JP2010188514A - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリカ粒子と、複素環芳香族化合物と、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体と、酸とを含有し、前記複素環芳香族化合物は、複素環内に窒素原子を2個以上含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
【選択図】なし
Description
本発明において「ナノ突起欠陥」とは、磁気ディスク基板の製造工程における研磨後の基板表面の欠陥であって、光学的に検出され得る10nm未満程度の大きさの凸欠陥をいう。磁気ディスクの高密度化・大容量化のためには、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔は10nm未満となる必要があるため、ナノ突起の残存は磁気ヘッドの消耗及び磁気ディスクドライブの記録密度の低下や不安定をもたらし得る。研磨後の基板においてナノ突起欠陥が低減されれば、磁気ヘッドの浮上量が低減でき、磁気ディスク基板の記録密度向上が可能となる。
本発明において「スクラッチ」とは、深さが1nm以上、幅が100nm以上、長さが1000nm以上の基板表面の微細な傷で、光学式欠陥検出装置であるKLA Tencor社製のCandela6100シリーズや日立ハイテクノロジ−社製のNS1500シリーズで検出可能であり、スクラッチ数として定量評価できる。さらに、検出したスクラッチは原子間力顕微鏡(AFM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)で大きさや形状を解析することができる。
本発明の研磨液組成物は、シリカ粒子を含有する。本発明の研磨液組成物に用いられるシリカ粒子は、例えばコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられるが、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。シリカ粒子は、市販のものでもよいし、ケイ酸水溶液から生成させる公知の製造方法等により得られたものでもよい。シリカ粒子の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状であることが好ましい。なお、本発明に用いられるシリカ粒子は、1種類のシリカ粒子からなるものであっても、2種類以上のシリカ粒子を混合したものであってもよい。
条件(a):透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)が1〜40nm;
条件(b):動的光散乱法により検出角30度で測定される粒径の標準偏差を動的光散乱法により検出角30度で測定される平均粒径で除して100を掛けたCV(変動係数)の値(CV30)と、動的光散乱法により検出角90度で測定される粒径の標準偏差を動的光散乱法により検出角90度で測定される平均粒径で除して100を掛けたCVの値(CV90)との差ΔCV(ΔCV=CV30−CV90)が0〜10%。
シリカ粒子の平均粒径には、2種類の平均粒径、すなわち、透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)、及び、動的光散乱法により検出角90度で測定される散乱強度分布に基づく平均粒径が用いられる。これらの平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明において、シリカ粒子のCV値とは、動的光散乱法において散乱強度分布に基づく標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値であって、上述のとおり、本明細書では特に、検出角90度(側方散乱)で測定されるCV値をCV90、検出角30度(前方散乱)で測定されるCV値をCV30という。シリカ粒子のCV値は、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。シリカ粒子のCV90は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減する観点から、1〜35%が好ましく、5〜34%がより好ましく、10〜33%がさらに好ましい。
シリカ粒子のΔCV値とは、上述のとおり、動的光散乱法による検出角30度(前方散乱)の散乱強度分布に基づく測定で得られる、標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値(CV30)と、検出角90度(側方散乱)の散乱強度分布に基づく測定で得られる、標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値(CV90)との差(ΔCV=CV30−CV90)であり、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。シリカ粒子のΔCV値は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減する観点から、0〜10%が好ましく、0.01〜10%がさらに好ましく、0.01〜7%がさらにより好ましく、0.01〜5%がさらにより好ましい。
本明細書において「散乱強度分布」とは、動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)又は準弾性光散乱(QLS:Quasielastic Light Scattering)により求められるサブミクロン以下の粒子の3つの粒径分布(散乱強度、体積換算、個数換算)のうち散乱強度の粒径分布のことをいう。通常、サブミクロン以下の粒子は溶媒中でブラウン運動をしており、レーザー光を照射すると散乱光強度が時間的に変化する(ゆらぐ)。この散乱光強度のゆらぎを、例えば、光子相関法(JIS Z 8826)を用いて自己相関関数を求め、キュムラント(Cumulant)法解析により、ブラウン運動速度を示す拡散係数(D)を算出して、さらにアインシュタイン・ストークスの式を用い、平均粒径(d:流体力学的径)を求めることができる。また、粒径分布解析は、キュムラント法による多分散性指数(Polydispersity Index, PI)のほかに、ヒストグラム法(Marquardt法)、ラプラス逆変換法(CONTIN法)、非負最小2乗法(NNLS法)等がある。
(参考資料)
