適用され得る。
なお、ここに開示される技術において、研磨用組成物のpHは、pHメーターを用いて3点校正した後で、ガラス電極を測定対象の組成物に入れて測定することにより把握することができる。標準液は、例えば、シュウ酸塩pH標準液:pH1.68(25℃)、フタル酸塩pH標準液:pH4.01(25℃)、中性リン酸塩pH標準液:pH6.86(25℃)、炭酸塩pH標準液:pH10.01(25℃)である。
(腐食電位)
ここに開示される研磨用組成物は、該研磨用組成物にNi−P基板を浸漬し、該研磨用組成物から取り出して水で洗浄し、次いでアルカリ性水溶液で洗浄する浸漬−洗浄試験において、上記研磨用組成物に浸漬する前の上記Ni−P基板の腐食電位Ea[V]と、上記研磨用組成物から取り出して水で洗浄した後の上記Ni−P基板の腐食電位Eb[V]と、上記アルカリ性水溶液で洗浄した後の上記Ni−P基板の腐食電位Ec[V]との関係が、以下の式(1)および(2)を満たすことによって特徴づけられる。
0.012V≦ΔE1≦0.050V (1)
−0.050V≦ΔE2≦−0.005V (2)
ここで、上述のとおり、ΔE1はEb−Ea、ΔE2はEc−Ebを表す。
ここに開示される研磨用組成物によると、腐食電位差ΔE1が0.012V以上0.050V以下であることにより、酸性の(典型的には、pH4.0以下の)研磨用組成物を用いて行われる研磨中は、上記水溶性高分子および上記含窒素有機化合物の作用により基板表面に適度な保護膜を形成し、欠陥(特に凹欠陥)の発生を抑制することができる。また腐食電位差ΔE2が−0.005V以下であることにより、研磨中に形成された保護膜をアルカリ性水溶液による洗浄(アルカリ洗浄)によって効果的に除去することができ、保護膜の残留に起因する欠陥(特に凸欠陥)の発生を抑制することができる。
いくつかの態様において、ΔE1は、好ましくは0.013V以上、より好ましくは0.015V以上であり、0.020V以上でもよく、0.021V以上でもよく、0.022V以上でもよい。ΔE1が大きくなると、基板表面の保護効果は向上する傾向にある。また、アルカリ洗浄性の観点から、いくつかの態様において、ΔE1は、例えば0.040V以下であってよく、0.030V以下でもよく、0.027V以下でもよく、0.025V以下でもよく、0.023V以下でもよい。
いくつかの態様において、ΔE2は、−0.006Vより小さいことが好ましい。ΔE2がより小さいことは、アルカリ洗浄による基板の腐食電位の低下が大きいこと、すなわち基板上の保護膜のアルカリ洗浄による除去性が高いことを表している。かかる観点から、ΔE2は、例えば−0.008V以下であってよく、−0.010V以下でもよく、−0.012V以下でもよく、−0.014V以下でもよく、−0.014V未満でもよい。ΔE2の下限は特に制限されない。ここに開示される研磨用組成物では、ΔE1が0.050V以下であることから、ΔE2は、典型的には−0.050V以上である。
ここに開示される研磨用組成物は、腐食電位差ΔE3(すなわち、Ea−Ec)が0.012V以下であることが好ましい。ΔE3がより小さいことは、研磨用組成物への浸漬により形成された保護膜の、アルカリ洗浄後の基板表面への残留がより少ないことを意味する。ΔE3は、0.010V以下であることが好ましく、0.009V以下であることがより好ましい。ΔE3は、例えば−0.003V以上であってよく、典型的には−0.001V以上、通常は0V以上である。いくつかの態様において、ΔE3は、0Vより大きくてもよく、例えば0.002V以上であってよく、0.004V以上でもよく、0.005V以上でもよく、0.007V以上でもよい。このようなΔE3においても、良好な欠陥低減効果が発揮され得る。
なお、浸漬−洗浄試験および腐食電位Ea、Eb、Ecの測定は、以下の手順で行われる。後述する実施例でも同様の手順が採用される。
[浸漬−洗浄試験]
(1)縦3cm、横1.5cm程度の長方形状にカットしたNi−P基板を用意する。このカットしたNi−P基板の切断端面では基材(例えばアルミニウム合金)が露出しているため、該基材の電解液への接触を防止するとともにニッケルリンめっき層の露出面積(電解液への接触面積)を一定にすることを目的として、上記Ni−P基板をポリテトラフルオロエチレン製のテープで被覆し、該基板表面のうち面積1cmの範囲(好ましくは、1cm角の正方形状の範囲)のみが被覆されずに露出するようにしたものを電極として使用する。
(2)上記電極を作用電極に用いて腐食電位Ea[V]を測定する。
(3)評価対象の研磨用組成物に上記電極を浸漬する。浸漬時間は2時間とする。浸漬に用いる研磨用組成物のpHは2.7である。必要に応じ、KOHおよび/またはHPOを添加して研磨用組成物を上記pHに調整する。
(4)上記電極を上記研磨用組成物から取り出し、純水で洗浄する。具体的には、上記電極に適量の純水を掛け流すことを数回繰り返す。
(5)上記洗浄後の電極に適量の電解液を数回掛け流して共洗いした後、該電極を作用電極に用いて腐食電位Eb[V]を測定する。
(6)上記電極をアルカリ性水溶液で洗浄する。具体的には、上記電極に適量のアルカリ性水溶液を掛け流すことを数回繰返し、次いで該電極をアルカリ性水溶液を入れた洗浄槽に浸漬して周波数200kHzの超音波を3分間付与する。アルカリ性水溶液としては、pH9.0のKOH水溶液を使用する。
(7)上記アルカリ性水溶液による洗浄後の電極に適量の電解液を数回掛け流して共洗いした後、該電極を作用電極に用いて腐食電位Ec[V]を測定する。
[腐食電位測定]
上記電極を作用電極とし、対電極として白金電極、参照電極として銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極を使用して、3電極式セルを構築する。電解液としては、NaSOを2g/Lの濃度で含む、pH2.7のリン酸水溶液を使用する。ポテンショスタットを用いて、掃引速度50mV/secの条件で得られたターフェル曲線により腐食電位を求める。ポテンショスタットとしては、例えばSolartron Analytical社製「SI1280B」等の市販の測定器を使用することができる。後述する実施例では上記の測定器を使用した。
特に限定するものではないが、上記浸漬−洗浄試験における腐食電位Eaは、Ag/AgClを参照電極とする場合、典型的には−0.100V(vs Ag/AgCl。以下同様。)以下であり、通常は−0.130V以下であり、例えば−0.150V以下であり得る。また、上記腐食電位Eaは、典型的には−0.250V以上であり、通常は−0.220V以上であり、例えば−0.200V以上であり得る。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、このような腐食電位Eaを示すNi−P基板の研磨(好ましくは仕上げ研磨)に好ましく用いられ得るが、これに限定されない。
