JP3605756B2 - 鋼管柱と鉄骨梁の接合構造 - Google Patents

鋼管柱と鉄骨梁の接合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼管柱と鉄骨梁の接合構造に関し、詳しくはビル構築物や各種構造物における角形鋼管柱や円形鋼管柱の柱面に溶接した外ダイアフラムと鉄骨梁とを溶接や高力ボルト等により接合してなる鋼管柱と鉄骨梁の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビル構築物や各種構造物等の鉄骨建造物における角形鋼管柱や円形鋼管柱(以下、鋼管柱と称する)と鉄骨梁の接合方法としては、鋼管柱と鉄骨梁フランジ部とを連結するダイアフラムが柱を横断しかつ柱の外側に所定長だけ突出した通しダイアフラム方式と、ダイアフラムが柱を貫通しない外ダイアフラム方式が知られている。前者の通しダイアフラム方式は、ダイアフラムの外側突出長が比較的短くてすむので、工場から現場への輸送がしやすく、施工上もダイアフラムが邪魔にならないなどの利点を有するが、ダイアフラムを柱に貫通させるために柱を一旦切断してダイアフラムを入れた後、再び柱の小口端を溶接しなければならないという煩わしさがある上、柱の最も応力的に厳しい個所に溶接部が位置する関係で、溶接や構造設計に厳しい条件が求められる。
【0003】
一方、後者の外ダイアフラム方式は、ダイアフラムの外側突出長が通しダイアフラム方式よりも長くなる関係で、工場から現場への輸送性に難点があり、施工上もダイアフラムが邪魔になるという問題はあるが、柱を切断せずにダイアフラムを柱面に溶接すればよいので、柱の強度維持が容易であり、耐震性とコスト的有利性のために広く採用される傾向にある。
【0004】
この外ダイアフラム方式は、例えば角形鋼管柱の場合を例に説明すると、図10(A)に示すように角形鋼管柱1の周りのダイアフラム2を一枚物ダイアフラムで構成し、ダイアフラム2中央に形成した挿入孔2aに柱1を通す一枚ダイアフラムタイプと、ダイアフラム2を小片4枚で構成して隣接する小片相互を角形鋼管柱1の角部近傍の溶接部W(図10(A)中に点線で示す)で溶接する分割ダ
イアフラムタイプとがある。いずれのタイプでも、図10(B)に示すように、通常は上下ダイアフラム2が鉛直スチフナー4で溶接連結されるとともに、この鉛直スチフナー4が角形鋼管柱1の柱面1aに垂直に溶接されてダイアフラム2が補強される。そしてH形鋼の鉄骨梁3のフランジ部3bとダイアフラム2、および、梁ウェブ部3aと鉛直スチフナー4とが、連結板5とボルト6にてそれぞれ連結される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のダイアフラム方式では、図10(B)のように鉄骨梁3に上下方向の曲げモーメントMが作用した場合に、この曲げモーメントMがダイアフラム2を介して柱面に対して引張力あるいは圧縮力として作用し、分割外ダイアフラム方式では、ダイアフラム2を小片4枚よりなる分割ダイアフラムで構成して隣接する小片相互を角形鋼管柱1における角部近傍の応力集中部の溶接部Wで溶接しているため、溶接熱影響等により強度および靭性が低下することが確認されている。また、ダイアフラム2と角形鋼管柱1との溶接は、角形鋼管柱1の角部で行われることにより、分割ダイアフラム同士の溶接と角形鋼管柱1および分割ダイアフラムの溶接とが重なることにより、さらに強度および靭性が低下し、この応力集中部で破断することがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ダイアフラムの応力集中部に溶接することを止めることにより、強度および靭性を確保し、施工性の高い分割型外ダイアフラム形式の鋼管柱と鉄骨梁の接合構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、鋼管柱の柱面に直交させて溶接された外ダイヤフラム形式の鋼管柱と鉄骨梁の接合構造において、上記鋼管柱は、角形鋼管柱であり、角形鋼管柱の任意の1柱面に直交する外ダイヤフラムは、前記1柱面に接続される鉄骨梁の位置で、一定の間隔のスリットが設けられることによって複数に分割され、各々の分割された外ダイヤフラムは、平板状の分割ダイヤフラムを構成し、前記分割ダイヤフラムは、前記1柱面に溶接される部分と、前記1柱面に隣接する隣接柱面に溶接される部分の、2つの部分が一体製作されたものであり、前記スリットに、鉄骨梁のウェブの応力を伝達するための鉛直スチフナーを挿入して、この鉛直スチフナーの角形鋼管柱側端面を角形鋼管柱の柱面に隅肉溶接するとともに、鉛直スチフナーの上下端部をこれと直交する分割ダイヤフラムの分割面部分に隅肉溶接し、この分割ダイヤフラムの先端部に鉄骨梁のフランジを接合したことを特徴とする。
【0008】
つまり、角形鋼管柱の隣接する2柱面に2本の鉄骨梁を同一高さで接合する場合において、隣接する2柱面のコーナー部に取り付けられる2枚の分割ダイアフラムを別体とするのではなく、初めから一体化しておくものである。このように、一体化された分割ダイアフラムを採用することにより、分割ダイアフラムの数を低減することができる。
【0009】
このように、1本の鉄骨梁を接合するダイアフラムを2分割した2枚の分割ダイアフラムは、その各々の先端部で1本の鉄骨梁のフランジ端部の半分ずつに接合される。鉄骨梁の上下方向の曲げモーメントは各分割ダイアフラムに水平方向の圧縮力あるいは引張力として作用するが、この圧縮力あるいは引張力は鋼管柱のフランジ面(前面)の鋼管間壁の面外抵抗力と鋼管ウェブ面(側面)に取り付けられるダイアフラムの引張りあるいは圧縮抵抗力により負担される。そして、応力集中部に溶接部が存在しないので、フランジの耐震性が向上する。
