JP2012066788A - 転舵軸支持構造及び車両用操舵装置 - Google Patents

転舵軸支持構造及び車両用操舵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で耐久性に優れた転舵軸支持構造を提供すること。
【解決手段】転舵軸支持構造40が、ハウジング5の内周面5aに圧入された汎用の円筒ブッシュ41と、一体ユニット42とを備える。円筒面44aおよび平坦面44bを有する断面D形部材44と、円環体45とが、ピンによって一体に連結され、一体ユニット42を構成する。断面D形部材44は、円筒ブッシュ41内に挿入される。回転規制機構によって、ハウジング5に対する円環体45の回転が規制されている。
【選択図】図3

Description

本発明は転舵軸支持持構造及び車両用操舵装置に関する。
タイヤからステアリング・ナックルを介してラックに伝達されるラジアル荷重とスラスト荷重を弾性体を介して伝達するステアリング制御装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
また、パワーステアリングモータによってボールねじ機構を介して軸方向に駆動されるシャフトの端部の動きを、リンク(タイロッド)および継手(ナックル)を介して、駆動する電動アクチュエータが提案されている(例えば特許文献2を参照)。
異なった方向に偏心した複数の環体によって、ラックバーの嵌合孔を形成することにより、ラックバーと嵌合孔との見かけ上の嵌合すきまを50μm以下にしたラックバー支持装置が提案されている(例えば特許文献3を参照)。
また、ラックがピニオンに片当たり状態で噛み合うように、ラック軸のラック面をピニオン軸の軸線に対して予め傾斜させた状態でラック軸をギヤハウジングに取り付けたラックアンドピニオン式ステアリング装置が提案されている(例えば特許文献4を参照)。
また、ラック軸を軸方向に摺動可能に支持するラックブッシュを断面D形とし、そのラックブッシュによってラック軸の回動を規制するステアリング装置が提案されている(例えば特許文献5を参照)。
特公平3−56944号公報〔図6(a)〜(c)、第14頁第28欄第9行〜第16頁第32欄第42行〕 特表2007−531489号公報(図12、第51段落) 特開昭54−80932号公報(図3、図4、第2頁左下欄第6行〜右下欄第10行) 特開昭57−41257号公報(第2頁右上欄第14行〜第3頁左上欄第1行) 特開2008−74260号公報
ところで、ボールねじ機構を用いて転舵を行う車両用操舵装置では、路面反力によって、転舵軸の一部としてのねじ軸とボールナットとのボール嵌合部に、ラジアル荷重が負荷されると、各ボールにかかる負荷が不均一となり、部分的に高負荷となり、耐久性が低下する。
したがって、転舵軸の端部を支持するブッシュを用いる必要がある。一方、転舵軸(ねじ軸)の回動を規制する必要がある。そこで、転舵軸の端部の外径形状を例えば断面D形とするとともにブッシュの内径形状を例えば断面D形とし、当該ブッシュによって転舵軸の回転を規制することが、小型化を図るうえで好ましい。
しかしながら、内径形状が断面D形をなす異形のブッシュは、各摺動面(すなわち、円筒面からなる摺動面および平坦面からなる摺動面)の形状精度を確保することが困難であり、製造コストが高くなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、安価で耐久性に優れた転舵軸支持構造および車両用操舵装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、筒状のハウジング(5)内に転舵軸(6)を軸方向(X1)に摺動可能に支持する転舵軸支持構造(40;40A;40B;40C)において、上記ハウジングの内周面(5a)に圧入された円筒ブッシュ(41)と、上記円筒ブッシュの内周面(41b)に沿う円筒面(44a)および上記円筒面に対向する平坦面(44b)によって区画されるD形断面を有し、上記円筒ブッシュ内に挿入された断面D形部材(44)と、上記断面D形部材と一体に設けられ上記ハウジングの上記内周面に嵌合された円環体(45)と、上記円環体の上記ハウジングに対する回転を規制する回転規制機構(48;48A;48B;48C)と、を備える転舵軸支持構造を提供する(請求項1)。
