JP2020088901A - ロータ - Google Patents
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Abstract
Description
拘束部材は、端面板の外周部に形成された凹部に係止部が入り込むことにより端面板に固定されるので、係止部よりも軸方向におけるロータの外側において、端面板は、拘束部材に覆われずに外周面が露出した露出部を有する。ロータのアンバランス量を測定した後に、この露出部を切削加工することにより、ロータのアンバランスを調整できる。すなわち、拘束部材を取り付けた状態であっても、露出部を使用してロータのアンバランスを高精度に調整できる。
したがって、ロータの外周部に配置された永久磁石を補強するとともにロータのバランス調整が可能なロータを提供できる。
拘束部材は、端面板の外周部に形成された凹部に係止部が入り込むことにより端面板に固定されるので、係止部よりも軸方向におけるロータの外側において、端面板は、拘束部材に覆われずに外周面が露出した露出部を有する。ロータのアンバランス量を測定した後に、この露出部を切削加工することにより、ロータのアンバランスを調整できる。すなわち、拘束部材を取り付けた状態であっても、ロータのアンバランスを高精度に調整できる。
したがって、ロータの外周部に配置された永久磁石を補強するとともにロータのバランス調整が可能なロータを提供できる。
(モータ)
図1は、モータ1の断面図である。
モータ1は、軸線Cを中心とした円筒状に形成されている。なお、以降の説明において、モータ1の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という場合がある。モータ1は、筒状のモータハウジング(不図示)の内部に収容されている。モータ1は、ステータ2と、ロータ3と、を有する。
ステータ2は、モータ1の径方向における外側に配置されている。ステータ2は、軸線Cを中心とした環状に形成されている。ステータ2の外周部は、上述した不図示のモータハウジングの内周面に取り付けられている。
ステータ2は、ステータコア5と、コイル6と、ケース7と、を備える。
第一ケース71は、軸方向一方側に配置されたステータコア5の端面及び外周面を覆っている。第一ケース71は、環状に形成されている。第一ケース71は、例えば66ナイロンやPPS等の耐熱性の樹脂により形成されている。第一ケース71は、壁部75と、当接部76と、バスバー保持部77と、を有する。
当接部76は、壁部75よりも径方向内側において、壁部75に接した状態で設けられている。当接部76は、ステータコア5の軸方向における一方側の端面に当接している。
バスバー保持部77は、壁部75及び当接部76よりも軸方向の一方側に設けられている。バスバー保持部77は、不図示のバスバーを保持している。本実施形態において、バスバー保持部77は、軸方向に3個形成されている。3個のバスバー保持部77は、軸方向において等間隔に並んでいる。バスバー保持部77に配置されたバスバーの一端は、上述したコイル6に接続される。バスバーの他端は、外部の電力供給部に接続される。これにより、コイル6には、バスバーを介して外部からの電力が供給される。
このように形成されたケース7(第一ケース71及び第二ケース72)は、それぞれ接着剤によりステータコア5に固定されている。なお、ステータコア5とケース7との固定方法は、ネジ固定や圧入等であってもよい。
図2は、ロータ3の断面図である。ロータ3は、軸線Cと同軸の円柱状に形成されている。ロータ3は、ステータ2の径方向内側において、ステータ2との間にエアギャップを設けた状態で配置されている。ロータ3は、ステータ2に対して、軸線Cを回転中心として回転自在に配置されている。ロータ3は、シャフト10と、永久磁石20と、端面板30と、拘束部材40と、を有する。
永久磁石20は、シャフト10の嵌合面10aに軽圧入されている。永久磁石20は、筒状に形成されている。永久磁石20と、ステータ2のコイル6と、の間に磁界が作用することにより、ステータ2に対してロータ3が回転する。
第一端面板31は、永久磁石20の軸方向他方側の端面に当接している。第一端面板31は、環状に形成されている。第一端面板31の内周面は、シャフト10の嵌合面10aに圧入されている。第一端面板31の外径は、永久磁石20の外径よりも大きい。第一端面板31の外周部には、径方向の内側に向かって凹む凹部33が形成されている。凹部33は、周方向の全周に亘って形成されている。凹部33は、断面U字状に形成されている。本実施形態において、凹部33は、第一端面板31の軸方向における中間部に形成されている。凹部33の径方向の深さ寸法は、後述する拘束部材40の径方向の厚み寸法よりも大きい。第一端面板31は、凹部33よりも軸方向の外側(永久磁石20から離間する方向)に露出部34を有する。露出部34の範囲については後述する。
拘束部材40の端部は、凹部33よりも軸方向におけるロータ3の外側に位置している。端面板30のうち、拘束部材40の端部よりも軸方向の外側に位置する部分が露出部34とされている。換言すれば、露出部34は、端面板30のうち係止部41よりも軸方向の外側において外周面が露出した部分を指す。
次に、上述したロータ3の作用、効果について説明する。
従来、高回転化が要求されるモータ1において、回転の遠心力による永久磁石20の割れ及びロータ3の重量アンバランスによる振動、騒音の抑制が課題として残されていた。
