JP2020111649A - 組成物、発泡シート及び成形体 - Google Patents
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(1)2種以上のポリマーを含有する組成物であって、2種以上のポリマーを構成するモノマー単位の中には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、及び共役ジエンが含まれ、2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、(メタ)アクリル酸の含有量が2〜15質量%であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が3〜15質量%である、組成物。
(2)2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、スチレンの含有量が68〜95質量%である、(1)に記載の組成物。
(3)2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、共役ジエンの含有量が0.01〜4質量%である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)スチレン及び(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含むポリマー(A)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、(メタ)アクリル酸メチル、及び(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むポリマー(B)と、共役ジエンをモノマー単位として含むゴム成分にスチレンを重合させたポリマー(C)と、を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)ポリマー(A)に含まれるモノマー単位全量を基準として、スチレンの含有量が85〜97質量%であり、(メタ)アクリル酸の含有量が3〜15質量%である、(4)に記載の組成物。
(6)ポリマー(B)に含まれるモノマー単位全量を基準として、(メタ)アクリル酸メチルの含有量が65〜90質量%であり、(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が10〜35質量%である、(4)又は(5)に記載の組成物。
(7)ポリマー(C)により形成される粒子の平均ゴム粒子径が1.2〜12.0μmである、(4)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物からなる発泡シート。
(9)発泡倍率が1.1〜20倍である、(8)に記載の発泡シート。
(10)セルの扁平度が1.1〜9.0である、(8)又は(9)に記載の発泡シート。
(11)(8)〜(10)のいずれかに記載の発泡シートを成形してなる成形体。
(12)食品用容器である、(11)に記載の成形体。
機種:Shodex GPC−101(昭和電工株式会社製)
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−A
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
(式中、nは測定個数、Diは測定したゴム状分散粒子の粒子径を示す。)
内容量200Lのジャケット及び撹拌機付きのオートクレーブに、純水100kg、ポリビニルアルコール100gを加え、130rpmで撹拌した。続いて、スチレン72.0kg、メタクリル酸4.0kg及びt−ブチルパーオキサイド20gを仕込み、オートクレーブを密閉して、110℃に昇温して5時間重合を行った(ステップ1)。また、4.0kgのメタクリル酸を、重合温度が110℃に達した時点から2時間かけて、均等に追加添加した(ステップ2)。さらに140℃で3時間保持し、重合を完結させた(ステップ3)。得られたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出し、ペレット状のスチレン−メタクリル酸コポリマー(A−1)を得た。このコポリマーについて熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、スチレンモノマー単位/メタクリル酸モノマー単位の質量組成比は、92/8であった。また、GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)は19万であった。
スチレン及びメタクリル酸の仕込み量を、表1に示す質量比になるように変更した以外は、製造例1と同様にしてスチレン−メタクリル酸コポリマー(A−2)〜(A−5)を得た。GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)は全て19万であった。
温度計、窒素導入管、冷却管及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコ(容量5L)に、分散媒としてイオン交換水300質量部(3000g)、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.1質量部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン0.01質量部、モノマーとしてメタクリル酸メチル80質量部、アクリル酸ブチル20質量部を投入した。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより、フラスコ内雰囲気の窒素置換を行った。次いで、内温を60℃まで昇温させ、過硫酸カリウム0.15質量部、脱イオン水5質量部を加えた。その後、加熱撹拌を2時間継続して重合を終了し、アクリル系樹脂ラテックスを得た。
