JP6740320B2 - ロータ、モータ及びロータの製造方法 - Google Patents

ロータ、モータ及びロータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロータ、モータ及びロータの製造方法に関するものである。
モータでは、ロータコアに内蔵された磁石と、コイルが巻回されたステータと、の間に磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータがステータに対して回転する。この種のモータにおいては、回転するロータの重量バランスを調整するための調整手段が種々提案されている。
例えば特許文献1には、ロータコアの積層方向(軸方向)の一部に回転バランス調整部材を備えた構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、ロータコアの回転アンバランス対策として回転バランス調整部材の外周部をアンバランスに相当する分だけ切削することにより、ロータの回転バランスを高精度に調整できる。これにより、高回転モータに適用した場合であっても、アンバランスによるモータの性能低下を抑制できるとされている。
一方、特許文献2には、金属粉と接着剤から構成されたバランスウェイト(バランス調整材)を塗布可能な隙間を有するロータの構成が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、局所的に重さの足りない部分にバランス調整材を供給することにより、簡便な方法でロータのバランス調整をすることができるとされている。
国際公開第2012/169463号 特開2004−36675号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、永久磁石を有するロータに適用した場合に、切削時に発生した切粉が磁気により永久磁石に付着し、絶縁不良によるショートや摺動部の摩耗が発生するおそれがある。さらに、切削加工を行う場合とロータのアンバランスを測定する場合とで作業場所を移動する必要があるため、作業の手間がかかるとともにバランス調整の精度の低下を招くおそれがある。
特許文献2に記載の技術にあっては、永久磁石の外表面にバランス調整材が塗布されるので、高速回転するモータに適用した場合には、バランス調整材が遠心力により剥離するおそれがある。
そこで、本発明は、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータ、このロータを用いたモータ、及びロータの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一つの形態のロータは、軸線を回転中心とするシャフトと、前記シャフトの外周部に配置される永久磁石と、前記永久磁石における前記軸線の軸方向の端面に接して配置され、外周部に前記軸線の径方向の内側に向かって凹む凹部を有する端面板と、前記永久磁石の外周部と前記端面板の径方向外周部とを覆い、前記凹部に入り込むことで前記端面板に係止される係止部を有する拘束部材と、を備え、前記端面板は、前記係止部よりも前記軸方向の外側において、前記径方向外周部及び前記軸方向に面する軸方向端面の少なくとも一方からバランス調整材を配置可能なバランス調整部を有し、前記拘束部材の前記軸方向の端部は、前記凹部より前記軸方向の外側に位置し、前記バランス調整部の全体が、前記拘束部材の前記端部より前記軸方向の外側に設けられることを特徴としている。
この構成によれば、端面板は、係止部よりも軸方向の外側の部分において、一部が拘束部材に覆われずに露出した露出部を有する。バランス調整部は、この露出部に設けられている。これにより、拘束部材が設置された状態であってもバランス調整部にバランス調整材を配置できるので、バランス調整の精度を向上することができる。また、バランス調整部にバランス調整材を配置する簡易な方法によりロータのバランス調整ができるので、ロータのアンバランスを測定する測定器上で、測定及びバランス調整をすることができる。よって、作業時間や調整の手間を削減できる。さらに、バランス調整部は端面板に設けられているので、永久磁石の外表面にバランス調整材を配置する従来の技術と比較して、バランス調整材を確実に保持することができる。
したがって、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータを提供できる。
また、前記ロータは、前記バランス調整部は、前記端面板の前記軸方向端面から前記端面板の内側に向かって凹んでいることを特徴としている。