本発明によれば、ハウジングの内周面に嵌合され回転規制機構によってハウジングに対する回動を規制された円環体と一体に、断面D形部材が設けられている。その断面D形部材が、ハウジングの内周面に圧入された円筒ブッシュ内に挿入され、円筒ブッシュと共同して、転舵軸を摺動可能に支持し、また、転舵軸の回動を規制する。
汎用されている円筒ブッシュを用いることができるので、製造コストを安くすることができる。また、断面D形部材の摺動面としての平坦面を単独で加工することができるので、加工がし易く、この点からも製造コストを安くできる。また、断面D形部材の平坦面の加工が容易であるので、断面D形部材の平坦面とこの平坦面に対向する転舵軸の平坦面との間のクリアランスを精度良く得ることができる。したがって、例えば転舵軸の中央部にボールねじ機構が配置される場合にも、当該ボールねじ機構のボール嵌合部にラジアル負荷が負荷されることを抑制することができ、耐久性を向上することができる。
また、上記断面D形部材および上記円環体が、上記円筒面を貫通するピン(43)により一体に連結された一体のユニット(42)を構成している場合がある(請求項2)。この場合、断面D形部材および円環体が一体のユニットを構成するので、組立が容易になる。
また、上記断面D形断部材および上記円環体が、単一の材料で一体に形成されて一体のユニット(42E)を構成している場合がある(請求項3)。この場合、組立が容易になる。
また、上記断面D形部材の上記平坦面に沿って固定された低摩擦シート(55)を備える場合がある(請求項4)。この場合、転舵軸をスムーズに摺動させることができる。また、低摩擦シートとして、断面D形の本体よりも高強度の部材を用いることにより、耐久性を向上することができる。
また、上記円環体は、ハウジングの内周面に設けられた位置決め段部(5d)と円筒ブッシュの端面(41c)との間に挟持されている場合がある(請求項5)。この場合、円環体をハウジングの軸方向に精度良く位置決めすることができる。
また、本発明は、操舵部材(2)と転舵機構(A)の機械的な連結が断たれた車両用操舵装置(1)において、上記に記載の転舵軸支持構造によって支持された転舵軸と、上記転舵軸の一部に設けられたねじ軸(32)と、上記ねじ軸とボール(34)を介して螺合するボールナット(33)と、ボールナットを回転駆動する電動モータ(21,22)と、を備える車両用操舵装置を提供する(請求項6)。この場合、ボール嵌合部に負荷されるラジアル荷重を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施の形態にかかる車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 転舵軸と転舵軸を駆動する機構の概略断面図である。 転舵軸支持構造の拡大断面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 断面D形部材および円環体の一体ユニットと、円筒ブッシュの分解斜視図である。 一体ユニットの分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態の転舵軸支持構造の要部の断面図である。 本発明の第3の実施の形態の転舵軸支持構造の要部の断面図である。 本発明の第4の実施の形態の転舵軸支持構造の要部の断面図である。 本発明の第5の実施の形態の転舵軸支持構造の要部の断面図である。 図10の実施の形態における断面D形部材および低摩擦シートの概略断面図である。 本発明の第6の実施の形態における一体ユニットの斜視図である。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態の転舵軸支持構造を含む車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と転舵輪3との機械的な結合が解除された、いわゆるステアバイワイヤシステムを構成している。
操舵部材2の回転操作に応じて駆動される、例えばブラシレスの電動モータを含む転舵用アクチュエータ4の動作を、ハウジング5に支持された転舵軸6の車幅方向の直線運動に変換し、この転舵軸6の直線運動を舵取り用の左右の転舵輪3の転舵運動に変換することにより転舵が達成される。
