JP2019119782A - 研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる磁気ディスク基板用研磨液組成物の提供。【解決手段】本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)と、尿素誘導体(但し、尿素を除く)(成分B)と、酸(成分C)と、水と、を含有し、25℃におけるpHが2.3以下である、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた基板の製造方法及び研磨方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。高記録密度化するために、単位記録面積を縮小し、弱くなった磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。磁気ディスク基板には、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、表面粗さ、うねり、端面ダレ(ロールオフ)の低減に代表される平滑性・平坦性の向上とスクラッチ、突起、ピット等の低減に代表される欠陥低減に対する要求が厳しくなっている。
このような要求に対して、例えば、特許文献1には、ハロゲン原子を含有する酸化剤とアミド結合を含有する有機化合物とを含む研磨液組成物が開示されている。
特許文献2には、(a)酸化剤、(b)リン酸基又は亜リン酸基を有する、前記酸化剤の作用の調節剤、(c)ホスホン酸基を有する第一促進剤、(d)アミン基又はアンモニウム基を有する第二促進剤、及び(e)水、を含有するpH2.5〜2.6の組成物中に、粒径15〜80nmの研磨材粒子が分散している分散液を含む、CMP組成物が開示されている。
特許文献3には、水性媒体、研磨材及び所定の研磨促進剤を含有する化学機械的研磨組成物が開示されている。
特許文献4には、70〜90重量%の水性媒体と1〜25重量%の研磨材と0.1〜20重量%の研磨促進剤とを含み、該研磨促進剤がモノカルボキシ基又はアミド基を有する化合物を含む、半導体プロセス用化学機械的研磨材組成物が開示されている。
特許文献5には、尿素、及び少なくとも1種の金属酸化物研磨材を含んでなる化学的・機械的研磨用スラリーの前躯体組成物が開示されている。
特許文献6には、砥粒、酸、酸化剤、及び欠陥低減剤を含有してなり、前記欠陥低減剤がグアニジン骨格を有する化合物である、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板の研磨用組成物が開示されている。
WO2015/151673 特表2005−518473号公報 特開2001−85375号公報 特開2000−49424号公報 特開平11−21546号公報 特開2014−32716号公報
磁気ディスクドライブの大容量化に伴い、基板の表面品質に対する要求特性はさらに厳しくなっており、基板表面のスクラッチをいっそう低減できる研磨液組成物の開発が求められている。また、一般的に、研磨速度とスクラッチとはトレードオフの関係にあり、一方が改善すれば一方が悪化するという問題がある。
そこで、本開示は、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法及び基板の研磨方法を提供する。
本開示は一態様において、シリカ粒子(成分A)と、尿素誘導体(但し、尿素を除く)(成分B)と、酸(成分C)と、水と、を含有し、25℃におけるpHが2.3以下である、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法に関する。
本開示の研磨組成物によれば、一又は複数の実施形態において、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できるという効果が奏されうる。
本開示は、シリカ粒子、所定の尿素誘導体、酸及び水を含有し、pH2.3以下の研磨液組成物をNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨に用いると、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)と、尿素誘導体(但し、尿素を除く)(成分B)と、酸(成分C)と、水と、を含有し、25℃におけるpHが2.3以下である、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
本開示の研磨液組成物では、所定の尿素誘導体(成分B)が、表面が負に帯電しているNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板に吸着することで、該基板の表面が正電荷に改質されると考えられる。そして、表面改質された基板と、負に帯電しているシリカ粒子との接触頻度が向上し、研磨速度の向上に寄与すると考えられる。さらに、尿素誘導体(成分B)が基板に吸着するため、保護膜のように働き、スクラッチ低減にも寄与すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、基板表面のスクラッチは、例えば、光学式欠陥検査装置により検出可能であり、スクラッチ数として定量評価できる。スクラッチ数は、具体的には実施例に記載した方法で評価できる。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、研磨材(砥粒)としてシリカ粒子(成分A)を含有する。成分Aとしては、一又は複数の実施形態において、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、それらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分Aは、製造容易性及び経済性の観点から、珪酸アルカリ水溶液を原料とした粒子成長による方法(以下、「水ガラス法」ともいう)、及び、アルコキシシランの加水分解物の縮合による方法(以下、「ゾルゲル法」ともいう)により得たものであることが好ましく、水ガラス法により得たものであることがより好ましい。水ガラス法及びゾルゲル法により得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって製造できる。成分Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。
成分Aの平均一次粒子径は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均一次粒子径は、1nm以上40nm以下が好ましく、5nm以上35nm以下がより好ましく、10nm以上30nm以下が更に好ましい。成分Aの平均一次粒子径は、シアーズ法を用いて算出でき、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
成分Aの平均二次粒子径は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、35nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均二次粒子径は、1nm以上50nm以下が好ましく、5nm以上40nm以下がより好ましく、10nm以上35nm以下が更に好ましい。本開示において成分Aの平均二次粒子径は、動的光散乱(DLS)法によって測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
成分Aの形状としては、例えば、いわゆる球型及び/又はいわゆるマユ型が挙げられる。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、SiO2換算で、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下より好ましく、10質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの含有量は、SiO2換算で、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下より好ましく、3質量%以上10質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上のシリカ粒子からなる場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[尿素誘導体(成分B)]