【0010】
また、このように、一対の分割ダイアフラムの分割面部分を一定のスリット間隔で対向させると、このスリット間隔に鉄骨梁のウェブ部を連結する連結板や鉛直スチフナー等を挿入することが可能となって、鉄骨梁のより多様な接合形態が選択できる。
【0011】
さらに、このように、一対の分割ダイアフラムの分割面部分を一定のスリット間隔で対向させ、このスリット間隔に鉄骨梁のウェブを連結する鉛直スチフナーを挿入して、分割ダイアフラムと鋼管柱とに隅肉溶接することにより、鉛直スチフナーによる応力伝達も期待できる。この場合、鉄骨梁から作用する圧縮力あるいは引張力は鋼管柱のウェブ面に伝達されるため、分割ダイアフラムのスリット部に接合された鉛直スチフナーのスカーラップ部の応力集中が緩和され、破断の起点となることが少ない。また、分割ダイアフラムと鋼管柱の溶接部において、伝達される圧縮力あるいは引張力に応じて、必要な溶接の脚長を設計することができるため、適切な設計が可能である。鉄骨梁の曲げあるいは剪断に対する耐震性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各種の実施形態について、図1ないし図9を参照して説明する。
【0013】
図1(A),(B)に示される第1の具体的実施形態の角形鋼管柱と鉄骨梁の
接合構造は、1本の角形鋼管柱1に4本の鉄骨梁3,…を直交状に接合する具体的構造を示し、角形鋼管柱1に溶接されて4本の鉄骨梁3,…を接合する上下一対の分割型外ダイアフラム(以下、ダイアフラムと称する)22,22を特徴とする。図2(A)(B)は、ダイアフラム22,22の形状を理解容易なように
、ダイアフラム22を一部分解して示す。上下一対のダイアフラム22,22は、同一形状で、各ダイアフラム22,22は角形鋼管柱1の柱面1aと直交する水平鋼板で、ある柱面1aの外周方向で幅方向の約1/2とその柱面1aに隣接する柱面1aの幅方向の約1/2の範囲に亘って取り付けられる4枚の分割ダイアフラム23,…で構成され、角形鋼管柱1の各柱面1aごとに左右一対の各分割ダイアフラム23,…の先端部で各1本の鉄骨梁3のフランジ部3bの端部が溶接で、あるいは、後述するように高力ボルト等の別部材を介して接合される。
【0014】
前記4枚の各分割ダイアフラム23,…は、角形鋼管柱1の柱面1aの外周方向左右に等分割された線対称の略蝶々形状で、ある柱面1aの幅方向の略中心から隣接する柱面1aの略中心までの外周方向約90度の範囲に延在し嵌着される略L字形の取付座部23a,23aと、この取付座部23a,23aから直交する鉄骨梁3,…の方向に延在する梁接合部23b,23bとを有する。これらの分割ダイアフラム23,…は、その取付座部23a,23aを柱面1aに溶接される。なお、溶接はI形溶接でも、K形溶接でもよく、これらの形態に限定されない。
【0015】
以上のように、4枚の分割ダイアフラム23,…を角形鋼管柱1に同一高さで水平に溶接したとき、隣り合う2枚の分割ダイアフラム23,23の互いに対向する分割面部分23c,23cの間に所定のスリット間隔gを形成して、各分割23,23同士を直接には溶接接合しない。
【0016】
前記分割ダイアフラム23,23間に形成されたスリットには、そのスリット間隔gに略等しい厚さの鉛直スチフナー30を挿入して、その角形鋼管柱1側端面を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を分割ダイアフラム23,23に隅肉溶接する。
【0017】
前記鉛直スチフナー30は、図1(B)および図2(B)に示すように、その高さ寸法が上側のダイアフラム22の上面と下側のダイアフラム22の下面間の寸法よりも若干大きく、かつ、その幅寸法が分割スチフナー23,23の梁接合部23bの長さ寸法と略同等に設定されている。したがって、鉛直スチフナー30の上下端部は上下のダイアフラム22,22の上下面から若干突出するとともに、角形鋼管柱1と反対側端面はダイアフラム22の端面と略一致している。したがって、上下のダイアフラム22,22と鉛直スチフナー30とを隅肉溶接する際に、鉛直スチフナー30の上下の突出端部を利用して、両者の隅肉溶接が容易に行える。なお、鉛直スチフナー30における角形鋼管柱1の柱面1a側の上下端部には、円弧状の切り欠き部31を有する。このような切り欠き部31を形しておくと、角形鋼管柱1の柱面1aに対する分割ダイアフラム23,23の隅肉溶接部と鉛直スチフナー30の隅肉溶接部とが交差しないので、隅肉溶接を容易に行うことができる。
【0018】
そして、図1(A),(B)に示すように、角形鋼管柱1の各柱面1aに接合
された、左右一対の分割ダイアフラム23,23の先端部にH形鋼の鉄骨梁3のフランジ部3bを突き合わせるとともに、鉛直スチフナー30の角形鋼管柱1の柱面1aと反対側端面にH形鋼の鉄骨梁3のウェブ部3aを突き合わせる。さらに、上記のようにして突き合わせた分割ダイアフラム23,23と鉄骨梁3のフランジ部3bとの上下両面にそれぞれカバープレート41,42を当てて、高力ボルト51で接合する。また、鉛直スチフナー30の両面と鉄骨梁3のウェブ部3aの両面にそれぞれウェブ継手板61を当てて、高力ボルト52で接合する。このとき、鉛直スチフナー30の上下面を上下ダイアフラム22,22の上下面から若干突出するようにしているから、カバープレート41,42の上面はスチ
フナー30の上面と略同一高さになる。
【0019】
