JP2020100661A - コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生のための遺伝子治療 - Google Patents

コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生のための遺伝子治療 Download PDF

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Abstract

【課題】軟骨組織修復または再生技術の提供。【解決手段】必要とする個体の関節においてコンドロサイトまたは軟骨型細胞を製造する方法であって、1つまたは複数の治療ポリヌクレオチドをコードする発現ベクターを該個体の関節に送達する工程を含み、該送達において該関節における細胞をコンドロサイトまたは軟骨型細胞に分化させるおよび/または該送達により該関節におけるコンドロサイトを刺激してさらなる細胞を生成させる、方法。【選択図】なし

Description

本出願は、2013年9月9日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第61/875,509号の優先権を主張する。
本発明は、一般に、少なくとも医学、外科学、解剖学、生物学、細胞生物学および/または分子生物学の分野に関する。
軟骨劣化
関節および関節軟骨の損傷は発生頻度が高く、米国では毎年600万を超える人々が、膝、手首および足首の様々な障害のために病院を訪れる。関節軟骨において摩耗および断裂が進行することにより、進行性の軟骨組織損傷につながる可能性があり、さらには骨端が曝露され、それらの端が防御されないままとなることもある。最終的には、最も一般的な関節炎である骨関節炎(または変形性関節疾患)へと悪化する。
米国では65歳以上の成人の33.6%(1240万)が骨関節炎に罹患していると報告されている。米国整形外科学会(AAOS)は、骨関節炎が2004年の短期および非致命的入院の67%を占める主要な診断結果であると報告している。人口の増加、特に高齢者の寿命の延びを考慮すると、損傷および骨関節炎の発症件数は、米国のみならず、全世界で、疑いなく増加するであろう。
ヒトの体には3種類の軟骨、つまりヒアリン軟骨(例えば、可動関節内)、線維軟骨(例えば、膝半月板およびTMJ円板)、ならびに弾性軟骨(例えば、耳)が存在する。特に骨表面を覆う関節軟骨は、優れた潤滑性、摩耗性、および低摩擦特性を示す柔軟で特殊化したヒアリン軟骨であり、これにより関節のストレスも軽減されている。
関節軟骨は、少ない比率でコンドロサイトを含んでいるが、高密度の細胞外マトリックス(ECM)によりコンドロサイトの移動は阻害されている。さらに、関節軟骨は、血管性、神経性およびリンパ性のネットワークを欠き、様々な局所的前駆細胞も欠いている。さらに効率的な組織修復を阻害しうるプロテアーゼ阻害剤を高レベルで有するとも報告されている。
これらの理由により、現状では、損傷を受けたまたは罹患した関節軟骨の完全な組織機能を回復することは困難である。自家移植および同種移植などの従来的方法が関節軟骨障害を処置するために臨床的に使用されてきたが、これらの治療には関連する多くの欠点が依然として存在する。自家移植は、患者の低体重負荷軟骨の少部分を障害部位に移植することを必要とし、ドナー部の病的状態や軟骨組織の利用可能性に制限があるなどの欠点がある。同種移植、つまり組織バンクから取得した軟骨片には、潜在的に免疫応答を誘導する可能性がある。
重度の関節損傷および骨関節炎を有する対象は、関節全置換術が必要となる。しかし、関節置換後に炎症、感染、およびインプラントの緩みなど多くの合併症が高頻度で発生し、将来的に移植不全を引き起こし、再置換手術が必要となる場合がある。実際に、腰および膝の置換機能不全のために、2003年に米国では、328,000件の腰の置換に対してほぼ36,000件の修正(11%)および418,000件の膝の置換に対して33,000件の修正(8%)が行われた。
したがって、成功裡に関節軟骨組織を修復および再生するための効率的で単純な方法の開発が望まれている。急速に拡大する分野として、組織工学は、生体摸倣組織置換体の開発を通じて関節軟骨の修復および再生を行う代替的解決策を提供しうる。通常、関節軟骨は一旦損傷すると自然には再生しない組織である。最近では、損傷のある生物学的組織を損傷組織の一部を実験室において再生することによって再構築する試みがなされている。この手法は「組織工学」と定義され、非常に高い関心を集めている。
組織工学には、組織の機能的等価物の製造のための生物学的組織と特異的に相互作用可能な生体適合材料の開発が関与する。組織工学の基本概念は、患者から所望の組織を回収し、組織検体から細胞を単離し、細胞を増殖させ、それらの細胞を体内に再導入することである。
特定の場合には、遺伝子が、生物学的組織の再生のための治療用組成物として利用される。そのような場合、例えば心臓の生物学的組織の再生においては、遺伝子Gata4、Mef2CおよびTbx5により、一部の患者で心筋線維が生じることが示されてきた。これらの遺伝子は、線維芽細胞を誘引し、その心筋細胞への分化を誘導することが研究されている。しかし、現在のところ、軟骨の再生における遺伝子治療の使用を支持する科学的根拠はない。実際に心臓と関節の環境は全く異なっている。心筋細胞は、心臓組織に存在し、血管性で、流動する栄養素や酸素に接触しやすい。一方、軟骨は、無血管性、無神経性と考えられ、酸素への接触も非常に少ない。これらの理由により、2つの環境は相当異なっており、組織を再生するためには、異なる生物学的アプローチが必要となる。
本開示は、軟骨組織修復または再生技術において長らく必要とされてきた解決手段を提供する。
本発明の実施形態は、コンドロサイトおよび軟骨型細胞の再生に関する。特定の実施形態において、1つまたは複数の遺伝子が、コンドロサイトおよび軟骨型細胞の再生のために使用される。特定の実施形態において、1つまたは複数の遺伝子治療レジメンが、コンドロサイトおよび軟骨型細胞の再生のために使用される。特定の態様において、実施形態は、軟骨修復、例えば関節軟骨の修復に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、コンドロサイトまたは他の軟骨型細胞の誘引、生成および/もしくは再生ならびに/または軟骨組織の生成および/もしくは修復のために遺伝子治療を使用することに関する。本開示の特定の実施形態においては、所望の細胞をin vivoで誘引および/または生成することが可能な遺伝子治療が提供される。特定の場合には、遺伝子治療が、線維芽細胞を直接的または関節的に刺激してコンドロサイトもしくはコンドロサイト様細胞または軟骨型細胞へと分化させる誘引のために用いられる。特定の実施形態において、関節の線維芽細胞または関節の他の型の細胞は、1つまたは複数の遺伝子治療組成物が関節に送達される際は関節に存在し、該遺伝子治療組成物が送達された後において、線維芽細胞または1つもしくは複数の他の型の細胞がコンドロサイトもしくはコンドロサイト様細胞または軟骨型細胞に分化する。いくつかの場合において、関節での(例えば、関節における死にかけているコンドロサイトが存在する中の)1つまたは複数の遺伝子治療組成物の送達は、関節における1つまたは複数の型の細胞が分化して、コンドロサイトおよび/もしくは軟骨型細胞または軟骨細胞が所有する機能と少なくとも一部が同じ機能に至る他の細胞を再生するための触媒として作用する。特定の態様において、1つまたは複数の遺伝子治療組成物を関節における死にかけているコンドロサイトが存在する中へ送達することは、関節における結合組織の再生、例えば軟骨組織の再生のための触媒として作用する。いくつかの態様において、死にかけているコンドロサイトに由来する1つまたは複数の分子が、関節における1つまたは複数の種類の細胞のコンドロサイトへの分化に用いられる。そのような分化は、1つまたは複数の遺伝子治療組成物に由来する遺伝子産物を利用しても利用しなくてもよい。本発明の実施形態は、軟骨の全ての形態、ならびに軟骨を形成することができ、軟骨であるかのようにその位置で機能しうる任意の他の細胞に関する;特別の態様では、瘢痕組織は、本発明の方法によって生成される。瘢痕組織が生成される特定の場合において、瘢痕組織は、関節におけるクッションとして作用する。
いくつかの場合において遺伝子治療組成物は、関節内に既に存在している1つまたは複数の種類の細胞にin vivoで取り込まれるが、他の場合には遺伝子治療組成物は、関節に送達される細胞および/または関節に既に存在している細胞に取り込まれる。関節に送達される細胞は、関節に送達される前にまたは関節に送達された後に分化してもよい。遺伝子治療組成物は、関節に送達される細胞に、該細胞が関節に送達される前または関節に送達された後に接触してもよい。細胞のコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞への分化は、本開示に従って任意の適切な様式で生じることができ、例えば、遺伝子治療が個体に移植される前のin vitroでの細胞の分化、または遺伝子治療が個体に移植される前のin vitroでの分化、および移植後のin vivoでの分化も挙げられる。コンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化する細胞は、任意の特定の種類の細胞であってよいが、特定の実施形態において、コンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化する細胞は、線維芽細胞である。いくつかの実施形態においては、線維芽細胞、脂肪細胞、幹細胞、線維芽細胞および/または間葉系幹細胞由来の幹細胞が、本発明の任意の方法で使用される。
線維芽細胞は、1つまたは複数の遺伝子治療組成物に接触する前、間、および/または後に、コンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化してもよい。特定の態様において、線維芽細胞は、in vivo送達の前にin vivoまたはin vitroで機械的緊張に曝され、さらに1つまたは複数の遺伝子治療組成物に曝される。遺伝子治療組成物が関節に送達される場合、関節への圧力は、幹細胞および/または線維芽細胞を含む細胞の分化を少なくとも一部生じさせるための機械的緊張として作用しうる。
本開示の態様において、コンドロサイトもしくはコンドロサイト様細胞または軟骨型細胞は、軟骨再生および/または修復のために製造される。任意の遺伝子または遺伝子組み合わせが、本開示の目的のために使用されてもよい。例えばCOL11A2などが、コンドロサイト生成、軟骨型細胞生成、ならびに/または軟骨再生および/もしくは修復のために使用されてもよい。特定の実施形態において、TGF−βおよびFGF−2が、軟骨再生に利用される。特定の態様では、COL11A2、TGF−βおよび/またはFGF−2が、in vivoで周囲の線維芽細胞から軟骨を生成するために利用される。いくつかの場合には、本明細書で引用された他の遺伝子が、本発明の組成物および方法で利用される。
実施形態は、特定の遺伝子、例えばコラーゲン形成遺伝子の、栄養マトリックスおよび/または容器を伴うまたは伴わない治療送達(例えば、注入、静脈内療法(IV)、経口摂取、脈管配置、例えば血管造影、または局所的アプローチによる)に関する。より詳細に、排他的ではないが、実施形態は、軟骨形成遺伝子および/または周囲の線維芽細胞を誘引して軟骨の修復を開始させる遺伝子混合物の送達による軟骨の生物学的修復のための方法および/または組成物に関する。この治療は、特別の実施形態において、軟骨回復のためのin vivoワークステーションとして作用する。特定の態様において、軟骨生成は、in vitroで、例えば、自家コンドロサイトならびに/または同種コンドロサイトおよび/または線維芽細胞、例えば皮膚線維芽細胞を使用して開始される。この混合物は、1つもしくは複数の関節または1つもしくは複数の関節の周辺に(例えば注入によって)送達され、これにより、特別の実施形態においては、例えば他の捕捉されていない線維芽細胞が軟骨再生プロセスへと誘引される。特定の実施形態において、マトリックスまたはスキャフォールドが導入され、次いでin vitroまたはin vivoで遺伝子治療組成物、線維芽細胞、および/またはコンドロサイトが播種され、軟骨再生プロセスのための構造が得られうる。
本開示の態様において、軟骨の産生を援助する遺伝子の導入は、軟骨劣化に対する補充および/または軟骨劣化の停止を目的として、劣化が進行している軟骨の領域に存在する線維芽細胞または他の適切な細胞をコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ誘引し、分化させる。典型的に、軟骨は血流および栄養素への接触が少ないため、体内での再生は難しい組織と考えられている。この理由により、いくつかの態様では、遺伝子に加えて他の要素が治療遺伝子組成物に加えられる場合がある。例えば、関節の活性のために適切な制御因子を本発明で利用してもよい。特定の態様において、組成物は栄養素を含み、特定の態様において、組成物は、酸素および/または栄養素を含む吸収可能な貯蔵体を有する。特定の態様において、タンパク質/アミノ酸、リン酸塩、カルシウム、ナトリウム、脂質、鉄、糖/でんぷんおよび/またはビタミンが、本発明の1つまたは複数の方法で利用されうる。
特定の実施形態において、遺伝子治療組成物は、発現ベクターを含む。任意の適切な発現ベクターを利用することができるが、いくつかの場合には、発現ベクターは、無血管性、無神経性、および/または低酸素環境における活性を含む、関節における活性に適したものである。特定の場合において、発現ベクターは、無血管性、無神経性、および/または低酸素環境において活性なプロモーターを含む。
