JP2009171736A - 電動モータ - Google Patents

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泰明 辻
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Abstract

【課題】電動モータの回転子の永久磁石をより確実に固定する。
【解決手段】本電動モータ35では、ロータ38の周方向C3に間隔Gを隔てて配置された複数の永久磁石39と、これらの永久磁石39を取り囲む非磁性体を含む筒状のカバー40とを有する。このカバー40は、隣接する永久磁石39間に介在しロータ38の周方向C3に関する永久磁石39間の間隔Gを規制する複数の凸条89を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動モータに関する。
電動モータは、車両用操舵装置に適用される場合があり、例えば、操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比としての伝達比を変更可能な伝達比可変装置の駆動源に用いられたり、電動パワーステアリング装置の駆動源に用いられたりしている。
電動モータは、回転可能なロータを備えている。ロータの外周面には、複数の永久磁石が取り付けられている。また、これらの永久磁石を筒状のカバーで覆うことにより、永久磁石の割れや欠けによる破片が飛散することを防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−299149号公報
しかし、上述の車両用操舵装置では、急激なハンドル操作がなされたときや、転舵輪からの大きな逆入力によって電動モータが急激に減速されたときに、電動モータの永久磁石に作用する慣性力が大きくなる。また、出力回転の高速化に伴い、永久磁石に作用する遠心力が大きくなる傾向にある。
上記の慣性力や遠心力の影響で、永久磁石同士が相対移動する場合があり、その場合、トルク不足や、トルク変動が生じる。ひいては、電動パワーステアリング装置の操舵補助力が低下してしまう。また、伝達比可変装置における伝達比を変化させる動作が不安定になる。従って、電動モータの永久磁石をより確実に固定することが要請されている。
また、車両用操舵装置の電動モータに限らず、一般的な電動モータにおいても、同様の課題が存在する。
そこで、本発明の目的は、永久磁石をより確実に固定できる電動モータを提供することである。
本発明の電動モータ(35,35A,35B,63)は、ロータ(38)と、このロータ(38)の周方向(C3)に間隔(G)を隔てて配置された複数の永久磁石(39)と、これらの永久磁石を取り囲む非磁性体を含む筒状のカバー(40,40A,40B)とを備え、このカバーは、隣接する永久磁石間に介在しロータの周方向に関する永久磁石間の間隔を規制する複数の凸条(89,89A)を含むことを特徴とする。本発明によれば、カバーによって、複数の永久磁石同士の周方向の相対移動が規制されるので、各永久磁石をより確実に固定することができる。
また、本発明において、上記ロータの周方向に関する凸条(89)の幅(L)が、凸条の長手方向(S4)の一端(93)から他端(94)に向かうにしたがって漸減されており、各凸条は、ロータの周方向に関して弾性変形可能とされ、各凸条は、当該凸条に隣接する一対の永久磁石をロータの周方向に弾力的に押圧している場合がある。この場合、永久磁石間の間隔と凸条の幅との間に寸法誤差があったとしても、凸条の弾性復元力を利用して、凸条を永久磁石に確実に当接させることができ、永久磁石をより一層確実に固定することができる。また、凸条を、当該凸条の幅が狭い他端側から、永久磁石の間に容易に取り付けることができる。
また、本発明において、上記カバー(40,40A,40B)は、筒状の本体(88)と、この本体の一部を径方向内方へ窪ませて形成された上記凸条としての溝形部(89,89A)とを含み、この溝形部は、ロータの周方向に対向する一対の側板(91)と、これら一対の側板間を連結する底板(92)とを含む場合がある。この場合、側板の弾性曲げ変形を利用して、凸条をロータの周方向に関して容易に弾性変形させることができる。従って、永久磁石をより一層確実に固定することができる。底板は、ロータの周方向に変形し難いので、ロータの周方向に関する永久磁石同士の間隔が確実に規制される。
また、本発明において、上記カバー(40,40A,40B)は、ロータに対する回動を規制するためにロータに係止する係止部(92,95,115,95B)を含む場合がある。この場合、永久磁石をより一層確実に固定できる。
また、本発明において、上記係止部は、ロータにかしめ付けられた塑性変形部(115)を含む場合がある。この場合、例えば、カバーを永久磁石に嵌合した後で、カバーをロータに固定することができる。また、係止部の構造を簡素化できる。
また、本発明において、上記係止部は、カバーの縁部(98)に設けられた折り曲げ部(95,95B)を含む場合がある。この場合、係止部の構造を簡素化できる。
また、本発明において、上記ロータは、上記係止部(92,95,115,95B)に係合することにより、カバーの軸方向移動を規制する規制部(108,103,120)を含む場合がある。この場合、回動規制用の係止部を、軸方向移動の規制用にも利用できるので、構造を簡素化できる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態の添付図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、電動モータが、車両用操舵装置に適用された場合に則して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の電動モータが適用された車両用操舵装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、ピニオンシャフト7の端部近傍に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー10とを有している。
