JP5833390B2 - 研磨液組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、研磨液組成物の製造方法及び該製造方法により製造される研磨液組成物に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化が求められ、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、磁気ディスク用基板の製造工程においても研磨後に要求される表面品質は年々厳しくなってきている。即ち、ヘッドの低浮上化に応じて、表面粗さ、微小うねり、ロールオフ及び突起を低減する必要があり、単位記録面積の減少に応じて、許容される基板面当たりのスクラッチ数は少なく、その大きさと深さはますます小さくなってきている。
また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレジストに露光する際の焦点深度が浅くなり、より一層の表面平滑性が望まれている。
このような要求に対して、表面平滑性の向上を目的に、被研磨物の表面に生じる傷(スクラッチ)の低減を図るべく、研磨材スラリー原料の遠心分離処理や、デプスフィルター及びプリーツフィルターを用いた循環ろ過及び多段ろ過処理により、研磨粒子の粗大粒子数を低減することが提案されている(特許文献1及び2)。
また、ろ過助剤として珪藻土を利用したフィルターは、ガラス基板の循環研磨に使用する研磨液組成物のフィルターとして用いられたり(特許文献3)、インクジェット記録シート用塗布液として使用するシリカ微粒子分散液の製造工程において用いられたりする(特許文献4)。
特開2006-075975号公報 特開2006-136996号公報 特開2007-098485号公報 特開2007-099586号公報
より高容量、高集積といった高密度化に対応するためには、基板表面のスクラッチのみならず、基板表面のパーティクルをも低減する必要がある。そのため、研磨液組成物に使用するシリカ粒子は、粗大粒子を低減させる必要があり、図2の概略図に示すろ過システムで調製されることが多い。すなわち、汎用コロイダルシリカに遠心分離処理等を施したシリカスラリー6をデプス型フィルター3で循環ろ過し(槽1→管P1→デプス型フィルター3→管P5→槽1)、次いでプリーツ型フィルター5でろ過すること(デプス型フィルター3→管P6→プリーツ型フィルター5→管4)を含むろ過システムより研磨液組成物用のシリカ粒子が調製されている。しかしながら、このような従来の方法では、汎用コロイダルシリカに対するろ過前の処理(例えば、遠心分離処理)に時間及びコストが掛かり、また、デプス型フィルターの循環ろ過処理にも時間がかかる。すなわち、研磨液組成物に使用するシリカ粒子の調製工程は、研磨液組成物の生産時間が長く、高コストとなる一因となっている。
したがって、本発明は、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、且つ高密度化において重要となるパーティクルを効果的に低減できる研磨液組成物を経済的に製造できる研磨液組成物の製造方法、及び該製造方法により製造される研磨液組成物を提供する。
即ち、本発明は、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程を有する研磨液組成物の製造方法であって、前記ろ過助剤は水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmである、研磨液組成物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)に関する。
また、本発明は、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、ろ過助剤を含有するフィルターでろ過処理する工程を有し、前記ろ過助剤は水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmである研磨液組成物の製造方法により製造されうる研磨液組成物(以下、「本発明の研磨液組成物」ともいう。)に関する。
本発明の製造方法によれば、前記ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程によりシリカ分散液中の粗大粒子及び澱を効果的に除去することができ、前記ろ過処理のシリカ分散液を含む研磨液組成物は、研磨時のスクラッチ及びパーティクルを効果的に低減できる。また、本発明の製造方法によれば、汎用コロイダルシリカに対するろ過前の処理(例えば、遠心分離処理)や、循環ろ過をしなくても、粗大粒子及び澱を効率的に除去されたシリカ分散液を得ることができるため、設備負荷の低減、研磨液組成物の生産時間の短縮、コスト低減が可能である。
したがって、本発明の製造方法で製造された研磨液組成物を、例えば、高密度化又は高集積化用の精密部品基板の研磨工程に用いると、微細なスクラッチ及びパーティクルを効果的に低減でき、且つ、表面性状に優れた高品質のメモリーハードディスク基板及び半導体素子用基板等の精密部品基板を経済的に製造することができる。
図1は、本発明の製造方法の一実施形態を説明する概略図である。 図2は、従来の研磨液組成物の製造方法の一例を説明する概略図である。
本発明の研磨液組成物の製造方法は、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、ろ過助剤を含むフィルター(以下、「ろ過助剤含有フィルター」ということがある。)でろ過処理する工程を有する研磨液組成物の製造方法であって、前記ろ過助剤の水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであることを特徴とする。本発明の製造方法で得られる研磨液組成物によれば、基板表面のパーティクルを効果的に低減でき、優れた表面平滑性を有する基板を提供することができる。
本発明者らは、研磨液組成物中の澱がパーティクルの原因であることを見出した。本発明の製造方法により研磨後の基板表面のパーティクルを低減できる研磨液組成物を経済的に製造できる理由は明らかではないが、ろ過助剤を含有するフィルターのろ過助剤層(ケーク層)内部で、数十μmのろ過助剤により形成される粒子間や2次凝集体のサブミクロン間隙やろ過助剤粒子自体に存在するサブミクロン小孔により、パーティクルの原因となる澱が効率的に除去されるためと推定している。
本明細書において「粗大粒子」とは、粒子径が0.5μm以上の粗大なコロイダルシリカ粒子であり、研磨液組成物中の粗大粒子数は、後述の実施例に記載の0.45μmフィルター通液量により研磨液組成物中の粗大粒子として定量評価できる。なお、本明細書中、研磨液組成物中のコロイダルシリカ粒子とは、一次粒子のみならず、一次粒子が凝集した凝集粒子をも含むものとする。また、本明細書において「澱」とは、50〜500nmのシリカ凝集体であり、後述するΔCVや研磨評価により澱の量を間接的に評価することができる。
本明細書において「スクラッチ」とは、特に、メモリーハードディスク基板又は半導体素子用基板において、高密度化又は高集積化に重要となる物性であり、深さが1nm以上、100nm未満、幅が5nm以上、500nm未満、長さが100μm以上の基板表面の微細な傷である。このスクラッチは、後述の実施例に記載の光学式全面欠陥検査機(OSA6100:KLA−Tencor製)で検出することができ、スクラッチ本数として定量評価できる。さらに原子間力顕微鏡(AFM)を用いて深さと幅を計測することができる。
本明細書において「パーティクル」とは、基板上の突起物であり、後述の実施例に記載の光学式全面欠陥検査機(OSA6100:KLA−Tencor製)による測定でパーティクル数として定量評価できる。パーティクル部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で分析することで、突起物(シリカ、アルミナ、チタニア、Fe化合物(ステンレス)、有機物、ニッケル化合物(NiP研磨くず、水酸化ニッケル等))の同定が可能である。さらに原子間力顕微鏡(AFM)を用いて突起物の長さと幅を計測することができる。
本発明の製造方法に用いられるろ過助剤としては、例えば、二酸化ケイ素、カオリン、酸性白土、珪藻土、パーライト、ベントナイト、タルク等の不溶性の鉱物性物質が挙げられる。スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、前記ろ過助剤のうち、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライトが好ましく、珪藻土、パーライトがより好ましく、珪藻土がさらに好ましい。
前記ろ過助剤は、スクラッチ及びパーティクルの低減並びに研磨液組成物の生産性向上の観点から、酸で前処理されていることが好ましい。酸による前処理とは、ろ過助剤を無機酸や有機酸等の酸水溶液に一定時間浸漬させる処理のことであり、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、シュウ酸、クエン酸による処理等が挙げられるが、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸による処理がより好ましく、塩酸、硫酸、ホスホン酸による処理がさらに好ましい。
前記ろ過助剤は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点並びに研磨液組成物の生産性向上の観点から、水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであり、好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは0.1〜2.7μm、さらに好ましくは1.0〜2.7μm、さらにより好ましくは2.0〜2.7μm、さらにより好ましくは2.1〜2.7μm、さらにより好ましくは2.2〜2.6μm、さらにより好ましくは2.2〜2.4μmである。なお、本発明において「水銀圧入法による平均細孔径」とは、ろ過助剤粒子の容積基準の細孔径の平均値であり、実施例に記載の方法により測定することができる。
前記ろ過助剤の水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、好ましくは2.5mL/g以上、より好ましくは2.7mL/g以上、さらに好ましくは3.0mL/g以上、さらにより好ましくは4.0mL/g以上、さらにより好ましくは4.5mL/g以上である。また、研磨液組成物の生産性向上の観点からは、好ましくは1000mL/g以下、より好ましくは100mL/g以下、さらに好ましくは50mL/g以下、さらにより好ましくは20mL/g以下、さらにより好ましくは10mL/g以下、さらにより好ましくは6mL/g以下である。したがって、前記ろ過助剤の0.5μm以下の積算細孔容積は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点及び研磨液組成物の生産性向上の観点から、2.5mL/g以上が好ましく、より好ましくは2.5〜1000mL/g、さらに好ましくは2.7〜100mL/g、さらにより好ましくは3.0〜50mL/g、さらにより好ましくは4.0〜20mL/g、さらにより好ましくは4.5〜10mL/g、さらにより好ましくは4.5〜6mL/gである。ここで、ろ過助剤の「水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積」とは、水銀圧入法によるろ過助剤粒子の容積基準の細孔分布における0.5μm以下の細孔容積の総和であり、実施例に記載の方法により測定することができる。
