JP2007202371A - ロータおよびその製造方法、回転電機および内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石の外周側に飛散防止用の管状部材が設けられるロータにおいて、ロータ高回転時の磁石破壊強度向上のために磁石の軸方向に付与する軸圧縮力を保持する。
【解決手段】ロータ310は、磁石311と、磁石311の外周に設けられ、該磁石311の飛散を抑制する管状部材312と、磁石311の軸方向において該磁石311を挟持するように設けられ、磁石311とともに管状部材312に圧入される圧入部分を有するリング313,314とを備える。そして、磁石311にはリング313,314を介して軸方向の圧縮力が付与され、管状部材312は、磁石311とリング313,314の圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】ロータ310は、磁石311と、磁石311の外周に設けられ、該磁石311の飛散を抑制する管状部材312と、磁石311の軸方向において該磁石311を挟持するように設けられ、磁石311とともに管状部材312に圧入される圧入部分を有するリング313,314とを備える。そして、磁石311にはリング313,314を介して軸方向の圧縮力が付与され、管状部材312は、磁石311とリング313,314の圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロータおよびその製造方法、回転電機および内燃機関に関し、特に、磁石を有するロータおよびその製造方法、ならびに該ロータを備えた回転電機および内燃機関に関する。
回転軸の外周表面に磁石を配置したロータが従来から知られている。この種のロータにおいては、高速回転時の遠心力による磁石の破損、飛散を防止するため、磁石の外周に非磁性の管状部材(飛散防止管)が設けられている。
このようなロータ構造において、ロータ保護管内に挿入した磁石に対して軸方向に圧縮力を付与した状態で、磁石の両端を押さえる部材を備える構成が特表2001−513315号公報(特許文献1)に開示されている。
特表2001−513315号公報
実開平6−31350号公報
特開2000−102201号公報
特開平9−168247号公報
このように、磁石に対して軸方向から圧縮力を付与した状態で磁石の両端を押さえることで、磁石に常に圧縮応力を付与することができ、ロータの高回転時に磁石に作用する遠心力やその他の外乱外力に対する破壊強度が向上する。一方、このような効果を維持するためには、磁石の両端を押さえる部材が弛むことなく、初期に付与した軸方向の圧縮力が開放されないように保持し続ける必要がある。従来の技術では、磁石の両端を押さえる部材は、ロータ保護管の内周との接触面での摩擦力のみで支持されており、十分な保持力が得られなかった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、管状部材内に挿入した磁石に対して軸方向から圧縮力を付与した状態で、磁石の両端を押さえる部材を備えるロータ構造において、上記部材の保持力を高め、上記部材による磁石の軸方向の圧縮力を保持することを目的とする。
本発明に係るロータは、磁石と、磁石の外周に設けられ、該磁石の飛散を抑制する管状部材と、磁石の軸方向において該磁石を挟持するように設けられ、磁石とともに管状部材に圧入される圧入部分を有する複数の圧入部材とを備え、磁石には圧入部材を介して軸方向の圧縮力が付与され、管状部材は、磁石と複数の圧入部材における圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている。
上記構成によれば、圧入部分よりも磁石の軸方向に突出する突出部が管状部材の両端に形成される。そして、この突出部が、その近傍の圧入部の拡管により自然に径方向内側に曲がることにより、圧入部材を管状部材の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部によるくさび効果により保持することができ、圧入部材の保持力を高めることができる。
上記ロータにおいて、好ましくは、圧入部材は、圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加する拡管機能部を有する。
これにより、磁石および圧入部材の圧入時に、圧入部材と別に管状部材の内径を広げる拡管器を設ける必要がなく、圧入時の作業工程が短縮できる。
上記ロータにおいて、好ましくは、圧入部分の軸方向端部における管状部材に隣接する部分に面取り加工部が設けられる。
これにより、径方向内側に変形した管状部材の突出部と圧入部分との接触面積が増大する。この結果、圧入部材の保持力がさらに向上する。
上記ロータにおいて、好ましくは、管状部材の軸方向端部を径方向内側に曲げる機械加工が施される。これにより、より強固な圧入部材の保持力を得ることができる。また、圧入時に付与されていた磁石の軸方向圧縮力を若干増大させることができる。