上記実施形態の角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造によれば、上下一対のダイアフラム22,22に4本の鉄骨梁3,…を接合したとき、各鉄骨梁3から分割ダイアフラム23,23に加わる梁荷重の曲げモーメント、剪断力が取付座部23a,23aを介して荷重方向とほぼ平行な角形鋼管柱1の柱面1aに加わる。この梁荷重方向と平行な柱面1aに加わる剪断力に対する強度、耐荷重性は、取付座部23a,23aを柱面1aに隅肉溶接することで高度に安定して、常に高耐荷重性が確保される。また、取付座部23a,23aを梁荷重方向とほぼ平行な方向の柱面1aに隅肉溶接することで、十分な高耐荷重性が確保される。しかも、各ダイアフラム22,22の応力集中部である角形鋼管柱の角部近傍位置に溶接部が存在しないので、鉄骨梁に作用する曲げあるいは剪断に対する耐震性が大きい角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造が提供できる。
【0020】
図3(A),(B)は、他の具体的実施形態の平面図および側面図を示す。こ
の実施形態は、角形鋼管柱1の最上階端部に上下一対のダイアフラム22,22を隅肉溶接して取り付けたもので、図1(A),(B)および図2(A),(B)と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。なお、このように角形鋼管柱1の最上階端部に上下一対のダイアフラム22,22を隅肉溶接して取り付ける場合は、角形鋼管柱1の内部における上方のダイアフラム22と同一高さ位置に、内ダイアフラム70を隅肉溶接している。
【0021】
図4は角形鋼管柱1の柱面1aに大きさの異なる鉄骨梁3,3’を接合する場合の具体的実施形態を示す。即ち,角形鋼管柱1の上方には、図1〜図3と同様のダイアフラム22を隅肉溶接し、その下方には角形鋼管柱1の4柱面1aの例えば2柱面1aに大きな間隔で下方側のダイアフラム22を隅肉溶接するとともに、例えば残りの1柱面1aとその両隣の柱面1aに、小さな間隔で第2の下側ダイアフラム22を隅肉溶接したものである。それに伴なって、前記大きな間隔の上下ダイアフラム22,22における分割ダイアフラム23,23の分割面部分23c,23c間のスリット部分には、大きな鉛直スチフナー30が挿入されて、角形鋼管柱1の柱面1aおよび分割ダイアフラム23,23に隅肉溶接されている。また、前記小さな間隔の上下ダイアフラム22,22における分割ダイアフラム23,23の分割面部分23c,23c間のスリット部分には、小さな鉛直スチフナー30’が挿入されて、角形鋼管柱1の柱面1aおよび分割ダイアフラム23,23に隅肉溶接されている。そして、大きな間隔の上下ダイアフラム22,22には、大きな鉄骨梁3を突き合わせるとともに、小さな間隔の上下ダイアフラム22,22には、小さな鉄骨梁3’を突き合わせている。また、大きな鉛直スチフナー30と大きな鉄骨梁3のウェブ部3aとに跨って大きなウェブ継手板61を当てて高力ボルト52で接合し、小さな鉛直スチフナー30’と小さな鉄骨梁3’のウェブ部3aとに跨って小さなウェブ継手板62を当てて高力ボルト53で接合している。
【0022】
図5(A),(B)は角形鋼管柱1の3柱面1aに対して同一高さで3本の鉄骨梁3,…を接合する具体的実施形態を示す。図5(A),(B)において、上下一対のダイアフラム22,22は、一対の分割ダイアフラム23,23と、一対の分割ダイアフラム24,25とで構成されている。前者の分割ダイアフラム23,23は、図1〜図4の分割ダイアフラム23と同一形状であり、後者の分割ダイアフラム24,25は、前記分割ダイアフラム23を長さ方向の中心線で略分割したものである。より詳細に説明すると、後者の分割ダイアフラム24,25は、角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接される幅狭の取付座部24a,25aと、これらの取付座部24a,25aから延在する梁接合部24b,25bとを有する。前記2枚の分割ダイアフラム23,23が角形鋼管柱1の柱面1aの約180°範囲に水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接され、角形鋼管柱1の柱面1aの残りの約180°範囲に2枚の分割ダイアフラム24,25が水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接される。各分割ダイアフラム23,23の互いに対向する分割面部分23c,23cの間にはスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,23同士を直接には溶接接合しない。また、各分割ダイアフラム23,24の互いに対向する分割面部分の間および分割ダイアフラム23,25の互いに対向する分割面部分の間にも,それぞれスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,24相互および23,25相互を直接には溶接接合しない。そして、前記各スリットには、鉛直スチフナー30を挿入して、その鉛直端面部を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を各分割ダイアフラム23,23,24,25に隅肉溶接している。さらに、2枚の分割ダイアフラム23,23の対峙する先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。また、2枚の分割ダイアフラム24,25の先端とこの各先端部に対峙する2枚の分割ダイアフラム23,23の残りの先端部に2本の鉄骨梁3,3の各フランジ部3bが突き合わされるとともに、各鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面には鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。そして、各分割ダイアフラム23,23,24,25と鉄骨梁3,…のフランジ部3bとに跨ってカバープレート41,42を取り付けて、高力ボルト51で接合される。また、各鉛直スチフナー30と鉄骨梁3,…のウェブ部3aとに跨ってウェブ継手板61を取り付けて、高力ボルト52で接合されている。
