JPH10509873A - 治療薬 - Google Patents

治療薬

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JPH10509873A
JPH10509873A JP8517929A JP51792996A JPH10509873A JP H10509873 A JPH10509873 A JP H10509873A JP 8517929 A JP8517929 A JP 8517929A JP 51792996 A JP51792996 A JP 51792996A JP H10509873 A JPH10509873 A JP H10509873A
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Abstract

(57)【要約】 (i) 図1または図8aに示されるヌクレオチド配列のひとつ、(ii) (i)の配列のひとつに相補的である配列、および(iii) (i)または(ii)による配列からの変異度が21%までの配列で、標準的なハイブリダイゼーション条件下でこれらのハイブリダイズすることができ、SOX-9型のポリペプチドをコードする配列、からなる群から選択されるSox-9遺伝子をコードするDNA配列からなる単離DNA分子。図1または図8aに示されるアミノ酸配列のひとつ、および上記配列と93.5%から100%の相同性を有するSOX-9型ポリペプチドからなる組換えたんぱく質。

Description

【発明の詳細な説明】 名称 治療薬 本発明は、哺乳類の骨格発達に関与すると考えられ、また遺伝的骨格疾患症候 群である弯曲肢骨異形成症(Campomelic Dysplasia,CD)、またさらに弯曲低身 長(campomelic dwarfism)、または弯曲症候群(campomelic syndrome)に関係する 、Sox-9(ヒトにおいてはSOX-9)遺伝子に関する。 発明の分野 CDは、10,000件の正常出産あたり、0.05から2.2件の罹患がある骨軟骨異形 成症である。この疾患は、他の骨格の欠陥を伴う先天性の弯曲と長骨の傾斜とを 特徴とする。肩甲骨は非常に小さく、骨盤と脊椎とが変化を示す。通常、肋骨が 一対欠損している。下頸椎の重度の異常が見られる。肩甲骨の内部は低形成(hyp oplastic)である。口蓋裂,小顎症,平坦な顔貌および高血圧も特徴である。耳 についての様々な欠陥が認められ、蝸牛殻,槌骨,砧骨,あぶみ骨および鼓室に 欠陥が認められる。大半の患者は、生後数月内に、気管支軟骨の低形成(Lee et al.,1972,Am.J.Dis.Child,124,485-496)および小胸郭(Houston et al.,198 3,Am.J.Med.Genet.,15,3-28)による呼吸困難のために死亡する。 ヒトのSOX-9遺伝子は、CDの遺伝子座である第17染色体のCMPD1領域 の中にマッピングされている。 CMPD1の染色体位置は、第17染色体を含む、三つの独立した、見かけ上 均衡なデノボな相互転座を基にしていた(Tommerup et al.,1993,Nature Genet .,4,170-174)。三つ全ての転座は、17qw24およびq25の間に切断点があり、成 長ホルモン座(GH)に遠位であるがチミジンキナーゼ(TK-1)に近位である。このマ ッピングにより、以前はCMPD1候補であったHOX2とCOL1A1とが排除され た。現在、CD患者のDNAでSOX-9遺伝子内の突然変異が発見されており(Foster et al.,Nature,in press; Wagner et al.,Cell in press)、SOX-9遺伝子が骨 格の発達に関与することを証明している。興味深いことに、CDはしばしば性転 換を伴う(Hovmoller et al.,1977,Hereditas,86,51-62)。CDおよびXY核 型の33例中、21例が女性(phenotypic females)であり、2例 が中性(intersexes)であった(Houston et al.,1983 上記)。この相関性は、C MPD1座位、またはその近辺における常染色体の性転換座SRA1を否定する ものである。 CDに罹患した家族,兄弟において、そして時折りある近親婚においてCDが 繰り返し見られることから、CDが常染色体劣性遺伝子病として遺伝するもので あると考えられた。しかし、全部で5つの独立したデノボの染色体再配列がCD に相関することは、これが優性の通常は致死性の突然変異であるというひとつの 証拠となる(Tommerup et al.,1993、上記)。これで、CDに罹患した母と娘の 例を説明できるが、これらの患者における症状が軽度であることは、別の突然変 異を示している可能性もある(Lynch et al.,1993.J.Med.Genet.,30,683-686 )。 げっ歯類のSox-9は、マウス第11染色体の遠位にマッピングされている。こ の領域は、マウス突然変異短尾(Tail-short)の座など様々な疾患の遺伝子座を含 有する。 上記のTommerup et al.,1993では、CDとマウス第11染色体のGhとTk-1との 間にマップする突然変異短尾(Ts)(Buchberg et al.,1992,Mammal.Genome,3, S162-181)の間の類似性に気付いた。突然変異短尾(Ts)に性転換は伴わなかった 。CDと突然変異短尾(Ts)の双方に同じ遺伝子が関与しているのかどうかについ ては、まだ明らかではない。この二つの表現型間の類似性から、ヒトの突然変異 は胚盤胞段階(blastocyst stage)において同型接合性致死性であり、異型接合は 弯曲表現型になるという興味深い可能性が浮上した。 突然変異短尾(Ts)は、マウスの発達上の突然変異であって、Morgan,1950,J. Hered.,41,208-215 により初めて報告された。この突然変異は半優性である。 同型接合体は着床前または直後に胚盤胞段階において死ぬ(Paterson,1980,J.E xpt.Zool.,211,247-256)。異型接合体は短く縮れた尾と多数の他の骨格欠陥を 有する。症状は多様であるが、典型的な異常が報告されている(Deol,1961,Pro c.R.Soc.Lon.B.,155,78-95)。短く縮れた尾は、尾椎の数が少ないことと尾椎 の異常形とが原因である。椎骨融合および異常下顎結合(dyssmphysis)も仙骨前 および仙骨部分に起こる。上腕骨,頸骨,さらに、程度は低いが大腿骨お よびとう骨も短くなり、一部のケースでは弯曲している。一般に足の変形も見ら れる。これらの骨の異常形成には、指の母指三指節の癒着,鎌状変形(falciform ),様々な指と他の部分との癒着が含まれる。さらに、過剰の肋骨,肋骨の癒着 ,および様々な頭骨異常がみられる。 突然変異短尾(Ts)およびCDにおいて、骨格系に対する影響が明らかであるが 、基となる欠陥の性質に関してはいくらかの議論の余地がある。突然変異短尾(T s)は、骨格異常の最初の兆候が出現する2日前、すなわち、9日目に出現する貧 血と一般的な発育遅滞とを伴う(Deol,1961、上記)。CDは、血液欠陥と異常筋 系とを伴っており(Rodiguez,1993,Am.J.Med.Genet.,46,185-192)、鳥類およ び両生類の胚中において神経系に作用する催奇形物質によって模倣されている(R oth,1991,Paedr.Radiol.,21,220-225)。 SOX-9は、哺乳類のY連鎖する精巣決定因子Sryに関係する転写因子の一群をコ ードする。1990年のY連鎖する精巣決定遺伝子(ヒトではSRY、マウスではSry )のクローニング(Gubbay et al.,1990,Nature.346,245-250; Sinclair et al.,1990,Nature 346.240-244)、および、これに続くその発現が染色体的に メスである(XX)マウスにおけるオスの発達を引き起こすに十分である、とい うことの証明(Koopman et al.,1991,Sry.Nature,351,117-121)は、位置クロ ーニング(positional cloning)と発生生物学との突破口となった。Sryのたんぱ く質産物は、幾つかの他のたんぱく質中において、特に、核たんぱく質の移動度 の高い基(high mobility group、HMG)中において既に検出されている(Jantzen e t al.,1990,Nature,344,830-836)、79アミノ酸モチーフを含有する。幾つ かの既知の配列特異的DNA結合性たんぱく質は、類似のモチーフを有する。SR Y が配列特異的にDNAに直接結合するという最近の知見(Giese et al.,1992 ,Science,255,453-456)は、Sry が転写因子として働くという主張を支持する ものである。 ヒトSRYのHMGボックス領域に相当するプローブをマウスDNAのサザンブロッ ト(Southern blots)とハイブリダイズさせると、マウスSry を示す強くハイブリ ダイズしたY特異的バンド以外にも多数のバンドが観察された(Gubbay et al., 1990、上記)。これらの追加的なバンドは、XXメスおよびXYオスの双 方のDNA中に存在し、HMG ボックスによりSry と関連する遺伝子が常染色体お よび/またはX 染色体上に存在することを示唆している。実際に、Sry由来のHM GボックスプローブでcDNAライブラリーをスクリーンニングすると、4クラ スのハイブリダイズするクローンが得られるが、これらのいずれもY連鎖しない 。これらのクローンの配列決定をした結果、これらが互いに(HMGボックス領域 のアミノ酸ホモロジーは78-98%)、Sryと(77-82%)と同様に、高度に関係する ことが示された。これらとHMGボックスを含む他の哺乳類遺伝子との関連性は 、これより低い(HMG ボックス領域のアミノ酸ホモロジーは約50%)。これら Y連鎖しないSryの相同染色体は、Sox 遺伝子と命名された(Sry型HMGボックス 遺伝子)。Sryと同様に、Sox 遺伝子も、転写因子をコードすると考えられるマ ウス遺伝子の明瞭な一群を表す。SRY HMG ボックスに対する抗体を使用したウエ スタンブロット(Western blotting)から、SOX 遺伝子の数が50もある可能性が 示される。 Sox-1 から-4までを複製した遺伝子に相当するcDNAクローンが、性的結合 後(dpc)8.5日のマウス胚ライブラリーから単離され(Gubbay et al.,1990, S upra)、これらが哺乳類の胚において発生の決定に関与すると推論された。これ らの遺伝子は、始めCNS全体について発現されたが、後に、発生中の目や耳な どの神経組織サブセットに限定されるようになった。Sox-1 から-3が中枢神経系 の発生の指定に関与するようである。Sox-4 は、Tリンパ球における転写アクチ ベーターとして作用する(van de Wetering et al.,1993,EMBO J.,12, 3847-38 54)。Sox-5 は、精子形成における関与を示唆するように、大人の精巣中の丸い 精細胞において段階特異的に発現され、また、ビトロにおいて(in vitro)DNA と結合することが示されている(Danny et al.,1992.EMBO J.,11, 3705-3712) 。Danny et al.,1992,Nucleic Acid Res.,20,2887では、二つのさらなるSox 配列、Sox-6 およびSox-7 を同定しているが、相当するcDNAはまだクロー ニングされておらず、その発現もまだ確認されていない。 さらに別の10種類のマウスSox遺伝子群が同定されている。Sryおよび既知の Sox遺伝子のHMGボックスの端に存在する、非常に保存性の高い領域に相当す る分解プライマーが作成された。