この構成によれば、バランス調整部は、端面板の軸方向端面から内側に向かって凹んで形成されているので、バランス調整部にバランス調整材を注入することによりロータのバランス調整をすることができる。バランス調整部は端面板の軸方向端面に形成されているので、バランス調整材の注入方向と、ロータ回転時に遠心力が働く方向と、が交差する。これにより、ロータ回転時の遠心力によるバランス調整材の剥離を抑制したロータとすることができる。
また、前記ロータは、前記バランス調整部は、前記端面板の前記径方向外周部から前記端面板の内側に向かって凹んでいることを特徴としている。
この構成によれば、バランス調整部は、端面板の径方向外周部から内側に向かって凹んで形成されているので、バランス調整部にバランス調整材を注入することによりロータのバランス調整をすることができる。バランス調整部は端面板の径方向外周部に形成されているので、例えば端面板の軸方向の外側にベアリングが配置される等、端面板の軸方向端面が他の部品で覆われた場合であっても、外周部からバランス調整材を配置できる。よって、汎用性の高いバランス調整部を有するロータとすることができる。
また、ロータの回転時、凹部に注入されたバランス調整材には、凹部の壁面との間に回転の遠心力に抗する向きの摩擦力が生じる。よって、ロータ回転時の遠心力によるバランス調整材の剥離を抑制したロータとすることができる。
また、前記ロータは、前記バランス調整部の深さ寸法は、前記バランス調整部の内径寸法よりも大きいことを特徴としている。
この構成によれば、凹部の深さ寸法が内径寸法よりも大きいので、凹部における壁面の面積を相対的に大きく確保できる。これにより、回転時におけるバランス調整材と壁面との間の摩擦力が大きくなり、より一層バランス調整材の剥離を抑制することができる。
また、前記ロータは、前記バランス調整部は、周方向に沿って等間隔に複数形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、バランス調整部は周方向に複数形成されているので、アンバランス測定により重量が足りないと判断された場所に応じて使用するバランス調整部を選択できる。これにより、少ないバランス調整材の量で効率的にバランス調整をすることができるとともに、バランス調整の精度を向上できる。
複数のバランス調整部は周方向において等間隔に配置されているので、測定されたアンバランス量を解消するために必要なバランス調整材の量及び配置箇所を計算により予測しやすい。よって、作業性を向上できるとともに、バランス調整の精度を向上できる。
また、前記ロータは、前記バランス調整材は、紫外線硬化型の樹脂と、前記樹脂よりも比重の大きい粉体と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、バランス調整材は紫外線硬化型の樹脂を含むので、バランス調整材に紫外線を照射することにより、バランス調整材を硬化させることができる。よって、樹脂の硬化時間を短縮できる。また、紫外線を照射するだけでバランス調整材の硬化を迅速に行えるので、アンバランスの測定器上で測定を行いながらバランス調整を同時に行うことができる。よって、ロータのバランス調整に係る作業時間を短縮することができる。また、紫外線により硬化するので、硬化時の揮発によるバランス調整材の重量変化を少なくできる。よって、バランス調整の精度を向上できる。
一方、バランス調整材は樹脂よりも比重の大きい粉体を含むので、バランス調整材が樹脂のみを含む場合と比較して、より少ない量でバランス調整を行うことができる。よって、バランス調整の自由度を向上できる。
本発明の一つの形態のモータは、上述したロータを備えたことを特徴としている。
この構成によれば、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータを備えた、優れたモータを提供できる。
本発明の一つの形態のロータの製造方法は、上述のロータの製造方法であって、前記端面板のうち、前記係止部よりも前記軸方向の外側に、前記径方向外周部及び前記軸方向端面の少なくとも一方から前記端面板の内側に向かって凹む前記バランス調整部を形成する第一工程と、前記ロータの重量のアンバランスを測定する第二工程と、前記第二工程で測定された前記ロータのアンバランスが解消するように前記バランス調整部に前記バランス調整材を注入し硬化させる第三工程と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、第一工程においてバランス調整部を形成し、第二工程においてロータのアンバランスを測定し、第三工程においてバランス調整部にバランス調整材を注入し硬化させる。これらの工程を経ることにより、簡易な方法によりロータの重量アンバランスを解消できる。よって、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータを製造できる。
