JP5229543B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
このため、揺動歯車を形成する際には、揺動歯車の製造中間体の一方の端面に第2歯車を形成した後、製造中間体の他方の端面に第3歯車を形成する。このとき、第2歯車に対して第3歯車の位置決めを精度よく設定しなければならず、揺動歯車の製造に手間がかかる。
また、本発明において、上記第1および第2の部材の筒状部の外周(171,172)は、内輪本体の内周に圧入された圧入部(173,175)と、逃げ凹部(174,176)とを含み、上記逃げ凹部と内輪本体の内周との間に隙間(D)が設けられ、上記内輪の軸方向に関して、上記第1および第2の部材の上記圧入部の間に、上記第1および第2の部材の上記逃げ凹部が、互いに隣接して配置されている場合がある(請求項3)。
また、本発明において、上記第1および第2の部材の上記筒状部が互いに凹凸係合することにより、上記第1および第2の部材の相対回転が規制されている場合がある(請求項4)。この場合、第1および第2の部材の相対回転を確実に規制することができる。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる伝達比可変機構を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に付与された操舵トルクを、操舵軸としてのステアリングシャフト3等を介して左右の転舵輪4L,4Rのそれぞれに与えて転舵を行うものである。この車両用操舵装置1は、操舵部材2の操舵角θ1に対する転舵輪の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio)機能を有している。
転舵機構10は、自在継手9に連なるピニオン軸15と、ピニオン軸15の先端のピニオン15aに噛み合うラック16aを有し車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを有している。ラック軸16の一対の端部のそれぞれにタイロッド17L,17Rを介してナックルアーム18L,18Rが連結されている。
出力部材22は、第2のシャフト12や転舵機構10等を介して転舵輪4L,4Rに連なっている。
転動体393としては、玉以外にも、円筒ころ、針状ころ、円錐ころを用いることができる。また、転動体393は、単列に配置されていてもよいし、複列に配置されていてもよい。複列にすると、外輪392に対する内輪391の倒れを防止できる。複列のものとして、複列アンギュラ軸受を例示できる。
伝達比可変機構用モータ23は、例えば、ステアリングシャフト3とは同軸的に配置されたブラシレスモータからなり、軌道輪ユニット39の外輪392を保持するロータ231と、このロータ231を取り囲むとともにステアリングコラムとしてのハウジング24に固定されたステータ232とを含んでいる。ロータ231は、第1の軸線Aの回りを回転するようになっている。
減速機構26は、例えばウォームギヤ機構からなり、操舵補助用モータ25の出力軸25aに連結された駆動歯車としてのウォーム軸27と、ウォーム軸27と噛み合い且つ第3のシャフト13に同行回転可能に連結された従動歯車としてのウォームギヤ28とを含んでいる。なお、減速機構26は、ウォームギヤ機構に限らず、平歯車やはすば歯車を用いた平行軸歯車機構等の他の歯車機構を用いてもよい。
上記伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動は、それぞれ、CPU、RAMおよびROMを含む制御部29によって制御される。制御部29は、駆動回路40を介して伝達比可変機構用モータ23と接続されているとともに、駆動回路41を介して操舵補助用モータ25と接続されている。
操舵角センサ42から制御部29へは、操舵部材2の直進位置からの操作量である操舵角θ1に対応する値として、第1のシャフト11の回転角についての信号が入力される。
トルクセンサ44から制御部29へは、操舵部材2に作用する操舵トルクTに対応する値として、第2および第3のシャフト12,13間に作用するトルクについての信号が入力される。
車速センサ46から制御部29へは、車速Vについての信号が入力される。
ヨーレートセンサ47から制御部29へは、車両のヨーレートγについての信号が入力される。