性的結合後(dpc)11.5日のマウス胚から 総RNAを得て、分解プライマーを使用して逆転写ポリメラーゼチェイン反応( RT−PCR)をおこなった。PCR産物はクローニングして配列決定され、Sox -8,-9,-10,-11,-12,-13および-14と呼ばれる7種類の新たな遺伝子が判明 した(Wright et al.,1993,Nucleic Acids Res.,21,744)。さらに、三種類の Sox 配列(Sox-16,-17および-18)もマクロファージおよび筋肉cDNAから単 離された(Layfield et al.,未発表データ)。HMG ボックスに関するマウスSox 遺伝子系統の配列比較から、Sox遺伝子が7つのはっきりしたサブグループに別 れることが示された。すなわち、AはSry、BはSox-1,-2,-3および-14、CはS ox-4,-11 および-12、DはSox-5,-6および-13、E はSox-8,-9および-10、Fは Sox-7,-17および-18、GはSox-15および-16である。この構造別のサブグループ 分けが、これらの遺伝子の機能を反映するかどうかは調査しなければならない。 しかし、発生に関する遺伝子のHOXやPax群と同様に、Sox遺伝子は、主要 な発生遺伝子群であるというあらゆる所見がある。 多くの哺乳類以外の種族のゲノム中に多数のSox遺伝子が存在するという発見 により、Sox遺伝子が発生において重要な役割を果たしているという結論は、さ らに裏付けを得ている。6つのSry関連配列が、小型の背黒カモメLarus Fuscus において報告されており、アメリカワニにおいて9つ、トカゲにおいて5つ、ニ ワトリにおいて8つ、ショウジョウバエにおいて7つ、カエルにおいて3つ報告 されている(Griffiths,1991,Phil Trans.Roy.Soc.Lond.B.,244,123-128;Denn y et al.,1992 Nucleic Acids Res上記,Coriat et al.,1993,PCR Meth.App. ,2,218-222)。Sox遺伝子はそのクラスの哺乳類内に広く存在する。最近、Sox- 3 が、有袋動物(Foster and Graves,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,91,1927- 1931)からクローンされ、12種類のヒトのSOX 遺伝子が同定された(Denny e t al.,1992,Nucleic Acids Res.,上記、Farr et al.,1993,Mammal.Genome ,4,577-584;Goze et al.,1993,Nucleic Acids Res.,21; 2943;Stevanovic e t al.,1993,Human Mol.Genet.,3,2013-2018)。 また、Sinclair et al.,(1990,Nature,346,240-244)、Koopman et al.(199 1,Nature,351,117-121)およびGoodfellow & Lovell-Badge(1993,Ann.Rev.Ge net.,27,71-92)においても、SRYが哺乳類において精巣発達の優性誘発 因子であることを確認している。SRYの発見以来、関連するHMGボックスを コードする多くの他の遺伝子が同定されている。 SRYの同定およびクローニングは、染色体再配列の患者を含む、性転換症候 群の患者のゲノム調査に基づいている。ヒトY染色体上のSRYのほかにも、少 なくとも5つの常染色体上および1つのX連鎖する遺伝座が、XY女性化性転換 および精巣の発達不全にリンクしていた(Bernstein,R,et al.,1980,J.Med.Ge net.,17,291-300; Pelletier,J. et al.,1991,Nature,353,431-434; Ben net,C.P.et al.,1993,J.Med.Genet.30,518-520; Wilkie,A.O.M.et al., 1993,Am.J.Med.Genet,46,597-600; Bardoni,B.et al.,1994,Nat. Genet, 7,497-501; Luo,X.et al.,1994,Cell,77,481-490)。これらの染色座のう ち4座は、稀な染色体再配列の研究により明らかにされた。X染色体短腕の複製 がXY女性化発達を引き起こしている(Bernstein,R.et al.,1980、上記)。こ れらの患者における性転換は、Xp21の160kb領域にマッピングされるDSS(量感 受性性転換遺伝子、dosage sensitive sex reversal gene)の活性な複製が2 つ 存在することが原因である(Bardoni,B,et al.,1994、上記)。 染色体9pおよび10q上の常染色体座が、XY女性における染色体欠損に関連し ていた(Bennett,C.P.et al.,1993、上記、Wilkie,A.O.M,et al.,1993、上 記)。これらの例における性転換は、量感受性遺伝子(dosage sensitive gene)に ついてのモノソミー(monosomy)が原因であるのか、この欠損が劣性突然変異を出 現させているのかは解明されていない。第三の常染色体座SRA1は、第17染 色体上にあり(Tommerup,N.et al.,1993、上記)、この場合、性転換はCDを 伴う。CDの診断は単純なものではない。最も際立った症状は長骨の先天的な弯 曲と傾斜である。しかし、このタイプの弯曲は他の骨格形成不全でもみられる(M cKusick,V.A.,1992,Mendelian Inheritance in Man.,The Johns Hopkins Pr ess,Baltimore)。他の症状としては、様々な骨および軟骨形成に関連する骨格 奇形が含まれるであろう。通常、患者は呼吸不全により生後1週間に死亡するが 、症状の重度は様々で、少数の患者では程度が軽く、存命して成人する場合もあ る。CDの際立った特徴は性転換を伴うことである。現在ま でに、121例のCDが報告されている。核型分析をおこなった症例のうち、2 4例が46,XY女性、14例が 46,XY男性、34例が46,XY女性( ある段階の生殖欠陥を有する)、および2例がXY核型で性器不明瞭であった(T ommerup,N.et al.,1993、上記、Young,I.D.et al.,1992,J.Med.Genet ,29,251-252、Houston,C.S.,et al.,1983、上記)。核型分析を実施してい ない残りの47例においては、性比が31対16と女性に偏っていた。組織学的 調査を実施したいくつかの性転換例では性器発育異常が示され、CDの原因とな っている遺伝子が精巣の形成にも関与することを示唆している。 CDの遺伝パターンは明らかではない。多くの研究者が常染色体劣性遺伝の可 能性が最も大きいとしている(Cremin.B.J.,et al.,1973,Lancet,1 488-489 )が、様々な浸透度の常染色体優性遺伝からこのパターンを識別することは困難 である。同様に、近接遺伝子症候群(contiguous gene syndrome)において、骨の 形成異常および性転換が、単一の遺伝子または連鎖する一対の遺伝子の突然変異 が原因であるかどうかは明らかではない。CDおよび性転換に随伴する5つの染 色体再配列が報告され、これがヒトの第17染色体の長腕(the long arm)の原因 である遺伝子の位置を決めた(Tommerup,N.et al.,1983、上記、Young,I.D. et al.,1992、上記、Maraia,R.et al.,1991,Clin.Genet,39,401-408)。 最近、Tommerup et al.,1993 では、この位置が17q24.1-q25.1で、GHとTK とをフランキングマーカー(flanking markers)として有することを明らかにした 。この20Mb領域にわたり細かく分析したマップが、ゲノム全体の放射線ハイブリ ッド(radiation hybrid)のパネルを使用して構築されている。このマップは、あ る46XY,t(2;17)(q35;q23-24)性転換弯曲肢骨異形成症の患者(患者E)において、 転座切断点の位置を特定するのに使用された(Young,I.D.et al.,1992、上記) 。 発明の概要 現在、Sox-9およびSOX-9遺伝子のDNA配列が解明され、これにより、これら の遺伝子にコードされる組換えたんぱく質の作成が容易となったことが知られて いる。以下に示すように、骨または軟骨の再形成において、これらの配列および /または組換えたんぱく質と組み合わせて単離されたDNA分子を治療 的に使用することできる。 このように、ある側面において、本発明は、 (i) 図1 に示されるヌクレオチド配列、 (ii) (i)による配列に相補的な配列、および (iii) (i)または(ii)による配列からの変異度が21%までの配列で、その配列 が標準的なハイブリダイゼーション条件下においてハイブリダイズし、SOX-9型 のポリペプチドをコードする配列からなるグループより選択されるDNA配列か らなる、単離DNA分子を提供する。 別の側面においては、本発明は、 (a) 図8aに記載のヌクレオチド配列、 (b) (a)による配列に相補的な配列、および (c) (a)または(b)による配列からの変異度が18% までの配列で、その配列が標 準的なハイブリダイゼーション条件下においてハイブリダイズし、SOX-9型のポ リペプチドをコードする配列からなるグループより選択されるDNA配列からな る、単離DNA分子を提供する。 本発明はさらに、以下に記載の通り、Sox-9遺伝子およびSOX-9遺伝子の双方に よりコードされる組換えたんぱく質を提供する。 上記のSox-9配列(iii)および上記のSOX-9配列(c)は、そのようなハイ ブリッドがSambrook et al.,(1989,In Moleculr Cloning: A Laboratory Manu al Cold Spring Harbour Laboratory Press,New York; 特に9.31から9.59項) に記載の標準的なハイブリダイゼーション法により、または直接的な配列比較に より単離できることから、図1および8aに記載のDNA配列のハイブリッドに 相当する。 上記配列のハイブリッドは、 (i) 好ましくは分解物で、そのスパンが少なくとも上記の関連するDNA配列 のフラグメントであるプライマーを設計し、 (ii) このようなプライマーを使用して、オリジナルのcDNAライブラリー または本明細書に記載の適切なソースに由来するRNAのpoly A+ RNA、ま たは総RNAのいずれから逆転写されたcDNAのいずれかから上記の少な くとも一つのフラグメントを増幅する段階を含む方法 により作成することができる。 組換えたんぱく質は、 (a) SOX-9型の組換えたんぱく質、またはその生物学的フラグメントをコード するDNA配列を適切な発現ベクターに連結して発現構築物(expression constr uct)を作成し、 (b) その表現構築物を適切な宿主細胞(host cell)に感染させ、 (c) 組換えたんぱく質を発現し、 (d) 組換えたんぱく質を単離する段階を含む方法 により作成することができる。 ベクターは原核生物または真核生物の表現ベクター(a prokaryotic or a euka ryotic expression vector)でもよい。 適切には、ベクターは原核生物の表現ベクター(a prokaryotic expression ve ctor)である。 好ましくは、ベクターはpTrcHisAである。 組換えタンパク質発現のための宿主細胞は、原核生物または真核生物である。 適切には、宿主細胞は原核生物である。 