本発明によれば、端面板は、係止部よりも軸方向の外側の部分において、一部が拘束部材に覆われずに露出した部分にバランス調整部を有する。これにより、拘束部材が設置された状態であってもバランス調整部にバランス調整材を配置できるので、バランス調整の精度を向上することができる。また、バランス調整部にバランス調整材を配置する簡易な方法によりロータのバランス調整ができるので、ロータのアンバランスを測定する測定器上で、測定と同時にバランス調整をすることができる。よって、作業時間や調整の手間を削減できる。さらに、バランス調整部は端面板に設けられているので、永久磁石の外表面にバランス調整材を配置する従来の技術と比較して、バランス調整材を確実に保持することができる。
したがって、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータを提供できる。
第1実施形態に係るモータの断面図。 第1実施形態に係るロータの断面斜視図。 第2実施形態に係るロータの断面斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
(第1実施形態)
(モータ)
図1は、モータ1の断面図である。
モータ1は、軸線Cを中心とした円筒状に形成されている。なお、以降の説明において、モータ1の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という場合がある。モータ1は、筒状のモータハウジング(不図示)の内部に収容されている。モータ1は、ステータ2と、ロータ3と、を有する。
(ステータ)
ステータ2は、モータ1の径方向における外側に配置されている。ステータ2は、軸線Cを中心とした環状に形成されている。ステータ2の外周部は、上述した不図示のモータハウジングの内周面に取り付けられている。
ステータ2は、ステータコア5と、コイル6と、ケース7と、を備える。
ステータコア5は、軸線Cを中心とした環状に形成されている。ステータコア5は、環状のコア本体5aと、コア本体5aから径方向の内側に向かって突出するティース5bと、を有する。ティース5bは、周方向に複数(本実施形態では6個)設けられている。周方向において隣り合うティース5bの間はスロット5cとされている。すなわち、ステータコア5は、周方向に6個のスロット5cを有する。ステータコア5は、例えば複数の磁性鋼板が軸方向に積層されることにより形成されている。なお、ステータコア5は、いわゆる圧粉コアであってもよい。本実施形態において、ステータコア5は、周方向に分割された6個の分割ステータコアにより構成されている。
コイル6は、ステータコア5のティース5bに装着されている。具体的に、コイル6は、スロット5cに挿入されて各ティース5bに集中巻きにより巻回されている。これにより、ステータ2は、周方向に6個のコイル6を有する。コイル6は平角線である。
ケース7は、ステータコア5の端面を軸方向から覆っている。ケース7は、ステータコア5の軸方向の一方側に配置された第一ケース71と、ステータコア5の軸方向の他方側に配置された第二ケース72と、を有する。
第一ケース71は、軸方向一方側に配置されたステータコア5の端面及び外周面を覆っている。第一ケース71は、環状に形成されている。第一ケース71は、例えば66ナイロンやPPS等の耐熱性の樹脂により形成されている。第一ケース71は、壁部75と、当接部76と、バスバー保持部77と、を有する。
壁部75は、ステータコア5の外周面に沿って配置されている。壁部75の内周面は、ステータコア5の外周面に当接している。壁部75は、周方向の全周に亘って形成されている。
当接部76は、壁部75よりも径方向内側において、壁部75に接した状態で設けられている。当接部76は、ステータコア5の軸方向における一方側の端面に当接している。
バスバー保持部77は、壁部75及び当接部76よりも軸方向の一方側に設けられている。バスバー保持部77は、不図示のバスバーを保持している。本実施形態において、バスバー保持部77は、軸方向に3個形成されている。3個のバスバー保持部77は、軸方向において等間隔に並んでいる。バスバー保持部77に配置されたバスバーの一端は、上述したコイル6に接続される。バスバーの他端は、外部の電力供給部に接続される。これにより、コイル6には、バスバーを介して外部からの電力が供給される。
