JP2002542801A - TGF−βを利用した遺伝子療法 - Google Patents
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Abstract
Description
ォーミング成長因子βスーパーファミリーのうちの1因子を符号化する少なくと
も1つの遺伝子を、少なくとも1つの哺乳動物の結合組織に導入する方法に関す
る。又、本発明は、トランスフォーミング成長因子βスーパーファミリーのうち
の1因子を符号化する遺伝子を含むDNAベクター分子を含有する結合組織細胞柱
に関する。
も頻発する疾病である。膝、臀部、肩及び手首のような身体の殆ど全ての関節に
おいて発生する。このような疾病の原因は、ガラス関節軟骨の退行である(Mank
in et al., J Bone Joint Surg, 52A: 460-466, 1982)。関節のガラス軟骨は変
形され、細動し、又、究極的には陥没することとなる。もし、退行された軟骨が
どうあろうとも再生することができるのであれば、多くの患者らは、彼らを衰弱
させる苦痛なしに生活を営むことができるようになる。現在では、欠損されたガ
ラス軟骨を再生する方法が報告されていない。
に伝達するのには非効果的である。一般的に関節内に注入された薬物は半減期が
短い。薬物を関節内に注入することのもう一つの短所は、関節炎のような慢性的
な状態を治療するための、関節腔における十分な薬物濃度を得るためには、頻繁
に、反復的に注入しないといけないということである。今までの治療剤は、関節
に選択的に到達できなかったため、持続的な関節内の治療容量を獲得するために
は、高濃度の薬物に哺乳動物宿主の全身を露出させる必要があったのである。こ
のような方法においては、非標的器官が露出されることにより、抗関節炎薬物が
、胃腸亢進、哺乳動物宿主の血液、心血管、肝臓、及び、腎臓系の変化のような
深刻な副作用をより悪化する傾向があったのである。
候補として考えられてきた。骨形成蛋白質(bone morphogenic protein)は、骨
形成の效果的な促進因子として認識されてきており(Ozkaynak et al., EMBO J,
9:2085-2093, 1990; Sampath and Rueger, Complications in ortho, 101-107,
1994)、TGF−βが骨形成及び軟骨形成の促進因子として報告されたことがある
(Joyce et al., J Cell Biology, 110:2195-2207,1990)。
認識され(Sporn and Roberts, Nature (London), 332:217- 219, 1988)、細胞
成長、分化、及び、細胞外基質蛋白質の合成を調節する役割をする(Madri et a
l., J Cell Biology, 106: 1375-1384,1988)。TGF−βは、上皮細胞と破骨類似
細胞(osteoclast−like cells )のインビトロでの成長を阻害するが(Chenu e
t al., Proc Natl Acad Sci, 85: 5683-5687, 1988)、インビボ軟骨の骨化(en
chodral ossification)を刺激して究極的には骨形成を促進する(Critchlow et
al., Bone, 521-527, 1995; Lind et al., A Orthop Scand, 64(5): 553-556,
1993; and Matsumoto et al., In vivo, 8: 215-220,1994)。TGF−β−誘導骨
形成は、骨膜下(subperiosteal)多機能性細胞を刺激して窮極的には軟骨形成
細胞に分化するようにする(Joyce et al., J Cell Biology, 110: 2195-2207,
1990; and Miettinen et al., J Cell Biology, 127-6: 2021-2036, 1994.)。
l., Calcif Tissue In. 52: 74-78, 1993; Borque et al., Int J Dev Biol., 3
7:573-579, 1993; Carrington et al., J Cell Biology, 107:1969-1975, 1988;
Lind et al., A Orthop Scand. 64(5) : 553-556, 1993; Matsumoto et al., I
n vivo, 8:215-220, 1994)。マウス胚で、ステイニングの結果は、TGF−βが、
結合組職、軟骨、及び、骨のような肝葉から由来した組職と密接に係わっている
ことを見せてくれる。発生学的観察に加えて、TGF−βは、骨形成と軟骨形成部
位に存在する。また、それは、兎の脛骨の骨折の治療を向上させることができる
。最近、TGF−βの治療的価値が報告されたことがあるが(Critchlow et al., B
one, 521-527, 1995; and Lind et al., A Orthop Scand, 64(5): 553-556,1993
)、その效果の持続時間が短いことと高価である点が、臨床的に広く適用される
ことを阻んできた。
−βの作用の持続する時間が短いため、関節炎の治療のためにTGF−βを関節内
に注入することは望ましくない。よって、TGF−βを長期間放出する新しい方法
がガラス軟骨の再生のための必要である。
(Brittberg et al., New Engl J Med 331: 889- 895, 1994)、このような方法
は軟組織を二度にかけて広く切除する手術を伴う。もし関節内注入で退行性関節
炎の治療が十分であるならば、患者にとって経済的にも身体的にも大きな恩恵と
なることであろう。
題を解く方法になり得る(Wolff and Lederberg, Gene Therapeutics ed. Jon A
. wolff, 3-25, 1994; and Jenks, J Natl Cancer Inst, 89(16): 1182-1184, 1
997)。
P(インターロイキンー1受容体拮抗剤蛋白質)遺伝子のウイルスまたはプラス
ミドコンストラクトを製造する段階;滑膜細胞(synovial cell) (5、858
、355)、及び骨髄細胞(5、766、585)を、前記コンストラクトでト
ランスフェクションさせる段階;及び形質転換された細胞を兎の関節内に注入す
る段階を開示する。しかし、TGF−βスーパーファミリーに属する遺伝子を結合