上記では、以下の本発明の詳細な記述が一層よく理解されるように、本発明の特徴および技術的利点を広く概説している。本発明の主題を形成する本発明のさらなる特徴および利点を以下に記述する。当業者であれば、開示されている概念および特別の実施形態が、本発明と同じ目的を実行する他の構造を修正もしくは設計するための基礎として容易に利用されることを認識する。さらに当業者は、そのような同等の構造物が、添付の特許請求の範囲に示された本発明の趣旨および概念を逸脱するものでないことも認識する。本発明の特徴と考えられる新規特徴は、その機構および実施の方法の両方に関して、さらなる目的および利点と併せて、添付の図面を組み合わせて考えるときに以下の詳細な説明から一層よく理解される。しかしながら、各図面は、例証および説明を目的として提供されるものに過ぎず、本発明の範囲の定義を意図するものでないことが明確に理解されるべきである。本出願は、いくつかの参照および文献に言及しているが、これらの全てが全体として本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用するとき、「a」または「an」は、1つまたは複数を意味してもよい。特許請求の範囲において、用語「含む(comprising)」と組み合わせて使用されるとき、用語「a」または「an」は、1つまたは複数を意味してもよい。本明細書で使用するとき、「別の(another)」は、少なくとも2つ以上を意味してもよい。特定の実施形態において、本発明の態様は、例えば本発明の1つまたは複数の配列「から本質的になる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」ものでもよい。本発明のいくつかの実施形態は、本発明の1つまたは複数の要素、方法工程および/または方法からなるまたはから本質的になるものでもよい。本明細書に記載の任意の方法または組成物は、本明細書に記載の任意の他の方法または組成物に関しても実施できることが企図されている。
I.定義
用語「軟骨型細胞」は、本明細書で使用するとき、軟骨細胞として存在し、軟骨細胞と同じ能力で機能する任意の細胞を指す。
用語「コンドロサイト様細胞」は、本明細書で使用するとき、一次的コンドロサイトではなく、幹細胞(例えば、間葉系幹細胞)または他の系統由来の細胞(例えば、線維芽細胞)から誘導された細胞を指す。これらのコンドロサイト様細胞は、コンドロサイト(軟骨の細胞)の表現型を有する。このことは、コンドロサイト様細胞がコンドロサイトの形状(例えば、多角形および/または菱形の細胞)を有するだけではなく、特定の場合において少なくとも凝集可能、ならびに例えば硫酸化プロテオグリカンおよびII型コラーゲンなどの軟骨マトリックス成分を産生可能であることを意味する。そのように、コンドロサイト様細胞の典型的なマーカーとしては、例えば、1つまたは複数のアグリカン、つまりコンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸プロテオグリカン、II型コラーゲン、Sox−9タンパク質、軟骨結合タンパク質、ならびにパールカン、つまりヘパラン硫酸プロテオグリカンが挙げられる。
用語「低酸素」は、本明細書で使用するとき、酸素の欠乏を指す。特定の態様において、低酸素は、約20%未満の酸素圧を指す。
用語「関節」は、本明細書で使用するとき、骨格の2つの骨が連結する体内の領域を指す。
用語「再生」は、本明細書で使用するとき、損傷を受けた関節軟骨の正常機能が回復し、さらに少なくとも一部の場合には天然の軟骨と判別できない新たな組織の形成に帰着するプロセスと定義される。
用語「播種」は、本明細書で使用するとき、スキャフォールドに細胞を移植することを指す。細胞は、スキャフォールドに接着し、スキャフォールドで成長して分化する。
用語「スキャフォールド」は、本明細書で使用するとき、細胞のマトリックスを形成しうる機械的単位である。
用語「マトリックス」は、本明細書で使用するとき、強度および構造を提供しうる幾何学的形状となるものである。
II.一般的実施形態
本発明は、軟骨修復を必要とする個体の処置など、必要とする個体の処置のための、システム、方法および組成物に関する。本発明は、例えば椎間および関節軟骨を含む任意の種類の軟骨の生物学的修復のための方法および組成物に関する。特定の態様において、本発明は、軟骨修復、例えば関節軟骨修復の分野に関する。
特定の態様において、本発明は、例えば、線維芽細胞由来などから、天然組織をin vivo(またはin vitro、またはin vitroおよびin vivo)で生成する。より詳細に、但し排他的ではないが、本発明は、ヒト線維芽細胞を、例えばコンドロサイト様細胞へ成長および分化させるための方法に関する。特定の実施形態において、細胞は、自家組織、同種組織またはそれらの混合物でありうる。
特定の実施形態において、本発明は、ある特定の細胞の、コンドロサイト様細胞への分化を利用する。特定の実施形態において、例えばヒト皮膚線維芽細胞(HDF)は、1つまたは複数の遺伝子を用いる遺伝子治療を利用する特定の条件下で、コンドロサイト様細胞へ分化する。細胞からコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞への分化は、移植後にin vivoで、または線維芽細胞を含む天然に存在する細胞を用いてin vivoでの様式を含む、任意の適切な様式で生じてもよい。
特定の実施形態において、本発明は、関節、例えば椎間板、肘、膝、肩、腰、側頭下顎関節、足首、中足骨、中手骨などのin vivo再生方法を提供する。
本開示の典型的な目的は、関節、例えば劣化した椎間板を修復するための方法、例えば、椎間板の解剖学的構造を回復させ、その機能を改善させるための方法を提供することである。本発明の特別の態様では、損傷を受けた円板の修復方法が提供される。本発明の一実施形態においては、個体の関節(椎間板など)における損傷軟骨の修復方法であって、本発明に従って遺伝子治療が実施された線維芽細胞を個体の各関節(椎間板など)に送達すること、またはin vivoで線維芽細胞または他の細胞(死にかけているコンドロサイトを含む)に遺伝子治療を実施することを含む、方法が提供される。本発明の特定の実施形態において、遺伝子治療組成物または線維芽細胞および遺伝子治療組成物は関節に送達され、椎間板に関する特定の実施形態においては、遺伝子治療組成物または線維芽細胞および遺伝子治療組成物は、劣化した円板の一部または全てを除去することなしに送達される。
本発明の特定の態様において、個体には、本発明の方法に追加して別の治療が実施される。例えば、遺伝子治療組成物または遺伝子治療組成物と線維芽細胞との送達の前、間、および/または後に、個体は1つまたは複数の薬物を服用してもよい。典型的な追加的治療としては、抗生物質、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、単純な痛み止め(鎮痛剤)、筋弛緩剤および/または必要に応じた機能的リハビリテーションが挙げられる。特定の実施形態において、個体は、1つまたは複数の抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、栄養注入、IV、または経口錠剤を供与されていてもよい。
本発明の特定の態様において、細胞は、コンドロサイト細胞またはコンドロサイト様細胞へ、該コンドロサイト細胞またはコンドロサイト様細胞がアグリカン、II型コラーゲン、Sox−9タンパク質、軟骨結合タンパク質、パールカン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される分子を分泌するように、分化する。特定の場合において、細胞は、線維芽細胞から分化され、例示的な線維芽細胞としては、皮膚線維芽細胞、腱線維芽細胞、靭帯線維芽細胞、滑膜線維芽細胞、包皮線維芽細胞、またはこれらの混合物が挙げられる。
特定の実施形態において、個体に成長因子が与えられてもよいし与えられなくてもよい。成長因子としては、例えば、骨形成タンパク質2(BMP−2)、BMP−4、BMP−6、BMP−7、軟骨由来形成タンパク質(CDMP)、トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)、インスリン成長因子1(IGF−I)、線維芽細胞成長因子(FGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、FGF−2、血小板由来成長因子(PDGF)、およびこれらの混合物などが挙げられる。成長因子の送達は、遺伝子治療組成物の送達時、前、および/または後であってよい。細胞が生体外で操作された後に細胞の送達が行われる場合において、1つまたは複数の成長因子が、細胞の送達時に供与されてもよい。
さらなる実施形態においては、1つまたは複数の遺伝子治療組成物を含むキットが提供され、キットは特定の細胞、例えば線維芽細胞を含んでもよく、キットの任意の成分は1つまたは複数の適切な容器に収容されている。特定の実施形態において、キットは、線維芽細胞からコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へのin vivo分化を増強するために適切な1つまたは複数の試薬をさらに含む。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、遺伝子治療組成物および/または線維芽細胞を個体に送達するための1つまたは複数の装置を含む。
本発明のいくつかの実施形態においては、遺伝子治療組成物および/または線維芽細胞を、必要とする個体におけるin vivoの部位に送達させることに関する方法および組成物が提供される。特定の実施形態において、部位は、in vivoの、軟骨が必要とされる部位を含むコンドロサイトが必要とされる部位である。例えば、コンドロサイトが必要な部位としては、関節、例えば軟骨性関節(例えば脊椎骨)が挙げられる。いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、軟骨を必要とする個体から取得される。特定の実施形態において、線維芽細胞は、個体における少なくとも1つの椎間板に送達される。
特定の場合において、遺伝子治療組成物は、関節に送達される。いくつかの場合において、遺伝子治療組成物は、椎間板(invertebral disc)間に送達される。特定の場合において、遺伝子治療組成物は、内側線維輪における髄核および断裂の間または中に送達される。遺伝子治療組成物は、椎間板(invertebral disc)間、例えば、内側線維輪における髄核および断裂に送達されてもよい。
いくつかの実施形態において、個体の関節において線維組織および/またはコンドロサイト組織を製造する方法であって、1つまたは複数の遺伝子治療組成物を個体の関節に送達する工程を含む、方法が提供される。
特別の実施形態において、1つまたは複数の遺伝子治療組成物がin vivoで関節に送達されて、関節に存在する細胞が組成物を取り込む。しかしながら、特定の実施形態において、細胞は、1つまたは複数の遺伝子治療組成物の送達の前、間および/または後に関節に供与される。そのような場合は、細胞がコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化する能力がある限り、任意の細胞を利用することができる。しかしながら、特定の実施形態において、細胞は、線維芽細胞、例えば、皮膚線維芽細胞、腱線維芽細胞、靭帯線維芽細胞、または滑膜線維芽細胞などである。自家細胞を利用してもよいが、代替的実施形態では、同種異型細胞が使用される;特定の実施形態では、同種異型細胞が疾患について分析されてきており、ヒトへの移行に適していると考えられる。本発明の特定の態様において、細胞は自家細胞である一方、代替的実施形態において、細胞は同種異型細胞である。細胞が自家細胞でない場合、本発明で使用する前に細胞を当該分野の標準的手段で処理して、潜在的な有害物質、病原体などを除去しておいてもよい。
III.治療遺伝子
本発明の実施形態において、1つまたは複数の遺伝子が治療組成物として使用される。組成物は、線維芽細胞のコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞への分化を容易にするために使用されてもよく、または線維芽細胞がコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化した際に、治療組成物による遺伝子産物のレベルを増強するために使用されてもよい。いくつかの場合において、1つまたは複数の供与された遺伝子が、関節に存在する死にかけているコンドロサイト由来の分子と共に働き、関節におけるコンドロサイトもしくはコンドロサイト型細胞または軟骨組織の生成を容易にする。
特定の態様において、1つまたは複数の治療遺伝子を包含するポリヌクレオチドは全長遺伝子を含むが、いくつかの態様では、遺伝子の断片が使用される。但し、その断片は依然として治療活性を有するか、治療活性を有するペプチドまたはポリペプチドをコードする。遺伝子は、本質的に、ヒト、マウス、ラットなどを含む、哺乳類の遺伝子であってもよい。
特別の態様において、1つまたは複数の治療遺伝子は、例えば、コラーゲン形成遺伝子(任意の型のものを含む)、軟骨形成遺伝子、結合組織形成遺伝子、転写因子、軟骨マトリックス遺伝子、受容体遺伝子、またはシグナル伝達分子である。特定の実施形態において、1つまたは複数の治療遺伝子は、トランスフォーミング成長因子(TGF)βスーパーファミリーのメンバーではない。
特定の実施形態において、遺伝子治療組成物は、1つまたは複数のマトリックス分子、例えば、コラーゲンI型、コラーゲンII型、プロテオグリカン、またはそれらの組み合わせをコードする。特定の実施形態において、コラーゲンは、I型およびII型コラーゲンを含む。いくつかの場合において、プロテオグリカン類のうちの1つがアグリカンである。
