JP2020094087A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。【解決手段】ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)、リン酸エステルの3級アミン塩(D)及びラジカル重合開始剤(E)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)であって、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が10〜40重量%、(B)の含有量が30〜50重量%、(C)の含有量が10〜40重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
従来、液晶ディスプレイに使用されるプリズムシートや、プロジェクションTVに使用されるフレネルレンズ及びレンチキュラーレンズといった光学レンズは、金型内面に樹脂基材がセットされた型内に硬化性組成物を流し込み、活性エネルギー線を照射し、硬化させることで製造されている(例えば特許文献1参照)。
このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
しかし、一般に、金型離型性と樹脂基材への密着性とは相反する性能であり、従来の硬化性組成物では、硬化後に、プラスチック基材(特にポリイミド樹脂製基材)への十分な密着性と、十分な金型離型性を両立させることができないことが課題であった。
このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
しかし、一般に、金型離型性と樹脂基材への密着性とは相反する性能であり、従来の硬化性組成物では、硬化後に、プラスチック基材(特にポリイミド樹脂製基材)への十分な密着性と、十分な金型離型性を両立させることができないことが課題であった。
本発明の目的は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)、リン酸エステルの3級アミン塩(D)及びラジカル重合開始剤(E)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)であって、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が10〜40重量%、(B)の含有量が30〜50重量%、(C)の含有量が10〜40重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
即ち、本発明は、ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)、リン酸エステルの3級アミン塩(D)及びラジカル重合開始剤(E)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)であって、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が10〜40重量%、(B)の含有量が30〜50重量%、(C)の含有量が10〜40重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性組成物の硬化物は、プラスチック基材との密着性に優れ、かつ、金型離型性に優れるという効果を奏する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の第1の必須成分であるウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)としては、ポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(z)を構成原料として得られるウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)は、金型離型性の観点から、ポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)を反応させて得られる2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(w)と水酸基含有(メタ)アクリレート(z)とをウレタン化反応させて形成されるウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記することがある。)は、好ましくは500〜10,000であり、更に好ましくは1,200〜6,000である。
なお、本発明における(A)のMnは、例えばゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフ「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフ「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(w)は、ポリオール(x)とポリイソシアネート(y)を反応させることにより得られ、ポリオール(x)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(z)とポリイソシアネート(y)との反応における水酸基/イソシアネート基当量比は、好ましくは0.45〜0.99、更に好ましくは0.50〜0.97である。この範囲であると、金型離型性に優れる。
ウレタンプレポリマー(w)の構成原料となるポリオール(x)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられ、ポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、下記の脂肪族2価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(x1)、ポリオキシアルキレングリコール(x2)及び2価フェノール化合物のAO付加物(AO2〜20モル)(x3)が挙げられる。
脂肪族2価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(x1)
(x1)としては、脂肪族2価アルコールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記する場合がある。AOの炭素数は2〜4が好ましい。以下同様。)1〜20モル付加物等が挙げられる。より詳しくは、1,4−ブタンジオールのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する場合がある。)5モル付加物、1,6−ヘキサンジオールのプロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」と略記する場合がある。)5モル付加物、及びネオペンチルグリコールのブチレンオキサイド5モル付加物等が挙げられる。
(x1)としては、脂肪族2価アルコールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記する場合がある。AOの炭素数は2〜4が好ましい。以下同様。)1〜20モル付加物等が挙げられる。より詳しくは、1,4−ブタンジオールのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する場合がある。)5モル付加物、1,6−ヘキサンジオールのプロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」と略記する場合がある。)5モル付加物、及びネオペンチルグリコールのブチレンオキサイド5モル付加物等が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコール(x2)
(x2)としては、ポリオキシエチレングリコール(Mn400)、ポリオキシプロピレングリコール(Mn600)及びポリオキシテトラメチレングリコール(Mn1,000)等が挙げられる。
(x2)としては、ポリオキシエチレングリコール(Mn400)、ポリオキシプロピレングリコール(Mn600)及びポリオキシテトラメチレングリコール(Mn1,000)等が挙げられる。
2価フェノール化合物のAO付加物(AO2〜20モル)(x3)
(x3)としては、2価フェノール化合物[単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物、ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−SのEO又はPO2モル各付加物等]等が挙げられる。
(x3)としては、2価フェノール化合物[単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物、ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−SのEO又はPO2モル各付加物等]等が挙げられる。
これらのポリエーテルポリオール(x1)のうち、耐傷付性(傷の回復性)の観点から好ましいのは(x2)と(x3)であり、更に好ましくは(x2)である。
ウレタンプレポリマー(w)の構成原料となるポリオール(x)のMnは、金型離型性の観点から、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは、700〜4,000である。
