JP2015127987A - 研磨液組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる研磨液組成物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の研磨液組成物の製造方法は、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、濾過助剤を含むフィルタで濾過処理する工程含む。前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNH3の吸着量は1.0?10−2mmol/g以上である。コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)は、1.20?10−3以上4.10?10−3以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、研磨液組成物の製造方法、研磨液組成物、磁気ディスク基板の製造方法等に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小型化が求められ、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、磁気ディスク用基板の製造工程においても研磨後に要求される表面品質は年々厳しくなってきている。即ち、ヘッドの低浮上化に応じて、表面粗さ、微小うねり、ロールオフ及び突起を低減する必要があり、単位記録面積の減少に応じて、許容される基板面当たりのスクラッチ数は少なく、その大きさと深さはますます小さくなってきている。
また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレジストに露光する際の焦点深度が浅くなり、より一層の表面平滑性が望まれている。
このような要求に対して、表面平滑性の向上を目的に、被研磨物の表面に生じる傷(スクラッチ)の低減を図るべく、遠心分離や多段濾過を用いて粗大粒子数を低減した研磨液組成物及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。また、シリカゾルを珪藻土フィルタに通過させる研磨用シリカゾルの製造方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4)。
特開2006−075975号公報 特開2006−136996号公報 特開2012−086357号公報 特開2007−099586号公報
より高容量、高集積といった高密度化に対応するためには、基板表面のスクラッチ数をより低減する必要がある。スクラッチの原因の一つは、コロイダルシリカに含まれる粗大粒子やゲル化物である。市場に供給されている一般的なコロイダルシリカは、粗大粒子やゲル化物を含む。従来の粗大粒子やゲル化物の除去方法では、研磨材分散液原料を遠心分離や多段濾過で処理する必要があるため、生産時間が長く、高コストとなる。
本発明の一態様は、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液中の粗大粒子やゲル化物の効率的な除去を可能とすることにより、濾過精度が高く、研磨後の基板表面のスクラッチ数を低減可能とする、研磨液組成物の製造方法に関する。
本発明は、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、濾過助剤を含むフィルタで濾過処理する工程を含む研磨液組成物の製造方法(以下、「本開示にかかる研磨液組成物の製造方法」ともいう。)に関する。本開示にかかる研磨液組成物の製造方法において、前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上であり、コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法により製造される又はされうる研磨液組成物に関する。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法により得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給して、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法により得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給して、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、被研磨基板の研磨方法に関する。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤に関し、アンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上の珪藻土を含む濾過助剤に関する。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤の製造方法に関し、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と酸水溶液とを混合した後、前記珪藻土に対して脱酸処理をする工程、を含む濾過助剤の製造方法に関する。
本発明は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤の製造方法に関し、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と固体酸触媒とを水中で撹拌及び混合し、得られた混合液を静置した後、珪藻土を混合液から分離する工程を含む、濾過助剤の製造方法に関する。
本開示によれば、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液中の粗大粒子やゲル化物の効果的な除去を可能とすることにより、濾過精度が高く、研磨後の基板表面のスクラッチ数の低減を可能とする研磨液組成物を製造できるという効果が奏されうる。
本発明では、濾過助剤を含むフィルタ(以下「濾過助剤含有フィルタ」とも呼ぶ。)中の濾過助剤として、アンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量によって定量される酸点(正(+)の電荷を帯びた活性点)が、所定の量に制御された濾過助剤を用いている。そのため、粗大粒子及びゲル化物の濾過助剤含有フィルタによる濾過精度が高い。故に、本発明の研磨液組成物の製造方法によって製造された研磨液組成物を用いれば、研磨後の基板表面のスクラッチを低減できる。
本開示において「粗大粒子」とは、粒子径が0.5μm以上の粗大なコロイダルシリカ粒子をいう。また、本開示において「ゲル化物」とは、粒子径が0.05〜0.5μmのシリカ凝集体のことをいう。研磨液組成物中の粗大粒子及びゲル化物の量は、後述する「0.45μmフィルタ通液量」により評価できる。
本開示において「スクラッチ」とは、メモリーハードディスク基板又は半導体素子用基板において高密度化又は高集積化に重要となる物性であり、深さが1nm以上、100nm未満、幅が5nm以上、500nm未満、長さが100μm以上の基板表面の微細な傷である。このスクラッチは、後述の実施例に記載の光学式全面欠陥検査機(OSA6100:KLA−Tencor製)を用いて検出できる。
本開示において、「濾過精度」とは、濾過助剤含有フィルタによって粗大粒子及びゲル化物が濾過される程度を意味し、「濾過精度」が高いとは、濾過助剤含有フィルタによる粗大粒子及びゲル化物の捕捉率が高いことを意味する。「濾過精度」は、研磨液組成物又はシリカ分散液を、一定の圧力下で所定の濾過助剤含有フィルタに通液させることによって測定される、当該濾過助剤含有フィルタが閉塞するまでの通液量(g)によって評価できる。当該通液量はマイクロフィルトレーション値(MF値)として表すことができる。通液量が多いほど、即ちMF値が大きいほど、研磨液組成物又はシリカ分散液に、粗大粒子及びゲル化物が混入しておらず、濾過精度が高いことを意味する。故に、前記MF値とスクラッチ数との間には、概ねMF値が大きいほどスクラッチ数も少なくなる、という相関がある。MF値が大きいシリカ分散液は、スクラッチ数の低減が可能なシリカ分散液であると言える。また、MF値が大きいシリカ分散液を用いて調製された研磨液組成物は、スクラッチ数の低減が可能な研磨液組成物であると言える。
本発明におけるスクラッチ数の低減のメカニズムは、以下のように推定される。コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液からコロイダルシリカの粗大粒子及びゲル化物を、濾過助剤含有フィルタを用いて除去する場合、濾過助剤含有フィルタの濾過助剤自体に存在するサブミクロンの小孔、又は濾過助剤含有フィルタが濾過助剤層(ケーク層)を含む場合に当該濾過助剤層の内部の濾過助剤によって形成される粒子間間隙等により、前記粗大粒子及びゲル化物が捕捉される。しかし、本発明では、従来から用いられている濾過助剤よりも、その表面の酸点密度が高く、アンモニア昇温脱離法により求められるNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上の濾過助剤を用いる。そのため、濾過助剤の酸点と前記粗大粒子及びゲル化物が有する負電荷との静電相互作用の頻度が、本発明で用いる濾過助剤では、従来から用いられている濾過助剤よりも高い。故に、本発明では、前記小孔や前記粒子間間隙等の物理障壁による捕捉が、前記相互作用により助長されて、前記粗大粒子及びゲル化物の捕捉がより効果的に行われる。その結果、研磨液組成物及びシリカ分散液の前記濾過精度は高くなり、スクラッチ数の低減が可能となったと考えられる。このスクラッチ数の低減効果は、コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である場合にのみ発現する。但し、本発明は、これらのメカニズムに限定して解釈されない。
[濾過助剤]
本開示にかかる研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤としては、一又は複数の実施形態において、珪藻土、シリカ、カオリン、酸性白土、パーライト、ベントナイト、タルク等の不溶性の鉱物性物質が挙げられる。粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、前記濾過助剤のうち、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライトが好ましく、珪藻土、パーライトがより好ましく、珪藻土が更に好ましい。
濾過助剤(好ましくは珪藻土)のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量(以下、「NHの吸着量」と略称する場合もある。)は、濾過精度の向上の観点から、1.0×10−2mmol/g以上であり、1.5×10−2mmol/g以上が好ましく、2.0×10−2mmol/g以上がより好ましく、生産性向上の観点から、9.9×10−1mmol/g以下が好ましく、5.0×10−1mmol/g以下がより好ましい。NHの吸着量は、実施例に記載の方法により求めることができる。アンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量によって定量される酸点密度の制御は、下記のとおり行える。