(シリカ粒子)
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ粒子を含有する。シリカ粒子は、研磨対象物の表面を機械的に研磨する砥粒としての働きを有する。ここでシリカ粒子とは、シリカを主成分とする粒子をいい、実質的にシリカからなる粒子の他、例えば、該粒子の90重量%以上、95重量%以上、または98重量%以上がシリカからなる粒子を包含し得る。
使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されないが、コロイダルシリカ(例えば、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ等)、フュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。ここに開示される技術における砥粒は、このようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。シリカ粒子(例えば、コロイダルシリカ)の粒子形状は特に限定されず、例えば球形であってもよく、非球形であってもよい。ここに開示される研磨用組成物をNi−P基板の仕上げ研磨工程に使用する場合は、球形に近い形状のシリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の一好適例として、コロイダルシリカが挙げられる。なかでも、ケイ酸ソーダ法シリカやアルコキシド法シリカのように、水相での粒子成長を経て合成されたコロイダルシリカが好ましい。ここに開示される研磨用組成物に含まれるコロイダルシリカは、1種であってもよく、製造条件および/または物性の異なる2種以上であってもよい。上記研磨用組成物は、シリカ粒子としてコロイダルシリカのみを実質的に含む組成であってもよく、コロイダルシリカ以外のシリカ粒子とコロイダルシリカとを組み合わせて含む組成であってもよい。好ましい一態様に係る研磨用組成物は、シリカ粒子としてコロイダルシリカのみを実質的に含む。ここで「実質的に」とは、研磨用組成物に含まれるシリカ粒子のうちコロイダルシリカが99重量%以上100重量%以下、典型的には99.5重量%以上100重量%以下がコロイダルシリカであることをいう。このような組成の研磨用組成物によると、Ni−P基板の研磨(例えば、仕上げ研磨)において、高品質の表面が得られやすい。
シリカ粒子の平均粒子径は、特に限定されない。研磨効率等の観点から、上記シリカ粒子の平均粒子径は、通常、1nm以上であることが適当であり、好ましくは1.5nm以上、より好ましくは2nm以上、さらに好ましくは3nm以上であり、特に好ましくは5nm以上である。また、より面精度の高い表面を得る観点から、上記平均粒子径は、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、さらに好ましくは40nm以下、特に好ましくは30nm以下である。
ここで平均粒子径とは、BET法により測定される比表面積(BET値)から、BET径(nm)=6000/(真密度(g/cm)×BET値(m/g))の式により算出される粒子径をいう。比表面積換算粒子径ともいう。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて行うことができる。
ここに開示される研磨用組成物におけるシリカ粒子の含有量は特に制限されない。上記含有量は、典型的には0.1重量%以上であり、通常は0.5重量%以上が適当であり、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上であり、3重量%以上でもよい。シリカ砥粒の含有量の増大により、研磨効率は向上する傾向にある。一方、研磨後の基板の表面平滑性や研磨の安定性の観点から、シリカ粒子の含有量は、通常、25重量%以下が適当であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下であり、10重量%以下でもよく、8重量%以下でもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、シリカ粒子以外の粒子を含んでもよい。そのような非シリカ粒子の例として、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子や、ポリアクリル酸等の樹脂粒子等が挙げられる。ここに開示される研磨用組成物は、アルミナ粒子を実質的に含まないことが好ましい。これにより、アルミナ粒子の使用に起因するスクラッチや窪みの発生、アルミナの残留、アルミナ粒子の突き刺さり欠陥等を防止することができる。ここに開示される研磨用組成物は、シリカ粒子100重量部に対する非シリカ粒子の含有量が、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、例えば好ましくは1重量部以下である態様で実施することができる。好ましい一態様として、非シリカ粒子を実質的に含有しない研磨用組成物が挙げられる。
(水)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。上記イオン交換水は、脱イオン水であり得る。
(酸)
ここに開示される研磨用組成物は、酸を含む。酸は、Ni−P基板を化学的に研磨する働きをする。酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸の具体例としては、リン酸(オルトリン酸)、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸、スルファミン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸、炭酸、フッ化水素酸、亜硫酸、チオ硫酸、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、ヨウ化水素酸、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、臭化水素酸、過臭素酸、臭素酸、クロム酸、亜硝酸等が挙げられる。
有機酸の例としては、有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン、アミノ酸等が挙げられる。これらの有機酸に含まれる炭素原子数は、典型的には1〜18程度であり、例えば1〜10程度であることが好ましい。
