JP7083680B2 - 研磨液組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には、カルボン酸基、カルボン酸基の塩、スルホン酸基及びスルホン酸基の塩の少なくとも1つが主鎖に結合している水溶性ポリマーと、コロイダルシリカ又はヒュームドシリカとを含有する酸性の研磨液を用いて円形ガラス板の主表面を研磨する工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法が開示されている。
特許文献3には、研磨材、水性媒体、界面活性剤、及び疎水性界面活性化合物を含む研磨液組成物が開示されている。
特許文献4には、半導体デバイスの化学的機械的平坦化に使用される金属用研磨液であって、オクタノール/水分配係数の対数値(LogP)が-0.85以下である有機酸、並びにLogPが1以上である1,2,3-トリアゾール誘導体を含有する金属用研磨液が開示されている。
特許文献5には、窒素分子及びイオン分子の少なくとも一方を含む化合物を含有し、該化合物が被研磨層の研磨摩擦、エッチング速度、研磨速度及び面内均一性のうちの少なくとも一つを制御する研磨液が開示されている。
本開示の研磨液組成物中のウレタン軟質化剤によって、研磨パッドの表面部材に含まれるウレタン樹脂が軟質化され、研磨パッドによる粗大粒子の押し込み応力が緩和され、スクラッチ低減に寄与すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示の研磨液組成物に含まれる研磨材(以下、「成分A」ともいう)としては、研磨用に一般的に使用されている研磨材を使用することができ、金属、金属若しくは半金属の炭化物、窒化物、酸化物、又はホウ化物、ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。成分Aの具体例としては、酸化珪素(以下、シリカという)、酸化アルミニウム(以下、アルミナという)、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム(以下、セリアという)、酸化ジルコニウム等が挙げられ、これらの1種以上を使用することは研磨速度を向上させる観点から好ましい。中でも、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、成分Aとしては、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、それらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示の研磨液組成物に含まれるウレタン軟質化剤(成分B)は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、重量平均分子量が5000以下のウレタン軟質化剤である。成分Bは単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
<GC-MSによる測定条件の一例>
使用カラム:DB-5ms(アジレントテクノロジー社)60m、内径0.25mm、膜厚1μm
カラム温度:40℃(10分)-10℃/分―200℃
注入口温度:200℃
インターフェイス温度:230℃
キャリアガス:He 1.0mL/分
スプリット比:20:1
測定方法:走査法 m/Z=10~1000
本開示の研磨液組成物は、酸(成分C)を含有する。本開示において、酸の使用は、酸及び/又はその塩の使用を含む。成分Cは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等の水、又は、水と溶媒との混合溶媒等が挙げられる。上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が挙げられる。水系媒体が、水と溶媒との混合溶媒の場合、混合媒体全体に対する水の割合は、本開示の効果が妨げられない範囲であれば特に限定されなくてもよく、経済性の観点から、例えば、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。被研磨基板の表面清浄性の観点から、水系媒体としては、イオン交換水及び超純水が好ましく、超純水がより好ましい。本開示の研磨液組成物中の水系媒体の含有量は、成分A、成分B、成分C、及び必要に応じて配合される後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、さらに酸化剤(以下、「成分D」ともいう)を含有してもよい。成分Dは、一又は複数の実施形態において、ハロゲン原子を含まない酸化剤である。成分Dは、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
本開示の研磨液組成物は、複素環芳香族化合物(その塩も含む)(成分E)をさらに含有してもよい。成分Eは1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
本開示の研磨液組成物は、スクラッチ低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物(成分F)をさらに含有してもよい。スクラッチ低減の観点から、成分Fの分子内の窒素原子数又はアミノ基若しくはイミノ基の併せた数は、2個以上4個以下が好ましい。成分Fは1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
本開示の研磨液組成物は、スクラッチ低減の観点から、水溶性高分子(成分G)をさらに含有してもよい。成分Gは、1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。本開示において、「水溶性」とは、20℃の水100gに対する溶解度が0.01g以上であることをいう。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、必要に応じてさらにその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤、可溶化剤等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の前記その他の成分の含有量は、0質量%以上が好ましく、0質量%超がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。より具体的には、その他の成分の含有量は、0質量%以上10質量%以下が好ましく、0質量%超10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物は、突起欠陥低減の観点から、アルミナ砥粒を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において「アルミナ砥粒を実質的に含まない」とは、一又は複数の実施形態において、アルミナ粒子を含まないこと、砥粒として機能する量のアルミナ粒子を含まないこと、又は、研磨結果に影響を与える量のアルミナ粒子を含まないこと、を含みうる。具体的なアルミナ粒子の含有量は、特に限定されるわけではないが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、実質的に0質量%が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、4以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3以下が更に好ましく、2.5以下が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1以上が更に好ましく、1.2以上が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物のpHは、0.5以上4以下が好ましく、0.8以上3.5以下がより好ましく、1以上3以下が更に好ましく、1.2以上2.5以下が更に好ましい。pHは、上述した酸(成分C)や公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。本開示において、上記pHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、例えば、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値とすることができる。