ピニオンシャフト7およびラックバー10によりラックアンドピニオン機構からなる転舵機構11が構成されている。ラックバー10は、車体12に固定されるラックハウジング13内に図示しない複数の軸受を介して直線往復可能に支持されている。ラックバー10には、一対のタイロッド14,15が結合されている。各タイロッド14,15は対応するナックルアーム16,17を介して対応する転舵輪18,19に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯8およびラック歯9によって、自動車の左右方向に沿ってのラックバー10の直線運動に変換される。ラックバー10の軸方向の運動は、各タイロッド14,15を介して対応するナックルアーム16,17に伝えられ、これらのナックルアーム16,17がそれぞれ回転する。これにより、各ナックルアーム16,17に連結された対応する転舵輪18,19がそれぞれ操向する。
図1を参照して、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラムとしてのハウジング20に第1の軸線Aの周りに回転可能に支持され互いに同軸上に配置された第1、第2および第3の軸21,22,23を含んでいる。
第1の軸21の一端に操舵部材2が同行回転するように連結されている。第1の軸21の他端と第2の軸22の一端とは、伝達比可変機構24を介して後述するように差動回転可能に連結されている。また、第2の軸22の他端と第3の軸23の一端とは、トーションバー25を介して所定の範囲内で弾性的に相対回転可能且つ動力伝達可能に連結されている。
図1を参照して、車両用操舵装置1は、操舵部材2の操舵角θ1に対する転舵輪18,19の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio)機能を有している。
すなわち、伝達比可変機構24は、ステアリングシャフト3の第1および第2の軸21,22間の回転伝達比(伝達比θ2/θ1)を変更するために設けられ、いわゆるニューテーションギヤ機構とされている。この伝達比可変機構24は、第1の軸21の他端に設けられた入力部材26と、第2の軸22の一端に設けられた出力部材27と、入力部材26と出力部材27との間に介在する軌道輪ユニット28と、を含んでいる。
入力部材26は、第1の軸線Aの周りに回転可能であり、第1の軸21とは同軸的に且つ同行回転可能に連結されている。出力部材27は、第1の軸線Aの周りに回転可能であり、第2の軸22とは同軸的に且つ同行回転可能に連結されている。
軌道輪ユニット28は、第1の軌道輪としての内輪31と、第2の軌道輪としての外輪32と、内輪31および外輪32間に転動可能に介在する複数の転動体33とを含んでいる。
また、伝達比可変機構24は、上述の第2の軌道輪としての外輪32を駆動するためのアクチュエータとしての電動モータ35を有している。
電動モータ35は、ハウジング20により回転可能に支持されたロータユニット36と、ロータユニット36を取り囲んだ状態でハウジング20内に固定されたステータ37とを有している。
ロータユニット36は、ロータ38と、ロータ38の周方向C3(以下、単に周方向C3ともいう。)に並ぶ複数の永久磁石39と、これらの永久磁石39を取り囲む非磁性体を含む筒状のカバー40とを含んでいる。これらロータ38と、複数の永久磁石39と、カバー40とが一体的に回動する。
図1を参照して、ロータユニット36のロータ38は、第1の軸線Aの周りを回転可能であり、軌道輪ユニット28の外輪32を保持しつつ、この外輪32と同行回転できるように連結されている。すなわち、ロータ38の内周には、傾斜孔41が形成されている。この傾斜孔41の中心軸線としての第2の軸線Bは、第1の軸線Aに対して斜めに交差している。外輪32とロータユニット36とは第1の軸線Aの回りを同行回転できるようになっている。
また、内輪31と外輪32とは、互いに同心に配置されている。内輪31は転動体33を介して外輪32に回転可能に支持されていることにより、内輪31は第2の軸線Bの周りを回転可能である。また、伝達比可変機構用の電動モータ35が駆動されることに伴い、外輪32が第1の軸線Aの周りを回転する。このとき、内輪31は、第1の軸線Aの周りを回転可能である。すなわち、内輪31および外輪32は、第1の軸線Aの周りに、いわゆるコリオリ運動(首振り運動)可能である。内輪31は、入力部材26と出力部材27とを差動回転可能に連結する。
図2は、伝達比可変機構24の側面図であり、部分的に断面表示されている。図1および図2を参照して、入力部材26および内輪31を動力伝達可能に係合させる第1の凹凸係合部45が設けられている。また、内輪31および出力部材27を動力伝達可能に係合させる第2の凹凸係合部46が設けられている。
第1の凹凸係合部45は、互いに係合可能な複数の第1の凸部47および複数の第1の凹部48とを含んでいる。複数の第1の凸部47は、例えば、入力部材26の動力伝達面としての端面49に設けられている。複数の第1の凹部48は、内輪31の動力伝達面としての第1の端面50に設けられている。端面49および第1の端面50はステアリングシャフト3の軸方向Sに互いに対向している。第1の凹凸係合部45は、これら端面49および第1の端面50を動力伝達可能に係合させる。
複数の第1の凸部47は、入力部材26の周方向C1に等間隔を隔てて配置されている。同様に、複数の第1の凹部48は、内輪31の周方向C2に等間隔を隔てて配置されている。
第1の凸部47は、例えば38個形成されている。第1の凹部48の数は、第1の凸部47の数とは異なる数、例えば、40個とされている。第1の凸部47の数と第1の凹部48の数との差に応じて、入力部材26と内輪31との間で差動回転を発生することができる。
内輪31の第2の軸線Bが入力部材26および出力部材27の第1の軸線Aに対して所定角度θ傾斜していることにより、複数の第1の凸部47のうちの一部の第1の凸部47のみと、複数の第1の凹部48のうちの一部の第1の凹部48のみとが、互いに噛み合っている。
図1および図2を参照して、第2の凹凸係合部46は、互いに係合可能な複数の第2の凸部51および複数の第2の凹部52を含んでいる。第2の凸部51は、例えば、出力部材27の動力伝達面としての端面53に設けられている。第2の凹部52は、内輪31の動力伝達面としての第2の端面54に設けられている。端面53および第2の端面54はステアリングシャフト3の軸方向Sに互いに対向している。第2の凹凸係合部46は、これら端面53および第2の端面54を動力伝達可能に係合させる。なお、第2の凸部51および第2の凹部52の数は、ともに同じ数である40個とされている。