【0023】
以上の左右一対の分割ダイアフラム24,25を角形鋼管柱1の柱面1aに溶接してダイアフラム22を形成すると、角形鋼管柱1の外面における約半分の領域はダイアフラム等の張り出し部材の無い空スペースを確保した柱面となるため、この角形鋼管柱1にダイアフラム22を工場溶接して運搬する際に、前記空スペースを利用することでダイアフラム22があまり邪魔をせず、角形鋼管柱1の運搬効率が良くなる。また、ダイアフラム22の板厚を大きくしてサイズの小型化を図れば、さらに運搬効率が良くなる。また、1本の鉄骨梁3を接合するためのダイアフラム22が角形鋼管柱1の外周の半周部分だけ形成されることになって、その全体サイズの縮小と材料の低減が可能になる。さらに、2分割された分割ダイアフラム24,25を所定のスリット間隔gで対向するようにして角形鋼管柱1に嵌着するようにすることで、分割ダイアフラム24,25の内周と角形鋼管柱1の外周の多少の相対寸法誤差がスリット間隔gで吸収されて、角形鋼管柱1の外周に分割ダイアフラム23,24,25をがた付きなく嵌着し溶接することが容易になる。なお、鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、各鉛直スチフナー30の上下端部を各分割23,23,24,25に隅肉溶接して、これらの鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1a側と反対側の鉛直端面に鉄骨梁3,…のウェブ部3aを接合することにより、鉄骨梁3,…の重力方向の荷重を鉛直スチフナー30と柱面1aとの余裕のある剪断力にて安定的に支持することができる。
【0024】
図6(A),(B)は角形鋼管柱1の3柱面1aに対して同一高さで3本の鉄骨梁3,…を接合する別の具体的実施形態を示す。 図6(A),(B)において、上下一対のダイアフラム22,22は、一対の分割ダイアフラム23,23と、一対の分割ダイアフラム24’,25’とで構成されている。前者の分割ダイアフラム23,23は、図1〜図5の分割ダイアフラム23と同一形状であり、後者の分割ダイアフラム24’,25’は、前記図5(A),(B)における分割ダイアフラム24,25の取付座部24a,25aを除去した矩形状を呈する両者同一形状のものである。前記2枚の分割ダイアフラム23,23が角形鋼管柱1の柱面1aの約180°範囲に水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接され、角形鋼管柱1の柱面1aにおける残りの約180°範囲に2枚の分割ダイアフラム24’,25’が水平に隅肉溶接される。各分割ダイアフラム23,23の互いに対向する分割面部分の間にはスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,23同士を直接には溶接接合しない。また、各分割ダイアフラム23,24’の互いに対向する分割面部分の間および分割ダイアフラム23,25’の互いに対向する分割面部分の間にも,それぞれスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,24’相互および23,25’相互を直接には溶接接合しない。そして、前記各スリットには、鉛直スチフナー30の上下端部を挿入して、鉛直端面部を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を各分割ダイアフラム23,23,24’,25’に隅肉溶接している。さらに、前記2枚の分割ダイアフラム24’,25’の外側端面と角型鋼管柱1の柱面1aの約中心との間に跨って補強板26,26が溶接接合されている。そして、図5(A),(B)と同様に2枚の分割ダイアフラム23,23の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。また、2枚の分割ダイアフラム24’,25’の先端とこの各先端部に対峙する2枚の分割ダイアフラム23,23の先端部に2本の鉄骨梁3,3の各フランジ部3bが突き合わされるとともに、各鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。そして、各分割ダイアフラム23,23,24’,25’と鉄骨梁3,…のフランジ部3bとに跨ってカバープレート41,42を取り付けて、高力ボルト51で接合される。また、各鉛直スチフナー30と鉄骨梁3,…のウェブ部3aとに跨ってウェブ継手板61を取り付けて、高力ボルト52で接合されている。
【0025】
