JP2016098369A - 研磨液組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示において、「被処理シリカ分散液」は、ろ過助剤含有フィルタによるろ過処理に供される前のシリカスラリー(シリカ分散液)をいう。被処理シリカ分散液は、コロイダルシリカ及び水を含有する。被処理シリカ分散液の状態としては、コロイダルシリカが分散した状態が好ましい。
被処理シリカ分散液中のコロイダルシリカは、一又は複数の実施形態において、珪酸水溶液から生成させる製法によって得ることができる。また、これら研磨粒子を官能基で表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の研磨材で複合粒子化したもの等も用いることができる。
被処理シリカ分散液に使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。被処理シリカ分散液中の水の含有量は、100質量%からコロイダルシリカ及び他の成分を除いた残部に相当し、一又は複数の実施形態において、ろ過精度向上の観点から、好ましくは60質量%以上99質量%以下、より好ましくは80質量%以上97質量%以下である。
前記被処理シリカ分散液のpHは、ろ過精度向上の観点から、5.0以下であり、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更により好ましくは2.5以下である。また、人体への影響や研磨装置の腐食防止の観点から、pHは、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.4以上である。特に、製造された研磨液組成物の研磨対象が、ニッケル-リン(Ni-P)メッキされたアルミニウム合金基板のような材質が金属材料の精密部品用基板においては、前記観点を考慮してpHは、好ましくは0.5以上5.0以下、より好ましくは1.0以上5.0以下、更に好ましくは1.4以上4.0以下、更により好ましくは1.4以上3.0以下、更により好ましくは1.4以上2.5以下、更により好ましくは1.4以上1.8以下である。一又は複数の実施形態において、被処理シリカ分散液のpHは、本開示に係る製造方法により製造される研磨液組成物におけるそれと同様又は同じであってよい。
被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチル低減の観点から、コロイダルシリカに加えて複素環芳香族化合物を含有してもよい。前記複素環芳香族化合物の複素環内に窒素原子を含むことが好ましく、その数は、研磨後の基板のスクラッチ低減の観点から、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、更に好ましくは3個以上9個以下、更により好ましくは3個以上5個以下、更により好ましくは3又は4個である。
被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチル低減の観点から、アニオン性基を有する水溶性高分子(以下、アニオン性水溶性高分子ともいう)を含有してもよい。該高分子は、研磨時の摩擦振動を低減して研磨パッドの開孔部からのシリカ凝集体の脱落を防止し、研磨後の基板のスクラッチ及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)を低減するものと推定される。
被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチル低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物を含有してもよい。前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨後の基板表面のスクラッチ低減の観点から、分子内の窒素原子数又はアミノ基若しくはイミノ基の数は2個以上であることが好ましい。また、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持の観点から、分子内の窒素原子数は4個以下であることが好ましく、3個以下がより好ましく、2個以下が更に好ましい。したがって、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持、並びにスクラッチ低減の観点から、分子内の窒素原子数又はアミノ基若しくはイミノ基の数は好ましくは2個以上4個以下、より好ましくは2個以上3個以下、更に好ましくは2個である。
被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、研磨速度向上の観点から、酸化剤を含有してもよい。前記酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、必要に応じてさらにその他の成分を配合することができる。例えば、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
前記ろ過助剤としては、例えば、二酸化ケイ素、カオリン、酸性白土、珪藻土、パーライト、ベントナイト、タルク等の不溶性の鉱物性物質が挙げられる。ろ過精度向上の観点から、前記ろ過助剤のうち、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライトが好ましく、珪藻土、パーライトがより好ましく、珪藻土が更に好ましい。