第12回散乱研究会(2000年11月22日開催)テキスト、1.散乱基礎講座「動的光散乱法」(東京大学 柴山充弘)
第20回散乱研究会(2008年12月4日開催)テキスト、5.動的光散乱によるナノ粒子の粒径分布測定(同志社大学 森康維)
本明細書において「粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性」とは、動的光散乱法により異なる検出角で前記粒子分散液の散乱強度分布を測定した場合の、散乱角度に応じた散乱強度分布の変動の大きさをいう。例えば、検出角30度と検出角90度とでの散乱強度分布の差が大きければ、その粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性は大きいといえる。よって、本明細書において、散乱強度分布の角度依存性の測定は、異なる2つの検出角で測定した散乱強度分布に基づく測定値の差(ΔCV値)を求めることを含む。
A)研磨液組成物のろ過による方法
B)シリカ粒子製造時の工程管理による方法
条件(c):透過型電子顕微鏡観察により測定される真球率が0.75〜1;
条件(d):ナトリウム滴定法により測定される比表面積(SA1)と透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)から換算される比表面積(SA2)とから算出される表面粗度(SA1/SA2)の値が1.3以上。
本明細書においてシリカ粒子の透過型電子顕微鏡観察により測定される真球率は、透過型電子顕微鏡により得られるシリカ粒子一個の投影面積(A1)と該粒子の周長を円周とする円の面積(A2)との比、すなわち、「A1/A2」の値であって、好ましくは、本発明の研磨液組成物における任意の50〜100個のコロイダルシリカについての「A1/A2」の値の平均値をいう。シリカ粒子の真球率は、具体的には、実施例に記載の方法により測定されうる。生産性を損なうことなくスクラッチ及び表面粗さを低減する観点から、本発明の研磨液組成物に使用されるシリカ粒子の真球率は、0.75〜1が好ましく、0.75〜0.95がより好ましく、0.75〜0.85がさらに好ましい。
本明細書においてシリカ粒子の表面粗度は、ナトリウム滴定法により測定される比表面積(SA1)と、透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)から換算される比表面積(SA2)との比である「SA1/SA2」の値をいい、具体的には、実施例に記載の方法により測定される。ここで、ナトリウム滴定法により測定される比表面積(SA1)は、シリカに対して水酸化ナトリウム溶液を滴定したときの水酸化ナトリウム溶液の消費量からシリカの比表面積を求めるものであり、実際の表面積を反映したものと言える。具体的には、シリカ表面に起伏又は疣状突起などに富むものである程、比表面積(SA1)は大きくなる。一方、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒径(S2)から算出される比表面積(SA2)はシリカを理想的な球状粒子と仮定し、算出される。具体的には平均粒径(S2)が大きいほど、比表面積(SA2)は小さくなる。比表面積は単位質量あたりの表面積を示すものであって、表面粗度(SA1/SA2)の値については、シリカが球状であって、シリカ表面に多くの疣状突起を有する程、大きい値を示し、シリカ表面の疣状突起が少なく、平滑である程、小さい値を示し、その値は1に近づく。本発明の研磨液組成物に使用されるシリカ粒子の表面粗度は、生産性を損なうことなくスクラッチ及び表面粗さを低減する観点から、1.3以上が好ましく、1.3〜2.5がより好ましく、1.3〜2.2がさらに好ましい。
本発明の研磨液組成物に含有される複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物であり、複素環内に窒素原子を3個以上有することが好ましく、3〜9個がより好ましく、3〜5個がさらに好ましく、3又は4個がさらにより好ましい。
本発明の研磨液組成物は、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体を含有する。スクラッチ及びナノ突起低減の観点から、該重合体はスルホン酸基を有することが好ましい。該重合体は、研磨パッドに吸着して研磨時の摩擦振動を低減し、研磨パッドの開孔部からのシリカ凝集体の脱落を防止し、前述の複素環芳香族化合物との相乗効果によって、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥を顕著に低減するものと推定される。但し、本発明はこれらの推定メカニズムに限定されない。また、該重合体は、主鎖に二重結合を含まない、すなわち、主鎖が飽和炭化水素鎖であることが好ましい。主鎖に二重結合を有する(共)重合体に比べて耐加水分解性に優れ、研磨液組成物としての品質安定性が向上するという利点がある。
上記一般式(1)及び(2)で表される構成単位のいずれか一種以上と上記一般式(3)で表される構成単位とを有する共重合体の製造方法は、単量体の共重合法、ポリマーにスルホン化剤を用いて得られる方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。好ましくは、単量体の共重合法である。単量体の共重合法は、公知の塊状重合、溶液重合等の重合法を用いることができる。本発明の共重合体を得るための重合溶媒は、水に対する溶解度(20℃)が10重量%以上であれば何れでもよい。水、アルコール系、ケトン系、エーテル系等が挙げられる。アルコール系溶剤は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶剤は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロへキサノン等が挙げられる。エーテル系溶剤は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、セロソルブ類等が挙げられる。これらを1種類以上混合して用いることが出来る。重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤が用いられる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムに代表される過硫酸化類、t−ブチルヒドロペルオキシドに代表されるヒドロ過酸化物類、過酸化ジt−ブチルに代表される過酸化ジアルキル類、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイルに代表される過酸化ジアシル類、メチルエチルケトンペルオキシドに代表されるケトンペルオキシド類、及びアゾ系重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は1種類以上を使用することが出来る。開始剤濃度は、スクラッチ及びナノ突起低減の観点から、単量体に対して、1〜100mol%が好ましく、3〜50mol%がより好ましく、5〜30mol%がさらに好ましい。また、必要に応じて連鎖移動剤を使用できる。重合時の単量体濃度は、スクラッチ及びナノ突起低減の観点から、0.5〜90重量%が好ましく、1.0重量%〜50重量%がより好ましく、3.0〜30重量%がさらに好ましい。重合温度は、スクラッチ及びナノ突起低減の観点から、40〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、60〜200℃がさらに好ましい。