特定の実施形態において、1つまたは複数の以下の遺伝子が、本発明で使用される:COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A1、COL4A2、COL4A3、COL4A4、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL5A3、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL6A4、COL6A5、COL7A1、COL8A1、COL8A2、COL9A1、COL9A2、COL9A3、COL10A1、COL11A1、COL11A2、COL12A1、COL13A1、COL14A1、COL15A1、COL16A1、COL17A1、COL18A1、COL19A1、COL20A1、COL21A1、COL22A1、COL23A1、COL24A1、COL25A1、COL26A1、COL27A1、およびCOL28A1。
例示遺伝子としては、軟骨マトリックス遺伝子、例えば、プロテオグリカンならびにCOL2、−9、−10、および−11;受容体遺伝子[線維芽細胞成長因子2(FGFR2);副甲状腺ホルモン関連ペプチド受容体(PTHrP−R)];1つまたは複数の転写因子(SOX5、−6、および−9);SOX4;血管内皮成長因子(VEGF);マトリックスメタロプロテイナーゼ14(MMP14);フォークヘッド;CD10;MMP13;コラーゲン(例えば、COL3A1およびCOL16A1);シグナル伝達分子(WNT11);ホメオボックスホモログ(BAPX1);受容体(IL−1R1);IGF修飾因子(IGFBP5);および/またはメタロプロテイナーゼ(mettaloproteinase)(MMP16)(Sekiyaら、2002を参照されたい)が挙げられる。特定の態様においては、以下の遺伝子が使用されてもよい:軟骨形成能に関する既知のマーカー(コラーゲンII型、FGFR3、BMP2、ALK1)、同化成長因子(BMP5およびIGF1)またはマトリックス分解酵素(MMP13およびADAMTS5)(Hellingmanら、2011を参照されたい)。
特定の態様においては、以下の1つまたは複数が利用される:GREM1、BMP6、COL10A1、またはMMP13(Funariら、2007を参照されたい)。BMC Genomics 2007、8:165 特定の態様では、以下の1つまたは複数が使用されてもよい:COL11A1、BCL10、MCOLN2、LRRC8C、PTGFR、RLF、COL9A2、MATN1、PDPN、TNFRSF18、ITGA10、THBS3、SCYL1BP1、KCNT2、244533_at、ARF1、222348_at、SLC4A5、HSPC159、RHOQ、MATN3、SULT1C2、236289_at、BCL2L11、FLJ16008、KLF7、NRP2、SERPINE2、FN1、B3GNT7、ADAMTS9、ANKRD28、GALNTL2、IRAK2、SETD5、FNDC3B、B3GNT5、CYTL1、IBSP、229221_at、COL25A1、PET112L、EDNRA、1563414_at、OSMR、C1QTNF3、ZFYVE16、225611_at、MAST4、EDIL3、230204_at、230895_at、HAPLN1、PDLIM4、cr5q35 SQSTM1、COL11A2、SCUBE3、CMAH、236685_at、BMP6、COL9A1、COL10A1、ULBP2、LRP11、SOD2、SYNJ2、WTAP、HIG2、KIAA1718、FAM62B、UBE3C、TNFRSF10D、SLC25A37、ChGn、RB1CC1、C8orf72、EIF2C2、HAS2、TRPS1、WISP1、235821_at、PTK2、ZCCHC7、RPS6、GLIS3、SLC28A3、1555841_at、MGC17337、EDG2、229242_at、COL27A1、ITGB1、C10orf49、YME1L1、AKR1C2、CHST3、LOXL4、SFXN3、228910_at、CD44、FOSL1、RELA、MMP12、MMP13、MMP3、KIAA0999、ASAM、LOC399959、ETNK1、SOX5、CHST11、ATF1、SRGAP1、DSPG3、LOC338758、KIAA0701、SLC41A2、RHOF、FZD10、NUPL1、USP12、UFM1、LECT1、GPC6、ERO1L、BDKRB1、SEMA6D、LACTB、ARIH1、CSPG4、AGC1、LOC283824、VASN、WWP2、NOS2A、LOC201181、MSI2、PITPNC1、TGIF、1552288_at、1552289_a_at、ZNF146、RELB、MIA、ZNF160、SNX5、BMP2、RNF24、HSUP1、MATN4、BIC、RUNX1、LIF、RP4−756G23.1、RPS6KA3、TNMD、RP6−213H19.1(Funariら、2007を参照されたい)。
特定の実施形態において、TGFβスーパーファミリーのメンバーは使用されないが、別の実施形態においては、TGFβスーパーファミリーの1つまたは複数のメンバー、例えば、TGFβ、TGF−β3、TGF−β2、TGF−β4、TGF−β1、TGF−β5(Xenopus)、BMP−2、BMP−4、Drosophila DPP、BMP−5、BMP−6、Vgr1、OP−1/BMP−7、Drosophila 60A、GDF−1、Xenopus Vgf、BMP−3、Inhibin−βA、Inhibin−βB、Inhibin−αおよびMISが使用される(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,338,655号を参照されたい)。
特定の実施形態において、遺伝子の一部または全てが、方法および/または組成物の実施形態において利用される。遺伝子のコード領域の全てまたは一部が使用される場合があり、特定の遺伝子の制御領域の1つまたは複数が使用される場合がある。特定の実施形態においては、遺伝子の断片、例えばコード領域の断片が利用されてもよく、該断片は、依然として治療活性を維持するものである。特別の場合において、特定遺伝子の野生型配列が利用され、当業者は様々な遺伝子の配列が様々なデータベース、例えば、National Center for Biotechnology Information’s GenBank(登録商標)データベースで識別しうることを認識している。特定の場合において、ポリヌクレオチド組成物で利用されている配列は、野生型配列と同一ではなく、1つもしくは複数のヌクレオチドまたはコードしている遺伝子産物の1つもしくは複数のアミノ酸において配列が異なっている。組成物で利用される配列は、コードする野生型ポリペプチドのポリペプチド配列と比較したとき、対応する野生型のDNA配列と、例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%同一であり、そのような割合で、コードする遺伝子産物と同一である。
IV.遺伝子治療実施形態
実施形態は、コンドロサイト再生、軟骨生成、および/または軟骨修復のための治療遺伝子産物をコードすることが可能な1つまたは複数のポリヌクレオチドを使用することを含む。特別の実施形態において、遺伝子産物は、線維芽細胞または関節における他の型の細胞によって利用され、線維芽細胞がコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化することを容易にし、および/または線維芽細胞、幹細胞または脂肪細胞から分化したコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞によって利用される。
ポリヌクレオチドは、遺伝子産物全体をコードしていてもしていなくてもよい。全体に満たない遺伝子産物がコードされている場合でも、その断片は生物学的に活性であり、コンドロサイト生成および/または軟骨修復および/または軟骨再生活性を有することができる。いくつかの場合において、治療遺伝子産物またはその生物学的に活性な断片を含む発現ベクターは、選択マーカーを含む。
本発明のさらなる実施形態は、治療遺伝子産物をコードしうるポリヌクレオチドまたはその生物学的に活性な誘導体または断片を利用すること、および発現ベクターとして利用する送達方法にかかわらず送達に際して標的細胞または組織内で安定に維持されることが可能な当業者に公知の任意のベクターを利用することを含む。そのような一つの方法は、ウイルスまたは非ウイルスベクター分子であるベクター分子を、標的細胞または組織に直接送達する方法である。
本発明の別の実施形態は、産物をコードする少なくとも1つの遺伝子を、哺乳類宿主の処置に使用するための少なくとも1つの細胞に導入するための方法を提供する。この方法は、所定の産物をコードする遺伝子を所望の細胞に導入するために、ウイルスまたは非ウイルス手段(例えば、プラスミド)を利用することを含む。より詳細には、特定の方法は、リポソーム封入、リン酸カルシウム共沈、電気穿孔またはDEAEデキストラン媒介を含み、遺伝子として、いくつかの治療遺伝子産物をコードすることができる遺伝子またはその生物学的に活性な誘導体もしくはその断片、および必要に応じて選択マーカーを使用することを含む。
本発明の別の実施形態は、ある産物をコードする少なくとも1つの遺伝子を哺乳類宿主の処置に使用する少なくとも1つの所望の細胞に導入するための方法を提供する。この方法は、ウイルスを利用した生物学的手段またはベクター分子を、標的の細胞もしくは組織に送達するための他の手段を利用する生物学的手段を使用することを含む。好ましくは、ウイルスはシュードウイルスであり、シュードウイルスのゲノムは、シュードウイルスが送達のみ行う能力があり、標的細胞内で安定に維持されるが、標的細胞または組織内で複製する能力は保持していないように改変されている。改変ウイルスゲノムは、組換えDNA技術によって、標的細胞または組織内で発現する目的の異種遺伝子を含有するDNAベクター分子として作用するようにさらに改変される。ウイルスベクターは、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、またはアデノ随伴ウイルスベクターであってもよい。
本発明の一実施形態は、所望の治療遺伝子産物をコードするポリヌクレオチドを哺乳類宿主の所望の位置に送達させることによる、該治療遺伝子産物を標的関節空間に送達させる方法である。例えば、治療遺伝子産物の一部または全てをコードしている目的のDNA配列を、選択したベクターにサブクローニングし、次いで組換えベクターを使用して、in vitro培養された所望の細胞に感染させ、形質導入された結合組織細胞、例えば自家移植細胞を、目的の位置に例えば関節内注入により移植する;代替的実施形態では、組換えベクターをin vivoで目的の位置に送達させ、ここでベクターをin vivo細胞、例えば関節内のin vivo線維芽細胞に感染させる。
本発明の方法は、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターまたは単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターのいずれかを使用して、治療遺伝子を哺乳類宿主の所望の組織に直接in vivo送達することを含む。別言すると、機能タンパク質またはタンパク質断片をコードする目的のDNA配列を、それぞれのウイルスベクター内へサブクローン化する。次いで遺伝子産物含有ウイルスベクターを適当な力価にまで成長させ、好ましくは関節内注入によって所望の空間へ向かわせる。
目的とする遺伝子を含有するDNA分子の関節内への直接関節内注入により、レシピエントの結合組織細胞(その部位での線維芽細胞を含む)が形質転換され、これにより除去、in vitro培養、トランスフェクションおよび選択の必要性が回避されると共に、線維芽細胞含有ベクターの移植により、目的とする異種遺伝子の安定な発現が促進される。
DNA分子を関節内の標的細胞に提示する方法としては、限定されないが、DNA分子のカチオンリポソームへの挿入、目的のDNA配列のレトロウイルスもしくはプラスミドベクターのサブクローニング、またはDNA分子自体の関節内への直接注入が挙げられる。DNA分子は、関節への提示形態にかかわらず、組換えウイルスDNAベクター分子または組換えDNAプラスミドベクター分子のいずれかでDNAベクターとして提示されることが好ましい。目的の異種遺伝子の発現は、真核細胞において活性なプロモーター断片を、異種遺伝子のコード領域の上流に直接挿入することにより確実となる。当業者であれば、DNA分子の結合組織への挿入に続く発現の適切なレベルを確実にするために、ベクター構築に関する既知のストラテジーおよび技術を利用しうる。
好ましい実施形態において、関節から取り出した線維芽細胞は、遺伝子治療のための送達系として後で利用するためにin vitroで培養される。出願人は、開示された特定の結合組織の使用に限定されないことが明らかである。in vitro培養技術のために他の組織供給源を利用することが可能である。本発明の遺伝子の使用方法は、予防的処置および治療的処置のいずれにおいても利用することができる。任意の罹患の疑いのあるまたは罹患した関節を処置するために、本明細書に記載の教示を予防的または治療的に利用してもよい。
この発明の別の実施形態において、TGF−βスーパーファミリータンパク質をコードする遺伝子と適切な医薬的担体とを含有する非経口投与用化合物が、治療有効量で患者に投与される。
本発明の別の実施形態では、予防的有効量で患者に非経口投与するための、TGF−βスーパーファミリータンパク質をコードする遺伝子と適切な医薬的担体とを含有する化合物を提供される。
本発明のさらなる実施形態には、遺伝子のin vitroでの細胞への導入を含む、本明細書で前述した方法が含まれる。この方法は、感染した細胞を後に哺乳類宿主に移植させることも含む。この方法は、結合組織細胞のトランスフェクトを達成した後だが感染細胞を哺乳類宿主に移植させる前に、トランスフェクトされた結合組織細胞を保存することを含む。当業者は、例えば感染された結合組織細胞を10%DMSO含有液体窒素中に凍結保存してもよいことを認識している。実施形態には、関節疾患または損傷の発症可能性が高い哺乳類宿主細胞における関節疾患または損傷の発症を実質的に予防するための方法を利用することも含まれる。