ウレタンプレポリマー(w)の構成原料となるポリイソシアネート(y)としては、下記の(y1)〜(y4)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート(y1)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI又はMDI−H)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びダイマー酸ジイソシアネート等。
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI又はMDI−H)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びダイマー酸ジイソシアネート等。
芳香族ポリイソシアネート(y2)
1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4, 4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等。
1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4, 4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等。
脂肪族ポリイソシアネート(y3)
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等。
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等。
芳香脂肪族ポリイソシアネート(y4)
m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等。
m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等。
これらのポリイソシアネート(y)のうち、金型離型性の観点から、好ましくは脂環式ポリイソシアネート(y1)であり、更に好ましくはIPDI及び水添MDIであり、特に好ましくは水添MDIである。
ポリオール(x)及びポリイソシアネート(y)の反応における水酸基/イソシアネート基当量比は、好ましくは0.45〜0.99、更に好ましくは0.50〜0.97、特に好ましくは0.55〜0.95である。当量比が0.45以上では硬化時の収縮率が小さくなり、基材との密着性がより良好となり、0.99以下であると(メタ)アクリレート(B)及び(メタ)アクリレート(C)との相溶性が良好となる。
上記(x)及び(y)の反応で得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(w)に、更に水酸基含有(メタ)アクリレート(z)を反応させて、本発明の必須成分のウレタン基と2〜6個の(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリロイル基含有モノマー(A)を得ることができる。
ウレタンプレポリマー(w)と反応させる水酸基含有(メタ)アクリレート(z)としては、下記の(z1)等が挙げられる。
(ポリ)オキシアルキレン(メタ)アクリレート(z1)としては、 (メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル及びこれらのAO付加物等が挙げられる。
これらの(ポリ)オキシアルキレン(メタ)アクリレート(z1)のうち、金型離型性の観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルであり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルである。
ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)の製造においては、ウレタン化触媒を用いてもよい。ウレタン化触媒としては、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物及び有機チタン化合物等)、3級アミン、アミジン化合物及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(A)の重量に基づいて、好ましくは1重量%以下、反応性、透明性の観点から、更に好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは、0.05〜0.2重量%である。
(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の第2の必須成分であるウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)は、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基有していれば特に制限はない。
前記の(メタ)アクリレート(B)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(B)の内、硬化物のプラスチック基材への密着性の観点から好ましくは、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートであり、更に好ましくはベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートである。
前記の(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の第3の必須成分であるウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)は、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基有していれば特に制限はないが、ビスフェノールAにアルキレンオキサイドを1〜20モル付加したジオールの(メタ)アクリル酸とのジエステルが好ましい。
前記の好ましい(メタ)アクリレート(C)としては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する場合がある。)2モル付加物、4モル付加物、6モル付加物、8モル付加物、10モル付加物、14モル付加物及び20モル付加物、並びにビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」と略記する場合がある。)2モル付加物、4モル付加物、6モル付加物、8モル付加物、10モル付加物、14モル付加物及び20モル付加物等のビスフェノールAにアルキレンオキサイドを付加したジオールの(メタ)アクリル酸とのジエステルが挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(C)の内、耐水性の観点から好ましいのは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物、4モル付加物及び6モル付加物、並びにビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物、4モル付加物、6モル付加物及び8モル付加物等のビスフェノールAにアルキレンオキサイドを付加したジオールの(メタ)アクリル酸とのジエステルである。
前記の(メタ)アクリレート(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の(メタ)アクリレート(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の第4の必須成分であるリン酸エステルの3級アミン塩(D)は、リン酸モノエステル化合物又はリン酸ジエステル化合物の3級アミン塩であれば特に化学構造は限定されない。
構成成分であるリン酸エステルとしては、モノ又はジメチルリン酸エステル、モノ又はジエチルリン酸エステル、モノ又はジイソプロピルリン酸エステル、モノ又はジブチルリン酸エステル、モノ又はジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノ又はジイソデシルリン酸エステル、フェノール類のリン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、プロピル化フェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、及びトリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等]、オキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物とフェノール(又はアルキルフェノール)との反応生成物である芳香族縮合リン酸エステル化合物(レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート及びビスフェノールAビス-ジフェニルホスフェート等)等が挙げられる。
また、構成成分である3級アミンとしては、3級脂肪族アミン、1級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物及び2級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等であり、詳しくは、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン等が挙げられる。