前記ろ過助剤のレーザー平均粒径は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜18μm、さらにより好ましくは1〜16μm、さらにより好ましくは2〜16μm、さらにより好ましくは5〜16μm、さらにより好ましくは7〜16μmである。ここで、ろ過助剤の「レーザー平均粒径」とは、レーザー式粒度分布測定装置により測定されたろ過助剤粒子の平均粒径であり、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の製造方法に用いられるろ過助剤含有フィルターは、前記ろ過助剤をフィルター表面及び/又はフィルター内部に含有するものであれば特に制限されない。スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、フィルター目開きがろ過助剤の平均粒径の1/10以下であることが好ましく、1/20以下がより好ましく、1/30以下がさらに好ましい。本発明の製造方法においては、プレコートにさらにボディーフィードを組み合わせて用いてもよい。フィルター目開きは、ろ過助剤の漏れを防ぐ観点から、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは、3μm以下、さらにより好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下である。また、フィルター通液速度向上の観点から、0.1μm以上が好ましく、さらに好ましくは0.2μm以上、さらにより好ましくは0.3μm以上、特に好ましくは0.5μm以上である。ここでプレコートとは、ケークろ過フィルターの形成方法であり、後述のフィルター材料(濾材)の上に厚さ数mm程度のろ過助剤の薄い層を形成することである。例えば、水にろ過助剤粒子を分散させ、濾材でろ過助剤をこしとりろ過助剤層を形成する手法が挙げられる。又、ボディーフィードとは、ろ過の際にケークろ過される原液にろ過助剤を一定量投入しながらろ過処理する方法であり、目的は、原液のろ過性の改善である。粒径が細かくすぐにケーク抵抗が極大化する(ろ過ができなくなる)ような原液に対して有効である。
前記ろ過助剤含有フィルターにおけるろ過助剤の含有量(g/cm2)は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、好ましくは0.001g/cm2以上、より好ましく0.005g/cm2以上、さらに好ましくは0.01g/cm2以上、さらにより好ましくは0.02g/cm2以上、さらにより好ましくは0.04g/cm2以上、さらにより好ましくは0.1g/cm2以上である。また、ろ過速度向上の観点からは、好ましくは1g/cm2以下、より好ましくは0.8g/cm2以下、さらに好ましくは0.6g/cm2以下、さらにより好ましくは0.4g/cm2以下、さらにより好ましくは0.3g/cm2以下、さらにより好ましくは0.2g/cm2以下である。したがって、ろ過助剤の含有量(g/cm2)は、好ましくは0.001〜1g/cm2、より好ましくは0.005〜0.8g/cm2、さらに好ましくは0.01〜0.6g/cm2、さらにより好ましくは0.02〜0.4g/cm2、さらにより好ましくは0.04〜0.3g/cm2、さらにより好ましくは0.04〜0.2g/cm2、さらにより好ましくは0.1〜0.2g/cm2である。
前記ろ過助剤含有フィルターのフィルター材料としては、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート、ナイロン、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)などのプラスティック、セラミック、金属メッシュ等が挙げられるが、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート、ナイロン、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)などのプラスティックが好ましく、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート、ナイロンがより好ましく、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがさらに好ましい。
前記ろ過助剤含有フィルターの形状は特に限定されないが、取り扱い易さ、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、シート型、円筒型、円盤型、折込型が好ましく、シート型、円盤型、折込型がより好ましく、円盤型、折込型がさらに好ましい。
前記ろ過助剤含有フィルターによるろ過の条件は、特に限定されないが、ろ過精度向上と生産性向上の両立の観点から、ろ過時の差圧は、0.01〜10MPaが好ましく、0.05〜1MPaがより好ましく、0.05〜0.5MPaがさらに好ましい。ろ過助剤含有フィルターの段数は、ろ過精度向上と生産性向上の両立の観点から、1〜5段が好ましく、1〜3段がより好ましく、1〜2段がさらに好ましい。ろ過速度は、ろ過精度向上と生産性向上の両立の観点から、0.1〜30L/(分・m2)が好ましく、0.5〜25L/(分・m2)がより好ましく、1〜20L/(分・m2)がさらに好ましい。
本発明の製造方法では、研磨液組成物の製造に従来から用いられているデプス型フィルターやプリーツ型フィルターをさらに組み合わせて使用することが、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から好ましい。
本発明の製造方法の好ましい態様としては、デプス型フィルターで被処理シリカ分散液をろ過した後、ろ過助剤含有フィルターでろ過処理することが好ましく、ろ過助剤含有フィルターでろ過した後、さらにプリーツ型フィルターでろ過することがより好ましい。デプス型フィルターで特に大きな粗大粒子を除去することで、ろ過助剤含有フィルターの優れた性能がさらに顕著に発揮され、効率的な粗大粒子及び澱の除去を可能にすると推定される。
したがって、本発明は、その他の態様において、工程1)一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、デプス型フィルターでろ過処理する工程、及び、工程2)工程1で得られたシリカ分散液を、水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであるろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程を含む、研磨液組成物の製造方法(以下、「本発明の製造方法(2)」ともいう。)に関する。
前記工程1におけるデプス型フィルターでのろ過処理で得られるシリカ分散液中の粗大粒子量は、前記工程2で使用するろ過助剤含有フィルターの寿命を延ばし生産性を向上させる観点から、11.0×104個/mL以下が好ましく、より好ましくは10.0×104個/mL以下、さらに好ましくは7.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは6.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは5.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは4.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは3.0×104個/mL以下である。
したがって、本発明は、さらにその他の態様において、工程1)一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、粒子径が0.5μm以上の粗大粒子量が11.0×104個/mL以下になるようにろ過処理する工程、及び、工程2)工程1で得られたシリカ分散液を、水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであるろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程を含む、研磨液組成物の製造方法(以下、「本発明の製造方法(3)」ともいう。)に関する。
前記工程1のろ過処理で得られるシリカ分散液中の粗大粒子量は、前記工程2で使用するろ過助剤含有フィルターの寿命を延ばし生産性を向上させる観点から、11.0×104個/mL以下が好ましく、10.0×104個/mL以下が好ましく、より好ましくは7.0×104個/mL以下、さらに好ましくは6.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは5.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは4.0×104個/mL以下、さらにより好ましくは3.0×104個/mL以下である。また、前記工程1のろ過の種類は限定されないが、粗大粒子の除去効率向上及びコスト低減の観点から、デプス型フィルターを用いたろ過処理であることが好ましい。
本発明の製造方法(2)及び(3)の制限されない実施形態として、図1の概略図に示す工程を含む実施形態が挙げられる。図1は、研磨液組成物に使用するシリカ粒子を調製する工程の概略図であって、デプス型フィルター3、ろ過助剤含有フィルター4、及びプリーツ型フィルター5が、この順で管P1〜4により直列に接続されている。槽1に投入された被処理シリカ分散液2は、デプス型フィルター3、ろ過助剤含有フィルター4、及びプリーツ型フィルター5で構成されるろ過システムを1パスろ過され、研磨液組成物に使用するシリカ粒子となる。
したがって、本発明の製造方法(2)及び(3)のその他の実施形態として、さらに、工程3として、本発明の製造方法(2)及び(3)の工程2で得られたシリカ分散液をプリーツ型フィルターでろ過処理する工程を有することが好ましい。
本発明の製造方法(2)及び(3)の図1に示される実施形態を、図2に示される従来のシリカ粒子の調製方法と比較すると、デプス型フィルター3の循環ろ過を省いて1パスろ過としても、従来の調製方法と同等又はそれ以上の品質(粗大粒子数の少なさ、及び/又は、研磨後のスクラッチ及びパーティクルの少なさ)のシリカ粒子及び研磨液組成物を製造することができ、製造時間が短縮され生産性が向上するという利点がある。さらに、被処理シリカ分散液2として、図2のシリカスラリー6のように付加的な処理が加えられたシリカスラリーを用いることなく、安価な汎用コロイダルシリカのスラリーを使用しても従来の調製方法と同等又はそれ以上の品質のシリカ粒子及び研磨液組成物を製造することができ、製造時間が短縮され生産性が向上するという利点がある。
本明細書において「汎用コロイダルシリカ」とは、市場に一般的に流通するコロイダルシリカをいう。或いは、本明細書において「汎用コロイダルシリカ」とは粗大粒子量が、例えば、20.0×104個/mL以上、30.0×104個/mL以上、又は34.0×104個/mL以上であるコロイダルシリカをいう。粗大粒子量の上限としては、例えば、200.0×104個/mL以下、100.0×104個/mL以下、70.0×104個/mL以下などが挙げられる。したがって、本発明に用いる汎用コロイダルシリカの粗大粒子量は、20.0×104〜200.0×104個/mLが好ましく、20.0×104〜100.0×104個/mLがより好ましく、30.0×104〜100.0×104個/mLがさらに好ましく、34.0×104〜100.0×104個/mLがさらにより好ましく、34.0×104〜70.0×104個/mLがさらにより好ましい。
本発明の製造方法に用いられるデプス型のフィルターの具体例としては、バッグ式(住友スリーエム社等)の他、カートリッジ式(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)のフィルターが挙げられる。
デプス型フィルターとは、ろ過材の孔構造が入口側で粗く、出口側で細かく、且つ入口側から出口側へ向かうにつれて連続的に又は段階的に細かくなる特徴を持つ。即ち、粗大粒子の中でも大きな粒子は入口側付近で捕集され、小さな粒子は出口側付近で捕集されるため、効果的なろ過が可能である。デプス型フィルターの形状は、袋状のバッグタイプでもよく、また、中空円筒形状のカートリッジタイプでもよい。また、前記特徴を有するろ過材を単にヒダ状に成形加工したものは、デプス型フィルターの機能を有するためデプス型フィルターに分類される。