本開示に係る製造方法に用いられるろ過助剤含有フィルタは、前記ろ過助剤をフィルタ表面及び/又はフィルタ内部に含有するものであれば特に制限されない。ろ過精度向上の観点から、フィルタ目開きは、好ましくはろ過助剤の平均粒径の1/10以下、より好ましくは1/20以下、更に好ましくは1/30以下である。本開示に係る製造方法においては、プレコートに更にボディーフィードを組み合わせて用いてもよい。フィルタ目開きは、ろ過助剤の漏れを防ぐ観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下、更により好ましくは2μm以下、更により好ましくは1μm以下である。また、フィルタ通液速度向上の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.3μm以上、更により好ましくは0.5μm以上である。ここでプレコートとは、ケークろ過フィルタの形成方法であり、後述のフィルタ材料(濾材)の上に厚さ数mm程度のろ過助剤の薄い層を形成することである。例えば、水にろ過助剤粒子を分散させ、濾材でろ過助剤をこしとりろ過助剤層を形成する手法が挙げられる。また、ボディーフィードとは、ろ過の際にケークろ過される原液にろ過助剤を一定量投入しながらろ過処理する方法であり、目的は、原液のろ過性の改善である。粒径が細かくすぐにケーク抵抗が極大化する(ろ過ができなくなる)ような原液に対して有効である。
本開示に係る製造方法にて得られた研磨液組成物は、例えば、不織布の有機高分子系研磨布等(研磨パッド)と被研磨基板との間に供給され、即ち、研磨液組成物が研磨パッドを貼り付けた研磨盤で挟み込まれた基板研磨面に供給され、所定の圧力の下で研磨盤及び/又は基板を動かすことにより、基板に接触しながら研磨工程に用いられる。一又は複数の実施形態において、この研磨においてスクラッチの発生が顕著に抑えられる。
<3> コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径が、好ましくは5nm以上60nm以下、より好ましくは10nm以上50nm以下、更に好ましくは15nm以上40nm以下、更により好ましくは20nm以上30nm以下である、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4> 被処理シリカ分散液中のコロイダルシリカの含有量が、好ましくは18質量%未満、より好ましくは15質量%未満、更に好ましくは12質量%未満、更により好ましくは10質量%未満である、<1>から<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5> 被処理シリカ分散液中のコロイダルシリカの含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、更により好ましくは5質量%以上である、<1>から<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6> 前記被処理シリカ分散液のpHが、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更により好ましくは2.5以下である、<1>から<5>のいずれかに記載の製造方法。
<7> 前記被処理シリカ分散液のpHが、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.4以上である、<1>から<6>のいずれかに記載の製造方法。
<8> 被処理シリカ分散液が、酸化剤、アニオン性基を有する水溶性高分子、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、及び、脂環式アミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類を含有する、<1>から<7>のいずれかに記載の製造方法。
<9> 被処理シリカ分散液における複素環芳香族化合物の含有量が、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.05質量以上2質量%以下、更に好ましくは0.06質量%以上1質量%以下、更により好ましくは0.07質量%以上0.5質量%以下、更により好ましくは0.08質量%以上0.3質量%以下である、<8>に記載の製造方法。
<10> アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量が、好ましくは500以上10万以下、より好ましくは1000以上8万以下、更に好ましくは2000以上6万以下、更により好ましくは3000以上5万以下、更により好ましくは5000以上4万以下、更により好ましくは7000以上3万以下、更により好ましくは10000以上2万以下、更により好ましくは10000以上15000以下である、<8>又は<9>に記載の製造方法。
<11> 被処理シリカ分散液におけるアニオン性水溶性高分子の含有量が好ましくは0.001質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.5質量%以下、更に好ましくは0.08質量%以上0.2質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以上0.075質量%以下である、<8>から<10>のいずれかに記載の製造方法。
<12> 被処理シリカ分散液における脂肪族アミン化合物及び/又は脂環式アミン化合物の含有量が、好ましくは0.001質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上5質量%以下、更に好ましくは0.008質量%以上2質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以上1質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下、更により好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である、<8>から<11>のいずれかに記載の製造方法。