珪素土の酸点密度を高くする場合は、例えば、市販の珪藻土と、酸水溶液とを十分に混合した後、当該混合液を所定時間静置し次いで脱酸処理をする。又は、例えば、市販の珪藻土と添加剤とを水中で撹拌及び混合し、当該混合液を所定時間静置した後、珪藻土を混合液から分離する。これらの方法によれば、濾過助剤について、平均細孔径、細孔容積及びCV値等の物性を変化させることなく、濾過助剤の表面に酸点を導入することができる。
脱酸処理では、珪藻土をイオン交換水又は超純水で洗浄し、当該洗浄を、洗浄に用いたイオン交換水又は超純水がほぼ中性になるまで繰り返す。具体的には、静置後の珪藻土と酸水溶液とを含む混合液から上澄み液を除去した後、上澄み液が除去された混合液の残渣(珪藻土)にイオン交換水又は超純水を加えて十分に撹拌及び混合する。次いで、混合液を所定時間静置した後、静置後の混合液から上澄み液を除去する。この操作を上澄み液が中性(pH=5〜8)になるまで繰り返す。前記のイオン交換水又は超純水による珪藻土の洗浄後、珪藻土をろ紙上に濾過し、例えば自然乾燥により珪藻土を乾燥させることにより、酸処理がなされていない珪藻土よりも酸点密度が高い珪藻土が得られる。酸点密度は、酸水溶液における酸の濃度や酸水溶液への珪藻土の浸漬時間等により制御できる。
前記酸水溶液の調整に用いられる酸は、一又は複数の実施形態において、濾過精度の向上とスクラッチ数の低減の観点から、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、シュウ酸、及びクエン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、よりMF値が大きいシリカ分散液を得る観点から、キレート作用を有するクエン酸及びシュウ酸のうちの少なくとも一方が好ましい。
前記酸水溶液中の酸の濃度は、十分な金属種の溶出量を確保して酸点密度を高める観点から、0.05mol/L以上が好ましく、0.1mol/L以上がより好ましく、0.15mol/L以上が更に好ましく、金属種の過剰な溶出を抑制する観点から、2.0mol/L以下が好ましく、1.0mol/L以下がより好ましい。
前記酸水溶液中の酸の量は、十分な金属種の溶出量を確保して酸点密度を高める観点から、例えば0.3mol/Lの酸水溶液を用いる場合は、混合される珪藻土100質量部に対して、200質量部以上が好ましく、500質量部以上がより好ましく、10000質量部以上が更に好ましい。
珪素土フィルターの酸点密度を高くするために使用される前記添加剤としては固体酸触媒が挙げられ、例えば、金属触媒、ゼオライト、強酸基を表面修飾させた金属酸化物、表面にメチルスルホン酸基を修飾させたシリカゲル粒子等の酸で表面処理されたシリカゲル粒子が挙げられる。
珪素土と添加剤とが添加された水を、十分に攪拌しこれらを混合した後、混合液を所定時間静置する。添加剤の好ましい添加量は、添加剤の種類に応じて異なるが、例えば、珪藻土100質量部に対して3質量部以上であると好ましい。また、静置時間は、反応性にもよるので一概にいえないが、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上行うと好ましい。上限は特に拘らないが、効率を考えると2時間以内が好ましい。その後、珪藻土をイオン交換水又は超純水で洗浄し、当該洗浄を、洗浄に用いたイオン交換水又は超純水がほぼ中性になるまで繰り返す。具体的には、静置後の混合液から上澄み液を除去した後、上澄み液が除去された混合液の残渣(珪藻土)にイオン交換水又は超純水を加えて十分に撹拌・混合する。この操作を上澄み液が中性(pH=5〜8)になるまで繰り返す。前記のイオン交換水又は超純水による珪藻土の洗浄後、珪藻土をろ紙上に濾過し、例えば自然乾燥により珪藻土を乾燥させることにより、添加剤による処理がなされていない珪藻土よりも酸点密度が高い珪藻土が得られる。酸点密度は、添加剤の添加量や、静置時間等により制御できる。
〔濾過助剤の粒径分布のCV値〕
本開示において「濾過助剤の粒径分布のCV値」とは、粒度分布の広がりを表す指標となる数値であって、CV値(%)=標準偏差/平均粒径 の式で求められる値をいう。一又は複数の実施形態において、CV値は、濾過助剤をレーザ回折/散乱式粒度分布計で測定して得られた算術標準偏差を体積基準のメジアン径として得られた値で割った値の割合(%)として求められ、本開示においては、検出角90°におけるMarquardt法によって得られる散乱強度分布の測定により算出される値とした。具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
濾過助剤の粒径分布のCV値は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、85%以上が更により好ましく、入手容易性の観点から、100%以下が好ましく、99%以下がより好ましい。
〔濾過助剤のレーザ平均粒子径〕
本開示において、濾過助剤の「レーザ平均粒子径」とは、レーザ式粒度分布測定装置により測定される濾過助剤の平均粒子径であり、本開示においては、検出角90°におけるMarquardt法によって得られる散乱強度分布の測定により算出される値とした。濾過助剤のレーザ平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
濾過助剤のレーザ平均粒子径は、粗大粒子及びゲル化物の低減及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは4.5μm以上、更により好ましくは8μm以上、更により好ましくは10μm以上であり、同様の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下、更により好ましくは40μm以下、更により好ましくは20μm以下、更により好ましくは13μm以下である。
〔濾過助剤の平均細孔径〕
前記濾過助剤の水銀圧入法による平均細孔径は、スクラッチ及びパーティクルの低減の観点並びに研磨液組成物の生産性向上の観点から、好ましくは0.1〜3.5μm、より好ましくは0.1〜3.0μm、更に好ましくは0.1〜2.7μm、更により好ましくは0.1〜2.6μmである。尚、本発明において「水銀圧入法による平均細孔径」とは、濾過助剤粒子の容積基準の細孔径の平均値である。
〔コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径の比〕
被処理シリカ分散液のコロイダルシリカの滴定法によって求めた一次粒子の平均粒子径と濾過助剤のレーザ平均粒子径の比(コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)(以下、「シリカ/濾過助剤の平均粒径比」ともいう。)は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、1.20×10−3以上であり、1.35×10−3以上が好ましく、1.40×10−3以上がより好ましく、1.43×10−3以上が更に好ましい。また、シリカ/濾過助剤の平均粒径比は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、4.10×10−3以下であり、3.80×10−3以下が好ましく、3.00×10−3以下がより好ましく、2.50×10−3以下が更に好ましく、2.00×10−3以下が更により好ましく、1.50×10−3以下が更により好ましい。
〔濾過助剤の窒素吸着法による0.15μm以下の積算細孔容積〕
濾過助剤の窒素吸着法による細孔径0.15μm以下の積算細孔容積は、スクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、好ましくは0.3mL/g以上であり、より好ましくは0.4mL/g以上、更に好ましくは0.6mL/g以上である。また、前記積算細孔容積は、研磨液組成物の生産性向上の観点から、好ましくは100.0mL/g以下、より好ましくは50.0mL/g以下、更に好ましくは10.0mL/g以下である。尚、濾過助剤の0.15μm以下の積算細孔容積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔濾過助剤の水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積〕
前記濾過助剤の水銀圧入法による細孔径0.5μm以下の積算細孔容積は、スクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、好ましくは2.5mL/g以上、より好ましくは2.7mL/g以上、更に好ましくは3.0mL/g以上、更により好ましくは4.0mL/g以上、更により好ましくは4.5mL/g以上である。また、研磨液組成物の生産性向上の観点からは、前記濾過助剤の水銀圧入法による細孔径0.5μm以下の積算細孔容積は、好ましくは1000mL/g以下、より好ましくは100mL/g以下、更に好ましくは50mL/g以下、更により好ましくは20mL/g以下、更により好ましくは10mL/g以下である。尚、濾過助剤の「水銀圧入法による0.5μm以下の積算細孔容積」とは、水銀圧入法による濾過助剤粒子の容積基準の細孔分布における0.5μm以下の細孔容積の総和であり、実施例に記載の方法により測定することができる。
[被処理シリカ分散液]
本開示において「被処理シリカ分散液」は、濾過助剤含有フィルタによる濾過処理に供される前のシリカスラリー(シリカ分散液)をいう。被処理シリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、コロイダルシリカと水とからなるもの、更に他の成分を含むもの、又は、汎用コロイダルシリカのスラリーが挙げられる。被処理シリカ分散液は、その他の実施形態において、後述の研磨液組成物に配合され得る他の成分を混合して製造されたものが挙げられる。被処理シリカ分散液の状態としては、コロイダルシリカが分散した状態が好ましい。
本開示にかかる研磨液組成物の製造方法においては、被処理シリカ分散液を前記濾過助剤を含むフィルタ(本開示において「濾過助剤含有フィルタ」ともいう。)を用いた濾過に供することで、研磨液組成物を製造することができる。具体的には、コロイダルシリカ、水及び酸や酸化剤などの他の成分を混合して製造された被処理シリカ分散液を前記濾過に供したり、或いは、コロイダルシリカ及び水を含有した被処理シリカ分散液を前記濾過に供した後、得られた濾過物(シリカ分散液)に他の成分を混合したりすることで研磨液組成物を製造することができる。研磨液組成物を製造するにあたり作業が容易である観点から、コロイダルシリカ及び水を含有した被処理シリカ分散液を前記濾過に供した後、得られた濾過物(シリカ分散液)を他の成分と混合する研磨液組成物の製造方法が好ましい。
〔コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径〕
被処理シリカ分散液のコロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、特に言及の無い場合、滴定法によって求められた一次粒子の平均粒子径をいう。滴定法による一次粒子の平均粒子径の測定は、具体的には次に記載の通りである。まず、コロイダルシリカスラリーに水を加えて混合液を得る。次に、電位差滴定装置を用いて、塩酸標準溶液等で前記混合液のpHを調整する(例えばpH3.0)。次に、pH調整された混合液に塩化ナトリウムと水とを混合して、塩化ナトリウムを溶解させ、得られた試料液を恒温水槽内に十分に浸漬させる。次いで、電位差滴定装置を用いて、標準溶液(水酸化ナトリウム溶液等)で滴定を行う。試料液のpHが4.0から9.0まで変化するときに使用された標準溶液の溶質量(g)(A)を読み取り、試料液にコロイダルシリカスラリーを入れない場合の滴定に要した標準溶液の溶質量(g)(B)も読み取る。そして、下記計算式により平均粒子径(nm)を算出する。