上記の構成により、伝達比可変機構5の出力は、操舵補助力付与機構19を介して転舵機構10に伝達される。より具体的には、操舵部材2に入力された操舵トルクは、第1のシャフト11を介して伝達比可変機構5の入力部材20に入力され、出力部材22から操舵補助力付与機構19の第2のシャフト12に伝達される。
図2は、図1の要部のより具体的な構成を示す断面図である。図2を参照して、ハウジング24は、例えば、アルミニウム合金等の金属を筒状に形成してなるものであり、第1〜第3のハウジング51〜53を含んでいる。このハウジング24内には、第1〜第8の軸受31〜38が収容されている。第1〜第5の軸受31〜35および第7〜第8の軸受37〜38は、それぞれ、アンギュラ玉軸受等の転がり軸受であり、第6の軸受36は、針状ころ軸受等の転がり軸受である。
図3は、図2の伝達比可変機構5およびその周辺の拡大図である。図3を参照して、伝達比可変機構5の入力部材20、出力部材22および軌道輪ユニット39の内輪391は、それぞれ、環状をなしている。
第1のシャフト11は、筒状部材202の挿通孔202aを挿通することにより、筒状部材202と同行回転可能に連結されている。
第2のシャフト12は、出力部材22の挿通孔22aを挿通することにより、出力部材22と同行回転可能に連結されている。
筒状部材202は、第1および第2のシャフト11,12のそれぞれの対向端部11a,12aを取り囲んでいる。筒状部材202の一端は、第1の軸受31と径方向に対向している。筒状部材202の他端は、第2のシャフト12の対向端部12aと径方向に対向している。
なお、筒状部材202を第2のシャフト12の対向端部12aに同行回転可能に連結するとともに、第8の軸受38を、筒状部材202と第1のシャフト11の対向端部11aとの間に介在させてもよい。
なお、外輪392が入力部材20および出力部材22を差動回転可能に連結するとともに、内輪391が伝達比可変機構用モータ23のロータ231と同行回転可能に連結されるようにしてもよい。この場合、軌道輪ユニット39は、内輪支持型となる。
第1の環状フランジ155は、第1の筒状部154に対して径方向外方に延びている。第1の環状フランジ155のうち、入力部材20に対向する外側面が、内輪391の第1の端面71とされている。第1の環状フランジ155には、内側面157が形成されている。内側面157は、第2の軸線Bと平行で且つ第1の軸線Aに対して傾斜する傾斜方向K(以下、単に傾斜方向Kという。)に関して、第1の端面71と対向している。第1の筒状部154の他端には、第2の部材152に対向する内側面158が形成されている。
第2の環状フランジ160は、第2の筒状部159に対して径方向外方に延びている。第2の環状フランジ160のうち、出力部材22に対向する外側面が、内輪391の第2の端面73とされている。第2の環状フランジ160には、傾斜方向Kに関して第2の端面73と対向する内側面163が形成されている。第2の筒状部159の他端には、第1の部材151に対向する内側面164が形成されている。
第1および第2の起伏部166,167は、対応する内側面158,164において、周方向C1に沿って全周に形成されている。これら第1および第2の起伏部166,167は、波形形状をなしている。本実施の形態において、第1および第2の起伏部166,167は、それぞれ、矩形波形状をなして互いに凹凸係合しており、周方向C1に関して互いに隙間なく接触している。
具体的には、内輪本体153の一端面153bは、第1の環状フランジ155に沿わされており、第1の環状フランジ155の内側面157に面接触している。また、内輪本体153の他端面153cは、第2の環状フランジ160に沿わされており、第2の環状フランジ160の内側面163に面接触している。
傾斜方向Kに関して、第1および第2の逃げ凹部174,176の位置は、内輪軌道168の位置と関連付けられている。具体的には、傾斜方向Kに関して、内輪軌道168の長さと、第1および第2の逃げ凹部174,176の長さとは、互いに等しくされている。また、傾斜方向Kに関して、内輪軌道168と、第1および第2の逃げ凹部174,176とは、それぞれの一端の位置が揃えられているとともに、それぞれの他端の位置が揃えられている。
入力部材本体201および内輪391の第1の部材151のそれぞれに、第1の凹凸係合部64が設けられている。これにより、入力部材20と内輪391とは動力伝達可能とされている。また、内輪391の第2の部材152および出力部材22のそれぞれに、第2の凹凸係合部67が設けられている。これにより、内輪391と出力部材22とは動力伝達可能とされている。