単量体の転化率(%)=((仕込み単量体量)−(未反応の単量体量))/(仕込み単量体量)×100
また、転化率比は、例えば2種類の単量体(単量体AおよびB)を用いて共重合体を製造する場合、下記式を用いて計算される。
転化率比=単量体Aの転化率/単量体Bの転化率
スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体の重量平均分子量は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、500〜12万であることが好ましく、1000〜10万がより好ましく、1000〜3万がさらに好ましく、1000〜1万がさらにより好ましくは、1500〜8000がさらにより好ましい。該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて実施例に記載の方法により測定した値である。
本発明の研磨液組成物は、酸を含む。本発明において、酸には、酸及び/又はその塩が含まれる。本発明の研磨液組成物に使用される酸としては、研磨速度の向上の観点から、その酸のpK1が2以下の化合物が好ましく、スクラッチを低減する観点から、好ましくはpK1が1.5以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくはpK1で表せない程の強い酸性を示す化合物である。その例としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸及びその塩、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸及びその塩、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸及びその塩、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸及びその塩等が挙げられる。中でも、スクラッチ低減の観点から、無機酸や有機ホスホン酸及びそれらの塩が好ましい。また、無機酸及びその塩の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸及びそれらの塩がより好ましく、硫酸がさらに好ましい。有機ホスホン酸及びその塩の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩がより好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)がさらに好ましい。これらの酸及びその塩は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。ここで、pK1とは有機化合物又は無機化合物の第一酸解離定数(25℃)の逆数の対数値である。各化合物のpK1は例えば改訂4版化学便覧(基礎編)II、pp316−325(日本化学会編)等に記載されている。
本発明の研磨液組成物は、媒体として水を含むことができ、前記水として蒸留水、イオン交換水、超純水等を使用できる。被研磨基板の表面清浄性の観点からイオン交換水及び超純水が好ましく、超純水がより好ましい。研磨液組成物中の水の含有量は、60〜99.4重量%が好ましく、70〜98.9重量%がより好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内でアルコール等の有機溶剤を配合してもよい。
本発明の研磨液組成物は、酸化剤を含むことが好ましい。本発明の研磨液組成物に使用できる酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。研磨液組成物中のこれら他の任意成分の含有量は、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。但し、本発明の研磨液組成物は、他の成分、とりわけ界面活性剤を含むことなく、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥の低減効果を発揮し得る。さらに、本発明の研磨液組成物は、アルミナ砥粒を含ませることができ、最終研磨工程より前の粗研磨工程に使用することもできる。
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上の観点から3.5以下が好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは2.0以下である。また、表面粗さ低減の観点から、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは1.2以上である。また、研磨液組成物の廃液pHは、研磨速度向上の観点から3以下が好ましく、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.2以下、さらにより好ましくは2.0以下である。また、表面粗さ低減の観点から、研磨液組成物の廃液pHは、0.8以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上、さらにより好ましくは1.5以上である。なお、廃液pHとは、研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨廃液、即ち、研磨機より排出された直後の研磨液組成物のpHをいう。