有機酸の具体例としては、マロン酸、クエン酸、イソクエン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アジピン酸、シュウ酸、吉草酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ニコチン酸やピコリン酸等のピリジンカルボン酸、等の有機カルボン酸;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸;エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、10−カンファースルホン酸、タウリン等の有機スルホン酸;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン等のアミノ酸;等が挙げられる。
研磨効率の観点から好ましい酸として、リン酸、ホスホン酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等が例示される。なかでも好ましい酸として、リン酸、ホスホン酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸が挙げられる。
上記酸は、少なくとも有機酸を含むことが好ましい。有機酸の使用により、研磨後の表面の荒れが抑制される傾向にある。このことは欠陥低減の観点から有利となり得る。有機酸の好適例として有機カルボン酸が挙げられる。有機カルボン酸は、モノカルボン酸、ポリカルボン酸(ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等)のいずれも使用可能である。いくつかの態様において、ジカルボン酸、トリカルボン酸等のポリカルボン酸を好ましく採用し得る。ジカルボン酸の例としては、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、酒石酸、フマル酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチレンコハク酸、グルコン酸、タルトロン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、シスチン等が挙げられる。トリカルボン酸の例としては、クエン酸、イソクエン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸等が挙げられる。
いくつかの好ましい態様では、酸として、リン酸と有機酸とが組み合わせて用いられる。なかでもリン酸と有機カルボン酸との組み合わせが好ましい。リン酸と有機カルボン酸(好ましくは、ジカルボン酸、トリカルボン酸等のポリカルボン酸)とを組み合わせて用いることにより、欠陥の少ない表面が好適に実現される傾向にある。
いくつかの好ましい態様では、上記酸として、第1の酸と、それよりも解離しやすい第2の酸とが組み合わせて用いられる。このように第1の酸とそれよりも解離しやすい第2の酸とを組み合わせて用いることにより、研磨の進行に伴う研磨用組成物のpH変動(典型的にはpH上昇)を抑制する効果が発揮され得る。このことは、高品質な表面を効率よく実現する観点から有利となり得る。
第1の酸のpKa1(第1段の酸解離指数、25℃)は特に限定されず、例えば1.8以上5.0以下であり得る。いくつかの態様において、第1の酸のpKa1は、例えば1.9以上であってよく、2.0以上でもよい。第1の酸として選択し得る酸の非限定的な例としては、リン酸、マレイン酸、亜硫酸、亜塩素酸、亜硝酸、トリポリリン酸、オキサロ酢酸、クロロ酢酸、フタル酸、フマル酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、ポリスルホン酸、グルタミン酸、サリチル酸、アスパラギン酸、グリシン、アルギニン、チロシン、バリン、メチオニン、リシン、ロイシン等が例示される。なかでもリン酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸が好ましい。
第2の酸のpKa1(第1段の酸解離指数、25℃)は、第1の酸のpKa1よりも小さければよく特に限定されない。第2の酸のpKa1は、例えば−10.0以上2.5以下であり得る。いくつかの態様において、第2の酸のpKa1は、例えば2.3以下であってよく、2.0以下でもよく、1.8未満でもよく、1.5以下でもよく、1.2以下でもよい。第2の酸として選択し得る酸の非限定的な例としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、マレイン酸、シュウ酸、ピロリン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、チオ硫酸、塩素酸、過塩素酸、ヨウ素水素酸、過ヨウ素水素酸、ヨウ素酸、臭化水素酸、過臭素酸、臭素酸、クロム酸、ニトロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が例示される。なかでも塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、マレイン酸が好ましい。
第1の酸と第2の酸とを併用する場合、研磨用組成物における第2の酸の濃度A2(重量%)と第1の酸の濃度A1(重量%)との比(A2/A1)は特に限定されない。いくつかの態様において、比(A2/A1)は、例えば0.5以上であってよく、研磨効率の観点から1以上であることが好ましく、2以上でもよく、3以上でもよく、5以上でもよい。また、いくつかの態様において、比(A2/A1)は、例えば50以下であってよく、研磨後の基板表面の荒れを抑制する観点から25以下が好ましく、20以下でもよく、15以下でもよく、10以下でもよい。
研磨用組成物中における酸の含有量(複数種類の酸を含有する研磨用組成物では、それらの合計含有量)は、特に限定されない。酸の含有量は、通常、0.1重量%以上が適当であり、0.5重量%以上が好ましく、0.8重量%以上がより好ましく、1.2重量%以上でもよく、1.5重量%以上でもよい。酸の含有量が少なすぎると、十分な研磨効果が得られにくくなる場合がある。一方、酸の含有量が多すぎると、研磨後の基板表面が荒れやすくなる場合がある。かかる観点から、酸の含有量は、通常、15重量%以下が適当であり、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下でもよく、2.5重量%以下でもよく、2重量%以下でもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、上述したいずれかの酸の塩をさらに含み得る。これにより、良好な欠陥低減効果が安定して発揮される傾向にある。塩の例としては、上述した無機酸や有機酸の、金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。アルカノールアミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物に含有させ得る塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
