JP2022077841A - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、研磨後の基板表面のスクラッチの低減と濃縮物の保存安定性とを両立できる研磨液組成物を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(成分B)、酸(成分C)、及び水を含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、磁気ディスク基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法及び研磨方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。高記録密度化するために、単位記録面積を縮小し、弱くなった磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。磁気ディスク基板には、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、表面粗さ、うねり、端面ダレ(ロールオフ)の低減に代表される平滑性・平坦性の向上とスクラッチ、突起、ピット等の低減に代表される欠陥低減に対する要求が厳しくなっている。
このような要求に対して、例えば、特許文献1には、砥粒と、水と、以下の条件:(1)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し、かつ、エーテル結合を有していない;および、(2)1級アミノ基と、2級アミノ基及び3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基とを有し、かつ、エーテル結合を有していない;の少なくとも一方を満たすエーテル結合非含有アミン化合物とを含み、砥粒の含有量が2重量%以下である、研磨液組成物が開示されている。
特許文献2には、シリカ粒子と、置換基を有するアニリン化合物と、酸とを含有し、pHが3未満であり、前記アニリン化合物は、ハロゲン、アミノ基、及びシアノ基から選ばれる1以上の置換基を含み、さらにアルキル基を置換基として含んでいてもよい、磁気ディスク基板用研磨液組成物が開示されている。
WO2018/147148号 特開2015-127988号公報
磁気ディスクドライブの大容量化に伴い、基板の表面品質に対する要求特性はさらに厳しくなっており、研磨速度の向上とともに、基板表面のスクラッチの低減が可能な研磨液組成物の開発が求められている。
さらに、通常、研磨液組成物は、濃縮物の状態で保管、輸送されるものであり、濃縮物での保存安定性も要求される。
そこで、本開示は、研磨後の基板表面のスクラッチの低減と濃縮物の保存安定性とを両立できる研磨液組成物、並びにこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法及び基板の研磨方法を提供する。
本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(成分B)、酸(成分C)、及び水を含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を調製するためのキットであって、
成分Aを含有する第1液と、成分B及び成分Cを含有する第2液とを、相互に混合されない状態で含む、キットに関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本開示の研磨組成物によれば、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板表面のスクラッチの低減と濃縮物の保存安定性とを両立できるという効果が奏されうる。
本発明者らは、磁気ディスク基板用研磨液組成物の研磨性能向上について検討を行った結果、これまでスクラッチ低減効果のある添加剤として含窒素化合物が報告されている一方、濃縮物の状態で保存安定性が低下傾向となることがわかった。
通常、研磨液組成物は、濃縮物の状態で保管、輸送される。一般的に、研磨液組成物の濃縮物は、砥粒を含む砥粒分散液の濃縮物と、砥粒以外の成分を含む添加剤水溶液の濃縮物に分けて保管されており、砥粒分散液の濃縮物と添加剤水溶液の濃縮物とは使用時に混合され、水を用いて希釈され、研磨液組成物が調製される。前記添加剤水溶液の濃縮物は、砥粒以外の成分(例えば、酸、アニリン、単分子化合物、水溶性高分子等の添加剤成分)を高濃度で含有するため、層分離や含有成分の析出が生じるなど良好な保存安定性が得られないことがある。そのため、高濃度の濃縮物の形態においても、保存安定性に優れる添加剤水溶液が提供されれば、利便性、コスト低減等の点でも有利であり、実用上の利点は大きい。
そこで、本発明者らは、含窒素化合物であるアニリンに着目し、検討を行った結果、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物を用いることで、研磨後の基板表面のスクラッチ低減と濃縮物の保存安定性を両立できることを見出した。
すなわち、本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(成分B)、酸(成分C)、及び水を含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板表面のスクラッチ低減と濃縮物の保存安定性とを両立できる。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
本開示の研磨液組成物では、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(成分B)が基板表面に吸着すると、成分Bのベンゼン環によって基板表面が疎水化され、酸(成分C)による基板表面の腐食が抑制され、研磨腐食を起因とするスクラッチの低減に寄与すると考えられる。そして、シリカ粒子(成分A)及び酸(成分C)は、前工程(例えば、粗研磨工程)由来のスクラッチの低減に寄与すると考えられる。
また、成分Bは、アニリン等の第1級アミン化合物に比べて塩基性が弱いため、酸(成分C)と塩を形成しにくく、濃縮状態での保存安定性を向上できると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、基板表面のスクラッチは、例えば、光学式欠陥検査装置により検出可能であり、スクラッチ数として定量評価できる。スクラッチ数は、具体的には実施例に記載した方法で評価できる。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)としては、研磨速度向上及びスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、それらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、これらのなかでもコロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Aの動的光散乱法により測定される散乱強度分布に基づく平均粒径(以下、単に「成分Aの平均粒径」ともいう)は、研磨速度向上の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましく、70nm以下が更に好ましく、40nm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Aの平均粒径は、1nm以上500nm以下が好ましく、1nm以上300nm以下がより好ましく、1nm以上100nm以下が更に好ましく、5nm以上70nm以下が更に好ましく、10nm以上40nm以下が更に好ましい。