本発明に係るロータの製造方法は、磁石と該磁石の両端に位置する複数の圧入部材とを管状部材に圧入して得られるロータの製造方法であって、管状部材を、磁石の軸方向長さと複数の圧入部材における管状部材に圧入される圧入部分の軸方向長さとの合計よりも長い軸方向長さを有する円筒形状で形成する工程と、磁石の両端から該磁石を複数の圧入部材で挟持する工程と、磁石と複数の圧入部材とを一体で管状部材に圧入する工程と、磁石に圧入部材を介して軸方向の圧縮力を付与する工程とを備える。
ここで、磁石に圧縮力を付与する工程は、磁石および圧入部材を管状部材に圧入する前に行なわれてもよいし、磁石および圧入部材を管状部材に圧入した後に行なわれてもよい。
上記方法によれば、磁石と圧入部材とを圧入した状態で、圧入部分に対して管状部材の軸方向端部を突出させることができる。そして、この突出部が、その近傍の圧入部の拡管により自然に径方向内側に曲がることにより、圧入部材を管状部材の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部によるくさび効果により保持することができ、圧入部材の保持力を高めることができる。
上記ロータの製造方法において、好ましくは、磁石と圧入部材とを管状部材に圧入する工程は、圧入部材における圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加するように形成された拡管機能部により管状部材の内径を広げながら行なわれる。
これにより、磁石および圧入部材の圧入時に、圧入部材と別に管状部材の内径を広げる拡管器を設ける必要がなく、圧入時の作業工程が短縮できる。
上記ロータの製造方法において、1つの例として、磁石に軸方向の圧縮力を付与する工程は、磁石と圧入部材とに組立用ボルトを通し、組立用ナットを締め付ける工程を含む。
本発明に係る回転電機は、上述したロータ、または、上述したロータの製造方法により製造されたロータと、ロータの周囲に設けられたステータとを備える。これにより、圧入部材の保持力の高いロータを備えた回転電機が得られる。
本発明に係る内燃機関は、タービンシャフトを有する過給機と、タービンシャフトの回転をアシストする回転電機とを備え、回転電機は、タービンシャフトに固定されるロータと、ロータの周囲に設けられるステータとを有し、ロータは、磁石と、磁石の外周に設けられ、該磁石の飛散を抑制する管状部材と、磁石と該磁石の軸方向に並ぶように設けられ、磁石とともに管状部材に圧入される圧入部分を有する複数の圧入部材とを有し、磁石には圧入部材を介して軸方向の圧縮力が付与され、管状部材は、磁石と複数の圧入部材における圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている。
上記構成では、圧入部分よりも磁石の軸方向に突出する突出部が管状部材の両端に形成される。そして、該突出部がその近傍の圧入部の拡管により自然に径方向内側に曲がることにより、圧入部材を管状部材の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部によるくさび効果により保持することができ、圧入部材の保持力を高めることができる。
本発明によれば、管状部材内に挿入した磁石に対して軸方向から圧縮力を付与した状態で、磁石の両端を押さえる部材を備えるロータ構造において、上記部材の保持力を高め、上記部材による磁石の軸方向の圧縮力を保持することができる。
以下に、本発明に基づくロータおよびその製造方法、回転電機および内燃機関の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るロータを含む回転電機をターボチャージャ付きエンジンに組付けたシステムの概略構成を示す図である。該システムは、図1に示すように、吸気管110および排気管120を含むエンジン100と、吸気管110内および排気管120内にホイールを含むターボチャージャ200と、ターボチャージャ200と同軸上に配置された表面磁石型電動機300と、インバータ400と、システム全体を制御するECU500とを含んで構成される。表面磁石型電動機300は、回転軸の外周表面に磁石を配置したロータを有する電動機である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るロータを含む回転電機をターボチャージャ付きエンジンに組付けたシステムの概略構成を示す図である。該システムは、図1に示すように、吸気管110および排気管120を含むエンジン100と、吸気管110内および排気管120内にホイールを含むターボチャージャ200と、ターボチャージャ200と同軸上に配置された表面磁石型電動機300と、インバータ400と、システム全体を制御するECU500とを含んで構成される。表面磁石型電動機300は、回転軸の外周表面に磁石を配置したロータを有する電動機である。