以上の左右一対の分割ダイアフラム24’,25’を角形鋼管柱1の柱面1aに溶接してダイアフラム22を形成すると、角形鋼管柱1の柱面1aの外面における約半分の領域はダイアフラム等の張り出し部材の無い空スペースを確保した柱面となるため、この角形鋼管柱1にダイアフラム22を工場溶接して運搬する際に、前記空スペースを利用することでダイアフラム22があまり邪魔をせず、角形鋼管柱1の運搬効率が良くなる。また、ダイアフラム22の板厚を大きくしてサイズの小型化を図れば、さらに運搬効率が良くなる。また、1本の鉄骨梁3を接合するためのダイアフラム22が角形鋼管柱1の外周の半周部分だけ形成されることになって、その全体サイズの縮小と材料の低減が可能になる。さらに、2分割された分割ダイアフラム23,23同士と、2分割された分割ダイアフラム24’,25’と分割ダイアフラム23,23とを所定のスリット間隔gで対向するようにして角形鋼管柱1に隅肉溶接することで、一対の分割ダイアフラム23,23と一対の分割ダイアフラム24’,25’とを角形鋼管柱1の外周にがた付きなく溶接することが容易になる。なお、鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、各鉛直スチフナー30の上下端部を各分割ダイアフラム23,23,24’,25’に隅肉溶接して、これら鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1a側と反対側の鉛直端面に鉄骨梁3,…のウェブ部3aを突き合わせることにより、鉄骨梁3,…の重力方向の荷重を鉛直スチフナー30と柱面1aとの余裕のある剪断力にて安定的に支持することができる。
【0026】
図7(A),(B)は角形鋼管柱1の隣接する2柱面1aに対して同一高さで2本の鉄骨梁3,3を接合する具体的実施形態を示す。 図7(A),(B)において、上下一対のダイアフラム22,22は、1枚の分割ダイアフラム23と一対の分割ダイアフラム24,25とで構成されている。前者の分割ダイアフラム23は、図1〜図6の分割ダイアフラム23と同一形状であり、後者の分割ダイアフラム24,25は、図5の分割ダイアフラム24,25と同一形状である。前記1枚の分割ダイアフラム23が角形鋼管柱1の柱面1aの約90°範囲に水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接され、角形鋼管柱1の隣接する柱面1aの約1/2範囲に2枚の分割ダイアフラム24,25が水平に隅肉溶接される。各分割ダイアフラム23,24の互いに対向する分割面部分の間および各分割23,25の互いに対向する分割面部分の間にはそれぞれスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,24相互および分割ダイアフラム23,25相互を直接には溶接接合しない。そして、前記各スリットには、鉛直スチフナー30を挿入して、その鉛直端面部を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を各分割ダイアフラム23,24,25に隅肉溶接している。さらに、1枚の分割ダイアフラム23とこの先端部に対峙する分割ダイアフラム24の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。また、1枚の分割ダイアフラム23の先端部とこの先端部に対峙する1枚の分割ダイアフラム25の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。そして、各分割ダイアフラム23,24,25と鉄骨梁3,3のフランジ部3bとに跨ってカバープレート41,42を取り付けて、高力ボルト51で接合される。また、各鉛直スチフナー30と鉄骨梁3,3のウェブ部3aとに跨ってウェブ継手板61を取り付けて、高力ボルト52で接合されている。
【0027】
以上の左右一対の分割ダイアフラム24,25を角形鋼管柱1の柱面1aに溶接してダイアフラム22を形成すると、角形鋼管柱1の外面における約3/4の領域はダイアフラム等の張り出し部材の無い空スペースを確保した柱面となるため、この角形鋼管柱1にダイアフラム22を工場溶接して運搬する際に、前記空スペースを利用することでダイアフラム22があまり邪魔をせず、角形鋼管柱1の運搬効率が良くなる。また、ダイアフラム22の板厚を大きくしてサイズの小型化を図れば、さらに運搬効率が良くなる。また、1本の鉄骨梁3を接合するためのダイアフラム22が角形鋼管柱1の外周の約1/4周部分だけ形成されることになって、その全体サイズの縮小と材料の低減が可能になる。さらに、分割ダイアフラム24,25を分割ダイアフラム23に対して所定のスリット間隔gで対向するようにして角形鋼管柱1に嵌着するようにすることで、分割ダイアフラム24,25の内周と角形鋼管柱1の外周との多少の相対寸法誤差がスリット間隔gで吸収されて、角形鋼管柱1の外周に一対の分割ダイアフラム24,25をがた付きなく嵌着し溶接することが容易になる。なお、鉛直スチフナー30を角型鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、各鉛直スチフナー30の上下端部を各分割ダイアフラム23,24,25に隅肉溶接して、これらの鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1a側と反対側の鉛直端面に鉄骨梁3,3のウェブ部3aを突き合わせることにより、鉄骨梁3,3の重力方向の荷重を鉛直スチフナー30と柱面1aとの余裕のある剪断力にて安定的に支持することができる。
【0028】