好ましくは、その細菌は大腸菌である。 適切には、細胞はEscherichia coilである。 または、宿主細胞は、酵母またはバキュロウイルス(baculovirus)でもよい。 当業者には、Sambrook et al.,(1989上記、特に16および17項)に記載の 例についての標準的な方法を使用して、組換えたんぱく質を容易に作成すること ができる。 さらに別の側面において、本発明は、上記のDNA分子またはたんぱく質を骨 または軟骨の欠陥を有する対象に投与することにより、骨または軟骨を再生する 方法を提供する。 好ましくは、DNA分子またはたんぱく質は、ひざ,指関節,肘または靭帯な どの組織に直接注入される。このように、本発明の化合物は、疾患,退化または 怪我や、例えば、「テニス肘」や類似の苦痛原因などの反復的な緊張によ り生じる物理的ストレスを原因とする軟骨または骨の損傷を治療する治療薬とし て使用できる。さらに本発明の治療薬は、標的となる特定の組織への適切なドラ ッグデリバリーシステム(drug delivery system)の一部としても使用することが できる。 本発明の化合物の他の治療における応用的使用用途には、以下のものが含まれ る。 1.人,家畜,飼い馴らされた動物またはその他のあらゆる動物種において、軟 骨および/または骨の骨折,変質,摩耗または退化,遺伝または感染性疾患,消 耗,物理的ストレス(例えばスポーツ選手や肉体労働者における),事故または他 のあらゆる原因による損傷の状態を改善するための骨および/または軟骨の復旧 ,再生または修復における使用。 2.商業上または他のあらゆる目的での成長促進を得るための家畜,飼い馴らさ れた動物またはその他のあらゆる動物種における骨発育の促進。 3.人,家畜,飼い馴らされた動物,またはその他のあらゆる動物種における、 新生物または過形成の骨または軟骨治療。 4.商業上または他のあらゆる目的での成長遅延を得るための家畜,飼い馴らさ れた動物またはその他のあらゆる動物種における骨構成部分の発育の抑制。 5.人を含むあらゆる動物種における他の全ての目的での軟骨および/または骨 の質的または量的変更。 広い意味では、Sox-9,SOX-9遺伝子またはそのたんぱく質産物についての可能 性のある用途は、ふたつのカテゴリーに分類される。(1)骨および/または軟 骨の分化および/または成長の促進と、(2)骨および/または軟骨の分化およ び/または成長の抑制とである。このように、遺伝子またはそのたんぱく質産物 (またはどちらかのあらゆる部分またはどちらかの部分の組み合わせ)を、治療 薬として評することができる。このように、治療薬は、単独または他のあらゆる 分子と組み合わせたSox-9,SOX-9DNA,DNAフラグメント、単独または他の あらゆる分子と組み合わせたSox-9,SOX-9たんぱく質,たんぱく質フラグメント 、単独または他のあらゆる分子と組み合わせたSox-9,SOX-9に対する抗体、(単 独または他のあらゆる分子と組み合わせた)Sox-9,SOX-9の 配列に相当するセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドでもよい。この治 療薬の投与方法は、意図する使用用途、治療する種属によって異なる(Muligan, 1993,Science,260,926-932; Morgan et al.,1993,Ann.Rev.Biochem.,62, 191-217を参照)。 このような方法には以下のものが含まれる。 (i) 注射による治療薬の局所適用(Wolff et al.,1990,Science,247,1465 -1468),外科的移植,点滴または他のあらゆる方法。 この方法は特定の骨,軟骨または骨または軟骨領域に作用が限定される場合に 有用であろう。この方法は治療の有効性を高める目的で、また、注射,外科的移 植,点滴または他のあらゆる方法による治療薬に反応性の細胞の局所適用と組み 合わせることもできる。この方法はまた、注射,外科的移植,点滴または他のあ らゆる方法による他の因子または治療薬の作用に必要な因子の局所適用と組み合 わせることもできる。 (ii) DNA,オリゴヌクレオチド(oligonucleotides)(Calabretta et al.,1 993,Cancer Treat.Rev.,19,169-179),RNAまたはたんぱく質の単独また はリポソーム(Zhu et al.,2993,Science,261,209-212),ウイルスキャプシ ッド(Viral capsids)またはナノパーティクル(nanoparticles)(Bertling et al. ,1991,Biotech.Appl.Biochem.,13,390-405)または他のあらゆるデリバリ ーのメディエーター(mediator)と組み合わせた注射による一般的な全身デリバリ ー。 この方法は、作用を特定の組織または体の部分を標的とするようにしたか否か 、そして意とする結果がSox-9 またはSOX-9遺伝子またはたんぱく質活性の促進 または阻害または抑制であるかにかかわらず、全ての目的における使用(上記1 〜5)において利点があるだろう。特異的な標的化が必要とされる場合、これは 薬剤を標的分子(いわゆる魔法の弾丸アプローチで、例えば、抗体を使用する)に 連結させる、または注射,外科的移植または他のあらゆる方法による他の因子ま たは治療薬の活性に必要な因子,または治療薬に反応性の細胞を局所投与するこ とによって達成される。 (iii) Sox-9またはSOX-9(遺伝子またはたんぱく質)のこれらの細胞中におけ る発現および活性を高めるためのエックスビボ(ex vivo)においてトランスフェ クション(例えばリン酸カルシウム存在下、Chen et al.,1987,Mol.Cell Bioc hem.,7,2745-2752 または、カチオン脂質およびポリアミン存在下、Rose et a l.,1991,Biotech.,6,742-751),感染,インジェクション,エレクトロポーレ ーション(Shigekawa et al.,1988,BioTech.,6,742-751)または他のあらゆる 方法による感染によって改良された細胞の、注射,移植または他のあらゆる方法 。 改良は、プラスミド(plasmid),バクテリオファージ(bacteriophage),コスミ ッド(cosmid),ウイルス(アデノウイルス(adenoviral)やレトロウイルス(retrov iral)など)Muligan,1993,Science,260,926-932、Miller,1992,Nature,357 ,455-460、Salmons et al.,1993,Hum.Gen.Ther.,4,129-141)または他のベ クターまたはリポソームなど一時変異のための他の薬剤(Zhu et al,1993,Scie nce,261,209-212),ウイルスキャプシッド(Viral capsids),またはナノパー ティクル(nanoparticles)(Bertling et al,1991,Biotech.Appl.Biochem.,13 ,390-405)または他のあらゆる変異媒介物により媒介させることができる。遺伝 子または遺伝子産物のデリバリービヒクルとしての細胞の利用は、Barr et al. ,1991,Science,254,1509-1512およびDhawan et al.,1991,Science 254,1 509-1512 に記載されている。処理された細胞は、あらゆる栄養,成長因子,基 質または処置対象中でこれらが生存することを援助する他の薬剤と組み合わせて 、デリバリーすることができる。 実験 予備的検討 驚くべきことに、軟骨形成の初期段階において、初期に間充織(mesenchyme)が 密集している場所でSox-9の発現が顕著であることが発見されている。したがっ て、これはSox-9遺伝子産物が、軟骨形成に関与する他の遺伝子の発現をこれら の遺伝子の転写因子として働いて規制している可能性を提起するものである。 以下に検討するように、Sox-9はマウス胚において、ヒアリン軟骨を形成する ために密集している間充織細胞において非常に強く発現されるが、軟骨形成が完 了すると発現が停止し、これは骨形成における限定的な役割と一致している。 Sox-9の発現と染色体マッピングの結果からは、骨突然変異短尾においてこの遺 伝子が欠損している可能性が示唆される。 胚形成期間中、遺伝子スイッチは未分化の細胞を適当な発生経路につかせるよ うに作用する。これらのスイッチを形成する主要制御遺伝子が、我々が胚発生の 制御様式を解明できる鍵なのであるが、哺乳類において同定されているこういっ た遺伝子はわずかである。その一例はMyoD1遺伝子で、これは単独で筋肉の 表現型を作成するに必要な全ての遺伝子の発現を活性化することができる。My oD1・cDNAを未分化の線維芽細胞(fibroblasts)へ導入すると、この細胞 は筋芽細胞(my oblasts)に変換される(Davis,1987,Cell 51 987-1000)。この 他の発生のスイッチ遺伝子には上記のY連鎖の精巣決定因子(test is determini ng factor)Sryがある。Sryは別の生殖腺内の細胞が分化して精巣を形成す るように導く働きがある。その後の男性化発生は精巣の成熟細胞で産生されるシ グナルによるものである。SryおよびMyoD1は、他の筋肉特異的遺伝子の プロモーター内においてある部位に結合し、引き続き転写を活性化することが証 明されている(Piette,1990,Nature,345,353-355; Lassar, 1989,Cell 58, 823-831)。Sryは性決定経路内の下流にある遺伝子の転写を活性化すると推定 されているが、これらの遺伝子はまだ同定されていない。 骨形成において、大半の骨では、始めにヒアリン軟骨(hyaline cartilage)の 枠組の基礎が築かれる。このプロセスにおいて、間充織が密集して骨の概形を決 め、軟骨芽細胞がこの構造物内で分化して、この種類の軟骨に特徴的な細胞外基 質たんぱく質(extracellular matrix proteins)が合成される。これらの軟骨模 型はその後の骨化の過程においてカルシウム塩が沈着するにつれて骨に変化する 。 マウスSox-9遺伝子の特性付け マウス胚cDNAライブラリーをSox-9 HMGボックスプローブでスクリーニ ングすると、三つの不完全であるが重複するクローンが確認された。複合cDN A分子のヌクレオチド、および椎定されるアミノ酸配列を図1に示す。2249 塩基対の配列には、最初のメチオニンコドンから507個のアミノ酸のたんぱく 質をコードする可能性のあるオープンリーディングフレームが存在し た。HMGボックスの上流に別の三つのAUGコドンがあったが、これらの最後 のもの(ポジション26、図1)のみが、翻訳開始のための強いコンセンサス配 列(consensus sequence)を伴っていた(Kozak,1989,J.Cell Biol.,108,229) 。コーディング配列の末端に続いて複数の終止コドン(stop codons)(図示せず )と、推定によるポリアデニル化信号(poly-adenylation signal)AATTAA Aが、ポリAテイル(poly-A-tail)の14塩基上流に存在する。cDNAとゲノ ムDNAテンプレートから得たSox-9 PCR 産物のサイズの比較、およびSox-9ゲ ノムクローンのシークエンシング(sequencing)から二つのイントロンが明らかに なり、そのひとつはHMGボックスドメインを遮断していた(図1)。これは、 マウスでは、Sox遺伝子群全てについてのイントロンの最初の報告であるが、ヒ トおよびニワトリでは、Sox-9相同体中の同じ位置にイントロンが既に同定され ている。 