いくつかの態様において、上記塩として、無機酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の無機酸塩を好ましく採用し得る。例えば、上述したアルカリ金属リン酸塩やアルカリ金属リン酸水素塩の他、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等を好ましく使用し得る。なかでも好ましい例として、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。アルカリ金属リン酸水素塩が特に好ましい。
塩の濃度は特に限定されず、例えば0.01重量%以上10重量%以下であり得る。より高い使用効果を得る観点から、いくつかの態様において、塩の濃度は、例えば0.05重量%以上であってよく、0.1重量%以上でもよく、0.2重量%以下でもよい。塩の濃度は、通常、5重量%以下とすることが適当であり、2重量%以下でもよく、1重量%以下でもよく、0.5重量%以下でもよい。
(酸化剤)
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤を含有する。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨用組成物における酸化剤の含有量は、有効成分量基準で0.01重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上であり、0.2重量%以上でもよく、0.3重量%以上でもよい。酸化剤の含有量が少なすぎると、研磨効率が低下し、実用上好ましくない場合がある。また、研磨用組成物における酸化剤の含有量は、有効成分量基準で5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。酸化剤の含有量が多すぎると、基板表面が荒れやすくなり、実用上好ましくない場合がある。
(水溶性高分子)
ここに開示される研磨用組成物は、水溶性高分子を含有する。水溶性高分子は、研磨中の基板を保護し、欠陥(特に、凹欠陥)の発生を抑制する機能を発揮し得る。ここでいう水溶性高分子は、典型的には重量平均分子量(Mw)が500以上、好ましくは1000以上の化合物である。水溶性高分子は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。水溶性高分子としては、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマーのいずれも使用可能である。研磨用組成物の分散安定性の観点から、いくつかの態様において、アニオン性ポリマーを好ましく採用し得る。
アニオン性ポリマーの一好適例として、スルホン酸系重合体が挙げられる。ここに開示される研磨用組成物に含まれる水溶性高分子のうちスルホン酸系重合体の割合は、例えば50重量%以上100重量%以下であってよく、好ましくは70重量%以上100重量%以下、より好ましくは90重量%以上100重量%以下であり、95重量%以上100重量%以下でもよく、99重量%以上100重量%以下でもよい。水溶性高分子として、一種または二種以上のスルホン酸系重合体のみを使用してもよい。
ここで、スルホン酸系重合体とは、該スルホン酸系重合体を構成する繰返し単位として、スルホン酸基を有する繰返し単位Xを少なくとも一種類含む重合体をいう。繰返し単位Xは、一分子中に少なくとも一つのスルホン酸基を有する単量体(モノマー)に由来する繰返し単位であり得る。スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸等が挙げられる。スルホン酸系重合体は、上記繰返し単位Xを2種類以上含んでいてもよい。スルホン酸系重合体は、スルホン酸基を有しない繰返し単位をさらに含んでいてもよい。スルホン酸基を有しない繰返し単位は、スルホン酸以外のアニオン性官能基を有する繰返し単位であってもよく、アニオン性官能基を有しない繰返し単位であってもよい。
スルホン酸以外のアニオン性官能基を有する繰返し単位の一例として、カルボキシ基を有する繰返し単位Yが挙げられる。繰返し単位Yは、例えば、(メタ)アクリル酸に由来する繰返し単位であり得る。ここで「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を包含する概念である。ここに開示される研磨用組成物は、スルホン酸系重合体として、(メタ)アクリル酸に由来するカルボキシ基含有繰返し単位Yと繰返し単位Xとを含む(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体を含んでいてもよい。上記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の例としては、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、スルホン酸基を有さず、かつ(メタ)アクリル酸単量体由来ではない繰返し単位をさらに含んでいてもよい。
スルホン酸系重合体の他の例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;等が挙げられる。
いくつかの態様において、カルボキシ基を有する繰返し単位Yを含まないスルホン酸系重合体を好ましく採用し得る。繰返し単位Y不含有のスルホン酸系重合体と含窒素有機化合物とを組み合わせて含む研磨用組成物によると、繰返し単位Yを含むスルホン酸系重合体と含窒素有機化合物とを組み合わせて含む研磨用組成物に比べて、より低いΔE2が得られやすい。これは、繰返し単位Y不含有のスルホン酸系重合体と含窒素有機化合物とを組み合わせて含む研磨用組成物は、研磨中に基板表面に形成され得る保護膜のアルカリ洗浄性が高く、凹欠陥の低減に適することを示唆している。繰返し単位Y不含有のスルホン酸系重合体は、スルホン酸基およびカルボキシ基を有しない繰返し単位(例えば、アニオン性官能基を有しない繰返し単位)をさらに含んでいてもよい。