第二ケース72は、ステータコア5の軸方向他方側の端面を覆っている。第二ケース72は、環状に形成されている。第二ケース72は、例えば66ナイロンやPPS等の耐熱性の樹脂により形成されている。第二ケース72は、ステータコア5の外周部及び軸方向他方側の端面にそれぞれ当接している。
このように形成されたケース7(第一ケース71及び第二ケース72)は、それぞれ接着剤によりステータコア5に固定されている。なお、ステータコア5とケース7との固定方法は、ネジ固定や圧入等であってもよい。
(ロータ)
図2は、ロータ3を軸方向他方側から見た断面斜視図である。ロータ3は、軸線Cと同軸の円柱状に形成されている。ロータ3は、ステータ2の径方向内側において、ステータ2との間にエアギャップを設けた状態で配置されている。ロータ3は、ステータ2に対して、軸線Cを回転中心として回転自在に配置されている。ロータ3は、シャフト10と、永久磁石20と、端面板30と、拘束部材40と、を有する。
シャフト10は、軸線Cと同軸となるように配置されている。シャフト10は、後述する永久磁石20が配置される嵌合面10a(請求項におけるシャフト10の外周部)と、嵌合面10aよりも径方向の外側に突出する突出部10b(図1参照)と、を有する。突出部10bは、周方向の全周に亘って形成されている。
永久磁石20は、シャフト10の嵌合面10aに軽圧入されている。永久磁石20は、筒状に形成されている。永久磁石20と、ステータ2のコイル6と、の間に磁界が作用することにより、ステータ2に対してロータ3が回転する。
端面板30は、第一端面板31と、第二端面板32と、を有する。
第一端面板31は、永久磁石20の軸方向他方側の端面に当接している。第一端面板31は、環状に形成されている。第一端面板31の内周面は、シャフト10の嵌合面10aに圧入されている。第一端面板31の外径は、永久磁石20の外径よりも大きい。第一端面板31は、凹部33と、露出部34と、バランス調整部37と、を有する。
図1に戻って、第二端面板32は、永久磁石20の軸方向一方側の端面に当接している。第二端面板32は、環状に形成されている。第二端面板32の内周面は、シャフト10の嵌合面10aに圧入されている。第二端面板32の軸方向一方側の端面は、シャフト10の突出部10bに当接している。第二端面板32の外径は、第一端面板31の外径と同等の大きさに設定されている。第二端面板32は、凹部33と、露出部34と、バランス調整部37と、を有する(図2参照)。
なお、第二端面板32における凹部33、露出部34及びバランス調整部37は、軸線Cと直交する垂直面に対して第一端面板31と対称な構成とされている。以下の説明において、第一端面板31の凹部33、露出部34及びバランス調整部37について説明し、第二端面板32の凹部33、露出部34及びバランス調整部37についての説明及び図示を省略する。
凹部33は、第一端面板31の径方向外周部35から径方向の内側に向かって凹んでいる。凹部33は、周方向の全周に亘って形成されている。凹部33は、断面U字状に形成されている。本実施形態において、凹部33は、第一端面板31の軸方向における中間部に形成されている。
拘束部材40は、永久磁石20の外周部と端面板30の径方向外周部35とを覆っている。拘束部材40は、軸線Cを中心とした筒状に形成されている。拘束部材40の端部は、軸方向において端面板30と同じ位置に配置されている。拘束部材40は、軸方向の両端部に係止部41を有する。係止部41は、端面板30の凹部33に入り込むことで端面板30に係止される。具体的に、係止部41は、拘束部材40が凹部33に沿って凹んで形成されている。係止部41は、例えば拘束部材40の外周部にローラー等を押し当ててカシメることにより周方向全周に亘って形成される。端面板30における凹部33の径方向の深さ寸法は、拘束部材40の径方向の厚み寸法よりも大きい。
径方向において、拘束部材40と永久磁石20との間には隙間Sが存在する。隙間Sには接着剤が充填されている。隙間Sに接着剤を充填することにより、ロータ3回転時における永久磁石20と拘束部材40との干渉が回避できる。よって、永久磁石20の割れを抑制し、永久磁石20を補強できる。なお、隙間Sに充填される物体は、例えば樹脂や他の緩衝材等でもよい。
