JP2020097873A - 接合構造及び接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造部材同士を簡易に接合できる接合構造及び接合方法を提供する。【解決手段】接合構造1は、第1方向(Z軸方向)を材軸方向とする管状の柱2と、ウェブ31と第1方向に沿ってウェブ31を挟む一対のフランジ32,33とを含み、第1方向に交差する第2方向を材軸方向とする梁3と、柱2と梁3とを互いに接合する接合部材4と、を備え、接合部材4は、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に沿って梁3を挟んで互いに対向する一対の板部41を含み、一対の板部41のそれぞれは、一対のフランジ32,33の両方に剛接合されるとともに、第2方向からみて柱2の縁部に沿うように、柱2の外周面2sに剛接合される。【選択図】図1

Description

本発明は、接合構造及び接合方法に関する。
特許文献1には、角管状の鉄骨柱とH形の鉄骨梁とを接合する柱梁接合工法が記載されている。この柱梁接合工法においては、鉄骨柱の全周に亘って外方に突出したダイヤフラムが、鉄骨梁高さで上下に位置しており、当該ダイヤフラムに溶接された受けブラケットと鉄骨梁とを一体化させて鉄骨柱と鉄骨梁とを接合している。
特開平5−179701号公報
上記の柱梁接合工法のような構造部材の接合方法においては、H形の鉄骨梁の上下フランジからの応力を、ダイヤフラムを介して角管状の鉄骨柱に伝達している。そのため、応力伝達を可能とする十分なサイズのダイヤフラムが鉄骨梁と鉄骨柱との間に配置されることとなり、このようなダイヤフラムのために設計上の制約や施工上の手間等を増大させる大掛かりな加工が行われている。
本発明は、構造部材同士を簡易に接合できる接合構造及び接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る接合構造は、第1方向を材軸方向とする管状の第1構造部材と、ウェブと第1方向に沿ってウェブを挟む一対のフランジとを含み、第1方向に交差する第2方向を材軸方向とする第2構造部材と、第1構造部材と第2構造部材とを互いに接合する接合部材と、を備え、接合部材は、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に沿って第2構造部材を挟んで互いに対向する一対の第1板部を含み、一対の第1板部のそれぞれは、一対のフランジの両方に剛接合されるとともに、第2方向からみて第1構造部材の縁部に沿うように、第1構造部材の外周面に剛接合される。
本発明に係る接合構造においては、第1構造部材と第2構造部材とが接合部材によって互いに接合される。この接合部材の各第1板部は、一対のフランジの両方に剛接合されるとともに第1構造部材の外周面に剛接合されるので、各フランジの応力は、各第1板部を介して第1構造部材に伝達されることとなる。ここで、各第1板部は、第1構造部材の縁部に沿うように第1構造部材に剛接合される。このため、各第1板部を介した応力は、第1構造部材の中実な部分に十分に伝達される。したがって、ダイヤフラム等の大掛かりな加工によらずに、第1構造部材と第2構造部材とを簡易に接合することが可能となる。
また、本発明に係る接合構造において、接合部材は、第1方向に沿って第2構造部材を挟んで互いに対向し、一対の第1板部同士を連結する第2板部及び第3板部を含み、一方のフランジには、第2板部が剛接合されており、他方のフランジには、第3板部が剛接合されており、一対の第1板部のそれぞれは、第2板部及び第3板部を介して一対のフランジに剛接合されていてもよい。この場合、一対の第1板部が連結されていない構成と比較して接合部材の剛性が高くなるとともに、フランジが第2板部又は第3板部に剛接合されることで接合部材とフランジとの接合状態が安定する。したがって、第2構造部材の応力を安定して第1構造部材に伝達できる。
また、本発明に係る接合方法は、上記の接合構造を用いた接合方法であって、第1構造部材と、当該第1構造部材の外周面に剛接合された一対の第1板部と一対の第1板部同士を連結させた第2板部とを含む略U字形状のブラケットと、を準備する第1構造部材準備工程と、第1構造部材準備工程において準備されたブラケットの一対の第1板部のそれぞれを、第2板部及び第3板部を介して一対のフランジの両方に剛接合することにより、第1構造部材と第2構造部材とを接合部材によって互いに接合する作業工程と、を備えていてもよい。この場合、作業工程の前に、接合部材と第1構造部材との剛接合を済ませることができるので、作業工程の効率化を図ることができる。また、第1構造部材準備工程においては、接合部材の一部を構成するブラケットが第1構造部材に剛接合された状態で準備されるので、作業工程における接合部材とフランジとの接合作業を行いやすい。