HMGボックス方向へのSox-9 cDNAの3'配列は、グルタミンとプロリンと の残基数が多いが、これは既知のRNAポリメラーゼII転写ファクターの活性化 ドメインにおける一般的な特徴である(van de Wetering,1991,EMBO J.,10,1 23-132.Mermod,1989,Cell,58,741-753; Courey,1988,Cell,55,887-898 ; Clerc,1988,Genes Dev.,2,1570-1581; Scheidereit,1988,Nature,336 ,551-557; Muller,1988,Nature,336,544-551; Norman,1988,Cell, 55,9 89-1003)。Sox-9たんぱく質のこのドメインは酵素GAL4アッセイを使用した インビトロにおいて、転写活性因子(transcriptional activator)として機能す ることが現在では証明されている(Lillie,1989,Nature 338 39-44)。Sox-9の オープンリーディングフレームの全体、アミノ酸ポジション329から507に よる推定上の活性ドメインのいずれかを含むGAL4/Sox-9融合たんぱく質の 発現を目的としたベクターで感染させることにより、CATレポーター遺伝子の 転写が活性化された(データは表示せず)。 マウス胚形成期におけるSox-9の発現 Sox-9の発現を、ポリA+RNAのノーザンブロッティング(Nothern blotting) により、全胚中において調査した。mRNAの大きさは約5.5kbで、cDNA クローンのいずれにも存在せず、翻訳されない5'配列の領域がかなりの領域で あることが示された。Sox-9 mRNAの発現は8.5dpc から13.5dpcまで検 出され、12.5dpcで最大となった(図2)。 ウォールマウント インシトウー ハイブリダイゼーション(Wholemount in s itu hybridization)の結果、頭部,第一鰓裂(first branchial arch),およびよ り成熟した突起状体節(mature rostral somites)の間充織に、9dpcおいてSox-9 の発現が示された(図3a)。この段階において、平衡胞中と前後軸のほぼ中央 の位置で数体節分の長さにわたって脊髄を被覆する体表面外胚葉細胞の散乱した 集団中において、より強い発現が起こる。この後者の染色(staining)の重要性が 明らかではないが、少なくとも13.5dpcまで継続し、軸の伸長に伴って尾の 方向に徐々に移動する。10dpcにおいて、強い染色が顔面および第一鰓裂中胚 葉(first branchial arch mesoderm)に観察され(図3b)、発現は全体節に広 がる。しかし、成熟度の低い尾体節においては、染色部は各体節内の離れた細胞 集団中において見られ、これは体幹の軟骨を生み出す硬節コンパートメントにお ける発現と一致した。より成熟した吻側体節中においては硬節遊走の証拠を得ら れた。強い染色は平衡胞(otocysts)中で持続した。心臓の筒状の構造中において 、ある程度のシグナルが観察された。興味深いことに、前および中脳の脳室細胞 は陽性であったが、中枢神経系のより未熟な領域(後脳および脊髄を含む)は陰 性であった。脳室細胞のこの染色は、さらに後の段階では尾の方向に移動し、1 1.5pdcまでに尾に到達した(図3h参照)。 10.5pdcにおいて、強い染色が鼻孔陥入周辺の中胚葉中に観察された(図3 c参照)。強い染色の密集が第一および第二鰓裂、および肢芽中に観察された。 肢芽密集は、非常に短期の間に強いSox-9発現を獲得し(10pdc において染色 は観察されていない)、胚のアルシアンブルー(alcian blue)染色による判断で は、明らかにこれらの部位における軟骨の沈着に先行している(図3d)。この 所見は、Sox-9は、おそらく軟骨細胞分化の結果として存在するのではなく、こ れを引き起こすものであることを示す。前肢芽中では、二つの別個であるが重複 する密集、そのうちより近位のものはおそらく上腕骨の密集であったが、実際に 存在した。この段階において、Sox-9陽性の硬節細胞が吻側体節から移動してい るのがはっきりと見られたが(図3c)、尾体節の範囲内に留まった。 平衡胞中の発現は10から10.5pdcにおいて減少し、その後も減少し続けた 。後芽の後方の尾部領域内の脊索中に染色がはっきりと出現した。これより前部 の染色は存在しても、胚中の脊索の深さまでで観察されていたであろう。 四肢の発生に伴うSox-9発現のパターンは、後日、さらに複雑なものとなった 。11.5pdcまでに、より遠位の密集が進行してとう骨,尺骨およびあぶみ骨 底密集を形成した(図3a)。さらに、肩甲骨に相当するはっきりした帯が、So x-9に対する強い陽性を示した。 Sox-9発現と骨格発生の間の相関は、12.5pdcにおいて最も大きくなり(図 3f)、この時点において、アルシアンブルー染色で可視化された骨構造の大半 において染色が観察された(図3g)。Sox-9発現は、発生中の椎骨,肋骨,長 骨,指および頭軟骨中において観察された。12.5pdcにおいて、指が形成し ているような部位において、Sox-9発現の範囲はアルシアンブルー染色の範囲よ りも広く、Sox-9は軟骨細胞中のみならずその密集した間充織始原細胞中におい ても発現されるという示唆を強く裏付けるものである。この段階において、脊髄 の室細胞中における発現は背部から観察した時に、二本の平行するストライプと してはっきりと目で確認された(図3h)。 13.5pdcまでに、Sox-9染色は軟骨形成がまだ進行中である尾先椎骨,指先 ,肋骨および鼻軟骨まで確認され、軟骨形成が終了した部位、例えば、四肢の長 骨や指の基部などではもはや観察さなかった(図3i)。顕著な染色が触毛中で も観察された。脊髄の脳室細胞の染色は、この時期までには、前および後肢の中 間点より後部に観察されるのみとなり、明らかに前から後ろ方向に退行していた 。 実験的骨折はSox-9の発現を誘発する Sox-9アンチセンスプローブを使用したウォールマウントインシトゥーハイブ リダイゼーション(wholemount in situ hybridization)の結果、(Nakase,et al .,1995,J.Bone and Min.Res.,9,651-659)に記載の方法に従ったマウス骨の 実験的骨折に引き続き、手術8日後に、強いSox-9発現が軟骨細胞中に得られた が(図4)、対照軟骨細胞においてはSox-9の発現は検出されなかった(データ 表示せず)。これらの結果は、Sox-9遺伝子発現は実験的骨折により一時的に 誘発されたものであることを示す。 連鎖分析 種間戻し交雑法(the interspecific backcross method)を使用して、Sox-9は 第11染色体の遠位にマッピングされた。連鎖分析により、マーカーD11Mit10か ら18.0±5.4cMまたは、マーカーD11Mit36から26.5±6.3cMの位置 が示唆された(図5)。この戻し交雑における組み換え体の第11染色体のハロ タイプ分析は、Sox-9がM11Mit10の遠位に位置することを示している。この領域 に位置する既知のマウスの発生に関する突然変異には、神経学上の突然変異であ るジャクソン−シェーカー(Jackson-shaker,(js)),ティータリング(teetering ,(tn))および小脳アウトフロー変性(cerebellar outflow degeneration,(cod)) がある(図5)(Buchberg,1992、上記)。この領域における突然変異の中で、 短尾(Ts)については先に述べている。ホモ接合体Ts未分化胚芽細胞は生長でき ないが、ヘテロ接合体は生き残り、小型で尾椎の数が少ないことと異常形態とが 原因である短く縮れた尾を有し、上記のような様々な骨格異常を示す。骨格異常 には、椎骨癒着(vertebral fusion)および線維軟骨結合不全(dyssymphyses)、上 腕骨,けい骨,大腿骨および頸骨の形態異常,指の母指三指節および癒着,過剰 の肋骨および肋骨の癒着、および様々な頭骨異常がある。脊索、神経管および心 臓も奇形である。Tsマウスに観察される骨格の異常は、全て発生中にSox-9が 発現された組織内にある。マッピングと発現についてのデータを鑑みると、Sox- 9が短尾マウスにおける遺伝子欠陥を引き起こしている可能性が非常に高い。 マウスの胚発生期間中における骨格形成にSox-9が関与することは証明されて いる。Sox-9は、骨の成分が軟骨として敷設されている部位において強く発現さ れる。 我々の観察結果は、Sox-9の発現が軟骨細胞の分化の結果ではなくてむしろそ の原因であることを示唆している。 第一に、Sox-9発現はすべての骨格要素中において軟骨の沈着以前に起こって いる。Sox-9発現は最初に発見された硬節細胞、すなわち体幹軟骨を生み出す始 原細胞のマーカーである。指において、Sox-9は軟骨基質が既に敷設された領域 よりも広範囲にわたって発現され、このことは、Sox-9 は、始めは低密度で充填 される始原細胞中で発現が始まり、密集プロセスの期間中ずっと発現されること を示している。 第二に、Sox-9の発現が軟骨の沈着の直後に停止する。すなわち、13.5pdc までに長い四肢の骨および指の近位端中における染色は見えなくなるが、尾お よび指先など軟骨形成が継続する部位では残っていた。Sox-9発現の期間が短い ことは、Sox-9が軟骨形成の開始に寄与し、密集が完了して軟骨特異的なたんぱ く質合成が開始すれば、もはや必要でないことを示唆する。一時的なSox-9発現 は密接に関係する精巣決定遺伝子Sryのそれと類似しており、Sox-9が発現さ れるところの間充織細胞の運命を決定する遺伝子スイッチの役割を果たす可能性 を示唆するものである。 第三に、Sox遺伝子群の他のいくつかの遺伝子の産物がそうであるように、Sox -9は転写因子として機能すると考えられる。Sox-9はHMGボックス(部位特異 的なDNA結合性ドメインとして働くことが知られているモチーフ)を有してお り、我々はすでに、そのカルボキシ末端がレポーター遺伝子の転写を活性化する 能力があることを明らかにしている。したがって、Sox-9は軟骨形成経路中の下 流の遺伝子を活性化すると考えられる。このような遺伝子には、骨形態形成たん ぱく質群のたんぱく質などの制御分子(Kingsleyによる総説、1994,Trends Gen et.,10,16-21)、または軟骨の主成分であるσ1(II)コラーゲンなどの構 造遺伝子がある。 発生中の骨格中および脊索,中枢神経系および心臓などの他の組織中における Sox-9の発現パターンは、Ts胚中で起こる欠陥と相関する。加えて、マウスのS ox-9はTsの遺伝子座にマッピングされる。総合すると、これらのデータはSox- 9を遺伝子欠陥尾短(Ts)を関連付けるものである。我々のデータで、Tsマウス における骨格欠陥を即座に説明することができるが、Sox-9における欠陥でTs 胚の示す貧血(anaemid)をいかに説明できるのかは明らかでない(Deol,1961、 上記)。我々は、初期の血島(blood islands)の減少したTsマウスでは、卵黄 嚢(yolk sac)中においてSox-9の発現を検出できなかった。この突然変異が半優 性であるのはハプロインサフィシャンシー(haploinsufficency)のためであ る可能性があり、この場合、正常な成長のための十分な産物を産生するためには 、2つの機能的遺伝子コピー(functional copies)が必要とされる。しかし、未 分化胚芽細胞Tsホモ接合体が生存できないことは、Ts欠陥の原因となる遺伝 子が未分化胚芽期に異常な発現を必ずしていることを意味するが、4dpcにおい て未分化胚芽細胞中におけるSox-9の発現は検出されなかった。4dpc より以前 においては、Sox-9が発現している可能性がある。