デプス型フィルターは、1段で用いてもよく、多段で組み合わせて(例えば直列配置で)用いてもよいが、生産性向上の観点からは異なる径のフィルターを大きい順番に多段にすることが好ましい。また、バッグタイプとカートリッジタイプとを組み合わせて用いてもよい。多段ろ過は、被処理シリカ分散液中の粗大粒子数に応じ、適宜フィルターの孔径とろ過材の構造を適切に選択し、さらに該フィルターの処理順序を適切に選択することで、除去する粗大粒子の粒径制御(ろ過精度)と経済性を向上できる。即ち、孔構造が大きいフィルターを細かいフィルターより前段(上流側)で用いると、フィルターの寿命を製造工程全体として長くできる効果がある。
本発明の製造方法に用いられるプリーツ型フィルターとしては、一般にろ過材をヒダ状(プリーツ状)に成形加工して、中空円筒形状のカートリッジタイプ式にしたもの(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)を用いることができる。プリーツ型フィルターは、厚み方向の各部分で捕集するデプス型フィルターと異なり、ろ過材の厚みが薄く、フィルター表面での捕集が主体と言われており、一般的にろ過精度が高いことが特徴である。
プリーツ型フィルターは、1段で用いてもよく、多段で組合せて(例えば直列配置で)用いてもよい。また、多段ろ過は、粗大粒子数に応じ、適宜フィルターの孔径とろ過材の構造を適切に選択し、該フィルターの処理順序を適切に選択することで、本発明における研磨液組成物の生産性を向上することができる。即ち、孔構造が大きいフィルターを細かいフィルターより前段(上流側)で用いると、フィルターの寿命を全体として長くできる。さらに、後に用いるフィルターは、同孔径のフィルターを多段にすることで、研磨液組成物中の品質をより安定化させることができる。
ろ過工程全体では、デプス型フィルターろ過、ろ過助剤含有フィルターろ過、プリーツ型フィルターろ過の順に用いると、フィルターの寿命を全体として長くでき、本発明における研磨液組成物を経済的に生産できるため好ましい。
前記デプス型フィルター及びプリーツ型フィルターの孔径は、一般に99%除去可能なろ過精度として表され、例えば孔径1.0μmとは、直径1.0μmの粒子を99%除去可能なフィルターを示している。
前記デプス型フィルターの孔径は、粗大粒子除去負荷軽減の観点から、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下、さらにより好ましくは1.0μm以下、さらにより好ましくは0.5μm以下である。
また、前記デプス型フィルターを多段(例えば直列配置)にする場合は、最終フィルターの孔径がサブミクロン以下のものを用いると、前記ろ過助剤含有フィルターを用いたろ過処理における粗大粒子除去負荷がさらに軽減し、より生産性の向上を図ることができる。
前記プリーツ型フィルターの孔径は、粗大粒子低減の観点から1.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。
本発明におけるろ過方法としては、繰り返しろ過する循環式でもよく、1パス方式でもよい。また、1パス方式を繰り返すバッチ式を用いてもよい。通液方法は、加圧するために、循環式では好ましくはポンプが用いられ、1パス方式ではポンプを用いる他に、タンクに空気圧等を導入することでフィルター入口圧力の変動幅が小さい加圧ろ過法を用いることが出来る。
本発明の製造方法において、前記デプス型フィルターやプリーツ型フィルターを用いる他、一般的な分散工程あるいは粒子除去工程を設けてもよい。例えば、高速分散装置や高圧ホモジナイザー等の高圧分散装置を用いた分散工程や、遠心分離装置等による粗大粒子の沈降工程も利用できる。これらを用いて処理する場合、それぞれ単独で処理しても2種以上を組み合わせて処理しても良く、組み合わせの処理順序についても何ら制限はない。また、その処理条件や処理回数についても、適宜選択して使用することができる。
本明細書において「被処理シリカ分散液」は、ろ過助剤含有フィルターによるろ過処理に供される前のシリカスラリー(シリカ分散液)をいう。また、前記ろ過助剤含有フィルターと前記デプス型フィルター及び/又はプリーツ型フィルターとを組み合わせたろ過システムでろ過することを含む場合(例えば、本発明の製造方法(2)及び本発明の製造方法(3)の場合)、「被処理シリカ分散液」は、前記ろ過システムの最初のフィルター(1段目のフィルター)に導入するシリカ分散液を指し得る。被処理シリカ分散液は、一実施形態において、コロイダルシリカと水とを含むものが挙げられ、例えば、コロイダルシリカと水とからなるもの、さらに他の成分を含むもの、又は、汎用コロイダルシリカのスラリーが挙げられる。被処理シリカ分散液は、その他の実施形態において、後述の研磨液組成物に配合され得る他の成分を混合して製造されたものが挙げられる。被処理シリカ分散液の状態としては、コロイダルシリカが分散した状態が好ましい。
本発明においては、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液をろ過助剤含有フィルターによるろ過に供することで、研磨液組成物を製造することができる。具体的には、コロイダルシリカ、水、及び他の成分を混合して製造された被処理シリカ分散液を前記ろ過に供したり、或いは、コロイダルシリカ及び水を含有した被処理シリカ分散液を前記ろ過に供した後、得られたろ過物(ろ過済みシリカスラリー)に他の成分を混合したりすることで研磨液組成物を製造することができる。
本発明において使用されるコロイダルシリカは、例えば珪酸水溶液から生成させる製法によって得ることができる。また、これら研磨粒子を官能基で表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の研磨材で複合粒子化したもの等も用いることができる。
コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra、Peak to Valley値:Rmax)を低減する観点から、1〜100nmであり、1〜80nmが好ましい。同時に研磨速度を向上させる観点から、より好ましくは3〜80nm、さらに好ましくは4〜50nm、さらにより好ましくは5〜40nm、さらにより好ましくは5〜30nmである。ここで、コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定される値である。
前記被処理シリカ分散液中のコロイダルシリカの含有量は、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%、さらにより好ましくは、30〜40重量%である。
また、前記被処理シリカ分散液中の粗大粒子の含有量は、通常、1×104〜200×104個/mLであり、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点から、100×104個/mL以下が好ましく、70×104個/mL以下がより好ましく、50×104個/mL以下がさらに好ましく、40×104個/mL以下がさらにより好ましい。スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは1×104〜100×104個/mL、より好ましくは1×104〜70×104個/mL、さらに好ましくは1×104〜50×104個/mL、さらにより好ましくは1×104〜40×104個/mLである。
一方、本発明の製造方法(2)及び(3)においては、生産性向上の観点から、被処理シリカ分散液は汎用コロイダルシリカのスラリーであってもよく、或いは、粗大粒子量が、20.0×104個/mL以上、30.0×104個/mL以上、又は34.0×104個/mL以上であるシリカスラリーであってもよい。従って、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点、及び、生産性を向上する観点から、好ましくは、20.0×104〜200×104個/mL、より好ましくは30.0×104〜100×104個/mL、さらに好ましくは34.0×104〜70×104個/mLである。ここで、被処理シリカ分散液中の粗大粒子の含有量は、実施例に記載の方法により測定される値である。
また、前記被処理シリカ分散液の0.45μmフィルター通液量は、通常、1〜10mLであり、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは2〜10mL、より好ましくは3〜10mL、さらに好ましくは4〜10mL、さらにより好ましくは、5〜10mLである。ここで、被処理シリカ分散液の0.45μmフィルター通液量は、実施例に記載の方法により測定される値である。
また、前記被処理シリカ分散液のΔCV値は、通常1〜20%であり、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは1〜15%、より好ましくは1〜13%、さらに好ましくは1〜12%、さらにより好ましくは、1〜11%である。
ここで、前記被処理シリカ分散液のΔCV値とは、動的光散乱法による検出角30度(前方散乱)の散乱強度分布に基づく測定で得られる、標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値(CV30)と、検出角90度(側方散乱)の散乱強度分布に基づく測定で得られる、標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値(CV90)との差(ΔCV=CV30−CV90)であり、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
研磨液組成物のΔCV値と、粗大粒子や澱に由来すると考えられるコロイダルシリカ凝集体(非球状粒子)の含有量との間には相関関係があるため、研磨液組成物のΔCV値を前記所定範囲に調整することで、研磨後のスクラッチ及びパーティクルを低減できると考えられる(参考:特開2011-13078)。
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物中のコロイダルシリカの含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上であり、さらにより好ましくは5重量%以上であり、また、経済的に表面品質を向上させる観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下である。従って、研磨速度を向上させ、且つ経済的に表面品質を向上させる観点からは、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜13重量%、さらにより好ましくは3〜10重量%、さらにより好ましくは5〜10重量%である。ここで、コロイダルシリカの含有量は、研磨液組成物製造時における含有量あるいは使用時における含有量のいずれであってもよく、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
研磨液組成物に使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。研磨液組成物中の水の含有量は、100重量%から研磨材及び他の成分を除いた残部に相当し、60〜99重量%が好ましく、80〜97重量%がより好ましい。