第1の凹凸係合部45と第2の凹凸係合部46との違いは、動力伝達の対象となる部材が互いに異なっている点と、第1の凸部47と第2の凸部51との数が互いに異なっている点である。なお、これ以外の点については、第1の凹凸係合部45と第2の凹凸係合部46とは同じに構成されている。
図1および図2を参照して、第1の凸部47、第1の凹部48、第2の凸部51および第2の凹部52の数は、上述の数に限定されないが、以下では、上述の数の場合に則して説明する。
また、第1の凸部47を内輪31の第1の端面50に設け、第1の凹部48を入力部材26の端面49に設けてもよい。また、第2の凸部51が、内輪31の第2の端面54に設けられ、第2の凹部52が、出力部材27の端面53に設けられてもよい。
また、第1の凸部47は、対応する上記端面49,50に単一の材料で一体に形成されてもよいし、対応する上記端面49,50に別体で形成され固定されたころ部材(図示せず)に形成されてもよい。また、第2の凸部51は、対応する上記端面53,54に単一の材料で一体に形成されてもよいし、対応する上記端面53,54に別体で形成され固定されたころ部材(図示せず)に形成されてもよい。また、第1の凹部48は、入力部材26および内輪31のうちの対応する部材に形成されてもよいし、上記対応する部材とは別体で形成され上記対応する部材に固定された凹部形成部材(図示せず)に形成されてもよい。第2の凹部52は、出力部材27および内輪31のうちの対応する部材に形成されてもよいし、上記対応する部材とは別体で形成され上記対応する部材に固定された凹部形成部材(図示せず)に形成されてもよい。
また、外輪32が入力部材26および出力部材27を差動回転可能に連結するとともに、内輪31が電動モータ35のロータユニット36と同行回転可能に連結されるようにしてもよい。
上述の実施形態および変形例を考慮すると、伝達比可変機構24は、操舵部材2に連なり第1の軸線Aの周りに回転可能な入力部材26と、転舵輪18,19に連なり第1の軸線Aの周りに回転可能な出力部材27とを含み、また、第1および第2の端面50,54を有し、入力部材26および出力部材27を差動回転可能に連結する第1の軌道輪(上述の実施形態では内輪31が相当する)とを含み、また、この第1の軌道輪を転動体33を介して回転可能に支持する第2の軌道輪(上述の実施形態では外輪32が相当する。)とを含み、また、この第2の軌道輪を回転駆動可能な電動モータ35と、を含む。第1および第2の軌道輪の中心軸線としての第2の軸線Bが、第1の軸線Aに対して傾斜している。入力部材26および出力部材27は、第1の軌道輪の対応する端面50,54に対向する動力伝達面49,53を有している。第1の軌道輪の各端面50,54および当該端面に対応する上記動力伝達面49,53を動力伝達可能に係合させる第1および第2の凹凸係合部45,46が設けられている。これらの凹凸係合部は、各端面50,54および当該端面に対応する上記動力伝達面49,53の一方に設けられた凸部47,51と、他方に設けられ上記凸部47,51と係合する凹部48,52とを含んでいる。
図1を参照して、車両用操舵装置1には、電動モータ35のロータユニット36の回転を解除可能に規制するロック機構56が設けられている。
ロック機構56は、ロータ38の回転を規制可能な規制部材57と、この規制部材57に係合可能な被規制部材58とを有している。規制部材57は、ロータ38の径方向に移動可能にハウジング20により保持されており、径方向に関して相対的に外方位置と内方位置との間を移動できる。被規制部材58は、ロータ38に固定された環状部材からなる。被規制部材58の外周に凹部が形成されている。この凹部は、周方向C3に関して所定長さで形成され、周方向C3の少なくとも1箇所、好ましくは複数カ所に配置されている。なお、被規制部材58は、ロータ38と一体に形成されていてもよい。
規制部材57が、ロータ38の径方向の内方位置に進出したときに、被規制部材58の凹部と係合するようになっている。規制部材57と被規制部材58とが互いに係合することにより、ロータ38の回転が規制される。また、規制部材57が上記外方位置に変位したときに、規制部材57と被規制部材58との係合が解除され、ロータ38の回転が許容される。
図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングシャフト3に操舵補助力を付与するための操舵補助力付与機構60を備えている。操舵補助力付与機構60は、第2の軸22と第3の軸23との間に伝達されるトルクTを検出するトルクセンサ62と、操舵補助力を発生させるアクチュエータとしての操舵補助用の電動モータ63と、この電動モータ63の出力回転を減速し第3の軸23に伝達する減速機構64とを有している。減速機構64は、例えば、歯車機構からなる。
第2の軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー25が弾性ねじり変形し、これにより、第2の軸22および第3の軸23が相対回転するようになっている。トルクセンサ62が、トーションバー25を介する第2の軸22および第3の軸23の間の相対回転変位量に基づいて、操舵トルクを検出する。
操舵補助用の電動モータ63は、ブラシレスモータである。電動モータ63は、モータハウジング65と、このモータハウジング65に回転可能に支持された出力軸66と、出力軸と同行回転するように連結されたロータユニット36と、モータハウジング65に固定されたステータ37とを有している。電動モータ63のロータユニット36およびステータ37は、電動モータ35のロータユニット36およびステータ37と同じに構成されているので、同じ符号を付して説明を省略する。操舵補助用の電動モータ63の出力は、減速機構64を介して第3の軸23に伝達されるようになっている。
図1を参照して、上記伝達比可変機構用の電動モータ35および操舵補助用の電動モータ63の駆動は、それぞれ、制御部70によって制御される。制御部70は、CPU、RAMおよびROMを含んでいる。制御部70は、駆動回路71を介して伝達比可変機構用の電動モータ35と接続されているとともに、駆動回路72を介して操舵補助用の電動モータ63と接続されている。