または、欠陥が突然変異対立 遺伝子に指定される過剰発現または不適切な発現の結果である可能性がある。 数種類の骨格以外の組織において、発生の過程および成長後にSox-9の発現が 観察された。ある組織では、これは軟骨細胞(chandrocytes)の存在を反映するも のである可能性がある。脳および脊髄においては、分裂速度の速い脳室域のニュ ーロン(neurones)において、Sox-9の発現が明らかである。弯曲肢骨異形成症の 共通する症状は精神の発達遅延で、このことは発生期の中枢神経系、そしておそ らくは成長後の脳中において観察される発現が機能上重要であることを示唆して いる。我々はさらに、マウス胎児の生殖隆起および早期の生殖腺におけるSox-9 の発現を観察した。XY性転換がしばしば弯曲肢骨異形成症に随伴することから (Hovmoller,1977、上記)、少なくとも人間においては、Y連鎖に関連するSry と同様に、Sox-9も性の決定に寄与するはずである。Sox-9およびSryが同じ型 の細胞で発現されるかどうか、また、Sox-9がSryと相互作用し、競合し、ま たはその下流で作用するのか否かは不明である。Tsマウスでは性転換は見つか っていない。そして、Tsに寄与する突然変異対立遺伝子は性転換表現型の原因 ではない可能性がある。性決定および神経および骨格発生におけるSox-9の役割 を解明するために、形質転換マウスにおける機能獲得および喪失分析(Goin-and loss-of-function analyses)が必要であろう。 ヒトのSOX-9 予備的検討 上記の転座点(translocation breakpoint)に隣接して、ヒトSOX-9が見いださ れている。臨床的に歪曲肢骨が確認されるが細胞学的に検出される染色体配列の ない患者中のSOX-9の突然変異分析(Mutation analysis)およびシークエンシ ング(sequencing)では、以下に記載するような幾つかの突然変異が確認されてい る。3人の患者についての詳細なデータによると、2人については新たな(de no vo)な突然変異が確認され、そのうち一人はXY女性であって、これはこの遺伝 子内の突然変異がCDとSOX逆転を引き起こすことを証明するものである。 17q24.1-q25.1の高解像度マップの作成 放射線ハイブリッドマッピングにより、異なるタイプのマーカーを単一のマッ プに統合できるようになった(Walter,M.A.et al.,1993,Trends in Genetics ,9,352-356、Walter,M.A.et al.,1994,Nature Genet.,7,22-28)。我々 は、DNAサンプルをPCRを使用してスクリーニングした。このDNAサンプ ルは、第17染色体のGHからTKの領域にかけて合計38のSTSマーカーを 有し、129の全ゲノム放射線融合ハイブリッドのパネルから得たものである。 これらのマーカーは、26個のマイクロサテライトと、2個の性格のはっきりし ないDNAマーカーと、10遺伝子とが含まれる。マーカーとして使用した遺伝 子のひとつであるSOX-9については、我々はすでに第17染色体の長腕に位置す ることを確認している(未公表データ、図8参照)。同様のマーカーを、マウス L細胞と性転換CD患者Eから得た線維芽細胞とを融合させて作成した体細胞ハ イブリッドB1に対して試した。このハイブリッドB1は相互転座染色体の非存 在下、ヒトの転座染色体2pter-q35:17q23-qterおよび親細胞株から得た正常第1 7染色体を保持している。B1に存在する第17染色体マーカーは、切断点より 遠位(すなわち、切断点と第17染色体の長碗の端との間)に位置するはずであ り、ハイブリッドから欠落するマーカーは切断点より近位に位置するはずである 。この分析により、マイクロサテライトマーカーであるD17S970が切断点 に最も近位のマーカーであり、SOX-9が最も近い遠位のマーカーであると推定さ れた(図6)。GHとTKの間のおよその距離を20Mbとすると、放射線ハイブ リッドマップを使用した場合、D17S970とSOX-9の距離は1−2Mbと算定 される。 YAC contigの作成および転移決断点の正確な位置決定 切断点に近傍のマーカーを使用して、ICRF(Lehrach,H.et al.,1990,I n Genome Analysis Volumel: Genetic and Physical Mapping(Davies,K.E. & Tilghman,S.H.編 pp 39-81,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold S pring Harbor)およびCEPH YACライブラリー(Cohen.D.et al.,1993, J.Nature,336,698-701)をスクリーニングした。Genethon and Whitehead/MIT Genome Center マッピングプロジェクトの一部として、CEPHライブラリー をスクリーニングするために、近傍のSTSマーカーの一つ(D17S970)およびこ の領域に存在するもうひとつのマーカー(D17S949)はすでに使用されている。こ れらのスクリーニングにおいて同定されたYACの大きさを決定し、STS含有 物に基づいてYAC contigが作成された(図7)。YACの端から得たプロー ブを単離し、もとのハイブリッドB1 DNAおよび他のYACで検定しcontig を確認した。SOX-9プローブにより同定されたICRF YAC D0292は、 ハイブリッドB1 DNAとハイブリダイズしないエンドクローンであるD0292R とを与えた。この結果より、転移切断点がSOX-9とD0292Rの間の領域にあること が判明した。パルスフィールドゲル電気泳動(pulsed-fields gel electrophores is)によるD0292の分析より、これらのマーカーが105から120kb離れてい ることが分かった(データは表示せず)。 ICRF第17染色体コスミド(cosmid)ライブラリーを、この領域にかかるY ACの一つ(946E12)に由来するinter-AluPCR産物を使用してスクリーニング することにより、SOX-9とD0292Rの間の領域のコスミドcontigを作成した(Lehra ch.H,et al.,1990、上記)。inter-Alu 陽性コスミドを転移切断点に近傍の マーカーと検定したところ、これらはコスミドウォークの開始点となった。単離 したコスミド末端を用いてcontigを組み立て、YAC Alu-PCR陽性コスミド セットから重複するコスミドを同定した(図7)。エンドクローンをもとのハイ ブリッドB1上にマッピングしたところ、BamHI消化DNA(BamHI digeste d DNA)のサザンブロット上で、これらの一つが、患者EとハイブリッドB1とに おける切断点を検出した(データは表示せず)。この切断点とSOX-9のオープン リーディングフレームとの距離は88kbである。 SOX-9遺伝子の特性付け SOXA HMGボックスプローブで高ストリージェンシー(high stringency) において精巣cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、新し いSOX遺伝子を同定することを目的とする実験の一環において、ヒトSOX-9遺伝子 に相当する転写物が単離された(Stevanovic,M.et al.,1993、上記)。マウ スSOX-9HMG ボックス領域を含む既公表の部分配列(Wright,E.M.et al.,1993 、上記)との類似性に基づいて、この単離されたcDNAは、SOX-9であると同定 された。我々は、3つの別個のライブラリーから単離されたcDNAクローンか ら得た配列を用いて、3934bp の合成転写物(composite transcript)を組み 立てた(図8a)。この配列に相当するゲノムDNAとの比較から、その境界に 標準的なスプライス・サイト・ジャンクションを有する2つのイントロン(図8 aおよび8b)の存在が判明した。SOX-9は、イントロンを有することが報告さ れた初めてのSOX遺伝子であり、ゲノムレベルで研究された他のSOX/Sox 遺伝子 (SRY、SOX-3およびSOX-4およびSox-4)は、単一のエキソン遺伝子(exon genes) である(Sinclair,A.H.et al.,1990、上記、Stevanovic,M.et al.,1993、 上記、Farr,C.J.et al.,1993、上記、Schilham,M.W.et al.,1993,Nuclei c Acid Res.,21,2009)。合成cDNA配列の3′領域には、末端ポリアデノ シン領域から19bp 上流に位置する潜在ポリアデニル化シグナル(polyadenylat ion signal)が含まれる。このcDNA配列は、ポリ(A)領域におけるゲノム 配列と異なり、クローン化されたcDNAがSOX-9転写物の3′末端を含有する ことを示している。合成cDNAは、HMG ボックスと3つの潜在開始コドンとを 有するオープンリーディングフレーム(ORF)を含有している。最も5′側の メチオニンを翻訳開始点とすると、509アミノ酸からなるポリペプチドが予測 される(図8a)。このメチオニンは、インフレーム(in-frame)終止コドンの1 25bp下流にあり、クローン化されたcDNA配列内に完全なORFが含まれる ことを強く示唆している。SOX-9 cDNAプローブを使用したノーザンブロット 分析によると、成人の精巣,成人の心臓および胎脳から得た全細胞質RNA中か ら、約4.5kbの転写物が検出される(データは表示せず)。ノーザンブロッ トで観察されたcDNA配列の長さと転写物の大きさの間の約600bpの差は、 まだ同定されない転写物の5′非コード配列およびポリアデニル化によって説明 できる。アミノ酸104から182のSOX-9たんぱく質HMGボックスドメイン は、SRY HMGボックスと71%の 類似性があり、たんぱく質のC末端三分の一には、プロリンとグルタミンとに富 む領域があり、これは、一部の転写ファクター中に存在する活性化ドメインと類 似する(Mitchell,P.J.et al.,1989,Science,245,371-378)。DNAおよび たんぱく質配列データベースの検索とその後のSOX-9 HMGボックスの配列作成 とによれば、マウスのSox-9,Sox-8およびSox-10は、それぞれ100%,98% および93%の予測アミノ酸との相同性で、最も関連する配列であると確認され た。HMGボックスの外側の配列を使用した同様の検索では、マウスSox-9は別 として、データベース中に有意義な共通性はまったく検出されなかった。ヒトお よびマウスの予想たんぱく質には96%の相同性があり、これらの差は主に保存 的置換によるものであるが、マウスSOX-9とニワトリSOX-9との間のアミノ酸相同 性(93.4%の相同性),およびヒトSOX-9とニワトリSOX-9との間のアミノ酸相同性( 93.4%の相同性)において、最小限の修正があった。 DNAレベルでは、ヒトSOX-9 遺伝子の予想される各コーディング領域と本明 細書に記載のマウスSox-9 との配列比較から、これらの配列には91.3%の相 同性がある。一方、これらの予想されるコーディング領域とニワトリのSox-9の それとの配列の比較(GenBank Accession No.U12533)は、DNAレベルの相同性 が低いことを示している(マウス×ニワトリ:79.3%、ヒト×ニワトリ:82.4%)。 これらのデータは、Sox-9遺伝子においては、あるクラスの脊椎内の相同性のほ うが異なるクラス間の相同性よりも大きいことを示唆するものである。しかし、 コーディング領域は、いくつかの異なるサブ領域にそれぞれ分けることができる (マウスSox-9構造の概略図を示した図9を参照)。