スルホン酸系重合体の一好適例として、該重合体の分子構造に含まれる全繰返し単位のモル数に占めるスルホン酸基含有繰返し単位Xのモル数の割合(モル比)が95%以上である重合体が挙げられる。例えば、実質的に繰返し単位Xからなるスルホン酸系重合体を水溶性高分子として使用し得る。かかるスルホン酸系重合体において、上記繰返し単位Xのモル比は、例えば98%以上であってよく、99.5%以上でもよく、99.9%以上でもよい。ここに開示される研磨用組成物のいくつかの態様において、上記水溶性高分子として、繰返し単位Xのモル比が100%であるスルホン酸系重合体、すなわちスルホン酸基を有する繰返し単位Xのみからなるスルホン酸系重合体を好ましく採用し得る。そのようなスルホン酸系重合体の例として、ここに開示されるスルホン酸基含有単量体のいずれか1種からなる単独重合体や、2種以上のスルホン酸基含有単量体からなる共重合体が挙げられる。上記単独重合体の例として、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸等が例示される。なかでもポリスチレンスルホン酸、すなわちスチレンスルホン酸の単独重合体(ホモポリマー)が好ましい。
スルホン酸系重合体は、中和された塩の形態で用いられてもよい。中和された塩としては、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。欠陥低減の観点から、Na塩以外の塩(例えばカリウム塩)の形態、Na塩を陽イオン交換した形態、または未中和の形態のスルホン酸系重合体を好ましく採用し得る。
スルホン酸系重合体のMwは、例えば500以上であってよく、1000以上でもよく、2000以上でもよい。基板表面の保護性を高めて凹欠陥の発生を抑制する観点から、いくつかの態様において、スルホン酸系重合体のMwは、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上であり、7000以上でもよく、9000以上でもよい。スルホン酸系重合体のMwの上限は特に制限されず、研磨用組成物が上述したいずれかの腐食電位差ΔE2を満たすアルカリ洗浄性を示す範囲で適宜設定し得る。スルホン酸系重合体のMwが高すぎないことは、基板への吸着の迅速性および表面保護の緻密性を高めて凹欠陥の発生を抑制する観点から有利となり得る。かかる観点から、いくつかの態様において、スルホン酸系重合体のMwは、例えば150万以下であってよく、100万以下でもよく、50万以下でもよく、30万以下でもよく、20万以下でもよく、10万以下でもよく、7万以下でもよく、5万以下でもよく、3万以下でもよい。なお、スルホン酸共重合体のMwとしては、GPCにより求められる重量平均分子量(水系、ポリエチレングリコール換算)を採用することができる。
研磨用組成物における水溶性高分子(好ましくは、スルホン酸系重合体)の濃度CP[重量%]は、該研磨用組成物が所定のΔE1、ΔE2(および、好ましくはΔE3)を満たすように設定することができる。上記濃度CPは、例えば0.0001重量%以上であり得る。研磨中における基板の保護効果を高める観点から、上記濃度CPは、好ましくは0.0005重量%以上、より好ましくは0.001重量%以上であり、0.002重量%以上でもよく、0.0025重量%以上でもよく、0.003重量%以上でもよい。また、研磨中における基板の保護性と研磨後の基板からの洗浄除去性とを好適に両立しやすくする観点から、水溶性高分子の濃度CPは、通常、0.2重量%以下とすることが適当であり、好ましくは0.15重量%以下、例えば0.1重量%以下であり、0.07重量%以下でもよく、0.05重量%以下でもよい。
(含窒素有機化合物)
ここに開示される研磨用組成物は、含窒素有機化合物を含む。水溶性高分子と含窒素有機化合物とを組み合わせて含み、所定範囲の腐食電位差ΔE1を示す研磨用組成物によると、酸性の研磨用組成物を用いて行われるNi−P基板の研磨中において、上記水溶性高分子および上記含窒素有機化合物の作用により該基板表面に適度な保護膜を形成し、欠陥(特に凹欠陥)の発生を抑制することができる。また、上記含窒素有機化合物を適切に用いることにより、上記保護膜のアルカリ洗浄性を効果的に向上させ、その結果、研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立することができる。
含窒素有機化合物の例としては、アミン化合物や含窒素複素環化合物等が挙げられる。いくつかの態様において、含窒素複素環化合物を好ましく採用し得る。含窒素複素環化合物としては、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、ピラゾール、ビピリジン、インダゾール、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、インドリジン、インドール、イソインドール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン等が例示される。
トリアゾールの例には、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ベンジル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、3−ブロモ−5−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェノール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジヘプチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3,4−ジアミン等の他、ベンゾトリアゾール類が含まれる。ここでベンゾトリアゾール類とは、分子内にベンゾトリアゾール骨格を含む化合物を指し、具体例としては、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−カルボキシベンゾトリアゾール、5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−(1’,2’−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられる。
テトラゾールの例には、1H−テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−フェニルテトラゾール等が含まれる。
イミダゾールの例には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルピラゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、2−クロロベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,5−ジメチルベンズイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、1H−プリン等が含まれる。