組職を再生するのに使用したことは開示されたことがない。
職の形成を維持し、軟骨性組職を誘導するために、TGF−β“スーパーファミリ
ー”に属する骨形成蛋白質(BMP)を含む組成物を、切形の副甲状線ホルモン関
連のペプチドと一緒に注入するのが開示されている。しかし、BMP遺伝子を利用
した遺伝子治療法に対する開示はない。
哺乳動物宿主の結合組職の少なくとも1つの細胞に発現産物(product)をエン
コードする少なくとも1つの遺伝子をインビトロ方法で、あるいはインビボ導入
する方法に対する実在的、かつ、実質的な要求が残ってしまう。また、トランス
フォーミング成長因子βスーパーファミリーのうちの1因子をエンコードする遺
伝子を、宿主細胞で結合組織を再生するのに使用する方法が必要である。より具
体的には、TGF−βスーパーファミリー蛋白質をエンコードする遺伝子を、宿主
の結合組織細胞でインビボ発現させる方法が必要である。
の少なくとも1つの細胞に、発現産物をエンコードする少なくとも1つの遺伝子
を導入する、哺乳動物宿主治療方法を提供する。この方法は、発現産物をエンコ
ードする遺伝子を含むDNAベクター分子を製造するために組換え技術を使用する
段階と、発現産物をエンコードする遺伝子を含むDNAベクター分子を結合組織細
胞内に導入する段階を含む。DNAベクター分子は、ターゲット細胞や組織に伝
達され維持され得る任意のDNA分子であり、究極的に目的の発現産物をエンコ
ードする遺伝子が安定に発現することができる。本発明において、用いられる望
ましいDNAベクター分子は、ウイルス系列あるいはプラスミド系列のDNAベクター
分子である。本方法は、望ましくは、治療の用途として哺乳動物の結合組織細胞
に発現産物をエンコードする遺伝子を導入することを含む。
ちの1因子を符号化し、プロモーターに作動的にリンクされたDNAシーケンスを
含む組換えウイルス又はプラスミドベクターを製造する段階; b)培養された結合組織細胞集団を、前記組換えベクターでインビトロトランス
フェクションさせることにより、形質転換された結合組織細胞集団を製造する段
階;及び c)前記形質転換された結合組織細胞を、哺乳動物宿主の関節炎性関節腔に、関
節内注射して移植することにより、前記DNAシーケンスが前記関節腔内で発現さ
れて結合組織を再生する段階; を含む関節炎の治療方法に関するものである。
レトロウイルスベクターであることが望ましい。又、前記ベクターは、プラスミ
ドベクターであり得る。
れる段階を含む。前記細胞は、移植される前には、液体窒素下で10%DMSO
で保管され得る。
、これらに限定されるものではない。前記繊維芽細胞は、NIH 3T3細胞、又は、
ヒト包皮繊維芽細胞であり得る。
い。前記軟骨はガラス軟骨であり得る。
スフォーミング成長因子スーパーファミリーのうちの1因子を使用する。前記ト
ランスフォーミング成長因子スーパーファミリーのうちの1因子としては、TGF
−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−
6、又は、BMP−7であり得る。望ましくは、TGF−βは、ヒト又は豚のTGF−β
1、TGF−β2、又は、TGF−β3である。
のうちの1因子をエンコードし、プロモーターに作動的にリンクされたDNAシー
ケンスを含む組換えウイルス又はプラスミドベクターを製造する段階; b)培養された結合組織細胞集団を、前記組換えベクターでインビトロトランス
フェクションさせることにより、形質転換された結合組織細胞集団を製造する段
階;及び c)前記形質転換された結合組織細胞を、哺乳動物宿主の関節炎性関節腔に、関
節内注射して移植することにより、前記DNAシーケンスが前記関節腔内で発現さ
れてガラス軟骨を再生する段階; を含むガラス軟骨の再生方法に関するものである。
ート共沈法、電気穿孔法、DEAE−デキストラン媒介法によって達成され得る。
因子をエンコードするDNAシーケンスを含む組換えウイルス又はプラスミドベク
ターを含有する結合組織細胞柱に関するものである。結合組織細胞柱は、繊維芽
細胞柱、間葉細胞柱、軟骨細胞柱、造骨細胞柱、又は、骨細胞柱であり得るが、
これらに限定されるものではない。前記繊維芽細胞柱は、ヒトの包皮繊維芽細胞
柱又はNIH 3T3細胞柱であり得る。
ミリーのうちの1因子を含む。好ましくは、トランスフォーミング成長因子スー
パーファミリーのうちの1因子が、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2
、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、又はBMP−7である。より好ましくは
、メンバーが、ヒト又は豚のTGF−β1、TGF−β2、又は、TGF−β3である。
を含むことができる。
明の詳細な説明、それに添付された参考図面、及び、請求項より具体化される。
メンバーも含む。
に属するメンバーも含む。
持する任意の組職であり、哺乳動物の靭帯、軟骨、腱、骨、及び滑膜を含むがこ
れに限定されるものではない。
、脂肪細胞(adipocytes)と平滑筋細胞のみならず、コラーゲン性の細胞外基質
を分泌する繊維芽細胞、軟骨細胞、及び、骨細胞(osteoblasts/osteocytes)
のような結合組織に存在する細胞を含む。望ましくは、結合組職細胞は、繊維芽
細胞、軟骨細胞、及び、骨細胞である。より望ましくは、結合組職細胞は、繊維
芽細胞である。また、結合組職細胞は、未成熟した繊維芽細胞として知られた肝
葉細胞を含む。本発明が単一タイプの細胞のみでならず、混合された結合組職細
胞の培養物を使用することができるということを認識することができる。
した多数の結合組職細胞を含む。
組織をいう。例を挙げると、ガラス軟骨は、関節軟骨、肋軟骨、及び、鼻軟骨を
含むが、これに限定されるものではない。
運動を提供するものと知られている。関節のガラス軟骨は、同一関節内のガラス
軟骨であっても、その厚さ、細胞密度、基質組成、及び、機械的性質が多様では
あるが、同一の普遍的構造と機能を有する。ガラス軟骨のいくつかの機能として
は、圧迫に対する突発硬直、復元力、負荷(weight loads)を分散させる例外的
な能力、軟骨下骨に対する最大ストレスを最小化する能力、そして、優れた耐久
性を含む。
える。軟骨の細胞外基質は軟骨細胞を含むが、血管、リンパ管、または神経はな
い。軟骨細胞と基質間の相互作用を維持する精巧で、かつ、よく整えられた構造
は、ガラス軟骨の構造と機能を維持するようにし、一方、代謝活動は少なくする