平均粒子径(nm)=3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(コロイダルシリカ固形分量)(g)
被処理シリカ分散液のコロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、研磨用途によっても異なるが、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、好ましくは1.0nm以上、より好ましくは5.0nm以上、更に好ましくは10nm以上、更により好ましくは12nm以上であり、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは100nm以下、更により好ましくは50nm以下である。一又は複数の実施形態において、本開示における被処理シリカ分散液、研磨液組成物は、上述の範囲の一次粒子の平均粒子径のコロイダルシリカを含有するものをいう。
本開示において使用されるコロイダルシリカは、例えば珪酸水溶液から生成させる製法によって得ることができる。また、これら研磨粒子を官能基で表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の研磨材で複合粒子化したもの等も用いることができる。
前記被処理シリカ分散液中のコロイダルシリカの含有量は、スクラッチを低減する観点及び生産性を向上する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更により好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは43質量%以下、更により好ましくは40質量%以下である。
前記被処理シリカ分散液の25℃におけるpHは、一又は複数の実施形態において、粗大粒子の発生抑制及びコロイダルシリカの安定性向上の観点から、好ましくは8.5以上、より好ましくは8.8以上、更に好ましくは9.0以上であり、また、好ましくは11以下、より好ましくは10.8以下、更に好ましくは10.5以下である。前記被処理シリカ粒子分散液のpHは、公知のpH調整剤によって調整することができる。好ましいpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。
[濾過助剤含有フィルタ]
本開示にかかる研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤含有フィルタは、前記濾過助剤をフィルタ表面及び/又はフィルタ内部に含有するものであれば特に制限されない。本開示にかかる研磨液組成物の製造方法において、例えば、プレコートに更にボディーフィードを組み合わせて用いてもよい。JIS3801に規定された方法によって測定されるフィルタ目開きは、濾過助剤の漏れを防ぐ観点から、15μm以下が好ましく、より好ましくは12μm以下、更に好ましくは10μm以下、更により好ましくは8μm以下である。また、フィルタ通液速度向上の観点から、フィルタ目開きは、0.5μm以上が好ましく、更に好ましくは1.0μm以上、更により好ましくは3.0μm以上、更により好ましくは5.0μm以上である。ここでプレコートとは、ケーク濾過フィルタの形成方法であり、後述のフィルタ材料(ろ紙等の基材)の上に厚さ数mm程度の濾過助剤の薄い層を形成することである。例えば、水に濾過助剤粒子を分散させ、濾材で濾過助剤をこしとり濾過助剤層を形成する手法が挙げられる。又、ボディーフィードとは、濾過の際にケーク濾過される原液に濾過助剤を一定量投入しながら濾過処理する方法であり、目的は、原液の濾過性の改善である。粒径が細かくすぐにケーク抵抗が極大化する(濾過ができなくなる)ような原液に対して有効である。
前記濾過助剤含有フィルタにおける濾過助剤の含有量(g/cm)は、スクラッチ低減の観点から、好ましくは0.001g/cm以上、より好ましく0.005g/cm以上、更に好ましくは0.01g/cm以上、更により好ましくは0.02g/cm以上、更により好ましくは0.04g/cm以上、更により好ましくは0.1g/cm以上である。また、濾過速度向上の観点からは、好ましくは1g/cm以下、より好ましくは0.8g/cm以下、更に好ましくは0.6g/cm以下、更により好ましくは0.4g/cm以下、更により好ましくは0.3g/cm以下、更により好ましくは0.2g/cm以下である。
前記濾過助剤含有フィルタのフィルタ材料としては、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート、ナイロン、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)等のプラスティック、セラミック、金属メッシュ等が挙げられるが、スクラッチ低減の観点から、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート、ナイロン、ポリカーボネート又はテフロン(登録商標)製のプラスティックメッシュが好ましく、ろ紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、セルロースアセテート又はナイロン製のプラスティックメッシュがより好ましく、ろ紙、ポリエチレン又はポリプロピレン製のプラスティックメッシュが更に好ましい。
前記濾過助剤含有フィルタの形状は特に限定されないが、取り扱い易さ、スクラッチ低減の観点から、シート型、円筒型、円盤型、折込型が好ましく、シート型、円盤型、折込型がより好ましく、円盤型、折込型が更に好ましい。
[濾過処理工程]
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法において、濾過助剤含有フィルタで濾過処理する工程の条件のうちの濾過圧は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、0.16MPa以上が好ましく、より好ましくは0.18MPa以上、更に好ましくは0.20MPa以上である。濾過処理工程の濾過圧力は、同様の観点から、0.50MPa以下が好ましく、より好ましくは0.45MPa以下、更に好ましくは0.40MPa以下、更により好ましくは0.30MPa以下である。尚、本開示において「濾過圧力」とは、濾過助剤に掛かる単位面積当たりの圧力であって、一又は複数の実施形態において、レギュレーターで出力圧力を調整することにより調節できる。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法において、濾過助剤含有フィルタで濾過処理する工程の条件のうちの濾過流量は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、10.0g/(分・m)以上が好ましく、より好ましくは12.0g/(分・m)以上、更に好ましくは14.0g/(分・m)以上である。濾過処理工程の濾過流量は、同様の観点から、40.0g/(分・m)以下であると好ましく、より好ましくは38.0g/(分・m)以下、更に好ましくは36.0g/(分・m)以下である。尚、本開示において「濾過流量」とは、単位面積当たりに濾過される時間あたりの重量であって、一又は複数の実施形態において、濾過器出口である2次側の弁を調整することにより調節できる。
濾過助剤含有フィルタの段数は、濾過精度向上と生産性向上の両立の観点から、1〜5段が好ましく、1〜3段がより好ましく、1〜2段が更に好ましい。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法では、研磨液組成物の製造に従来から用いられているデプス型フィルタやプリーツ型フィルタをさらに組み合わせて使用することが、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から好ましい。
本開示にかかる研磨液組成物の製造方法は、一又は複数の実施形態において、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、被処理シリカ分散液を、デプス型フィルタで濾過した後、濾過助剤含有フィルタで濾過処理することが好ましく、濾過助剤含有フィルタで濾過した後、更にプリーツ型フィルタで濾過することがより好ましい。デプス型フィルタで特に大きな粗大粒子を除去することで、濾過助剤含有フィルタの優れた性能がさらに顕著に発揮され、効率的な粗大粒子及び澱の除去を可能にすると推定される。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法に用いられるデプス型のフィルタの具体例としては、バッグ式(住友スリーエム社等)の他、カートリッジ式(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)のフィルタが挙げられる。
デプス型フィルタとは、濾過材の孔構造が、入口側で粗く、出口側で細かく、且つ入口側から出口側へ向かうにつれて連続的に又は段階的に細かくなる特徴を持つ。即ち、粗大粒子の中でも大きな粒子は入口側付近で捕集され、小さな粒子は出口側付近で捕集されるため、効果的な濾過が可能である。デプス型フィルタの形状は、袋状のバッグタイプでもよく、また、中空円筒形状のカートリッジタイプでもよい。また、前記特徴を有する濾過材を単にヒダ状に成形加工したものは、デプス型フィルタの機能を有するためデプス型フィルタに分類される。デプス型フィルタは、1段で用いてもよく、多段で組み合わせて(例えば直列配置で)用いてもよいが、生産性向上の観点からは、孔の径が異なるフィルタを孔が大きい順番に多段にすることが好ましい。また、バッグタイプとカートリッジタイプとを組み合わせて用いてもよい。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法に用いられるプリーツ型フィルタとしては、一般に濾過材をヒダ状(プリーツ状)に成形加工して、中空円筒形状のカートリッジタイプ式にしたもの(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)を用いることができる。プリーツ型フィルタは、厚み方向の各部分で捕集するデプス型フィルタと異なり、濾過材の厚みが薄く、フィルタ表面での捕集が主体と言われており、一般的に濾過精度が高いことが特徴である。プリーツ型フィルタは、1段で用いてもよく、多段で組合せて(例えば直列配置で)用いてもよい。
濾過処理工程全体では、デプス型フィルタによる濾過、濾過助剤含有フィルタによる濾過、プリーツ型フィルタによる濾過の順に行うと、フィルタの寿命を全体として長くでき、本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液を経済的に生産できるため好ましい。
濾過処理方法としては、繰り返し濾過する循環式でもよく、1パス方式でもよい。また、1パス方式を繰り返すバッチ式を用いてもよい。通液方法は、加圧するために、循環式では好ましくはポンプが用いられ、1パス方式ではポンプを用いる他に、タンクに空気圧等を導入することでフィルタ入口圧力の変動幅が小さい加圧濾過法を用いることが出来る。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液の製造方法において、前記デプス型フィルタやプリーツ型フィルタを用いる他、一般的な粒子の分散工程あるいは粒子除去工程を設けてもよい。例えば、高速分散装置や高圧ホモジナイザー等の高圧分散装置を用いた分散工程や、遠心分離装置等による粗大粒子の沈降工程も利用できる。これらを用いて処理する場合、それぞれ単独で処理しても2種以上を組み合わせて処理しても良く、組み合わせの処理順序についても何ら制限はない。また、その処理条件や処理回数についても、適宜選択して使用することができる。