図8(A),(B)は角形鋼管柱1の隣接する2柱面1aに対して同一高さで2本の鉄骨梁3,3を接合する別の具体的実施形態を示す。 図8(A),(B)において、上下一対のダイアフラム22,22は、1枚の分割ダイアフラム23と、一対の分割ダイアフラム24’,25’で構成されている。前者の分割ダイアフラム23は、図1〜図7の分割ダイアフラム23と同一形状であり、後者の分割ダイアフラム24’,25’は、図6(A),(B)における分割ダイアフラム24’,25’と同一形状のものである。前記1枚の分割ダイアフラム23が角形鋼管柱1の柱面1aの約90°範囲に水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接され、角形鋼管柱1の柱面1aの残りの約90°範囲に2枚の分割ダイアフラム24’,25’が水平に隅肉溶接される。各分割ダイアフラム23,24’の互いに対向する分割面部分の間および分割ダイアフラム23,25’の互いに対向する分割面部分の間にはそれぞれスリット間隔gを形成して、各分割ダイアフラム23,24’相互および分割ダイアフラム23,25’相互を直接には溶接接合しない。そして、前記各スリットには、鉛直スチフナー30を挿入して、その鉛直端面部を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を各分割ダイアフラム23,24’,25’に隅肉溶接している。さらに、前記2枚の分割ダイアフラム24’,25’の外側端面と角型鋼管柱1の柱面1aの約中心との間に跨って補強板26,26が溶接接合されている。そして、図7(A),(B)と同様に1枚の分割ダイアフラム23とこの先端部に対峙する分割ダイアフラム24’の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。また、1枚の分割ダイアフラム23の先端部とこの先端部に対峙する1枚の分割ダイアフラム25’の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、各鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。そして、各分割ダイアフラム23,24’,25’と鉄骨梁3,3のフランジ部3bとに跨ってカバープレート41,42を取り付けて、高力ボルト51で接合される。また、各鉛直スチフナー30と鉄骨梁3,3のウェブ部3aとに跨ってウェブ継手板61を取り付けて、高力ボルト52で接合されている。
【0029】
以上の左右一対の分割ダイアフラム24’,25’を角形鋼管柱1の柱面1aに溶接してダイアフラム22を形成すると、角形鋼管柱1の外面における約3/4の領域はダイアフラム等の張り出し部材の無い空スペースを確保した柱面となるため、この角形鋼管柱1にダイアフラム22を工場溶接して運搬する際に前記空スペースを利用することでダイアフラム22があまり邪魔をせず、角形鋼管柱1の運搬効率が良くなる。また、ダイアフラム22の板厚を大きくしてサイズの小型化を図れば、さらに運搬効率が良くなる。また、1本の鉄骨梁3を接合するためのダイアフラム22が角形鋼管柱1の外周の約1/4周部分だけ形成されることになって、その全体サイズの縮小と材料の低減が可能になる。さらに、分割ダイアフラム24’,25’を分割ダイアフラム23と所定のスリット間隔gで対向するようにして角形鋼管柱1に隅肉溶接することで、1枚の分割ダイアフラム23および一対の分割ダイアフラム24’,25’を角形鋼管柱1の外周にがた付きなく溶接することが容易になる。なお、鉛直スチフナー30を角型鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、各鉛直スチフナー30の上下端部を各分割ダイアフラム23,24’,25’に隅肉溶接して、これら鉛直スチフナー30の角形鋼管柱1の柱面1a側と反対側の鉛直端面に鉄骨梁3,3のウェブ部3aを突き合わせることにより、鉄骨梁3,3の重力方向の荷重を鉛直スチフナー30と柱面1aとの余裕のある剪断力にて安定的に支持することができる。
【0030】
図9(A),(B)は角形鋼管柱1の1柱面1aに対して1本の鉄骨梁3を接合する具体的実施形態を示す。 図9(A),(B)において、上下一対のダイアフラム22,22は、2枚の分割ダイアフラム24,25で構成されている。これらの分割ダイアフラム24,25は、図5、図7の分割ダイアフラム24,25と同一形状である。前記2枚の分割ダイアフラム24,25が角形鋼管柱1の1柱面1aとその両隣の柱面1aとに水平に嵌着されて部分的に隅肉溶接される。各分割ダイアフラム24,25の互いに対向する分割面部分の間にはスリット間隔gを形成して、分割ダイアフラム24,25相互を直接には溶接接合しない。そして、前記スリットには、鉛直スチフナー30を挿入して、その鉛直端面部を角形鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、その上下端部を各分割ダイアフラム24,25に隅肉溶接している。さらに、2枚の分割ダイアフラム24,25の先端部に1本の鉄骨梁3のフランジ部3bが突き合わされるとともに、鉛直スチフナー30の柱面1a側と反対側鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aが突き合わされる。そして、各分割ダイアフラム24,25と鉄骨梁3のフランジ部3bとに跨ってカバープレート41,42を取り付けて、高力ボルト51で接合される。また、各鉛直スチフナー30と鉄骨梁3のウェブ部3aとに跨ってウェブ継手板61を取り付けて、高力ボルト52で接合されている。
【0031】