ようにする。ドリスコルの文献(O'Driscoll, J. Bone Joint Surg。、 80A: 17
95−1812、1988)では、ガラス軟骨の構造と機能について詳細に開示しており、
上記文献はその全体として本明細書に参考として含まれる。
パーファミリー”は、胚発生の間の広い範囲にわたって、分化過程に影響を及ぼ
す構造的に連関された蛋白質の1グループを含む。前記ファミリーは、正常な男
性発達のために必要なミュラー(Mullerian)阻害物質(MIS)(Behringer, et
al., Nature, 345:167, 1990)、背側−腹面軸形成と成虫盤(imaginal disk)
の形態発生に必要なショウジョウバエ・デカペンタプレジック(decapentaplegic
)(DPP)遺伝子産物(Padgett, et al., Nature, 325:81-84, 1987)、卵のベ
ジタルポール(vegetal pole)に位置する海胆(Xenopus)Vg−1遺伝子産物(We
eks, et al., Cell, 51:861-867, 1987)、海胆胚の中胚葉と後胚葉の構造形成
を誘導することができる(Thomsen, et al., Cell, 63:485, 1990)アックティ
ビン(activines)(Mason, et al., Biochem, Biophys. Res. Commun., 135:95
7-964, 1986)、及びde novo軟骨及び骨形成を誘導することができる(Sampath,
et al., J. Biol.)骨形成蛋白質(BMP−2、 3、 4、 5、 6及び7のようなBMP
、osteogenin、OP−1)を含む。前記TGF−β遺伝子産物は、脂肪形成(adipogen
esis)、筋肉発生(myogenesis)、軟骨形成(chondrogenesis)、血液生成(he
matopoiesis)、及び、上皮細胞分化を含む多様な分化過程に影響を及ぼすこと
ができる(Massague, Cell 49:437, 1987)のを想起しつつ、この文献はその全
体として本明細書に参考として含まれる。
いで、C−末端から約110−140アミノ酸付近の塩基性残基のクラスターで
蛋白分解によって切断される。蛋白質のC−末端部位は、皆構造的に係わってい
て、ファミリ−メンバーたちは、それらの類似性の程度によって異なるサーブグ
ループに分類することができる。特定サーブグループ内の類似性は、70%から90
%のアミノ酸序列の相同性を見せるが、サーブグループ間の相同性は確実に低く
、一般的にせいぜい20%から50%位である。それぞれの場合、活性種は、C−末
端切片の二硫化結合二量体と見られる。研究されたファミリーメンバーの大部分
において、同型二量体種が、生物学的に活性であることと発見されたが、また、
インヒビン(inhibins)(Ung, et al., Nature, 321:779, 1986)とTGF−β's
(Cheifetz, et al., Cell, 48:409, 1987)ような他のファミリメンバーでは、
異型二量体が検出され、これらはそれぞれの同型二量体に対して相違する生物学
的性質を有することと見られる。
GF−β4(ニワトリ)、TGF−β1、TGF−β5(海胆)、BMP−2、BMP−4、ショウ
ジョウバエDPP、 BMP−5、BMP−6、Vgr1、OP−1/BMP−7、ショウジョウバエ60A
、GDF−1、海胆Vgf、BMP−3、インヒビン−βA、インヒビン−βB、インヒビン
−α、及び、MISが含まれる。このような遺伝子は、Massagueの文献(Massague
、 Ann.Rev.Biochem.67:735−791、1988)に開示されており、上記文献は、
その全体として本明細書に参考として挿入される。
より望ましくは、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BM
P−5、BMP−6、あるいはBMP−7である。より望ましくは、ヒトまたは豚のTGF−
βである。より望ましくは、ヒトまたは豚のTGF−β1、TGF−β2あるいはTGF−
β3である。最も望ましくは、ヒトまたは豚のTGF−β1である。
維持する細胞によって発現され、細胞が形態発生的形質転換または酵素活性のよ
うな変形された表現型を発現するようにする、遺伝子産物を含む。トランスフェ
クションされた遺伝子を発現する細胞は、同細胞に抗生剤やあるいは他の薬物に
抵抗性を付与する酵素活性を有するような、選択マーカーをエンコードする二番
目の遺伝子を同一の細胞に導入することによって分離されることができる。選択
マーカーの例としては、チミジンキナーゼ(thymidine kinase)、ジヒドロフォ
レートレドッターゼ(dihydrofolate reductase)、アミノグリコシドホスホト
ランスフェラーゼ(aminoglycoside phosphotransferase)(カナマイシン、ネ
オマイシン、及び、ゼネチシン(geneticin)のようなアミノグリコシド系抗生
剤に抵抗性を付与する)、ハイグロマイシン B ホスホトランスフェラーゼ、 キ
サンチン−グアニン ホスホリボシル トランスフェラーゼ、CAD(de novo ウリ
ジン生合成−カルバミル ホスファート シンセターゼ、アルパルテート トラン
スカルバミラーゼ、及びジヒドロオロターゼ(dihydroorotase)の初めの三種の
酵素活性を有する一つの蛋白質)、アデノシン ジアミナーゼ、及びアスパラギ
ンシンセターゼを含むが、これに限定されるものではない(Sambrook et al. Mo
lecular Cloning, Chapter 16. 1989)。上記文献は、その全体として本明細書
に参照として含まれる。
胞で転写を調節する任意のDNAシーケンスであり得る。プローモーターは、真核
細胞及び/または原核細胞で活性である。望ましくは、プローモーターは、哺乳
動物細胞で活性がある。プローモーターは、恒常的に発現されるか誘導されるこ
とができる。望ましくは、プロモーターは誘導可能である。望ましくは、プロー
モーターは、外部の刺激によって誘導可能である。より望ましくは、プローモー
ターは、ホルモン又は金属によって誘導される。より望ましくは、プローモータ
ーは重金属によって誘導される。最も望ましくは、プローモーターは、メタロチ
オネイン遺伝子プローモーターである。さらに、転写を調節する“エンハンサー
エレメント”が、DNAベクターコンストラクトに挿入されることができ、本発明
のコンストラクトと共に目的とする遺伝子の発現を増加させるために使われ得る