図2に示すように、拘束部材40の軸方向の端部は、凹部33よりも軸方向の外側(永久磁石20から離間する方向)に位置している。端面板30のうち、この拘束部材40の軸方向の端部よりも軸方向の外側に位置する部分が露出部34とされている。換言すれば、露出部34は、第一端面板31における凹部33よりも軸方向の外側に設けられている。
バランス調整部37は、第一端面板31の露出部34に設けられている。バランス調整部37は、第一端面板31の軸方向他方側に面する軸方向端面36から第一端面板31の内側に向かって凹んでいる。バランス調整部37は、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。本実施形態において、バランス調整部37は、周方向に8個形成されている。バランス調整部37の深さ寸法は、バランス調整部37の内径寸法よりも大きい。バランス調整部37には、第一端面板31の軸方向端面36側からバランス調整材を配置可能とされている。
バランス調整材は、紫外線硬化型の樹脂と、樹脂よりも比重の大きい粉体と、を含む。バランス調整材は、複数のバランス調整部37のうち、所定のバランス調整部37に注入され、硬化することによりバランス調整部37内に配置される。紫外線硬化型の樹脂は、例えばエポキシ等の接着剤である。粉体は、例えばタングステン粉末等の金属粉末である。バランス調整材は、粉体として金属粉末を含むことにより、バランス調整部に配置された際に永久磁石20の磁力により粉体が引き付けられ、より強固に第一端面板31に固定される。
(ロータの製造方法)
次に、上述したロータ3の製造方法について説明する。
ロータ3の製造方法は、第一工程と、第二工程と、第三工程と、を有する。
第一工程では、端面板30のうち、係止部41よりも軸方向の外側にバランス調整部37を形成する。具体的には、端面板30の軸方向端面36から端面板30の内側に向かって凹むバランス調整部37を形成する。
第二工程では、ロータ3の重量のアンバランスを測定する。具体的には、まず測定器にロータを回転可能に支持し、ロータを軸線C回りに回転させる。その後、測定器によりロータの回転時における重量のアンバランスを測定する。
第三工程では、第二工程で測定されたロータ3のアンバランスが解消するようにバランス調整部37にバランス調整材を配置する。具体的には、まずアンバランスに対応する適当なバランス調整部を選択する。次に選択されたバランス調整部に液体状のバランス調整材を注入する。最後にバランス調整材に紫外線を照射してバランス調整材を硬化させる。
さらに、ロータのアンバランス量が所定の範囲内に収まるまで第二工程における測定と第三工程におけるバランス調整とを繰り返す。このように第一から第三工程を経ることにより、ロータ3が製造される。
(ロータの作用、効果)
次に、上述したロータ3の作用、効果について説明する。
本実施形態によれば、端面板30は、係止部41よりも軸方向の外側の部分において、一部が拘束部材40に覆われずに露出した露出部34を有する。バランス調整部37は、この露出部34に設けられている。これにより、拘束部材40が設置された状態であってもバランス調整部37にバランス調整材を配置できるので、バランス調整の精度を向上することができる。また、バランス調整部37にバランス調整材を配置する簡易な方法によりロータ3のバランス調整ができるので、ロータ3のアンバランスを測定する測定器上で、測定及びバランス調整をすることができる。よって、作業時間や調整の手間を削減できる。さらに、バランス調整部37は端面板30に設けられているので、永久磁石20の外表面にバランス調整材を配置する従来の技術と比較して、バランス調整材を確実に保持することができる。
したがって、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータ3を提供できる。
バランス調整部37は、端面板30の軸方向端面36から内側に向かって凹んで形成されているので、バランス調整部37にバランス調整材を注入することによりロータ3のバランス調整をすることができる。バランス調整部37は端面板30の軸方向端面36に形成されているので、バランス調整材の注入方向と、ロータ3回転時に遠心力が働く方向と、が交差する。これにより、ロータ3回転時の遠心力によるバランス調整材の剥離を抑制したロータ3とすることができる。
端面板30における凹部33の深さ寸法は凹部33の内径寸法よりも大きいので、凹部33における壁面の面積を相対的に大きく確保できる。これにより、回転時におけるバランス調整材と壁面との間の摩擦力が大きくなり、より一層バランス調整材の剥離を抑制することができる。