第1の凸部65は、例えば38個形成されている。第1の凹部66の数は、第1の凸部65の数とは異なる数にされている。第1の凸部65の数と第1の凹部66の数との差に応じて、入力部材本体201と内輪391との間で差動回転を発生することができる。
第2の凹凸係合部67は、出力部材22の一端面としての動力伝達面72に形成された第2の凸部68と、内輪391の第2の端面73に形成され第2の凸部68に係合する第2の凹部69と、を含んでいる。動力伝達面72および第2の端面73は、軸方向Sに関して互いに対向しており、第2の凹凸係合部67は、これら動力伝達面72および第2の端面73を動力伝達可能に係合させる。
なお、入力部材本体201の動力伝達面70および内輪391の第1の端面71のそれぞれに傘歯車を形成して第1の凹凸係合部を構成するとともに、内輪391の第2の端面73および出力部材22の動力伝達面72のそれぞれに傘歯車を形成して第2の凹凸係合部を構成してもよい。この場合、第1の凸部および第2の凸部は、それぞれ、傘歯車の歯によって構成され、上記第1の凹部および第2の凹部は、それぞれ、傘歯車の歯と歯の間の溝によって構成される。
伝達比可変機構用モータ23のステータ232は、第1のハウジング51に収容されている。
ステータコア232は、円環状のヨーク97と、ヨーク97の周方向に等間隔に配置され且つヨーク97の径方向内方に突出する複数のティース98と、を含んでいる。ヨーク97の外周面は、第1のハウジング51の内周面に焼きばめ等によって固定されている。各ティース98のそれぞれに電磁コイル96が巻回されている。
ロック機構58は、ロータコア85とは同行回転可能な被規制部100と、被規制部100に係合することにより被規制部100の回転を規制する規制部101とを含んでいる。被規制部100は環状の部材であり、外周面に凹部102が形成されている。凹部102は、被規制部100の周方向に関して1箇所または複数箇所に形成されている。なお、ロータコア85に直接凹部102を設けてもよい。この場合、ロータコア85が上記の被規制部を構成する。被規制部100の一部は、トルクセンサ44の一部とは軸方向Sの位置が重ね合わされている。
ロック機構58に対して軸方向Sの他方S2側にモータレゾルバ43が配置されている。モータレゾルバ43は、第2のハウジング52に収容されており、ロータコア85の径方向外方に位置している。
第3の軸受33は、第2のハウジング52の延伸部92の先端の内周部に形成された軸受保持孔110と、出力部材22に形成された軸受保持部111との間に介在している。出力部材22は、第3の軸受33を介して、第2のハウジング52の環状の延伸部92に回転可能に支持されている。第3の軸受33は、第4の軸受34に取り囲まれており、軸方向Sに関して両者の位置が揃えられている。
具体的には、第1のハウジング51の一端側に、付勢部材としての弾性部材113が配置されている。弾性部材113は、例えば皿ばねを用いて形成されており、入力部材本体201を出力部材22に近づける方向としての付勢方向H1(軸方向Sの他方S2側)に、入力部材本体201を付勢する。なお、弾性部材113は、波状のウェーブワッシャでもよいし、樹脂製のリング等の他の弾性体でもよい。
弾性部材113は、第1のハウジング51の一端の環状凸部89の内周に形成された軸受保持孔134に保持されている。弾性部材113は、軸受保持孔134に保持された第1の軸受31の外輪312の一端面を、付勢方向H1側に付勢(押圧)している。第1の軸受31の外輪312は、軸受保持孔134に対して軸方向Sに相対移動可能に嵌合されている。弾性部材113に隣接して蓋部材135が設けられている。蓋部材135は、軸受保持孔134に形成された雌ねじ部134aに螺合しており、弾性部材113を受けており、付勢部材113が付勢方向H1とは反対の方向H2に移動することを規制している。
第1の凹凸係合部64の第1の凸部65は、第1の凹部66と付勢方向H1に対向している。同様に、第2の凹凸係合部67の第2の凹部69は、第2の凸部68と付勢方向H1に対向している。出力部材22には、第3の軸受33の内輪331が圧入固定されている。