ピラゾールの例には、1H−ピラゾール、4−ニトロ−3−ピラゾールカルボン酸、3,5−ピラゾールカルボン酸、3−アミノ−5−フェニルピラゾール、5−アミノ−3−フェニルピラゾール、3,4,5−トリブロモピラゾール、3−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、1−メチルピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、アロプリノール、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン、3,4−ジヒドロキシ−6−メチルピラゾロ(3,4−B)−ピリジン、6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン等が含まれる。
ビピリジンの例には、2,2’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、4,4’−ビピリジン、2,3’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、2,4’−ビピリジン等が含まれる。なかでも2,2’−ビピリジンが好ましい。
含窒素複素環化合物としては、一つまたは二つ以上の複素環内に窒素原子を合計2個以上(例えば、2個〜4個)含む化合物が好ましく、一つまたは二つ以上の複素環内に窒素原子を3個以上(例えば、3個または4個)含む化合物がより好ましい。いくつかの好ましい態様において、一つの複素環内に窒素原子を2個以上(例えば、2個〜4個)、より好ましくは3個以上(例えば、3個または4個)、さらに好ましくは3個含む複素環を、一つまたは二つ以上(典型的には一つ)備えた含窒素複素環化合物を採用し得る。上記複素環の構成原子として窒素以外のヘテロ原子を含まない含窒素複素環化合物が好ましい。なかでもベンゾトリアゾール類が好ましい。
基板への吸着の迅速性およびアルカリ洗浄性の観点から、いくつかの態様において、化学式から算出される分子量(Mw)が300以下である含窒素有機化合物(好ましくは含窒素複素環化合物、例えばベンゾトリアゾール類)を好ましく採用し得る。上記含窒素有機化合物のMwは、より好ましくは270以下、さらに好ましくは250以下であり、200以下でもよく、150以下でもよい。また、研磨中における基板保護効果の観点から、含窒素有機化合物のMwは、通常、60以上であることが適当であり、好ましくは80以上、より好ましくは100以上であり、120以上でもよい。
ここに開示される研磨用組成物における含窒素有機化合物の濃度CN[重量%]は、該研磨用組成物が所定のΔE1、ΔE2(および、好ましくはΔE3)を満たすように設定することができる。含窒素有機化合物の濃度CNは、例えば0.01重量%以上であってよく、通常は0.05重量%以上であることが適当であり、0.1重量%以上でもよく、0.2重量%以上でもよく、0.3重量%以上でもよい。含窒素有機化合物の濃度CNが高くなると、研磨中における保護性能は向上する傾向にある。また、含窒素有機化合物および水溶性高分子の作用により形成される保護膜のアルカリ洗浄性の観点から、含窒素有機化合物の濃度CNは、通常、5重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下でもよく、0.8重量%以下でもよい。
上記水溶性高分子の濃度CP[重量%]に対する上記含窒素有機化合物の濃度CN[重量%]の比(CN/CP)は、特に限定されない。上記比(CN/CP)は、例えば0.5以上であってよく、1以上でもよい。研磨中の基板保護性と研磨後の基板からの除去性とを好適に両立しやすくする観点から、上記比(CN/CP)は、例えば2以上であることが有利であり、3以上であることが好ましく、5以上であることがさらに好ましい。いくつかの態様において、上記比(CN/CP)は、10以上でもよく、15以上でもよく、20以上でもよく、25以上でもよい。また、上記比(CN/CP)は、例えば100以下であってよく、70以下でもよく、50以下でもよい。
(塩基性化合物)
研磨用組成物には、pH調整等の目的で、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化第四級アンモニウム等の第四級アンモニウム化合物、アンモニア、アミン等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(例えば、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板用の研磨用組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。例えば、防腐剤および防カビ剤の例としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられるが、これらに制限されない。
<濃縮液>
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨用組成物(濃縮液)は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で1.5倍〜20倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、通常は2倍〜10倍程度の濃縮倍率が適当である。かかる濃縮液は、所望のタイミングで希釈して研磨用組成物(研磨液)を調製し、その研磨液を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に水を加えて混合することにより行うことができる。
<多剤型研磨用組成物>
ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水以外の成分)のうち一部の成分を含むパートAと、残りの成分を含むパートBとが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。好ましい一態様に係る多剤型研磨用組成物は、シリカ粒子を含むパートA(典型的には、該シリカ粒子の分散媒をさらに含む分散液)と、シリカ粒子以外の成分の少なくとも一部(例えば、酸、水溶性高分子、含窒素有機化合物等)を含むパートBとを含んで構成されている。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時に混合して一液の研磨用組成物が調製され得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤や、希釈用の水等がさらに混合され得る。
<研磨プロセス>
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(ここではNi−P基板)の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