図1に示されるシステムでは、エンジン100から排出される排気エネルギーにより、排気管120側のホイールであるタービンホイールを回転させ、この動力によって、吸気管110側のホイールであるコンプレッサホイールを回転させる。このようにすることで、エンジン100に圧縮空気を供給して、充填効率を高めることができる。上記システムでは、さらに、排気のエネルギーが十分でない場合等に、表面磁石型電動機300により、タービンホイールとコンプレッサホイールとを連結するタービンシャフトを強制的に回転させる。表面磁石型電動機300への電力は、インバータ400から供給される。ECU500は、インバータ400の動作を制御する。
排気管120には、タービンホイールを避けて迂回するバイパスが設けられている。バイパスの入口近傍には、ウエイストゲートバルブ130が配置されている。過給の必要がない場合等においては、ウエイストゲートバルブ130が開弁される。
上記のようなシャフトのアシスト用の電動機を含むシステムにおいては、電動機のロータは、タービンシャフトとともに高速回転(たとえば20万rpm程度)し、ロータ(たとえば直径20mm程度)の側面近傍に位置する磁石に作用する遠心力が大きくなる傾向にある。これに対し、タービンシャフトとは別に設けた軸上に電動機を配置してタービンシャフトに動力を伝達するシステムや、ワンウェイクラッチなどを設けて、タービンシャフトとの連れ回りを防ぐシステムが考えられる。このようなシステムによれば、電動機の回転数を比較的低く抑えることができる。しかしながら、数十万rpmにおよぶ回転数で作動するタービンシャフトに対応する動力伝達機構やワンウェイクラッチを得るのは困難であり、このようなシステムの構築は難しい。したがって、表面磁石型電動機300のロータは、タービンシャフトとともに高速回転することになる。
図2は、表面磁石型電動機300を示した断面図である。図2を参照して、表面磁石型電動機300は、ロータ310と、ロータの外周に設けられたステータ320と、ロータ310を回動可能に支持する軸受330とを含んで構成される。
ロータ310は、磁石311と、磁石の外周側に位置する管状部材312と、磁石311を該磁石の軸方向において挟持するように設けられ、磁石311とともに管状部材312に圧入される圧入部分を有するリング313,314と、シャフト315とを含む。管状部材312は、磁石311の破損や飛散を防止するための飛散防止管であって、たとえばチタンやカーボンファイバなどの非磁性材料により構成される。リング313,314の圧入部分は磁石311とほぼ同径である。軸受330は、それぞれシャフト315を支持する軸受331,332を含む。
上述したように、表面磁石型電動機300のロータ310は、高速で回転する。したがって、ロータ310に含まれる磁石311に圧縮力を印加して、遠心力、外乱外力等に対する破壊余裕度を向上させることは重要である。
これに対し、ロータ310においては、リング313,314に挟持された磁石311を管状部材312に圧入し、リング313,314を介して磁石311に軸方向の圧縮力を与えている。そして、ロータ310においては、後述する「くさび効果」により、リング313,314の保持力を向上させている。
図3は、ロータ310における「くさび効果」を説明するための図である。図3を参照して、本実施の形態に係るロータ310においては、管状部材312は、磁石311およびリング313,314の圧入部分の全長よりも長く形成されている。換言すると、ロータ310においては、リング313の圧入部分313Aよりも突出する突出部312Aが管状部材312に形成されている。なお、リング314側については図3には図示しないが、図3に示す状態と同様の状態である。このようにすることで、突出部312Aがロータ310の径方向内側に曲がるように変形する。この結果、リング313,314を、管状部材312の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部312Aにより保持し、リング313,314の保持力を高く保つことができる。以上が「くさび効果」の内容である。この「くさび効果」により、磁石に高い圧縮応力を付与し続けることができるので、遠心力、外乱外力に対する磁石の破壊余裕度が向上する。
次に、ロータ310を含む表面磁石型電動機300の製造方法について説明する。
図4は、表面磁石型電動機300の製造工程を示したフロー図である。また、図5〜図9は、それぞれ、表面磁石型電動機300の製造工程における各工程の状態を示した図である。
図4は、表面磁石型電動機300の製造工程を示したフロー図である。また、図5〜図9は、それぞれ、表面磁石型電動機300の製造工程における各工程の状態を示した図である。
図4〜図9を参照して、ステップ10(以下、「S10」のように略す。)において、磁石311を組付け用のリング313,314で挟持する(図5)。その後、S11において、磁石311およびリング313,314を、組立用ボルト316および組立用ナット317により締結する。これにより、磁石311およびリング313,314に圧縮力が付与される(図6)。そして、S20において、組立用ボルト316および組立用ナット317が組み付けられた状態で、磁石311およびリング313,314を、飛散防止管である管状部材312に圧入する(図7)。その後、S21において、組立用ボルト316および組立用ナット317が取り外される(図8)。そして、S30において、回転軸であるシャフト315および軸受330が装着され、ロータ310が固定される(図9)。