本開示において、「シリカ粒子の動的光散乱法により測定される散乱強度分布に基づく平均粒径」とは、動的光散乱法において検出角90°で測定される散乱強度分布に基づく平均粒径(平均二次粒子径)をいう。シリカ粒子(成分A)の平均粒径は、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、研磨速度向上の観点から、SiO2換算で、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、SiO2換算で、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、SiO2換算で、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、3質量%以上10質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上のシリカ粒子からなる場合、成分Aの含有量は、それらの合計含有量をいう。
[アミン化合物(成分B)]
本開示の研磨液組成物に含まれるアミン化合物は、(以下、「成分B」ともいう)は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(以下、単に「成分B」ともいう)である。同様の観点から、成分Bは、一又は複数の実施形態において下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。成分Bは1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
Figure 2022077841000001
式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基である。ただし、R1及びR2は同時に水素原子とはならない。前記アルキル基としては、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
式(I)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1~5の炭化水素基であるか、あるいは、R3とR4とは互いに結合して炭素数が1~10の環状炭化水素基を形成する。R3及びR4は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、水素原子であることが好ましい。前記炭素数が1~5の炭化水素基としては、同様の観点から、炭素数1~3の炭化水素基が好ましく、炭素数1~2の炭化水素基がより好ましく、炭素数1のアルキル基、即ち、メチル基がより好ましい。前記R3とR4とが結合して形成する炭素数が1~10の環状炭化水素基は、同様の観点から、炭素数2~8の炭化水素基が好ましく、炭素数3~6の炭化水素基がより好ましく、炭素数4の炭化水素基がより好ましい。前記炭素数が1~10の環状炭化水素基は、同様の観点から、一又は複数の実施形態において、芳香環であることが好ましく、一又は複数の実施形態において、複素芳香環を含まないことが好ましい。
式(I)中、nは0又は1である。
成分Bとしては、例えば、N-メチルアニリン、N-イソピロピルアニリン、N-ブチルアニリン、N,N´-ジメチルアニリン、N-メチルベンジルアミン、N,N´-ジメチルベンジルアミン、及び、N,N´-ジメチルナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、成分Bとしては、N-メチルアニリン、N,N´-ジメチルアニリン、N-メチルベンジルアミン、及び、N,N´-ジメチルナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、0.001質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.15質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の成分Aに対する成分Bの質量比B/A(成分Bの含有量/成分Aの含有量)は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、0.002以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.1以下が好ましく、0.07以下がより好ましく、0.04以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Aに対する成分Bの質量比B/Aは、0.002以上0.1以下が好ましく、0.01以上0.07以下がより好ましく、0.02以上0.04以下が更に好ましい。
[酸(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、酸(成分C)を含有する。本開示において、酸の使用は、酸又はその塩の使用を含む。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Cとしては、例えば、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸;有機リン酸、有機ホスホン酸、カルボン酸等の有機酸;等が挙げられる。中でも、研磨速度の向上及び前工程由来のスクラッチ低減の観点から、無機酸及び有機ホスホン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。同様の観点から、無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸及びリン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、リン酸又は硫酸がより好ましい。同様の観点から、有機ホスホン酸としては、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、HEDPがより好ましい。これらの酸の塩としては、例えば、上記の酸と、金属、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種との塩が挙げられる。上記金属としては、例えば、周期表の1~11族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、上記の酸と、1A族に属する金属又はアンモニアとの塩が好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、研磨速度向上及び前工程由来のスクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上1質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せである場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の成分Aに対する成分Cの質量比C/A(成分Cの含有量/成分Aの含有量)は、研磨速度及び前工程由来のスクラッチ低減向上の観点から、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が更に好ましく、0.04以上が更に好ましく、0.05以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、1以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.3以下が更に好ましい。同様の観点から、質量比C/Aは、0.01以上0.4以下が好ましく、0.03以上0.3以下がより好ましく、0.04以上0.3以下が更に好ましい。