次いで、その研磨液を研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、一般的な研磨装置に研磨対象物をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面(研磨対象面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。
その後、研磨対象物をアルカリ性洗浄液で洗浄するアルカリ洗浄工程を実施する。アルカリ洗浄工程は、典型的には、研磨対象物の少なくとも研磨対象面にアルカリ性洗浄液を接触させることを含む。例えば、研磨対象物をアルカリ性洗浄液に浸漬することにより、研磨対象面にアルカリ性洗浄液を接触させることができる。上記アルカリ性洗浄液に浸漬した研磨対象物に超音波を付与する超音波処理を行ってもよい。上記超音波の付与に加えて、あるいは上記超音波の付与に代えて、ポリビニルアルコール製スポンジ、不織布、ナイロンブラシ等を用いるスクラブ洗浄を行ってもよい。
アルカリ洗浄工程に使用するアルカリ性洗浄液のpHは、例えば7.5以上であってよく、洗浄性向上の観点から、好ましくは8.0以上であり、より好ましくはpH8.5以上、例えば8.8以上である。また、洗浄による基板表面の荒れを防ぐ観点から、上記アルカリ性洗浄液のpHは、通常、11以下が適当であり、10以下が好ましく、9.5以下がより好ましい。アルカリ性洗浄液としては、上述した塩基性化合物の一種または二種以上を含む水溶液を用いることができる。なかでもアルカリ金属水酸化物の水溶液が好ましく、例えば水酸化カリウム水溶液を好ましく使用し得る。アルカリ洗浄工程は、市販のアルカリ洗浄液を用いて行ってもよい。
なお、研磨液を用いて行う研磨の終了後、アルカリ洗浄工程に移行する前に、研磨対象物を非アルカリ性のリンス液で洗浄してもよい。リンス液としては、純水やイオン交換水等の水や、酸性水溶液(例えば、研磨液から砥粒を除いた組成の水溶液)を用いることができる。
<用途>
ここに開示される研磨用組成物は、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(Ni−P基板の研磨に用いられて、該Ni−P基板の表面の欠陥数を効果的に低減し得る。上記Ni−P基板は、典型的には、基材の表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板である。上記基材の材質は、例えば、アルミニウム合金、ガラス、ガラス状カーボン等であり得る。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、アルミニウム合金製の基材上にニッケルリンめっき層を有するNi−P基板の研磨に好ましく用いられ得る。
この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いた研磨工程と、該研磨工程後に行われるアルカリ洗浄工程と、を備えるNi−P基板の製造方法および該方法により製造されたNi−P基板が提供され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、Ni−P基板表面の欠陥を高度に低減し得ることから、Ni−P基板のファイナルポリシング工程(仕上げ研磨工程)に特に好ましく使用され得る。この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いたファイナルポリシング工程と、該ファイナルポリシング工程後に行われるアルカリ洗浄工程と、を備えるNi−P基板の製造方法および該方法により製造されたNi−P基板が提供され得る。なお、ファイナルポリシングとは、目的物の製造プロセスにおける最後のポリシング工程(すなわち、その工程の後にはさらなるポリシングを行わない工程)を指す。
ここに開示される研磨用組成物は、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程に用いられてもよい。ここで、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程とは、粗研磨工程と最終研磨工程との間の予備研磨工程を指す。予備研磨工程は、典型的には少なくとも1次ポリシング工程を含み、さらに2次、3次・・・等のポリシング工程を含み得る。上記研磨用組成物は、いずれのポリシング工程にも使用可能であり、これらのポリシング工程において同一のまたは異なる研磨用組成物を用いることができる。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、ファイナルポリシングの直前に行われるポリシング工程に用いられてもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、上流の工程により表面粗さ20Å以下に調整されたNi−P基板の研磨に好ましく用いられ得る。ここで表面粗さとは、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))という。表面粗さ10Å以下に調整されたNi−P基板の研磨への適用が特に好ましい。これにより、高品位の表面を有するNi−P基板を生産性よく製造し得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<研磨用組成物の調製>
(実施例1)
シリカ粒子(6重量%)、リン酸(1.5重量%)およびマロン酸(0.2重量%)、水溶性高分子A(0.004重量%)、含窒素有機化合物a(0.5重量%)、過酸化水素(0.4重量%)および脱イオン水を含み、水酸化カリウムでpH2.7〜3.0に調整された研磨用組成物を調製した。シリカ粒子としては、平均粒子径18nmのコロイダルシリカを使用した。水溶性高分子Aとしては、重量平均分子量(Mw)が50万のポリスチレンスルホン酸(未中和)を使用した。含窒素有機化合物aとしては、1H−ベンゾトリアゾールを使用した。
(実施例2〜7および比較例1〜4)
酸、水溶性高分子および含窒素有機化合物の種類および含有量を表1に示すとおりとした他は実施例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。表1において、水溶性高分子Bとしては、Mwが約1万のアクリル酸/スルホン酸共重合体のナトリウム塩を使用した。含窒素有機化合物bとしては、1,2,4−トリアゾールを使用した。含窒素有機化合物cとしては、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノールを使用した。含窒素有機化合物dとしては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを使用した。含窒素有機化合物eとしては、2,2’−ビピリジンを使用した。含窒素有機化合物fとしては、グアニジンを使用した。含窒素有機化合物gとしては、ニコチン酸を使用した。