本発明の別の実施形態は、ある産物をコードする少なくとも1つの遺伝子を、前述のように哺乳類宿主の処置に使用するために、前記産物をコードする遺伝子を含有するウイルスベクターを哺乳類宿主に直接導入することにより、細胞のin vivo感染を達成することを含む、哺乳類宿主の結合組織の少なくとも1つの細胞に導入する方法である。好ましくは、本発明の方法は、関節内注入により哺乳類宿主への直接導入を達成することを含む。方法は、哺乳類宿主に関する治療的使用のための方法を使用することを含む。さらにこの方法は、前記で定義したような結合組織を修復および再生するための方法を使用することも含む。
当業者は、リポソームを使用するウイルスベクターが、感染および結合組織細胞への組み込みを達成するためにレトロウイルスが必要とする細胞分裂により制限されないことを認識している。前述したような非ウイルス手段を使用するこの方法は、遺伝子としてTGF−βスーパーファミリーに属するメンバーをコードすることが可能な遺伝子および選択可能マーカー遺伝子、例えば抗生物質耐性遺伝子を使用することを含む。
本発明の別の実施形態は、軟骨などの結合組織を再生するためのコラーゲンのin vivo発現を達成するために、TGF−βスーパーファミリーのメンバーをコードするDNA配列を、本明細書に開示の任意の方法により哺乳類宿主の結合組織に送達することである。
本発明の実施例として開示されるが限定的でない特別の方法において、TGF−βコード配列を含有するDNAプラスミドベクターは、メタロチオネインプロモーターの下流に連結した。
V.核酸に基づく発現系
A.ベクター
用語「ベクター」は、核酸配列を複製可能な細胞に導入するために、核酸該列を挿入することができる担体核酸分子を指す。核酸配列は「外因性」であってもよく、「外因性」とは配列がベクターの導入される細胞に対して外来性であるか、または、配列が細胞内の配列と同種であるが宿主細胞核酸内でその配列が通常見出されない位置にあることを意味する。ベクターとしては、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルスおよび植物ウイルス)ならびに人工染色体(例えばYAC)が挙げられる。当業者であれば、標準的組換え技術を使用してベクターを構築することが十分可能である(例えばいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるManiatisら、1988およびAusubelら、1994を参照されたい)。
用語「発現ベクター」は、転写することができるRNAをコードする核酸を含む任意の種類の遺伝子構築物を指す。いくつかの場合において、RNA分子は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに翻訳される。他の場合において、これらの配列は、例えばアンチセンス分子またはリボザイムの産生で翻訳されない。発現ベクターは、様々な「制御配列」を含んでもよく、ここで制御配列とは、特別の宿主細胞において作動可能に連結されたコード配列の転写および場合により翻訳のために必要な核酸配列を指す。転写および翻訳を支配する制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、他の機能に関わる核酸配列ならびに下記に記載する核酸配列を含んでもよい。
a.プロモーターおよびエンハンサー
「プロモーター」は、転写の開始および速度を制御する核酸配列領域に存在する制御配列である。プロモーターは、核酸配列の特別な転写を開始させるために、制御タンパク質および分子、例えばRNAポリメラーゼおよび他の転写調節因子が結合しうる遺伝子要素を含んでもよい。表現「作動可能に位置付けられた」、「作動可能に連結された」、「制御下」および「転写調節制御下」は、プロモーターが、転写開始および/または配列の発現を制御するために、正確な機能的位置にあることおよび/または核酸該列に対して正確な方向にあることを意味する。
プロモーターは、一般に、RNA合成の開始部位を位置付ける機能を有する配列を含む。最もよく知られているプロモーターの例はTATAboxである。TATAboxを欠失しているいくつかのプロモーター、例えば、末端デオキシヌクレオチジル転移酵素遺伝子のためのプロモーター、およびSV40後期遺伝子のためのプロモーターでは、個別の要素が開始部位自体に重なり、開始場所を固定することを助ける。さらなるプロモーター要素は、転写開始の頻度を制御する。典型的にこれらは開始部位の30〜110bp上流領域に位置するが、いくつかのプロモーターは、開始部位の下流に同様に機能的要素を含むことが示されている。コード配列をプロモーターの「制御下」に配置するために、配列は、選択されたプロモーターの「下流」(つまり3’)の転写リーディングフレームの転写開始部位の5’端に位置する。「上流」プロモーターは、DNAの転写を刺激し、コードされたRNAの発現を促進する。
プロモーター要素間の間隔は、要素が互いに対して逆に配置された場合または移動した場合でもプロモーター機能が保存されるようにしばしば柔軟性がある。tkプロモーターにおいて、プロモーター要素間の間隔は、活性が低下し始める前に、50bp離れるまで増加しうる。プロモーターに依存して、個々の要素は転写を活性化するために、協同してまたは独立して機能しうるようである。プロモーターは、「エンハンサー」と組み合わせて使用してもしなくてもよい。「エンハンサー」とは、核酸配列の転写活性に関与するシス作用調節配列を指す。
プロモーターは、核酸配列に天然に結合しているものでもよく、コードセグメントおよび/またはエキソンの上流に位置する5’非コード配列を単離することによって得られるものでもよい。そのようなプロモーターは「内因性」と称されることもある。同様に、エンハンサーは、核酸配列にその上流または下流のいずれかの位置で天然に結合しているものでもよい。代替的に、コード核酸セグメントを、組換えまた異種プロモーターの制御下に位置付けることで一定の利点が得られることもある。ここで組換えまたは異種プロモーターは、天然の環境下では核酸配列と通常結合していないプロモーターを指す。同様に、組換えまたは異種エンハンサーは、天然の環境下では核酸配列と通常結合していないエンハンサーを指す。そのようなプロモーターまたはエンハンサーには、他の遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー、および他のウイルスまたは原核もしくは真核細胞から単離されたプロモーターまたはエンハンサー、ならびに「天然に存在」しないプロモーターまたはエンハンサー、つまり異なる転写制御領域の異なる要素を有するおよび/または発現を変化させる変異を有するプロモーターまたはエンハンサーが含まれても良い。例えば、組換えDNA構築物で最も一般的に使用されているプロモーターとしては、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースおよびトリプトファン(trp)プロモーター系が挙げられる。プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列を合成的に製造することに加えて、配列は、組換えクローニングおよび/またはPCR(商標)を含む核酸増幅技術を、本明細書に開示の組成物と組み合わせて製造してもよい(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,683,202号および同第5,928,906号を参照されたい)。さらに、非核細胞器官内、例えばミトコンドリア、葉緑体などにおける配列の転写および/または発現を支持する制御配列も同様に使用しうることが企図されている。
当然のことながら、発現のために選択した細胞器官、細胞型、組織、器官、または生物体におけるDNAセグメントの発現を効果的に指示するプロモーターおよび/またはエンハンサーを使用することが重要である。分子生物学の当業者は、一般に、タンパク質発現のために使用するプロモーター、エンハンサー、および細胞の種類の組み合わせを知っている(例えば、参照により本明細書に組み込まれるSambrookら、1989を参照されたい)。使用するプロモーターは、導入されたDNAセグメントの高レベルの発現を支持するために、構成的、組織特異的、誘導的、および/または適当な条件下で有用なものであってもよく、例えば、組換えタンパク質および/またはペプチドの大規模産生に有利なものであってもよい。プロモーターは、異種性であっても内因性であってもよい。
さらに、任意のプロモーター/エンハンサー組み合わせ(例えば、真核生物プロモーターデータベースEPDB、http://www.epd.isb−sib.ch/による)を、発現を駆動するために使用することもできる。T3、T7またはSP6細胞質発現系の使用が、別の考えられる実施形態である。真核細胞は、適切な微生物ポリメラーゼが送達複合体の一部としてまたは補足的遺伝子発現構築物として提供される場合、特定の微生物プロモーターからの細胞質転写を支援することができる。
組織特異的プロモーターもしくは要素の特定ならびにそれらの活性を特徴づけるためのアッセイは、当業者にとって周知である。そのような領域の非限定的な例としては、ヒトLIMK2遺伝子(Nomotoら 1999)、ソマトスタチン受容体2遺伝子(Krausら、1998)、ネズミ副睾丸レチノイン酸結合遺伝子(Lareyreら、1999)、ヒトCD4(Zhao−Emonetら、1998)、マウスα2(XI)コラーゲン(Tsumakiら、1998)、D1Aドーパミン受容体遺伝子(Leeら、1997)、インスリン様成長因子II(Wuら、1997)、およびヒト血小板内皮細胞接着分子−1(Almendroら、1996)が挙げられる。
b.開始シグナルおよび内部リボソーム結合部位
さらに特定の開始シグナルが、コード配列の効率的な翻訳のために必要となりうる。これらのシグナルとしては、ATG開始コドンまたは隣接配列が挙げられる。ATG開始コドンなどの、外因性の翻訳調節制御シグナルを含める必要がありうる。当業者であれば、容易にこの判断を行うことができ、必要なシグナルを含めることができる。開始コドンが、挿入物全体の翻訳を確実にするために、所望のコーディング配列のリーディングフレーム内に「インフレーム」でなければならないことは周知である。外因性翻訳調節シグナルおよび開始コドンは、天然のものであっても合成されたものでもよい。発現効率は、適切な転写エンハンサー要素を組み込むことにより増強されうる。
本発明の特定の実施形態において、内部リボソームエントリー部位(IRES)要素の使用を利用して、多重遺伝子またはポリシストロン性メッセージが作製される。IRES要素は、5’メチル化Cap依存性翻訳のリボソームスキャニングモデルを回避して、内部での翻訳を開示することができる(Pelletier and Sonenberg、1988)。ピコルナウイルスファミリー(ポリオおよび脳心筋炎)の2つのメンバー由来のIRES要素が報告されており(Pelletier and Sonenberg、1988)、同様に、哺乳類メッセージ由来のIRESも報告されている(Macejak and Sarnow、1991)。IRES要素は、異種オープンリーディングフレームに結合することができる。多重オープンリーディングフレームは、まとめて転写することができ、それぞれIRESにより分離されて、ポリシストロン性メッセージが生じる。IRES要素により、各オープンリーディングフレームがリボソームにアクセスでき、効率的に翻訳が行われる。多重遺伝子は、単一のメッセージを転写するために、単一のプロモーター/エンハンサーを使用して効率的に発現することができる(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,925,565号および第5,935,819号を参照されたい)。
c.多重クローニング部位
ベクターは、多重クローニング部位(MCS)を含んでも良い。多重クローニング部位は、複数の制限酵素部位を含有する核酸領域であり、そのいずれも標準的な組換え技術を使用して、ベクターを消化することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれるCarbonelliら、1999、Levensonら、1998、およびCocea、1997を参照されたい)。「制限酵素消化」は、核酸分子の特定の位置でのみ機能する酵素を用いた核酸分子の触媒的切断を指す。これらの制限酵素の多くは市販されている。そのような酵素の使用は、当業者に広く理解されている。しばしばベクターは、外因性配列をベクターに連結することを可能にするようにMCS内で切断する制限酵素を使用して、直鎖化または断片化される。「連結」は、互いが連続的である場合も連続的でない場合もある2つの核酸フラグメントの間でリン酸ジエステル結合を形成するプロセスを指す。制限酵素および連結反応に関する技術は、組換え技術分野の当業者にとって周知である。
d.スプライシング部位
ほとんどの転写された真核生物RNA分子は、RNAスプライシングを経て、一次転写物からイントロンが除去される。真核生物ゲノム配列を含有するベクターは、タンパク質発現のための転写物の適切なプロセシングを確実に行うために、ドナーおよび/またはアクセプタースプライシング部位を必要としうる(例えば、参照により本明細書に組み込まれるChandlerら、1997を参照されたい)。
e.終結シグナル
本発明のベクターまたは構築物は、一般に少なくとも1つの終結シグナルを含む。「終結シグナル」または「ターミネーター」は、RNAポリメラーゼによるRNA転写の特定の終結に関与するDNA配列で構成される。したがって、特定の実施形態においては、RNA転写物の産生を終了させる終結シグナルが企図される。ターミネーターは、in vivoで所望のメッセージレベルを達成するために必要な場合がある。
真核生物系では、ターミネーター領域に、新規転写物がポリアデニル化部位を曝露するための部位特異的切断を可能にする特異的DNA配列を含めてもよい。これにより、特別な内因性ポリメラーゼに、約200A残基の伸長(ポリA)を転写物の3’端に付加するように信号が出される。このポリAテールで修飾されたRNA分子は、より安定らしく、より効率的に翻訳が行われる。したがって、真核生物が関与する他の実施形態において、ターミネーターがRNAの切断のためのシグナルを含むことが好ましく、ターミネーターシグナルがメッセージのポリアデニル化を促進することがさらに好ましい。ターミネーターおよび/またはポリアデニル化部位要素は、メッセージレベルを増強し、カセットから他の配列の読み取りを最小化する役目を果たすことができる。