前記被処理シリカ分散液のpHは、粗大粒子の発生抑制及びコロイダルシリカの安定性向上の観点から、好ましくは9〜11、より好ましくは9.2〜10.8、さらに好ましくは9.4〜10.6、さらにより好ましくは、9.5〜10.5である。また、本発明において製造される研磨液組成物のpHについて特に制限はないが、当該研磨液組成物を研磨に使用する場合、pHは0.1〜7で使用することが好ましい。アルカリ性においては、酸性に比べてスクラッチが発生しやすい傾向にある。その発生機構は明らかではないが、研磨粒子同士が表面電荷によって強く反発し合うアルカリ性雰囲気下では、研磨液組成物中に含有される研磨一次粒子の凝集物あるいは粗大研磨一次粒子が研磨部において密な充填ができずに、研磨圧力下で局部荷重を受けやすくなるためと推定される。pHは、被研磨物の種類や要求特性に応じて決定することが好ましく、被研磨物の材質が金属材料では、研磨速度を向上させる観点から、pHは、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下、さらにより好ましくは3以下、さらにより好ましくは2以下である。また、人体への影響や研磨装置の腐食防止の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.4以上である。特に、ニッケル-リン(Ni-P)メッキされたアルミニウム合金基板のように被研磨物の材質が金属材料の精密部品用基板においては、前記観点を考慮してpHは、0.5〜6が好ましく、より好ましくは1.0〜5、さらに好ましくは1.4〜4、さらにより好ましくは1.4〜3、さらにより好ましくは1.4〜2である。
前記研磨液組成物のpHは、例えば、以下の酸や塩、又はアルカリによって適宜調整することができる。具体的には、硝酸、硫酸、亜硝酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸又はそれらの塩、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸又はそれらの塩、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸又はそれらの塩、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸又はそれらの塩、などが挙げられる。中でもスクラッチを低減する観点から、無機酸又は有機ホスホン酸及びそれらの塩が好ましい。
前記無機酸又はそれらの塩の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸又はそれらの塩がより好ましく、前記有機ホスホン酸又はそれらの塩の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩がより好ましい。これらは単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
前記酸の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニア、アルキルアミンとの塩が挙げられる。金属の具体的な例としては、周期律表(長周期型)の1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。スクラッチを低減する観点から、アンモニア又は1A族に属する金属が好ましい。
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は複素環芳香族化合物を含有することが好ましい。本発明の研磨液組成物に含有される複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物であることが好ましく、複素環内に窒素原子を3個以上有することがより好ましく、3〜9個がさらに好ましく、3〜5個がさらにより好ましく、3又は4個がさらにより好ましい。
前記複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びパーティクル低減の観点から、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、3-アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノー1,2,3−トリアゾール、5−アミノー1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノー1,2,4−トリアゾール、5−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール、又はこられのアルキル置換体若しくはアミン置換体が好ましく、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾールがより好ましく、1H−ベンゾトリアゾールがさらに好ましい。前記アルキル置換体のアルキル基としては例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、より具体的にはメチル基、エチル基が挙げられる。また、前記アミン置換体としては1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]トリルトリアゾールが挙げられる。
研磨液組成物における複素環芳香族化合物の含有量は、研磨後の基板のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、研磨液組成物全体の重量に対して0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜5重量%がより好ましく、0.05〜2重量%がさらに好ましく、0.06〜1重量%がさらにより好ましく、0.07〜0.5重量%がさらにより好ましく、0.08〜0.3重量%がさらにより好ましい。なお、研磨液組成物中の複素環芳香族化合物は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は、研磨後の基板のスクラッチ、パーティクル及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)の低減の観点から、アニオン性基を有する水溶性高分子(以下、アニオン性水溶性高分子ともいう)を含有することが好ましい。該高分子は、研磨時の摩擦振動を低減して研磨パッドの開孔部からのシリカ凝集体の脱落を防止し、研磨後の基板のスクラッチ及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)を低減するものと推定される。
アニオン性水溶性高分子のアニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基等が挙げられるが、スクラッチ、パーティクル及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)の低減の観点から、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するものがより好ましく、スルホン酸基を有するものがさらに好ましい。なお、これらのアニオン性基は中和された塩の形態を取ってもよい。
カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する水溶性高分子としては、カルボン酸基を有する単量体由来の構成単位及びスルホン酸基を有する単量体由来の構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位を有する(共)重合体又はその塩が挙げられる。カルボン酸基を有する単量体としては、例えば、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、イソプレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。アニオン性水溶性高分子には、カルボン酸基を有する単量体由来の構成単位、及び、スルホン酸基を有する単量体由来の構成単位は、それぞれ、2種類以上含まれてもよい。
これらの中でも、アニオン性水溶性高分子としては、生産性を損なうことなく研磨後の基板のスクラッチ、パーティクル及び表面粗さの最大値(AFM‐Rax)を低減する観点から、下記一般式(1)で表される構成単位を有する重合体が好ましい。
Figure 0005833390
上記式(1)中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基であり、Xは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子(1/2原子)、アンモニウム基又は有機アンモニウム基である。
上記一般式(1)で表される構成単位を有する(メタ)アクリル酸系(共)重合体及びその塩としては、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸及びそれらの塩が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸及びそれらの塩である。アニオン性水溶性高分子は、これらの(共)重合体が1種類からなるものでもよく、2種類以上を含むものでもよい。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を指す。
(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とスルホン酸基含有単量体由来の構成単位とを含む共重合体をいう。(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、スルホン酸基含有単量体に由来する構成単位を、2種以上含んでいてもよい。
前記スルホン酸基含有単量体としては、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、イソプレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましく、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がより好ましい。なお、本発明において、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又は2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を指す。
前記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、本発明の効果を奏する範囲内で、スルホン酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸単量体以外の単量体に由来する構成単位成分を含有していてもよい。
(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体又はその塩の各々を構成する全構成単位中に占めるスルホン酸基含有単量体由来の構成単位の含有率は、スクラッチ低減の観点から、10〜90モル%、15〜80モル%、又は15〜50モル%とすることが考えられるが、3〜97モル%であることが好ましく、より好ましくは50〜95モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。なお、ここでスルホン酸基を含む(メタ)アクリル酸単量体は、スルホン酸基含有単量体として数える。
(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体が、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体の場合、(メタ)アクリル酸と2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との重合モル比((メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、95/5〜40/60が好ましく、95/5〜50/50がより好ましく、95/5〜60/40がさらに好ましく、95/5〜70/30がさらにより好ましく、95/5〜75/25がさらにより好ましく、95/5〜80/20がさらにより好ましく、95/5〜85/15がさらにより好ましい。