<13> ろ過助剤の水銀圧入法による平均細孔径が、好ましくは0.1μm以上3.5μm以下、より好ましくは0.1μm以上3.0μm以下、更に好ましくは0.5μm以上2.7μm以下、更により好ましくは1.0μm以上2.5μm以下、更により好ましくは1.2μm以上2.3μm以下、更により好ましくは1.3μm以上2.2μm以下、更により好ましくは1.4μm以上2.0μm以下、更により好ましくは1.5μm以上1.8μm以下である、<1>から<12>のいずれかに記載の製造方法。
<14> ろ過助剤の水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積が、好ましくは2.5mL/g以上、より好ましくは2.7mL/g以上、更に好ましくは3.0mL/g以上、更により好ましくは4.0mL/g以上、更により好ましくは4.5mL/g以上である、<1>から<13>のいずれかに記載の製造方法。
<15> ろ過助剤の水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積が、好ましくは1000mL/g以下、より好ましくは100mL/g以下、更に好ましくは50mL/g以下、更により好ましくは20mL/g以下、更により好ましくは10mL/g以下、更により好ましくは6mL/g以下である、<1>から<14>のいずれかに記載の製造方法。
<16> ろ過助剤の水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積が、好ましくは2.5mL/g以上、より好ましくは2.5mL/g以上1000mL/g以下、更に好ましくは2.7mL/g以上100mL/g以下、更により好ましくは3.0mL/g以上50mL/g以下、更により好ましくは4.0mL/g以上20mL/g以下、更により好ましくは4.5mL/g以上10mL/g以下、更により好ましくは4.5mL/g以上6mL/g以下である、<1>から<15>のいずれかに記載の製造方法。
<17> ろ過助剤の水銀圧入法による0.15μm以下の積算細孔容積が、好ましくは0.05mL/g以上、より好ましくは0.07mL/g以上、更に好ましくは0.10mL/g以上、更により好ましくは0.15mL/g以上、更により好ましくは0.18mL/g以上である、<1>から<16>のいずれかに記載の製造方法。
<18> ろ過助剤の水銀圧入法による0.15μm以下の積算細孔容積が、好ましくは100mL/g以下、より好ましくは50mL/g以下、更に好ましくは10mL/g以下、更により好ましくは5mL/g以下、更により好ましくは1mL/g以下である、<1>から<17>のいずれかに記載の製造方法。
<19> ろ過助剤の水銀圧入法による0.15μm以下の積算細孔容積が、好ましくは0.05mL/g以上、より好ましくは0.05mL/g以上100mL/g以下、更に好ましくは0.07mL/g以上50mL/g以下、更により好ましくは0.10mL/g以上10mL/g以下、更により好ましくは0.15mL/g以上5mL/g以下、更により好ましくは0.18mL/g以上1mL/g以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の製造方法。
<20> ろ過助剤のレーザー平均粒径が、好ましくは1μm以上30μm以下、より好ましくは1μm以上20μm以下、更に好ましくは1μm以上18μm以下、更により好ましくは1μm以上16μm以下、更により好ましくは2μm以上16μm以下、更により好ましくは5μm以上16μm以下、更により好ましくは7μm以上16μm以下である、<1>から<19>のいずれかに記載の製造方法。
<21> ろ過助剤を含むフィルタにおけるろ過助剤の含有量(g/cm2)が、好ましくは0.001g/cm2以上、より好ましく0.005g/cm2以上、更に好ましくは0.01g/cm2以上、更により好ましくは0.02g/cm2以上、更により好ましくは0.04g/cm2以上、更により好ましくは0.1g/cm2以上である、<1>から<20>のいずれかに記載の製造方法。
<22> ろ過助剤を含むフィルタにおけるろ過助剤の含有量(g/cm2)が、好ましくは1g/cm2以下、より好ましくは0.8g/cm2以下、更に好ましくは0.6g/cm2以下、更により好ましくは0.4g/cm2以下、更により好ましくは0.3g/cm2以下、更により好ましくは0.2g/cm2以下でである、<1>から<21>のいずれかに記載の製造方法。
<23> ろ過助剤を含むフィルタにおけるろ過助剤の含有量(g/cm2)が、好ましくは0.001g/cm2以上1g/cm2以下、より好ましくは0.005g/cm2以上0.8g/cm2以下、更に好ましくは0.01g/cm2以上0.6g/cm2以下、更により好ましくは0.02g/cm2以上0.4g/cm2以下、更により好ましくは0.04g/cm2以上0.3g/cm2以下、更により好ましくは0.04g/cm2以上0.2g/cm2以下、更により好ましくは0.1g/cm2以上0.2g/cm2以下である、<1>から<22>のいずれかに記載の製造方法。
<24> <1>から<23>のいずれかに記載の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、磁気ディスク基板の製造方法。
<25> <1>から<23>のいずれかに記載の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、基板の研磨方法。
<26> <1>から<23>のいずれかに記載の製造方法におけるろ過助剤を含むフィルタを備えるろ過処理装置と、研磨機とを含む、研磨システム。