<浸漬−洗浄試験>
各例に係る研磨用組成物について、上述した方法により浸漬−洗浄試験を行い、腐食電位Ea、Eb、Ecを測定した。実施例1〜7および比較例1〜4についての結果を表2に示した。得られた測定結果に基づいて、各例のEb−Eaにより腐食電位差ΔE1を算出し、Ec−Ebにより腐食電位差ΔE2を算出し、Ea−Ecにより腐食電位差ΔE3を算出した。結果を表1に示した。
<Ni−P基板の研磨>
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))の値が6Åとなるように予備研磨したものを使用した。上記研磨対象物の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.27mmであった。
(研磨条件)
研磨装置:スピードファム社製の両面研磨機の両面研磨機、型式「9B−5P」
研磨パッド:スウェードノンバフタイプ
研磨対象基板の投入枚数:10枚((2枚/キャリア)×5キャリア×1バッチ))
研磨液の供給レート:130mL/分
研磨荷重:120g/cm
下定盤回転数:20rpm
研磨時間:5分
<アルカリ洗浄>
研磨後のNi−P基板を純水に浸漬して周波数170kHzで超音波処理を行い、続いてアルカリ性洗浄液(スピードファム(株)から入手可能な洗浄液「CSC−102B」を体積基準で200倍に希釈したもの)に浸漬し、周波数170kHzの超音波を付与しながらポリビニルアルコール製スポンジによるスクラブ洗浄を行った。次いで上記基板を純水に浸漬して周波数950kHzで超音波処理を行った後、イソプロピルアルコール雰囲気中に引き上げて乾燥させた。
<欠陥数評価>
各例に係る研磨用組成物により研磨し、アルカリ洗浄を行って得られた基板の中から計6枚(3枚/1バッチ)を無作為に選択し、各基板の両面にあるスクラッチを下記条件で検出した。6枚(計12面)のスクラッチ数の合計を12で除して基板片面あたりのスクラッチ数(本/面)を算出し、これを総欠陥数とした。
検出したスクラッチのいくつかをAFM(原子間力顕微鏡)により下記の条件で観察し、各スクラッチが凸欠陥であるか凹欠陥であるかを調査することにより、凸欠陥および凹欠陥の割合を求めた。上記で算出したスクラッチ数(総欠陥数)に、上記で求めた凸欠陥および凹欠陥の割合を適用することにより、基板の片面当たりの凸欠陥数および凹欠陥数を算出した。このようにして求めた総欠陥数、凸欠陥数および凹欠陥数の各々を、比較例4の凹欠陥数、凸欠陥数および総欠陥数を100とする相対値に換算して表1に示した。
(スクラッチ検出条件)
測定装置:ケーエルエー・テンコール株式会社製 Candela OSA6100
Spindle speed:10000rpm
測定範囲:17000−47000μm
Step size:4μm
Encoder multiplier:×32
検出チャンネル:P‐Sc channel
(AFM観察条件)
装置:Park Systems社製の原子間力顕微鏡
カンチレバー:Si製
プローブ先端の曲率半径:10nm〜15nm
測定面積:40μm×40μm
スキャン速度:約0.5〜2Hz
測定モード:ノンコンタクトモード
Figure 2020128479
Figure 2020128479
表1に示されるように、実施例1〜7の研磨用組成物によると、比較例1〜4の研磨用組成物に比べて欠陥数を大幅に低減することができた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (10)

  1. ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物であって、
    シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子と、含窒素有機化合物と、水とを含み、
    pHが4.0以下であり、
    ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板を、前記研磨用組成物に浸漬し、該研磨用組成物から取り出して水で洗浄し、次いでアルカリ性水溶液で洗浄する浸漬−洗浄試験において、前記研磨用組成物に浸漬する前の前記磁気ディスク基板の腐食電位Ea[V]と、前記研磨用組成物から取り出して水で洗浄した後の前記磁気ディスク基板の腐食電位Eb[V]と、前記アルカリ性水溶液で洗浄した後の前記磁気ディスク基板の腐食電位Ec[V]との関係が、以下の式:
    0.012V≦(Eb−Ea)≦0.050V;および
    −0.050V≦(Ec−Eb)≦−0.005V;
    を満たす、研磨用組成物。
  2. さらに、以下の式:
    (Ea−Ec)≦0.012V;
    を満たす、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記含窒素有機化合物を0.005重量%以上5重量%以下の濃度で含む、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記水溶性高分子を0.0001重量%以上0.1重量%以下の濃度で含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記水溶性高分子の濃度CP[重量%]に対する前記含窒素有機化合物の濃度CN[重量%]の比(CN/CP)が2以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記水溶性高分子はスルホン酸系重合体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記酸は、少なくとも有機カルボン酸を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  8. 前記酸のうち少なくとも一種の塩をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  9. 前記シリカ粒子はコロイダルシリカである、請求項1から8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  10. ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板を、請求項1から9のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて研磨する工程と、
    研磨後の前記磁気ディスク基板をアルカリ性洗浄液で洗浄する工程と、
    を含む、磁気ディスク基板製造方法。
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