以上の左右一対の分割ダイアフラム24,25を角形鋼管柱1の柱面1aに溶接してダイアフラム22を形成すると、角形鋼管柱1の外面における1柱面1a部分以外の領域はダイアフラム等の張り出し部材の無い空スペースを確保した柱面となるため、この角形鋼管柱1にダイアフラム22を工場溶接して運搬する際に、前記空スペースを利用することでダイアフラム22がほとんど邪魔をせず、角形鋼管柱1の運搬効率が良くなる。また、ダイアフラム22の板厚を大きくしてサイズの小型化を図れば、さらに運搬効率が良くなる。また、1本の鉄骨梁3を接合するためのダイアフラム22が角形鋼管柱1の外周の一部分だけに形成されることになって、その全体サイズの縮小と材料の低減が可能になる。さらに、分割ダイアフラム24,25を所定のスリット間隔gで対向するようにして角形鋼管柱1に嵌着するようにすることで、分割ダイアフラム24,25の内周と角形鋼管柱1の外周との多少の相対寸法誤差がスリット間隔gで吸収されて、角形鋼管柱1の外周に一対の分割ダイアフラム24,25をがた付きなく嵌着し溶接することが容易になる。なお、鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1aに隅肉溶接するとともに、各鉛直スチフナー30の上下端部を各分割ダイアフラム24,25に隅肉溶接して、これら鉛直スチフナー30の角型鋼管柱1の柱面1a側と反対側の鉛直端面に鉄骨梁3のウェブ部3aを突き合わせることにより、鉄骨梁3の重力方向の荷重を鉛直スチフナー30と柱面1aとの余裕のある剪断力にて安定的に支持することができる。
【0032】
なお、角形鋼管柱1に複数の鉄骨梁3を互いに段差を付けて接合する場合は、例えば図9(B)に一点鎖線で示すように1本の角形鋼管柱1に前記ダイアフラム22と、これと同じダイアフラム22’を互いに段差を付けて溶接して、各一対のダイアフラム22,22’に鉄骨梁3,3’を接合することが可能である。この場合、角形鋼管柱1の外面のダイアフラム22と反対側、および、他のダイアフラム22’の反対側が張り出し部材のない空スペースであるので、各ダイアフラム22,22’が相互に邪魔になることがなくて、両者共に角形鋼管柱1に容易に取り付けることができ、これにより段差のある角形鋼管柱と鉄骨梁との接合構造の設計が容易になる。
【0033】
なお、図示は省略するが、図9(A),(B)の変形例として、図6(A),(B)および図8(A),(B)に示すような分割ダイアフラム24’,25’と補強板26,26とを用いてもよい。
【0034】
上記実施形態は特定の構造について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく各種の変形が可能である。例えば、上記実施形態はいずれも、角形鋼管柱1の柱面1aの幅方向の中心に鉄骨梁3を接合する場合,即ち、角形鋼管柱1の柱面1aの幅方向の中心に鉛直スチフナー30を隅肉溶接する場合について説明したが、鉄骨梁3を偏心させて接合することもできる。この場合、偏心させる方向に応じて、分割ダイアフラム23,24,24’,25,25’の大きさを適宜変更すれば良い。
【0035】
また、上記実施形態に示すように、鉛直スチフナー30の上下端部をダイアフラム22の上面および下面から若干突出させれば、鉛直スチフナー30と分割ダイアフラム23,24,24’,25,25’とを隅肉溶接する際に前記突出部分を利用して隅肉溶接が容易に行えるが、鉛直スチフナー30の上下端部をダイアフラム22の上面および下面から突出させないようにすることもできる。そのような場合は、図1〜図9に示す2枚ずつのカバープレート41,42に代えて、それらを合わせた大きさのカバープレートを1枚の幅広鋼板で構成しても良い。
【0036】
さらに、以上の各実施形態においては、1本の鉄骨梁に対するダイアフラムと鉄骨梁との接合に、カバープレートやウェブ継手板等の別部品を使用したが、これら別部品を使用することなく、ダイアフラムと鉄骨梁のフランジ部および鉄骨梁のウェブ部と鉛直スチフナーとを直接に溶接接合してもよい。また、鉄骨梁はH形鋼の単一梁構造で説明したが、複梁や組立梁であってもよい。
【0037】
また、鉛直スチフナー30の角形鋼管柱1側上下角部には図示するように円弧状の切り欠き部31を設けているが、このようにすることにより前述のように鉛直スチフナー30と角形鋼管柱1との隅肉溶接部と、ダイアフラム22と角形鋼管柱1との隅肉溶接部との交差を避けることができ、溶接の作業性を向上できる。ただし、このように円弧状の切り欠き部31を設けないようにしても良い。
【0038】
また、カバープレート41,42は、図1〜図9に示すように、各分割ダイアフラム23,24,25,24’,25’の対峙する分割面部分から離隔させても良いが、分割面部分と一致させるようにしても良い。この場合、鉛直スチフナー30の上下端部をダイアフラム22,22の上面および下面から突出させて、この鉛直スチフナー30の上下端部をこれらのカバープレート41,42に溶接接合するようにしても良い。
【0039】