<被処理シリカ分散液>
下記表1の原料コロイダルシリカスラリーa〜d、酸(硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、クエン酸)、及び水を用いて下記表3に示すpH及びコロイダルシリカ含有量の被処理シリカ分散液を作製した(実施例1〜12及び比較例1〜14)。酸は、pHの調整に使用した。pHは、25℃におけるpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて、電極の浸漬後3分後に測定した数値である(以下同様)。
まず、コロイダルシリカスラリーを固形分で1.5g分を200mLビーカーに採取し、イオン交換水100mLを加えてスターラーで混合する。次に、電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの塩酸標準溶液で試料溶液のpHを3.0に調整する。塩化ナトリウム30.0gを加えスターラーで溶解して、ビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えスターラーで混合する。恒温水槽(20±2℃)に約30分間浸漬する。電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定をおこない、pHが4.0から9.0に変化したときの水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(A)を読み取る。同時に空試験をおこない、空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(B)を読み取る。そして、下記計算式により平均粒子径(nm)を算出する。
平均粒子径(nm)=3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(g)
[ろ過助剤]
珪藻土フィルタのろ過助剤として、表2のろ過助剤を用いた。
ろ過助剤をレーザー回折/散乱式粒度分布計(商品名LA−920、堀場製作所製)で測定して得られた体積基準のメジアン径として得られた値をレーザー平均粒径とした。
ろ過助剤を4桁天秤で約0.1〜0.3g精秤し、水銀をヘキサンでよく洗浄した5cc粉末用測定セルにステム内やスリ部にサンプルを付着させないように入れ、AutoPoreIV−9500(島津製作所社製 水銀圧入法 細孔分布測定装置)にセルをセットした。次に、パソコンでアプリケーション(AutoPoreIV−9500 ver1.07)を立上げ、Sample Information(先に測定したろ過助剤の重量)、Analysis Condition(Standardを選択)、Penetrometer Property(セル重量)、Report condition(Standardを選択)に必要事項をInputし、測定を行った。低圧部、高圧部の順に測定を行い、自動的にMedian Pore Diameter (Volume)(μm)と各Pore Size Diameter(μm)に対するLog Differential Pore Volume(mL/g)の結果を得た。
測定セル:Micromeritics社製 5cc−Powder(08−0444)
測定方式:圧力制御方式(圧力テーブルモード)
Low Pressure equilibrium time 5secs
High pressure equilibrium time 5secs
Hgに関するパラメータ:接触角:130°、表面張力:485dynes/cm
Stem Volume Used:100%以下で約50%にサンプル量を調整
Median Pore Diameter (Volume)をろ過助剤の平均細孔径(μm)とした。
0.5μm以下のLog Differential Pore Volume(mL/g)の値を積算して0.5μm以下の積算細孔容積とした。
ろ過助剤の0.15μm以下の積算細孔容積は、窒素吸着法により測定した。具体的には、精秤した約1gの各ろ過助剤をASAP2020(株式会社島津製作所社製、比表面積・細孔分布測定装置)にセットし、窒素吸着等温線からBJH法のHalsey式により求めた0.15μm以下の細孔容積の総和を、0.15μm以下の積算細孔容積とした。なお、試料の前処理は、10℃/分で昇温させ100℃で2時間保持させて行った。また、60℃の時点で500μmHgまで脱気を行なった。
前記ろ過助剤10gに100mLのイオン交換水を加え、撹拌・混合しろ過助剤分散水溶液を得た。次に、90mmφの平板型SUS製ハウジング(住友3M社製INLET90−TL、有効ろ過面積55.4cm2)にろ紙(No.5A:アドバンテック社製、目開きと相関する保留粒子径は7μm、セルロース製)をセットし、0.1MPa以下の圧力でろ過助剤分散水溶液をろ過して濾紙上にろ過助剤の均一なケーク層を形成させた後、1〜2Lのイオン交換水で洗浄し、珪藻土含有フィルタを得た。
上記の被処理シリカ分散液を、上記の珪藻土フィルタを用いてろ過処理して、ろ過処理後シリカ分散液(実施例1〜12、比較例1〜14)を得た。これらのろ過処理後シリカ分散液につき、下記条件に従って0.20μmフィルタの通液量(以下、「MF値」ともいう)を測定し、ろ過処理の精度を評価した。該MF値が高いほど、フィルタが目詰まりするまでの通液量が多く、不純物が少ないこと、すなわち、ろ過精度が高いことを示す。MF値測定の結果を下記表3に示す。
前記珪藻土含有フィルタを乾燥させずに洗浄水で濡れたままの状態で、0.1MPaの圧力で被処理シリカ分散液を1L分ろ過し、ろ過処理後シリカ分散液(実施例1〜12、比較例1〜14)を得た。なお、最初に流出するろ液200gは端切りした。使用するフィルタは上記珪藻土含有フィルタ1段のみ、ろ過速度はフィルターハウジングの入口側に設置した流量調整バルブで10〜20L/(分・m2)の範囲に調整した。ろ過操作は室温(25℃)で行った。