[0.45μmフィルタ通液量]
粗大粒子やゲル化物が多い研磨液組成物又はシリカ分散液(濾過処理された被処理シリカ分散液)をフィルタに通液した時、目詰まりを起こし通液量が低下する。従って、研磨液組成物/シリカ分散液の0.45μmフィルタ通液量(孔径0.45μmのフィルタに対する通液量)は、粗大粒子やゲル化物の存在量の尺度となる。尚、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が大きい場合も目詰まりを起こしやすく0.45μmフィルタ通液量は低下するので、「0.45μmフィルタ通液量」は、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が同程度の研磨液組成物又はシリカ分散液を比較するためのパラメータとして適している。
本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液(濾過処理された被処理シリカ分散液)の0.45μmフィルタ通液量は、本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液が、後述する仕上げ研磨工程で使用されるものである場合、スクラッチの低減の観点から、100mL以上であることが好ましく、120mL以上がより好ましく、140mL以上が更に好ましく、150mLが更により好ましく、180mL以上が更により好ましく、280mL以上が更により好ましい。また、本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液(濾過処理された被処理シリカ分散液)の0.45μmフィルタ通液量は、本開示にかかる研磨液組成物又はシリカ分散液が、後述する粗研磨研磨工程で使用されるものである場合、スクラッチの低減の観点から、12mL以上であることが好ましく、20mL以上がより好ましく、25mL以上が更に好ましい。一方、上限については拘らないが、1000mL以下が好ましい。ここで、研磨液組成物又はシリカ分散液の0.45μmフィルタ通液量とは、実施例に記載の方法により測定することができる。
[シリカ分散液の製造方法]
上述した濾過処理方法により、粗大粒子及びゲル化物が低減したシリカ分散液を得ることができる。したがって、本開示は、その他の態様において、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を濾過助剤を含むフィルタで濾過処理する工程を含み、前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上であり、コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である、シリカ分散液の製造方法に関する。該製造方法により得られるシリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、後述する本開示にかかる、濾過精度の高い研磨液組成物を製造することができ、また、研磨後の基板表面のスクラッチが低減された基板を製造することができる。
[研磨液組成物]
本開示は、その他の態様において、研磨液組成物の製造方法で製造される又はされ得る研磨液組成物(以下「本開示にかかる研磨液組成物」ともいう。)に関する。本開示にかかる研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、コロイダルシリカ及び水に加え、後述する酸若しくはその塩又はアルカリ、及び/又は酸化剤を含む形態が挙げられる。但し、本開示にかかる研磨液組成物はこれらの組成に限定されず、他の成分を含んでもよい。本開示にかかる研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、本開示にかかるシリカ分散液の製造方法で得られたシリカ分散液に必要に応じてその他の成分を混合することで得られる研磨液組成物である。
〔コロイダルシリカの含有量〕
被研磨物を研磨する際の本開示にかかる研磨液組成物中のコロイダルシリカの含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、また、経済的に表面品質を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは13質量%以下、更により好ましくは10質量%以下、更により好ましくは8質量%以下である。
〔水〕
本開示にかかる研磨液組成物に使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。本開示にかかる研磨液組成物中の水の含有量は、100質量%から研磨材及び他の成分を除いた残部に相当し、60〜99質量%が好ましく、80〜97質量%がより好ましい。
〔pH〕
本開示にかかる研磨液組成物の25℃におけるpHは、研磨対象によって適宜調節すればよいが、0.1以上7.0以下が好ましい。アルカリ性においては、酸性に比べてスクラッチが発生しやすい傾向にある。その発生機構は明らかではないが、研磨粒子同士が表面電荷によって強く反発し合うアルカリ性雰囲気下では、研磨液組成物中に含有される研磨材の一次粒子の凝集物あるいは粗大粒子が、被研磨物と研摩パッドとの間で研摩材が密に充填されることを妨げるため、荷重が研磨面全面に対して不均一に加わるものと推定される。pHは、被研磨物の種類や要求特性に応じて決定することが好ましく、被研磨物の材質が金属材料では、研磨速度を向上させる観点から、より好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下、更により好ましくは4.0以下、更により好ましくは3.0以下、更により好ましくは2.0以下である。また、人体への影響を低減する観点及び研磨装置の腐食を防止する観点から、pHは、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上、更により好ましくは0.9以上、更により好ましくは1.0以上、更により好ましくは1.2以上である。特に、ニッケル−リン(Ni-P)メッキされたアルミニウム合金基板のように被研磨物の材質が金属材料であり、被研磨物が精密部品用基板である場合は、研磨速度を向上させる観点、人体への影響を低減する観点、及び研磨装置の腐食を防止する観点から、pHは、0.5以上6.0以下がより好ましく、更に好ましくは0.7以上5.0以下、更により好ましくは0.9以上4.0以下、更により好ましくは1.0以上3.0以下、更により好ましくは1.2以上2.0以下である。
〔酸〕
本開示にかかる研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、酸又はその塩を含んでもよい。前記酸及びその塩としては、具体的には、硝酸、硫酸、亜硝酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸又はそれらの塩、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸(PHAA)アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸又はそれらの塩、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸又はそれらの塩、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸又はそれらの塩などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。中でもスクラッチを低減する観点から、本開示にかかる研磨液組成物は、無機酸又は有機ホスホン酸及びそれらの塩を含むことが好ましい。
前記無機酸又はそれらの塩の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸又はそれらの塩がより好ましく、前記有機ホスホン酸又はそれらの塩の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸又はそれらの塩がより好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が更に好ましい。これらは単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
前記酸の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニア、アルキルアミンとの塩が挙げられる。金属の具体的な例としては、周期律表(長周期型)の1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。スクラッチを低減する観点から、アンモニア又は1A族に属する金属が好ましい。
本開示にかかる研磨液組成物中における前記酸及びその塩の含有量は、研磨速度向上及び研磨後の基板表面のスクラッチ低減の観点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上4質量%以下であり、更に好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
〔酸化剤〕
本開示にかかる研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、酸化剤を含有することが好ましい。本開示にかかる研磨液組成物に使用できる酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
前記過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム等が挙げられ、過マンガン酸又はその塩としては、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、クロム酸又はその塩としては、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩等が挙げられ、ペルオキソ酸又はその塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸等が挙げられ、酸素酸又はその塩としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、金属塩類としては、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。
好ましい酸化剤としては、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。より好ましい酸化剤としては、表面に金属イオンが付着せず汎用に使用され安価であるという観点から過酸化水素が挙げられる。これらの酸化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