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B、成分C及び水系媒体と、さらに所望により、成分D~G及びその他の成分とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、成分B、成分C及び水系媒体を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C及び水系媒体、並びに必要に応じて成分D~G及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。成分Aの研磨材は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。成分Aが複数種類の研磨材からなる場合、複数種類の研磨材は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Bが複数種類のウレタン軟質化剤からなる場合、複数種類のウレタン軟質化剤は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Cが複数種類の酸からなる場合、複数種類の酸は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するためのキット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。本開示の研磨液キットの一実施形態としては、例えば、成分A及び水系媒体を含む研磨材分散液と、成分B及び成分Cを含む添加剤水溶液と、を相互に混合されない状態で含む、研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。前記研磨材分散液と前記添加剤水溶液とは、使用時に混合され、必要に応じて水系媒体を用いて希釈される。前記研磨材分散液及び前記添加剤水溶液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分(成分D~G及びその他の成分)が含まれていてもよい。本開示の研磨液キットによれば、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる研磨液組成物が得られうる。
被研磨基板は、一又は複数の実施形態において、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である。被研磨基板の表面を本開示の研磨液組成物を用いて研磨する工程の後、スパッタ等でその基板表面に磁性層を形成する工程を行うことにより磁気ディスク基板を製造できる。
一般に、磁気ディスクは、研削工程を経た被研磨基板が、粗研磨工程、仕上げ研磨工程を経て研磨され、記録部形成工程にて磁気ディスク化されて製造される。本開示における研磨液組成物は、磁気ディスク基板の製造方法における、被研磨基板を研磨する研磨工程、好ましくは仕上げ研磨工程に使用されうる。すなわち、本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、磁気ディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の基板製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。
スエードタイプの研磨パッドの一実施形態としては、ベース層と発泡層(表面部材)とを有し、前記発泡層(表面部材)が、ポリウレタンエラストマー等のウレタン樹脂を含む研磨パッドが挙げられる。前記ベース層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエステルフィルムが挙げられる。前記発泡層は、一又は複数の実施形態において、前記ベース層に対して紡錘状気孔を有するものである。前記発泡層の圧縮率は、例えば、2.5%以上20%以下とすることができる。圧縮率は、日本工業規格(JIS)L1096記載の圧縮率測定方法に基づき、圧縮試験機により測定できる。
本開示は、その他の態様として、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含む、基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法を使用することにより、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。本開示の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。具体的な研磨の方法及び条件は、上述した本開示の基板製造方法と同じ方法及び条件とすることができる。
(実施例1~3、比較例1)
成分A(コロイダルシリカ、平均粒径20nm)、表1に示す成分B(ウレタン軟質化剤)、成分C(硫酸)、成分D(過酸化水素)及びイオン交換水を配合して撹拌することにより、実施例1~3及び比較例1の研磨液組成物を調製した。各研磨液組成物中の各成分の含有量(有効量)は、表1に示すとおりである。イオン交換水の含有量は、成分A、成分B、成分C及び成分Dを除いた残余である。実施例1~3及び比較例1の研磨液組成物のpHは1.5であった。pHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃にて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した。
(実施例4~10、比較例2~3)
成分A(コロイダルシリカ、平均粒径20nm)、表2に示す成分B(ウレタン軟質化剤)又は非成分B、成分C(硫酸)、成分D(過酸化水素)、成分E(BTA)、成分F(AEA)、成分G(AA/AMPS)及びイオン交換水を配合して撹拌することにより、実施例4~10及び比較例2~3の研磨液組成物を調製した。各研磨液組成物中の各成分の含有量(有効量)は、成分A~Dが表2に示すとおりであり、成分Eが0.2質量%、成分Fが0.05質量%、成分Gが0.03質量%である。イオン交換水の含有量は、成分A、成分B又は非成分B、成分C、成分D、成分E、成分F及び成分Gを除いた残余である。実施例4~10及び比較例2~3の研磨液組成物のpHは1.5であった。pHは、実施例1~3及び比較例1と同様にして測定した。
BBSA[ブチルベンゼンスルホンアミド、東京化成工業株式会社製、重量平均分子量 213.3、LogP値 2.5](成分B)
BBS[ブチルベンゼンスルホン酸、東京化成工業株式会社製、重量平均分子量 214.28、LogP値 2.8](成分B)
DBA[アジピン酸ジブチル、東京化成工業株式会社製、重量平均分子量 258.36、LogP値 4](成分B)
DBP[フタル酸ジブチル、東京化成工業株式会社製、重量平均分子量 278.35、LogP値 4.7](成分B)