ろ過処理後シリカ分散液(実施例1〜12、比較例1〜14)のシリカ濃度を5質量%、pHを1.5に調整し、0.2μmフィルタ(アドバンテック社製 親水性PTFE0.20μmフィルタ、型式:25HP020AN)で、エアー圧力0.25MPaの一定圧力の下でフィルタに通液させ、フィルタが閉塞するまでの通液量(g)を求めた。
<実施例13の研磨液組成物の調製>
表1の原料コロイダルシリカスラリーaに水、下記の助剤及び硫酸を加え、シリカを5質量%、アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(モル比92/8、重量平均分子量12000(PEG換算)、東亞合成社製)を0.03質量%、ベンゾトリアゾールNa塩を0.17質量%、N−アミノエチルエタノールアミンを0.05質量%、過酸化水素を0.51質量%含有する被処理研磨液組成物)を作製した。硫酸は、pHの調整に使用した。前記被処理研磨液組成物のpH及びシリカ含有量は、表4のとおりである。このようにして調製した実施例13のための被処理研磨液組成物を、上記と同様に珪藻土フィルタを用いてろ過処理し、研磨液組成物(実施例13)とした。この研磨液組成物について、上記と同様にMF値を測定するとともにこの研磨液組成物を使用して基板を研磨した。
表1の原料コロイダルシリカスラリーaを上記と同様に珪藻土フィルタを用いてろ過処理し、比較例15のためのろ過処理済みシリカ分散液とした。前記ろ過処理前の原料コロイダルシリカスラリーaのpH及びシリカ含有量は、表4のとおりである。
上記の比較例15のためのろ過処理済みシリカ分散液に水、下記の助剤及び硫酸を加え、シリカを5質量%、アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(モル比92/8、重量平均分子量12000(PEG換算)、東亞合成社製)を0.03質量%、ベンゾトリアゾールNa塩を0.17質量%、N−アミノエチルエタノールアミンを0.05質量%、過酸化水素を0.51質量%含有する研磨液組成物を作製した。硫酸は、pHの調整に使用した。この研磨液組成物について、上記と同様にMF値を測定するとともにこの研磨液組成物を使用して基板を研磨した。
上記研磨液組成物(実施例13、比較例15)を用いて被研磨基板を研磨し、純水によって洗浄を行って評価用基板を得た。この評価用基板のスクラッチ数を評価した。評価結果を下記表4に示す。研磨条件(研磨方法)、洗浄条件及び評価方法は以下のとおりである。被研磨基板として、アルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ粗研磨し、AFM−Raが5〜15Åとした、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキアルミニウム合金基板を用いた。
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨パッド:フジボウ社製、ウレタン製仕上げ研磨用パッド
・上定盤回転数:32.5r/分
・研磨液組成物供給量:100mL/分
・本研磨時間:4分
・本研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
研磨した基板をヒカリ社製Sub基板洗浄機で、以下の工程で洗浄した。
(1)US(超音波)浸漬洗浄 (950kHz)
(2)スクラブ洗浄 スポンジブラシ3段
(3)USシャワー洗浄 (950kHz)
(4)スピンリンス
(5)スピンドライ
・測定機器:KLA-Tencor社製 Candela OSA6100
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射してスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。
Claims (5)
- 一次粒子の平均粒子径が1nm以上100nm以下のコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、ろ過助剤を含むフィルタでろ過処理する工程を有する研磨液組成物の製造方法であって、前記被処理シリカ分散液は、pHが5.0以下であり、かつ、前記コロイダルシリカの含有量が20質量%未満である、研磨液組成物の製造方法。
- ろ過助剤が珪藻土である、請求項1記載の研磨液組成物の製造方法。
- 前記被処理シリカ分散液が、酸化剤、アニオン性基を有する水溶性高分子、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、及び、脂環式アミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類を含有する、請求項1又は2に記載の研磨液組成物の製造方法。
- 請求項1から3いずれかに記載の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、
前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、磁気ディスク基板の製造方法。 - 請求項1から3いずれかに記載の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、
前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、基板の研磨方法。
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