リン酸エステルの3級アミン塩(D)としては、金型離型剤の観点から、好ましくは、リン酸エステルとして2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル、トリデカノールエチレンオキサイド10モル付加物のリン酸エステルであり、3級アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミンである化合物の組み合わせからなる塩である。
前記のリン酸エステルの3級アミン塩は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
構成成分であるリン酸エステルとしては、モノ又はジメチルリン酸エステル、モノ又はジエチルリン酸エステル、モノ又はジイソプロピルリン酸エステル、モノ又はジブチルリン酸エステル、モノ又はジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノ又はジイソデシルリン酸エステル、フェノール類のリン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、プロピル化フェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、及びトリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等]、オキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物とフェノール(又はアルキルフェノール)との反応生成物である芳香族縮合リン酸エステル化合物(レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート及びビスフェノールAビス-ジフェニルホスフェート等)等が挙げられる。
また、構成成分である3級アミンとしては、3級脂肪族アミン、1級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物及び2級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等であり、詳しくは、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン等が挙げられる。
リン酸エステルの3級アミン塩(D)としては、金型離型剤の観点から、好ましくは、リン酸エステルとして2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル、トリデカノールエチレンオキサイド10モル付加物のリン酸エステルであり、3級アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミンである化合物の組み合わせからなる塩である。
前記のリン酸エステルの3級アミン塩は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の第5の必須成分であるラジカル重合開始剤(E)としては、光重合開始剤(E1)及び熱重合開始剤(E2)等が挙げられる。
光重合開始剤(E1)としては、ベンゾイン化合物(E1−1)、アルキルフェノン化合物(E1−2)、アントラキノン化合物(E1−3)、チオキサントン化合物(E1−4)、ケタール化合物(E1−5)、ベンゾフェノン化合物(E1−6)、ホスフィンオキシド(E1−7)及びオキシムエステル系化合物(E1−8)等が挙げられる。
ベンゾイン化合物(E1−1)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
アルキルフェノン化合物(E1−2)としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アントラキノン化合物(E1−3)としては、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等が挙げられる。
チオキサントン化合物(E1−4)としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
ケタール化合物(E1−5)としては、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物(E1−6)としては、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド及び4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
ホスフィンオキシド(E1−7)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフォィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物(E1−8)としては、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)及びエタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
熱重合開始剤(E2)としては、有機過酸化物(E2−1)及びアゾ系開始剤(E2−2)等が挙げられる。
有機過酸化物(E2−1)としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジラウロイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系開始剤(E2−2)としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン及びアゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
また、有機過酸化物は、還元剤〔重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体及び塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]及び有機性還元剤[アスコルビン酸、3級アミン(ジメチルアミノ安息香酸(塩)及びジメチルアミノエタノール等)等]等〕と組み合わせることにより、レドックス反応により硬化性組成物(X)を硬化することも可能である。
熱重合開始剤(E2)を単独で用いる場合は、公知の方法でラジカル熱重合を行えばよく、光重合開始剤(E1)と併用する場合は、光硬化させた後に更に反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
これらのラジカル重合開始剤(E)のうち、硬化性組成物(X)を硬化する工程時間が短縮できる観点から光重合開始剤(E1)が好ましい。
光重合開始剤(E1)のうち、硬化物が黄変しにくいという耐光性の観点から好ましいのは、アルキルフェノン化合物(E1−2)及びホスフィンオキシド(E1−7)であり、更に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及びビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、特に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである。
ラジカル重合開始剤(E)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤(E1)のうち、硬化物が黄変しにくいという耐光性の観点から好ましいのは、アルキルフェノン化合物(E1−2)及びホスフィンオキシド(E1−7)であり、更に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及びビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、特に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである。
ラジカル重合開始剤(E)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の硬化性組成物(X)が含有する前記の(メタ)アクリレート(A)の重量割合は、金型離型性の観点から、前記(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは20〜40重量%である。
本発明の硬化性組成物(X)が含有する前記の(メタ)アクリレート(B)の重量割合は、プラスチック基材との密着性の観点から、前記(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、好ましくは30〜60重量%、更に好ましくは40〜50重量%である。
本発明の硬化性組成物(X)が含有する前記の(メタ)アクリレート(C)の重量割合は、金型離型性の観点から、前記(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは20〜30重量%である。
本発明の硬化性組成物(X)が含有する前記のリン酸エステルの3級アミン塩(D)の重量割合は、プラスチック基材への密着性と金型離型性の観点から、前記(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.8重量%である。