本発明の研磨液組成物は、例えば、水と、シリカ粒子と、複素環芳香族化合物と、(共)重合体と、酸と、さらに所望により、他の成分とを公知の方法で混合することにより調製できる。この際、シリカ粒子は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。本発明の研磨液組成物中における各成分の含有量や濃度は、上述した範囲であるが、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を濃縮物として調製してもよい。
本発明は、その他の態様として、磁気ディスク基板の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)に関する。本発明の製造方法は、上述した本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう。)を含む磁気ディスク基板の製造方法である。これにより、研磨後の基板表面のスクラッチに加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を好ましくは提供できる。本発明の製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。よって、本発明の製造方法は、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法である。
本発明で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができるが、研磨速度の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨荷重は、好ましくは5.9kPa以上、より好ましくは6.9kPa以上、さらに好ましくは7.5kPa以上である。これにより、研磨速度の低下を抑制できるため、生産性の向上が可能となる。なお、本発明の製造方法において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨荷重は20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、さらに好ましくは16kPa以下である。これにより、スクラッチの発生を抑制することができる。したがって、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において研磨荷重は5.9〜20kPaが好ましく、6.9〜18kPaがより好ましく、7.5〜16kPaがさらに好ましい。研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程における本発明の研磨液組成物の供給速度は、スクラッチ低減の観点から、被研磨基板1cm2当たり、好ましくは0.05〜15mL/分であり、より好ましくは0.06〜10mL/分であり、さらに好ましくは0.07〜1mL/分、さらにより好ましくは0.08〜0.5mL/分、さらにより好ましくは0.12〜0.5mL/分である。
本発明において好適に使用される被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金や、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質や、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料や、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属や、これらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨基板が好適である。特にNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板や、結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板に適しており、中でもNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板が適している。
本発明は、その他の態様として、上述した研磨液組成物を研磨パッドに接触させながら被研磨基板を研磨することを含む被研磨基板の研磨方法に関する。本発明の研磨方法を使用することにより、研磨後の基板表面のスクラッチに加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板、特に垂直磁気記録方式の磁気ディスク基板が好ましくは提供される。本発明の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板や磁気記録用媒体の基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。なお、具体的な研磨の方法及び条件は、上述のとおりとすることができる。
下記のように研磨液組成物を調製して被研磨基板の研磨を行い、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥を評価した。評価結果を下記表3に示す。使用した重合体、研磨液組成物の調製方法、各パラメータの測定方法、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は以下のとおりである。
研磨液組成物に使用したスルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体は下記の重合体A−重合体F6である。重合体とその重量平均分子量を下記表1に示す。なお、これらの重合体の重量平均分子量は下記の条件で測定した。
重合体A:アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(AA/AMPS、モル比90/10、東亞合成社製);
重合体B:アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(AA/AMPS、モル比95/5、東亞合成社製);
重合体C:スチレン/スチレンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(St/NaSS、モル比60/40、下記方法により合成);
重合体D1:スチレン/スチレンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(St/NaSS、モル比50/50、下記方法により合成);
重合体D2:スチレン/スチレンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(St/NaSS、モル比50/50、下記方法により合成);