[水]
本開示の研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、成分A、成分B、成分C及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[酸化剤(成分D)]
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、酸化剤(以下、「成分D」ともいう)をさらに含むことができる。成分Dは、一又は複数の実施形態において、ハロゲン原子を含まない酸化剤である。成分Dは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Dとしては、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、例えば、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、研磨速度向上の観点、被研磨基板の表面に金属イオンが付着しない観点及び入手容易性の観点から、過酸化水素がより好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、研磨速度向上の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、0.01質量%以上4質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下が更に好ましい。成分Dが2種以上の組合せである場合、成分Dの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、本開示の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤、水溶性ポリマー等が挙げられる。
[研磨液組成物のpH]
本開示の研磨液組成物のpHは、スクラッチ低減の観点から、4以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3以下が更に好ましく、そして、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1以上が更に好ましく、1.5以上が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物のpHは、0.5以上4以下が好ましく、0.8以上3.5以下がより好ましく、1以上3以下が更に好ましく、1.5以上3以下が更に好ましい。pHは、上述した酸(成分C)や公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。本開示において、上記pHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、例えば、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値とすることができる。
[研磨液組成物の製造方法]
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B、成分C及び水と、さらに所望により、任意成分(成分D及びその他の成分)とを公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、少なくとも成分A、成分B、成分C及び水を配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも成分A、成分B、成分C及び水を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C及び水、並びに必要に応じて任意成分(成分D及びその他の成分)を同時に又は任意の順に混合することを含む。シリカ粒子(成分A)は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。成分Aが複数種類のシリカ粒子からなる場合、複数種類のシリカ粒子は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Bが複数種類のアミン化合物からなる場合、複数種類のアミン化合物は同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Cが複数種類の酸からなる場合、複数種類の酸は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示の研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における前記各成分の含有量をいう。
[研磨液組成物の濃縮物]
本開示の研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造及び輸送コストを更に低くできる点で好ましい。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に、必要に応じて前述の水で適宜希釈して使用すればよい。
本開示の研磨液組成物の濃縮物が2液型である場合、本開示の研磨液組成物の濃縮物(2液型)は、例えば、成分Aを含むシリカ分散液の濃縮物(以下、「第a液」ともいう)と、成分B及び成分Cを含む添加剤水溶液の濃縮物(以下、「第b液」ともいう)とから構成され、使用時に第a液と第b液とを水及び必要に応じて成分Dを用いて希釈混合して使用される。
前記シリカ分散液の濃縮物(第a液)の濃縮倍率は、低コスト化及び利便性の観点から、4倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましく、6倍以上が更に好ましく、7倍以上が更に好ましく、そして、保存安定性の観点から、10倍以下が好ましく、9倍以下がより好ましく、8倍以下が更に好ましい。
前記シリカ分散液の濃縮物(第a液)中の成分Aの含有量は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、そして、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
前記添加剤水溶液の濃縮物(第b液)の濃縮倍率は、低コスト化及び利便性の観点から、10倍以上が好ましく、15倍以上がより好ましく、20倍以上が更に好ましく、25倍以上が更に好ましく、そして、保存安定性の観点から、80倍以下が好ましく、60倍以下がより好ましく、50倍以下が更に好ましく、45倍以下が更に好ましい。
前記添加剤水溶液の濃縮物(第b液)中の成分Bの含有量は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、2質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、そして、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
前記添加剤水溶液の濃縮物(第b液)中の成分Cの含有量は、スクラッチ低減と保存安定性とを両立する観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、そして、16質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい。