前記のラジカル重合開始剤(E)の重量割合は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは0.8〜8重量%である。
0.5重量%以上であれば、耐水性が良好であり、10重量%以下であると離型性が良好である。
0.5重量%以上であれば、耐水性が良好であり、10重量%以下であると離型性が良好である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収剤等が挙げられる。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば前記の(メタ)アクリレート(A)、前記の(メタ)アクリレート(B)、前記の(メタ)アクリレート(C)、リン酸エステルの3級アミン塩(E)、前記のラジカル重合開始剤(E)、前記の添加剤を、公知の機械的混合方法(メカニカルスターラー及びマグネティックスターラー等を用いる方法)を用いて均一混合することで、製造することができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、前記硬化性組成物(X)を硬化した硬化物である。硬化方法は、例えば、熱、活性エネルギー線が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物(X)は、硬化させることで、好適には光学部品として使用可能な成形体を製造することができるため、光学部品用として好ましい。
光学部品としては、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、プリズム、光ファイバー及び感光性光導波路等があげられる。
本発明の硬化物は、前記硬化性組成物(X)を硬化した硬化物である。硬化方法は、例えば、熱、活性エネルギー線が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物(X)は、硬化させることで、好適には光学部品として使用可能な成形体を製造することができるため、光学部品用として好ましい。
光学部品としては、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、プリズム、光ファイバー及び感光性光導波路等があげられる。
本発明の硬化性組成物(X)を硬化させて、光学部品等に好適な成形体(すなわち、本発明の硬化物)を製造する方法について説明する。
本発明の硬化性組成物(X)を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、成形体が微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズ等である場合には、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物(X)を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物(X)を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、成形体が微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズ等である場合には、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物(X)を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
より具体的な成形体の製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物(X)を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20〜50℃、好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20〜150μmとなるように温調済みの硬化性組成物(X)を塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。なお、ラジカル重合開始剤(C)として、熱重合開始剤(D2)を含有する場合は、50〜250℃に加熱することによっても該塗膜を硬化させることができる。
その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
本発明の硬化性組成物(X)を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20〜50℃、好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20〜150μmとなるように温調済みの硬化性組成物(X)を塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。なお、ラジカル重合開始剤(C)として、熱重合開始剤(D2)を含有する場合は、50〜250℃に加熱することによっても該塗膜を硬化させることができる。
その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
プラスチック基材(透明フィルムを含む)としては、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート及びポリシクロオレフィン等の樹脂を用いて構成されるもの等が挙げられる。
これらのプラスチック基材の内、本発明の硬化性組成物(X)との密着性の観点から好ましいのは、ポリイミド及びトリアセチルセルロース等の樹脂を用いて構成されるものである。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
これらのプラスチック基材の内、本発明の硬化性組成物(X)との密着性の観点から好ましいのは、ポリイミド及びトリアセチルセルロース等の樹脂を用いて構成されるものである。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
本発明における活性エネルギー線としては、熱線、活性光線及び電子線等が挙げられる。また、活性光線とは250nm〜830nmの波長を有する紫外線を意味する。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から、好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から、好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
本発明の硬化性組成物(X)の硬化物は、プラスチック基材との密着性(特にポリイミド樹脂製基材との密着性)に優れ、かつ、金型離型性が優れているため、光学部材及び電気・電子部材として有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等として有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等として有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
により測定した。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgelMultipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgelMultipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
また、製造例1〜4において、イソシアネート含有量は、試料に残存するイソシアネート基の重量を試料の重量に対する重量割合で表したものであり、JIS K 1603−1に記載のイソシアネート基含有率(%)の測定方法に準拠して測定した。
<製造例1:ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A−1)の製造>
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製、以降、PTMGと略記する]65.0重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製、以降、MDIHと略記する]26.6重量部、触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)の2−エチルヘキサン酸50重量%溶液[商品名:ネオスタンU−600、日東化成(株)製]を0.5重量部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含有量が5.65%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8体積%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以降、HEAと略記する)を8.4重量部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含有量が0.01%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−1)を得た。(A−1)のMnは3,100であった。