また、本発明に係る接合方法は、上記の接合構造を用いた接合方法であって、第2構造部材と、当該第2構造部材における他方のフランジに剛接合された第3板部と、を準備する第2構造部材準備工程と、第2構造部材準備工程において準備された第2構造部材の一対のフランジの両方に、第2板部及び第3板部を介して一対の第1板部のそれぞれを剛接合することにより、第1構造部材と第2構造部材とを接合部材によって互いに接合する作業工程と、を備えていてもよい。この場合、作業工程の前に、接合部材と第2構造部材との剛接合を済ませることができるので、作業工程の効率化を図ることができる。また、第2構造部材準備工程においては、接合部材の一部である第3板部が第2構造部材に剛接合された状態で準備されるので、準備される部材が嵩張ることを抑制しつつ部材点数を削減できる。
本発明によれば、構造部材同士を簡易に接合できる接合構造及び接合方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接合構造の概略構成を示す側面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。 図4は、接合方法を説明するための分解斜視図である。 図5は、変形例に係る接合構造を示す断面図である。 図6は、変形例に係る接合部材を示す断面図である。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、以下の図面には、X軸、Y軸、及び、Z軸により規定される直交座標系Sを示す。
まず、図1〜図3を参照し、一実施形態に係る接合構造について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る接合構造の概略構成を示す側面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。図1〜図3に示される接合構造1は、管状の構造部材とH形状の構造部材(すなわち、材軸方向に交差する断面の形状がH形である構造部材)とが互いに接合されたものである。図1〜図3に示されるように、接合構造1は、管状の構造部材としての柱2(第1構造部材)と、H形状の構造部材としての梁3(第2構造部材)と、接合部材4と、を備える。なお、本実施形態における接合構造1は、ダイヤフラムを備えていない。
柱2は、第1方向(本実施形態ではZ軸方向)を材軸方向とする角管形状(例えば四角管形状)の構造部材であって、例えば一般構造用角型鋼管である。柱2は、周方向に沿って連続して並ぶ平板状の側壁部21A,21B,21C,21Dを含む。側壁部21A,21B,21C,21Dは、それぞれ、第1方向に沿って延在している。側壁部21A,21Cは、第1方向に交差(例えば直交)する第2方向(本実施形態ではX軸方向)に沿って互いに対向し、側壁部21B,21Dは、第1方向及び第2方向に交差(例えば直交)する第3方向(本実施形態ではY軸方向)に沿って互いに対向している。柱2の側壁部21Aにおける外周面2sには、例えばガセットプレート22が設けられている。
ガセットプレート22は、側壁部21Aの第3方向の中央近傍に位置している。ガセットプレート22は、例えば矩形板状の鋼材によって形成されている。ガセットプレート22は、第3方向に交差(例えば直交)する一対の主面22sと、一対の主面22s同士を連結する4つの端面22tと、を含む。ガセットプレート22は、第2方向に交差(例えば直交)するように配置された一つの端面22tにおいて、側壁部21Aの外周面2sに接合(例えば溶接)されている。
梁3は、第2方向(ここではX軸方向)を材軸方向とするH形状の構造部材であって、例えばH形鋼である。梁3は、ウェブ31と、第1方向(ここではZ軸方向)に沿ってウェブ31を挟む一対のフランジ32,33と、を含む。フランジ32は、ウェブ31の第1方向の一端部(上端部)に接合されており、上フランジともいう。フランジ33は、ウェブ31の第1方向の他端部(下端部)に接合されており、下フランジともいう。