これらの中には、Sox遺伝子グ ループを定義づけている保存性の高い領域(Goodfellow and Lovell-Badge,1993 ,Annu.Rev.Genet.,27,71-92)であるHMGボックス(nt608−843、 図9)があるが、この領域は全てのSox遺伝子群の間で60%を越える相同性を 示す。この領域の外の配列が、各Sox遺伝子のそれぞれの特徴を与えている。別 の領域は、プロリン(P),グルタミン(Q)およびアラニン(A)残基のみか らなる短いstrechである(nt 1322-1430、図9)。このような領域は、多くの遺 伝子において見つかっており、しばしば転写活性化因子として作用するたんぱく 質領域を伴う。 遺伝子の残りの部分は、とりあえずa,b,cとする3つの領域にさらに分け ることができる(図9)。これらの領域はマウスSox-9とヒトのSOX-9との間で相 同性が高い(哺乳類同等物)(表1)。反対に、それぞれの哺乳類のニワトリの Sox-9の領域間の相同性は低い(表1)。 マウスとヒトSox-9間の相同性が非常に高く、Sox-9に対して有意な相同性を示 す他の遺伝子がないので、当業者は、これらの哺乳類Sox-9遺伝子またはその一 部(好ましくは15単位より大きい長さ)を使用する他の哺乳類Sox-9相同体を 生成する手段として、高ストリージェンシ−ライブラリースクリーニング(Samb rook et al.,1989、上記)を使用することができる。 単一染色体体細胞(monochromosomal somatic cell)ハイブリッド・マッピング ・パネルを使用した第一のSOX-9の位置特定に続き、第17染色体欠損ハイブリ ッドを使用した第二の位置決定により、この遺伝子が17q23-qterにマッピングさ れた(図8記号説明参照)。この位置は、蛍光インシトゥー(in situ)ハイブリ ダイゼーションにより、さらに17q24 に絞り込まれた。 SOX-9の突然変異分析 放射線ハイブリッド・パネルを使用してマッピングしたB1中のSOX-9の並置 と転移切断点とによって、我々は、臨床的に歪曲肢骨異形成が確認されるが細胞 学上では染色体異常が検出されない患者から得たDNAサンプル中のこの遺伝子 の突然変異について、テストをすることを思いついた。最初のスクリーニングは 、一本鎖コンフォーメーション多形(single-strand conformation polyporphism 、SSCP)アッセイを使用して行った。約150bpの重複フラグメント中の既知の コーディング配列とイントロ/エキソン継ぎ目とを増幅するようにプライマーを 設計した。変更を有するSSCPパターン(独自のSSCP型)を与えたフラグ メントをプラスミドベクター(plasmid vectors)中にクローニングし、配列決定 した。9人の患者サンプルを調査したところ、これらのサンプルから6種類のヘ テロ接合体突然変異が得られた。つぎに3人の患者について詳細に記載する。 患者S.H.(46,XX女性)(ECACC No.DD1813)。 この患者は満期で出産され、以下の典型的なCDの特徴を備えていた。すな わち、小顎症,肩甲骨低形成,両側内反馬足,頸椎低形成,長骨および肋骨11 対の弯曲である。この患者での独自のSOX-9 SSCP型のクローニングとシーク エンシングの結果、シチジン(cytidine)がチミジン(thymidin)に塩基置換され( ヌクレオチド583)、これが予想による509のアミノ酸配列中のアミノ酸ポ ジション195に終止コドンを導入することになっていることが判明した(図1 0)。この患者の両親について、SOX-9のこの位置についてSSCPでスクリー ニングしたところ、どちらも異常な変化を示さなかった(図10)。さらに、1 00人を超える健常者から得たDNAサンプルを、SOX-9のこの位置についてS SCPでスクリーニングした。どの健常者においても異常な変化は見られなかっ た。これは新たな(de novo)突然変異である。 患者A.H.(46,XY女性)(NIGMS No.GM01737)。 この性転換患者は満期で出産され、短く弯曲した四肢,小肩甲骨および特徴的 な顔貌を含む全てのCD症状があった(Hoefnagel,D.et al.,1978,Clinic al Genetics,13,489-499)。正常な女性性器を有し、生殖腺は相当数の生殖細胞 を有するが未分化であった。この患者への独自のSSCP型のクローニングとシ ークエンシング(図10)とより、SOX-9の261から263のコドン内に含ま れる一連の6つのGs(ヌクレオチド783から788)内への1つのGの挿入が 確認された。結果として起こるフレームシフトにより、未熟状態で終止コドンが 導入され、正常な509アミノ酸たんぱく質ではなく294アミノ酸たんぱく質 が翻訳されることとなる。この患者の親のDNAは入手できなかった。健常者に この突然変異が起こる可能性を調査するために、CDでない100人を超える者 においてSOX-9のこの領域についてSSCPが行われた。患者A.H.の独自の型 に相当する変化は見出せなかった。 患者G.(46,XY女性)。 短四肢と先天性頸部嚢水腫との超音波検査所見が得られた後、この胎児は17 週で中絶された。臨床および放射線検査上の特徴には、小顎症,四肢の弯曲,肩 甲骨低形成,臀部脱臼および11対の肋骨があった。正常な女性性器があり、卵 巣は組織学上正常であり、卵母細胞を有した。この患者から得た独自のSSCP 型中に検出された突然変異は、予想されるたんぱく質配列のアミノ酸28 6(ヌクレオチド858)の後に4個の塩基対が挿入された結果であることが判明 した(図8a)。このフレームシフトにより、患者A.H.におけるのと同じ位置 に未熟のままの終止が導入される。両親に対するSOX-9のこの領域についてのS SCP分析の結果によって、正常なSOX-9変化が判明した(図10)。この突然 変異は新たなもの(de novo)である。 我々はCDと常染色体XY性転換との双方を有する患者から得たものについて 切断点を特定するために、位置クローニングアプローチを用いた。SRY関連遺 伝子であるSOX-9のオープンリーディングフレームは、第17染色体上の切断点 より88kb遠位に位置する。我々は、調査した歪曲肢骨異形成症の患者9人中 6人において、SOX-9の一つの対立遺伝子中に突然変異を発見した。ここに詳細 に記載した3つの突然変異は、遺伝子の機能を破壊すると予想された。2つの突 然変異はフレームシフトを引き起こし、これが未熟なままで鎖を終結させて、そ のたんぱく質の三分の一を欠損させることになり、一つの突然変異は未熟なまま での終結を引き起こし、これが予想される長さの40%にたんぱく質を短くする結 果となる。これらの突然変異の二種類について、100人を超える健常者の対照 集団をスクリーニングしたが、いずれも検出されなかった。二人の患者の両親の SSCP分析の結果、彼らの子供に存在した突然変異がないことが判明した。性 転換CD患者において突然変異が新たに(de novo)出現していることは、SOX-9中 の変化が歪曲肢骨異形成症および常染色体性転換の原因であることを立証するも のである。 転座切断点(translocation breakpoint)とSOX-9との正確な関係は、現在のと ころ不明である。成人の精巣,成人の心臓,胎児脳中のSOX-9転写物は約4.5 kbである。しかし、精巣,胎児の脳,および線維肉腫cDNAライブラリーか ら単離されたcDNAは、転写物の3−9kbをカバーし、約600bpの翻訳され ない配列が説明できないままに残される。SOX-9のゲノムの配列は、5′末端が 第17染色体の動原体(centromere)の方向に向いており、切断点に最も近くなる ようになっている。一つ以上のエキソン(exons)が既知のエキソンに向かって5' に存在する可能性、およびこれらが転座により遮断される可能性がある。または 、クロマチンドメイン(chromatin domains)による干渉(Dillon,N.et a l.,1994,Current Opinion in Genetics and Development,4,260-264)などの より微妙なメカニズムにより、転座が発現を妨害するのかもしれない。このよう な広範囲ポジション作用(long-range position effect)は、Sryについて証明 されている。この場合、小精巣決定領域の外側のY染色体成分の欠損がSry 発現を妨害し、XY女性性転換を引き起こす(Capel,B.et al.,1993,Nat.Gen et,5,301-307)。離れた位置におこった転座によって影響を受ける遺伝子につ いて、他の例が報告されている(Tommerup,N.,1993,J.Med.Genet.,30,713-7 27)。CD転座患者の数例が幼児期まで生存し、こういった患者における疾患の 程度が軽度であることは、際立った現象である(Mansour,S.,1994,Msc Thesis (Clinical Genetics),University of London)。 歪曲肢骨異形成症はこれまで、常染色体劣性またはX連鎖疾患であるとさえさ れてきたが、優性疾患との一致性のほうが高い例も2〜3ある(Bianchine,J.W .et al.,1971,Lacet,1,1017-1018、Thurmon,T.F.et al.,1973,J.Ped. ,83,841-843、Lynch,S.A.et al.,1993、上記)。我々の結果は、CDが常 染色体優性疾患であるという意見を裏付けるものである。我々は、SOX-9 オープ ンリーディングフレームの70%超にわたりSSCPを実施したにもかかわらず 、すべての患者において、両方のSOX-9対立遺伝子中に突然変異を検出できなか った。まだ検出していない一般的な作用のない対立遺伝子がある可能性はあるが 、この突然変異の頻度は無関係の患者中に見いだされるほど高かったことはあり そうにない。これらの突然変異体中で予測される遺伝子の機能の喪失と両方の対 立遺伝子に突然変異がないことは、この優性性が機能の獲得よりもハプロインサ フィシャンシー(hapoli-insufficiency)によるものであることを示唆している。 量感受性(Dosage sensitioity)というのは、制御遺伝子においてしばしばみられ る特徴で、哺乳類の経路を含むいくつかの性決定システムについて報告されてい る(Bardoni,B.et al.,1994、上記、Parkhurst,S.M.et al.,1994,Science ,264,924-932)。 SOX-9の突然変異についての常染色体優性の予測は、モノソミー(monosomy)1 7qをもたらす欠損がCDを引き起こすというものである。このような欠損は、 おそらく致死性を伴うために非常に稀であり、ほぼ必ず環状染色体を伴って報 告されていた。興味深いことに、ある環状染色体を伴わない17q欠損の報告で は、患者は、下肢の傾斜などCDに起こる多くの身体的特徴を示した(Bridge J .et al.,1985,Am.J.Med.Genet,21,225-229)。CDと診断された症例は、「 非弯曲肢骨型(acampomelic)」弯曲肢骨異形成症や長骨および短骨変種の示唆を 含み、随伴する表現型の範囲が広く程度が多様である(McKusick,V.A.,1992、 上記)。CDと診断された全ての例において、SOX-9の寄与の度合いを調べること は興味深い。骨格構造上の疾患の臨床症状の不均一性および多様性は、SOX-9が 他の骨格形成不全に関与する可能性を残すものである。 SRYとの類似性より、SOX遺伝子が発生制御経路において転写因子として作 用する可能性が示唆されてきた。