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製、以降、PTMGと略記する]65.0重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製、以降、MDIHと略記する]26.6重量部、触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)の2−エチルヘキサン酸50重量%溶液[商品名:ネオスタンU−600、日東化成(株)製]を0.5重量部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含有量が5.65%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8体積%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以降、HEAと略記する)を8.4重量部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含有量が0.01%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−1)を得た。(A−1)のMnは3,100であった。
<製造例2:ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A−2)の製造>
製造例1において、PTMGに代えてビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP2P、三洋化成工業(株)製、以降、BP2Pと略記する]36.1重量部を、MDIHに代えてキシリレンジイソシアナート[商品名:タケネ−ト 500、三井化学(株)製、以降、XDIと略記する]39.5重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から24.4重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−2)を得た。(A−4)のMnは4,400であった。
製造例1において、PTMGに代えてビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP2P、三洋化成工業(株)製、以降、BP2Pと略記する]36.1重量部を、MDIHに代えてキシリレンジイソシアナート[商品名:タケネ−ト 500、三井化学(株)製、以降、XDIと略記する]39.5重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から24.4重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−2)を得た。(A−4)のMnは4,400であった。
<製造例3:ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A−3)の製造>
製造例1において、MDIHに代えて3−イソシアナートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、エボニックジャパン(株)製、以降、IPDIと略記する]を27.4重量部を用い、PTMGの添加量を65.0重量部から46.2重量部に変更し、HEAの添加量を8.4重量部から16.9重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−3)を得た。(A−3)のMnは1,600であった。
製造例1において、MDIHに代えて3−イソシアナートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、エボニックジャパン(株)製、以降、IPDIと略記する]を27.4重量部を用い、PTMGの添加量を65.0重量部から46.2重量部に変更し、HEAの添加量を8.4重量部から16.9重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−3)を得た。(A−3)のMnは1,600であった。
<製造例4:ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A−4)の製造>
製造例1において、PTMGに代えてBP2P54.0重量部を、MDIHに代えてIPDI41.3重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から4.5重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−4)を得た。(A−4)のMnは4,600であった。
製造例1において、PTMGに代えてBP2P54.0重量部を、MDIHに代えてIPDI41.3重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から4.5重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−4)を得た。(A−4)のMnは4,600であった。
<実施例1及び比較例1>
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、実施例1の硬化性組成物(X−1)及び比較例1の比較用の硬化性組成物(X’−1)を得た。
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、実施例1の硬化性組成物(X−1)及び比較例1の比較用の硬化性組成物(X’−1)を得た。
<実施例2〜9及び比較例2〜6>
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、硬化性組成物(X−2)〜(X−9)及び比較用の硬化性組成物(X’−2)〜(X’−6)を得た。
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、硬化性組成物(X−2)〜(X−9)及び比較用の硬化性組成物(X’−2)〜(X’−6)を得た。
(B−1)ベンジルアクリレート[商品名「ファンクリルFA−BZA」、日立化成(株)製、平均官能基数1]
(B−2)フェノキシエチルアクリレート[商品名「ビスコート#192,PEA」、大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数1]
(B−2)フェノキシエチルアクリレート[商品名「ビスコート#192,PEA」、大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数1]
(C−1):ビスフェノールA EO4モル付加物のジアクリレート[商品名:ネオマーBA?641、三洋化成工業(株)製、官能基数2、m+n=4]
(C−2):ビスフェノールA EO20モル付加物のジアクリレート[商品名「ニューフロンティア BPE-20」、第一工業製薬(株)製、官能基数2、m+n=20]
(C−2):ビスフェノールA EO20モル付加物のジアクリレート[商品名「ニューフロンティア BPE-20」、第一工業製薬(株)製、官能基数2、m+n=20]
(D−1)2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル[商品名「AP−8」、大八化学(株)製]と、N,N−ジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」との塩
(D−2)トリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」との塩
(D−2)トリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」との塩
(E2):ジ−t−ブチルパーオキサイド[商品名「パーブチルD」、日油(株)製]
(E1−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
(E1−2):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(E1−3):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(E1−4):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
(E1−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
(E1−2):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(E1−3):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(E1−4):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
実施例1〜9の硬化性組成物(X−1)〜(X−9)及び比較例1〜6の比較用の硬化性組成物(X’−1)〜(X’−6)について、硬化物のプラスチック基材との密着性、金型離型性を下記の方法で測定し、評価した。結果を表1に示す。
[プラスチック基材との密着性の評価]