。
導体を含む陽イオン性リポソームを意味する。“DC−chol”分子は、3価アミノ
グループ、中間長さスペイサーアーム(2原子)、及び、カルバモイル−リンカ
ーボンド(carbamoyl linker bond)を含む(Gao et al., Biochem. Biophys. R
es, Commun., 179:280-285, 1991)。
定義される。
のは、機能的なDNA及び/または蛋白質をターゲットセルに導入する能力をいう。
用いられる“生物学的に活性である”というのは、ワイルドタイプの核酸や蛋白
質によって知られた生物学的機能を模倣する核酸またはアミノ酸序列の能力とし
て定義される。
導入されたDNAが細胞内に残存するようにする能力をいう。他の文脈で用いられ
るときは、治療的效果を持つようにするために、ターゲットDNAがターゲット細
胞や組職内に存在するようにする能力を意味する。
あるいはエクスビボ伝逹する技術を開示する。エクスビボ技術は、ターゲット結
合組職細胞を培養すること、DNAシーケンス、DNAベクターまたは他の意図する伝
逹ビークルを結合組職細胞でインビトロトランスフェクションさせること、そし
て目的する遺伝子産物がインビボ発現されるようにするために変形された結合組
職細胞を哺乳動物宿主のターゲット関節に移植することを含む。
コードする遺伝子をリポソーム内に導入し、関節部位に直接的に注入し、この時
、リポソームは、結合組職細胞と融合して、結果的にはTGF−βスーパーファミ
リーに属する遺伝子産物がインビボ発現されるようにする。
ンコードする遺伝子をnaked DNA状態で関節部位に導入する。Naked DNAは、結合
組職細胞に入り、窮極的には、TGF−βスーパーファミリーに属する遺伝子産物
がインビボ発現されるようにする。
、まず、蛋白質またはそれの生物学的に活性がある切片をエンコードするDNAシ
ーケンスを含む組換えウイルスまたはプラスミドベクターを製造することを含む
。次に、この組換えベクターをインビトロ培養された結合組職細胞のポピュレー
ションを感染又はトランスフェクションさせるために使い、結局、ベクターを含
有する結合細胞のポピュレーションを作る。次に、このような結合組職細胞を哺
乳動物宿主のターゲット関節腔に移植して関節腔内で蛋白質あるいは蛋白質切片
の発現を起こす。目的するDNAシーケンスの発現は、結合組職異常と係る有害な
関節疾患を実質的に軽減するのに有用である。
者自分の結合組職細胞であるということは、当業者ならよく分かっているはずで
ある。
スーパーファミリーのうちの1因子あるいはその生物学的に活性のある誘導体や
切片をエンコードする遺伝子と、選択マーカーあるいはその生物学的に活性のあ
る誘導体や切片を利用することを含む。
パーファミリーの少なくとも1つの因子あるいはそれの生物学的に活性のある誘
導体や切片をエンコードする遺伝子を利用し、DNAプラスミドベクターとしては
、利用される伝逹方法とは関係なしに伝逹の時にターゲットの細胞や組職に安定
に維持されることができるとして、当業者に知られた任意のDNAプラスミドベク
ターを使うことを含む。
ラスミドDNAベクター分子であっても、いずれにしてもDNAベクター分子をターゲ
ットの細胞あるいは組職に直接伝逹するのである。また、この方法は、遺伝子と
して、トランスフォーミング成長因子βスーパーファミリーのうちの1因子ある
いはそれの生物学的に活性のある誘導体や切片をエンコードすることができる遺
伝子を利用することを含む。
の少なくとも一つの細胞に、発現産物をエンコードする少なくとも一つの遺伝子
を導入する方法を提供する。本方法は、結合組職細胞に発現産物をエンコードす
る遺伝子を導入する非−ウイルス的手段を利用することを含む。より詳細には、
本方法は、リポソームカプセル法、カルシウム−ホスファート共沈法、電気穿孔
法、または、DEAE−デキストラン媒介法を含んでおり、遺伝子として、トランス
フォーミング成長因子βスーパーファミリーのうちの1因子あるいはそれの生物
学的に活性のある誘導体や切片をエンコードすることができる遺伝子と、選択マ
ーカーあるいはそれの生物学的に活性がある誘導体や切片を利用することを含む
。
の少なくとも一つの細胞に、発現産物をエンコードする少なくとも一つの遺伝子
を導入する追加的方法を提供する。本追加的方法は、ターゲットの細胞や組職に
DNAベクター分子を伝逹するウイルスを利用する生物学的手段を利用することを
含む。望ましくは、ウイルスは、擬ウイルスがターゲット細胞内に運ばれて安定
に維持されるようにゲノムが変形されたが、ターゲットの細胞や組職内で複製さ
れる能力を持っていない擬ウイルスである。変形されたウイルスゲノムを組換え
DNA技術を使用してもっと増幅すれば、その結果、ウイルスゲノムは、ターゲッ
トの細胞や組職内で発現される、目的とする異種由来(heterologous)遺伝子を
含むDNAベクター分子として機能するようになる。
たレトロウイルスベクターの使用を通じて、哺乳動物宿主の結合組織にTGF−β
遺伝子を伝逹することにより、ターゲット関節腔にTGF−βを伝逹する方法であ
る。言い換えれば、機能的なTGF−β蛋白質または蛋白質切片をエンコードする
目的のDNAシーケンスを、選択したレトロウイルスベクターでサブクローニング
し、次に、組換えウイルスベクターを適正タイターに培養し、培養された結合組
職細胞にインビトロトランスフェクションさせるのに用い、そして形質転換され
た結合組職細胞、望ましくは自家移植された細胞をターゲット関節内に望ましく
は関節内注射によって移植するのである。
ノ−関連ウイルスベクター(AAV)、または、ヘルペスシンプレックスウイルス
ベクター(HSV)を使い、哺乳動物宿主の結合組織にTGF−βスーパーファミリー
遺伝子をインビボ直接伝逹することを含む。言い換えれば、機能的TGF−β蛋白
質または蛋白質切片をエンコードする目的のDNAシーケンスを、それぞれのウイ
ルスベクターにサブクローニングする。次に、TGF−β包含ウイルスベクターを
適正タイターに培養した後、望ましくは関節内注射によって関節腔に注入する。
容体結合組職細胞のトランスフェクションを起こし、したがって異種由来目的遺
伝子の安定した発現を増進させるためのDNAベクター含有−繊維芽細胞の移植だ
けではなく、除去、インビトロ培養、トランスフェクション、選択という過程を
排除することができる。
リポソーム内にカプセル化する方法、目的とするDNAシーケンスをレトロウイル
スまたはプラスミドベクターにサブクローニングする方法、または、DNA分子自