好ましい(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体としては、スクラッチ低減の観点から、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体がより好ましい。
(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体は、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とマレイン酸由来の構成単位とを含む共重合体をいう。
前記(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体は、本発明の効果を奏する範囲内で、マレイン酸単量体及び(メタ)アクリル酸単量体以外の単量体に由来する構成単位成分を含有していてもよい。
(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体を構成する全構成単位中に占めるマレイン酸由来の構成単位の含有率は、スクラッチ低減の観点から、10〜90モル%、20〜80モル%、30〜70モル%とすることが考えられるが、好ましくは5〜95モル%、より好ましくは50〜95モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。
前記(共)重合体は、例えば、ジエン構造あるいは芳香族構造を含むベースポリマーを、公知の方法、例えば、(社)日本化学会編集、新実験化学講座14(有機化合物の合成と反応III、1773頁、1978年)などに記載された方法により得られる。
また、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する水溶性高分子として、下記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体も好ましく用いられる。
Figure 0005833390
上記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体としては、スクラッチ及びパーティクル低減並びに研磨速度の向上の観点から、該重合体の全構成単位中に占める上記一般式(2)で表される構成単位の割合が50モル%を超える重合体であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、97モル%以上がさらにより好ましく、上記一般式(2)で表される構成単位の繰り返し構造のみで表わされる重合体であることがさらにより好ましい。さらに該重合体の分子末端が水素で封鎖されていることが好ましい。
上記一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子(1/2原子)、アンモニウム基又は有機アンモニウム基であり、アルカリ金属としては、ナトリウム及びカリウムが好ましい。また、上記一般式(2)中、nは1又は2であり、スクラッチ低減の向上の観点からは、1であることが好ましい。また、「上記一般式(2)で表される構成単位を主とする重合体」全体としては、nはその平均値が0.5以上1.5以下であることが好ましい。さらに、上記一般式(2)中、スルホン酸基(−SO3M)はナフチレン基のうち何れの位置に結合していてもよいが、スクラッチ及びパーティクル低減の向上の観点からは、6位又は7位に結合していることが好ましく、特に6位に結合していることが好ましい。本明細書においてナフタレン基の6位及び7位の場所は、上記一般式(2)を参照できる。
上記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体は、公知の方法、例えば、ナフタレンモノマーに濃硫酸等のスルホン化剤を用いてスルホン酸基を導入し、次いで縮合用の水とホルマリン水とを加えて縮合させ、さらにCa(OH)2やNa2SO4等の無機塩で中和することにより合成できる。上記一般式(2)で表される構成単位を主とする重合体として、市販品(例えば、商品名:ディモールN、及び、商品名:マイティ150、いずれも花王株式会社製)を用いることもできる。上記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体は、文献[特開平9−279127、特開平11−188614、及び特開2008−227098]を参照できる。
また、アニオン性水溶性高分子は、上記以外の構成単位成分を含有することができる。その他の構成単位成分として使用できる単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、リン酸化合物が挙げられる。これら単量体は1種又は2種以上使用できる。その他の構成単位成分を有するカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する水溶性高分子の好ましい共重合体としては、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、スチレン/イソプレンスルホン酸共重合体が挙げられる。
アニオン性基を有する水溶性高分子の対イオンとしては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等のイオンが挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、表面粗さ及びスクラッチ低減の観点から1A、3B、又は8族に属する金属が好ましく、1A族に属するナトリウム及びカリウムがより好ましい。アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩がより好ましい。
アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量は、スクラッチ及びパーティクル低減及び生産性維持の観点から、500以上10万以下が好ましく、より好ましくは500以上5万以下、さらに好ましくは500以上2万以下、さらにより好ましくは1000以上1万以下、さらにより好ましくは1000以上8000以下、さらにより好ましくは1000以上5000以下、さらにより好ましくは1000以上4000以下、さらにより好ましくは1000以上3000以下である。該重量平均分子量は、具体的には、実施例に記載の測定方法により測定される。
研磨液組成物における、アニオン性水溶性高分子の含有量は、スクラッチ及びパーティクル低減と生産性との両立の観点から、0.001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%、さらに好ましくは0.08〜0.2重量%、さらにより好ましくは0.01〜0.1重量%、さらにより好ましくは0.01〜0.075重量%である。
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物を含有することが好ましい。前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、分子内の窒素原子数は2個以上であることが好ましい。また、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持の観点から、分子内の窒素原子数は4個以下であることが好ましく、3個以下がより好ましく、2個以下がさらに好ましい。したがって、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持、並びにスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、分子内の窒素原子数は2〜4個であることが好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。
前記脂肪族アミン化合物としては、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミンからなる群から選択されることが好ましく、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンからなる群から選択されることがより好ましく、さらにアミン臭低減、水への溶解性向上の観点から、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンからなる群から選択されることがさらに好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンがさらにより好ましい。
前記脂環式アミン化合物としては、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが好ましく、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがより好ましく、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがさらに好ましく、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがさらにより好ましい。
したがって、研磨液組成物に用いられる脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減、アミン臭低減、水への溶解性向上の観点から、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがさらにより好ましく、N−アミノエチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがさらにより好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンがさらにより好ましい。
前記研磨液組成物における脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物の含有量は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、研磨液組成物全体の重量に対して0.001〜10重量%であることが好ましく、0.005〜5重量%がより好ましく、0.008〜2重量%がさらに好ましく、0.01〜1重量%がさらにより好ましく、0.01〜0.5重量%がさらにより好ましく、0.01〜0.1重量%がさらにより好ましい。なお、研磨液組成物中の脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
前記研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、酸化剤を含有することが好ましい。本発明の研磨液組成物に使用できる酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
前記過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム等が挙げられる。過マンガン酸又はその塩としては、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、クロム酸又はその塩としては、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩等が挙げられ、ペルオキソ酸又はその塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸等が挙げられ、酸素酸又はその塩としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、金属塩類としては、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。