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルム以上の面積になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ500μmの平坦なポリカーボネート製の基材フィルムとして、パンライトPC−1151[帝人(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルム(フィルムと密着した硬化物)を得た。
(4)評価用のフィルムを低温恒温恒湿機[型番「TPAV−48−20」(株)いすゞ製作所製]により、85℃85%RHの条件下で200時間静置し、取り出したフィルムを25±5℃、60±20%RHで1時間以上静置した。
(5)(4)において1時間以上静置した硬化物をJIS K 5600−5−6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25個のマスに透明感圧付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
(5)JIS K 5600−5−6に準拠し、(4)で透明感圧付着テープを引きはがした試験片に、再度、透明感圧付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数え、(4)でのマス目と(5)でのマス目とから、以下の判定基準でプラスチック基材との密着性の評価性を評価した。
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルム以上の面積になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ500μmの平坦なポリカーボネート製の基材フィルムとして、パンライトPC−1151[帝人(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルム(フィルムと密着した硬化物)を得た。
(4)評価用のフィルムを低温恒温恒湿機[型番「TPAV−48−20」(株)いすゞ製作所製]により、85℃85%RHの条件下で200時間静置し、取り出したフィルムを25±5℃、60±20%RHで1時間以上静置した。
(5)(4)において1時間以上静置した硬化物をJIS K 5600−5−6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25個のマスに透明感圧付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
(5)JIS K 5600−5−6に準拠し、(4)で透明感圧付着テープを引きはがした試験片に、再度、透明感圧付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数え、(4)でのマス目と(5)でのマス目とから、以下の判定基準でプラスチック基材との密着性の評価性を評価した。
判定基準
◎:(4)の試験後も、(5)の試験後もフィルム上にマス目25個全部が残っている。
○:(4)の試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っているが、(5)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
×:(4)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
◎:(4)の試験後も、(5)の試験後もフィルム上にマス目25個全部が残っている。
○:(4)の試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っているが、(5)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
×:(4)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
[金型離型性の評価]
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、厚さが50μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルム以上の面積になるように塗工)。
(2)厚さ100μmの平坦なPET樹脂製の基材フィルムとして、PET A4300[東洋紡(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化物を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で確認し、以下の判定基準で金型離型性を評価した。
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、厚さが50μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルム以上の面積になるように塗工)。
(2)厚さ100μmの平坦なPET樹脂製の基材フィルムとして、PET A4300[東洋紡(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化物を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で確認し、以下の判定基準で金型離型性を評価した。
判定基準
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、剥離が容易で、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがある又は凹凸の転写が再現できていない。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
PET樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854−1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、PET樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、剥離が容易で、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがある又は凹凸の転写が再現できていない。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
PET樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854−1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、PET樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
表1の結果から、実施例1〜9の本発明の硬化性組成物(X)の硬化物は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れていることが分かる。
一方、比較用の硬化性組成物(X’−1)〜(X’−5)はプラスチック基材との密着性が悪い。比較用の硬化性組成物(X’−6)は、金型離型性が悪い。
一方、比較用の硬化性組成物(X’−1)〜(X’−5)はプラスチック基材との密着性が悪い。比較用の硬化性組成物(X’−6)は、金型離型性が悪い。
本発明の硬化性組成物(X)の硬化物は、プラスチック基材との密着性(特にポリイミド樹脂製基材との密着性)に優れ、かつ、金型離型性が優れているため、光学部材及び電気・電子部材として有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品も、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品も、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
Claims (3)
- ウレタン結合を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン結合を有さず芳香環を有し、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)、リン酸エステルの3級アミン塩(D)及びラジカル重合開始剤(E)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)であって、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が10〜40重量%、(B)の含有量が30〜50重量%、(C)の含有量が10〜40重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 前記(メタ)アクリレート(B)が、ベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレートを含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
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JP2012207124A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Sanyo Chem Ind Ltd | 光学部品成型用紫外線硬化性樹脂組成物 |
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