体を関節内に直接注入する方法を含むが、これに限定されるものではない。膝関
節に導入される形態に関係なく、DNA分子は、DNAベクター分子として、すなわち
組換えウイルスDNAベクター分子あるいは組換えDNAプラスミドベクター分子とし
て導入されるのが望ましい。異種由来目的の遺伝子の発現は、真核細胞で活性的
なプローモーター切片を、異種由来遺伝子のコーディング部位のアップストリー
ム(upstream)に挿入することで保障される。当該技術分野における通常的の技
術の一つは、DNA分子が結合組織に入り、適正水準に発現されることを保障する
ベクターを構築する既存の戦略と技術を利用するものである。
使うために、膝関節から取り出した繊維芽細胞をインビトロ培養する。培養可能
細胞が開示された特定の結合組織の使用に限定されないということは明白である
。インビトロ培養技術に、他の組職ソースを利用することも可能である。本発明
において、遺伝子を使う方法は、関節炎を予防するか、あるいは治療する方法に
皆利用することができる。適用分野が単に膝関節の治療における予防または治療
的適用に限定されないということは明白である。病気にかかりやすい任意の関節
での関節炎を治療するために、予防的にまたは治療的に本発明を利用するのが可
能である。
のために、TGF−βスーパーファミリー蛋白質をエンコードする遺伝子と、薬学
的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
、TGF−βスーパーファミリー蛋白質をエンコードする遺伝子と、薬学的に許容
可能な担体を含む組成物を提供する。
を含む、上記に技術された通りの方法を提供する。また、この方法は、次いで、
トランスフェクションされた細胞を哺乳動物宿主に移植する段階を含む。この方
法は、トランスフェクションされた細胞を哺乳動物宿主に移植する前に結合組職
細胞をトランスフェクションさせた後、形質転換された結合組職細胞を保管する
段階を含む。トランスフェクションされた結合組職細胞を10% DMSO内で液体窒
素下に氷らせて保管することができるということは、当業者にとって容易であろ
う。この方法は、関節炎の発病する可能性が高い哺乳動物宿主において、関節炎
の発病を実質的に防止するために上記の方法を使用することを含む。
するのに使うために、発現産物をエンコードする遺伝子を含むウイルスベクター
を哺乳動物宿主内に直接導入することにより、細胞のインビボトランスフェクシ
ョンを起こす段階を含む、発現産物をエンコードする少なくとも一つの遺伝子を
哺乳動物宿主の結合組織の少なくとも一つの細胞内に導入する方法を含む。望ま
しくは、この方法は、関節内注射によって哺乳動物宿主内に直接導入することを
含む。この方法は、関節炎の発病する可能性が高い哺乳動物宿主における、関節
炎の発病を実質的に阻害するために上記の方法を使うことを含む。また、この方
法は、治療的用途として関節炎性哺乳動物宿主に上記の方法を使用することを含
む。これに加えて、本方法は、上記で定義された通り、結合組織をリペアーして
再生させるのに上記の方法を使用することを含む。
トランスフェクションと挿入を行うために必要となるような細胞分裂によっては
制限されないということは、当該技術分野に詳しい当業者にとっては容易であろ
う。上記で記述した通り非−ウイルス手段を利用するこの方法は、遺伝子として
、TGF−βスーパーファミリーに属する1メンバーをエンコードすることができ
る遺伝子と、抗生剤耐性遺伝子のような選択マーカー遺伝子を利用することを含
む。
ーゲンのインビボ発現を起こすために、本明細書内に開示された任意の方法を介
して、TGF−βスーパーファミリーの1メンバーをエンコードするDNAシーケンス
を哺乳動物宿主の結合組織に伝逹するのである。
法において、TGF−βコードシーケンスを含むDNAプラスミドベクターを、メタロ
チオネイン(metallothionein)プローモーターのダウンストリーム(downstrea
m)に連結した。
物伝逹の静脈及び経口ルートとしては、このような結合組職にはよく近付くこと
ができず、哺乳動物宿主の身体全体を治療剤に露出させなければならない短所が
ある。より詳細には、既存の関節内注射で蛋白質を関節に注入することは、関節
に至る直接的な接近路を提供する。しかし、カプセル化された蛋白質形態で注射
された薬物の大部分は、関節内で短い半減期を持つ。本発明は、このような問題
を、哺乳動物宿主を治療するのに使うことができる蛋白質をエンコードする遺伝
子を哺乳動物宿主の結合組織内に導入することによって解決する。より具体的に
は、本発明は、抗−関節炎性の性質を持った蛋白質をエンコードする遺伝子を哺
乳動物宿主の結合組織内に導入する方法を提供する。
と高費用の問題を解決するために適用されたのである。形質転換された細胞は、
形態的な変化なしに、組職培養で6週以上生存することができたのである。生存
能力と作用持続時間を確認するために、兎のアキレス腱に細胞を注射したのであ
る。もし、細胞に対してインビボ栄養の供給が充分であれば、細胞は、周りの細
胞を刺激するのに充分長い時間生存することができたし、TGF−βを製造するこ
とができたのである。細胞は、腱内及び関節内環境全てに機能的であった。
である。先行の実験(Joyce et al.、supra、1990)で、TGF−βの用量が形成
された組職のタイプを決定した。具体的に、膜間骨形成に対する軟骨形成の割合
は、用量が低くなるに連れて減少した。TGF−βは、また、初期造骨細胞とMC3T3
細胞の刺激において二相性(biphasic)である(Centrella et al., Endocrinol
ogy, 119:2306-2312, 1986)。すなわち、濃度によって刺激することもできるし
、阻害することもできる(Chenu et al., Proc Natl Acad Sci, 85:5683-5687,
1988)。そこで、提供された実施例において、NIH 3T3−TGF−β1細胞は、104、
105、及び106cells/mlの各々の濃度でコラーゲン合成を促進した。腱は、106ce
lls/mlの濃度で一番肥大となった。
、注入後2週から6週までにかけて回収した。関節の環境は腱の環境とは違う。細
胞は関節内でより自由に動くことができる。それらは、細胞と選択的親和性を有
した部位へ動くはずである。滑膜、半月板(meniscus)及び軟骨欠損部位は細胞
の付着可能な部位である。注入6週後、再生された組職が、一部及び完全に損傷
された軟骨欠損部位で観察されたが、滑膜や半月板では観察されなかった。損傷