[研磨液キット]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を調製するためのキットであって、成分Aを含有する第1液と、成分B及び成分Cを含有する第2液とを、相互に混合されない状態で含む、キット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。
前記第1液と前記第2液とは、使用時に混合され、必要に応じて水を用いて希釈されてもよい。前記第1液に含まれる水は、研磨液組成物の調製に使用する水の全量でもよいし、一部でもよい。前記第2液には、研磨液組成物の調製に使用する水の一部が含まれていてもよい。
前記第1液としては、一又は複数の実施形態において、成分A及び水を含むシリカ分散液の濃縮物(上述した第a液)が挙げられる。前記第2液としては、一又は複数の実施形態において、成分B及び成分Cを含む添加剤水溶液の濃縮物(上述した第b液)が挙げられる。
前記第1液及び前記第2液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分(成分D、その他の成分)が含まれていてもよい。前記第1液と第2液との混合時に、上述した任意成分(成分D、その他の成分)をさらに混合してもよい。
本開示の研磨液キットは、成分Dを含有する第3液をさらに含んでもよい。すなわち、本開示の研磨液キットは、一又は複数の実施形態において、成分Aを含有する第1液と、成分B及び成分Cを含有する第2液と、成分Dを含有する第3液とを相互に混合されない状態で含むものであってもよい。前記第3液には、必要に応じて上述したその他の成分が含まれていてもよい。
本開示によれば、研磨後の基板表面のスクラッチの低減と濃縮物の保存安定性とを両立可能な研磨液キットを得ることができる。
[被研磨基板]
被研磨基板は、一又は複数の実施形態において、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である。一又は複数の実施形態において、被研磨基板の表面を本開示の研磨液組成物を用いて研磨する工程の後、スパッタ等でその基板表面に磁性層を形成する工程を行うことにより磁気ディスク基板を製造できる。
本開示において好適に使用される被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金や、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質や、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料や、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨基板に好適である。被研磨基板としては、例えば、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板や、結晶化ガラス、強化ガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス等のガラス基板がより適しており、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板が更に適している。本開示において「Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板」とは、アルミニウム合金基材の表面を研削後、無電解Ni-Pメッキ処理したものをいう。
被研磨基板の形状としては、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が挙げられる。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2~95mm程度であり、その厚みは例えば0.4~2mm程度である。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、粗研磨後の基板の研磨に好適に用いることができる。被研磨基板としては、粗研磨後の基板が挙げられる。粗研磨に用いる砥粒は、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
[基板の研磨方法]
本開示は、態様として、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法を使用することにより、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。本開示の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。
本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することは、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨することであり、或いは、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨することである。
本開示で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができ、研磨速度向上の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨における研磨荷重は、研磨速度向上の観点から、好ましくは5.9kPa以上、より好ましくは6.9kPa以上、更に好ましくは7.5kPa以上であり、そして、スクラッチ低減の観点から、20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、更に好ましくは16kPa以下である。本開示の製造方法において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨における本開示の研磨液組成物の供給速度は、スクラッチ低減の観点から、被研磨基板1cm2当たり、好ましくは0.05mL/分以上15mL/分以下であり、より好ましくは0.06mL/分以上10mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上1mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上0.5mL/分以下である。
本開示の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示の研磨液組成物となる。
[磁気ディスク基板の製造方法]
一般に、磁気ディスクは、研削工程を経た被研磨基板が、粗研磨工程、仕上げ研磨工程を経て研磨され、記録部形成工程にて磁気ディスク化されて製造される。本開示における研磨液組成物は、磁気ディスク基板の製造方法における、被研磨基板を研磨する研磨工程、好ましくは仕上げ研磨工程に使用されうる。
すなわち、本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、磁気ディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の基板製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨の方法及び条件としては、上述した本開示の研磨方法における研磨と同様の方法及び条件が挙げられる。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程である。また、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、その他の一又は複数の実施形態において、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する工程である。