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Bは、尿素誘導体(但し、尿素を除く)である。成分Bの尿素誘導体としては、例えば、分子内に下記式(I)で表される尿素骨格を少なくとも1つ有する、尿素以外の化合物が挙げられる。成分Bは、1種単独でもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
Figure 2019119782
式(I)中、*は、結合位置を示す。*は、結合部位、結合点、又は結合手と呼ばれることもある。*は、一又は複数の実施形態において、他の構成又は他の原子との結合位置を示す。他の構成としては、例えば、有機基が挙げられる。他の原子としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、及び金属から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
成分Bとしては、一又は複数の実施形態において、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019119782
式(II)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、−CONH2、−CONH−、及び結合手から選ばれる少なくとも1種を示し、R1とR2、R2とR3又はR3とR4は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R1、R2、R3及びR4は、全てが同時に水素原子にはならない。
前記炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、また、直鎖でも分岐鎖でもよい。
前記炭化水素基の炭素数は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。より具体的には、前記炭化水素の炭素数は、1以上20以下が好ましく、2以上15以下がより好ましく、3以上10以下が更に好ましい。
成分Bの具体例としては、例えば、N−エチル尿素、N−ブチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素及びビウレットから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、研磨速度の向上及びスクラッチ低減の観点から、N−エチル尿素、N−ブチル尿素、1,3−ジエチル尿素、及びテトラメチル尿素から選ばれる少なくとも1種が好ましく、1,3−ジエチル尿素及びテトラメチル尿素の少なくとも一方がより好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.2質量%未満が好ましく、0.1質量%未満がより好ましく、0.09質量%以下が更に好ましく、0.08質量%以下が更に好ましく、0.06質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Bの含有量は、0.0001質量%以上0.2質量%未満が好ましく、0.001質量%以上0.1質量%未満がより好ましく、0.01質量%以上0.09質量%以下が更に好ましく、0.01質量%以上0.08質量%以下が更に好ましく、0.01質量%以上0.06質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の尿素誘導体からなる場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の成分Aに対する成分Bの質量比B/A(成分Bの含有量/成分Aの含有量)は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、0.0001以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.002以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.1以下が好ましく、0.02以下より好ましく、0.01以下が更に好ましい。より具体的には、質量比B/Aは、0.0001以上0.1以下が好ましく、0.001以上0.02以下がより好ましく、0.002以上0.01以下が更に好ましい。
[酸(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、酸(成分C)を含有する。本開示において、酸の使用は、酸及び/又はその塩の使用を含む。成分Cは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分Cとしては、例えば、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸;有機リン酸、有機ホスホン酸、カルボン酸等の有機酸;等が挙げられる。中でも、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、無機酸及び有機ホスホン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、リン酸、硫酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、リン酸が更に好ましい。これらの酸の塩としては、例えば、上記の酸と、金属、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種との塩が挙げられる。上記金属の具体例としては、周期表の1〜11族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、上記の酸と、1A族に属する金属又はアンモニアとの塩が好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Cの含有量は、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上2質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の酸からなる場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の成分Aに対する成分Cの質量比C/A(成分Cの含有量/成分Aの含有量)は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、0.002以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.08以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、1以下が好ましく、0.6以下より好ましく、0.4以下が更に好ましい。より具体的には、質量比C/Aは、0.002以上1以下が好ましく、0.02以上0.6以下がより好ましく、0.08以上0.4以下が更に好ましい。
[水]
本開示の研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、成分A、成分B、成分C及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[酸化剤(成分D)]
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、さらに酸化剤(以下、「成分D」ともいう)を含有してもよい。成分Dは、一又は複数の実施形態において、ハロゲン原子を含まない酸化剤である。成分Dは、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
成分Dとしては、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、例えば、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、研磨速度向上の観点、被研磨基板の表面に金属イオンが付着しない観点及び入手容易性の観点から、過酸化水素がより好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、研磨速度確保及びスクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Dの含有量は、0.01質量%以上4質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下が更に好ましい。成分Dが2種以上の酸化剤からなる場合、成分Dの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[複素環芳香族化合物(成分E)]