スルファニルアミド[東京化成工業株式会社製、重量平均分子量 172.2、LogP値 0.2](非成分B)
硫酸[和光純薬工業社製、特級](成分C)
過酸化水素水[濃度35質量%、ADEKA社製](成分D)
BTA[ベンゾトリアゾール(40%)、城北化学工業株式会社製](成分E)
AEA[N-アミノエチルエタノールアミン、日本乳化剤株式会社製](成分F)
AA/AMPS[アクリル酸Na/2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸Na共重合体(モル比90/10)、東亞合成株式会社、A-6012(40%)](成分G)
(1)コロイダルシリカ(成分A)の平均粒径
研磨液組成物の調製に用いた成分A(コロイダルシリカ)と、成分C(硫酸)とをイオン交換水に添加し、撹拌することにより、標準試料を作製した。標準試料中における成分A及び成分Cの含有量はそれぞれ、1質量%、0.45質量%とした。この標準試料を動的光散乱装置(大塚電子社製DLS-6500)により、同メーカーが添付した説明書に従って、200回積算した際の検出角90°におけるCumulant法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求め、コロイダルシリカの平均粒径とした。
成分B(又は非成分B)による研磨パッドの軟化率は、研磨液組成物中の成分B(又は非成分B)の濃度と同じ濃度の成分B(又は非成分B)を含む成分B水溶液(又は非成分B水溶液)に浸漬前後の研磨パッドの貯蔵弾性率の低減割合から算出した。
具体的には、まず、支持層を剥離した研磨パッド(発泡層:ポリウレタン製、フジボウ社製スエードタイプ)0.2gを、研磨液組成物中の成分B(又は非成分B)の濃度と同じ濃度の成分B(又は非成分B)を含む成分B水溶液(又は非成分B水溶液) 100gに浸し、25℃で24時間放置した。浸漬後の研磨パッドの発泡層を直径8mmに打ち抜き、TA Instrument Japan Inc.社製レオメーター「Ares G2」を用い、測定温度25℃、軸力0.5N、周波数10Hz、ひずみ0.1~200%の条件で測定し、ひずみ0.1%時の貯蔵弾性率を読み取り、貯蔵弾性率Yを測定した。浸漬前の研磨パッドの発泡層の貯蔵弾性率Xについても同様の条件で測定した。そして、成分B(非成分B)による研磨パッドの軟化率を下記式により算出した。
軟化率(%)=(浸漬前の貯蔵弾性率X-浸漬後の貯蔵弾性率Y)/浸漬前の貯蔵弾性率X×100
前記のように調製した実施例1~10及び比較例1~3の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて下記被研磨基板を研磨した。次いで、研磨速度及びスクラッチ数を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
被研磨基板として、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ研磨材を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。この被研磨基板は、厚さが1.27mm、外径が95mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nmであった。
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー、厚さ0.9mm、平均開孔径10μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.076mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:13.0kPa
研磨時間:6分間
基板の枚数:10枚
[研磨速度の評価]
研磨前後の各基板1枚当たりの重さを計り(Sartorius社製、「BP-210S」)を用いて測定し、各基板の質量変化から質量減少量を求めた。全10枚の平均の質量減少量を研磨時間で割った値を研磨速度とし、下記式により算出した。実施例1~3の研磨速度の測定結果を、下記表1に、比較例1を100とした相対値として示す。実施例4~10及び比較例3の研磨速度の測定結果を、下記表2に、比較例2を100とした相対値として示す。
質量減少量(g)={研磨前の質量(g)- 研磨後の質量(g)}
研磨速度(mg/min)=質量減少量(mg)/ 研磨時間(min)
測定機器:KLA ・テンコール社製、「Candela OSA7100」
評価:研磨試験機に投入した基板のうち、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10,000rpmにてレーザーを照射してスクラッチ数を測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。実施例1~3のスクラッチ数の評価結果を、下記表1に、比較例1を100とした相対値として示す。実施例4~10及び比較例3のスクラッチ数の評価結果を、下記表2に、比較例2を100とした相対値として示す。
Claims (7)
- ウレタン樹脂を含む表面部材を有する研磨パッドを使用した研磨に使用される研磨液組成物であって、
研磨材(成分A)、重量平均分子量が5000以下であるウレタン軟質化剤(成分B)、酸(成分C)、及び水系媒体を含有し、
成分BのLogP値が2以上5未満であり、
成分Bは、下記式(I)で表される化合物、及び、下記式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、研磨液組成物。
R2OOC-(CH2)m-COOR3 (II)
ただし、式(II)中、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基を示し、mは2~6の整数を示す。R2及びR3は同一であってもよいし、異なっていてもよい。 - 成分Bによる研磨パッドの軟化率は、10%以上であり、
前記研磨パッドの軟化率は、研磨液組成物中の成分Bの濃度と同じ濃度の成分Bを含む成分B水溶液に浸漬させる前の研磨パッドの貯蔵弾性率の値に対する、前記成分B水溶液に浸漬させる前の研磨パッドの貯蔵弾性率から前記成分B水溶液に浸漬させた後の研磨パッドの貯蔵弾性率をひいた値の割合である、請求項1に記載の研磨液組成物。 - 研磨材がシリカ粒子である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
- 酸化剤をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
- Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨に用いられる、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物と、ウレタン樹脂を含む表面部材を有する研磨パッドとを用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、基板の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物と、ウレタン樹脂を含む表面部材を有する研磨パッドとを用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、
前記被研磨基板は磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
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