前記研磨液組成物中における前記酸化剤の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、基板の表面粗さ低減の観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
〔その他の成分〕
また、前記研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、一又は複数の実施形態において、複素環芳香族化合物、アニオン性基を有する水溶性高分子(「アニオン性水溶性高分子」とも呼ぶ。)、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物等が挙げられる。また、更にその他の成分として、一又は複数の実施形態において、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
〔複素環芳香族化合物〕
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は複素環芳香族化合物(その塩も含む)を含有することが好ましい。本開示にかかる研磨液組成物に含有される複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物であることが好ましく、複素環内に窒素原子を3個以上有することがより好ましく、3個以上9個以下が更に好ましく、3個以上5個以下が更により好ましく、3又は4個が更により好ましい。
前記複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ低減の観点から、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、3−アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、5−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール、又はこられのアルキル置換体若しくはアミン置換体が好ましく、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾールがより好ましく、1H−ベンゾトリアゾールが更に好ましい。前記アルキル置換体のアルキル基としては例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、より具体的にはメチル基、エチル基が挙げられる。また、前記アミン置換体としては1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]トリルトリアゾールが挙げられる。
前記複素環芳香族化合物の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニア、アルキルアミン、ハロゲン化水素、硫酸、硝酸、有機酸等との塩が挙げられる。金属の具体的な例としては、周期律表(長周期型)の1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。スクラッチを低減する観点から、アンモニア又は1A族に属する金属が好ましい。
研磨液組成物における複素環芳香族化合物の含有量は、研磨後の基板のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、研磨液組成物全体の質量に対して0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、0.06質量%以上が更により好ましく、0.07質量%以上が更により好ましく、0.08質量%以上が更により好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更により好ましく、0.5質量%以下が更により好ましく、0.3質量%以下が更により好ましい。尚、研磨液組成物中の複素環芳香族化合物は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
〔アニオン性水溶性高分子〕
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は、研磨後の基板のスクラッチ、パーティクル及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)の低減の観点から、アニオン性水溶性高分子を含有することが好ましい。該高分子は、研磨時の摩擦振動を低減して研磨パッドの開孔部からのシリカ凝集体の脱落を防止し、研磨後の基板のスクラッチ及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)を低減するものと推定される。
アニオン性水溶性高分子のアニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基等が挙げられるが、スクラッチ、パーティクル及び表面粗さの最大値(AFM‐Rmax)の低減の観点から、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するものがより好ましく、スルホン酸基を有するものが更に好ましい。尚、これらのアニオン性基は中和された塩の形態を取ってもよい。
カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する水溶性高分子としては、カルボン酸基を有する単量体由来の構成単位及びスルホン酸基を有する単量体由来の構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位を有する(共)重合体又はその塩が挙げられる。カルボン酸基を有する単量体としては、例えば、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、イソプレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。アニオン性水溶性高分子には、カルボン酸基を有する単量体由来の構成単位及びスルホン酸基を有する単量体由来の構成単位は、それぞれ、2種類以上含まれてもよい。
これらの中でも、アニオン性水溶性高分子として、一又は複数の実施形態において、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とスルホン酸基含有単量体由来の構成単位とを含む共重合体(以下、「(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体」ともいう。)が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、本発明の効果を奏する範囲内で、スルホン酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸以外の単量体に由来する構成単位成分を含有していてもよい。
(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体又はその塩の各々を構成する全構成単位中に占めるスルホン酸基含有単量体由来の構成単位の含有率は、スクラッチ低減の観点から、3モル%以上であることが好ましく、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは8モル%以上であり、また、97モル%以下であることが好ましく、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。尚、ここでスルホン酸基を含む(メタ)アクリル酸は、スルホン酸基含有単量体として数える。
(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体が、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体の場合、(メタ)アクリル酸と2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との重合モル比((メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、95/5〜40/60が好ましく、95/5〜50/50がより好ましく、95/5〜60/40が更に好ましく、95/5〜70/30が更により好ましく、95/5〜75/25が更により好ましく、95/5〜80/20が更により好ましく、95/5〜85/15が更により好ましい。
好ましい(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体としては、スクラッチ低減の観点から、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体が挙げられるが、(メタ)アクリル酸/2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体がより好ましい。
アニオン性基を有する水溶性高分子の対イオンとしては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等のイオンが挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、表面粗さ及びスクラッチ低減の観点から1A、3B、又は8族に属する金属が好ましく、1A族に属するナトリウム及びカリウムがより好ましい。アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩がより好ましい。
アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量は、スクラッチ及びパーティクル低減及び生産性維持の観点から、500以上10万以下が好ましく、より好ましくは500以上5万以下、更に好ましくは500以上2万以下、更により好ましくは1000以上1万以下、更により好ましくは1000以上8000以下、更により好ましくは1000以上5000以下、更により好ましくは1000以上4000以下、更により好ましくは1000以上3000以下である。該重量平均分子量は、具体的には、実施例に記載の測定方法により測定される。
研磨液組成物における、アニオン性水溶性高分子の含有量は、スクラッチ及びパーティクル低減と生産性との両立の観点から、0.001〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5質量%、更に好ましくは0.08〜0.2質量%、更により好ましくは0.01〜0.1質量%、更により好ましくは0.01〜0.075質量%である。
〔脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物〕
被研磨物を研磨する際の研磨液組成物は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物を含有することが好ましい。前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物について、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、分子内の窒素原子数は2個以上であることが好ましい。また、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持の観点から、分子内の窒素原子数は4個以下であることが好ましく、3個以下がより好ましく、2個以下が更に好ましい。したがって、前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持、並びにスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、分子内の窒素原子数は2〜4個であることが好ましく、2〜3個がより好ましく、2個が更に好ましい。
