JP7460844B1 - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一態様において、研磨速度向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる研磨液組成物を提供する。【解決手段】 本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物であって、成分Aは、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、磁気ディスク基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法及び研磨方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。高記録密度化するために、単位記録面積を縮小し、弱くなった磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。磁気ディスク基板には、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、表面粗さ、うねり、端面ダレ(ロールオフ)の低減に代表される平滑性・平坦性の向上とスクラッチ、突起、ピット等の低減に代表される欠陥低減に対する要求が厳しくなっている。
例えば、特許文献1には、動的光散乱法により測定される平均粒子径が5~300nmの範囲にある非球状シリカ微粒子を分散媒に分散してなり、固形分濃度が10~60質量%のシリカゾルであって、29Si-NMRスペクトル測定時のケミカルシフト-73~-120ppm のピーク面積におけるQ4の面積が88%以上、Q3の面積が11%以下である研磨用シリカゾルが提案されている。
特許文献2には、ガラス基板の主表面と研磨パッドとの間に、シリカ砥粒を遊離砥粒として含む研磨液を供給し、前記ガラス基板の主表面を研磨する研磨処理を有する、磁気ディスク基板の製造方法であって、前記シリカ砥粒は、砥粒内部のシラノール基(Si-OH)の砥粒全体のケイ素元素(Si)に対する比(Si-OH)/Siが0.4以上である、磁気ディスク基板の製造方法が提案されている。
特許文献3には、シリカ砥粒を含有する研磨用組成物であって、前記シリカ砥粒の平均一次粒子径が40nm以上であり、かつ、前記シリカ砥粒の平均シラノール基密度が1.25個/nm2以下である、研磨用組成物が提案されている。
特開2012-11869号公報 国際公開第2015/046603号 特開2017-19978号公報
磁気ディスクドライブの大容量化に伴い、基板の表面品質に対する要求特性はさらに厳しくなっており、基板表面のスクラッチをいっそう低減できる研磨液組成物の開発が求められている。また、一般的に、研磨速度とスクラッチとはトレードオフの関係にあり、一方が改善すれば一方が悪化するという問題がある。さらに、生産性向上の点から、研磨液組成物には分散安定性に優れることも要求される。
そこで、本開示は、一態様において、研磨速度の向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる研磨液組成物を提供する。
本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物であって、成分Aは、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下であるシリカ粒子(成分A)、該シリカ粒子(成分A)のスラリー、又は、該シリカ粒子(成分A)を砥粒として含有する研磨液組成物を選択して、該シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物を得る工程、及び、前記シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本開示は、一態様において、研磨速度向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる研磨液組成物を提供できる。
本開示は、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が特定の範囲内であるシリカ粒子、酸及び水を含有する研磨液組成物を磁気ディスク基板の研磨に用いると、研磨速度を向上でき、かつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減でき、さらに分散安定性に優れるという知見に基づく。
本開示において、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とは、成分AをXPSを用いて検出角度15°の条件で測定することで得られたスペクトルを元素分析することにより算出されるケイ素原子(Si)濃度と酸素原子(O)濃度との合計に対するケイ素原子濃度の百分比[Si/(Si+O)]×100のことをいう。
ここで、X線光電子分光法(XPS)とは、試料表面に軟X線を照射したときに放出される光電子の運動エネルギーを測定する表面分析方法である。元素は固有の運動エネルギーを有するため、表面から数nm程度の深さの元素を特定し、その元素濃度も分析することができる。XPSでは、検出角度を変化させることで、測定深さを調整できる。試料と検出器のなす角度(検出角度)が小さいほど、測定深さが小さくなり、試料の表面近傍での測定が可能となる。検出角度が大きいほど、測定深さが大きくなり、試料の深部での測定が可能となる。
すなわち、本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物であって、成分Aは、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度と酸素原子濃度との合計に対するケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
X線光電子分光法(XPS)による検出角度15°の条件での測定は、対象シリカ粒子の極表層の元素分析であり、ケイ素原子濃度(atоm%)が高いことは相対的に酸素元素の比率が低いと推定される。酸素元素が多いと、酸素元素が引き付ける系中の水分子も多くなり、研磨中におけるシリカ粒子と基板間の直接的作用を妨害すると推定される。そのため、シリカ粒子の極表層に存在する高いケイ素原子濃度は、シリカ粒子と基板を直接的に作用することができるため、良好な研磨速度を発現すると推定される。
また、対象シリカ粒子の極表層における酸素元素が減少すると、系中の水分子も相対的に減少するが、シリカ粒子同士を接触させる程の影響は無いため、シリカ粒子は水中で安定に分散している。加えて、シリカ粒子間の水分子の減少は、シリカ粒子同士の距離を狭め、その結果、シリカ粒子と研磨対象基板(被研磨基板)との接触頻度も向上する。シリカ粒子と研磨対象基板との接触頻度の向上により、シリカ粒子の有する応力が深さ方向から基板表面全体に応力分散されることで、基板表面における局所的な応力の発生が抑制され、スクラッチも低減すると推定される。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、基板表面のスクラッチは、例えば、光学式欠陥検査装置により検出可能であり、スクラッチ数として定量評価できる。スクラッチ数は、具体的には実施例に記載した方法で評価できる。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、砥粒としてシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aは、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下であるシリカ粒子である。成分Aの使用形態としては、スラリー状の研磨液成分であることが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