得られたアクリル系樹脂ラテックスを25℃まで冷却後、酢酸カルシウム5質量部を含む70℃の温水500質量部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させて、ポリマー(B)として、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルコポリマー(B−1)を得た。メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルコポリマー(B−1)のガラス転移温度を、JIS K 7121:2012のプラスチックの転移温度測定方法に従った示差走査熱量測定(DSC)により測定したところ、60℃であった。また、GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)は400万であった。
メタクリル酸メチル及びアクリル酸ブチルの仕込み量を表2のとおりに変更した以外は、製造例3と同様にしてメタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルコポリマー(B−2)〜(B−5)を得た。GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)はいずれも400万であった。
ゴム状重合体としてローシスポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名「ジエン55AS」)を使用し、このゴム状重合体3.4質量%と、91.6質量%のスチレンとを、溶剤として5.0質量%のエチルベンゼンに溶解して重合原料とした。また、ゴムの酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名「イルガノックス1076」)0.1質量部を添加した。この重合原料を翼径0.285mの錨型撹拌翼を備えた14リットルのジャケット付き反応器(R−01)に12.5kg/hrで供給した。反応温度140℃、回転数2.17sec−1で撹拌して重合させ、ポリマー液を得た。得られたポリマー液のポリマー率は25%であった。得られたポリマー液を、直列に配置した2基の内容積21リットルのジャケット付きプラグフロー型反応器に導入した。1基目のプラグフロー型反応器(R−02)では、反応温度がポリマー液の流れ方向に120〜140℃となるようにジャケット温度を調整した。2基目のプラグフロー型反応器(R−03)では、反応温度がポリマー液の流れ方向に130〜160℃の勾配を持つようにジャケット温度を調整した。R−02出口でのポリマー率は50%、R−03出口でのポリマー率は70%であった。ここで、ポリマー率とは、下記式によって算出される。
ポリマー率(%)=100×(生成したポリマー量)/{(仕込んだモノマー量)+(溶剤量)}
得られたポリマー液を230℃に加熱後、真空度5torrの脱揮槽に送り、未反応単量体、溶剤を分離・回収した。その後、脱揮槽からギヤポンプで抜き出し、ダイプレートを通してストランドとした後、水槽を通してペレット化し、ポリマー(C−1)(グラフトコポリマー(C−1))として回収した。得られたポリマー(C−1)のゴム成分含有量は10.0質量%であった。また、GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)は19万であった。
スチレン及びブタジエンの仕込み量を、表3に示す質量比になるように変更した以外は、製造例6と同様にしてグラフトコポリマー(C−2)〜(C−3)を得た。GPC測定により求めた重量平均分子量(Mw)はいずれも19万であった。
製造例6において、重合させる際の撹拌強度、及び重合温度を変更することにより、後述する平均ゴム粒子径が変更されたグラフトコポリマー(C−4)〜(C−5)を得た。
<実施例1〜74、比較例1〜5>
後述する表4〜14に示す組成に基づき、製造例1〜8で得られたポリマーを、単軸押出機(VS40−36(φ40mm、L/D=36、圧縮比2.7)、田辺プラスチックス機械社製)に供給し、最高温度が230℃となるように溶融混練して組成物とした。組成物について、上述の方法により平均ゴム粒子径を測定したところ、表4〜14に示すとおりであった。
溶融状態の組成物に、発泡剤としてブタンガス(イソブタン/n−ブタン=68/32(質量比))を、組成物100質量部に対して5.3質量部圧入して、ブタンガスを組成物中に均一に分散させた。組成物を、単軸押出機(VS40−36(φ40mm、L/D=36、圧縮比2.7)、田辺プラスチックス機械社製)の先端に取り付けられた幅600mmのTダイ(コートハンガー型水平出式)からクリアランスを0.5mmとして押出発泡して、シート状の発泡体を得た。続けて、このシート状の発泡体をキャストロールに供給し、ニップロールと挟み込み冷却した。このとき、発泡剤の添加量を調整することにより、発泡倍率を表4〜14に示すとおりにした。発泡倍率を確認する際には、電子天秤(MDS−300、アルファーミラージュ社製)を使用して発泡シートの比重を測定した。
冷却の後、シート状の発泡体の端部を、押出方向に連続的に切断することにより、所定のシート幅にカットされた発泡シート(厚み:4mm、幅:500mm)を得た。
また、得られた発泡シートの扁平度を算出した。結果を表4〜14に示す。
(外観)
発泡シートの外観(表面状態)を目視観察し、下記基準に基づき評価した。評価結果がA又はBであれば、外観に優れているといえる。結果を表4〜14に示す。
A:表面の凹凸が微小であり、セルの破れが認められない。
B:表面の凹凸が少ない、又はセルの破れが軽微である。
C:表面の凹凸が著しい、又はセルの破れのため外観が損なわれている。