ウェブ31及びフランジ32,33は、それぞれ第2方向に沿って延在している。梁3は、第2方向に交差(例えば直交)する端面3sと側壁部21Aにおける外周面2sとが互いに対面するように配置され、接合部材4によって当該外周面2sに剛接合される。また、梁3のウェブ31は、側壁部21Aの第3方向(ここではY軸方向)の略中央に位置し、例えばボルト等によってガセットプレート22に接合されている。
ここで、本明細書において「剛接合する」とは、接合対象の部材同士を一体化すること(部材同士の結合が、外力による変形に対して抵抗作用をもつように接合すること)を意味する。剛接合の具体例としては、溶接、ボルト接合(例えば、SHBT(Super High Tension Bolts)による接合)、接着剤による接合、又はこれらの接合のうちの二以上の組み合わせによる接合が挙げられる。例えば、接合対象の部材のうち接合される面の面積を小さくする観点から、剛接合として、ボルト接合及び接着剤による接合が採用されていてもよい。
接合部材4は、柱2と梁3とを互いに接合するための部材である。具体的には、接合部材4は、柱2の外周面2sに、梁3の材軸方向の一端部(ここでは、X軸方向の一端部)を接合する。接合部材4は、例えばボックス形状の鋼材によって形成されている。接合部材4は、一対の板部41(第1板部)と、板部42(第2板部)と、板部43(第3板部)と、を含む。
一対の板部41は、第3方向(ここではY軸方向)に沿って梁3を挟んで互いに対向している。板部42,板部43は第1方向(ここではZ軸方向)に沿って梁3を挟んで互いに対向している。板部42の板部43側の面42s(上面)は、フランジ33の外面33s(下面)に対面し、板部43の板部42側の面43s(下面)は、フランジ32の外面32s(上面)に対面している。また、板部42は、一対の板部41の第1方向の一端部(下端部)同士を連結している。板部43は、一対の板部41の第1方向の他端部(上端部)同士を連結している。板部41,42の間の隅角部、及び板部41,43の間の隅角部は、接合(例えば溶接)されて形成されていてもよいし、折り曲げ加工されて形成されていてもよい。
本実施形態において、接合部材4は、ブラケット44と、ブラケットカバー45とによって構成されている。ブラケット44は、第2方向からみて、例えば上方に開放する略U字形状を呈しており、ブラケットカバー45は、ブラケット44の上方からその開放部分を塞ぐ板状を呈している。ブラケット44は、上述した一対の板部41と板部42とを含む。換言すると、接合部材4のうち一対の板部41と板部42とは、ブラケット44によって構成されている。ブラケットカバー45は、上述した板部43を含む。換言すると、接合部材4のうち板部43は、ブラケット44によって構成されている。ブラケット44は、例えば一枚の鋼板が折り曲げ加工されて形成されている。ブラケットカバー45は、ブラケット44に剛接合(例えば溶接)されている。
一対の板部41のそれぞれは、一対のフランジ32,33の両方に剛接合されるとともに、柱2に剛接合されている。本実施形態において、一対の板部41のそれぞれは、板部42,43を介して一対のフランジ32,33に剛接合されている。具体的には、フランジ32には、板部43が剛接合されている。フランジ33には、板部42が剛接合されている。例えば、板部42,43には、その厚み方向(Z軸方向)に貫通する複数のボルト孔4hが形成されており、フランジ32,33には、各ボルト孔4hに対応し、フランジ32,33の厚み方向にそれぞれ貫通するボルト孔3hが形成されており、フランジ32及び板部43と、フランジ33と板部42とがそれぞれボルト接合されている。板部42,43の第2方向の長さは、フランジ32及び板部43と、フランジ33と板部42とがボルト接合によって剛接合可能な長さに設定される。
一対の板部41のそれぞれは、第2方向からみて柱2の各縁部に沿うように、柱2の外周面2sに剛接合されている。換言すると、柱2の側壁部21Aの両縁部に沿って、板部41が外周面2sに剛接合(例えば溶接)されている。一対の板部41同士の間隔は、例えば側壁部21B,21D同士の間隔と同程度である。また、接合部材4の第3方向の幅は、柱2の第3方向の幅と同程度(例えば同じ)である。一対の板部41の第2方向の長さは、特に限定されないが、例えば、側壁部21B,21Dの第2方向の長さの半分よりも大きい。一対の板部41の第2方向の長さは、板部42,43の第2方向の長さに応じて設定してよい。なお、接合部材4と柱2との接合状態を強固にする観点から板部42,43が柱2の外周面2sに剛接合(例えば溶接)されていてもよいし、施工の容易性の観点から板部42,43が柱2の外周面2sに接合されていなくてもよい。