<XPSにより測定されるケイ素原子(Si)濃度(atom%)>
XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、研磨速度向上の観点から、28atom%以上であって、29atom%以上が好ましく、30atom%以上がより好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、38atom%以下であって、36atom%以下が好ましく、34atom%以下がより好ましい。より具体的には、XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、28atom%以上38atom%以下であって、29atom%以上36atom%以下が好ましく、30atom%以上34atom%以下がより好ましい。
本開示において、XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とは、成分AをXPSを用いて検出角度15°の条件で測定することで得られたスペクトルを元素分析することにより算出されるケイ素原子(Si)濃度と酸素原子(O)濃度との合計に対するケイ素原子濃度の百分比[Si/(Si+O)]×100のことをいう。
XPSにより検出角度45°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、研磨速度向上の観点から、28atom%以上が好ましく、28.5atom%以上がより好ましく、29atom%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、36atom%以下が好ましく、34atom%以下がより好ましく、32atom%以下が更に好ましい。より具体的には、XPSにより検出角度45°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、28atom%以上36atom%以下が好ましく、28.5atom%以上34atom%以下がより好ましく、29atom%以上32atom%以下が更に好ましい。本開示において、XPSにより検出角度45°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とは、成分AをXPSを用いて検出角度45°の条件で測定することで得られたスペクトルを元素分析することにより算出されるケイ素原子(Si)濃度と酸素原子(O)濃度との合計に対するケイ素原子濃度の百分比[Si/(Si+O)]×100のことをいう。
XPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、研磨速度向上の観点から、28atom%以上が好ましく、28.2atom%以上がより好ましく、28.4atom%以上が更に好ましく、そして、分散安定性向上の観点から、36atom%以下が好ましく、35.5atom%以下がより好ましく、35.0atom%以下が更に好ましい。より具体的には、XPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)は、28atom%以上36atom%以下が好ましく、28.2atom%以上35.5atom%以下がより好ましく、28.4atom%以上35.0atom%以下が更に好ましい。本開示において、XPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とは、成分AをXPSを用いて検出角度75°の条件で測定することで得られたスペクトルを元素分析することにより算出されるケイ素原子(Si)濃度と酸素原子(O)濃度との合計に対するケイ素原子濃度の百分比[Si/(Si+O)]×100のことをいう。
XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とXPSにより検出角度45°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)との濃度比(15°/45°)は、研磨速度向上の観点から、1.02以上が好ましく、1.025以上がより好ましく、1.03以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、1.4以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が更に好ましい。より具体的には、該濃度比(15°/45°)は、1.02以上1.4以下が好ましく、1.025以上1.3以下がより好ましく、1.03以上1.2以下が更に好ましい。
XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とXPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)との濃度比(15°/75°)は、研磨速度向上の観点から、1.05以上が好ましく、1.05を超えることがより好ましく、1.06以上が更に好ましく、1.07以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、1.4以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が更に好ましく、1.15以下が更に好ましく、1.10以下が更に好ましい。より具体的には、該濃度比(15°/75°)は、1.05以上1.4以下が好ましく、1.06以上1.3以下がより好ましく、1.07以上1.2以下が更に好ましく、1.07以上1.15以下が更に好ましく、1.07以上1.10以下が更に好ましい。
本開示において、XPSにより測定される各原子(Si、O)濃度は、特性X線としてALKα線を用いたアルバック・ファイ株式会社製のXPS測定装置を用いて測定することができる。ケイ素原子(Si)濃度は、例えば、XPSにより所定の検出角度(15°、45°、75°)の条件で得られたスペクトルを96~106eVの結合エネルギー範囲で元素分析することにより算出できる。酸素原子(O)濃度は、例えば、XPSにより所定の検出角度(15°、45°、75°)の条件で得られたスペクトルを526~536eVの結合エネルギー範囲で元素分析することにより算出できる。具体的には、実施例に記載の測定方法により算出できる。
成分Aの製造方法としては、例えば、珪酸アルカリ塩と強酸とを混合してシリカヒドロゲルを含む溶液を調製し、所定の温度範囲(例えば10~40℃)でシリカの熟成を行い、溶液中の塩を除去後、シリカヒドロゲルにアルカリ溶液を添加してシリカヒドロゲルのコロイド化を行ってシリカゾルを得て、該シリカゾルを水熱処理してシリカ粒子を成長させることにより製造することができる。