好ましい酸化剤としては、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。より好ましい酸化剤としては、表面に金属イオンが付着せず汎用に使用され安価であるという観点から過酸化水素が挙げられる。これらの酸化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
前記研磨液組成物中における前記酸化剤の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上であり、基板の表面粗さ低減の観点から、好ましくは4重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。従って、表面品質を保ちつつ研磨速度を向上させるためには、上記含有量は、好ましくは0.01〜4重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。
また、前記研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。例えば、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる研磨液組成物のフィルター(孔径0.45μm)通液量は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点から、25mL以上であることが好ましく、30mL以上がより好ましく、50mL以上がさらに好ましく、70mL以上がさらにより好ましく、100mL以上がさらにより好ましい。ここで、研磨液組成物のフィルター通液量とは、実施例に記載の方法により測定される値である。
また、本発明の製造方法により得られる研磨液組成物における粗大粒子の含有量は、スクラッチ及びパーティクル低減の観点、及び生産性向上の観点から、好ましくは0.5×104〜10×104個/mL、より好ましくは0.5×104〜5×104個/mL、さらに好ましくは0.5×104〜4×104個/mL、さらにより好ましくは0.5×104〜3×104個/mLである。ここで、研磨液組成物における粗大粒子の含有量は、実施例に記載の方法により測定される。
また、本発明の製造方法により得られる研磨液組成物のΔCV値は、スクラッチ及びパーティクルを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.1〜4%、さらにより好ましくは0.1〜3%、さらにより好ましくは、0.1〜2.5%である。
本発明の製造方法にて得られた研磨液組成物は、例えば、不織布の有機高分子系研磨布等(研磨パッド)と被研磨基板との間に供給され、即ち、研磨液組成物が研磨パッドを貼り付けた研磨盤で挟み込まれた基板研磨面に供給され、所定の圧力の下で研磨盤及び/又は基板を動かすことにより、基板に接触しながら研磨工程に用いられる。この研磨によりスクラッチ及びパーティクルの発生を顕著に抑えることができる。
前記研磨液組成物は、特に精密部品用基板の製造に好適である。例えば磁気ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、光ディスク、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板などの精密部品基板の研磨に適している。半導体基板の製造においては、シリコンウエハ(ベアウエハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において本発明の製造方法にて得られた研磨液組成物を用いることができる。
本発明の製造方法にて得られた研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えばラッピング工程等にも同様に適用することができる。
本発明の製造方法にて得られた研磨液組成物を用いる好適な被研磨物の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨物に好適である。例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板により適しており、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板がさらに適している。
被研磨物の形状には特に制限は無く、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状のものに本発明の研磨液組成物は用いられる。中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に優れている。
表面平滑性の尺度である表面粗さについては、その評価方法は限られないが、例えば原子間力顕微鏡(AFM)における波長10μm以下の短い波長で測定可能な粗さとして評価し、中心線平均粗さRaとして表すことができる(AFM-Ra)。本発明の研磨液組成物は、磁気ディスク基板の研磨工程、さらには研磨後の基板の表面粗さ(AFM-Ra)を2.0Å以下にする研磨工程に適している。
基板の製造工程において、複数の研磨工程がある場合、2工程目以降に本発明の製造方法にて得られた研磨液組成物を用いるのが好ましく、スクラッチ及びパーティクルを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられるのがより好ましい。仕上げ研磨工程とは、複数の研磨工程がある場合、少なくとも一つの最後の研磨工程を指す。
その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、各工程毎に基板を洗浄することが好ましい。なお、研磨機としては、特に限定されない。このようにして製造された基板は、スクラッチ及びパーティクルが顕著に低減されており、且つ表面平滑性に優れたものである。即ち、研磨後の表面粗さ(AFM-Ra)は、例えば1Å以下、好ましくは0.9Å以下、より好ましくは0.8Å以下である。
尚、本発明におけるろ過助剤含有フィルターを用いたろ過処理の後の研磨液組成物を用いた研磨工程に供する前の基板の表面性状は特に限定しないが、例えば、AFM−Raが10Å以下の表面性状を有する基板が適する。
かかる基板の製造において使用される研磨材としては、前記の本発明の研磨液組成物に使用されるものと同一のものであればよい。前記研磨工程は、複数研磨工程の中でも2工程目以降に行われるのが好ましく、仕上げ研磨工程に行われるのが特に好ましい。
以上のようにして、製造された基板は、表面平滑性に優れ、表面粗さ(AFM-Ra)が例えば1.0Å以下、好ましくは0.9Å以下、より好ましくは0.8Å以下のものが得られる。
また、製造された基板はスクラッチが極めて少ないものである。従って、該基板が、例えば、メモリーハードディスク基板である場合には、記録密度750GB/Disk(3.5インチ)、さらには1TB/Disk(3.5インチ)のものにも対応することができる。
1.[実施例1〜4、比較例1〜4]
珪藻土フィルターを用いて被処理シリカ分散液をろ過し、実施例1〜4及び比較例1〜4の製造方法で研磨液組成物を製造した。該研磨液組成物を使用して基板の研磨を行い、研磨後の基板表面を評価した。被処理シリカ分散液及び珪藻土フィルター並びにろ過方法及び各種パラメータの測定方法は以下のとおり。
<被処理シリカ分散液>
被処理シリカ分散液として、コロイダルシリカスラリーA(日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒径24nm、シリカ粒子濃度40重量%品、pH=10.0)及びコロイダルシリカスラリーB(日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒径50nm、シリカ粒子濃度40重量%品、pH=9.7)を用いた。
<コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径の測定方法>
まず、コロイダルシリカスラリーA又はBを固形分で1.5g分を200mLビーカーに採取し、イオン交換水100mLを加えてスターラーで混合する。次に、電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの塩酸標準溶液で試料溶液のpHを3.0に調整する。塩化ナトリウム30.0gを加えスターラーで溶解して、ビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えスターラーで混合する。恒温水槽(20±2℃)に約30分間浸漬する。電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定をおこない、pHが4.0から9.0に変化したときの水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(A)を読み取る。同時に空試験をおこない、空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(B)を読み取る。そして、下記計算式により平均粒子径(nm)を算出する。
平均粒子径(nm)= 3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(g)
<ΔCV値の測定方法>
測定試料は、ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する前(又は後)のコロイダルシリカスラリーを、硫酸(和光純薬工業社製 特級)、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、サーモスジャパン製)、過酸化水素水(旭電化製 濃度:35重量%)をイオン交換水で希釈した水溶液に添加し、これらを混合した後に1.20μmフィルター(ザルトリウス社製 Minisart 17593)でろ過して調製した。コロイダルシリカ、硫酸、HEDP、過酸化水素の含有量は、それぞれ、5重量%、0.4重量%、0.1重量%、0.4重量%とした。得られた測定試料20mLを専用の21φ円筒セルに入れて、大塚電子社製動的光散乱装置DLS−6500にセットした。同装置に添付された説明書に従い、200回積算した際の検出角90度におけるCumulant法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求めた。また、検出角90度におけるコロイダルシリカのCV値(CV90)を、上記測定法に従って測定した散乱強度分布における標準偏差を前記粒径で除して100をかけた値として算出した。前記CV90の測定法と同様に、検出角30度におけるコロイダルシリカのCV値(CV30)を測定し、CV30からCV90を引いた値を求め、シリカ粒子のΔCV値とした。
(DLS−6500の測定条件)
検出角:90°
Sampling time : 4(μm)
Correlation Channel : 256(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
検出角:30°
Sampling time : 10(μm)
Correlation Channel : 1024(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
<粗大粒子量の測定方法>
測定試料を、ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する前(又は後)のコロイダルシリカスラリーを6mLのシリンジで下記測定機器に注入し、粗大粒子量を測定した。
・測定機器:PSS社製「アキュサイザー780APS」
・インジェクション・ループ・ボリューム(Injection Loop Volume):1mL
・フローレート(Flow Rate):60mL/分
・データ・コレクション・タイム(Data Collection Time):60 sec
・チャンネル数(Number Channels):128
<フィルター通液量の測定方法>