図10は、表面磁石型電動機300の製造工程の変形例を示したフロー図である。図10を参照して、S10において、磁石311を組付け用のリング313,314で挟持する。その後、S20において、磁石311およびリング313,314を、飛散防止管である管状部材312に圧入する。さらに、S22において、磁石311およびリング313,314の圧入後(または圧入の最終段階)に、リング313,314に軸方向の外力を加えて磁石の軸方向に必要な圧縮力を付与する。そして、S30において、回転軸であるシャフト315および軸受330が装着され、ロータ310が固定される。
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る「内燃機関」としてのエンジン100は、タービンシャフトを有するターボチャージャ200と、タービンシャフトの回転をアシストする「回転電機」としての表面磁石型電動機300とを備える。表面磁石型電動機300は、タービンシャフトに固定されるロータ310と、ロータ310の周囲に設けられるステータ320とを有する。ロータ310は、磁石311と、磁石311の外周に設けられ、該磁石311の飛散を抑制する管状部材312と、磁石311の軸方向において該磁石311を挟持するように設けられ、磁石311とともに管状部材312に圧入される圧入部分を有する「圧入部材」としてのリング313,314とを備える。そして、磁石311にはリング313,314を介して軸方向の圧縮力が付与され、管状部材312は、磁石311と圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている。
また、本実施の形態に係るロータ310の製造方法は、磁石311と該磁石311の両端に位置するリング313,314とを管状部材312に圧入して得られるロータの製造方法であって、管状部材312を、磁石311の軸方向長さとリング313,314における管状部材312に圧入される圧入部分の軸方向長さとの合計よりも長い軸方向長さを有する円筒形状で形成する工程と、磁石311の両端から該磁石311をリング313,314で挟持する工程(S10)と、磁石311とリング313,314とを一体で管状部材312に圧入する工程(S20)と、磁石311にリング313,314を介して軸方向の圧縮力を付与する工程(S11,S21,S22)とを備える。さらに、シャフト315および軸受330を装着する工程(S30)を経て、表面磁石型電動機300が得られる。
上記ロータの製造方法において、磁石311に圧縮力を付与する工程は、典型的には、磁石311とリング313,314とに組立用ボルト316を通し、組立用ナット317を締め付けることで磁石311に軸力を付与する工程(S11)を含む。
本実施の形態に係るロータ310によれば、突出部312Aが、その近傍の圧入部の拡管により自然に径方向内側に曲がることにより、リング313,314を管状部材312の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部312Aによるくさび効果により保持することができ、リング313,314の保持力を高めることができる。
また、本実施の形態に係るロータの製造方法によれば、磁石311とリング313,314とを圧入した状態で、圧入部分に対して管状部材312の軸方向端部を突出させることができる。そして、この突出部が、その近傍の圧入部の拡管により自然に径方向内側に曲がることにより、リング313,314を管状部材312の内周との接触面での摩擦力だけでなく、径方向内側に曲がった突出部によるくさび効果により保持することができ、圧入部材の保持力を高めることができる。
(実施の形態2)
図11,図12は、それぞれ、実施の形態2に係るロータ310の製造工程における第1と第2工程を示した図である。図11,図12を参照して、本実施の形態においては、リング313に「拡管機能部」としての拡管部313Bが設けられ、拡管部313Bにより管状部材312の内径を広げながら、磁石311およびリング313,314を管状部材312に圧入している。拡管部313Bは、リング313の圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加するように形成されている。磁石311およびリング313,314の管状部材312への圧入時には、管状部材312の内径を広げる拡管機能が必要となるが、上記の様に、リング313に拡管機能を持たせることで、リング313,314と別に拡管器を設ける場合と比較して、圧入時の作業工程を短縮することができる。なお、図11,図12では、リング313にのみ拡管部313Bを設けた例について説明したが、リング314にも同様の拡管部を設けてもよい。この場合、リング313,314を同形状にすることができるので、左右のバランスを向上させ、また、部品点数の増加を抑制することができる。また、拡管部313Bの形状は、図11,図12に示すものに限定されず、たとえば、図13に示すような形状の拡管部313Bが設けられてもよい。