SOX/Soxたんぱく質には、配列特異的結合を示 したものがあり(Harley,V.R.et al.,1992,Science,255,453-456、Denny, P.et al.,1992,EMBO J,11,3705-3712、van de Wetering,M.et al.,1993 ,EMBO J.12,3847-3854)、いくつかの転写因子に存在する活性化ドメインと同 じように、C末端の第三SOX-9たんぱく質は、プロリン(proline-)およびグルタ ミン(glitamine-)を多量に含有する領域がある(Mitchell,P.J.et al.,1989, Science,245,371-378)。この報告に記載の患者中に存在する突然変異配列から 翻訳される産物中において、この領域が欠落していると考えられる。上述のよう に、マウスSox-9の発現パターンは、間充織細胞(mesenchymal cell)の軟骨細胞( chondrocytes)への分化の制御における役割と一致する。 46,XY個体において、男性から女性への性転換を引き起こすSox-9中の突 然変異は、性決定経路においてSRYの前または後で作用している。SRYに突 然変異を有する46,XYの表現型の患者は、通常は、完全な生殖腺発育不全の 女性である。数例において、SRY突然変異が遺伝していることが見いだされ、 この例では、正常男性とXY女性が同じ家族に存在した。これらの所見は、SR Y機能を混乱させる遺伝子がある場合、男性または女性のいずれかとなり、おそ らく間性の発生はないことを示唆するものである。CD患者における、CD患者 の示す性的表現分布では、部分的男性化が含まれており、性決定経路中でSRY に次ぐ役割を有するSOX-9と盾循していない。 性決定において量感受性の役割を有することが判明した哺乳類の遺伝子は、S OX-9が最初ではない。DSSは46,XY個体中にコピー二部で存在する場合に 、様々な程度の男性化を伴って、男性から女性への性転換を引き起こす。DSS がない場合は、SRYの存在下での男性発生に矛盾がないが、これが46,XX 個体における女性発生と矛盾がないかどうかは不明である。骨形成におけるSOX- 9の重要性ゆえに、SOX-9についての無染色体性(nallisomy)は致命的なものにな りうる。SOX-9の一染色体性(monosomy)は卵巣の発達とは矛盾せず(Bridge,J.e t al.,1985、上記)、SOX-9を含む領域を有する17qのトリソミーは性転換を 伴わなかった(Lenzini,E,et al.,1988,Ann.Genet,31,175-180)。CDに 伴う性転換の多様性の原因は、まだ判明していない。骨格異常の重度と性転換の 頻度のあいだには明らかな相関関係はない(Mansour,S.,1994、上記)。XY 個体における性転換の有無は、突然変異の種類により決定する可能性があり、ま た、他の遺伝子座の対立遺伝子の違いにある可能性もある。 性決定におけるSOX-9の量感受性およびSRYとの配列の類似性は、この二種 類の遺伝子の考えられる進化上の関係を示唆するものである。始原の量依存性性 決定システム(primordial dosage dependent sex determination system)が、SO X-9の変化または別のSOX遺伝子により優性の誘導システムに進化していったと考 えるのが妥当である(Foster,J.W.,et al.,1994、上記)。突然変異を起こした 遺伝子は構造的に発現され、これにより、これが存在する場合、男性発生が起こ るのに必要な閾値まで投与量を引き上げることで優性の誘導因子として機能して いる可能性がある。 SRYの性決定機能が、発生中の生殖隆起中のpre-Setoil細胞において発現さ れることを示唆する多数の間接的な証拠がある(Goodfellow.P.N.et al.,1993 ,Ann.Rev.Genet.,27,71-92)。これらの細胞において、SOX-9が必要とされる はずであり、完全な細胞機能を得るにはSRY とSOX-9の相互作用が必要である 可能性がある。別の可能性として、精巣を形成するために、SRYを発現するプ レセルトーリ(pre-Sertoli)細胞と相互作用するタイプの細胞中においてSOX-9の 発現が必要であることが考えられる。間充織細胞は、生殖隆起のもとになる中腎 臓から遊走することと、精巣の形成にこれらの遊走細胞が必要であること(Wheat er,P.R.et al.,1979,Functional Histology(Churchill Li vingstone,Edinburgh)とが判明しており、このことでCDと性転換との接点を 解明できるかもしれない。SOX-9をCDおよび常染色体性転換の双方において突 然変異している遺伝子として同定することは、骨形成と性決定の研究に新たな方 法を提供するものである。 表 注記 表1 示される図は完全なニワトリの配列を入手できないため、ヌクレオチド484 −607について示したものである。 カッコ内の数字は本発明において記載のマウスSox-9配列中のヌクレオチド を示す。 図1 マウスSox-9のcDNAのヌクレオチドと予測アミノ酸の配列。 始めのメチオニンコドン(methionine codon)から得た507アミノ酸からなる たんぱく質をコードする可能性のあるオープンリーディングフレームが、224 9塩基対配列から明らかになった。HMGボックス(囲み内)の上流に5つのメ チオニンコドン(イタリック体で表示)が存在するが、翻訳を開始するための強 いコンセンサス配列を伴うのは、このうち4番目のもののみである(Kozak,1989 ,J,Cell Biol.,108,229)。これらの5つのメチオニンコドンは、ヒトSox-9 相同体(SOX-9)配列中にも全て保存されており、ここでもこれらインフレーム 終止コドンに先導される(Foster et al.,印刷中)。グルタミンおよびプロリ ンを多量に含む領域がアミノ酸339から507に存在する。コ ーディング配列の末端に続いて複数の終止コドン(マークせず)が存在し、推定 のポリアデニル化シグナルが小文字で示されている。イントロンの位置は矢印で 記される。これらはcDNAとゲノムDNAの配列を比較して決定された。 方法:λgt10 10dpc(Clontech社)およびλSHIox 11.5 dpc(Invitrogen社) マウス胚cDNAライブラリーおよびλFIX IIマウス129SVゲノムラ イブラリー(Gubbay et al.,1990,Nature,346,245-250)を、Sox-9 HMGボ ックスを使用してSox-9クローンについてスクリーニングし(Wright et al.,199 3,Nucleic Acids Research,21,744)、次いで、高ストリンジェント条件下(hi ghly stringent conditions)で非ボックスプローブについてスクリーニングした 。cDNAクローンの配列は、nested deletions中の両方の鎖から得た。シーク エンシングはUSBシークエンスキットを使用して実施し、結果はPRISM レディ・リアクション・ダイデオキシ・ターミネーター・サイクル・シークエン シング・キット(Ready Reaction DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencing Kit) 、およびアプライド・バイオシステム・DNAシークエンシング・システム(App lied Biosystems DNA Sequencing System)を使用して確認した。 図2 マウス胚におけるSox-9発現のノーザンブロット分析。 8.5,9.5,10.5,11.5,12.5および13.5pdcの全胚から単離したポリ(A)+R NAを、Sox-9 特異的プローブ(上パネル)およびグリセルアルデヒド3−リン酸 デヒドロゲナーゼ(Gapdh、下パネル)とハイブリダイズさせた。 方法:ファルマシア・クイックプレップ・mRNAピュリフィケーション・キッ ト(Pharmacia QuickPrep mRNA Purification kit)を使用して、全胚からポリ( A)+RNAを得た。ノーザンブロット分析(Sambrook et al.,1989,J.Molecul ar Cloning: A Laboratory Manual.2nd Edition,Cold Spring Hargbor Press ,Cold Spring Harbor)は、1レーン当たり約0.5μgの各mRNAサンプル を使用して行った。オートラジオグラフィーに続いて、メンブラン(membranes) からSox-9プローブを除去して、32P標識Gapdhプローブと再度ハイブリダイズさ せ、各レーンのmRNAの相対濃度を示した。転写サイズは、GIB CO-BRL 0.24-9.5kbRNAラダー(ladder)と比較することにより測定した。 図3 発生中の胚におけるSox-9の発現と軟骨基質の沈着を示す、Wholemountインシ トゥー(in situ)ハイブリダイゼーションと、アリシアンブルー軟骨染色。 a. 第一鰓裂(b1),吻側体節(so),平衡胞(oc)および脊髄(se)を被覆する一 部の体表面外胚葉細胞中にSox-9の発現を示す9.5dpc の全胚。 b. 尾体節(so)と前脳の脳室細胞(vc)内とに発現を示す10dpc胚の部分図 。 c. 肢芽(lb)と第二鯉裂(b2)内とにおける発現の開始を示す10.5dpc全 胚。 d. アリシアンブルー染料で染色された10.5dpc胚。この段階において は、軟骨は存在しないことから、軟骨形成に先立ってSox-9発現がおこることが 確認される。 e. 肢芽中における発現の進行および肩甲骨(s)および骨盤(p)の発生開始を 示す11.5dpc。 f. 大半の骨格構造中に染色部を示す12.5dpcの胚。 g. この段階における軟骨骨格を示すアリシアンブルーで染色した12.5 dpcの胚,平衡胞,指(d),肋骨(r)が示される。 h. 脊髄の室細胞(vc)における発現を示す12.5dpcの胚の背面からの図 。 平衡胞も示される。 i. 発現が、指の先端,尾の先端(t)にまで達したことを示す13.5dpcの 胚の部分図、そこにおいてまだ軟骨が活発に敷設されているが、より成熟した軟 骨ではスイッチが切られている。この段階においては、染色は触毛(v)にも見ら れる。 方法:HMGボックスまたはポリAテイル配列を一切含まず、3′からHMGボ ックスまでのSox-9遺伝子配列のサブクローンから作成したアンチセンス(antise nse)およびセンス(図示せず)RNAプローブを使用した、Wholemountインシト ゥー(in situ)ハイブリダイゼーションを、Wilkinson et al.,1993,Methods E nzymol.,225,361-373 に従って実施した。10.5および12.5dpc全胚中 の軟骨細胞を、Ojeda et al.,1970,Stain.Technol.,45,137-138を 改良した方法により染色した。染色した標本は、コダックエクタクロム(Kodak E ktachrome)フィルムを使用して、オリンパス双眼立体顕微鏡上で写真撮影をした 。 図4 マウスSox-9遺伝子配列のサブクローンより作成したアンチセンスRNAプロ ーブ(図示せず)を使用した、実験的骨折から8日後のマウス骨切片中の軟骨細 胞のWholemountインシトゥー(in situ)ハイブリダイゼーション。 図5 Sox-9のマッピング。種間戻し交雑連鎖の分析データと、一倍体分析の組み合 わせから示されたマーカーD11Mit10およびD11Mit36に関するSox-9のおよその位 置とを、マウス第11染色体マップのコンセンサス連鎖マップ上において、バーA とBとで示す(Buchberg et al.,1993,Mammal.Genome.,4,S164-S175)。AはD1 1Mit10に関係する位置であり、BはD11Mit36に関係する位置である。Sox-9と短 尾(Ts)との相対的位置は、別個の戻し交雑における異なるマーカーに対して相対 的にマッピングされたので、正確に示すことはできない。