被研磨基板の研磨工程が多段階で行われる場合は、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程又は仕上げ研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の砥粒や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨基板を洗浄することが好ましい。さらに、使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本開示の研磨液組成物は使用できる。研磨機としては、特に限定されず、基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
本開示の基板製造方法によれば、本開示における研磨液組成物を用いることで、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.研磨液組成物の調製(実施例1~10及び比較例1~5)
シリカ粒子(成分A)、表1に示す化合物(成分B又は非成分B)、酸(成分C)、酸化剤(成分D)、及びイオン交換水を配合して撹拌することにより、表1に示す実施例1~10及び比較例1~5の研磨液組成物を調製した。各研磨液組成物中の各成分の含有量(有効量)は、表1に示すとおりである。
各研磨液組成物の調製において、成分A、成分B、非成分B、成分C及び成分Dには以下のものを使用した。
(成分A)
コロイダルシリカ[平均粒径20nm]
(成分B)
N-メチルアニリン[和光純薬工業社製]
N-ブチルアニリン[和光純薬工業社製]
N,N’-ジメチルアニリン[和光純薬工業社製]
N-メチルベンジルアミン[和光純薬工業社製]
N,N’-ジメチルベンジルアミン[和光純薬工業社製]
N,N’-ジメチルナフチルアミン[和光純薬工業社製]
(非成分B)
アニリン[和光純薬工業社製]
O-クロロアニリン[和光純薬工業社製]
ベンゾトリアゾール[城北化学社製]
(成分C)
リン酸[濃度75%、和光純薬工業社製、特級]
硫酸[和光純薬工業社製、特級]
(成分D)
過酸化水素水[濃度35質量%、ADEKA社製]
2.各パラメータの測定
(1)シリカ粒子(成分A)の平均粒径
研磨液組成物の調製に用いた成分A(シリカ粒子)と、成分C(硫酸)とをイオン交換水に添加し、撹拌することにより、標準試料を作製した。標準試料中における成分A及び成分Cの含有量はそれぞれ、1質量%、0.45質量%とした。この標準試料を動的光散乱装置(大塚電子社製DLS-6500)により、同メーカーが添付した説明書に従って、10回積算した際の検出角90°におけるCumulant法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求め、シリカ粒子の平均粒径とした。結果を表1に示す。
(2)pHの測定
研磨液組成物のpHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃にて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した。結果を表1に示す。
3.研磨方法
前記のように調製した実施例1~10及び比較例1~5の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて下記被研磨基板を研磨した。次いで、スクラッチ数を後述する測定方法により測定し、結果を表1に示した。
[被研磨基板]
被研磨基板として、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ砥粒を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。この被研磨基板は、厚さが0.8mm、外径が95mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nmであった。
[研磨条件]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー、厚さ0.9mm、平均開孔径10μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.076mL/分)
下定盤回転数:24.0rpm
研磨荷重:13.0kPa
研磨時間:6.5分間
基板の枚数:10枚
4.評価
[スクラッチの評価]
測定機器:KLA・テンコール社製、「Candela OSA7100」
評価:研磨試験機に投入した基板のうち、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10,000rpmにてレーザーを照射してスクラッチ数を測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。実施例1~10及び比較例1~5のスクラッチ数の測定結果を、比較例1を100とした相対値として表1に示す。
[濃縮物の保存安定性の評価]
成分A(シリカ粒子)及び成分Dを除く研磨成分(成分B又は非成分B、成分C)を40倍に濃縮した濃縮物を調製してから24時間経過後、濃縮物の様子を目視で観察した。そして、濃縮物の保存安定性を下記評価基準により評価した。
<評価基準>
A:沈殿物又は層分離が生じず、透明な液体である。
B:沈殿物又は層分離が生じている。
Figure 2022077841000002
上記表1に示すとおり、実施例1~10の研磨液組成物は、比較例1~5の研磨液組成物に比べて、スクラッチ低減と濃縮物の保存安定性とを両立できていることがわかった。
本開示によれば、例えば、高記録密度化に適した磁気ディスク基板を提供できる。

Claims (7)

  1. シリカ粒子(成分A)、ベンゼン環を有する第2級又は第3級アミン化合物(成分B)、酸(成分C)、及び水を含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  2. 成分Bは、下記式(I)で表される化合物である、請求項1に記載の研磨液組成物。
    Figure 2022077841000003
    式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基である。ただし、R1及びR2は同時に水素原子とはならない。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数が1~5の炭化水素基であるか、あるいは、R3とR4とは互いに結合して炭素数が1~10の環状炭化水素基を形成する。nは0又は1である。
  3. 研磨液組成物のpHが4以下である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物を調製するためのキットであって、
    成分Aを含有する第1液と、成分B及び成分Cを含有する第2液とを、相互に混合されない状態で含む、キット。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
  6. 磁気ディスク基板はアルミハードディスク基板である、請求項5に記載の研磨方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
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