また、制御部70には、操舵部材2の直進位置からの操作量である操舵角θ1としての第1の軸21の回転角を検出する操舵角センサ74、電動モータ35のロータユニット36の回転角θrを検出するレゾルバからなる回転角センサ75、上述のトルクセンサ62、転舵角θ2に対応する値として第3の軸23の回転角を検出する転舵角センサ76、車速Vを検出する車速センサ77、および車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ78がそれぞれ接続されている。制御部70は、各上記センサ62,74,75,76,77,78の信号等に基づいて、電動モータ35,63の駆動を制御する。
図1を参照して、操舵部材2に入力された操舵トルクは、第1の軸21を介して伝達比可変機構24の入力部材26に入力される。伝達比可変機構24の出力部材27から出力された操舵トルクは、操舵補助力付与機構60の第2の軸22、トーションバー25および第3の軸23に伝わり、操舵補助用の電動モータ63からの出力トルクと合わさって、転舵機構11に伝達される。
制御部70は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ63を制御する。電動モータ63の出力回転が減速機構64を介して減速されてピニオンシャフト7に伝達され、ラックバー10の直線運動に変換されて、操舵が補助されるようになっている。
VGR機能の動作は、以下の通りである。以下では、(i)電動モータ35のロータユニット36の回転が規制されている場合と、(ii)電動モータ35のロータユニット36が回転しており、且つ入力部材26の回転が規制されている場合と、(iii)電動モータ35のロータユニット36が回転しており、且つ入力部材26が回転している場合と、を説明する。
上記(i)の場合、すなわち、ロック機構56によって電動モータ35のロータユニット36の回転が規制されている場合には、操舵部材2の操作により第1の軸21が回転すると、外輪32は第1の軸線Aの周りを回転(首振り運動)せず、内輪31のみがその第2の軸線Bの周りを回転する。この回転に伴って、第2の軸22が回転する。
その結果、入力部材26が1回転したときに内輪31が、38/40回転する。このとき、出力部材27は、38/40回転する。すなわち、入力部材26の回転が19/20に減速される。
図1,図2を参照して、上記(ii)の場合、すなわち、電動モータ35のロータユニット36が回転しており、且つ運転者が操舵部材2を保持していることにより入力部材26の回転が規制されている場合には、ロータユニット36が第1の軸線Aの周りを回転することにより、軌道輪ユニット28がいわゆるコリオリ運動する。これにより、内輪31が入力部材26と出力部材27とを互いに逆回転させようとする。しかしながら、入力部材26の回転が規制されていることにより、出力部材27のみが回転する。
このとき、第1の凹部48の数が第1の凸部47の数と比べて2つ多くされている結果、軌道輪ユニット28の外輪32が1回転しているときに、内輪31は、凹部48と凸部47との数の差(2つ)に相当する量だけ位相が進むことになる。これが内輪31の回転になる。その結果、外輪32が1回転したときに、内輪31は上記の歯数差に相当する量だけ回転し、出力部材27は2/40回転する。以上より、電動モータ35のロータユニット36の回転が1/20に減速されて出力される。
上記(iii)の場合、すなわち、電動モータ35のロータユニット36が回転しており、且つ運転者が操舵部材2を操舵していることにより入力部材26が回転している場合には、出力部材27の回転量は、上記(ii)の回転量に入力部材26(操舵部材2)の回転量を加えた値となる。
これにより、車両が比較的低速で走行している場合には、操舵角θ1を増幅して運転者の操舵を補助する機能を発揮することができる。
また、車両が比較的高速で走行している場合には、例えば、操舵角θ1と車両のヨーレートγとを比較し、車両の挙動を判定する。その結果、操舵角θ1から判定される車両の挙動と検出されたヨーレートγから判定される車両の挙動とが一致していないときには、電動モータ35のロータユニット36の回転を増速したり、減速したりすることにより、車両のスタビリティコントロール(姿勢安定制御)を行う。なお、このとき、カウンタステア操作が行われるように電動モータ35の駆動を制御することもできる。
図3は、本発明の第1の実施形態の伝達比可変機構用の電動モータ35の概略構成の断面図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図5は、図4のV−V断面図である。図6は、図3のロータユニット36の分解斜視図であり、部分的に断面表示されている。
図3を参照して、電動モータ35は、上述のように、ロータユニット36と、ステータ37とを有している。ロータユニット36とステータ37とが、ハウジング20内に収容されている。また、ロータユニット36のロータ38が、ハウジング20に軸受80を介して回動可能に支持されている。ロータユニット36とステータ37とは、互いに同心に配置されている。ロータユニット36の外周面とステータ37の内周面とが、ロータ38の径方向に関する所定間隔を隔てて、ロータ38の径方向に互いに対向している。ロータユニット36と、ステータ37と、ハウジング20と、軸受80とが、モータユニットを構成している。また、電動モータ35は、ブラシレスモータである。
ハウジング20は、筒部材81と、この筒部材81の両端を覆う一対の端部材82とを有している。筒部材81と、一対の端部材82とは、互いに連結されている。なお、筒部材81と、いずれか一方の端部材82とが、単一の部材により一体に形成され、単一の部品を構成していてもよい。以下では、筒部材81と、一対の端部材82との3つが、互いに別体の場合に則して説明する。
ステータ37は、環状をなす単一のステータコア83と、複数のコイル84とを有している。
図3,図6を参照して、ロータユニット36は、上述のように、ロータ38と、周方向C3に間隔Gを隔てて配置された複数の永久磁石39と、永久磁石39を取り囲む筒状のカバー40とを備えている。
ロータ38は、例えば、金属製の筒状部材である。ロータ38は、外周面86を有している。ロータ38の外周面86が、複数の永久磁石39を支持している。また、ロータ38は、回転可能に支持されている。すなわち、ロータ38の軸方向S3(以下、単に軸方向S3ともいう。)に関する内周面の両端部には、軸受80の外輪がそれぞれ保持されている。各軸受80の内輪は、ハウジング20の対応する端部材82の環状凸部の外周に保持されている。