神経学上突然変異であ るジャクソンシェーカー(Jackson shaker(js))、ティータリング(teetering(tn) )、および小脳アウトフロー変質(Cerebellar outflow degeneration(Cod))も示 した。動原体からの遺伝子上距離はセンチモーガン(centi Morgans)で示した。 方法:遺伝子特異的、単一コピーcDNAプローブが、Sox-9 3′からHMGボ ックスまでの領域から単離され、このプローブを使用して二種類のマウス種Mus sretus とMus musculus domesticusとの間の制限酵素切断フラグメント長の変異 種を、Pvull 酵素を使用して同定した(データは表示せず)。マッピングは種間 戻し交雑後代マウスのサブセット中で、既知のマーカーに関するこれらの変異種 の分離を分析することでおこなった(The European Backcross Collaborative Gr oup,1994,Human Mol.Genet.,3,621-627)。 図6 患者Eにおける転座点にまたがる17q放射線ハイブリッドマップ。 STSマーカーは、ゲノムDNAを表す黒線上に縦に記載される。転座点の近 傍のマーカーを示す。下は、PCRによってB1ハイブリッド上で検定した近傍 のSTSマーカーD17S970とSOX-9とのそれぞれその有無を示している。B1は患 者Eの転座染色体2pter-q35:17q23-qterを含むL−M Tk体細胞ハイブリッド 、PCTBA1.8はヒト第17染色体のみを含むマウス体細胞ハイブリッド、H FLはヒト線維芽細胞、L−Mはマウス線維芽細胞である。 方法:全ゲノム照射および融合ハイブリッド(WG-RH)は、A23ハムスター線維 芽細胞と照射処理(irradiated)(6000 rad)HFL ヒト線維芽細胞(Waler,M.A.et a l.,1994、上記)を融合して作成した。STSの順番は、RFMAPプログラム により決定した(Boehnke,M.et al.,1991,Am.J.Hum.Genet,49,1174-1188) 。PCR反応は、50ナノグラムのゲノムDNA、1.5mMのMgCl2(SO X−9プライマーの場合は、2.5mMのMgCl2)、50mMのKCl、0. 1%Triton-X100、10mM Tris-Cl(pH8.5)、1.5U Taq ポリメラーゼおよび 1μM の各プライマーを使用しておこなった。加熱サイクル条件は、摂氏94度 で30秒間、摂氏55度で30秒間、摂氏72度で60秒間、そして摂氏72度 で5分間である。各WG−RH中における各STSの有無は、平衡臭化物で染色 したアガロースゲルでの電気泳動により測定した。 プライマー配列は、 他のプライマー配列は、ゲノムデータベースから入手できる(GDB)。 図7 患者Eの転座点の領域についての、第17染色体放射線ハイブリッドマップ、 YACコンティグおよびコスミドコンティグ間の関係。 マーカーは、ゲノムDNAを表す黒線上に縦に記載される。YACは下に位置 する。黒線は確認された内部のマーカーを示し、破線はYAC範囲の可能性のあ る部分を示す。示されたサイズは、YAC全体、およびキメラ化(chimerism)の ために存在する第17染色体以外の配列を含む可能性がある。コスミドウォーク は、ゲノムDNAの転座領域の拡大部の下に示した。SOX-9の構造および方向を 示す。ICRFR eference Library YACおよびコスミド(Lehrach,H.et a l.,1990、上記)をそのようにして示した、他の全てのYACは、Centre d'Etu de du Polymorphisme Humainによるものである(Cohen,D.et al.,1993、上記 )。 方法:YACおよびコスミドは、vectorettePCR(Riley,J.et al.,1990,N eucleic Acid Res.,18,2887-2890)により、公表されているYACプライマー およびコスミドベクター(Lawrist4)プライマーLAW4L、CGCCTCGAGGTGGCTTAT CGおよびLAW4R、ATCATACACATACGATTTAGGTGACを使用して単離された。 図8a Sox-9のヌクレオチドおよび予測アミノ酸配列。 数字付与は、オープンリーディングフレームの1番目のメチオニンコドンのA に基づいている。インフレーム5′終止コドンおよび予測される最終終止(termi nation stop)コドンは、太文字である。HMGボックスは囲みの中、プロリン(p roline-)とグルタミンを多量に含む領域は下線を付す。イントロンの位置は矢印 で示し、考えられるポリアデニル化シグナルは太文字のイタリック体で示した。 図8b SOX-9遺伝子のゲノム構造。 黒線は、ゲノムDNAを示す。SOX-9エキソン(exons)は囲みを付し、HMGボ ックスは斜線を付している。イントロンの位置を示す。 方法:始めのcDNAクローンは、ラムダgt10ヒト精巣ライブラリー(Clont ech)を、SOX-Aボックスプローブ(Stevanovic,M.et al.,1993、上記)を使用 してスクリーニングすることにより得た。複合転写物は、三つの重複するクロー ン、およびさらにHT1080(線維肉腫)cDNAライブラリー(D.L.Simmons の好意による)およびヒト胎児脳ライブラリー(HGMP Resource Center,Harrow)か ら得たクローンから決定した。シークエンシングは、ジデオキシ・チェイン・タ ーミネーション(dideoxy chain termination)法を使用しておこなった。イント ロン/エキソン境界は、ゲノムとcDNAクローンとの制限マッピング(restric tion mapping)、およびゲノムとcDNA配列の比較によって決定した。最初にS OX-9 cDNAの第17染色体に対する位置決定は、体細胞ハイブリッドパネルを 探索しておこなった。続く17q23-qterの位置決定は、PCTBA1.8,TRID62,PLT8,PJ T2A1およびDCR1(Black,D.M.et al.,1993,E.Am.J.Hum.Genet.,52,702-7 10)などの第17染色体欠損ハイブリッドパネルを使用しておこない、17q24への 絞り込みは、正常ヒト分裂中期拡散に対する蛍光インシトゥー(in situ)ハイブ リダイゼーションによって行った。 図9 マウスSox-9遺伝子構造のダイアグラム。 線上の数字は、図1に示したDNA配列に関係するマウスSox-9 遺伝子のヌク レオチドポジションを示す。この遺伝子は、5′非翻訳領域(nts 1-301),領域A (nts 302-607),HMGボックス(nt 608-843),領域B(nts 844-1321),P/ Q/Aを多量に含む領域(nts 1322-1429),領域C(nts 1430-1822)および3′非 翻訳領域(nts 1823-2249)からなる。 図10 弯曲肢骨異形成症化における、一本鎖高次構造多形(Single-strand conformat ion polymorphism、SSCP)およびSOX-9の配列分析。 図10a HMGボックス(密な斜線)を示すSOX-9オープンリーディングフレーム(斜線の 囲み)。 数字は、一番目のメチオニンのAから始まるヌクレオチド配列を示し、ヌクレ オチド431と685との後にイントロンが存在する。黒い線は独自のSSCP 高次構造に生じるORF領域を示す。突然変異の位置は矢印で示す。 図10b (a)に示されるプライマーを使用したSSCP。 レーン1は患者DNAである。患者S.H,およびGに関しては、レーン2お よび3はそれぞれ父親と母親のDNAである。患者A.H,に関しては、レーン 2,3は無関係(正常)な個体のDNAである。 図10c 正常および突然変異患者対立遺伝子のシークエンシングゲル(sequencing gel) 。 それぞれ突然変異の位置を示す。患者S.H,およびA.H,についての配列 は、コード鎖である。患者Gの配列は非コード鎖である。 方法:プライマー配列: PCR(10μl)は、図1に記載のとおりで、非放射活性dCTP濃度を1/10に低下 し、0.05μlの「α−33P」dCTP(1000-3000Ci mmol-1、10 mCi ml-1)および 0.2μMの各プライマーを使用しておこなった。反応は、摂氏94度で30秒 間、摂氏65度(534-661および836-1018)または摂氏70度で30秒間、摂氏 72度で45秒間を35サイクルした。PCR産物は、10μの0.2%SDS 、20mM EDTA、次いで10μlの95%ホルムアルデヒド、20mME DTA、0.05% ブロモフェノールブルー、0.05% キシレンサイアノー ル(xylene cyanol)を添加して、摂氏100度で5分間加熱して変性させた。2 μlを6%アクリルアミド: ビスアクリルアミド(37.5:1)、5%グリセロールゲ ルにかけた。電気泳動を、25W,摂氏4度でおこなった。複製反応によって得 たPCR産物は、さらにクローニングされ、それぞれ少なくとも10クローンを ジデオキシ・チェイン・ターミネーション法(the didecxy chain termination m ethod)、またはダイデオキシ・ターミネーター・サイクル・シークエンシング(A BI)(DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencing)によりシー クエンシングした。12染色体8マイクロサテライトマーカー(ヘテロ接合対度 >70%)を使用した各群のDNAプロファイリングの結果、親と子供の間に不一致 の結果はなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,V N (72)発明者 グッドフェロー,ペーター ネビル 英国,ロンドン,エヌダブリュー3 4エ ックスユー,ベルサイズ パーク アント リム ロード,アントリム マンションズ 56

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 単離DNA分子であり、以下の群より選択されるDNA配列からなる、D NA分子。 (i) 図1に表示されるヌクレオチド配列 (ii)(i)による配列に相補的な配列 (iii)(i)または(ii)による配列からの変異度が21%までの配列 で、標準的なハイブリダイゼーション条件下でこれらのハイブリダイズすること ができ、SOX-9型のポリペプチドをコードする配列 2. 単離DNA分子であり、以下の群より選択されるDNA配列からなる、D NA分子。 (a) 図8aに表示されるヌクレオチド配列 (b) (a)による配列に相補的な配列 (c) (a)または(b)による配列からの変異度が18%までの配列で、 標準的なハイブリダイゼーション条件下でこれらのハイブリダイズすることがで き、SOX-9型のポリペプチドをコードする配列 3. 請求項1に記載のDNA配列によりコードされる、組換えたんぱく質。 4. 請求項2に記載のDNA配列によりコードされる、組換えたんぱく質。 5. 図1に示されるアミノ酸配列、および前記配列と93.5%から100% の同一性を有するSOX-9型ポリペプチドからなる、組換えたんぱく質。 6. 図8aに示されるアミノ酸配列、および前記配列と93.5%から100 %の同一性を有するポリペプチドからなる、組換えたんぱく質。 7. 請求項1に記載のDNA分子を投与することによる、骨または軟骨の再生 方法。 8. 請求項2に記載のDNA分子を投与することによる、骨または軟骨の再生 方法。 9. 請求項3に記載の組換えたんぱく質を投与することによる、骨または軟骨 の再生方法。 10. 請求項4に記載の組換えたんぱく質を投与することによる、骨または軟 骨の再生方法。
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