前記脂肪族アミン化合物としては、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミンからなる群から選択されることが好ましく、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンからなる群から選択されることがより好ましく、更にアミン臭低減、水への溶解性向上の観点から、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンからなる群から選択されることが更に好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンが更により好ましい。
前記脂環式アミン化合物としては、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが好ましく、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることがより好ましく、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが更に好ましく、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが更により好ましい。
したがって、研磨液組成物に用いられる脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減、アミン臭低減、水への溶解性向上の観点から、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが更により好ましく、N−アミノエチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択されることが更により好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンが更により好ましい。
前記研磨液組成物における脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物の含有量は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びパーティクルの低減の観点から、研磨液組成物全体の質量に対して0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%がより好ましく、0.008〜2質量%が更に好ましく、0.01〜1質量%が更により好ましく、0.01〜0.5質量%が更により好ましく、0.01〜0.1質量%が更により好ましい。尚、研磨液組成物中の脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
[研磨方法]
本開示にかかる研磨液組成物の製造方法にて得られた研磨液組成物は、例えば、不織布の有機高分子系研磨布等(研磨パッド)と被研磨基板との間に供給され、即ち、研磨液組成物が、研磨パッドを貼り付けた研磨盤で挟み込まれた基板研磨面に供給され、所定の圧力の下で研磨盤及び/又は基板を動かすことにより、基板に接触しながら研磨工程に用いられる。この研磨によりスクラッチ及びパーティクルの発生を顕著に抑えることができる。したがって、本開示は、その他の態様において、基板の研磨方法であって、本開示にかかる研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして研磨することを含む基板の研磨方法に関する。
前記研磨液組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮物であれば希釈して使用すればよい。前記濃縮物を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度(砥粒の含有量等)や研磨条件等に応じて適宜決定できる。前記研磨パッドは、特に制限されず、例えば、多孔質の有機高分子系の研磨布、不織布等の従来公知のものを使用できる。
前記研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨荷重は、スクラッチ数の低減及び生産性(研磨速度)の向上の観点から、1〜20kPaが好ましく、より好ましくは2〜15kPa、更に好ましくは3〜10kPa、更により好ましくは4〜8kPaである。尚、前記研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。
また、前記研磨液組成物を用いた研磨工程における前記研磨液組成物の供給速度は、低コストの面及び研磨速度の観点から、被研磨基板1cmあたり0.01〜0.25mL/分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.2mL/分、更に好ましくは0.05〜0.16mL/分である。前記研磨液組成物を用いた研磨工程におけるその他の研磨条件(研磨機の種類、研磨温度等)については特に限定はない。
本発明の基板の研磨方法は、好ましい実施形態として、2段階以上の研磨工程を含む多段研磨方式を採用し、最終工程である仕上げ研磨工程と、当該仕上げ研磨工程よりも前の工程、即ち粗研磨工程を含む。本開示にかかる研磨液組成物の製造方法は、仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物と粗研磨工程で使用される研磨液組成物の一方又は双方の製造方法に適用できるが、仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物の製造方法として好適である。
仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物の調整に使用される被処理シリカ分散液のコロイダルシリカの滴定法によって求めた一次粒子の平均粒子径は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、1.0nm以上が好ましく、5.0nm以上がより好ましく、10.0nm以上が更に好ましく、12.0nm以上が更により好ましく、表面粗さの低減の観点から、50nm以下が好ましく、45nm以下がより好ましく、42nm以下が更に好ましく、40nm以下が更により好ましい。
粗研磨工程で使用される研磨液組成物の調整に使用される被処理シリカ分散液のコロイダルシリカの滴定法によって求めた一次粒子の平均粒子径は、粗大粒子及びゲル化物の低減、及び研磨後の基板表面のスクラッチの低減の観点から、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上が更に好ましく、40nm以上が更により好ましく、表面粗さの低減の観点から、200nm以下が好ましく、150nm以下が更に好ましく、100nm以下が更により好ましい。
本開示にかかる研磨液組成物は、特に精密部品用基板の製造に好適である。例えば磁気ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、光ディスク、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の精密部品基板の研磨に適している。半導体基板の製造においては、シリコンウエハ(ベアウエハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、又は埋め込みキャパシタ形成工程等において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法にて得られた研磨液組成物を用いることができる。
本開示にかかる研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に好適に適用できるが、これ以外の研磨工程、例えばラッピング工程等にも同様に適用することができる。
本開示にかかる研磨液組成物を用いる好適な被研磨物の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨物に好適である。例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板により適しており、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板が更に適している。
被研磨物の形状には特に制限は無く、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状のものに本開示にかかる研磨液組成物は用いられる。中でも、本開示にかかる研磨液組成物は、ディスク状の被研磨物の研磨に適している。
[磁気ディスク基板の製造方法]
本開示は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法によって得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給することにより、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。また、本開示は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物の製造方法によって研磨液組成物を製造すること及び前記研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、磁気ディスク基板の製造方法に関する。本発明の磁気ディスク基板の製造方法の、好ましい実施形態は、2段階以上の研磨工程を含む多段研磨方式を採用し、最終工程である仕上げ研磨工程と、当該仕上げ研磨工程よりも前の工程、即ち粗研磨工程を含む。本開示にかかる研磨液組成物の製造方法は、仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物と粗研磨工程で使用される研磨液組成物の一方又は双方の製造方法に適用できが、好ましくは仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物の製造方法に適用できる。尚、具体的な研磨の方法及び条件は、前記[研磨方法]のそれを採用できる。
上述した実施形態に関し、本開示は更に以下の組成物、製造方法、或いは研磨方法を開示する。
<1> コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、濾過助剤を含むフィルタで濾過処理する工程含み、
前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上であり、
コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である、研磨液組成物の製造方法。
<2> 前記NHの吸着量は、1.5×10−2mmol/g以上が好ましく、2.0×10−2mmol/g以上がより好ましく、9.9×10−1mmol/g以下が好ましく、5.0×10−1mmol/g以下がより好ましい、前記<1>に記載の研磨液組成物の製造方法。