図11,図12は、それぞれ、実施の形態2に係るロータ310の製造工程における第1と第2工程を示した図である。図11,図12を参照して、本実施の形態においては、リング313に「拡管機能部」としての拡管部313Bが設けられ、拡管部313Bにより管状部材312の内径を広げながら、磁石311およびリング313,314を管状部材312に圧入している。拡管部313Bは、リング313の圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加するように形成されている。磁石311およびリング313,314の管状部材312への圧入時には、管状部材312の内径を広げる拡管機能が必要となるが、上記の様に、リング313に拡管機能を持たせることで、リング313,314と別に拡管器を設ける場合と比較して、圧入時の作業工程を短縮することができる。なお、図11,図12では、リング313にのみ拡管部313Bを設けた例について説明したが、リング314にも同様の拡管部を設けてもよい。この場合、リング313,314を同形状にすることができるので、左右のバランスを向上させ、また、部品点数の増加を抑制することができる。また、拡管部313Bの形状は、図11,図12に示すものに限定されず、たとえば、図13に示すような形状の拡管部313Bが設けられてもよい。
また、上記以外の事項については、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
(実施の形態3)
図14は、実施の形態3に係るロータ310における、リング313の圧入部分313Aを示した断面図である。図14を参照して、本実施の形態に係るロータ310は、実施の形態1に係るロータ310の変形例であって、リング313における圧入部分313Aの軸方向端部に面取り加工部Rが設けられていることを特徴とする。なお、リング314側については図14には図示しないが、図14に示す状態と同様の状態である。
図14は、実施の形態3に係るロータ310における、リング313の圧入部分313Aを示した断面図である。図14を参照して、本実施の形態に係るロータ310は、実施の形態1に係るロータ310の変形例であって、リング313における圧入部分313Aの軸方向端部に面取り加工部Rが設けられていることを特徴とする。なお、リング314側については図14には図示しないが、図14に示す状態と同様の状態である。
このようにすることで、径方向内方に変形した管状部材312とリング313の圧入部分313Aとの接触面積が増大する。この結果、「くさび効果」が増大し、リング313,314の保持力が向上する。
なお、面取り加工部Rは、図14に示されるようなR形状であってもよいし、テーパ形状であってもよい。
また、上記以外の事項については、実施の形態1,2と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
(実施の形態4)
図15は、実施の形態4に係るロータ310の製造工程における途中工程の状態を示した断面図である。図15を参照して、本実施の形態に係るロータ310においては、リング313の圧入部分313Aに軸方向圧縮力を加えるように、管状部材312の軸方向端部に位置する突出部312Aを内側に曲げる機械加工(カシメ加工)が施される。このようにすることで、より強固なリング313,314の保持力を得ることができる。なお、リング314側については図15には図示しないが、図15に示す状態と同様の状態である。また、図15の例では、圧入部分313Aの軸方向端部に面取り加工部Rが設けられているが、面取り加工部Rが設けられない状態で、上記カシメ加工が施されてもよい。
図15は、実施の形態4に係るロータ310の製造工程における途中工程の状態を示した断面図である。図15を参照して、本実施の形態に係るロータ310においては、リング313の圧入部分313Aに軸方向圧縮力を加えるように、管状部材312の軸方向端部に位置する突出部312Aを内側に曲げる機械加工(カシメ加工)が施される。このようにすることで、より強固なリング313,314の保持力を得ることができる。なお、リング314側については図15には図示しないが、図15に示す状態と同様の状態である。また、図15の例では、圧入部分313Aの軸方向端部に面取り加工部Rが設けられているが、面取り加工部Rが設けられない状態で、上記カシメ加工が施されてもよい。