本開示の研磨液組成物は、複素環芳香族化合物(その塩も含む)(成分E)をさらに含有してもよい。成分Eは1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
成分Eとしては、スクラッチ低減の観点から、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物であることが好ましく、複素環内に窒素原子を3個以上有することがより好ましく、3個以上9個以下が更に好ましく、3個以上5個以下が更に好ましく、3又は4個が更に好ましい。
成分Eの具体例としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール(BTA)、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール、及びこれらのアルキル置換体若しくはアミン置換体が好ましい。前記アルキル置換体のアルキル基としては例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、より具体的にはメチル基、エチル基が挙げられる。前記アミン置換体としては1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]トリルトリアゾールが挙げられる。
本開示の研磨液組成物中の成分Eの含有量は、スクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Eの含有量は、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が更に好ましい。成分Eが2種以上の複素環芳香族化合物からなる場合、成分Eの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物(成分F)]
本開示の研磨液組成物は、スクラッチ低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物(成分F)をさらに含有してもよい。スクラッチ低減の観点から、成分Fの分子内の窒素原子数又はアミノ基若しくはイミノ基の併せた数は、2個以上4個以下が好ましい。成分Fは1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
前記脂肪族アミン化合物としては、スクラッチ低減の観点から、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンが更に好ましい。
前記脂環式アミン化合物としては、スクラッチ低減の観点から、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、及びヒドロキシエチルピペラジンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンの少なくとも一方がより好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Fの含有量は、スクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましくそして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Fの含有量は、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.02質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上1質量%以下が更に好ましい。成分Fが2種以上の脂肪族アミン化合物及び/又は脂環式アミン化合物からなる場合、成分Fの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[水溶性高分子(成分G)]
本開示の研磨液組成物は、スクラッチ低減の観点から、水溶性高分子(成分G)をさらに含有してもよい。成分Gは、1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
成分Gとしては、スクラッチ低減の観点から、アニオン性基を有する水溶性高分子(以下、「アニオン性水溶性高分子」ともいう)が好ましい。アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基等が挙げられ、スクラッチ低減の観点から、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するものが好ましい。これらのアニオン性基は中和された塩の形態を取ってもよい。
成分Gとしては、スクラッチ低減の観点から、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とスルホン酸基含有単量体由来の構成単位とを含む共重合体(以下、「(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体」ともいう。)が好ましい。(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体としては、スクラッチ低減の観点から、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体が挙げられ、これらの中でも、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体が好ましい。本開示において、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。
アニオン性基を有する水溶性高分子の対イオンとしては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等のイオンが挙げられる。
成分Gの重量平均分子量は、スクラッチ低減の観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、1,500以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、10万以下が好ましく、3万以下がより好ましく、1万以下が更に好ましい。より具体的には、成分Gの重量平均分子量は、500以上10万以下が好ましく、1,000以上3万以下がより好ましく、1,500以上1万以下が更に好ましい。該重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC PEG換算)により測定される。
本開示の研磨液組成物中の成分Gの含有量は、スクラッチ低減の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Gの含有量は、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.02質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.03質量%以上1質量%以下が更に好ましい。成分Gが2種以上の水溶性高分子からなる場合、成分Gの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、必要に応じてさらにその他の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、成分B以外の研磨速度向上剤、増粘剤、分散剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
[研磨液組成物のpH]
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度の確保及びスクラッチ低減の観点から、2.3以下であって、2.2以下が好ましく、2以下がより好ましく、そして、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物のpHは、1以上2.3以下が好ましく、1.2以上2.2以下がより好ましく、1.5以上2以下が更に好ましい。pHは、前述の酸(成分C)や公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値である。