バランス調整部37は周方向に複数形成されているので、アンバランス測定により重量が足りないと判断された場所に応じて使用するバランス調整部37を選択できる。これにより、少ないバランス調整材の量で効率的にバランス調整をすることができるとともに、バランス調整の精度を向上できる。
複数のバランス調整部37は周方向において等間隔に配置されているので、測定されたアンバランス量を解消するために必要なバランス調整材の量及び配置箇所を計算により予測しやすい。よって、作業性を向上できるとともに、バランス調整の精度を向上できる。
バランス調整材は紫外線硬化型の樹脂を含むので、バランス調整材に紫外線を照射することにより、バランス調整材を硬化させることができる。よって、樹脂の硬化時間を短縮できる。また、紫外線を照射するだけでバランス調整材の硬化を迅速に行えるので、アンバランスの測定器上で測定を行いながらバランス調整を同時に行うことができる。よって、ロータ3のバランス調整に係る作業時間を短縮することができる。また、紫外線により硬化するので、硬化時の揮発によるバランス調整材の重量変化を少なくできる。よって、バランス調整の精度を向上できる。
一方、バランス調整材は樹脂よりも比重の大きい粉体を含むので、バランス調整材が樹脂のみを含む場合と比較して、より少ない量でバランス調整を行うことができる。よって、バランス調整の自由度を向上できる。
本実施形態によれば、モータ1は上述したロータ3を備えているので、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータ3を備えた、優れたモータ1を提供できる。
本実施形態のロータ3の製造方法によれば、第一工程においてバランス調整部37を形成し、第二工程においてロータ3のアンバランスを測定し、第三工程においてバランス調整部37にバランス調整材を注入し硬化させる。これらの工程を経ることにより、簡易な方法によりロータ3の重量アンバランスを解消できる。よって、バランス調整の作業時間を短縮し、バランス調整の精度を向上するとともに、回転時のバランス調整材の剥離を抑制したロータ3を製造できる。
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係るロータ3の断面斜視図である。本実施形態では、バランス調整部137が端面板30の外周部に形成される点で上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、バランス調整部137は、端面板30(第一端面板31及び第二端面板32)の径方向外周部35から端面板30の内側に向かって凹んでいる。バランス調整部137は、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。本実施形態において、バランス調整部137は、周方向に8個形成されている。バランス調整部137の深さ寸法は、バランス調整部137の内径寸法よりも大きい。バランス調整部137には、端面板30の外周部からバランス調整材を配置可能とされている。
本実施形態によれば、バランス調整部137は、端面板30の径方向外周部35から内側に向かって凹んで形成されているので、バランス調整部137にバランス調整材を注入することによりロータ3のバランス調整をすることができる。バランス調整部137は端面板30の径方向外周部35に形成されているので、例えば端面板30の軸方向の外側にベアリングが配置される等、端面板30の軸方向端面36が他の部品で覆われた場合であっても、径方向外周部35からバランス調整材を配置できる。よって、汎用性の高いバランス調整部137を有するロータ3とすることができる。
また、ロータ3の回転時、凹部33に注入されたバランス調整材には、凹部33の壁面との間に生じる摩擦力により、回転の遠心力に対抗する向きの力が作用する。よって、ロータ3回転時の遠心力によるバランス調整材の剥離を抑制したロータ3とすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態では第一端面板31と第二端面板32とが設けられる構成について説明したが、これに限られない。第二端面板32はなくてもよい。この場合、永久磁石20の軸方向一方側の端面が、シャフト10の突出部10bに当接している。拘束部材40の軸方向一方側の係止部41は、永久磁石20の軸方向一方側の端面に沿って折り曲げられて固定されている。
バランス調整部37,137は、穴の深さが深くなるにつれて穴の断面積が増加するようなテーパ状に形成されてもよい。これにより、遠心力によるバランス調整材の剥離をより一層抑制することができる。