された部位に対するこのような選択的親和性は、臨床的適用のための更なる利点
である。もし退行性関節炎が、細胞を関節に直接注入することで治療することが
できるのであれば、患者は大手術なしに簡便に治療を受けることができる。
ガラス軟骨の再生を刺激することができる。一つは、損傷された部位に残ってい
る軟骨細胞が、それらの細胞の表面にTGF−β受容体を生産することである(Bra
nd et al., J Biol Chem, 270:8274-8284, 1995; Cheifetz et al., Cell, 48:4
09-415, 1987; Dumont et al., M Cell Endo, 111:57-66, 1995; Lopez-Casilla
s et al., Cell, 67:785-795, 1991; Miettinen et al., J Cell Biology, 127:
6, 2021-2036, 1994; and Wrana et al., Nature, 370:341-347, 1994)。この
ような受容体は、損傷された部位に付着した、注入された細胞から分泌したTGF
−βによって刺激されることができる。TGF−βが、インビボ潜在性形態で分泌
されるため(Wakefield et al., J Biol Chem, 263,7646-7654,1988)、潜在性T
GF−βは活性化過程が必要である。もう一つは、潜在性TGF−βまたは形質転換
された細胞から分泌されたTGF−βが、一部欠損された軟骨層の細胞外基質でTGF
−β結合蛋白質(LTBT)に結合するのである(Dallas et al., J Cell Biol, 13
1:539-549, 1995)。
高濃度に長時間持続されれば、ガラス軟骨の再生を刺激することができるという
ことを示唆する。局地的高濃度を達成するためのビ−クルは、局地的刺激のため
の決定的な要素ではないが、理論的には、軟骨細胞が軟骨の損傷された部位にTG
F−βを伝逹するための最も最適のビークルとなり得る(Brittberg et al., New
Engl J Med 331:889-895, 1994)。コラーゲン二層基質は、形質転換された細
胞の局地的分布のための、他に可能なビークルである(Frenkel et al., J Bone
J Surg (Br) 79-B:831-836, 1997)。
テイニングでは、新たに形成された組職は、周りのガラス軟骨と同一であった(
図4)。新たに形成された組職の性質を評価するため、組職をサフラニン−Oス
テイニングした(Rosenburg, J Bone Joint Surg, 53A:69-82, 1971)。繊維状
コラーゲンが白色である反面、新たに形成された組職は赤色に染色され、それが
ガラス軟骨であることを示す(図5)。
−β刺激に対する骨性基質がバリヤーとして作用するため、周りの造骨細胞は刺
激されないこともあり得る。周りの細胞を刺激する代りに、NIH 3T3−TGF−β1
細胞は、自家発生促進によって繊維状コラーゲンを生産した。細胞がオートクラ
イン及びパラクリン活性化によって刺激されたという事実は、TGF−β1発現コン
ストラクトを有する安定に形質転換された軟骨細胞で、退行性関節炎を治療する
ことができる蓋然性を増加させる。
関節で生存することができる。細胞柱は、腱と完全に欠損された軟骨部位で繊維
状コラーゲンを生産する。しかし、細胞柱は、一部欠損された関節軟骨では、ガ
ラス軟骨を生産する。オートクライン及びパラクリンモードの作用による刺激メ
カニズムは、TGF−βスーパーファミリー遺伝子のうちの1メンバーを利用した
遺伝子治療法が、ガラス軟骨の損傷に対する新しい治療法であることを示す。
とで、安定な繊維芽細胞(NIH 3T3−TGF−β1、及びヒト包皮繊維芽細胞TGF−β
1)細胞柱を作った。このようなTGF−β−生産細胞は、活性的なTGF−βを高濃
度に長時間インビボ維持した。
るべき1つ目の問題は、細胞のインビボ生存可能性である。TGF−βが兔疫細胞
をインビトロ抑制することができても、細胞が高效率の兔疫監視システムを持っ
た他種の組職では、生存することができないかもしれないということである。2
つ目に、インビボ遺伝子の発現のための最適濃度が決められるべきものである。
本発明者らは、この問題を解決するために、細胞を3つの異なる濃度で兎のアキ
レス腱に注射した。使われた関節内注射の濃度は、腱内注射の最適濃度から決め
た。3つ目は、関節内で細胞が軟骨の再生を刺激する方法に関するものである。
よって周りの細胞が活性化することであり(paracrine活性化)(Snyder, Sci A
m, 253(4): 132-140, 1985)、もう一つは、自家−活性化である(オートクライ
ン活性化)。細胞の濃度が、経路に影響を与えることができるが、周りの環境が
作用モードを決めるのに一番重要な要素となり得る。関節間の関節流液と靭帯の
内部は、血液の供給、栄養の供給、及び、周りの細胞の面で、二つ相異なってい
る環境である。細胞の作用モードを確認するために、トランスフェクションされ
た細胞を二つ相異なっている環境に注射した。本研究の全体的目的は、整形外科
的疾病のための、TGF−β−媒介遺伝子治療法を評価することであり、インビボ
作用のモードを確認するのである。
はない。
オリゴヌクレオチドに含まれた Xba I 及び Bam HI 制限酵素サイトを利用して
、ゲノムDNAを利用したポリメラーゼチェーン反応でメタロチオネイン Iプロー
モーター(−660/+63)を製造した。増幅された切片を、pBluescript(Stratage
ne,La Jolla, CA)のXba I−Bam HIサイトでサブクローニングした。TGF−β1
コード序列を含む1.2−kb Bgl II 切片と3'末端の成長ホルモンポリーAサイト
をpMのBam HI−SalIサイト内にサブクローニングしてプラスミドpmTβ1を製造
した。
維芽細胞/TGF−β1内にトランスフェクションさせた。これらを、10%仔牛胎児
血清が含まれたDulbecco's Modified Eagle's Medium(DMEM)(Gibco−BRL、 R
ockville、 MD)で培養した。TGF−β1 cDNAシーケンスをメタロチオネイン遺
伝子プローモーターを持ったpmTβ1ベクターに付加した。また、ネオマイシン抵
抗性遺伝子シーケンスもベクター内に挿入した。
。トランスフェクションされた遺伝子シーケンスを持った細胞を選別するために
、ネオマイシン(300 μg/ml)を培地に添加した。次に、生存するコロニー