[研磨液組成物の製造方法]
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B、成分C及び水と、さらに所望により、成分D〜G及びその他の成分とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、成分B、成分C及び水を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C及び水、並びに必要に応じて成分D〜G及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。成分Aが複数種類のシリカ粒子からなる場合、複数種類のシリカ粒子は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Bが複数種類の尿素誘導体からなる場合、複数種類の尿素誘導体は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Cが複数種類の酸からなる場合、複数種類の酸は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における前記各成分の含有量をいう。本開示の研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造及び輸送コストを更に低くできる点で好ましい。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に、必要に応じて前述の水で適宜希釈して使用すればよい。
[研磨液キット]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するための研磨液キット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。
本開示の研磨液キットの一実施形態としては、例えば、成分A及び水を含むシリカ分散液と、成分B及び成分Cを含む添加剤水溶液とを相互に混合されない状態で含み、これらが使用時に混合され、必要に応じて水を用いて希釈される研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。前記シリカ分散液及び前記添加剤水溶液にはそれぞれ必要に応じて上述した任意成分(成分D〜G及びその他の成分)が含まれていてもよい。本開示の研磨液キットによれば、研磨速度を確保しつつ、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる研磨液組成物が得られうる。
[被研磨基板]
本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板であり、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板が挙げられる。本開示において「Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板」とは、アルミニウム合金基材の表面を研削後、無電解Ni−Pメッキ処理したものをいう。被研磨基板の表面を本開示の研磨液組成物を用いて研磨する工程の後、スパッタ等でその基板表面に磁性層を形成する工程を行うことにより磁気ディスク基板を製造できる。
被研磨基板の形状としては、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が挙げられる。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2mm以上95mm以下程度であり、その厚みは例えば0.5mm以上2mm以下程度である。
[磁気ディスク基板の製造方法]
一般に、磁気ディスクは、研削工程を経た被研磨基板が、粗研磨工程、仕上げ研磨工程を経て研磨され、記録部形成工程にて磁気ディスク化されて製造される。本開示における研磨液組成物は、磁気ディスク基板の製造方法における、被研磨基板を研磨する研磨工程、好ましくは仕上げ研磨工程に使用されうる。すなわち、本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、磁気ディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の基板製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程である。また、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、その他の一又は複数の実施形態において、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する工程である。
被研磨基板の研磨工程が多段階で行われる場合は、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程又は仕上げ研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨基板を洗浄することが好ましい。さらに、使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本開示の研磨液組成物は使用できる。研磨機としては、特に限定されず、基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
本開示で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができ、研磨速度の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨荷重は、研磨速度の確保の観点から、好ましくは5.9kPa以上、より好ましくは6.9kPa以上、更に好ましくは7.5kPa以上であり、そして、スクラッチ低減の観点から、20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、更に好ましくは16kPa以下である。より具体的には、研磨荷重は、5.9〜20kPaが好ましく、6.9〜18kPaがより好ましく、7.5〜16kPaが更に好ましい。本開示の製造方法において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程における本開示の研磨液組成物の供給速度は、スクラッチ低減の観点から、被研磨基板1cm2当たり、好ましくは0.05mL/分以上15mL/分以下であり、より好ましくは0.06mL/分以上10mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上1mL/分以下、更に好ましくは0.07mL/分以上0.5mL/分以下である。
本開示の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示の研磨液組成物となる。
本開示の基板製造方法によれば、本開示における研磨液組成物を用いることで、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。
[研磨方法]
本開示は、その他の態様として、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含む、基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法を使用することにより、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。本開示の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。具体的な研磨の方法及び条件は、上述した本開示の基板製造方法と同じ方法及び条件とすることができる。
本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することは、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨することであり、或いは、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨することである。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.研磨液組成物の調製(実施例1〜16及び比較例1〜20)