本発明における使用に適したターミネーターとしては、本明細書に記載のまたは当業者に公知の任意の既知の転写ターミネーターが挙げられ、例えば、限定されないが、遺伝子の終結配列、例えばウシ成長ホルモンターミネーターまたはウイルス終結配列、例えばSV40ターミネーターが挙げられる。特定の実施形態において、終結シグナルは、例えば配列トランケーションにより、転写可能または翻訳可能な配列が欠如している場合がある。
f.ポリアデニル化シグナル
発現、特に真核生物発現においては、転写の適切なポリアデニル化を達成するために、通常、ポリアデニル化シグナルが含められる。ポリアデニル化シグナルの性質は、本発明の実施の成功に必須ではないと考えられ、任意のそのような配列を使用することができる。好ましい実施形態としては、便宜性があり、様々な標的細胞で十分機能することが公知のSV40ポリアデニル化シグナルまたはウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルが挙げられる。ポリアデニル化は、転写の安定性を高め、細胞質の輸送を促進しうる。
g.複製起点
宿主細胞においてベクターを増殖させるために、特定の核酸配列がその位置で複製を開始する1つまたは複数の複製起点(しばしば「ori」とも称される)を含めてもよい。宿主細胞が酵母である場合は、代替的に自律複製配列(ARS)を使用してもよい。
h.選択およびスクリーニング可能マーカー
本発明の特定の実施形態において、本発明の核酸構築物を含有する細胞は、発現ベクターにマーカーを含めることによりin vitroまたはin vivoで識別することができる。そのようなマーカーは、識別可能な改変を細胞に付与し、発現ベクターを含有する細胞の容易に識別されるようにする。一般に選択マーカーは、選択を可能にする特性を与えるものである。ポジティブ選択マーカーは、マーカーの存在により選択が可能になるマーカーであり、ネガティブ選択マーカーは、その存在により選択が妨げられるマーカーである。ポジティブ選択マーカーの1例は、薬物耐性マーカーである。
一般に、薬物選択マーカーを包含することで、形質転換体のクローニングおよび識別が支援される。例えばネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシンおよびヒスチジノールなどに耐性を与える遺伝子が有用な選択マーカーである。条件の実施により形質転換体の識別が可能となる表現型を付与するマーカーに加えて、他の種類のマーカー、例えば、比色分析を基礎に置くGFPなどのスクリーニング可能マーカーも企図される。代替的に、スクリーニング可能酵素、例えば、ヘルペス単純ウイルスチミジンキナーゼ(tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)を使用してもよい。当業者であれば、免疫学的マーカーを、必要であればFACS分析と組み合わせて、使用する方法も理解している。使用するマーカーは、遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現可能なものである限り、重要と考えられないものである。選択マーカーおよびスクリーニング可能マーカーのさらなる例は当業者にとって周知である。
i.プラスミドベクター
特定の実施形態においては、プラスミドベクターを、宿主細胞の形質転換のために使用することが企図されている。一般に宿主細胞と適合可能な種に由来するレプリコンと制御配列を含有するプラスミドベクターが、その宿主と関連させて使用される。通常、ベクターは、複製部位と共に、形質転換された細胞の表現型による選択を可能にする標識配列を備えている。非限定的な実施例において、E.coliは、pBR322の誘導体、E.coli種由来のプラスミドを使用して形質転換されることが多い。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性遺伝子を含んでおり、これにより形質転換細胞の識別を容易にする手段が提供される。pBRプラスミドまたは他の微生物プラスミドもしくはファージは、例えばそれ自身のタンパク質発現のために微生物によって使用されうるプロモーターをも含むかまたは含むように改変される必要がある。
さらに宿主細胞と適合可能なレプリコンおよび制御配列を含有するファージベクターが、形質転換ベクターとしてその宿主と関連させて使用されうる。例えば、ファージλ GEM(商標)−11は、宿主細胞、例えばE.coli LE392などの形質転換のために使用しうる組換えファージベクターを作製するために利用することができる。
さらに有用なプラスミドベクターとしては、後の精製および分離または分裂のためのグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)可溶性融合タンパク質の生成に使用するためのpINベクター(Inouyeら、1985)およびpGEXベクターが挙げられる。他の適切な融合タンパク質は、β−ガラクトシダーゼ、ユビキチンなどを有する融合タンパク質である。
微生物宿主細胞、例えば発現ベクターを含有するE.coliは、任意のいくつかの適当な培地、例えばLB中で増殖される。特定のベクターに含まれる組換えタンパク質の発現は、当業者に理解されているように、宿主細胞を特定のプロモーターに特異的な作用剤に接触させることによって、例えばIPTGを培地に添加することによって、またはインキュベーションを高温に切り替えることによって、誘導することができる。微生物をさらなる期間、一般的には2〜24時間培養させた後、細胞を遠心分離により集め、洗浄して残留培地を除去する。
j.ウイルスベクター
特定のウイルスは、細胞に感染するまたは受容体媒介エンドサイトーシスにより細胞に侵入する能力、および宿主細胞ゲノムに組み込まれてウイルス遺伝子を安定して効率的に発現する能力により、外来性核酸を細胞(例えば、哺乳類細胞)に移行するための魅力的な候補となっている。本発明の核酸を送達するために使用されうるウイルスベクターの非限定的な例を下記に記載する。
1.アデノウイルスベクター
核酸の送達のための特別の方法は、アデノウイルス発現ベクターの使用を含む。アデノウイルスベクターは、ゲノムDNAに組み込まれる能力が低いことが知られているが、この特徴は、これらのベクターによって提供される高い遺伝子導入効率によって均衡化される。「アデノウイルス発現ベクター」とは、(a)構築物のパッケージングを支援するおよび(b)最終的にクローニングされた組織または細胞特異的構築物を発現するために十分なアデノウイルス配列を含有する構築物を含むことが意図されている。遺伝的構成またはアデノウイルスの36kbの線状二重鎖DNAウイルスであるアデノウイルスの知識により、アデノウイルスDNAの大部分を最大7kbの外来配列で置換することが可能となっている(Grunhaus and Horwitz、1992)。
2.AAVベクター
核酸は、アデノウイルス付随トランスフェクションを使用して細胞に導入されてもよい。トランスフェクション効率の増加は、アデノウイルス結合システムを使用した細胞系で報告されている(Kelleher and Vos、1994;Cottenら、1992;Curiel、1994)。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、組み込みが高頻度であることと、非分裂細胞にも感染可能であり、したがって、例えば組織培養(Muzyczka、1992)またはin vivoにおける哺乳類細胞への遺伝子送達にも利用できることから、本発明の実施形態で使用するための魅力的なベクター系である。AAVは、広い感染宿主域を有する(Tratschinら、1984;Laughlinら、1986;Lebkowskiら、1988;McLaughlinら、1988)。rAAVベクターの生成および使用に関する詳細は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,139,941号および第4,797,368号に記載されている。
3.レトロウイルスベクター
レトロウイルスは、その遺伝子を宿主のゲノムに組み込むことができ、大量の外来遺伝子を移送させ、広範囲の種および細胞型に感染し、さらに特別の細胞株でパッケージされることから、送達ベクターとして使用される(Miller、1992)。
レトロウイルスベクターを構築するために、核酸を特定のウイルス配列の位置でウイルスゲノムに挿入し、複製欠損性ウイルスを作製する。ウイルス粒子の作製のために、gag、polおよびenv遺伝子を含むが、LTRおよびパッケージング成分を含まないパッケージ細胞株が構築されている(Mannら、1983)。cDNAを、レトロウイルスLTRおよびパッケージング配列と共に含有する組換えプラスミドを特別の細胞株に(例えば、リン酸カルシウム共沈により)導入するとき、パッケージング配列により、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子にパッケージングされ、その後、このウイルス粒子が培地に分泌される(Nicolas and Rubenstein、1988;Temin、1986;Mannら、1983)。次いで、組換えレトロウイルスを含む培地を回収し、場合により濃縮し、遺伝子導入に使用する。レトロウイルスベクターは、広範囲の細胞型に感染することができる。しかしながら、組み込みおよび安定な発現には宿主細胞の分裂が必要となる(Paskindら、1975)。
レンチウイルスは、レトロウイルス複合体であり、一般的なレトロウイルス遺伝子gag、polおよびenvに加えて、調節性または構成的機能を備える他の遺伝子を含有している。レンチウイルスベクターは、当該分野で周知である(例えば、Naldiniら、1996;Zuffereyら、1997;Blomerら、1997;米国特許第6,013,516号および第5,994,136号を参照されたい)。レンチウイルスのいくつかの例はヒト免疫不全ウイルス、つまりHIV−1、HIV−2、およびサル免疫不全ウイルス、つまりSIVが含まれる。レンチウイルスベクターは、HIV病原性遺伝子の多重減弱化により、例えば遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefを除去して、生物学的に安全なベクターを作製することにより、生成されてきた。
組換えレンチウイルスベクターは非分裂細胞に感染することができ、in vivoおよびex vivoの両方における遺伝子導入ならびに核酸配列の発現のために使用することができる。例えば、適切な宿主細胞がパッケージング機能を有する2種以上のベクター、つまりgag、polおよびenvならびにrevおよびtatでトランスフェクトされている非分裂細胞に感染可能な組換えレンチウイルスが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,994,136号に記載されている。特定の細胞型の受容体を標的化するために、エンベロープタンパク質を抗体または特定のリガンドに連結することにより、組換えウイルスを標的化してもよい。目的の配列(制御領域を含む)を、例えば、特別の標的細胞の受容体に対するリガンドをコードする別の遺伝子と共にウイルスベクターに挿入することによって、ベクターは標的特異的となる。
4.他のウイルスベクター
他のウイルスベクターを、本発明の構築物として利用してもよい。例えば、ワクシニアウイルス(Ridgeway、1988;Baichwal and Sugden、1986;Couparら、1988)、シンドビスウイルス、サイトメガロウイルスおよび単純ヘルペスウイルスなどのウイルスに由来するベクターを利用しうる。それらは、様々な哺乳類細胞に対していくつかの魅力的な特徴を提示する(Friedmann、1989;Ridgeway、1988;Baichwal and Sugden、1986;Couparら、1988;Horwichら、1990)。
5.改変ウイルスを使用した送達
送達される核酸は、特定の結合リガンドを発現するように操作された感染性ウイルス内に収容されてもよく、そのようにして、ウイルス粒子は標的細胞の同系受容体に特異的に結合し、細胞に内容物を送達する。レトロウイルスベクターの特異的標的が可能となるように設計された新規アプローチが、ウイルスエンベロープへのラクトーゼ残基の化学的付加によるレトロウイルスの化学修飾に基づいて開発された。この修飾により、シアロ糖タンパク質受容体を介した肝細胞の特異的感染が可能となる。
組換えレトロウイルスの標的化のための別のアプローチが、レトロウイルスエンベロープタンパク質および特別な細胞受容体に対するビオチニル化抗体を使用して設計された。この抗体は、ストレプトアビジンを使用することによりビオチン成分を介して結合された(Rouxら、1989)。主要組織適合複合体クラスIおよびクラスII抗原に対する抗体を使用して、それらの表面抗原を保持する様々なヒト細胞が、in vitroでエコトロピックウイルスにより感染されることが実証された(Rouxら、1989)。
B.ベクター送達および細胞形質転換