を選別し、TGF−β1 mRNA発現は、Northern分析とTGF−β1 ELISA分析法(R&D S
ystem)で確認した。TGF−β1を発現する細胞を注入直前まで液体窒素に保管し
て培養した。
からトータルRNAを分離した。トータルRNAを0.66 M ホルムアルデヒドを含む1
.0%アガロース−ゲル上で電気泳動させて、DURALON−UV膜に移し、UV STRATAL
INKER(STRATAGENE)と交差結合させた。Blotsを前混成化し、65℃で1%仔牛血
清アルブミン、7%(w/v) SDS、0.5 M 燐酸ナトリウム及び1mM EDTAを含む溶
液で混成化した。混成化したblotsをフィルム露出前に0.1% SDS、 1X SSCで2
0分間50℃で洗浄した。RNA blotsをヒトTGF−β1の32P−ラベルしたcDNA プロー
ブで混成化した。β−アクチンのプローブを試料ローディングのためのコントロ
ールとして利用した。
タミン(Ketamine)とロームプン(roumpun)で痲酔させた後、各兎を消毒した
。アキレス腱を露出させて、腱の中間部位に104、105及び106cells/ml濃度の細
胞を0.2ml−0.3ml注入した。トランスフェクションされたDNAの発現のた
めに、兎の飲み物に硝酸亜鉛を添加した。アキレス腱の実験で、最適濃度を決定
した後、関節内注射を行った。膝関節を露出させて、ナイフで一部及び完全に軟
骨欠損を作った。軟骨下骨を露出させないように注意しながら、ガラス軟骨層に
一部欠損を作った。完全欠損は、ガラス軟骨を全部とり除いた後、軟骨下骨が露
出されるようにした。外科的傷を縫合した後、106cells/ml濃度の細胞を関節内
に注射し、硝酸亜鉛を飲み物に添加した。
。それらをパラフィン−ブロックに埋め込み、0.8μm厚さの薄切れに切った。
再生された組職を顕微鏡で観察するためにヘマトキシリン−エオシン及びサフラ
ニン−Oステイニングを利用した。
(図1)。生存したコロニーの約80%が、転移遺伝子(transgene) mRNAを発現
した。このような選別されたTGF−β1−生産細胞を、硝酸亜鉛溶液で培養した。
細胞を100μM 硝酸亜鉛溶液で培養するとmRNAが生産される。TGF−β1分泌速度
は、約32ng/106細胞/24hrだった。
。肉眼で観察する場合、106cells/ml濃度の方が、104及び105の濃度より腱がも
っと厚かった。一部及び完全に軟骨に欠損を作った後、106cells/ml濃度のNIH
3T3−TGF−β1細胞0.3mlを膝関節内に注射した。注入後2から6週まで関節を
調査した。一部欠損された軟骨では、新たに形成されたガラス関節が観察された
;2週経過後、ガラス関節が現われ、6週経過後、軟骨欠損がガラス軟骨で覆わ
れた(図2)。再生された軟骨の厚さは、時間が経つにつれて厚くなった(図3
)。注入された細胞がTGF−β1を分泌し、これはTGF−β1抗原を使った兔疫組職
化学ステイニングによって確認された(図3)。TGF−β1のトランスフェクショ
ンがない正常繊維芽細胞が注入された反対側は、ガラス軟骨で覆われなかった。
一部欠損された部位では、再生されたガラス軟骨がサフラニン−Oステイニング
によって赤色に染色された(図4)。(新たに形成された軟骨の深さは殆ど損失
された深みと等しい。)このような結果は、注入された細胞が、作用のパラクリ
ン作用モードを介して、周りの正常軟骨細胞を活性化させること示す。
ゲンだった。サフラニン−Oステイニングにおいて、それは、ガラス軟骨で現わ
れた赤い色ではなく、白く染色された。(図5)。軟骨は、繊維状組職で覆われ
、これは、このような細胞たちが、単にオートクラインモードによって活性化さ
れたことを意味する。TGF−βによって刺激され得る周りの造骨細胞が、厚い脱
石灰されたの骨基質の存在によって、TGF−βによって刺激されることが遮断さ
れることと見られる。注入された細胞は、このバリヤーのため、造骨細胞を刺激
することができないかもしれない。
拡大され、コントロールの腱に比べて肉眼でももっと厚いことを確認できた(図
7)。顕微鏡での観察では、H&Eステイニングによって、注入されたNIH 3T3
−TGF−β1細胞が兎のアキレス腱で生存し、繊維状コラーゲンを生産することを
確認した(図8)。再生された腱組職をTGF−β1抗体を利用して兔疫組職化学的
に染色した結果、腱でTGF−β1の発現を確認した(図9)。
で定義された発明の範疇を脱しない本発明の多くの変形がありえることは、当業
者間には明白な事実である。
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らず成長することができるTGF−β1発現ベクターであるpmTβ1に安定的に形質転
換されたNIH 3T3細胞から、トータルRNAを分離した。トータルRNA(15mg
)をTGF−β1 cDNAやコントロールに使用したβアクチンcDNAでプローブした。
形の部分的な軟骨欠損を作って膝関節にTGF−β1でトランスフェクションしてい
ないNIH 3T3細胞を注入した。欠損は回復されなかった。2B.NIH 3T3−TGF−
β1細胞注入の6週後に、新たに形成された組職によって欠損が回復した。再生
された組職の色は、周りの軟骨の色とほぼ同一であった。
コントロール細胞を注入して4週及び6週後、欠損部位のヘマトキシリンーエオ
シン(H&E)分析。初期欠損部を覆う組職がない。3C及び3D.TGF−β1ト
ランスフェクション細胞を注入して4週及び6週後、欠損部位のヘマトキシリンー
エオシン(H&E)分析。TGF−β1トランスフェクション細胞を注入後4週目に
は、部分的に欠損部位がガラス軟骨で覆われた。注入後4週及び6週後には、再
生された組職が厚くなり、6週後には正常な軟骨とその高さがほぼ同一となった
。組職学的には再生された軟骨(矢印)が周りのガラス軟骨とほぼ同一となった
。
00)。茶色のイミュノ−ペルオキシダーゼ反応産物は、NIH 3T3−TGF−β1細
胞で組換えTGF−β1が高水準に発現することを示す(4B)。4Aは、コントロ
ール細胞を注入した兎の関節におけるガラス軟骨を示す。
を利用して、再生された組職の顕微鏡観察(X200)5A.部分的に欠損され
た部位で、再生されたガラス軟骨がH&Eステイニング(黒い矢印)によって見
られる。5B.完全に剥がれた軟骨部位で、再生された組職(白い矢印)は、繊
維性コラーゲンであった。
ス腱の肉眼形態。7A.コントロール細胞を注入した腱。7B.注入6週後のTGF
−β1に形質転換された細胞を注入した腱。7C.7Aに図示した腱の断面図。