発泡シートを用いて、真空圧空成形機(FVS−500、脇坂エンジニアリング社製)にて、ヒーター温度500℃、加熱時間20秒、真空成形時間5秒で弁当容器(縦:20cm、横:13cm、容器深さ:3cm)を成形した。500gの錘を入れ、蓋をした弁当容器を1mの高さから落下させる試験を10回行い、容器に破損が見られる数を評価した。評価基準は下記のとおりとした。評価結果がA又はBであれば、耐衝撃性に優れているといえる。結果を表4〜14に示す。
A:容器の破損が2個以下
B:容器の破損が3〜4個
C:容器の破損が5個以上
前記弁当容器を110℃に設定した熱風乾燥機に60分間入れた後、容器底部の長辺の長さを加熱前の長さと比較し、下記基準に基づき評価した。評価結果がA又はBであれば、耐熱性に優れているといえる。結果を表4〜14に示す。
A:変形なし
B:外寸変化5%未満
C:外寸変化5%以上
発泡シートの曲げ強度について、ASTM D2176に従って、シート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)の耐折曲げ強さを測定し、その最小値を求め、下記基準に基づき評価した。評価結果がA又はBであれば、曲げ強度に優れているといえる。
A:5回以上
B:2回以上5回未満
C:2回未満
弁当容器を形成後、弁当容器の外観について下記の基準に基づき評価した。評価基準は下記のとおりとした。評価結果がA又はBであれば、容器成形性に優れているといえる。
A:4つのコーナー部の内、いずれのコーナー部においても、表面粗さ(Rz)が40μm未満である。
B:4つのコーナー部の内、コーナー部の一部において、表面粗さ(Rz)が40μmを超える箇所がある。
C:4つのコーナー部の内、コーナー部の全てにおいて、表面粗さ(Rz)が40μmを超える箇所がある。
表面粗さ(Rz)は、オリンパス社製のレーザー顕微鏡(OLS4000)を用い、コーナー部の任意の箇所について、12.5mmの長さにおいて表面形状の測定を行うことにより算出した。
発泡シートの熱伝導率を、迅速熱伝導率計(QTM−710、京都電子工業社製)を用いて測定し、当該測定箇所のシート厚み(マイクロメータを用いて測定)を測定した熱伝導率で割った値を熱抵抗値とした。熱抵抗値から、下記基準に基づき断熱性を評価した。評価結果がA又はBであれば、断熱性に優れているといえる。
A:熱抵抗値が5×10−3(m2・K/W)以上
B:熱抵抗値が4×10−3(m2・K/W)以上5×10−3(m2・K/W)未満
C:熱抵抗値が4×10−3(m2・K/W)未満
上述の弁当容器に500gの錘を入れ、蓋をした弁当容器を5段重ね、24時間静置後の一番下の容器の変形状態を確認し、下記基準に基づき容器強度を評価した。評価結果がA又はBであれば、強度に優れているといえる。
A:形状変化なし
B:変形有り
C:割れ有り
Claims (12)
- 2種以上のポリマーを含有する組成物であって、
前記2種以上のポリマーを構成するモノマー単位の中には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、及び共役ジエンが含まれ、
前記2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、前記(メタ)アクリル酸の含有量が2〜15質量%であり、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が3〜15質量%である、組成物。 - 前記2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、前記スチレンの含有量が68〜95質量%である、請求項1に記載の組成物。
- 前記2種以上のポリマーを構成するモノマー単位全量基準で、前記共役ジエンの含有量が0.01〜4質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記スチレン及び前記(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含むポリマー(A)と、
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、(メタ)アクリル酸メチル、及び前記(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むポリマー(B)と、
前記共役ジエンをモノマー単位として含むゴム成分に前記スチレンを重合させたポリマー(C)と、を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。 - 前記ポリマー(A)に含まれるモノマー単位全量を基準として、前記スチレンの含有量が85〜97質量%であり、前記(メタ)アクリル酸の含有量が3〜15質量%である、請求項4に記載の組成物。
- 前記ポリマー(B)に含まれるモノマー単位全量を基準として、前記(メタ)アクリル酸メチルの含有量が65〜90質量%であり、前記(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が10〜35質量%である、請求項4又は5に記載の組成物。
- 前記ポリマー(C)により形成される粒子の平均ゴム粒子径が1.2〜12.0μmである、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物からなる発泡シート。
- 発泡倍率が1.1〜20倍である、請求項8に記載の発泡シート。
- セルの扁平度が1.1〜9.0である、請求項8又は9に記載の発泡シート。
- 請求項8〜10のいずれか一項に記載の発泡シートを成形してなる成形体。
- 食品用容器である、請求項11に記載の成形体。
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