図3,図4を参照して、各永久磁石39は、ロータ38の径方向外方R32に向けてN極またはS極の磁極を有している。各永久磁石39の磁極が、ロータ38の径方向外方R32に向くようにして、各永久磁石39は、ロータ38の外周面86に接着剤により固定されている。また、複数の永久磁石39は、周方向C3に関して等間隔に並んでおり、また、N極とS極とが交互に配置されている。
図4,図5を参照して、また、周方向C3に関して、互いに隣接する一対の永久磁石39の間には、溝が形成されている。周方向C3に関して、互いに隣接する一対の永久磁石39の対向面87同士が、溝内に臨み、互いに離隔している。隣接する一対の永久磁石39の対向面87は、互いに平行であり、軸方向S3に平行に配置されている。周方向C3に関する対向面87同士の間隔Gは、軸方向S3に沿って一定とされている。
複数の永久磁石39は、周方向C3に互いに離隔しているので、周方向C3に互いに隣接する一対の永久磁石39同士の間において磁束が漏れることを抑制できる。その結果、例えば、出力トルクを高めることができる。
図4,図6を参照して、カバー40は、非磁性体からなり、薄肉の筒状に形成されている。非磁性体としては、合成樹脂部材、非磁性の金属部材を例示できる。非磁性の金属部材としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼を例示できる。なお、カバー40は、非磁性体からなるのが好ましいが、カバー40の一部に、非磁性体以外の部材が含まれることも考えられる。カバー40は、上述の非磁性体の少なくともひとつを含むようにしてあればよい。また、カバー40は、例えば、アルミニウム合金材料を絞り加工することにより形成される。また、合成樹脂材料を成形型を用いて射出成形することにより形成される。
カバー40は、ロータユニット36の外周を形成し、ロータ38の径方向外方R32から複数の永久磁石39を取り囲んで覆っている。カバー40は、筒状の本体88と、本体88の内周からロータ38の径方向内方R31に向けて突出した複数の凸条89とを有している。本体88は、円弧状に湾曲した複数の板状部分90を有している。複数の板状部分90は、周方向C3に互いに離隔しており、その間に、凸条89を介在させている。
図4,図5を参照して、各凸条89は、ロータ38の軸方向S3に平行に延びており、ロータ38の軸方向S3に関して本体88の全長にわたって形成されている。各凸条89は、筒状の本体88の一部を径方向内方R31へ窪ませて形成された溝形部からなる。この溝形部は、周方向C3に対向する一対の側板91と、これら一対の側板91間を連結する底板92とを含んでいる。側板91は、周方向C3に関して、永久磁石39の対向面87と対向している。底板92が、互いに隣接する一対の永久磁石39の間において周方向C3に沿って配置されている。また、側板91が弾性曲げ変形することにより、凸条89が周方向C3に関して弾性変形するようにされている。
また、各凸条89は、軸方向S3に関してテーパ形状をなしている。すなわち、周方向C3に関する凸条89の幅Lが、凸条89の長手方向S4の一端93から他端94に向かうにしたがって漸減されている。凸条89の長手方向S4の一端93における凸条89の幅(L=L1)は、凸条89の長手方向S4の他端94における凸条89の幅(L=L2)よりも大きくされている(L1>L2)。
また、各凸条89は、隣接する一対の永久磁石39間に介在しており、これら一対の永久磁石39の対向面87にともに接することより、周方向C3に関する永久磁石39間の間隔Gを規制している。より詳しくは、凸条89の長手方向S4の一端93において、凸条89は、隣接する一対の永久磁石39の対向面87に当接している。一端93における凸条89の幅は、互いに隣接する一対の永久磁石39の間隔Gと等しい寸法か、この寸法よりも若干量大きい寸法である。
また、凸条89の長手方向S4の他端94において、凸条89は、隣接する一対の永久磁石39のうちの少なくとも一方の対向面87との間に隙間を開けて対向している。他端94における凸条89の幅は、互いに隣接する一対の永久磁石39の間隔Gの寸法よりも小さい寸法である。
各凸条89は、周方向C3に関して弾性変形可能とされている。例えば、凸条89が、隣接する一対の永久磁石39間にロータ38の軸方向S3に沿って押し込まれたときに、凸条89の側板91が弾性曲げ変形することができる。このときの弾性復元力により、各凸条89は、当該凸条89に隣接する一対の永久磁石39を周方向C3に弾力的に押圧している。
また、凸条89がテーパー形状をなすので、凸条89が永久磁石39間に軸方向S3に沿って押し込まれたときに、テーパ形状の楔作用により、凸条89の側板91が永久磁石39を強く押圧することができる。これにより、周方向C3に関して、カバー40と永久磁石39との相対移動が確実に規制されている。また、軸方向S3に関して、テーパ状の凸条89が押し込まれる向きへの、永久磁石39に対するカバー40の移動が規制されている。
図3,図6を参照して、カバー40は、ロータ38に対する回動および軸方向移動を規制するためにロータ38に係止する係止部としての折り曲げ部95を含んでいる。
折り曲げ部95は、軸方向S3に関しての一方の端部において周方向C3に関しての一箇所に設けられ、カバー40の縁部98に設けられている。この縁部98は、軸方向S3に関して、上述の凸条89の幅が狭い側の端部にある。折り曲げ部95は、カバー40の本体88の縁部98から、径方向内方R31に延びている。
ロータ38には、環状の端壁100と、この端壁100において軸方向S3に窪む凹部101とを有している。この凹部101は、折り曲げ部95に応じた位置に、折り曲げ部95と同数で設けられている。この凹部101内に折り曲げ部95の延設端が導入されている。凹部101は、周方向C3に対向する一対の側壁面102と、軸方向端部に配置された端壁面103とを有している。凹部101は、軸方向外方および径方向外方R32に向けて開放されている。これらの方向から、折り曲げ部95の延設端が凹部101の内部に容易に進入できるようになっている。