<3> 前記比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)は、1.20×10−3以上であり、1.35×10−3以上が好ましく、1.40×10−3以上がより好ましく、1.43×10−3以上が更に好ましく、4.10×10−3以下であり、3.80×10−3以下が好ましく、3.00×10−3以下がより好ましく、2.50×10−3以下が更に好ましく、2.00×10−3以下が更により好ましく、1.50×10−3以下が更により好ましい、前記<1>又は<2>に記載の研磨液組成物の製造方法。
<4> 前記濾過助剤は、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と酸水溶液とを混合した後、前記珪藻土に対して脱酸処理をすることによって得た、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
<5> 前記酸水溶液に含まれる酸が、シュウ酸及びクエン酸のうちの少なくとも一方である、前記<4>に記載の研磨液組成物の製造方法。
<6> 前記濾過助剤は、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と固体酸触媒とを水中で撹拌及び混合し、得られた混合液を静置した後、珪藻土を混合液から分離することによって得た、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
<7> 前記固体触媒が、好ましくは表面にメチルスルホン酸基を修飾させたシリカゲル粒子である、前記<6>に記載の研磨液組成物の製造方法。
<8> 前記コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径は、1.0nm以上が好ましく、5.0nm以上がより好ましく、10.0nm以上が更に好ましく、12.0nm以上が更により好ましく、50nm以下が好ましく、45nm以下がより好ましく、42nm以下が更に好ましく、40nm以下が更により好ましい、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法。
<9> 酸と酸化剤と水とを含む混合液と、前記被処理シリカ分散液に前記濾過処理を施すことによって得られたシリカ分散液とを混合する工程を含む、前記<1>〜<8>に記載の研磨液組成物の製造方法。
<10> 前記<1>〜<9>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法により製造される研磨液組成物。
<11> 更に、アニオン性基を有する水溶性高分子と、複素環芳香族化合物と、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物と、を含有する前記<10>に記載の研磨液組成物。
<12> 前記<1>〜<9>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法により得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給して、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
<13> 前記研磨液組成物の製造方法により研磨液組成物を製造すること、及び、
前記研磨液組成物を前記被研磨基板の前記研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして、前記研磨対象面を研磨することを含む、前記<12>に記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<13> 前記<1>〜<9>のいずれかの項に記載の研磨液組成物の製造方法により得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給して、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、基板の研磨方法。
<14> 前記<1>〜<9>のいずれかに記載の研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤であって、アンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上の珪藻土を含む濾過助剤。
<15> 前記NHの吸着量が、好ましくは1.5×10−2mmol/g以上、より好ましくは2.0×10−2mmol/g以上、好ましくは9.9×10−1mmol/g以下、より好ましくは5.0×10−1mmol/g以下の珪藻土を含む、前記<14>に記載の濾過助剤。
<16> 請求項<14>又は<15>に記載の濾過助剤の製造方法であって、
前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と酸水溶液とを混合した後、前記珪藻土に対して脱酸処理をする工程を含む、濾過助剤の製造方法。
<17> 前記酸水溶液が、シュウ酸及びクエン酸のうちの少なくとも一方の酸を含む、前記<16>に記載の濾過助剤の製造方法。
<18> 請求項<14>又は<15>に記載の濾過助剤の製造方法であって、
前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と固体酸触媒とを水中で撹拌及び混合し、得られた混合液を静置した後、珪藻土を混合液から分離する工程を含む、濾過助剤の製造方法。
<19> 前記固体触媒が、好ましくは表面にメチルスルホン酸基を修飾させたシリカゲル粒子である、前記<18>に記載の濾過助剤の製造方法。
以下、実施例により本開示を更に詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
[被処理シリカ分散液]
被処理シリカ分散液として、コロイダルシリカスラリーa(pH9.0、日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒子径18nm、シリカ粒子濃度40質量%)、コロイダルシリカスラリーb(pH10.0、日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒子径50nm、シリカ粒子濃度40質量%)、及びコロイダルシリカスラリーc(pH10.0、日揮触媒化成社製、一次粒子の平均粒子径100nm、シリカ粒子濃度40質量%)を用いた(表1)。被処理シリカ分散液及び研磨液組成物におけるコロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径と、0.45μmフィルタ通液量は、以下のように測定した。
〔コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径の測定方法〕
まず、コロイダルシリカスラリーを固形分で1.5gを200mLビーカーに採取し、イオン交換水100mLを加えてこれらをスターラーで混合し混合液を得る。次に、電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの塩酸標準溶液で混合液のpHを3.0に調整する。pH調製された混合液に、塩化ナトリウム30.0gを加えスターラーで溶解し、さらにビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えスターラーで混合する。得られた試料液を恒温水槽(20±2℃)に約30分間浸漬する。電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定をおこない、試料液のpHが4.0から9.0まで変化するときに使用された水酸化ナトリウム標準溶液の量(g)(A)を読み取る。一方で、コロイダルシリカスラリーを200mLビーカーに入れないこと以外は上記と同様にして行う空試験を行い、空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム標準溶液の量(g)(B)を読み取る。そして、下記計算式により平均粒子径(nm)を算出する。
平均粒子径(nm)=3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(g)
〔0.45μmフィルタ通液量の測定方法〕
下記[濾過処理]を経て得たコロイダルシリカ分散液a〜cを所定のフィルタ(アドバンテック社製 親水性PTFE0.45(孔径)μmフィルタ、型式:25HP045AN、)で、エアー圧力0.25MPaの一定圧力の下でフィルタに通液させ、フィルタが閉塞するまでの通液量(mL)を求めた。尚、本条件による0.45μmフィルタ通液量は、該コロイダルシリカ分散液を研磨液組成物に使用した場合にスクラッチを低減することができることの指標とすることができる。すなわち、0.45μmフィルタ通液量が多いほど、スクラッチの低減が可能なコロイダルシリカ分散液又は研磨液組成物とすることができる。
Figure 2015127987
[濾過助剤含有フィルタ]
下記市販の濾過助剤A、B、濾過助剤A〜Cに対して下記[酸処理]をして得た濾過助剤1〜9、下記[添加剤と濾過助剤の混合方法]を経て得た濾過助剤10を用いて下記の通り濾過助剤含有フィルタを作製した。濾過助剤A〜C、濾過助剤1〜10のレーザ平均粒子径、CV値、積算細孔容積については下記の方法で求めた。濾過助剤A〜Cついての上記のパラメータ及び平均細孔径は表2に示した。濾過助剤1〜10についての上記のパラメータのうち、レーザ平均粒子径、CV値、積算細孔容積、平均細孔径については、各々、処理される前の濾過助剤についての値と同じであった。濾過助剤A〜C、及び濾過助剤1〜10についてのアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量については、表5及び表6に各々示した。平均細孔径はカタログ値である。
Figure 2015127987
〔濾過助剤のレーザ平均粒子径の測定方法〕
各濾過助剤について、レーザ回折/散乱式粒度分布計(商品名LA−920、堀場製作所製)で測定して得られた体積基準のメジアン径として得られた値をレーザ平均粒子径とした。
〔濾過助剤のCV値の測定方法〕
各濾過助剤をレーザ回折/散乱式粒度分布計(商品名LA−920、堀場製作所製)で測定して得られた算術標準偏差を体積基準のメジアン径として得られた値で割った値の割合をCV値(%)とした。
〔0.15μm以下の積算細孔容積の測定方法〕
濾過助剤の細孔径0.15μm以下の積算細孔容積は、窒素吸着法により測定した。具体的には、精秤した約1gの各濾過助剤をASAP2020(株式会社島津製作所社製、比表面積・細孔分布測定装置)にセットし、窒素吸着等温線からBJH法のHalsey式により求めた細孔径が0.15μm以下の細孔容積の総和を、0.15μm以下の積算細孔容積とした。尚、試料の前処理は、試料を焼成炉(株式会社モトヤマ製、商品名:SK−2535E)内に入れ、焼成炉の温度を10℃/分で100℃まで昇温させ、その後100℃を2時間保持することにより行った。途中、60℃の時点で焼成炉内をその圧力が500μmHgになるように脱気した。
〔0.5μm以下の積算細孔容積の測定方法〕
各濾過助剤を天秤で約0.1〜0.3g精秤し、これを、ヘキサンでよく洗浄した5cc粉末用測定セルにステム内やスリ部に付着させないように入れ、AutoPoreIV−9500(島津製作所社製 水銀圧入法 細孔分布測定装置)にセルをセットした。次に、パソコンでアプリケーション(AutoPoreIV−9500 ver1.07)を立上げ、Sample Information(先に測定した濾過助剤の重量)、Analysis Condition(Standardを選択)、Penetrometer Property(セル重量)、Report condition(Standardを選択)に必要事項を入力し、測定を行った。低圧部、高圧部の順に測定を行い、自動的にMedian Pore Diameter(Volume)(μm)と各Pore Size Diameter(μm)に対するLog Differencial Pore Volume(mL/g)の結果を得た。