バランス調整部37,137は、ロータ3の径方向及び軸方向に対して傾いていてもよい。具体的に、第1実施形態において、端面板30の軸方向端面36に形成されたバランス調整部37は、深さ方向に進むにつれて径方向の外側へ向かうように傾いて形成されていてもよい。この場合、ロータ3回転時の遠心力により、バランス調整材には軸方向の内側に向かう力が作用するので、より一層バランス調整材の剥離を抑制できる。
また、第2実施形態において、端面板30の径方向外周部35に形成されたバランス調整部137は、深さ方向に進むにつれて周方向のロータ3の回転方向とは反対側へ向かうように傾いて形成されていてもよい。この場合、ロータ3回転時の慣性力により、バランス調整材には径方向の内側に向かう力が作用するので、より一層バランス調整材の剥離を抑制できる。
本実施形態において、バランス調整部37,137は、深さ方向から見て断面形状が円形状に形成されたが、断面形状は四角形状や三角形状等の他の形状に形成されていてもよい。また、バランス調整部37,137は、周方向に連続する溝状に形成されてもよい。
永久磁石20は、シャフト10に接着剤により接着固定されてもよい。同様に、端面板30は、シャフト10に接着剤により接着固定されてもよい。
端面板30の凹部33は、端面板30の軸方向における中間部よりも軸方向の内側(すなわち永久磁石20に近接する側)に形成されているのが好ましい。この場合、露出部34の範囲が大きくなるので、バランス調整部37,137を配置可能な領域を拡大し、バランス調整の自由度を向上できる。また、凹部33の断面形状は半円弧状やV字状等であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 モータ
3 ロータ
10 シャフト
10a 嵌合面(シャフトの外周部)
20 永久磁石
30 端面板
33 凹部
37,137 バランス調整部
40 拘束部材
41 係止部
C 軸線

Claims (8)

  1. 軸線を回転中心とするシャフトと、
    前記シャフトの外周部に配置される永久磁石と、
    前記永久磁石における前記軸線の軸方向の端面に接して配置され、外周部に前記軸線の径方向の内側に向かって凹む凹部を有する端面板と、
    前記永久磁石の外周部と前記端面板の径方向外周部とを覆い、前記凹部に入り込むことで前記端面板に係止される係止部を有する拘束部材と、
    を備え、
    前記端面板は、前記係止部よりも前記軸方向の外側において、前記径方向外周部及び前記軸方向に面する軸方向端面の少なくとも一方からバランス調整材を配置可能なバランス調整部を有し、
    前記拘束部材の前記軸方向の端部は、前記凹部より前記軸方向の外側に位置し、
    前記バランス調整部の全体が、前記拘束部材の前記端部より前記軸方向の外側に設けられることを特徴とするロータ。
  2. 前記バランス調整部は、前記端面板の前記軸方向端面から前記端面板の内側に向かって凹んでいることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記バランス調整部は、前記端面板の前記径方向外周部から前記端面板の内側に向かって凹んでいることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  4. 前記バランス調整部の深さ寸法は、前記バランス調整部の内径寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータ。
  5. 前記バランス調整部は、周方向に沿って等間隔に複数形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロータ。
  6. 前記バランス調整材は、紫外線硬化型の樹脂と、前記樹脂よりも比重の大きい粉体と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロータの製造方法であって、
    前記端面板のうち、前記係止部よりも前記軸方向の外側に、前記径方向外周部及び前記軸方向端面の少なくとも一方から前記端面板の内側に向かって凹む前記バランス調整部を形成する第一工程と、
    前記ロータの重量のアンバランスを測定する第二工程と、
    前記第二工程で測定された前記ロータのアンバランスが解消するように前記バランス調整部に前記バランス調整材を注入し硬化させる第三工程と、
    を有することを特徴とするロータの製造方法。
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