次に、図4を参照し、上記の接合構造1を用いた接合方法の一例について説明する。図4は、接合方法を説明するための分解斜視図である。本実施形態に係る接合方法は、第1構造部材準備工程と、第2構造部材準備工程と、作業工程と、を備える。
まず、第1構造部材準備工程において、柱2と、当該柱2の外周面2sに剛接合されたブラケット44と、を含む柱ユニットU1を準備する。柱ユニットU1は、製造精度の向上の観点から工場において作製されたものであってもよいし、現場において作製されたものであってもよい。
次に、第2構造部材準備工程において、梁3と、当該梁3のフランジ32に剛接合されたブラケットカバー45(すなわち、板部43)と、を含む梁ユニットU2を準備する。梁ユニットU2は、柱ユニットU1と同様に、製造精度の向上の観点から工場において作製されたものであってもよいし、現場において作製されたものであってもよい。なお、第1構造部材準備工程よりも前に第2構造部材準備工程を実行してもよいし、第1構造部材準備工程と第2構造部材準備工程とを並行して実行してもよい。
次に、作業工程において、梁3の一対のフランジ32,33の両方に、板部42,43を介して一対の板部41のそれぞれを剛接合することにより、柱2と梁3とを接合部材4によって互いに接合する。具体的には、まず、第1構造部材準備工程において準備された柱ユニットU1のブラケット44内に、第2構造部材準備工程において準備された梁ユニットU2を挿入する。このとき、ガセットプレート22に、ウェブ31を接合(例えばボルト接合又は溶接)することにより、柱ユニットU1に対し、梁ユニットU2を位置決めしてもよい。その状態で、ブラケット44にブラケットカバー45を剛接合(例えば溶接)するとともに、フランジ33と板部42とを剛接合(例えばボルト接合又は溶接)する。このとき、作業者によって接合作業を実行してもよく、細部の作業の容易性の観点からロボット(例えば溶接ロボット)によって接合作業を実行してもよい。
以上により、接合部材4が柱2及び梁3の両方に剛接合されることによって、柱2、梁3及び接合部材4が一体化されて本実施形態に係る接合方法が完了する。
以上説明した接合構造1及び接合方法の作用効果について説明する。まず、比較例として、上記接合構造1に対し接合部材4を備えていない例について説明する。比較例に係る接合構造は、梁3のフランジ32,33からの応力を柱2に伝達するためのダイヤフラムを備える。当該ダイヤフラムは、梁3のフランジ32,33のそれぞれと同じ高さにおいて、柱2の側壁部21Aの外周面2sから大きく張り出すように配置され、又は、柱2の側壁部21Aを貫通するように配置され、大掛かりな加工によって柱2に対して溶接される。そのため、ダイヤフラムによって施工上の手間等が増大する。また、例えば柱2における互いに異なる複数の側壁部にそれぞれ梁3を接合する場合、複数の梁3同士にレベル差を設定するためには、ダイヤフラムの厚みを考慮して、複数の梁3を各ダイヤフラムが干渉しない高さに配置する等の設計上の制約がある。
これに対し、本実施形態に係る接合構造1においては、第1構造部材としての柱2と第2構造部材としての梁3とが接合部材4によって互いに接合される。この接合部材4の各板部41は、一対のフランジ32,33の両方に剛接合されるとともに柱2の外周面2sに剛接合されるので、各フランジ32,33の応力は、各板部41を介して柱2に伝達されることとなる。ここで、各板部41は、柱2の縁部に沿うように、柱2に剛接合される。このため、各板部41を介した応力は、柱2のうち、梁3の材軸方向に沿って中実な部分(ここでは側壁部21B,21D)に十分に伝達される。したがって、ダイヤフラム等の大掛かりな加工によらずに、柱2と梁3とを簡易に接合することが可能となる。以上により、ダイヤフラムレスによって柱2及び梁3を接合できるので、設計上の制約や施工上の手間を低減することが可能となる。
また、この接合構造1において、接合部材4は、第1方向(ここではZ軸方向)に沿って梁3を挟んで互いに対向し、一対の板部41同士を連結する板部42,43を含み、一方のフランジ33(ここでは下フランジ)には、板部42が剛接合されており、他方のフランジ32(ここでは上フランジ)には、板部43が剛接合されており、一対の板部41のそれぞれは、板部42,43を介して一対のフランジ32,33に剛接合されている。これにより、一対の板部41が連結されていない構成と比較して接合部材4の剛性が高くなるとともに、フランジ32,33が板部42,43に剛接合されることで接合部材4とフランジ32,33との接合状態が安定する。したがって、梁3の応力を安定して柱2に伝達できる。