転舵用アクチュエータ4の駆動力(出力軸の回転力)は、転舵軸6に関連して設けられた運動変換機構(たとえば、ボールねじ機構)により、転舵軸6の軸方向X1(車幅方向)の直線運動に変換される。この転舵軸6の直線運動は、転舵軸6の両端から突出して設けられたタイロッド7に伝達され、ナックルアーム8の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム8に支持された転舵輪3の転舵が達成される。
転舵軸6、タイロッド7およびナックルアーム8などにより、転舵輪3を転舵するための転舵機構Aが構成されている。転舵軸6を支持するハウジング5は、図示しないブラケット等を介して車体に固定されている。
操舵部材2は、車体に対して回転可能に支持された回転シャフト9に連結されている。この回転シャフト9には、操舵部材2に操作反力を与えるための反力用アクチュエータ10が付設されている。反力用アクチュエータ10は、回転シャフト9と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータを含む。
回転シャフト9の操作部材2とは反対側の端部には、例えば渦巻きばね等からなる弾性部材11が車体との間に結合されている。この弾性部材11は、反力用アクチュエータ10が操舵部材2にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、操舵部材2を直進操舵位置に復帰させる。
操舵部材2の操作入力値を検出するために、回転シャフト9に関連して、操舵部材2の操舵角θh を検出するための操舵角センサ12が設けられている。また、回転シャフト9には、操舵部材2に加えられた操舵トルクTを検出するためのトルクセンサ13が設けられている。一方、転舵軸6に関連して、転舵輪3の転舵角δW (タイヤ角)を検出するための転舵角センサ14が設けられている。
これらのセンサの他にも、車速Vを検出する車速センサ15と、車体の上下加速度GZ を検出する悪路状態検出センサとしての上下加速度センサ16と、車両の横加速度Gy を検出する横加速度センサ17と、車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ18とが設けられている。
上記のセンサ類12〜18の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニット(ECU)からなる車両制御手段としての制御装置19に入力されるようになっている。
制御装置19は、操舵角センサ12によって検出された操舵角θh および車速センサ15によって検出された車速Vに基づいて、目標転舵角を設定し、この目標転舵角と転舵角センサ14によって検出された転舵角δW との偏差に基づいて、駆動回路20Aを介し、転舵用アクチュエータ4を駆動制御(転舵制御)する。
一方、制御装置19は、センサ類12〜18が出力する検出信号に基づいて、操舵部材2の操舵方向と逆方向の適当な反力が発生されるように、駆動回路20Bを介して、反力用アクチュエータ10を駆動制御(反力制御)する。
図2を参照して、転舵軸6の途中部は、筒状のハウジング5内に挿入されている。ハウジング5の内周面5aとハウジング5内に挿入された転舵軸6との間に、転舵用アクチュエータとしての第1および第2の電動モータ21,22と、これら電動モータ21,22の出力回転を転舵軸6の軸方向移動に変換する運動変換機構としてのボールねじ機構23とが配置されている。
転舵用アクチュエータ4を構成する第1の電動モータ21および第2の電動モータ22は、ハウジング5内に、軸方向X1に並んで配置されている。第1の電動モータ21は、ハウジング5の内周面5aに固定された第1のステータ24を備えており、第2の電動モータ22は、ハウジング5の内周面5aに固定された第2のステータ25を備えている。第1の電動モータ21および第2の電動モータ22は、転舵軸6の周囲を取り囲む共通の筒状のロータ26を有している。
ロータ26は、転舵軸6の周囲を取り囲む筒状のロータコア27と、ロータコア27の外周面27aに同伴回転可能に嵌合された第1および第2の永久磁石28,29とを有している。第1の永久磁石28および第2の永久磁石29は、軸方向X1に並んで配置されている。第1の永久磁石28は第1のステータ24に対向し、第2の永久磁石29は第2のステータ25に対向している。