測定試料を、ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する前(又は後)のコロイダルシリカスラリーを所定のフィルター(アドバンテック社製 親水性PTFE0.45μmフィルター、型式:25HP045AN)で、エアー圧力0.25MPaの一定圧力の下でフィルターに通液させ、フィルターが閉塞するまでの通液量を求めた。
<ろ過助剤の平均細孔径及び0.5μm以下の積算細孔容積の測定方法>
各ろ過助剤を4桁天秤で約0.1〜0.3g精秤し、水銀をヘキサンでよく洗浄した5cc粉末用測定セルにステム内やスリ部にサンプルを付着させないように入れ、AutoPoreIV-9500(島津製作所社製 水銀圧入法 細孔分布測定装置)にセルをセットした。次に、パソコンでアプリケーション(AutoPoreIV-9500 ver1.07)を立上げ、Sample Information(先に測定したろ過助剤の重量)、Analysis Condition(Standardを選択)、Penetrometer Property(セル重量)、Report condition(Standardを選択)に必要事項をInputし、測定を行った。低圧部、高圧部の順に測定を行い、自動的にMedian Pore Diameter (Volume)(μm)と各Pore Size Diameter(μm)に対するLog Differential Pore Volume(mL/g)の結果を得た。
(測定条件)
測定セル:Micromeritics社製 5cc-Powder(08-0444)
測定方式:圧力制御方式(圧力テーブルモード)
Low Pressure equilibrium time 5secs
High pressure equilibrium time 5secs
Hgに関するパラメータ:接触角:130°、表面張力:485dynes/cm
Stem Volume Used:100%以下で約50%にサンプル量を調整
(平均細孔径の算出方法)
Median Pore Diameter (Volume)をろ過助剤の平均細孔径(μm)とした。
(0.5μm以下の積算細孔容積の算出方法)
0.55μm以下のLog Differential Pore Volume(mL/g)の値を積算して0.5μm以下の積算細孔容積とした。
<ろ過助剤のレーザー平均粒径の測定方法>
各ろ過助剤をレーザー回折/散乱式粒度分布計(商品名LA−920、堀場製作所製)で測定して得られた体積基準のメジアン径として得られた値をレーザー平均粒径とした。
<ろ過助剤含有フィルターの作製>
(ろ過助剤)
ろ過助剤には、以下a〜gを用いた。
a:CelpureP65(レーザー平均粒径12.7μm、珪藻土、SIGMA-ALDRICH社製)
b:ラジオライト No.100(レーザー平均粒径15.7μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
c:ラジオライト DX-P5(レーザー平均粒径14.5μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
d:ラジオライト No.200(レーザー平均粒径13.9μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
e:ラジオライト No.500(レーザー平均粒径28.4μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
f:ラジオライト No.600(レーザー平均粒径21.9μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
g:ラジオライト New Ace(レーザー平均粒径31.6μm、珪藻土、昭和化学工業社製)
(酸処理)
上記a〜gの各ろ過助剤50gに17.5%塩酸水溶液200mLに加え、撹拌・混合する。撹拌を止めて48時間ほど静置した後、上澄みを除去する。イオン交換水を加えてスターラーで5分間撹拌し、上澄みが透明になるまで静置した後、上澄み液を除去し、ろ過助剤を洗浄した。この操作を上澄みが中性(pH=5〜8)になるまで繰り返した。最後にろ紙上にろ過して自然乾燥させ、酸処理したろ過助剤を得た。
(ろ過助剤を含有するフィルターの作製)
前記酸処理したろ過助剤10gに100mLのイオン交換水を加え、撹拌・混合しろ過助剤分散水溶液を得た。次に、90mmφの平板型SUS製ハウジング(住友3M社製INLET90−TL、有効ろ過面積55.4cm2)にろ紙(No.5A:アドバンテック社製、目開きと相関する保留粒子径は7μm、セルロース製)をセットし、0.1MPa以下の圧力でろ過助剤分散水溶液をろ過して濾紙上にろ過助剤の均一なケーク層を形成させた後、1〜2Lのイオン交換水で洗浄し、珪藻土含有フィルターを得た。
<コロイダルシリカA及びBのろ過>
前記珪藻土含有フィルターを乾燥させずに洗浄水で濡れたままの状態で、0.1MPaの圧力で前記コロイダルシリカスラリーA及びBを1L分ろ過し、研磨液組成物に使用するためのろ過済みコロイダルシリカを得た。
<フィルター通液量の測定方法>
上記ろ過により得られたろ過済みコロイダルシリカを所定のフィルター(アドバンテック社製 親水性PTFE0.45μmフィルター、型式:25HP045AN、)で、エアー圧力0.25MPaの一定圧力の下でフィルターに通液させ、フィルターが閉塞するまでの通液量を求めた。
<研磨液組成物の調製>
イオン交換水に、ベンゾトリアゾールNa塩を0.1重量%、N−アミノエチルエタノールアミンを0.03重量%、アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(モル比90/10、重量平均分子量2000、東亞合成社製)を0.02重量%、硫酸を0.4重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を0.05重量%、過酸化水素を0.4重量%添加、混合した水溶液の撹拌下に、前記珪藻土含有フィルターでろ過したろ過済みコロイダルシリカを5重量%になるように添加して、研磨液組成物を調製した(実施例1〜4及び比較例1〜4)。なおいずれの研磨液組成物もpHは1.4〜1.5であった。
<アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量の測定方法>
アニオン性水溶性高分子(アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩)の重量平均分子量は、下記測定条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
(GPC条件)
カラム:TSKgel G4000PWXL+TSKgel G2500PWXL(東ソー製)
ガードカラム:TSKguardcolumn PWXL(東ソー製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料サイズ:5mg/mL
検出器:RI
換算標準:ポリアクリル酸Na(分子量(Mp):11.5万、2.8万、4100、1250(創和科学及びAmerican Polymer Standards Corp.製))
上記のように実施例1〜4及び比較例1〜4の製造方法で製造した研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨し、純水によって洗浄を行って評価用基板を得た。この評価用基板のスクラッチ数及びパーティクル数を評価した。評価結果を下記表1に示す。研磨液組成物の調製方法、各パラメータの測定方法、研磨条件(研磨方法)、洗浄条件及び評価方法は以下のとおりである。被研磨基板として、アルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ粗研磨し、AFM−Raが5〜15Åとした、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキアルミニウム合金基板を用いた。
<研磨条件>
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨パッド:フジボウ社製、ウレタン製仕上げ研磨用パッド
・上定盤回転数:32.5r/分
・研磨液組成物供給量:100mL/分
・本研磨時間:4分
・本研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
<洗浄条件>
研磨した基板をヒカリ社製Sub基板洗浄機で、以下の工程で洗浄した。
(1)US(超音波)浸漬洗浄 (950kHz)
(2)スクラブ洗浄 スポンジブラシ3段
(3)USシャワー洗浄 (950kHz)
(4)スピンリンス
(5)スピンドライ
<スクラッチの測定条件>
・測定機器:KLA-Tencor社製 Candela OSA6100
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射してスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。
<パーティクルの測定条件>
・測定機器:KLA-Tencor社製 Candela OSA6100
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、その4枚の基板の各々両面にあるパーティクル数(個)の合計を8で除して、基板面当たりのパーティクル数を算出した。
Figure 0005833390
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4で得られた研磨液組成物は、比較例1〜4で得られた研磨液組成物に比べて、0.45μmフィルターの通液量が顕著に増加して処理前の10倍を超え、スクラッチ及びパーティクルを効果的に低減できることがわかる。
2.[実施例5、比較例5〜6]
デプス型フィルターと珪藻土含有フィルターとプリーツ型フィルターとを組み合わせたろ過システムで被処理シリカ分散液をろ過して研磨液組成物を製造した(実施例5)。また、デプス型フィルターの循環ろ過とプリーツ型フィルターとを組み合わせたろ過システムで2種類の被処理シリカ分散液をろ過して研磨液組成物を製造した(比較例5及び6)。各研磨液組成物を使用して基板の研磨を行い、研磨後の基板表面を評価した。特に記載のない場合は、下記表2に記載の各種パラメータの測定方法は、実施例1と同様とした。
<被処理シリカ分散液>
被処理シリカ分散液として、汎用コロイダルシリカスラリーC(日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒径24nm、粗大粒子量47.9×104個/mL、シリカ粒子濃度40重量%品、pH=9.9)、及び、コロイダルシリカスラリーCを遠心処理して粗大粒子量を低減したコロイダルシリカスラリーD(一次粒子の平均粒径24nm、粗大粒子量6.9×104個/mL、シリカ粒子濃度40重量%品、pH=9.9)を使用した。
<実施例5の研磨液組成物の製造方法>
実施例5の研磨液組成物に使用するろ過済みコロイダルシリカを得るためのろ過システムとして、1段目にデプス型フィルターを1本、2段目に珪藻土含有フィルター(ケークフィルター)を1本、3段目にプリーツ型フィルターを1本備え、これらのフィルターがこの順で3段直列に配置されたろ過システムを採用した。このろ過システムの概略図として図1を参照できる。被処理シリカ分散液であるコロイダルシリカスラリーCを前記ろ過システムで1パスろ過することにより、ろ過済みコロイダルシリカを得た。得られたろ過済みコロイダルシリカを用い、実施例1と同様にして、研磨液組成物を作製した。50LのコロイダルシリカスラリーCを小型ダイアフラムポンプで前記ろ過システムに通液させて処理するのに要した時間は、0.9時間(平均通液量は0.95L/分)であった(下記表2)。なお、使用したフィルターは下記のとおりである。