また、本実施形態に係る接合方法は、上記の接合構造1を用いた接合方法であって、柱2と、当該柱2の外周面2sに剛接合された一対の板部41と一対の板部41同士を連結させた板部42とを含む略U字形状のブラケット44と、を準備する第1構造部材準備工程と、第1構造部材準備工程において準備されたブラケット44の一対の板部41のそれぞれを、板部42,43を介して一対のフランジ32,33の両方に剛接合することにより、柱2と梁3とを接合部材4によって互いに接合する作業工程と、を備える。これにより、作業工程の前に、接合部材4と柱2との剛接合を済ませることができるので、作業工程の効率化を図ることができる。また、第1構造部材準備工程においては、接合部材4の一部を構成するブラケット44が柱2に剛接合された状態で準備されるので、作業工程における接合部材4とフランジ32,33との接合作業を行いやすい。
また、本実施形態に係る接合方法は、上記の接合構造1を用いた接合方法であって、梁3と、当該梁3における他方のフランジ33に剛接合された板部43と、を準備する第2構造部材準備工程と、第2構造部材準備工程において準備された梁3の一対のフランジ32,33の両方に、板部42,43を介して一対の板部41のそれぞれを剛接合することにより、柱2と梁3とを接合部材4によって互いに接合する作業工程と、を備える。これにより、作業工程の前に、接合部材4と梁3との剛接合を済ませることができるので、作業工程の効率化を図ることができる。また、第2構造部材準備工程においては、接合部材4の一部のうち、第1構造部材準備工程において準備されなかった板部43が梁3に剛接合された状態で準備されるので、準備される部材が嵩張ることを抑制しつつ部材点数を削減できる。
以上の実施形態は、本発明の一実施形態について説明したものである。したがって、本発明は、上述した実施形態を任意に変更したものとすることができる。
例えば、本発明に係る接合方法において、第1構造部材準備工程及び第2構造部材準備工程の少なくとも一方を省略してもよい。第1構造部材準備工程を省略する場合、第2構造部材準備工程において、梁3のフランジ33に剛接合された板部42を含むブラケット44を更に準備してもよい。換言すると、第2構造部材準備工程において準備される梁ユニットU2は、梁3と、ブラケット44と、ブラケットカバー45とを含んでいてもよい。このとき、ブラケットカバー45がブラケット44に剛接合(例えば溶接)された状態であってもよい。
また、第2構造部材準備工程を省略する場合、第1構造部材準備工程の後、作業工程において、はじめに、柱ユニットU1のブラケット44内に、梁3のみを挿入してもよい。この場合、ブラケット44の板部42とフランジ33とを剛接合(例えばボルト接合又は溶接)した後に、ブラケットカバー45とブラケット44との剛接合、及び、ブラケットカバー45とフランジ32との剛接合を実行してもよい。
また、上記実施形態においては、柱2が一般構造用角型鋼管である場合を例示して説明したが、柱2が冷間成形角形鋼管であってもよい。すなわち、柱2は、丸みを帯びた隅角部を有する角形状を呈していてもよい。図5は、柱2が冷間成形角形鋼管である場合の変形例に係る接合構造を示す断面図である。
柱2が冷間成形角形鋼管である場合、図5(a)に示されるように、柱2の隅角部の曲面と板部41の端面との間の隙間を溶接用の開先Gとして活用して、一対の板部41のそれぞれが柱2の外周面2sに剛接合(ここでは溶接)されていてもよい。なお、本変形例においては、接合部材4の第3方向の幅は、例えば柱2の第3方向の幅と同程度(例えば同じ)である。
また、図5(b)に示されるように、柱2の平面と対向するように板部41の端面を加工することにより、柱2の平面と板部41の端面との間の隙間を溶接用の開先Gとして、一対の板部41のそれぞれが柱2の外周面2sに剛接合(ここでは溶接)されていてもよい。なお、本変形例においては、接合部材4の第3方向の幅は、例えば柱2の第3方向の幅よりもひとまわり小さい。
また、上記実施形態においては、接合部材4がボックス形状に形成されている場合を例示して説明したが、接合部材4の形状は限定されない。図6は、変形例に係る接合部材を示す断面図である。図6(a)及び図6(b)に示されるように、接合部材4は、板部42,43を備えていなくてもよい。換言すると、接合部材4は、第3方向(ここではY軸方向)に沿って梁3を挟んで互いに対向する一対の板部41のみを備えていてもよい。この場合、当該一対の板部41は、一対のフランジ32,33に直接剛接合(例えば溶接又は接着剤による接合)されていてもよい。