ハウジング5は、第1および第2の軸受30,31を介して、ロータ26の軸方向の両端部を回転可能に支持している。具体的には、ロータコア27は軸方向に関して第1および第2の端部271,272を有している。ハウジング5は、第1の軸受30を介して、ロータコア27の第1の端部271を回転可能に支持している。また、ハウジング5は、第2の軸受31を介して、ロータコア27の第2の端部272を回転可能に支持している。第1の軸受30および第2の軸受31の各外輪は、ハウジング5に対する軸方向移動が規制され、また、第1の軸受30および第2の軸受31の各内輪は、ロータコア27に対する軸方向移動が規制されている。これにより、ハウジング5に対するロータコア27の軸方向移動が規制されている。
ボールねじ機構23は、転舵軸6の一部に形成されたねじ軸32と、ねじ軸32の周囲を取り囲み、上記ロータコア27と同伴回転するボールナット33と、列をなす多数のボール34とを備えている。上記ボール34は、ボールナット33の内周に形成された螺旋状のねじ溝35(雌ねじ溝)と、ねじ軸32の外周に形成されたらせん状のねじ溝36(雄ねじ溝)との間に介在している。
ボールナット33は、ロータコア27の内周面27bに同伴回転可能に嵌合されている。また、ボールナット33とロータコア27の軸方向相対移動が規制されている。具体的には、ロータコア27の内周面27bに形成された凹部37(凹部37の底)に、ボールナット33が同伴回転可能に嵌合されている。
ボールナット33の軸方向の第1および第2の端部331,332が、それぞれ、凹部37の第1および第2の内壁面371,372に当接している。これにより、ロータコア27に対するボールナット33の軸方向移動が規制されている。一方、前述したように、ハウジング5に対するロータコア27の軸方向移動が第1および第2の軸受30,31を介して規制されている。したがって、ハウジング5に対するボールナット33の軸方向移動が規制されることになる。
転舵軸6の各端部6a,6bが、転舵軸支持構造40によって支持されている。転舵軸6の各端部6a,6bを支持する転舵軸支持構造40は左右対称であるので、転舵軸6の端部6aを支持する転舵軸支持構造40に則して説明する。
図3および図3のIV−IV線に沿う断面図である図4に示すように、転舵軸支持構造40は、ハウジング5の内周面5aに圧入された円筒ブッシュ41と、一体ユニット42とを備えている。円筒ブッシュ41は、汎用品である。したがって、安価でありながら、円筒ブッシュ41の外周面41aおよび内周面41b、並びに一対の端面41c,41dに、高い寸法精度が実現されている。
図4に示すように、転舵軸6の端部6aは、D形の断面を有している。すなわち、転舵軸6の端部6aの外周面61の一部に、軸方向に沿う平坦面62が形成されている。これにより、平坦面62と外周面61の残りの部分63(円筒面)とによって、断面D形を形成している。
一方、ハウジング5の内周面5aは、端部から所定長さで延びる大径部5bと、大径部5bに連続する小径部5cとを有している。大径部5bと小径部5cの間に、環状の位置決め段部5dが形成されている。
円筒ブッシュ41は、大径部5bに圧入されている。一体ユニット42は、1ないし複数のピン43(ピン43の断面が円形である場合は、複数のピン43が用いられ、ピン43の断面が多角形その他の異形である場合は、1本のピン43でもよい)によって一体に連結された断面D形部材44および円環体45により構成されている。
円環体45の外周面45aは、大径部5bに嵌合されている。断面D形部材44は、円環体45の内周面45bに沿う円筒面44aと、その円筒面44aに対向する平坦面44bとで区画されるD形断面を有している。
図3、図4、図6に示すように、ピン43は、円環体45を貫通するピン挿通孔46および断面D形部材44の円筒面44aを挿通するピン挿通孔47に圧入され、これにより、ピン43を介して断面D形部材44および円環体45が一体に固定されている。
図3に示すように、円環体45は、ハウジング5の内周面5aの大径部5bに圧入された円筒ブッシュ41の端面41cとハウジング5の内周面5aの位置決め段部5dとの間に挟持されている。また、位置決め段部5dに対向する、円環体45の端面45cは、面粗さが粗くされている。したがって、円環体45の端面45cとハウジング5の位置決め段部5dとの摩擦係数が格段に大きく、これにより、ハウジング5に対する円環体45の回転が規制されている。すなわち、面粗さの粗い円環体45の端面45cと位置決め段部5dとにより、円環体45の回り止めを達成する回転規制機構48が構成されている。