成分Aのケイ素原子濃度を調整する方法としては、いくつかあるが一つの例として、シリカ粒子の成長過程における水熱処理条件の制御が挙げられる。水熱処理条件としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を用いることでpHを調整し、装置により加熱温度、圧力をそれぞれ制御する方法が挙げられる。その他にも、上記で示したような水酸化ナトリウム等のアルカリ剤によりpHを変動させ、その水溶液中に経時で保存することで、シリカ粒子表面のケイ素原子濃度を制御することも可能である。
成分Aとしては、研磨速度向上及びスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、それらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、これらのなかでもコロイダルシリカが好ましい。
本開示の研磨液組成物に含まれる砥粒は、一又は複数の実施形態において、研磨速度向上及びスクラッチ低減の観点から、成分Aのみであることが好ましく、コロイダルシリカのみであることがより好ましい。
成分Aの形状は、球状でも非球状でもよい。
成分Aの平均一次粒子径は、一又は複数の実施形態において、仕上げ研磨に用いる場合には、研磨速度向上及びスクラッチ低減の観点から、5nm以上が好ましく、そして、同様の観点から、100nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。より具体的には、成分Aの平均一次粒子径は、5nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上40nm以下がより好ましい。
成分Aの平均一次粒子径は、一又は複数の実施形態において、粗研磨に用いる場合には、研磨速度向上の観点から、30nm以上が好ましく、40nm以上がより好ましく、50nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、200nm以下が好ましく、180nm以下がより好ましく、160nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均一次粒子径は、一又は複数の実施形態において、30nm以上200nm以下が好ましく、40nm以上180nm以下がより好ましく、50nm以上160nm以下が更に好ましい。
本開示において、成分Aの平均一次粒子径は、窒素吸着法(BET法)によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。平均一次粒子径の値は、実施例に記載する方法で測定される値である。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、研磨速度向上の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、9質量%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がより好ましく、3質量%以上9質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上のシリカ粒子からなる場合、成分Aの含有量は、それらの合計含有量をいう。
[酸(成分B)]
本開示の研磨液組成物は、酸(成分B)を含有する。本開示において、酸の使用は、酸又はその塩の使用を含む。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Bとしては、例えば、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸;有機リン酸、有機ホスホン酸、カルボン酸等の有機酸;等が挙げられる。中でも、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、無機酸及び有機ホスホン酸を含むことが好ましく、無機酸を含むことが好ましい。成分B中の無機酸の含有量は、同様の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.75質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。
無機酸としては、同様の観点から、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸及びリン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、硫酸及びリン酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、リン酸が更に好ましい。
有機ホスホン酸としては、同様の観点から、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、HEDPがより好ましい。これらの酸の塩としては、例えば、上記の酸と、金属、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種との塩が挙げられる。上記金属としては、例えば、周期表の1~11族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、上記の酸と、1A族に属する金属又はアンモニアとの塩が好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、研磨速度の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.75質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチの観点から、5.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.75質量%以上4.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[水]
本開示の研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、成分A、成分B及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[酸化剤(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、酸化剤(以下、「成分C」ともいう)をさらに含むことができる。成分Cは、一又は複数の実施形態において、ハロゲン原子を含まない酸化剤である。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Cとしては、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、例えば、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、研磨速度向上の観点、被研磨基板の表面に金属イオンが付着しない観点及び入手容易性の観点から、過酸化水素がより好ましい。