本実施形態によれば、ロータ3は、永久磁石20及び端面板30の外周部を覆う拘束部材40を有するので、拘束部材40により、シャフト10の外周部に配置された永久磁石20の回転時における割れ、飛散及び膨出等を抑制できる。これにより、永久磁石20の保持力を向上するとともに永久磁石20の外周部を補強することができる。また、拘束部材40は端面板30に固定されるので、外径精度の悪い永久磁石20の外周に拘束部材40を固定する場合と比較して拘束部材40を確実に固定でき、振動や騒音を抑制したロータ3とすることができる。
したがって、ロータ3の外周部に配置された永久磁石20を補強するとともにロータ3のバランス調整が可能なロータ3を提供できる。
本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係るロータ3の断面図である。本実施形態では、拘束部材40の固定方法が上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、拘束部材40の係止部41は、拘束部材40の端部が凹部33に入り込むことにより形成される折曲げ部43である。折曲げ部43は、軸方向に平行な拘束部材40の端部から、凹部33内に沿って約90°折り曲げられている。
本発明に係る第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態に係るロータ3の軸方向他方側から見た断面斜視図である。本実施形態では、端面板30が第一バランス調整部81を有する点で上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、端面板30(第一端面板31及び第二端面板32)は、凹部33よりも軸方向の外側において、内部にバランス調整材を注入可能な第一バランス調整部81を有する。換言すれば、第一バランス調整部81は、端面板30の露出部34に設けられている。第一バランス調整部81は、端面板30の外周面から径方向内側に向かって凹んだ穴である。第一バランス調整部81は、周方向に複数形成されている。
なお、上述した第一バランス調整部81の構成は、軸方向一方側に位置する第二端面板32にも同様に設けられている。第二端面板32における第一バランス調整部81は、第一端面板31における第一バランス調整部81と軸方向に対象の構成とされているため、第二端面板32については図示及び説明を省略する。
本発明に係る第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態に係るロータ3の軸方向他方側から見た断面斜視図である。本実施形態では、端面板30が第二バランス調整部82を有する点で上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、端面板30(第一端面板31及び第二端面板32)は、凹部33よりも軸方向の外側において、内部にバランス調整材を注入可能な第二バランス調整部82を有する。換言すれば、第二バランス調整部82は、端面板30の露出部34に設けられている。第二バランス調整部82は、端面板30の軸方向外側を向く端面から軸方向内側に向かって凹んだ穴である。第二バランス調整部82は、周方向に複数形成されている。
なお、上述した第二バランス調整部82の構成は、軸方向一方側に位置する第二端面板32にも同様に設けられている。第二端面板32における第二バランス調整部82は、第一端面板31における第二バランス調整部82と軸方向に対象の構成とされているため、第二端面板32については図示及び説明を省略する。
例えば、上述の実施形態では第一端面板31と第二端面板32とが設けられる構成について説明したが、これに限られない。第二端面板32はなくてもよい。この場合、永久磁石20の軸方向一方側の端面が、シャフト10の突出部10bに当接している。拘束部材40の軸方向一方側の係止部41は、永久磁石20の軸方向一方側の端面に沿って折り曲げられた折曲げ部43とされている。
第一バランス調整部81及び第二バランス調整部82は、周方向に連続する溝状に形成されてもよい。
10 シャフト
10a 嵌合面(シャフトの外周部)
20 永久磁石
30 端面板
33 凹部
34 露出部
40 拘束部材
41 係止部
42 凹曲部
43 折曲げ部
81 第一バランス調整部(バランス調整部)
82 第二バランス調整部(バランス調整部)
C 軸線
Claims (5)
- 軸線を回転中心とするシャフトと、
前記シャフトの外周部に配置される永久磁石と、
前記永久磁石における前記軸線の軸方向の端面に接して配置され、外周部に前記軸線の径方向の内側に向かって凹む凹部を有する端面板と、
前記永久磁石の外周部と前記端面板の外周部とを覆い、前記凹部に入り込むことで前記端面板に係止される係止部を有する拘束部材と、
を備え、
前記端面板は、前記係止部よりも前記軸方向の外側において、外周面が露出した露出部を有することを特徴とするロータ。 - 前記係止部は、前記拘束部材が前記凹部に沿って凹んだ凹曲部であることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
- 前記係止部は、前記拘束部材の端部が前記凹部に入り込むことにより形成される折曲げ部であることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
- 前記凹部の前記径方向の深さ寸法は、前記拘束部材の前記径方向の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータ。
- 前記端面板は、前記凹部よりも前記軸方向の外側において、内部にバランス調整材を注入可能なバランス調整部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロータ。
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