図16は、本実施の形態に係る表面磁石型電動機300の製造工程を示したフロー図である。図16を参照して、S10において、磁石311を組付け用のリング313,314で挟持した後、S11において、磁石311およびリング313,314を、組立用ボルト316および組立用ナット317により締結する。そして、S20において、組立用ボルト316および組立用ナット317が組み付けられた状態で、磁石311およびリング313,314を、飛散防止管である管状部材312に圧入する。その後、S23において上記カシメ加工が施され、S21において、組立用ボルト316および組立用ナット317が取り外される。そして、S30において、回転軸であるシャフト315および軸受330が装着され、ロータ310が固定される。なお、S23は、S21の後に行なわれてもよい。
図17は、本実施の形態に係る表面磁石型電動機300の製造工程の変形例を示したフロー図である。図17を参照して、S10において、磁石311を組付け用のリング313,314で挟持する。次に、S20において、磁石311およびリング313,314を、飛散防止管である管状部材312に圧入し、S22において、リング313,314に軸方向の外力を加えて磁石311に軸方向の圧縮力を付与する。その後、S23において、上記カシメ加工が施される。そして、S30において、回転軸であるシャフト315および軸受330が装着され、ロータ310が固定される。
また、上記以外の事項については、実施の形態1〜3と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、110 吸気管、120 排気管、130 ウエイストゲートバルブ、200 ターボチャージャ、300 表面磁石型電動機、310 ロータ、311 磁石、312 管状部材、312A 突出部、313,314 リング、313A 圧入部分、313B 拡管部、315 シャフト、316 組立用ボルト、317 組立用ナット、320 ステータ、330,331,332 軸受、400 インバータ、500 ECU。
Claims (9)
- 磁石と、
前記磁石の外周に設けられ、該磁石の飛散を抑制する管状部材と、
前記磁石の軸方向において該磁石を挟持するように設けられ、前記磁石とともに前記管状部材に圧入される圧入部分を有する複数の圧入部材とを備え、
前記磁石には前記圧入部材を介して軸方向の圧縮力が付与され、
前記管状部材は、前記磁石と複数の前記圧入部材における前記圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている、ロータ。 - 前記圧入部材は、前記圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加する拡管機能部を有する、請求項1に記載のロータ。
- 前記圧入部分の軸方向端部における前記管状部材に隣接する部分に面取り加工部が設けられる、請求項1または請求項2に記載のロータ。
- 前記管状部材の軸方向端部を径方向内側に曲げる機械加工が施された、請求項1から請求項3のいずれかに記載のロータ。
- 磁石と該磁石の両端に位置する複数の圧入部材とを管状部材に圧入して得られるロータの製造方法であって、
前記管状部材を、前記磁石の軸方向長さと複数の前記圧入部材における前記管状部材に圧入される圧入部分の軸方向長さとの合計よりも長い軸方向長さを有する円筒形状で形成する工程と、
前記磁石の両端から該磁石を複数の前記圧入部材で挟持する工程と、
前記磁石と複数の前記圧入部材とを一体で管状部材に圧入する工程と、
前記磁石に前記圧入部材を介して軸方向の圧縮力を付与する工程とを備えた、ロータの製造方法。 - 前記磁石と前記圧入部材とを前記管状部材に圧入する工程は、前記圧入部材における前記圧入部分の軸方向端部から中央部に向けて漸次外径が増加するように形成された拡管機能部により前記管状部材の内径を広げながら行なわれる、請求項5に記載のロータの製造方法。
- 前記磁石に軸方向の圧縮力を付与する工程は、前記磁石と前記圧入部材とに組立用ボルトを通し、組立用ナットを締め付ける工程を含む、請求項5または請求項6に記載のロータの製造方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のロータ、または、請求項5から請求項7のいずれかに記載のロータの製造方法により製造されたロータと、
前記ロータの周囲に設けられたステータとを備えた、回転電機。 - タービンシャフトを有する過給機と、
前記タービンシャフトの回転をアシストする回転電機とを備え、
前記回転電機は、
前記タービンシャフトに固定されるロータと、
前記ロータの周囲に設けられるステータとを有し、
前記ロータは、
磁石と、
前記磁石の外周に設けられ、該磁石の飛散を抑制する管状部材と、
前記磁石と該磁石の軸方向に並ぶように設けられ、前記磁石とともに前記管状部材に圧入される圧入部分を有する複数の圧入部材とを有し、
前記磁石には前記圧入部材を介して軸方向の圧縮力が付与され、
前記管状部材は、前記磁石と複数の前記圧入部材における前記圧入部分とを合わせた全長よりも長く形成されている、内燃機関。
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