また、カバー40の装着方法の一例として、カバー40が永久磁石39に取り付けられた状態で、折り曲げ部95が曲げ加工されることにより、径方向内方R31に延びるようにされている。折り曲げ部95が曲げ加工されるとともに、折り曲げ部95の延設端が凹部101内に導入される。
図3,図4を参照して、凹部101の一対の側壁面102は、折り曲げ部95と係合することにより周方向C3に関するロータ38に対するカバー40の相対回動を規制する第1の規制部として機能する。また、凹部101の端壁面103は、折り曲げ部95と係合することによりロータ38の軸方向S3に関するロータ38に対するカバー40の相対移動を規制する第2の規制部として機能する。
また、カバー40の各凸条89の底板92が、接着剤105を介して、ロータ38の外周面86の接着部108に固定されている。接着部108は、外周面86における永久磁石39間の部分である。底板92は、ロータ38に対する回動および軸方向移動を規制するためにロータ38に係止する係止部として機能する。接着部108は、接着剤105を介して底板92と係止されることにより周方向C3に関するロータ38に対するカバー40の回動を規制する第1の規制部として機能する。また、接着部108は、接着剤105を介して底板92と係止されることにより軸方向S3に関するロータ38に対するカバー40の相対移動を規制する第2の規制部として機能する。
以上説明したように、本実施形態によれば、電動モータ35は、筒状のロータ38と、このロータ38の周方向C3に間隔Gを隔てて配置された複数の永久磁石39と、これらの永久磁石39を取り囲む非磁性体を含む筒状のカバー40とを備えている。このカバー40は、隣接する永久磁石39間に介在しロータ38の周方向C3に関する永久磁石39間の間隔Gを規制する複数の凸条89を含むことを特徴とする。
本実施形態によれば、カバー40によって、複数の永久磁石39同士の周方向C3の相対移動が規制されるので、各永久磁石39をより確実に固定することができる。
また、凸条89は、互いに隣接する永久磁石39間の溝が延びる方向に沿って配置できる。従って、凸条89が永久磁石39間の間隔Gを確実に規制することができる。
また、上記ロータ38の周方向C3に関する凸条89の幅Lが、凸条89の長手方向S4の一端93から他端94に向かうにしたがって漸減されている。各凸条89は、ロータ38の周方向C3に関して弾性変形可能とされている。各凸条89は、当該凸条89に隣接する一対の永久磁石39をロータ38の周方向C3に弾力的に押圧している。この構成により、永久磁石39間の間隔Gと凸条89の幅との間に寸法誤差があったとしても、凸条89の弾性復元力を利用して、凸条89を永久磁石39に確実に当接させることができ、永久磁石39をより一層確実に固定することができる。また、凸条89を、当該凸条89の幅が狭い他端94側から、永久磁石39の間に容易に取り付けることができる。
また、本実施形態では、カバー40は、筒状の本体88と、この本体88の一部を径方向内方R31へ窪ませて形成された上記凸条89としての溝形部とを含んでいる。この溝形部は、ロータ38の周方向C3に対向する一対の側板91と、これら一対の側板91間を連結する底板92とを含むようにしている。この構成によれば、側板91の弾性曲げ変形を利用して、凸条89を周方向C3に関して容易に弾性変形させることができる。また、底板92は、ロータ38の周方向C3に変形し難いので、ロータ38の周方向C3に関する永久磁石39同士の間隔Gが確実に規制される。
また、本実施形態では、カバー40は、ロータ38に対する回動を規制するためにロータ38に係止する係止部(例えば、本実施形態では折り曲げ部95,底板92)を含むようにしている。この係止部により、永久磁石39をより一層確実に固定できる。
また、本実施形態では、上述の係止部は、カバー40の縁部98に設けられた折り曲げ部95を含んでいる。この場合、係止部の構造を簡素化できる。
また、本実施形態では、上記ロータ38は、上記折り曲げ部95に係合することにより、カバー40の軸方向移動を規制する第2の規制部としての端壁面103を含んでいる。この場合、回動規制用の折り曲げ部95を、軸方向移動の規制用にも利用できるので、構造を簡素化できる。
車両用操舵装置1が、操舵部材2に与えられた操舵トルクに応じて操舵補助力を発生する上述の電動モータ63を備えている。これにより、電動モータ63における永久磁石39同士の相対移動を防止できるので、電動モータ63のトルク不足の発生を防止できる。その結果、操舵補助力が低下することを防止できる。また、電動モータ63のトルク変動の発生を防止できるので、操舵感が低下することを防止できる。
また、車両用操舵装置1が、本実施形態の電動モータ35と、この電動モータ35の駆動により、操舵部材2の操舵角に対する転舵輪18,19の転舵角の比としての伝達比を変化させる伝達比可変機構24とを備えている。これにより、電動モータ35における永久磁石39同士の相対移動を防止できるので、電動モータ35のトルク不足の発生を防止でき、また、トルク変動の発生を防止できる。その結果、VGR機能を有する車両用操舵装置1における伝達比を変化させる動作が不安定になることを防止できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に図示して、この点を主に説明する。他の構成については、説明を省略するが、上述の実施形態と同様であり、同一符号を付してある。
例えば、図7は、本発明の第2の実施形態の電動モータ35Aの概略構成の断面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面図である。図9は、図7のロータユニット36の分解斜視図であり、部分的に断面表示されている。図7,図8および図9を参照して、電動モータ35Aは電動モータ35に代えて用いられる。電動モータ35Aのロータユニット36は、ロータ38と、複数の永久磁石39と、カバー40Aとを有している。また、カバー40Aは、本体88と、複数の凸条89Aと、複数の折り曲げ部95Aとを有している。また、本実施形態のロータ38では、上述の凹部101が廃止されている。
第2の実施形態のカバー40A、凸条89A、および折り曲げ部95Aは、第1の実施形態のカバー40、凸条89、および折り曲げ部95とは、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