本開示の研磨液組成物が成分Cを含む場合、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、研磨速度向上の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、0.01質量%以上4質量%以下が好ましく、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せである場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、本開示の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤、水溶性高分子等が挙げられる。
[研磨液組成物のpH]
本開示の研磨液組成物のpHは、スクラッチの観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、そして、研磨速度の観点から、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物のpHは、0.1以上6以下が好ましく、0.3以上5以下がより好ましく、0.5以上4以下が更に好ましい。pHは、上述した酸(成分B)や公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。本開示において、上記pHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、例えば、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値とすることができる。
[研磨液組成物の製造方法]
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B及び水と、さらに所望により、任意成分(成分C及びその他の成分)とを公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、少なくとも成分A、成分B及び水を配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも成分A、成分B及び水を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B及び水、並びに必要に応じて任意成分(成分C及びその他の成分)を同時に又は任意の順に混合することを含む。シリカ粒子(成分A)は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。成分Aが複数種類のシリカ粒子からなる場合、複数種類のシリカ粒子は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Bが複数種類の酸からなる場合、複数種類の酸は同時に又はそれぞれ別々に配合できる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示の研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における前記各成分の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の各成分の含有量は、一又は複数の実施形態において、各成分の配合量とみなすことができる。
[研磨液組成物の濃縮物]
本開示の研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造及び輸送コストを更に低くできる点で好ましい。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に、必要に応じて前述の水で適宜希釈して使用すればよい。希釈倍率は、希釈した後に上述した各成分の含有量(使用時)を確保できれば特に限定されるものではなく、例えば、10~100倍とすることができる。
[研磨液キット]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を調製するためのキットであって、成分Aを含有する第1液と、成分Bを含有する第2液とを、相互に混合されない状態で含む、キット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。
前記第1液と前記第2液とは、使用時に混合され、必要に応じて水を用いて希釈されてもよい。前記第1液に含まれる水は、研磨液組成物の調製に使用する水の全量でもよいし、一部でもよい。前記第2液には、研磨液組成物の調製に使用する水の一部が含まれていてもよい。前記第1液及び前記第2液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分(成分C、その他の成分)が含まれていてもよい。前記第1液と第2液との混合時に、上述した任意成分(成分C、その他の成分)をさらに混合してもよい。
本開示によれば、研磨速度の向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる研磨液組成物を得ることができる。
[被研磨基板]
被研磨基板は、一又は複数の実施形態において、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である。一又は複数の実施形態において、被研磨基板の表面を本開示の研磨液組成物を用いて研磨する工程の後、スパッタ等でその基板表面に磁性層を形成する工程を行うことにより磁気ディスク基板を製造できる。
本開示において好適に使用される被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金や、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質や、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料や、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨基板に好適である。被研磨基板としては、例えば、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板や、結晶化ガラス、強化ガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス等のガラス基板がより適しており、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板が更に適している。本開示において「Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板」とは、アルミニウム合金基材の表面を研削後、無電解Ni-Pメッキ処理したものをいう。
被研磨基板の形状としては、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が挙げられる。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2~100mm程度であり、その厚みは例えば0.4~2mm程度である。
一般に、磁気ディスクは、研削工程を経た被研磨基板が、粗研磨工程、仕上げ研磨工程を経て研磨され、記録部形成工程にて磁気ディスク化されて製造される。本開示の研磨液組成物は、磁気ディスク基板用研磨液組成物であり、仕上げ研磨工程における研磨に使用されることが好ましい。本開示の研磨液組成物は、粗研磨工程における研磨に使用してもよい。