シリカ粒子(成分A)、表1に示す尿素誘導体(成分B、非成分B)、リン酸(成分C)、表1に示す添加剤(成分D、成分E、成分F、成分G,その他の成分)及びイオン交換水を配合して撹拌することにより、実施例1〜16及び比較例1〜20の研磨液組成物を調製した。各研磨液組成物中の各成分の含有量(有効量)は、表1に示すとおりである。イオン交換水の含有量は、成分A、成分B又は非成分B、成分C、及び添加剤を除いた残余である。
表1に示す研磨液組成物の調製において、各成分には以下のものを使用した。
コロイダルシリカ[平均一次粒子径15nm、平均二次粒子径18nm、日揮触媒化成社製](成分A)
N−エチル尿素[和光純薬工業社製](成分B)
N−ブチル尿素[和光純薬工業社製](成分B)
1,3−ジエチル尿素[和光純薬工業社製](成分B)
テトラメチル尿素[和光純薬工業社製](成分B)
ビウレット[和光純薬工業社製](成分B)
尿素[和光純薬工業社製](非成分B)
リン酸[和光純薬工業社製、特級](成分C)
過酸化水素水[濃度35質量%、ADEKA社製](成分D)
BTA[和光純薬工業社製](成分E)
ピペラジン[和光純薬工業社製](成分F)
HEP[N−ヒドロキシエチルピペラジン、和光純薬工業社製](成分F)
AEA[N−アミノエチルエタノールアミン、和光純薬工業社製](成分F)
AA/AMPS[アクリル酸Na/2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸Na共重合体(モル比90/10)](成分G)
2−ピロリドン[和光純薬工業社製]
クエン酸[和光純薬工業社製]
HEDP[1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、イタルマッチ・ジャパン製のディクエスト2010]
水酸化アンモニウム[和光純薬工業社製]
アミノグアニジン炭酸塩[和光純薬工業社製]
アセトン[和光純薬工業社製]
過酸化水素−尿素複合体[和光純薬工業社製]
2.各パラメータの測定
(1)シリカ粒子の平均一次粒子径
まず、コロイダルシリカスラリーを固形分で1.5g分を200mLビーカーに採取し、イオン交換水100mLを加えてこれらをスターラーで混合し混合液を得る。次に、電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの塩酸標準溶液で混合液のpHを3.0に調整する。pH調製された混合液に、塩化ナトリウム30.0gを加えスターラーで溶解し、さらにビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えスターラーで混合する。得られた試料液を恒温水槽(20±2℃)に約30分間浸漬する。電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定をおこない、試料液のpHが4.0から9.0まで変化するときに使用された水酸化ナトリウム標準溶液の量(g)(A)を読み取る。一方、コロイダルシリカスラリーを200mLビーカーに入れないこと以外は上記と同様にして行う空試験を行い、空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム標準溶液の量(g)(B)を読み取る。そして、下記計算式により平均一次粒子径(nm)を算出する。
平均一次粒子径(nm)=3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(g)
(2)シリカ粒子の平均二次粒子径
シリカ粒子をイオン交換水で希釈し、シリカ粒子を0.02質量%含有する分散液を調製して試料とし、動的光散乱装置(大塚電子社製「DLS−7000」)を用いて、下記の条件で測定した。得られた重量換算での粒度分布の面積が全体の50%となる粒径(D50)を平均二次粒子径とした。
<測定条件>
試料量:30mL
レーザー:He−Ne、3.0mW、633nm
散乱光検出角:90°
積算回数:200回
3.研磨方法
前記のように調製した実施例1〜16及び比較例1〜20の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて下記被研磨基板を研磨した。次いで、研磨速度及びスクラッチ数を測定した。その結果を表1に示す。
[被研磨基板]
被研磨基板として、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ研磨材を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。この被研磨基板は、厚さが1.27mm、外径が95mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nmであった。
[研磨条件]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(発砲層:ポリウレタンエラストマー、厚さ0.9mm、平均開孔径10μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.076mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:13.0kPa
研磨時間:6分間
基板の枚数:10枚
4.評価
[研磨速度の評価]
研磨前後の各基板1枚当たりの重さを計り(Sartorius社製、「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の質量変化から質量減少量を求めた。全10枚の平均の質量減少量を研磨時間で割った値を研磨速度とし、下記式により算出した。下記表1に、比較例1を100とした相対値として示す。
質量減少量(g)={研磨前の質量(g)− 研磨後の質量(g)}
研磨速度(mg/min)=質量減少量(mg)/ 研磨時間(min)
[スクラッチの評価]
測定機器:KLA ・テンコール社製、「Candela OSA7100」
評価:研磨試験機に投入した基板のうち、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10,000rpmにてレーザーを照射してスクラッチ数を測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。その結果を、下記表1に、比較例1を100とした相対値として示す。
Figure 2019119782
上記表1に示すとおり、実施例1〜16の研磨液組成物は、比較例1〜20の研磨液組成物に比べて、研磨速度を確保しつつ、スクラッチが効果的に低減されていた。
本開示によれば、例えば、高記録密度化に適した磁気ディスク基板を提供できる。

Claims (7)

  1. シリカ粒子(成分A)と、尿素誘導体(但し、尿素を除く)(成分B)と、酸(成分C)と、水と、を含有し、
    25℃におけるpHが2.3以下である、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板用研磨液組成物。
  2. 成分Bは、式(II)で表される化合物である、請求項1に記載の研磨液組成物。
    Figure 2019119782
    [式(II)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、−CONH2、−CONH−、及び結合手から選ばれる少なくとも1種を示し、R1とR2、R2とR3又はR3とR4は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R1、R2、R3及びR4は、全てが同時に水素原子にはならない。]
  3. 成分Bの含有量は、0.1質量%未満である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. 酸化剤をさらに含有する、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
  5. 複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、及び水溶性高分子から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含み、前記被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
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