本発明で使用する細胞器官、細胞、組織または生物体の形質転換のための核酸送達の適切な方法は、本明細書に記載されているようなまたは当業者に知られているような、細胞器官、細胞、組織あるいは生物体に核酸(例えば、DNA)を導入することのできる実質的に任意の方法を含むと考えられる。適切な方法としては、限定されないが、DNAの直接送達による方法、例えば、ex vivoトランスフェクションによる方法(Wilsonら、1989、Nabelら、1989)、注入による方法(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,994,624号、同第5,981,274号、同第5,945,100号、同第5,780,448号、同第5,736,524号、同第5,702,932号、同第5,656,610号、同第5,589,466号および同第5,580,859号)、例えばマイクロインジェクションによる(Harlan and Weintraub、1985;参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,215号);電気穿孔による方法(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,384,253号;Tur−Kaspaら、1986;Potterら、1984);リン酸カルシウム沈殿による方法(Graham and Van Der Eb、1973;Chen and Okayama、1987;Rippeら、1990);DEAEデキストラン、次いでポリエチレングリコールを使用する方法(Gopal、1985);直接音波負荷による方法(Fechheimerら、1987);リポソーム媒介トランスフェクションによる方法(Nicolau and Sene、1982;Fraleyら、1979;Nicolauら、1987;Wongら、1980;Kanedaら、1989;Katoら、1991)および受容体媒介トランスフェクションによる方法(Wu and Wu、1987;Wu and Wu、1988);微粒子銃による方法(それぞれ参照により本明細書に組み込まれるPCT出願番号WO94/09699および同出願番号95/06128;米国特許第5,610,042号;同第5,322,783号、同第5,563,055号、同第5,550,318号、同第5,538,877号および同第5,538,880号);シリコンカーバイド繊維を用いて撹拌する方法(それぞれ参照により本明細書に組み込まれるKaepplerら、1990;米国特許第5,302,523号および同第5,464,765号);アグロバクテリウム媒介形質転換による方法(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,591,616号および同第5,563,055号);プロトプラストのPEG媒介形質転換による方法(それぞれ参照により本明細書に組み込まれるOmirullehら、1993;米国特許第4,684,611号および同第4,952,500号);乾燥/阻害媒介DNA取込みによる方法(Potrykusら、1985)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらのような技術の適用を通じて、細胞器官、細胞、組織または生物体が、安定してまたは一過性で形質転換されうる。
a.ex vivo形質転換
ex vivo条件下で生物体から取り出された細胞および組織をトランスフェクトするための方法は、当業者に公知である。例えば、イヌ内皮細胞が、レトロウイルス遺伝子導入によってin vitroで遺伝的に変換され、イヌに移植されている(Wilsonら、1989)。別の例では、ユカタンミニブタ内皮細胞が、レトロウイルスによりin vitroで形質転換されて、ダブルバルーン付きカテーテルを使用して動脈内に移植されている(Nabelら、1989)。つまり、細胞または組織をex vivoで取り出して、本発明の核酸を使用してトランスフェクトすることが企図されている。特定の態様において、移植された細胞または組織は生物体内へ配置されうる。好適な様態では、核酸は、移植された細胞内または組織内で発現される。
b.注入
特定の実施形態において、核酸は、1回または複数回の注入(つまり針注入)、例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、腹腔内注入などを介して、細胞器官、細胞、組織または生物体に送達されうる。組成物の注入方法は、当業者にとって周知である(例えば、食塩水を含む組成物の注入)。本発明のさらなる実施形態は、直接マイクロインジェクションによる核酸の導入を含む。直接マイクロインジェクションを使用して核酸構築物がアフリカツメガエル卵母細胞に導入された(Harland and Weintraub、1985)。使用される組成物の量は、遺伝子産物または遺伝子ならびに使用する細胞器官、細胞、組織または生物体の性質に応じて変動しうる。
c.電気穿孔
本発明の特定の実施形態において、核酸は、電気穿孔によって細胞器官、細胞、組織または生物体に導入される。電気穿孔は、細胞およびDNAの懸濁液を高電圧放電に接触させることを含む。この方法のいくつかの変形例では、特定の細胞壁分解酵素、例えば、ペクチン分解酵素を利用して、標的レシピエント細胞を、未処理の細胞より、電気穿孔による形質転換酵素を受け易くする(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,384,253号を参照されたい)。代替的にレシピエント細胞は、機械的負傷により、形質転換をさらに受け易くしてもよい。
電気穿孔を使用した真核細胞のトランスフェクションは非常によく成功している。この方法で、マウスプレBリンパ球が、ヒトカッパ免疫グロブリン遺伝子でトランスフェクトされ(Potterら、1984)、ラット肝細胞が、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子でトランスフェクトされている(Tur−Kaspaら、1986)。
d.リン酸カルシウム
本発明の他の実施形態において、核酸はリン酸カルシウム沈殿を使用して、細胞に導入される。この技術を使用して、ヒトKB細胞が、アデノウイルス5DNAでトランスフェクトされた(Graham and Van Der Eb、1973)。さらにこの様式で、マウスL(A9)、マウスC127、CHO、CV−1、BHK、NIH3T3およびHeLa細胞がネオマイシンマーカー遺伝子でトランスフェクトされ(Chen and Okayama、1987)、ラット肝細胞が、様々なマーカー遺伝子でトランスフェクトされた(Rippeら、1990)。
e.DEAEデキストラン
別の実施形態において、核酸は、DEAEデキストラン、次いでポリエチレングリコールを使用して、細胞内に送達される。この様式で、リポータープラスミドが、マウスミエローマおよび赤白血病細胞に導入された(Gopal、1985)。
f.超音波処理負荷
本発明のさらなる実施形態は、直接の音波負荷による核酸の導入を含む。超音波処理負荷により、LTK−線維芽細胞が、チミジンキナーゼ遺伝子でトランスフェクトされた(Fechheimerら、1987)。
g.リポソーム媒介トランスフェクション
本発明のさらなる実施形態において、核酸は、脂質複合体、例えばリポソームなどに捕捉させてもよい。リポソームは、リン脂質二重層薄膜と内部の水性媒体により特徴づけられる小胞構造体である。多重層状のリポソームは、水性媒体によって分離された複数の脂質層を有する。それらはリン脂質が過度の水溶液に懸濁されたときに、自発的に生じる。脂質成分は、閉じた構造を形成する前に自己再整列し、水および溶解された溶質を脂質二重層内に捕捉する(Ghosh and Bachhawat、1991)。Lipofectamine(Gibco BRL)またはSuperfect(Qiagen)と複合体化した核酸も企図される。
in vitroでのリポソーム媒介核酸送達および外来DNAの発現は、非常によく成功している(Nicolau and Sene、1982;Fraleyら、1979;Nicolauら、1987)。培養ニワトリ胚、HeLaおよび肝臓癌細胞でのリポソーム媒介核酸送達および外来DNAの発現の実現可能性も実証されている(Wongら、1980)。
本発明の特定の実施形態において、リポソームは、センダイウイルス(hemagglutinating virus)(HVJ)と複合体化されうる。これにより細胞膜との融合が容易になり、リポソーム封入DNAの細胞侵入が促進されることが示された(Kanedaら、1989)。他の実施形態において、リポソームは、核の非ヒストン染色体タンパク質(HMG−1)と複合体化され、または組み合わせて利用されてもよい(Katoら、1991)。さらなる実施形態において、リポソームは、HVJおよびHMG−1の両方と複合体化され、または組み合わせて利用されてもよい。他の実施形態において、送達ビヒクルは、リガンドおよびリポソームを含んでもよい。
h.受容体媒介トランスフェクション
さらに核酸は、受容体媒介送達ビヒクルを介して標的細胞に送達されてもよい。このビヒクルは、標的細胞で生じる受容体媒介エンドサイト−シスによる巨大分子の選択的取込みを利用する。様々な受容体における細胞型特異的な分布を考慮すると、この送達方法は、本発明に別の特異性の度合を付加するものである。
特定の受容体媒介遺伝子標的ビヒクルは、細胞受容体特異的リガンドと、核酸結合剤を含む。他のビヒクルは、送達される核酸が作動可能に結合された特定の受容体特異的リガンドを含む。いくつかのリガンドが、受容体媒介遺伝子移送に使用され(Wu and Wu、1987;Wagnerら、1990;Peralesら、1994;Myers、EPO0273085)、その技術の操作性も確立している。別の哺乳類細胞型の内容物の特異的送達も報告されている(参照により本明細書に組み込まれるWu and Wu、1993)。本発明の特定の態様において、リガンドは、標的細胞集団に特異的に発現する受容体に対応するように選択される。
他の実施形態において、細胞特異的核酸標的ビヒクルの核酸送達ビヒクル成分は、特異的結合リガンドをリポソームとの組み合わせで含む。送達される核酸はリポソーム内に収容され、特異的結合リガンドは機能的にリポソーム膜に組み込まれる。そのようにして、リポソームは、標的細胞の受容体に特異的に結合して、内容物を細胞へ送達する。そのようなシステムが機能的であることは、例えば上皮成長因子(EGF)を使用してEGF受容体の上方調節を示す細胞へ核酸を受容体媒介送達させるシステムにおいて示されている。
さらなる実施形態において、標的送達ビヒクルの核酸送達ビヒクル成分はリポソーム自体であってもよい。このリポソームは細胞特異的結合を指示する1つまたは複数の脂質または糖タンパク質を含んでいることが好ましい。例えば、ラクトシルセラミド、ガラクトース末端アシアルガングリオシドがリポソームに組み入れられ、肝細胞によるインスリン遺伝子の取込みが増加したことが観察されている(Nicolauら、1987)。本発明の組織特異的形質転換構築物は、同様の細胞で標的細胞に特異的に送達してもよいことが企図されている。
i.微粒子銃
微粒子銃技術は、核酸を、少なくとも1つの細胞器官、細胞、組織または生物体に導入するために使用することができる(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,550,318号;米国特許第5,538,880号;米国特許第5,610,042号;およびPCT出願WO94/09699)。この方法は、細胞を殺傷させることなく、DNA被覆微粒子を高速度に加速して、細胞膜を通過させ、細胞に侵入させることができる能力に依存する(Kleinら、1987)。多種多様な微粒子銃技術が当該分野で知られており、それらの多くが本発明に適用可能である。
微粒子銃を使用して、様々な細胞、組織、または生物体、例えば、任意の植物種を形質転換することができる。微粒子銃によって形質転換された種の例としては、単子葉植物種、例えば、トウモロコシ(PCT出願WO95/06128)、オオムギ(Ritalaら、1994;Hensgensら、1993)、コムギ(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,563,055号)、コメ(Hensgensら、1993)、オーツムギ(Torbetら、1995;Torbetら、1998)、ライムギ(Hensgensら、1993)、サトウキビ(Bowerら、1992)、およびモロコシ(Casasら、1993;Hagioら、1991);ならびにいくつかの双子葉植物、例えば、タバコ(Tomesら、1990;Buising and Benbow、1994)、ダイズ(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,322,783号)、ヒマワリ(Knittelら、1994)、ピーナッツ(Singsitら、1997)、綿(McCabe and Martinell、1993)、トマト(VanEckら、1995)、およびマメ科植物全体(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,563,055号)が挙げられる。
微粒子銃においては、1つまたは複数の粒子が、少なくとも1つの核酸で被覆され、推進力により細胞内に送達されてもよい。小粒子を加速するためのいくつかの装置が開発されている。そのような装置の1つは、原動力となる電流を生成するために高電圧放電に依拠する(Yangら、1990)。使用される微粒子は、不活性な物質、例えば、タングステンまたは金の粒子またはビーズで構成されている。典型的な粒子としては、タングステン、白金、および好ましくは金で構成された粒子が挙げられる。いくつかの場合において、金属粒子上へのDNAの沈殿は、微粒子銃を使用するレシピエント細胞へのDNA送達に必要でないと考えられる。但し粒子はDNAで被覆されているというよりはDNAを含有するものが企図されている。DNA被覆粒子は、粒子銃を介するDNA送達のレベルを増加させうるが、それ自体、必要ではない。
銃撃のために、細胞懸濁液をフィルターまたは固体培地で濃縮させる。または未成熟胚もしくは他の標的細胞を固形培地上に配置してもよい。銃撃される細胞は、マクロプロジェクタイル停止プレートより下の適切な位置に配置される。
加速によってDNAを細胞(例えば、植物細胞)に送達させる方法の典型的な例としては、Biolistics Particle Delivery Systemがあり、この方法は、DNAまたは細胞で被覆された粒子を、スクリーン、例えばステンレス鋼またはNytexスクリーンを通して、細胞、例えば懸濁液中で培養された単子葉植物細胞で被覆されたフィルター表面上へ進ませるために使用することができる。このスクリーンは、粒子が大きな凝集物でレシピエント細胞に送達されないように粒子を分散させる。発射装置と発射される細胞との間にあるスクリーンは、発射体凝集物の大きさを減少させ、発射体が大きすぎることによりレシピエント細胞に引き起こされる損傷を低減させ、形質転換の効率を高めることに寄与しうると考えられる。