(1)測定条件
測定セル:Micromeritics社製5cc-Powder(08-0444))
測定方式:圧力制御方式(圧力テーブルモード)
Low Pressure equilibrium time 5secs、High Pressure equilibrium time 5secs
Hgに関するパラメータ:接触角:130°、表面張力:485 dynes/cm
Stem Volume Used:100%以下で約50%にサンプル量を調整
(2)0.5μm以下の積算細孔容積の算出方法
0.5μm以下のLog Differencial Pore Volume(mL/g)の値を積算して0.5μm以下の積算細孔容積とした。
[アンモニア昇温脱離法によるNH吸着量の測定方法]
アンモニア昇温脱離法(NH−TPD)による酸点解析は、日本ベル株式会社製BELCATを用いて行った。サンプルの前処理は10℃/minで500℃まで昇温した後、500℃にて1時間保持し、水や有機物の脱離を行った。その後500℃にて5%NH−HeによるNH吸着を行った。サンプルに物理吸着したNHは、100℃で15分間Heを流すことで除去した。その後、サンプルを10℃/minで610℃まで昇温し、TCD及びMSにてサンプルから脱離したNHの定量を行った。
[酸処理]
各濾過助剤50gに、下記表3に示す0.3mol/Lの各種酸水溶液(a〜c)150mlを加え、撹拌及び混合した。撹拌を止めて48時間(処理時間)静置した後、混合液から上澄みを除去した。上澄みが除去された混合液にイオン交換水を加えてスターラーで5分間撹拌し、上澄みが透明になるまで静置した後、上澄み液を除去することにより、濾過助剤を洗浄した。この操作を上澄み液がほぼ中性(pH=5〜8)になるまで繰り返した。最後に濾過助剤を、ろ紙上に濾過し自然乾燥させ、酸処理された濾過助剤1〜9を得た。
Figure 2015127987
[添加剤と濾過助剤の混合方法]
各濾過助剤50gに150mLの水を加え、攪拌及び混合させ混合液を得た。その後、混合液に表4に示した添加剤0.5g加え、更に撹拌及び混合した。撹拌を止めて48時間ほど静置した後、上澄みを除去した。上澄みが除去された混合液にイオン交換水を加えてスターラーで5分間撹拌し、上澄み液が透明になるまで静置した後、上澄み液を除去することにより、濾過過助剤を洗浄した。最後に濾過助剤をろ紙上にろ過して自然乾燥させ、濾過過助剤10を得た。
Figure 2015127987
〔濾過助剤を含有するフィルタの作製〕
濾過助剤A〜C、及び濾過助剤1〜10の各々10gに100mLのイオン交換水を加え、これらを撹拌及び混合して濾過助剤分散水溶液を得た。次に、90mmφの平板型SUS製ハウジング(住友3M社製INLET90−TL)にろ紙(No.5A(目開き7μm):アドバンテック社製)をセットし、0.1MPa以下の圧力で濾過助剤分散水溶液を濾過してろ紙上に濾過助剤の均一なケーク層を形成させた後、ケーク層を1〜2Lのイオン交換水で洗浄し、濾過助剤を含有するフィルタを得た。尚、濾過助剤含有フィルタにおける濾過助剤の含有量は、0.18g/cmであった。
[濾過処理]
〔被処理シリカ分散液の濾過条件:実施例1〜7及び比較例1〜8〕
作製した濾過助剤含有フィルタを乾燥させずに洗浄水で濡れたままの状態で、表5及び表6に記載の濾過圧力及び濾過流量の条件で、被処理シリカ分散液(コロイダルシリカスラリーa〜c)をろ過し、研磨液組成物の調整に使用するためのコロイダルシリカ分散液a〜c(シリカ分散液)を得た。尚、表5及び表6に示されるように、コロイダルシリカ分散液aのpHは9.0、コロイダルシリカ分散液bのpHは10.0、コロイダルシリカ分散液cのpHは10.0であった。
[研磨液組成物の調製方法]
イオン交換水に、1H−ベンゾトリアゾールNa塩を0.1質量%、N−アミノエチルエタノールアミンを0.03質量%、アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(アニオン性高分子、モル比90/10、重量平均分子量2000、東亞合成社製)を0.02質量%、硫酸を0.4質量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を0.05質量%、過酸化水素を0.4質量%添加、混合した水溶液の撹拌下に、前記濾過助剤を含有するフィルタで被処理シリカ分散液(コロイダルシリカスラリーa〜c)をろ過して得たコロイダルシリカ分散液a〜cを研磨液組成物中のシリカ濃度が5質量%になるように添加して、実施例1〜7及び比較例1〜8の研磨液組成物を調製した(pH1〜2(25℃))。
〔アニオン性高分子の重量平均分子量の測定方法〕
アニオン性高分子の重量平均分子量は、下記測定条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
(GPC測定条件)
カラム:TSKgel G4000PWXL+TSKgel G2500PWXL(東ソー製)
ガードカラム:TSKguard column PWXL(東ソー製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1(体積比)
温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料サイズ:5mg/mL
検出器:RI
換算標準:ポリアクリル酸Na(分子量(Mp):11.5万、2.8万、4100、1250(創和科学及びAmerican Polymer Standards Corp.製))
[研磨液組成物を用いた基板の研磨]
上記のように調製した研磨液組成物を用いて本研磨を行った。それぞれの研磨後の基板のスクラッチ数を評価した。被研磨基板として、本研磨では、アルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ研磨し、AFM−Raが5〜15Åとした、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキアルミニウム合金基板を用いた。また、アルミナ研磨材を含有する研磨液による研磨の被研磨基板として、AFM-Raが100Å、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキアルミニウム合金基板を用いた。本研磨の条件、スクラッチの測定方法は以下のとおりである。
〔本研磨の条件〕
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨パッド:フジボウ社製、ウレタン製仕上げ研磨用パッド
・上定盤回転数:32.5rpm/分
・研磨液組成物供給量:100mL/分(0.076mL/(cm・分))
・本研磨時間:4分
・本研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
〔スクラッチの測定条件〕
・測定機器:KLA−Tencor社製Candela OSA6100
・評価:両面研磨を行った基板をイオン交換水中に5分間浸漬した後、イオン交換水で20秒間すすぎを行った。その後、研磨試験機に投入した基板のうち、無作為に4枚を選択し、10000rpmに回転中の各基板にレーザを照射してスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を算出した。
Figure 2015127987
Figure 2015127987
前記表5及び表6に示されるように、砥粒の一次粒子の平均粒子径が等しいもの同士で比較した場合、前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上であり、コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である実施例では、比較例よりも、MF値が高かく、且つ、スクラッチ数が少なかった。
以上説明した通り、本開示によれば、コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液中の粗大粒子やゲル化物の効果的な除去を可能とすることにより、濾過精度が高く、研磨後の基板表面のスクラッチ数の低減を可能とする研磨液組成物を製造できる。したがって、本発明の研磨液組成物の製造方法を用いれば、磁気ディスク基板等の基板の生産性が向上する。

Claims (10)

  1. コロイダルシリカを含有する被処理シリカ分散液を、濾過助剤を含むフィルタで濾過処理する工程含み、
    前記濾過助剤のアンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上であり、
    コロイダルシリカの滴定法によって求められる一次粒子の平均粒子径と前記濾過助剤のレーザ式粒度分布測定装置により測定される平均粒子径の比(コロイダルシリカの滴定法による一次粒子の平均粒子径/濾過助剤のレーザ平均粒子径)が、1.20×10−3以上4.10×10−3以下である、研磨液組成物の製造方法。
  2. 前記濾過助剤は、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と酸水溶液とを混合した後、前記珪藻土に対して脱酸処理をすることによって得た、請求項1に記載の研磨液組成物の製造方法。
  3. 前記酸水溶液に含まれる酸が、シュウ酸及びクエン酸のうちの少なくとも一方である、請求項2に記載の研磨液組成物の製造方法。
  4. 前記濾過助剤は、前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と固体酸触媒とを水中で撹拌及び混合し、得られた混合液を静置した後、珪藻土を混合液から分離することによって得た、請求項1に記載の研磨液組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の研磨液組成物の製造方法により製造される研磨液組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の研磨液組成物の製造方法により得られた研磨液組成物を、被研磨基板の研磨対象面に供給して、前記研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の研磨液組成物の製造方法に用いられる濾過助剤であって、アンモニア昇温脱離法により求めたNHの吸着量が1.0×10−2mmol/g以上の珪藻土を含む濾過助剤。
  8. 請求項7に記載の濾過助剤の製造方法であって、
    前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と酸水溶液とを混合した後、前記珪藻土に対して脱酸処理をする工程を含む、濾過助剤の製造方法。
  9. 前記酸水溶液が、シュウ酸及びクエン酸のうちの少なくとも一方の酸を含む、請求項8に記載の濾過助剤の製造方法。
  10. 請求項7に記載の濾過助剤の製造方法であって、
    前記NHの吸着量が1.0×10−2mmol/g未満の珪藻土と固体酸触媒とを水中で撹拌及び混合し、得られた混合液を静置した後、珪藻土を混合液から分離する工程を含む、濾過助剤の製造方法。
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