[基板の研磨方法]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法によれば、研磨速度の向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる本開示の研磨液組成物を用いることで、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できる。本開示の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。
本開示の研磨方法における研磨工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程であり、或いは、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する工程である。
前記研磨工程で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができ、研磨速度向上の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
前記研磨工程における研磨荷重は、研磨速度向上の観点から、好ましくは5.9kPa以上、より好ましくは6.9kPa以上、更に好ましくは7.5kPa以上であり、そして、スクラッチ低減の観点から、20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、更に好ましくは16kPa以下である。本開示の製造方法において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
前記研磨工程における本開示の研磨液組成物の供給速度は、スクラッチ低減の観点から、被研磨基板1cm2当たり、好ましくは0.05mL/分以上15mL/分以下であり、より好ましくは0.06mL/分以上10mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上1mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上0.5mL/分以下である。
本開示の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示の研磨液組成物となる。
[磁気ディスク基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、磁気ディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の基板製造方法における研磨工程は、一又は複数の実施形態において、粗研磨工程及び/又は仕上げ研磨工程である。本開示の基板製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。本開示の基板製造方法における研磨工程の研磨の方法及び条件としては、上述した本開示の研磨方法における研磨工程と同様の方法及び条件が挙げられる。
本開示の基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物に含まれる成分A、成分Aのスラリー、又は成分Aを砥粒として含有する研磨液組成物を選択して、本開示の研磨液組成物を得る工程をさらに含むものであってもよい。
したがって、本開示の基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、成分A、成分Aのスラリー、又は成分Aを砥粒として含有する研磨液組成物を選択して、成分A、成分B及び水を含有する研磨液組成物(本開示の研磨液組成物)を得る工程、及び、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法である。
本開示の研磨液組成物を得る工程は、成分A、成分Aのスラリー、又は成分Aを砥粒として含有する研磨液組成物を用いて本開示の研磨液組成物を調製することを含む。
本開示の基板製造方法における研磨工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程である。また、本開示の基板製造方法における研磨工程は、その他の一又は複数の実施形態において、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する工程である。
被研磨基板の研磨工程が多段階で行われる場合は、前記研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程又は仕上げ研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の砥粒や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨基板を洗浄することが好ましい。さらに、使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本開示の研磨液組成物は使用できる。研磨機としては、特に限定されず、基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
本開示の基板製造方法によれば、研磨速度の向上と研磨後の基板表面のスクラッチ低減とを両立でき、分散安定性に優れる本開示の研磨液組成物を用いることで、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できる。
[シリカ粒子]
本開示は、一態様において、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下であるシリカ粒子(以下、該ケイ素原子濃度を有するシリカ粒子を「本開示のシリカ粒子」ともいう)に関する。本開示のシリカ粒子は、磁気ディスク基板研磨用砥粒として好適に用いることができる。本開示のシリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、上述した成分Aである。
本開示のシリカ粒子のX線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度は、本開示のシリカ粒子を磁気ディスク基板研磨用砥粒として用いた時の研磨速度向上の観点から、28atom%以上が好ましく、29atom%以上がより好ましく、30atom%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、38atom%以下が好ましく、36atom%以下がより好ましく、34atom%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示のシリカ粒子のX線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度は、28atom%以上38atom%以下が好ましく、29atom%以上36atom%以下がより好ましく、30atom%以上34atom%以下が更に好ましい。