ロータ38の周方向C3に関する凸条89Aの幅が、凸条89Aの長手方向S4の一端93から他端94にかけて一定とされており、当該凸条89Aに隣接する一対の永久磁石39の対向面87同士の間隔Gと等しい値か、この値に近似した値とされている。各凸条89Aは、当該凸条89Aの長手方向S4に関する永久磁石39の全長にわたって、当該凸条89Aに隣接する一対の永久磁石39にともに接触している。これにより、各凸条89Aは、周方向C3に関する永久磁石39間の間隔Gを規制している。
図8,図9を参照して、折り曲げ部95Aは、ロータ38の軸方向S3に関する両側において、カバー40Aの本体88の各板状部分90の縁部98に設けられている。各折り曲げ部95Aは、クランク状に屈曲している。各折り曲げ部95Aは、本体88の板状部分90の縁部98から径方向内方R31へ延設された第1の部分111と、第1の部分111の径方向内方R31の端部から軸方向外方へ延設された第2の部分112と、第2の部分112の軸方向外方の端部から径方向内方R31へ延設された第3の部分113とを有している。
折り曲げ部95Aの第1の部分111が、ロータ38の軸方向S3に永久磁石39に係合している。これにより、ロータ38の軸方向S3に関する永久磁石39とカバー40Aとの相対移動が規制されている。
折り曲げ部95Aの第3の部分113が、ロータ38の端壁100(図7参照)に係合している。これにより、ロータ38の軸方向S3に関するロータ38に対するカバー40Aの相対移動が規制されている。
図7,図8を参照して、また、カバー40Aは、ロータ38に対する回動および軸方向移動を規制するためにロータ38に係止する係止部としての複数の塑性変形部115(一部のみ図示)を含んでいる。
塑性変形部115は、各折り曲げ部95Aの第2の部分112に1つずつ設けられており、カバー40A全体としては複数カ所に設けられている。塑性変形部115は、第2の部分112がロータ38の外周面86に嵌合した状態で、第2の部分112が径方向外方R32からロータ38にかしめ付けられること、すなわち、局部加圧されることにより塑性変形が生じて形成されてなる。第2の部分112には、押圧されたことによる痕跡として、径方向内方R31へ窪む凹部と、この凹部の背面側において径方向内方R31へ突出する凸部とが形成されている。
ロータ38の外周面86には、ロータ38の径方向に関して複数の塑性変形部115に対向して、複数の凹部118が形成されている。複数の凹部118は、塑性変形部115がかしめ付けられるのにともなって形成されてもよいし、かしめ前に予め形成されてもよい。凹部118と塑性変形部115とが、互いに嵌まり合った状態で係合している。
周方向C3に関する凹部118の両側の縁部119は、塑性変形部115と係合することにより周方向C3に関するロータ38に対するカバー40Aの相対回動を規制する第1の規制部として機能する。軸方向S3に関する凹部118の両側の縁部120は、塑性変形部115と係合することにより軸方向S3に関するロータ38に対するカバー40Aの相対移動を規制する第2の規制部として機能する。
図7,図8を参照して、カバー40Aの装着方法の一例として、カバー40Aが永久磁石39を覆った状態で、カバー40Aの折り曲げ部95Aが折り曲げられるようにされている。このときに、カバー40Aは、ロータ38の径方向に締め付けられる。また、カバー40Aの折り曲げ部95Aがロータ38にかしめ付けられるときに、カバー40Aは、ロータ38の径方向に締め付けられる。これにより、凸条89Aと永久磁石39との間の寸法誤差が解消されて、凸条89Aと永久磁石39とが互いに密着することができる。
本実施形態では、カバー40Aは、筒状の本体88と、この本体88の一部を径方向内方R31へ窪ませて形成された凸条89Aとしての溝形部とを含んでいる。この溝形部は、ロータ38の周方向C3に対向する一対の側板91と、これら一対の側板91間を連結する底板92とを含むようにしている。この構成によれば、凸条89Aの側板91の弾性曲げ変形を利用して、凸条89Aを周方向C3に関して容易に弾性変形させることができる。その結果、各凸条89Aは、当該凸条89Aに隣接する一対の永久磁石39をロータ38の周方向C3に弾力的に押圧することができる。従って、永久磁石39間の間隔Gと凸条89Aの幅との間に寸法誤差があったとしても、凸条89Aの弾性復元力を利用して、凸条89Aを永久磁石39に確実に当接させることができ、永久磁石39をより一層確実に固定することができる。また、底板92は、ロータ38の周方向C3に変形し難いので、ロータ38の周方向C3に関する永久磁石39同士の間隔Gが確実に規制される。
本実施形態では、上述の係止部は、ロータ38にかしめ付けられた塑性変形部115を含んでいる。この場合、例えば、カバー40Aを永久磁石39に嵌合した後で、カバー40Aをロータ38に固定することができる。また、係止部の構造を簡素化できる。
ロータ38は、塑性変形部115に係合することにより、カバー40Aの軸方向移動を規制する第2の規制部としての上記縁部120を含んでいる。この場合、回動規制用の塑性変形部115を、軸方向移動の規制用にも利用できるので、構造を簡素化できる。
図10は、本発明の第3の実施形態の電動モータ35Bの概略構成の断面図である。図11は、図10のXI−XI断面図である。図10,図11を参照して、電動モータ35Bは電動モータ35に代えて用いられる。電動モータ35Bのロータユニット36は、ロータ38と、複数の永久磁石39と、カバー40Bとを有している。また、カバー40Bは、本体88と、複数の凸条89Aと、単一の折り曲げ部95Bと、複数の折り曲げ部95Cとを有している。また、本実施形態のロータ38は、第1の実施形態と同様に、凹部101を有している。
第3の実施形態のカバー40Bは、第2の実施形態のカバー40Aとは、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。また、第3の実施形態の折り曲げ部95B,95Cは、第2の実施形態の折り曲げ部95Aとは、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
折り曲げ部95Bと凹部101とは、互いに対向して、それぞれ1箇所に設けられているが、少なくとも1箇所あればよい。また、折り曲げ部95B,95Cの少なくとも一方が、軸方向S3の両側にそれぞれ少なくともひとつ設けられていればよい。