C.宿主細胞
いくつかの実施形態では、宿主細胞が、1つまたは複数の遺伝子治療組成物を生成するために使用される。本明細書において、用語「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」は、相互に交換可能に使用することができる。これらの用語は全て、それらの子孫、つまり全ての後の世代も包含する。計画的なまたは意図しない変異により全ての子孫が同一とはならない場合があることが理解される。異種起源の核酸配列の発現に関する内容において、「宿主細胞」は、原核または真核細胞を指し、ベクターを複製可能なおよび/またはベクターによってコードされる異種遺伝子を発現することが可能な任意の形質転換可能な生物体を含む。宿主細胞は、ベクターを複製するために使用することができ、また使用されている。宿主細胞は「トランスフェクト」または「形質転換」されうるが、これらは外因性核酸が宿主細胞内に移行または導入されるプロセスを指す。形質転換細胞には、初代の対象細胞およびその子孫が含まれる。本明細書で使用するとき、用語「操作された」および「組換え」細胞または宿主細胞は、外因性核酸配列、例えばベクターが導入された細胞を指すことが意図されている。したがって、組換え細胞は、組換えにより導入された核酸を含有しない天然の細胞と識別可能である。
特定の実施形態においては、RNAまたはタンパク質性配列は、他の選択されたRNAまたはタンパク質性配列と同じ宿主細胞内で共発現されてもよいことが企図されている。共発現は、2種以上の別個の組換えベクターで宿主細胞を共感染することにより達成することができる。代替的に、単一の組換えベクターをRNAの複数の別個のコード領域を含むように構築してもよく、その後、単一のベクターを感染させた宿主細胞においてそれらコード領域を発現させてもよい。
組織は、本発明の組成物で形質転換された宿主細胞を含んでもよい。組織は、生物体の一部であってもまたは生物体から分離されたものでもよい。特定の実施形態において、組織は、限定されないが、脂肪細胞、歯槽、エナメル芽細胞、軸索、基底細胞、血液(例えばリンパ細胞)、血管、骨、骨髄、脳、胸、軟骨、頚部、結腸、角膜、胚、子宮内膜、内皮、上皮、食道、筋膜、線維芽細胞、卵胞、神経節細胞、膠細胞、杯状細胞、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、筋肉、ニューロン、卵巣、膵臓、末梢血、前立腺、皮膚、皮膚、小腸、脾臓、幹細胞、胃、精巣、葯、子嚢(ascite)組織、穂軸、穂、花、殻、核、葉、分裂組織細胞、花粉、根端、根、絹、軸、およびそれらの全ての癌を含みうる。
特定の実施形態において、宿主細胞または組織は、少なくとも1つの生物体に含まれていてもよい。特定の実施形態において、生物体は、限定されないが、当業者によって理解されるような原核生物(例えば、真正細菌、古細菌)または真核生物であってもよい(例えば、ウェブページhttp://phylogeny.arizona.edu/tree/phylogeny.htmlを参照されたい)。
多数の細胞株および培養物が宿主細胞として利用可能であり、それらは生体培養物および遺伝子物質の保管所として機能している機関アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)(www.atcc.org)から入手可能である。適切な宿主は、当業者が、ベクターの主要構成および所望の結果に基づいて決定することができる。例えば、プラスミドまたはコスミドは、多数のベクターを複製するために、原核生物宿主細胞に導入してもよい。ベクターの複製および/または発現に利用可能な細胞型としては、限定されないが、微生物、例えば、E.coli(例えば、E.coli菌株RR1、E.coli LE392、E.coli B、E.coli X1776(ATCC番号31537)ならびにE.coli W3110(F−、ラムダ−、原栄養株、ATCC番号273325)、DH5α、JM109、およびKC8、桿菌、例えばバチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)ならびに他の腸内細菌、例えば、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、種々のシュードモナス(Pseudomonas)種、ならびにいくつかの市販の微生物宿主、例えば、SURE(登録商標)Competent CellsおよびSOLOPACK(商標)Gold Cells(STRATAGENE(登録商標、La Jolla)が挙げられる。特定の実施形態において、E.coli LE392などの微生物細胞は、特に、ファージウイルスのための宿主細胞として考慮される。
ベクターの複製および/または発現のための真核宿主細胞の例としては、限定されないが、HeLa、NIH3T3、Jurkat、293、Cos、CHO、Saos、およびPC12が挙げられる。様々な細胞型および生物体由来の多くの宿主細胞が利用可能であり、当業者に知られている。同様にウイルスベクターは、真核生物または原核生物の宿主細胞、特にベクターの複製または発現を許容する宿主と組み合わせて、利用されうる。
いくつかのベクターは、原核生物および真核細胞の両方で複製および/または発現が可能になるような制御配列を使用してもよい。さらに当業者は、上記の宿主細胞の全てをインキュベートし、維持し、ベクターの複製を可能にするための条件を理解している。同様に、ベクターの大規模生産、ならびにベクターによってコードされる核酸およびそれらの同系ポリペプチド、タンパク質またはペプチドの生産を可能にする技術および条件も理解され、公知である。
D.発現系
上記で述べた組成物の少なくとも一部または全てを含む多数の発現系が存在する。原核生物および/または真核生物系は、核酸およびその同系ポリペプチド、タンパク質またはペプチドを産生するために本発明で使用することができる。多くのそのような系が市販されており、広く利用可能である。
昆虫細胞/バキュロウイルス系は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,871,986号および同第4,879,236号に記載されているように、異種起源の核酸セグメントの発現による高レベルのタンパク質産生を可能にすることができ、例えば、名称MAXBAC(登録商標)2.0をINVITROGEN(登録商標)から、およびBACPACK(商標)BACULOVIRUS EXPRESSION SYSTEMをCLONTECH(登録商標)から購入できる。
他の発現系の例としては、STRATAGENE(登録商標)のCOMPLETE CONTROL(商標)誘導哺乳類発現系が挙げられ、この発現系には、合成エクジソン誘導可能受容体、またはそのpET発現系、大腸菌発現系が含まれる。別の例となる誘導可能発現系は、INVITROGEN(登録商標)から入手することができ、その発現系は、完全長CMVプロモーターを使用する誘導性哺乳動物系であるT−REX(商標)(テトラサイクリン制御発現)系を備えている。INVITROGEN(登録商標)は、Pichia methanolica Expression Systemと称する酵母発現系も提供しており、この発現系は、メタノール資化性酵母Pichia methanolicaにおける組換えタンパク質の高レベル産生に向けて設計されている。当業者にとって、ベクター、例えば発現構築物の発現方法、核酸配列またはその同系ポリペプチド、タンパク質もしくはペプチドの製造方法は既知である。
本発明の方法によって製造されるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが、「過剰発現」、つまり細胞における天然の発現と比較して増加したレベルで発現している場合があると考えられる。そのような過剰発現は、様々な方法、例えば放射性標識および/またはタンパク質精製により評価することができる。しかしながら、単純で直接的な方法が好ましく、例えばSDS/PAGEおよびタンパク質染色またはウエスタンブロッティング、およびその後の定量分析、例えば得られたゲルまたはブロットの濃度走査を含む方法が好ましい。組換えタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのレベルが、天然の細胞のレベルと比較して特異的に増加していることは、宿主細胞で発現された他のタンパク質に対する特定のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが相対的存在量で過剰発現していることを示し、例えばゲル上で視認できる。
いくつかの実施形態において、発現されたタンパク質配列は、宿主細胞内で封入体を形成しており、宿主細胞を溶解し、例えば、細胞ホモゲナイザで分解し、洗浄しおよび/または遠心分離して、高密度封入体および細胞膜を、可溶性細胞成分から分離する。この遠心分離は、高密度の封入体が、スクロースなどの糖のバッファーへの取込みおよび選択的速度での遠心分離によって選択的に濃縮される条件下で、実施してもよい。封入体は、当業者に知られているように、高濃度の尿素(例えば、8M)またはグアニジン塩酸塩のようなカオトロピック剤を含む溶液に、還元剤、例えばβ−メルカプトエタノールまたはDTT(ジチオスレイトール)の存在下で溶解させて、より望ましいコンフォメーションに再折り畳みさせてもよい。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために挙げられる。以下の実施例で開示されている技術は、本発明の実施において本発明者によって発見された技術が良好に機能することを表し、したがって、本発明の実施の好ましい態様を構成すると考えることができることは、当業者によって理解される。しかしながら、当業者は本開示に照らして、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、開示される特定の実施形態に、依然として同じまたは同様の結果を得ることができる多くの変更を為すことができることを認識する。
実施例1:
コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生のための遺伝子治療
コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生を必要とする個体は、本開示の1つもしくは複数の方法および/または本開示の1つもしくは複数の組成物との接触の対象である。個体は、コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生が必要となるリスクのある対象であってもよく、コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生が必要と診断された対象であってもよい。コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生を必要とするリスクのある個体は、あらゆる理由でリスクのある個体でありえ、例えば、スポーツ選手であるまたはあった個体、関節損傷を有する個体、肥満している個体、過度のリフティングなどの身体的負荷を要する職業またはライフスタイルを有する個体、関節または軟骨を劣化させる医学的状態を有するおそれのある個体(例えば、家族歴を有する個体、または前記医学的状態の疑いに関する1つもしくは複数のマーカーおよび/またはリスク因子を有する個体)、健康上の理由で必要とする個体、または外傷の結果として必要とする個体が挙げられる。コンドロサイトまたは軟骨型細胞の再生が必要であることが既知の個体としては、関節または軟骨に有害な影響をおよぼす医学的状態を有する個体が含まれる。典型的な病状としては、椎間板疾患、軟骨ジストロフィー、例えば骨関節炎、軟骨発育不全症、肋軟骨炎、脊椎板ヘルニアなどが挙げられる。
修復または修復の予防を必要とする個体の関節へ、1つまたは複数の遺伝子治療組成物が提供される。遺伝子治療組成物は、第2の成分、例えば複数の細胞、ならびに/または、酸素および/もしくは栄養素を含む貯蔵体(吸収可能貯蔵体など)などを伴ってまたは伴わずに、個体の関節に提供されてもよい;さらに1つまたは複数の薬物が提供されてもよい。いくつかの実施形態においては、遺伝子治療および栄養素が織り込まれたスキャフォールドが提供される。
いくつかの場合において、1つまたは複数の遺伝子治療組成物の少なくとも1つが関節へ送達されると、コンドロサイト、コンドロサイト様細胞または軟骨型細胞が各関節で生成される。いくつかの場合において、1つまたは複数の遺伝子治療組成物の少なくとも1つが関節へ送達されると、軟骨組織が再生される。そのような帰結が遺伝治療送達から生じる機構としては、1)線維芽細胞または他の非コンドロサイト細胞の、コンドロサイト、コンドロサイト様細胞または軟骨型細胞へと後に分化する関節への誘引;2)線維芽細胞または他の非コンドロサイト細胞(関節に存在しているものを含む)の、コンドロサイト、コンドロサイト様細胞または軟骨型細胞への分化;3)1つまたは複数の遺伝子治療組成物と、死にかけているコンドロサイトまたは死にかけている組織もしくは修復を必要とする組織に存在しているコンドロサイト由来の1つまたは複数の分子との組み合わせ;および/または4)有利もしくは機構上十分な瘢痕組織もしくは線維性瘢痕組織の結果的産生、を含む1つもしくは複数の様々な理由が挙げられる。
実施例2:
材料および方法の例
特定の実施形態において、以下の方法が、本開示において使用される。
ヒトWharton’s jelly細胞の調達および増大