例えば、図6(a)に示されるように、接合部材4の第3方向の幅が、柱2の第3方向の幅と同程度(例えば同じ)であり、一対の板部41同士の間隔は、フランジ32(フランジ33)の第3方向の幅と同程度(例えば同じ)であることにより、一対の板部41が一対のフランジ32,33に直接剛接合(例えば溶接又は接着剤による接合)されていてもよい。
また、図6(b)に示されるように、一対の板部41がテーパー形状を呈していることにより、一対の板部41が一対のフランジ32,33に直接剛接合(例えば溶接)されていてもよい。具体的には、本変形例に係る接合部材4において、一対の板部41は、柱2の側壁部21Aから離れるにつれて接合部材4の第3方向の幅が縮小するテーパー形状を呈している。この場合、一対の板部41は、一対のフランジ32,33に剛接合される部分であって一対のフランジ32,33と並行して第2方向に沿って延在する延在部41tを有していてもよい。
また、接合構造は、第1構造部材として、円管形状の構造部材を備えていてもよいし、第2構造部材として、コ字形又はZ形状等の構造部材(例えば、溝形鋼、Z形鋼等)を備えていてもよい。また、接合構造は、管状の第1構造部材としての柱と、ウェブ及び一対のフランジを含む第2構造部材としての梁と、の接合に適用されてもよい。或いは、接合構造は、トラス等における上下弦材(第1構造部材)と束材(第2構造部材)との接合に適用されてもよい。
1…接合構造、2…柱(第1構造部材)、2s…外周面、3…梁(第2構造部材)、4…接合部材、31…ウェブ、32,33…フランジ、41…板部(第1板部)、42…板部(第2板部)、43…板部(第3板部)、44…ブラケット。

Claims (4)

  1. 第1方向を材軸方向とする管状の第1構造部材と、
    ウェブと前記第1方向に沿って前記ウェブを挟む一対のフランジとを含み、前記第1方向に交差する第2方向を材軸方向とする第2構造部材と、
    前記第1構造部材と前記第2構造部材とを互いに接合する接合部材と、
    を備え、
    前記接合部材は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に沿って前記第2構造部材を挟んで互いに対向する一対の第1板部を含み、
    前記一対の第1板部のそれぞれは、前記一対のフランジの両方に剛接合されるとともに、前記第2方向からみて前記第1構造部材の縁部に沿うように、前記第1構造部材の外周面に剛接合される、
    接合構造。
  2. 前記接合部材は、前記第1方向に沿って前記第2構造部材を挟んで互いに対向し、前記一対の第1板部同士を連結する第2板部及び第3板部を含み、
    一方の前記フランジには、前記第2板部が剛接合されており、
    他方の前記フランジには、前記第3板部が剛接合されており、
    前記一対の第1板部のそれぞれは、前記第2板部及び前記第3板部を介して前記一対のフランジに剛接合される、
    請求項1に記載の接合構造。
  3. 請求項2に記載の接合構造を用いた接合方法であって、
    前記第1構造部材と、当該第1構造部材の外周面に剛接合された前記一対の第1板部と前記一対の第1板部同士を連結させた前記第2板部とを含む略U字形状のブラケットと、を準備する第1構造部材準備工程と、
    前記第1構造部材準備工程において準備された前記ブラケットの前記一対の第1板部のそれぞれを、前記第2板部及び前記第3板部を介して前記一対のフランジの両方に剛接合することにより、前記第1構造部材と前記第2構造部材とを前記接合部材によって互いに接合する作業工程と、
    を備える、接合方法。
  4. 請求項2に記載の接合構造を用いた接合方法であって、
    前記第2構造部材と、当該第2構造部材における前記他方のフランジに剛接合された前記第3板部と、を準備する第2構造部材準備工程と、
    前記第2構造部材準備工程において準備された前記第2構造部材の前記一対のフランジの両方に、前記第2板部及び前記第3板部を介して前記一対の第1板部のそれぞれを剛接合することにより、前記第1構造部材と前記第2構造部材とを前記接合部材によって互いに接合する作業工程と、
    を備える、接合方法。
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