デプス型フィルター:長さ250mmの日本ポール社製「プロファイルII-003」(孔径0.3um)
、ポリプロピレン製
ケークフィルター:アドバンテック東洋社製多用途ディスクフォルダーKS-293-UH(有効ろ過面積:530cm2)にろ紙(No.5A:アドバンテック東洋社製、セルロース製)をセットし、前記珪藻土ろ過助剤a(酸処理なし)(100g)の水分散液をプレコートし均一なケーク層を形成させた後、10Lのイオン交換水でろ過助剤の洗浄を行って作製したフィルター。
プリーツ型フィルター:長さ250mmのアドバンテック東洋社製「TCS-045」(孔径0.45um)、ポリエーテルスルホン製
<比較例5の研磨液組成物の製造方法>
比較例5の研磨液組成物に使用するろ過済みコロイダルシリカを得るための1段目のろ過システムとして、デプス型フィルターを2本配置した循環ろ過システムを採用した。そして、2段目のろ過システムとしてプリーツ型フィルターを1本配置したろ過システムを採用した。このろ過システムの概略図として図2を参照できる。被処理シリカ分散液であるコロイダルシリカスラリーCを前記1段目のろ過システムで循環通液ろ過を行い、見掛け上8パス相当のろ過を行った。その後、前記2段目のろ過システムで1パスろ過することにより、ろ過済みコロイダルシリカを得た。得られたろ過済みコロイダルシリカを用い、実施例1と同様にして、研磨液組成物を作製した。50LのコロイダルシリカスラリーCを小型ダイアフラムポンプで前記1段目のろ過システムに循環通液させ見掛け上8パス相当のろ過をするのに要した時間は、3.3時間(平均通液量は2.0L/分)であった。また、前記2段目のろ過システムを1パスでろ過するのに要した時間は0.4時間であった。したがって、1段目及び2段目のろ過で要した時間はトータル3.7時間であった(下記表2)。なお、使用したデプス型及びプリーツ型フィルターは実施例5と同じである。
<比較例6の研磨液組成物の製造方法>
被処理シリカ分散液であるコロイダルシリカスラリーCに換えてコロイダルシリカスラリーDを使用したほかは、比較例5と同様にして研磨液組成物を作製した。50LのコロイダルシリカスラリーDを小型ダイアフラムポンプで前記1段目のろ過システムに循環通液させ見掛け上8パス相当のろ過をするのに要した時間は、3.3時間(平均通液量は2.0L/分)であった。また、前記2段目のろ過システムを1パスでろ過するのに要した時間は0.4時間であった。したがって、1段目及び2段目のろ過で要した時間はトータル3.7時間であった(下記表2)。
上記のように実施例5及び比較例5〜6の製造方法で製造した研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨を行い、研磨後の基板のスクラッチ数及びパーティクル数を評価した。評価結果を下記表2に示す。被研磨基板、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は、実施例1と同様である。
Figure 0005833390
比較例6は、汎用コロイダルシリカのスラリー(スラリーC)に付加的な処理(例えば、遠心分離処理)を施したシリカスラリー(スラリーD)を、デプス型フィルターの循環ろ過システムでろ過することを含む従来の研磨液組成物の製造方法である。一方、実施例5は、比較例6のデプス型フィルターの循環ろ過システムに換え、デプス型フィルターと珪藻土含有フィルターとを組み合せたろ過システムを採用する研磨液組成物の製造方法である。表2の結果から明らかなように、実施例5の製造方法によれば、従来の製造方法(比較例6)で製造された研磨液組成物と同等又はそれ以上の品質(粗大粒子量、スクラッチ、及びパーティクルの低減)の研磨液組成物を、生産性よく製造できる。すなわち、実施例5の製造方法は、汎用コロイダルシリカスラリー(スラリーC)を付加的な処理(例えば、遠心分離処理)を施すことなくそのまま使用できるため、コストや時間を低減可能であり、生産性が向上する。表2の結果から明らかなように、従来の製造方法(比較例6)で付加的な処理を施したシリカスラリー(スラリーD)に換えて汎用コロイダルシリカスラリー(スラリーC)を使用すると、製造される研磨液組成物の品質が大きく低下する(比較例5)。また、実施例5の製造方法は、デプス型フィルターの循環ろ過(比較例5及び6)に換えて1パスろ過とすることができるから、研磨液組成物の製造に掛かる時間を大きく低減することができ、生産性が向上する。
3.[実施例6〜8]
実施例5のデプス型フィルターとしてろ過処理量の履歴が異なるデプス型フィルターを用いたこと以外は実施例5と同様な製造方法で、研磨液組成物を製造した(実施例6〜8)。また、デプス型フィルターを使用しないこと以外は実施例5と同様な製造方法で、研磨液組成物を製造した(比較例7)。各研磨液組成物を使用して基板の研磨を行い、研磨後の基板表面を評価した。特に記載のない場合は、下記表3に記載の各種パラメータの測定方法は、実施例1と同様とした。
<被処理シリカ分散液>
被処理シリカ分散液として、汎用コロイダルシリカスラリーE(日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒径24nm、粗大粒子量55.3万個/mL、シリカ粒子濃度40重量%品、pH=9.9)を使用した。
<実施例6〜8の研磨液組成物の製造>
実施例6〜8の研磨液組成物に使用するろ過済みコロイダルシリカを得るためのろ過システムとして、1段目にデプス型フィルターを1本、2段目に珪藻土含有フィルター(ケークフィルター)を1本、3段目にプリーツ型フィルターを1本備え、これらのフィルターがこの順で3段直列に配置されたろ過システムを採用した。このろ過システムの概略図として図1を参照できる。被処理シリカ分散液であるコロイダルシリカスラリーEを前記ろ過システムで1パスろ過することにより、ろ過済みコロイダルシリカを得た。得られたろ過済みコロイダルシリカを用い、実施例1と同様にして、研磨液組成物を作製した。使用したデプス型フィルター、珪藻土含有フィルター、及びプリーツ型フィルターは、実施例5と同様である。但し、デプス型フィルターは、実施例6、7,8の順で、ろ過処理量の履歴が多いものを使用した。デプス型フィルターは使用履歴(ろ過処理量履歴)が多くなるにつれ、粗大粒子の除去能力が低下していく。すなわち、1段目のデプス型フィルターろ過後のシリカ分散液中に含まれる粗大粒子は、実施例6、7,8の順で増加する(下記表3)。これらのデプス型フィルターを使用した場合に、2段目の珪藻土フィルターが閉塞するまでに処理できる量を測定し、その結果を下記表3に示す。
<比較例7の研磨液組成物の製造>
比較例7の研磨液組成物に使用するろ過済みコロイダルシリカを得るためのろ過システムとして、1段目に珪藻土含有フィルター(ケークフィルター)を1本、2段目にプリーツ型フィルターを1本備え、これらのフィルターがこの順で2段直列に配置されたろ過システムを採用した。すなわち、被処理シリカ分散液であるコロイダルシリカスラリーEを、デプス型フィルターでろ過することなく、1段目のケークフィルターに導入して1パスろ過することにより、ろ過済みコロイダルシリカを得た。得られたろ過済みコロイダルシリカを用い、実施例1と同様にして、研磨液組成物を作製した。使用した珪藻土含有フィルター、及びプリーツ型フィルターは、実施例5と同様である。1段目のケークフィルターが閉塞するまでに処理できる量を測定し、その結果を下記表3に示す。
上記のように実施例6〜8及び比較例7の製造方法で製造した研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨を行い、研磨後の基板のスクラッチ数及びパーティクル数を評価した。評価結果を下記表3に示す。被研磨基板、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は、実施例1と同様である。
Figure 0005833390
表3の実施例6〜8と比較例7の結果を比べると、デプス型フィルターによるろ過により、珪藻土含有フィルターの寿命が向上することが分かる。さらに、デプス型フィルターによって取り除かれる粗大粒子の量が多いほど(すなわち、珪藻土含有フィルターに導入されるシリカ分散液中の粗大粒子量が少ないほど)、珪藻土含有フィルターの寿命が向上することが分かる。例えば、1段目のデプス型フィルター処理後のシリカ分散液中の粗大粒子量が10.0×104個/mL以下になると(実施例6及び7)、粗大粒子量が10.0×104個/mL以上の場合(実施例8)に比べ、珪藻土含有フィルターの寿命が大幅に向上し、研磨液組成物の生産性向上に寄与できる。
本発明の製造方法により製造される研磨液組成物は、例えば、高密度化又は高集積化用の精密部品基板の研磨工程に用いることができる。

Claims (10)

  1. 一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、ろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程を有する研磨液組成物の製造方法であって、前記ろ過助剤は水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであり、かつ水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積が2.5mL/g以上である、研磨液組成物の製造方法。
  2. ろ過助剤が珪藻土である、請求項1記載の研磨液組成物の製造方法。
  3. 下記工程1及び2を有する、請求項1又は2に記載の研磨液組成物の製造方法。
    工程1)一次粒子の平均粒子径が1〜100nmのコロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、粒子径が0.5μm以上の粗大粒子量が11.0×104個/mL以下になるようにろ過処理する工程。
    工程2)工程1で得られたシリカ分散液を、水銀圧入法による平均細孔径が0.1〜3.5μmであるろ過助剤を含むフィルターでろ過処理する工程。
  4. 前記工程1におけるろ過処理が、デプス型フィルターを用いたろ過処理である、請求項記載の研磨液組成物の製造方法。
  5. さらに下記工程3を有する、請求項又はに記載の研磨液組成物の製造方法。
    工程3)前記工程2で得られたシリカ分散液を、プリーツ型フィルターでろ過処理する工程。
  6. 前記工程1及び前記工程2におけるろ過処理を1パスで行う、請求項からのいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
  7. 前記被処理シリカ分散液における粒子径が0.5μm以上の粗大粒子量が、20.0×104個/mL以上である、請求項1からのいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
  8. 得られる研磨液組成物における粒子径が0.5μm以上の粗大粒子の含有量が、0.5×104〜10×104個/mLである、請求項1からのいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
  9. さらに、酸と、酸化剤と、アニオン性基を有する水溶性高分子と、複素環芳香族化合物と、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物とを、被処理シリカ分散液又はろ過処理後のシリカ分散液に混合する工程を含む、請求項1から8のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法
  10. 請求項1から9いずれか記載の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、
    前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、磁気ディスク基板の製造方法。
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