上記の構成により、弾性部材113の付勢力は、第1の軸受31の外輪312および転動体を介して内輪311に伝わり、さらに入力部材20に伝わる。入力部材20に伝わった付勢力は、第1の凹凸係合部64、第2の凹凸係合部67,出力部材22の順に伝わり、さらに第3の軸受33の内輪331、転動体および外輪332に伝わる。第3の軸受33の外輪332に伝わった付勢力は、環状の段部114によって受けられる。
具体的には、軌道輪ユニット39の外輪392が、ロータコア85の傾斜孔63に圧入固定されている。
本実施の形態では、入力部材20および出力部材22がハウジング24に対して軸方向Sに移動可能な量の上限が、規制されている。
例えば、工場出荷時の初期状態において、軸方向Sに関する環状凸部89の先端面89aと、入力部材本体201の環状面201aとの間に所定の隙間E1が設けられている。同様に、初期状態において、軸方向Sに関する環状の延伸部92の先端面92aと、出力部材22の環状面22bとの間に所定の隙間E2が設けられている。
これにより、入力部材20および出力部材22が内輪391に対して軸方向Sに過大に動くことを規制できる。その結果、第1の凹凸係合部64における第1の凸部65および第1の凹部66の互いの噛み合いを十分に維持でき、これら第1の凸部65および第1の凹部66の間に歯とび(滑り)が生じることを防止できる。
なお、弾性部材113を用いて、出力部材22を入力部材20に近づける方向(付勢方向H1とは反対の方向H2)に付勢してもよい。この場合、弾性部材113は、第3の軸受33を保持する軸受保持孔110に保持され、環状の段部114と第3の軸受33の外輪332とによって挟まれる。弾性部材113の付勢力は、第3の軸受33、出力部材22、第2の凹凸係合部67、第1の凹凸係合部64、入力部材20、第1の軸受31の内輪311、転動体、外輪312および蓋部材135の順に伝わり、第1のハウジング51によって受けられる。
また、内輪391に対する入力部材20および出力部材22の軸方向Sの移動量を規制可能な構造を採用している。これにより、第1および第2の凹凸係合部64,67のそれぞれに、転舵輪等から極めて大きな力が入力されたことにより、入力部材20および出力部材22が軸方向Sに変位したときでも、各凸部65,68と、対応する凹部66,69との間で滑りが生じることを確実に防止することができる。
多極磁石115は、円筒形状の永久磁石であり、複数の極(N,Sそれぞれ同じ極数)が周方向に等間隔で着磁されている。
トルクセンサ44は、磁気ヨーク116,117からの磁束を誘導する一対の集磁リング119,120をさらに含んでいる。これら一対の集磁リング119,120は、軟磁性体を用いて形成された環状の部材であり、磁気ヨーク116,117を取り囲んでこれらの磁気ヨーク116,117にそれぞれ磁気的に結合されている。
第2および第3のシャフト12,13の相対回転量に応じて磁気ヨーク116,117に磁束が生じるようになっており、この磁束は、集磁リング119,120により誘導され、合成樹脂部材121に埋設されたホールIC(図示せず)により検出される。これにより、第2のシャフト12に加えられたトルクに応じた磁束密度を検出することが出来る。
第2のハウジング52の環状の延伸部92の径方向内方の空間が、トルクセンサ収容室126とされており、トルクセンサ収容室126への潤滑剤の侵入を抑制するための構造がさらに設けられている。
第2のシャフト12と第3のシャフト13とは、第6の軸受36を介して相対回転可能に互いに支持されている。第6の軸受36は、減速機構26のウォームホイール28に取り囲まれている。減速機構26は、収容室128に収容されている。収容室128は、第3のハウジング53の外周部127と、端壁部61と、第2のハウジング52の隔壁部93とによって区画されている。ウォームホイール28の一部と第6の軸受36とは、軸方向Sに関する位置が重なり合っている。
第7の軸受37の内輪371は、第3のシャフト13の外周部に形成された環状の段部129と、第3のシャフト13の外周部に螺合されたナット部材130とによって挟持されている。第7の軸受37の外輪372は、第3のハウジング53に形成された環状の段部131と第3のハウジング53に保持された止め輪132とによって挟持されている。
本実施の形態とは異なる構成の場合、例えば、単一の部材からなる内輪の製造中間体の相対向する一対の端面に凹部を形成する場合には、一方の端面に凹部を形成した後に、この一方の端面の凹部に対して精度よく、他方の端面に凹部を形成するという、手間のかかる作業が必要である。