重合体E:スチレン/スチレンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(St/NaSS、モル比30/70、下記方法により合成);
重合体F1:ポリアクリル酸(PAA、東亞合成社製);
重合体F2:ポリアクリル酸(PAA、東亞合成社製);
重合体F3:ポリアクリル酸(PAA、東亞合成社製);
重合体F4:ポリアクリル酸(PAA、日本触媒社製);
重合体F5:ポリアクリル酸(PAA、花王社製);
重合体F6:ポリアクリル酸(PAA、日本触媒社製)
1Lの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール180g(キシダ化学製)、イオン交換水270g、スチレン10g(キシダ化学製)、スチレンスルホン酸ナトリウム40g(和光純薬工業製)を仕込み、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩7.2g(V−50、和光純薬工業製)を反応開始剤として、83±2℃で2時間かけて滴下重合し、更に2時間熟成を行い、その後、減圧下で溶剤を除去することで、白色粉の重合体Eを得た。重合体C、D1及びD2は、単量体種及び単量体比率を変更して前記記載の方法にて重合を行った。
上記の重合体の重量平均分子量は、下記測定条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。なお、各重合体の重量平均分子量は下記表1及び3のとおりである。
カラム :TSKgel α−M+TSKgel α−M(東ソー製)
ガードカラム:TSKguardcolumn α(東ソー製)
溶離液 :60mmol/L リン酸,50mmol/L LiBr/DMF
温度 :40℃
流速 :1.0mL/min
試料サイズ:3mg/mL
検出器 :RI
換算標準 :ポリスチレン(分子量(Mw):590、3600、3万、9.64万、92.9万、842万(東ソー、西尾工業、chemco製))
カラム :TSKgel G4000PWXL+TSKgel G2500PWXL(東ソー製)
ガードカラム:TSKguardcolumn PWXL(東ソー製)
溶離液 :0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
温度 :40℃
流速 :1.0mL/min
試料サイズ:5mg/mL
検出器 :RI
換算標準 :ポリアクリル酸Na(分子量(Mp):11.5万、2.8万、4100、1250(創和科学及びAmerican Polymer Standards Corp.製))
下記に示す組成で、複素環芳香族化合物、上記の重合体、コロイダルシリカ(シリカa〜c、いずれも日揮触媒化成社製、下記表2)、硫酸、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸)、過酸化水素水(酸化剤)等をイオン交換水に添加し、これらを混合することにより、実施例1〜31及び比較例1〜6の研磨液組成物を調製した。具体的には、研磨液組成物中の各成分の濃度は、以下のように調製した。
比較例1:複素環芳香族化合物(表3記載の濃度)、シリカ粒子5重量%、オルトリン酸2重量%、K2HPO4 0.8重量%、過酸化水素0.62重量%(pH2);
比較例2:重合体0.05重量%、シリカ粒子10重量%、EDTA−Fe2.5重量%(pH8〜9);
比較例3:重合体0.05重量%、シリカ粒子5重量%、オルトリン酸2重量%、K2HPO4 0.8重量%、過酸化水素0.62重量%(pH2);
比較例4:重合体0.05重量%、シリカ粒子5重量%、硫酸0.5重量%、HEDP0.1重量%、過酸化水素0.5重量%(pH1.4〜1.5);
比較例5:複素環芳香族化合物(表3記載の濃度)、シリカ粒子5重量%、硫酸0.5重量%、HEDP0.1重量%、過酸化水素0.5重量%(pH1.4〜1.5);
比較例6:重合体0.05重量%、シリカ粒子5重量%、硫酸0.5重量%、HEDP0.1重量%、過酸化水素0.5重量%(pH1.4〜1.5)
1)SiO2として1.5gに相当するコロイダルシリカを含む試料をビーカーに採取して恒温反応槽(25℃)に移し、純水を加えて液量を90mLにする。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行う。
2)pH3.6〜3.7になるように0.1モル/L塩酸溶液を加える。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mLに希釈し、10分間攪拌する。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液を滴下して、pH4.0に調整する。
5)pH4.0に調整した試料を0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pH8.7〜9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量をX、その時のpH値をYとして、検量線を作る。
6)下記式(1)からSiO21.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の消費量V(mL)を求め、次の〔a〕〜〔b〕に従って比表面積SA1[m2/g]を求める。
〔a〕下記式(2)にて、SA1の値を求め、その値が80〜350m2/gの範囲にある場合は、その値をSA1とする。
〔b〕下記式(2)によるSA1の値が350m2/gを超える場合は、改めて下記式(3)にて、SA1を求め、その値をSA1とする。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・(1)
SA1=29.0V−28 ・・・(2)
SA1=31.8V−28 ・・・(3)
但し、上記式(1)における記号の意味は次の通りである。
A:SiO21.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナト
リウム溶液の滴定量(mL)
f:0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の力価
C:試料のSiO2濃度(%)
W:試料採取量(g)