本実施の形態によれば、ハウジング5の内周面5aの大径部5bに嵌合され且つ回転規制機構48によってハウジング5に対する回動を規制された円環体45と一体に、断面D形部材44が設けられている。その断面D形部材44が、ハウジング5の内周面5aに圧入された円筒ブッシュ41内に挿入され、円筒ブッシュ41と共同して、転舵軸6を軸方向に摺動可能に支持し、また、転舵軸6の回動を規制する。
汎用されている円筒ブッシュ41を用いることができるので、特に摺動面としての内周面41bに高い寸法精度を実現しつつ、製造コストを安くすることができる。また、断面D形部材44の摺動面としての平坦面44bを単独で(円筒ブッシュ41の内周面41bとは別個に)加工することができるので、加工がし易く、この点からも製造コストを安くできる。
また、断面D形部材44の平坦面44bの加工が容易であるので、断面D形部材44の平坦面44bとこの平坦面44bに対向する転舵軸6の平坦面62との間のクリアランスを精度良く得ることができる。したがって、例えば本実施の形態のように、転舵軸6の中央部にボールねじ機構23が配置される場合にも、路面反力によってボールねじ機構23のボール嵌合部にラジアル負荷が負荷されることを抑制することができる。その結果、ねじ溝35,36内の軌道面のフレッチング摩耗等を防止でき、耐久性を向上することができる。
また、断面D形部材44および円環体45が、断面D形部材44の円筒面44aを貫通するピン43により一体に連結された一体のユニット42を構成しているので、組立が容易になる。
また、円環体45が、ハウジング5の内周面5aの大径部5bに圧入された円筒ブッシュ41の端面41cとハウジング5の内周面5aに設けられた位置決め段部5dとの間に挟持されているので、円環体45をハウジング5の軸方向に精度良く位置決めすることができる。
図7に示される第2の実施の形態の転舵軸支持構造40Aでは、円環体45の端面45cに多数の凹凸49を形成しており、これらの凹凸49をハウジング5の位置決め段部5dに押圧することにより、ハウジング5に対する円環体45の回転を規制している。すなわち、凹凸49が形成された円環体45の端面45cと、位置決め段部5dとによって、転舵軸支持構造40Aにおける回転規制機構48Aが構成されている。この場合、確実に円環体45の回り止めを達成できる。
図8に示す第3の実施の形態の転舵軸支持構造40Bでは、ハウジング5の内周面5aに設けられた軸方向(紙面とは直交する方向)に延びるキー溝50と、円環体45の外周面45aに形成されたキー溝51とに跨がるように、キー52を嵌合している。すなわち、ハウジング5および円環体45に設けられたキー溝50,51とキー52とによって、本転舵軸支持構造40Bにおける回転規制機構48Bが構成されている。本実施の形態では、より確実に円環体45の回り止めを達成できる。
図9に示す第4の実施の形態の転舵軸支持構造40Cでは、円環体45の端面45cに設けられた1ないし複数の係止突起53が、ハウジング5の位置決め段部5dに設けられた係止孔54に嵌合されている。複数設けられる場合の係止突起53は、円環体45の周方向に等間隔を隔てて配置される。本実施の形態では、円環体45の端面45cに設けられた係止突起53とハウジング5の位置決め段部5dに設けられた係止孔54とによって、本転舵軸支持構造40Cにおける回転規制機構48Cが構成されている。本実施の形態では、より確実に円環体45の回り止めを達成できる。
図10は、第5の実施の形態の転舵軸支持構造40Dを示している。本実施の形態の転舵軸支持構造40Dは、断面D形部材44の平坦面44bに沿って固定された低摩擦シート55を備えており、低摩擦シート55が、転舵軸6の平坦面62と摺動する。
図11に示すように、低摩擦シート55としては、例えば充填剤入り四フッ化エチレン樹脂層等の高強度樹脂層56、青銅焼結層57およびバックメタル層58の3層により構成された積層シートを用いることができる。摺動層である高強度樹脂層56の層厚は、例えば0.03mmである。低摩擦シート55の許容最高面圧は、例えば49MPaである。摺動層としての高強度樹脂層56としての四フッ化エチレン樹脂層の摩擦係数は、例えば0.05である。