すなわち、折り曲げ部95Bは、上述の第1、第2および第3の部分111,112,113を有している。折り曲げ部95Bの延設端としての第3の部分113が、ロータ38の凹部101に嵌め入れられた状態で、端壁面103および一対の側壁面102と係合している。また、折り曲げ部95Cは、上述の第1、第2および第3の部分111,112,113を有している。折り曲げ部95Cの第3の部分113が、端壁100に係合している。なお、折り曲げ部95B,95Cでは、塑性変形部115は廃止されている。
カバー40Bは、ロータ38に対する回動および軸方向移動を規制するためにロータ38に係止する係止部としての折り曲げ部95Bを含んでいる。また、凹部101の一対の側壁面102が、上記第1の規制部として機能する。また、凹部101の端壁面103が、上記第2の規制部として機能する。
本実施形態では、上述の係止部は、カバー40Bの縁部98に設けられた折り曲げ部95Bを含んでいる。この場合、係止部の構造を簡素化できる。
また、ロータ38は、折り曲げ部95Bに係合することにより、カバー40Bの軸方向移動を規制する第2の規制部としての凹部101の端壁面103を含んでいる。この場合、回動規制用の折り曲げ部95Bを、軸方向移動の規制用にも利用できるので、構造を簡素化できる。
なお、第1の実施形態において、折り曲げ部95と凹部101とは、少なくとも一箇所にあればよい。また、第2の実施形態における折り曲げ部95Aは、ロータ38の軸方向S3に関する両側のそれぞれに、少なくとも1箇所あればよい。また、第3の実施形態における、折り曲げ部95Bおよび凹部101は、少なくとも一箇所にあればよい。また、折り曲げ部95Bは、ロータ38の軸方向S3に関する両側のそれぞれに、少なくとも1箇所ある場合には、折り曲げ部95Cを廃止することもできる。
また、第1の実施形態においては、カバー40とロータ38との相対回動および軸方向相対移動を規制するために、(1)折り曲げ部95と凹部101とを係合させることと、(2)凸条89とロータ38とを接着することと、の両方が採用されていたが、上述の(1)および(2)のうちのいずれか一方を廃止することも考えられ、(1)および(2)のうちの少なくとも一方が採用されていればよい。同様に、第2の実施形態においては、(3)塑性変形部115と凹部118とを係合させることと、上述の(2)とのうちの少なくとも一方が採用されていればよい。第3の実施形態においては、(3)折り曲げ部95Bと凹部101とを係合させることと、上述の(2)とのうちの少なくとも一方が採用されていればよい。
また、上記電動モータ35A,35Bの特徴が電動モータ63に適用されてもよい。車両用操舵装置1が、伝達比可変機構用の電動モータ35,35A,35Bと、操舵補助用の電動モータ63とのいずれか一方のみを有していてもよい。また、上記電動モータ35,35A,35Bの特徴が車両用操舵装置1以外の一般の装置の電動モータに適用されてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の第1の実施形態の電動モータが適用された車両用操舵装置の概略構成の模式図である。 図1の伝達比可変機構の側面図であり、部分的に断面表示されている。 本発明の第1の実施形態の電動モータの概略構成の断面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図4のV−V断面図である。 図3のロータユニットの分解斜視図であり、部分的に断面表示されている。 本発明の第2の実施形態の電動モータの概略構成の断面図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 図7のロータユニットの分解斜視図であり、部分的に断面表示されている。 本発明の第3の実施形態の電動モータの概略構成の断面図である。 図10のXI−XI断面図である。
符号の説明
35,35A,35B,63…電動モータ、38…ロータ、39…永久磁石、40,40A,40B…カバー(非磁性体)、88…(カバーの)本体、89,89A…凸条(溝形部、本体の一部)、93…(凸条の長手方向の)一端、94…(凸条の長手方向の)他端、91…側板、92…底板(規制部)、95,95A,95B…折り曲げ部(係止部)、103…端壁面(規制部)、108…接着部(規制部)、115…塑性変形部(係止部)、120…縁部(規制部)、C3…(ロータの)周方向、G…間隔、L…凸条の幅、R31…径方向内方、S3…軸方向、S4…(凸条の)長手方向

Claims (7)

  1. ロータと、
    このロータの周方向に間隔を隔てて配置された複数の永久磁石と、
    これらの永久磁石を取り囲む非磁性体を含む筒状のカバーとを備え、
    このカバーは、隣接する永久磁石間に介在しロータの周方向に関する永久磁石間の間隔を規制する複数の凸条を含むことを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項1において、上記ロータの周方向に関する凸条の幅が、凸条の長手方向の一端から他端に向かうにしたがって漸減されており、各凸条は、ロータの周方向に関して弾性変形可能とされ、各凸条は、当該凸条に隣接する一対の永久磁石をロータの周方向に弾力的に押圧していることを特徴とする電動モータ。
  3. 請求項1または2において、上記カバーは、筒状の本体と、この本体の一部を径方向内方へ窪ませて形成された上記凸条としての溝形部とを含み、この溝形部は、ロータの周方向に対向する一対の側板と、これら一対の側板間を連結する底板とを含むことを特徴とする電動モータ。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、上記カバーは、ロータに対する回動を規制するためにロータに係止する係止部を含むことを特徴とする電動モータ。
  5. 請求項4において、上記係止部は、ロータにかしめ付けられた塑性変形部を含むことを特徴とする電動モータ。
  6. 請求項4において、上記係止部は、カバーの縁部に設けられた折り曲げ部を含むことを特徴とする電動モータ。
  7. 請求項4から6の何れか1項において、上記ロータは、上記係止部に係合することにより、カバーの軸方向移動を規制する規制部を含むことを特徴とする電動モータ。
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