コロイダルシリカを含む試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)商品名「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍、日本電子社製)により当該製造業者が添付した説明書に従って試料を観察し、TEM像を写真撮影する。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて個々のシリカ粒子の円相当径を求め、それを粒子径とする。このようにして、1000個以上のシリカ粒子の粒子径を求めた後、その平均値を算出し、透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)とする。次に、上記にて求められた平均粒径(S2)の値を下記式(5)に代入し、比表面積(SA2)を得る。
SA2=6000/(S2×ρ) ・・・(5) (ρ:試料の密度)
ρ:2.2(コロイダルシリカ)
下記に示すとおり、ナトリウム滴定法により測定される比表面積(SA1)及び透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)から換算される比表面積(SA2)を得て、それらの比(SA1/SA2)を算出して表面粗度とした。
コロイダルシリカを含む試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)商品名「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍、日本電子社製)により当該製造業者が添付した説明書に従って試料を観察し、TEM像を写真撮影した。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて粒子一個の投影面積(A1)と該粒子の周長を円周とする円の面積(A2)を計測し、前記粒子の投影面積(A1)と前記粒子の周長から求めた面積(A2)との比(A1/A2)を真球率として算出した。なお、下記表2の数値は、100個のシリカ粒子の真球率を求めた後これらの平均値を算出したものである。
〔平均粒径及びCV90〕
コロイダルシリカと、硫酸と、HEDPと、過酸化水素水とをイオン交換水に添加し、これらを混合することにより、標準試料を作製した。標準試料中におけるコロイダルシリカ、硫酸、HEDP、過酸化水素の含有量は、それぞれ5.0重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.4重量%であった。この標準試料を大塚電子社製動的光散乱装置DLS−6500により、同メーカーが添付した説明書に従って、200回積算した際の検出角90度におけるCumulant法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求め、シリカ粒子の平均粒径とした。また、検出角90度におけるコロイダルシリカのCV値(CV90)を、上記測定法に従って測定した散乱強度分布における標準偏差を前記平均粒径で除して100をかけた値として算出した。
〔ΔCV値〕
上記CV90の測定法と同様に、検出角30度におけるコロイダルシリカのCV値(CV30)を測定し、CV30からCV90を引いた値を求め、シリカ粒子のΔCV値とした。
(DLS−6500の測定条件)
検出角:90°
Sampling time : 4(μm)
Correlation Channel : 256(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
検出角:30°
Sampling time : 10(μm)
Correlation Channel : 1024(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
上記のように調製した実施例1〜31及び比較例1〜6の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて下記被研磨基板を研磨した。次いで、研磨された基板のナノ突起欠陥、及びスクラッチを以下に示す条件に基づいて測定し、評価を行った。結果を下記表3に示す。下記表3に示すデータは、各実施例及び各比較例につき4枚の被研磨基板を研磨した後、各被研磨基板の両面について測定し、4枚(表裏合わせて計8面)のデータの平均とした。
被研磨基板としては、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ研磨材を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。なお、この被研磨基板は、厚さが1.27mm、外径が95mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nm、長波長うねり(波長0.4〜2mm)の振幅は2nm、短波長うねり(波長50〜400μm)の振幅は2nmであった。
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.072mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:7.9kPa
研磨時間:8分間
研磨前後の各基板の重さを重量計(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を重量減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。この重量減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min)に変換した。
研磨速度(μm/min)=重量減少速度(g/min)/基板片面面積(mm2)/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積:6597mm2、Ni−Pメッキ密度:7.99g/cm3として算出)
測定機器:KLA Tencor社製、OSA6100
評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射してナノ突起欠陥及びスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのナノ突起欠陥及びスクラッチの数を算出した。その結果を、下記表3に、比較例1を100とした相対値として示す。
300cm3のポリ容器に、硫酸3g、過酸化水素3g、共重合体0.5g、イオン交換水93.5gを混合して研磨液組成物を調製し、80℃で1週間保存した。保存前後での重量平均分子量を測定し、及び、被研磨基板の研磨を行った。