各凹部66,69を形成した後に、第1および第2の部材151,152を凹凸係合させればよい。
例えば、単一の部材からなる内輪の製造中間体の一対の端面に凹部を形成することに加え、内輪軌道を形成することで内輪を形成する場合と比べて、本実施の形態では、各凹部66,69の形成時に互いの相対位置を精度よく設定する必要がなく、内輪391の製造にかかる手間を少なくできる。
さらに、第1の部材151の第1の環状フランジ155と第2の部材152の第2の環状フランジ160とで、内輪本体153を挟持している。これにより、内輪本体153と、第1および第2の部材151,152との互いの結合力をより高くできる。
さらに、第1および第2の部材151,152の第1および第2の起伏部166,167が互いに凹凸係合されている。これにより、第1および第2の部材151,152の相対回転を確実に規制することができる。
さらに、弾性部材113の付勢力を、第1の軸受31の外輪312を介して第1の軸受31の内輪311に伝えることができ、第1の軸受31に確実に予圧を付与することができる。
また、第2および第4の軸受32,34は、ロータ231を軸方向Sに移動可能に支持している。内輪391がロータ231の軸方向に移動することに伴い、外輪392およびロータ231をロータ231の軸方向に同行移動することができ、その結果、内輪391と外輪392との間に不要な力が作用することを防止できる。
例えば、第1および第2の起伏部166,167に代えて、図5に示すように、三角波形状をなす第1および第2の起伏部166A,167Aを用いてもよい。
また、軌道輪ユニットの内輪を伝達比可変機構用モータで回転駆動するとともに、外輪と入力部材とを第1の凹凸係合部で連結し、さらには外輪と出力部材とを第2の凹凸係合部で連結してもよい。この場合、外輪は、内輪391と同様、第1の端面が形成された第1の部材と、第2の端面が形成された第2の部材と、これら第1および第2の部材に固定された外輪本体とを含む構成となる。
Claims (4)
- 操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比としての伝達比を変更可能な伝達比可変機構を備える車両用操舵装置において、
上記伝達比可変機構は、操舵部材に連なり第1の軸線の回りに回転可能な入力部材と、転舵輪に連なり第1の軸線の回りに回転可能な出力部材と、第1および第2の端面を有し、入力部材および出力部材を差動回転可能に連結する第1の軌道輪と、第1の軌道輪を転動体を介して回転可能に支持する第2の軌道輪と、第2の軌道輪を回転駆動可能なアクチュエータと、を含み、
第1および第2の軌道輪の中心軸線としての第2の軸線が、第1の軸線に対して傾斜しており、
入力部材および出力部材は、第1の軌道輪の対応する端面に対向する動力伝達面を有し、
第1の軌道輪の各端面および当該端面に対応する動力伝達面を動力伝達可能に係合させる凹凸係合部が設けられ、
凹凸係合部は、各端面および当該端面に対応する上記動力伝達面の一方に設けられた凸部と、他方に設けられ上記凸部と係合する凹部とを含み、
上記第1の軌道輪は、内輪であり、内輪軌道を形成する外周を有する環状の内輪本体と、上記第1の端面を形成する第1の部材と、上記第2の端面を形成する第2の部材とを有し、
上記第1および第2の部材は、互いに別体に形成され且つ互いに同行移動可能に結合されて上記内輪本体に固定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記第1および第2の部材のそれぞれは、上記内輪本体の内周に嵌合された筒状部と、筒状部の一端から筒状部の径方向外方へ延び内輪本体の対応する端面に沿う環状フランジとを有し、
上記第1の軌道輪としての内輪の端面は、各上記環状フランジに設けられている車両用操舵装置。 - 請求項2において、上記第1および第2の部材の筒状部の外周は、内輪本体の内周に圧入された圧入部と、逃げ凹部とを含み、
上記逃げ凹部と内輪本体の内周との間に隙間が設けられ、
上記内輪の軸方向に関して、上記第1および第2の部材の上記圧入部の間に、上記第1および第2の部材の上記逃げ凹部が、互いに隣接して配置されている車両用操舵装置。 - 請求項2または3において、上記第1および第2の部材の上記筒状部が互いに凹凸係合することにより、上記第1および第2の部材の相対回転が規制されている車両用操舵装置。
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