ヒトWharton’s jelly細胞(hWJC)を、本発明者が以前に公開したプロトコルに従ってインフォームドコンセント(KU−IRB #15402)を得た上で集めたヒト臍帯のWharton’s jelly(Devarajanら、2013)から単離した。hWJCを、従来hWJC培地(10%ウシ胎仔血清(FBS−MSC Qualified)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン含有低グルコースDMEM(Life Technologies、Carlsbad、CA))で培養した。hWJC培地は週に3回交換し、hWJCは、37℃で5%CO下、細胞培養グレードインキュベータ内で維持した。hWJCは、第2継代(P2)で急速凍結してから、必要とされる実験に備えた。hWJCを解凍し、P2からP5まで増やしてから、実験に使用した。全ての実験は、各臍帯に対して3回繰り返して行った。
プラスミド
Sox9遺伝子(NCBI GenBank ID:NC_000017.11)を、Blue Heron Biotech LLC.(Bothel、WA)により合成し、Dendra2−Cプラスミド(Clontech、Mountain View、CA)にDendra2配列のカルボキシ末端でクローニングした。Dendra2は、緑色から赤色への光変換型蛍光タンパク質である。Dendra2プラスミドは、Dendra2および任意のDednra2融合配列の転写を駆動するためのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含有している。さらにDendra2プラスミドは、微生物選択用のカナマイシン耐性カセットおよび真核生物選択用のネオマイシン耐性カセットの転写を駆動するためのサルウイルス40(SV40)プロモーターを含有している。
実験計画およびトランスフェクション
hWJCは、ROCK阻害剤で処置し、4D−Nucleofectorを用い、プログラムFF−104を使用して、先に公開されたプロトコル(Mellottら、2014)に従ってトランスフェクトした。hWJCは、反応あたり5×10の濃度でトランスフェクトし、5μgのpDNAをトランスフェクトした。トランスフェクション後、hWJCを、10μMのY−27632ROCK阻害剤を含有する37℃で予熱された従来hWJC培地をそれぞれ1.5mLまたは0.5mL含有する、フィブロネクチン(BD Biosciences)プレコート6ウェルプレート(BD Biosciences、San Jose、CA)またはNunc(商標)Lab−Tek(商標)8ウェルのカバーグラスチャンバースライド(Thermo Scientific、Waltham、MA)に移し、細胞培養グレードインキュベータ内に37℃、5%CO下で入れた。
遺伝子発現
トランスフェクション後1および7日目に、トランスフェクトされた細胞および未処置の対照を集め、リアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応(RT−qPCR)を用いる遺伝子発現分析のために採取した。細胞を、軟骨形成遺伝子、Sox9およびコラーゲンII型について分析した。サイクル閾値(Ct)を記録し、Δ−Δ−Ct法を用いて分析した。値は、0日目の未処理対照試料および内因性の対照に対して標準化した。各臍帯から3つの技術的複製物を得て、トランスフェクション後1および7日目に遺伝子発現分析を行った。
生細胞蛍光イメージング
hWJCを集め、Hoechst33342色素(Life Technologies)で染色し、トランスフェクションから24時間後に生細胞イメージングを行った。hWJCを、Olympus IX81倒立型スピニングディスク方式共焦点顕微鏡ベース(Olympus America、Center Valley、PA)を使用して画像化した。画像は、取込みおよび解析ソフトウェアSlideBook(Intelligent Imaging Innovations(3i)、Denver、CO)を使用してとらえた。画像収集のために、水銀アークランプを、Hoechst(387±11nm/447±60nm)、GFP(494±20nm/531±22nm)、およびRFP(575±25nm/624±40nm)の励起フィルター(励起/蛍光)と共に使用した。モンタージュは、49(7×7配列)の隣接する視野の画像から、サンプルの1つの包括的合成画像を構築するように一緒に整列させて生成した。
免疫細胞化学
トランスフェクション後1および7日目に、トランスフェクトした細胞および対照を免疫細胞化学のために回収した。細胞を先ず37℃PBSで洗浄し、次いで4%ホルムアルデヒド含有PBSで15分間固定することによって、細胞を固定した。次いで細胞を3回、PBSを用いて洗浄して5分間インキュベートした。その後、細胞を0.25%Triton X−100含有PBSで透過処理し、PBSで5分間、3回洗浄した。細胞を、4%ウシ血清アルブミン(BSA)および10%正常血清(第2の抗体宿主由来)含有PBSで60分間ブロックした。その後、細胞をSox9(Abcam、ケンブリッジ、MA)およびコラーゲンII型(Abcam)一次抗体で一晩インキュベートした。翌日、細胞を、PBSで3回、それぞれ15分間、洗浄した。その後、細胞を、Qdotコンジュゲート二次抗体(Sox9に対するQdot565マウスコンジュゲートおよびコラーゲンII型に対するQdot655ウサギ(Life Technologies))で一晩インキュベートした。翌日、細胞を、PBSで3回、それぞれ15分間、洗浄した。細胞を、臭化エチジウムモノアジド(10nM、Life Technologies)で30分間対比染色し、次いで段階的エタノールで脱水させ、その後、100%トルエンに二回曝露した。次いで、細胞をQmount(商標)Qdot(登録商標)マウント培地(Life Technologies)にマウントした。細胞を、共焦点顕微鏡検査により、Qdot励起には405nm固体レーザーを使用して、臭化エチジウムモノアジド励起には488nm固体レーザーを使用し、以下の蛍光フィルターを使用して画像化した:臭化エチジウムモノアジド(531±22nm)、Qdot565(560±25nm)、およびQdot655(655±15nm)。
統計分析
特に明記しない限り、全ての値は、統計学的平均値と標準偏差で示した。一元配置分散分析を、事後Turkey検定と共に実施して、p≦0.05、検定力>0.8の設定で統計学的有意性を評価した。ソフトウェアSPPS(IBM)バージョン22を使用して、全ての統計学的分析値を計算した。
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本発明およびその利点を詳細に記述したが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変化、置換および改変がなされうることが理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造品、組成物、手段、方法および工程の特別の実施形態に限定されることを意図されていない。当業者は、本発明の開示から、プロセス、機械、製造品、組成物、手段、方法および工程を容易に理解でき、個々に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施でき、または実質的に同じ結果を達成しうる既存のまたは後に開発されるそれらも本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造品、組成物、手段、方法および工程も包含することが意図されている。

Claims (14)

  1. 必要とする個体の関節においてコンドロサイトまたは軟骨型細胞を製造する方法であって、1つまたは複数の治療ポリヌクレオチドをコードする発現ベクターを該個体の関節に送達する工程を含み、該送達において該関節における細胞をコンドロサイトまたは軟骨型細胞に分化させるおよび/または該送達により該関節におけるコンドロサイトを刺激してさらなる細胞を生成させる、方法。
  2. 前記治療ポリヌクレオチドが、全遺伝子産物または全遺伝子産物の生物学的に活性な断片をコードしている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療ポリヌクレオチドが、コラーゲン、コラーゲン形成遺伝子産物、軟骨形成遺伝子産物、結合組織形成遺伝子産物、転写因子、軟骨マトリックス遺伝子、受容体遺伝子またはシグナル伝達分子からなる群から選択される遺伝子産物をコードしている、請求項1に記載の方法。
  4. 前記治療ポリヌクレオチドが、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A1、COL4A2、COL4A3、COL4A4、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL5A3、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL6A4、COL6A5、COL7A1、COL8A1、COL8A2、COL9A1、COL9A2、COL9A3、COL10A1、COL11A1、COL11A2、COL12A1、COL13A1、COL14A1、COL15A1、COL16A1、COL17A1、COL18A1、COL19A1、COL20A1、COL21A1、COL22A1、COL23A1、COL24A1、COL25A1、COL26A1、COL27A1、COL28A1、Gata4、Mef2C、Tbx5、Sox5、Sox6、Sox9、FGFR2、VEGF、MMP14、フォークヘッド、CD10、MMP13、WNT11、BAPX1、IL−1R1、IGFBP5、MMP16、BMP2、ALK1、BMP5、IGF1、MMP13、ADAMTS5、BCL10、MCOLN2、LRRC8C、PTGFR、RLF、MATN1、PDPN、TNFRSF18、ITGA10、THBS3、SCYL1BP1、KCNT2、244533_at、ARF1、222348_at、SLC4A5、HSPC159、RHOQ、MATN3、SULT1C2、236289_at、BCL2L11、FLJ16008、KLF7、NRP2、SERPINE2、FN1、B3GNT7、ADAMTS9、ANKRD28、GALNTL2、IRAK2、SETD5、FNDC3B、B3GNT5、CYTL1、IBSP、229221_at、PET112L、EDNRA、1563414_at、OSMR、C1QTNF3、ZFYVE16、225611_at、MAST4、EDIL3、230204_at、230895_at、HAPLN1、PDLIM4、cr5q35 SQSTM1、SCUBE3、CMAH、236685_at、BMP6、ULBP2、LRP11、SOD2、SYNJ2、WTAP、HIG2、KIAA1718、FAM62B、UBE3C、TNFRSF10D、SLC25A37、ChGn、RB1CC1、C8orf72、EIF2C2、HAS2、TRPS1、WISP1、235821_at、PTK2、ZCCHC7、RPS6、GLIS3、SLC28A3、1555841_at、MGC17337、EDG2、229242_at、ITGB1、C10orf49、YME1L1、AKR1C2、CHST3、LOXL4、SFXN3、228910_at、CD44、FOSL1、RELA、MMP12、MMP13、MMP3、KIAA0999、ASAM、LOC399959、ETNK1、SOX5、CHST11、ATF1、SRGAP1、DSPG3、LOC338758、KIAA0701、SLC41A2、RHOF、FZD10、NUPL1、USP12、UFM1、LECT1、GPC6、ERO1L、BDKRB1、SEMA6D、LACTB、ARIH1、CSPG4、AGC1、LOC283824、VASN、WWP2、NOS2A、LOC201181、MSI2、PITPNC1、TGIF、1552288_at、1552289_a_at、ZNF146、RELB、MIA、ZNF160、SNX5、BMP2、RNF24、HSUP1、MATN4、BIC、RUNX1、LIF、RP4−756G23.1、RPS6KA3、TNMD、RP6−213H19.1およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記送達する工程がin vivoで生じる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記関節における細胞が、線維芽細胞、脂肪細胞、幹細胞、存在するコンドロサイト、または軟骨型細胞に分化しうる他の細胞である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記1つまたは複数の治療ポリヌクレオチドが少なくとも1つの発現ベクターに存在する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記発現ベクターが、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記非ウイルスベクターが、プラスミドである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターである、請求項8に記載の方法。
  11. 2つ以上の治療ポリヌクレオチドが存在するとき、それらは同じ発現ベクターに存在している、請求項1に記載の方法。
  12. 2つ以上の治療ポリヌクレオチドが存在するとき、それらは2つ以上の異なる発現ベクターに存在している、請求項1に記載の方法。
  13. 前記1つまたは複数の治療ポリヌクレオチドの発現が、無血管性、無神経性または低酸素環境における活性に適したプロモーターによって指示される、請求項1に記載の方法。
  14. 以前に分化した細胞または幹細胞を所望の位置でコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞へ分化させる方法であって、1つまたは複数の遺伝子を、該以前に分化した細胞または幹細胞に該所望の位置で提供してコンドロサイトまたはコンドロサイト様細胞を製造する工程を含む、方法。
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