本開示のシリカ粒子のX線光電子分光法(XPS)により検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度は、本開示のシリカ粒子を磁気ディスク基板研磨用砥粒として用いた時の研磨速度向上の観点から、28atom%以上が好ましく、28.2atom%以上がより好ましく、28.4atom%以上が更に好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、36atom%以下が好ましく、35.5atom%以下がより好ましく、35.0atom%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示のシリカ粒子のX線光電子分光法(XPS)により検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度は、28atom%以上36atom%以下が好ましく、28.2atom%以上35.5atom%以下がより好ましく、28.4atom%以上35.0atom%以下が更に好ましい。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.シリカ粒子A1~A12(成分A又は非成分A)
表1に示すシリカ粒子A1~A12には、以下のものを用いた。
(成分A)
A1:コロイダルシリカ、BET比表面積136.4m2/g
シリカ微粒子の原料であるケイ酸アルカリ塩を2~8質量%となるように水へ溶解させる。その水溶液に、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸を添加し、ケイ酸を中和することでシリカのヒドロゲルとする。このときのpHはおおよそ4~6程度が好ましい。強酸を用いて中和したケイ酸アルカリ塩のヒドロゲルを10~40℃の温度範囲で、1~5時間静置することでシリカの熟成を行う。その後、純水やアルカリ水により洗浄し、塩を除去する。洗浄後の分散液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ溶液を添加後の分散液のpHが6~12の範囲になるように調整する。このときの温度は40~120℃が好ましい。そのように調整した分散液を30分~3時間程度撹拌することで、シリカヒドロゲルのコロイド化を実施した。その後、得られたシリカゾルを100~300℃の温度、0.1~0.3MPaの圧力で、30分~6時間程度の水熱処理を実施し、シリカ粒子の成長・安定化を実施し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A1が得られる。
A2:コロイダルシリカ、BET比表面積136.4m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(30分~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A2が得られる。
A3:コロイダルシリカ、BET比表面積124.0m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(1時間~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A3が得られる。
A4:コロイダルシリカ、BET比表面積97.4m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(2時間~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A4が得られる。
A5:コロイダルシリカ、BET比表面積124.0m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(30分~6時間)を制御し、調整した2種類のシリカ粒子を特定比率で混合して、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A5が得られる。
A6:コロイダルシリカ、BET比表面積143.5m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(30分~6時間)を制御し、調整した2種類のシリカ粒子を特定比率で混合して、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A6が得られる。
A7:コロイダルシリカ、BET比表面積30.0m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(3時間~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A7が得られる。
A8:コロイダルシリカ、BET比表面積31.0m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(3時間~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整することでシリカ粒子A8が得られる。
(非成分A)
A9:超高純度コロイダルシリカ、BET比表面積113.6m2/g
A10:粉砕シリカ、BET比表面積27.8m2/g
A11:コロイダルシリカ、BET比表面積136.4m2/g
シリカ粒子A1と同様の作製手順で調整し、水熱処理の条件である温度(100℃~300℃)、圧力(0.1~0.3MPa)、時間(30分~6時間)を制御し、検出角度15°でのケイ素原子濃度が28atom%以上38atom%以下となるように調整し、その後、pHが11~13の水溶液中で12時間保存することで、シリカ粒子A11が得られる。
A12:コロイダルシリカ、BET比表面積30.3m2/g
2.研磨液組成物の調製(実施例1~8及び比較例1~5)
表1に示すシリカ粒子A1~A12(成分A又は非成分A)、酸(成分B)、酸化剤(成分C)及びイオン交換水を配合して撹拌することにより、表1及び表2に示す実施例1~8及び比較例1~5の研磨液組成物(pH1.6)を調製した。各研磨液組成物中の各成分の含有量(質量%、有効量)は、シリカ粒子(成分A又は非成分A)が6質量%、酸(成分B)が1.6質量%、酸化剤(成分C)が1.0質量%である。各研磨液組成物中のイオン交換水の含有量は、成分A又は非成分Aと、成分Bと、成分Cとを除いた残余である。
各研磨液組成物の調製に用いた成分B及び成分Cには以下のものを使用した。
(成分B)
リン酸[日本化学工業製75%リン酸]
(成分C)
過酸化水素水[濃度35質量%、ADEKA社製]
3.各パラメータの測定
[XPSによるケイ素原子濃度(atom%)の測定]
XPSにより測定される各原子(Si、O)濃度は、特性X線としてALKα線を用いたアルバック・ファイ株式会社製のXPS測定装置を用いて測定する。ケイ素原子(Si)濃度は、XPSにより所定の検出角度(15°、45°、75°)の条件で得られたスペクトルを96~106eVの結合エネルギー範囲で元素分析することにより算出する。酸素原子(O)濃度は、XPSにより所定の検出角度(15°、45°、75°)の条件で得られたスペクトルを526~536eVの結合エネルギー範囲で元素分析することにより算出する。
[シリカ粒子の平均一次粒子径の測定]
シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
成分Aの比表面積Sは、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
<前処理>
(a)スラリー状の成分Aを硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の成分Aをシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(成分A)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