各反応時間における、未反応のスチレンもしくは、スチレンスルホン酸Na量を下記条件にて測定した。経時でのスチレンスルホン酸Naの転化率をCss、スチレンの転化率をCstとし、スチレンの転化率(Cst)に対するスチレンスルホン酸Naの転化率の割合(Css/Cst)が1.0であれば、転化率は同じであることを示し、1.0より大きい場合は、スチレンスルホン酸Naの転化率が、スチレンよりも高いことを示す。また、1.0よりも小さい場合は、スチレンの転化率が、スチレンスルホン酸Naよりも転化率が高いことを示す。以下の製造例1、2で製造した共重合体のCss/Cstと、研磨評価結果を下記表5に示す。
10mlメスフラスコにポリマーを400mgとり、酢酸メチルでメスアップ後、0.45μmPTFEフィルターで濾過後、以下のGC条件にて、未反応のスチレンを算出した。
〔GC条件〕
カラム:HP−FFAP サイズ30m×0.530mm 1.00μm (Agilent Technologies社製)
カラム流量:1.0mL/min
検出器:FID
注入口温度:220℃
試料サイズ:40mg/mL
オーブン温度:35℃(10min)→10℃/min→220℃
10mlメスフラスコにポリマー40mgとり、0.2Mリン酸バッファーでメスアップ後、以下のHPLC条件にて、未反応のスチレンスルホン酸Naを算出した。
〔HPLC条件〕
カラム:Lichro CART 250−4.0 RP−18(5μm) メルク社製
カラム流量:1.0mL/min
検出:UV210nm
試料サイズ:4.0mg/mL
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/メタノール=60/40vol%
1Lの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール91g(キシダ化学製)、イオン交換水137g、スチレン10g(キシダ化学製)、スチレンスルホン酸ナトリウム40g(和光純薬工業製)を仕込み、83℃まで昇温し、過硫酸アンモニウム6.6g(和光純薬工業製)を反応開始剤として投入して2時間重合し、更に2時間熟成を行い、その後、減圧下で溶剤を除去することで、スチレン/スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(33/67モル%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は16000であった。なお、製造例1では、過硫酸アンモニウムを投入した時点から、5分後、20分後、60分後にサンプリングを行い、未反応モノマー量を前述の方法で測定した。
1Lの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール230g(キシダ化学製)、イオン交換水345g、スチレン10g(キシダ化学製)、スチレンスルホン酸ナトリウム40g(和光純薬工業製)を仕込み、過硫酸アンモニウム6.6g(和光純薬工業製)を反応開始剤として投入し、65±5℃で6時間かけて全反応液の70重量%を滴下重合し、さらに2時間熟成を行い、その後、減圧下で溶剤を除去することで、スチレン/スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(33/67モル%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は11000であった。製造例2では、滴下を開始した時点から、5分後、20分後、60分後にサンプリングを行い、未反応モノマー量を前述の方法で測定した。
Claims (6)
- シリカ粒子と、複素環芳香族化合物と、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体と、酸とを含有し、
前記複素環芳香族化合物は、複素環内に窒素原子を2個以上含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物。 - 前記複素環芳香族化合物が、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、3-アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノー1,2,3−トリアゾール、5−アミノー1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノー1,2,4−トリアゾール、5−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール及びこられのアルキル置換体からなる群から選択される、請求項1記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する重合体が、
ポリアクリル酸、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体、スチレンスルホン酸のホルマリン縮合物、スチレン/イソプレンスルホン酸共重合体、並びに、
下記一般式(1)及び(2)で表される構成単位のいずれか一種以上と下記一般式(3)で表される構成単位とを有する共重合体
からなる群から選択される一種以上の重合体である、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。 - 重合体の重量平均分子量が1000〜100000である、請求項1から3いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- シリカ粒子が下記(a)及び(b)の条件を満たす、請求項1から4のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
(a)透過型電子顕微鏡観察により測定される平均粒径(S2)が1〜40nm、
(b)動的光散乱法により検出角30度で測定される粒径の標準偏差を動的光散乱法により検出角30度で測定される平均粒径で除して100を掛けたCV(変動係数)の値(CV30)と、動的光散乱法により検出角90度で測定される粒径の標準偏差を動的光散乱法により検出角90度で測定される平均粒径で除して100を掛けたCVの値(CV90)との差ΔCV(ΔCV=CV30−CV90)が0〜10%。 - 請求項1から5のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
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