7D.7Bに図示した腱の断面図。
鏡観察。8A、8B及び8Cは、注入6週後の、コントロール細胞を注入した腱
を示す。 8A X50拡大。 8B X200拡大。 8C X600拡大。
8D、8E、及び、8Fは、注入6週後の、TGF−β1にトランスフェクションさ
れた細胞を注入した腱を示す。8D X50拡大。 8E X200拡大。8F
X600拡大。腱に注入したTGF−β1にトランスフェクションされた細胞は、
内在性腱より少し丸く見られる。纎維状コラーゲンが、オートクライン及びパラ
クリン作用モードに生成され、腱が肥大となった。TGF−β1にトランスフェクシ
ョンされた細胞が注入された後腱が肥大となった。
職化学的ステイニング(B)を利用した兎のアキレス腱に再生された組職の顕微
鏡観察。茶色のイミュノ−ペルオキシダーゼ反応産物は、NIH 3T3−TGF−β1細
胞で組換えTGF−β1が高水準に発現することを示す。
Claims (22)
- 【請求項1】 a)トランスフォーミング成長因子(transforming growth factor)蛋白質ス
ーパーファミリーのうちの1因子を符号化し、プロモーターに作動的にリンクさ
れたDNAシーケンスを含む組換えウイルス又はプラスミドベクターを製造する段
階; b)培養された結合組織細胞集団を、前記組換えベクターでインヴィトロでトラ
ンスフェクションさせることにより、形質転換された結合組織細胞集団を製造す
る段階;及び c)前記形質転換された結合組織細胞を、哺乳動物宿主の関節炎性関節腔に、関
節内注射して移植することにより、前記DNAシーケンスが前記関節腔内で発現さ
れて結合組織を再生する段階; を含む関節炎の治療方法。 - 【請求項2】 前記組換えウイルスベクターがレトロウイルスベクターであ
ることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記組換えベクターがプラスミドベクターであることを特徴
とする請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 前記形質転換された結合組織細胞集団は、移植される前には
保管されることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 前記形質転換された結合組織細胞集団は、移植される前には
、液体窒素下で10%DMSOで保管されることを特徴とする請求項4記載の方
法。 - 【請求項6】 前記結合組織細胞は、繊維芽細胞、間葉細胞、造骨細胞、又
は、軟骨細胞であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 前記繊維芽細胞は、NIH 3T3細胞又はヒト包皮(fores
kin)繊維芽細胞であることを特徴とする請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 前記結合組織は、軟骨、靭帯、又は、腱であることを特徴と
する請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 前記軟骨はガラス軟骨であることを特徴とする請求項8記載
の方法。 - 【請求項10】 前記トランスフォーミング成長因子スーパーファミリーの
うちの1因子がTGF−βであることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 前記トランスフォーミング成長因子スーパーファミリーの
うちの1因子がTGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3、BMP−4
、BMP−5、BMP−6、又は、BMP−7であることを特徴とする請求項1記載の方
法。 - 【請求項12】 前記TGF−βは、ヒト又は豚のTGF−β1、TGF−β2、又
は、TGF−β3であることを特徴とする請求項10記載の方法。 - 【請求項13】 a)トランスフォーミング成長因子蛋白質スーパーファミリーのうちの1因子を
エンコードし、プロモーターに作動的にリンクされたDNAシーケンスを含む組換
えウイルス又はプラスミドベクターを製造する段階; b)培養された結合組織細胞集団を、前記組換えベクターでインビトロトランス
フェクションさせることにより、形質転換された結合組織細胞集団を製造する段
階;及び c)前記形質転換された結合組織細胞を、哺乳動物宿主の関節炎性関節腔に、関
節内注射して移植することにより、前記DNAシーケンスが前記関節腔内で発現さ
れてガラス軟骨を再生する段階; を含むガラス軟骨の再生方法。 - 【請求項14】 前記トランスフェクションは、リポソームカプセル法、カル
シウム・ホスファート共沈法、電気穿孔法、そしてDEAE−デキストラン媒介法に
よって成ることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項15】 前記プラスミドがpmTβ1であることを特徴とする請求項
3記載の方法。 - 【請求項16】 トランスフォーミング成長因子スーパーファミリーのうちの
1因子をエンコードするDNAシーケンスを含む組換えウイルス又はプラスミドベ
クターを含む結合組織細胞柱(connective tissue cell line)。 - 【請求項17】 前記結合組織細胞柱は、繊維芽細胞柱、間葉細胞柱、軟骨細
胞柱、造骨細胞柱、又は、骨細胞柱であることを特徴とする請求項16記載の結
合組織細胞柱。 - 【請求項18】 前記繊維芽細胞柱は、ヒトの包皮の繊維芽細胞柱又はNIH
3T3細胞柱であることを特徴とする請求項17記載の結合組織細胞柱。 - 【請求項19】 前記トランスフォーミング成長因子スーパーファミリーのう
ちの1因子がTGF−βであることを特徴とする請求項16記載の結合組織細胞柱
。 - 【請求項20】 前記トランスフォーミング成長因子スーパーファミリーのう
ちの1因子が、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3、 BMP−
4、BMP−5、BMP−6、又は、BMP−7であることを特徴とする請求項16記載
の結合組織細胞柱。 - 【請求項21】 前記TGF−βは、ヒト又は豚のTGF−β1、TGF−β2、又は、T
GF−β3であることを特徴とする請求項19記載の結合組織細胞柱。 - 【請求項22】 前記組換えベクターはpmTβ1であることを特徴とする請求
項16記載の結合組織細胞柱。
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