さらに、角形鋼管柱に2本の鉄骨梁を接合する場合、図7(A),(B)および図8(A),(B)に示すように角形鋼管柱の隣接する2柱面に各1本の鉄骨梁を互いに90°になるように接合する代わりに、角形鋼管柱の対向する2柱面に各1本の鉄骨梁を互いに180°になるように接合するようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、鋼管柱の柱面に直交させて溶接された外ダイアフラム形式の鋼管柱と鉄骨梁の接合構造において、上記鋼管柱は角形鋼管柱であり、角形鋼管柱の任意の柱面に直交する外ダイアフラムが、前記1柱面に接合される鉄骨梁の位置で2分割された平板状の分割ダイアフラムで構成され、分割ダイアフラムが前記1柱面からこの1柱面の隣りの柱面に対して延在して各柱面にその端面で水平状に溶接される2枚の平板状の分割ダイアフラムと、前記1柱面に隣接する別の1柱面に溶接される2枚の平板状の分割ダイアフラムの内、隣接する2柱面のコーナー部側に在って相互に隣接する2つの分割ダイアフラムが一体製作された1枚の分割ダイアフラムであり、上記分割ダイアフラムにおける角形鋼管柱の柱面と直交する方向の分割面部分を、一定のスリット間隔で分離対向させ、このスリットに、鉄骨梁のウェブの応力を伝達するための鉛直スチフナーを挿入して、この鉛直スチフナーの角形鋼管柱側端面を角形鋼管柱の柱面に隅肉溶接するとともに、鉛直スチフナーの上下端部をこれと直交する分割ダイアフラムの分割面部分に隅肉溶接し、この分割ダイアフラムの先端部に鉄骨梁のフランジを接合したことを特徴とする鋼管柱と鉄骨梁の接合構造であるから、従来の角形鋼管柱の角部で分割するとともに、その角部で溶接した分割型外ダイアフラムに比較し、応力集中部分である角形鋼管柱の角部近傍位置に溶接部をなくしたので、鉄骨梁の垂直方向に作用する曲げモーメントを外ダイアフラムの圧縮力あるいは引張力として鋼管柱のウェブ面(側面)に効果的に伝達することができ、鋼管柱のフランジ面(前面)の鋼管管壁の面外抵抗力と合わせて鉄骨梁曲げを確実に支持することができる。
【0041】
また、本発明は鋼管柱と分割型外ダイアフラムとの間の剪断抵抗にて鉄骨梁曲げモーメントを支持するため、鋼管柱に対する分割型外ダイアフラムの溶接強度条件を緩和でき、従来の高強度溶接である完全溶込溶接に代えて例えば隅肉溶接など施工期間と施工コストの面で有利な溶接方法を採用することが可能となる。
【0042】
さらに、分割型外ダイアフラムの各分割ダイアフラムの間にスリット間隔を積極的に形成することで、このスリット間隔に鉄骨梁のウェブ部を連結する連結板や鉛直スチフナーを挿入して溶接接合することにより、耐震性に優れた鋼管柱と鉄骨梁の接合構造が提供できる。
【0043】
さらにまた、各分割ダイアフラムが前記1柱面からこの1柱面の隣りの柱面に対して延在して各柱面にその端面で水平状に溶接される2枚の平板状の分割ダイアフラムと、前記1柱面に隣接する別の1柱面に溶接される2枚の平板状の分割ダイアフラムの内、隣接する2柱面のコーナー部側に在って相互に隣接する2つの分割ダイアフラムが一体製作された1枚の分割ダイアフラムであるので、分割ダイアフラムの数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図2】(A)は図1の実施形態の接合構造における分割型外ダイアフラムの構造を理解しやすいように一部を分解した平面図、(B)はその側面図である。
【図3】(A)は本発明の第2の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図4】本発明の第3の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における側面図である。
【図5】(A)は本発明の第4の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図6】(A)は本発明の第5の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図7】(A)は本発明の第6の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図8】(A)は本発明の第7の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図9】(A)は本発明の第8の具体的実施形態に係る角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造における平面図、(B)はその側面図である。
【図10】(A)は従来の角形鋼管柱と鉄骨梁の接合構造を示す平面図、(B)はその側面図である。
【符号の説明】
1 鋼管柱(角形鋼管柱)
1a 柱面
3,3’ 鉄骨梁
3a ウェブ部
3b フランジ部
22,22’ 分割型外ダイアフラム
23,24,24’,25,25’ 分割ダイアフラム
23a,24a,25a 取付座部
23b,24b,25b 梁接合部
23c,24c,25c 分割面部分
30 鉛直スチフナー
41,42 カバープレート
50,51,52 高力ボルト
61,62 ウェブ継手板
70 内ダイアフラム

Claims (1)

  1. 鋼管柱の柱面に直交させて溶接された外ダイヤフラム形式の鋼管柱と鉄骨梁の接合構造において、上記鋼管柱は、角形鋼管柱であり、角形鋼管柱の任意の1柱面に直交する外ダイヤフラムは、前記1柱面に接続される鉄骨梁の位置で、一定の間隔のスリットが設けられることによって複数に分割され、各々の分割された外ダイヤフラムは、平板状の分割ダイヤフラムを構成し、前記分割ダイヤフラムは、前記1柱面に溶接される部分と、前記1柱面に隣接する隣接柱面に溶接される部分の、2つの部分が一体製作されたものであり、前記スリットに、鉄骨梁のウェブの応力を伝達するための鉛直スチフナーを挿入して、この鉛直スチフナーの角形鋼管柱側端面を角形鋼管柱の柱面に隅肉溶接するとともに、鉛直スチフナーの上下端部をこれと直交する分割ダイヤフラムの分割面部分に隅肉溶接し、この分割ダイヤフラムの先端部に鉄骨梁のフランジを接合したことを特徴とする鋼管柱と鉄骨梁の接合構造。
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