[pHの測定]
研磨液組成物のpHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃にて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した。
4.研磨方法
調製した実施例1~8及び比較例1~5の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて下記被研磨基板を研磨した(実施例1~6及び比較例1~2:仕上げ研磨、実施例7~8及び比較例3~5:粗研磨)。次いで、研磨速度、スクラッチ数及び分散安定性を後述する測定方法により測定し、結果を表1及び表2に示した。
[被研磨基板]
(実施例1~6、比較例1~2)
被研磨基板として、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ砥粒を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。この被研磨基板は、厚さが0.6mm、外径が97mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nmであった。
(実施例7~8、比較例3~5)
被研磨基板として、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板、厚さ0.8mm、直径95mm、内径が25mmを用いた。
[仕上げ研磨条件(実施例1~6、比較例1~2)]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー、厚さ0.9mm、平均開孔径10μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.076mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:10.5kPa
研磨時間:5分間
基板の枚数:10枚
[粗研磨条件(実施例7~8、比較例3~5)]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー、厚さ1.0mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.8mL/分)
下定盤回転数:40rpm
研磨荷重:9.8kPa
研磨時間:5分間
基板の枚数:10枚
5.評価
[研磨速度の評価]
研磨前後の各基板1枚当たりの質量を計り(Sartorius社製、「BP-210S」)を用いて測定し、各基板の質量変化から質量減少量を求めた。全10枚の平均の質量減少量を研磨時間で割った値を研磨速度とし、下記式により算出した。実施例1~6及び比較例1~2の研磨速度(仕上げ研磨)の測定結果を、比較例1を100とした相対値として表1に示す。実施例7~8及び比較例3~5の研磨速度(粗研磨)の測定結果を、比較例3を100とした相対値として表2に示す。
質量減少量(mg)={研磨前の質量(mg)- 研磨後の質量(mg)}
研磨速度(mg/分)=質量減少量(mg)/ 研磨時間(分)
[スクラッチの評価]
測定機器:KLA ・テンコール社製、「Candela OSA6110」
評価:研磨試験機に投入した基板のうち、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10,000rpmにてレーザーを照射してスクラッチ数を測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。実施例1~6及び比較例1~2のスクラッチ数の評価結果を、比較例1を100とした相対値として表1に示す。
[分散安定性の評価]
分散安定性の評価方法として、対象シリカ粒子濃度が10%となるようにシリカ水溶液もしくはシリカ紛末を水に加えて調整する。調整した10%シリカ水溶液を試験管に入れ、30分間静置する。その後、試験管内でシリカの沈降が目視で確認できる場合、分散安定性はBと表記し、シリカの沈降を確認できずに均一なスラリー状態を維持している場合、分散安定性はAと表記した。結果を表1及び2に示す。
Figure 0007460844000001
上記表1に示すとおり、実施例1~6の研磨液組成物は、検出角度15°でのケイ素原子濃度(atom%)が28~38atom%ではない比較例1~2に比べて、研磨速度が向上しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチが低減していた。さらに、実施例1~6の研磨液組成物は、分散安定性に優れていた。
Figure 0007460844000002
上記表2に示すとおり、実施例7~8の研磨液組成物は、検出角度15°でのケイ素原子濃度(atom%)が28atom%未満である比較例3~5に比べて、研磨速度が向上していた。さらに、実施例7~8の研磨液組成物は、分散安定性に優れていた。
本開示によれば、例えば、高記録密度化に適した磁気ディスク基板を提供できる。

Claims (8)

  1. シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物であって、
    成分Aは、X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  2. 成分Aは、XPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上36atom%以下である、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 成分Aは、XPSにより検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)とXPSにより検出角度75°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)との濃度比(15°/75°)が1.05以上である、請求項に記載の研磨液組成物。
  4. pHが0.1以上6以下である、請求項に記載の研磨液組成物。
  5. 成分Aの平均一次粒子径が、5nm以上100nm以下である、請求項に記載の研磨液組成物。
  6. 成分Aは、コロイダルシリカである、請求項に記載の研磨液組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
  8. X線光電子分光法(XPS)により検出角度15°の条件で測定されるケイ素原子濃度(atom%)が28atom%以上38atom%以下であるシリカ粒子(成分A)、該シリカ粒子(成分A)のスラリー、又は、該シリカ粒子(成分A)を砥粒として含有する研磨液組成物を選択して、該シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物を得る工程、及び、
    前記シリカ粒子(成分A)、酸(成分B)及び水を含有する研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
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