図11に示すように、断面D形部材44および円環体45を連結するためのピン43が、高強度樹脂層56のピン挿通孔59まで圧入され、これにより、低摩擦シート55が断面D形部材44の平坦面44bに一体に固定されている。ただし、断面D形部材44および円環体45を連結するためのピン43とは別個に設けられたピンによって、低摩擦シート55を断面D形部材の平坦面44bに固定するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、低摩擦シート55を用いることにより、転舵軸6をよりスムーズに摺動させることができる。また、低摩擦シート55の厚みの調整によって、当該低摩擦シート55と転舵軸6の平坦面62とのクリアランスを、例えば20μm以下に容易に調整することができる。このようにクリアランスを小さくできるので、転舵軸6がねじられたときに、転舵軸6の平坦面62に対して低摩擦シート55が片当たりすることを抑制することができる。したがって、耐久性をより向上することができる。
上記各実施の形態では、断面D形部材44と円環体45をピン43により連結して一体ユニット42を構成したが、これに限らず、ピン43を廃止し、図12に示すように、断面D形部材44と円環体45を単一の材料で一体に形成して一体ユニット42Eを構成するようにしてもよい。
また、本発明は、ボールねじ式を用いる車両用操舵装置に限らず、一般的なラックピニオン式の車両用操舵装置に適用することができる。その他、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を施すことができる。
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、3…転舵輪、4…転舵用アクチュエータ、5…ハウジング、5a…内周面、5b…大径部、5c…小径部、5d…位置決め段部、6…転舵軸、6a,6b…端部、7…タイロッド、8…ナックルアーム、21…第1の電動モータ、22…第2の電動モータ、23…ボールねじ機構、32…ねじ軸、33…ボールナット、34…ボール、40;40A;40B;40C…転舵軸支持構造、41…円筒ブッシュ、41b…内周面、41c…端面、42;42E…一体ユニット、43…ピン、44…断面D形部材、44a…円筒面、44b…平坦面、45…円環体、46,47…ピン挿通孔、48;48A;48B;48C…回転規制機構、49…凹凸、50,51…キー溝、52…キー、53…係止突起、54…係止孔、55…低摩擦シート、56…高強度樹脂層、57…青銅焼結層、58…バックメタル層、61…外周面、62…平坦面、X1…軸方向、A…転舵機構

Claims (6)

  1. 筒状のハウジング内に転舵軸を軸方向に摺動可能に支持する転舵軸支持構造において、 上記ハウジングの内周面に圧入された円筒ブッシュと、
    上記円筒ブッシュの内周面に沿う円筒面および上記円筒面に対向する平坦面によって区画されるD形断面を有し、上記円筒ブッシュ内に挿入された断面D形部材と、
    上記断面D形部材と一体に設けられ上記ハウジングの上記内周面に嵌合された円環体と、
    上記円環体の上記ハウジングに対する回転を規制する回転規制機構と、を備える転舵軸支持構造。
  2. 請求項1において、上記断面D形部材および上記円環体が、上記円筒面を貫通するピンにより一体に連結された一体のユニットを構成している転舵軸支持構造。
  3. 請求項1において、上記断面D形断部材および上記円環体が、単一の材料で一体に形成されて一体のユニットを構成している転舵軸支持構造。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、上記断面D形部材の上記平坦面に沿って固定された摩擦低減シートを備える転舵軸支持構造。
  5. 請求項1から4の何れか1項において、上記円環体は、ハウジングの内周面に設けられた位置決め段部と円筒ブッシュの端面との間に挟持されている転舵軸支持構造。
  6. 操舵部材と転舵機構の機械的な連結が断たれた車両用操舵装置において、
    請求項1から5の何れか1項に記載の転舵軸支持構造によって支持された転舵軸と、
    上記転舵軸の一部に設けられたねじ軸と、上記ねじ軸とボールを介して螺合するボールナットと、ボールナットを回転駆動する電動モータと、を備える車両用操舵装置。
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