JP2009103189A - 伝達比可変機構およびこれを備える車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の軸線Aの回りに回転可能な入力部材20および出力部材22と、第1および第2の端面71,73を有し、各上記部材20,22を差動回転可能に連結する内輪391と、外輪392を回転駆動可能な伝達比可変機構用モータ23とを備える。内輪391および外輪392の中心軸線としての第2の軸線Bが、第1の軸線Aに対して傾斜している。入力部材20の動力伝達面70および内輪391の第1の端面71に第1の凹凸係合部64が設けられている。出力部材22の動力伝達面72および内輪391の第2の端面73に第2の凹凸係合部67が設けられている。
【選択図】図3
Description
特許文献1の伝達比可変機構は、アッパステアリングシャフトに回転拘束された第1歯車と、ロアステアリングシャフトに回転拘束された第4歯車と、第1および第4歯車の回転軸線に対して傾斜する軸線を有する揺動歯車とを備えている。揺動歯車の外輪歯車部の両端に、第2および第3歯車が形成されており、第2歯車が第1歯車に噛み合い、第3歯車が第4歯車に噛み合っている。
また、第2および第3歯車の径が大きくされている結果、これら第2および第3歯車の駆動時の周速が早く、噛み合い音が大きくなる。
また、本発明において、上記ロータは、ハウジング(24)によって保持された一対の軸受(32,34)に支持されており、ロータの軸方向に関して、上記一対の軸受の間に、上記内輪が配置されている場合がある(請求項4)。この場合、ロータを一対の軸受で両持ち支持することができ、ロータの支持の剛性を高くできる。また、一対の軸受の間に内輪を配置していることにより、内輪から力を受けるロータを堅固に支持することができ、ロータの芯振れを防止できる。その結果、騒音の低減に寄与することができる。
また、本発明において、上記支持機構は、第1および第2の軸の互いの対向端部を取り囲み第1の軸および第2の軸の一方に同行回転可能に連結される筒状部材(202;202D)と、第1および第2の軸の他方と筒状部材との間に介在し両者の相対回転を許容する軸受(38)とを含む場合がある(請求項6)。この場合、筒状部材と軸受とを用いる簡易な構成により、支持機構を実現できる。また、第1の軸と第2の軸との間に軸受が設けられていることにより、これら第1および第2の軸の相対回転を滑らかなものにできる。
なお、上記において、括弧内の参照符号は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる伝達比可変機構を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に付与された操舵トルクを、操舵軸としてのステアリングシャフト3等を介して左右の転舵輪4L,4Rのそれぞれに与えて転舵を行うものであり、操舵部材2の操舵角θ1に対する転舵輪の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio)機能を有している。
転舵機構10は、自在継手9に連なるピニオン軸15と、ピニオン軸15の先端のピニオン15aに噛み合うラック16aを有し車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを有している。ラック軸16の一対の端部のそれぞれにタイロッド17L,17Rを介してナックルアーム18L,18Rが連結されている。
出力部材22は、第2のシャフト12や転舵機構10等を介して転舵輪4L,4Rに連なっている。
転動体393としは、円筒ころ、針状ころ、円錐ころでも良い。また単列または複列でも良い。複列にすると、内輪391の倒れを防止できる。複列のものとして、複列アンギュラ軸受を例示できる。
伝達比可変機構用モータ23は、例えば、ステアリングシャフト3とは同軸的に配置されたブラシレスモータからなり、軌道輪ユニット39を保持するロータ231と、このロータ231を取り囲むとともにステアリングコラムとしてのハウジング24に固定されたステータ232とを含んでいる。ロータ231は、第1の軸線Aの回りを回転するようになっている。
減速機構26は、例えばウォームギヤ機構からなり、操舵補助用モータ25の出力軸25aに連結された駆動歯車としてのウォーム軸27と、ウォーム軸27と噛み合い且つ第3のシャフト13に同行回転可能に連結された従動歯車としてのウォームギヤ28とを含んでいる。なお、減速機構26は、ウォームギヤ機構に限らず、平歯車やはすば歯車を用いた平行軸歯車機構等の他の歯車機構を用いてもよい。
上記伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動は、それぞれ、CPU、RAMおよびROMを含む制御部29によって制御される。制御部29は、駆動回路40を介して伝達比可変機構用モータ23と接続されているとともに、駆動回路41を介して操舵補助用モータ25と接続されている。
制御部29に、操舵角センサ42からは、操舵部材2の直進位置からの操作量である操舵角θ1に対応する値として、第1のシャフト11の回転角についての信号が入力される。
トルクセンサ44からは、操舵部材2に作用する操舵トルクTに対応する値として、第2および第3のシャフト12,13間に作用するトルクについての信号が入力される。
転舵角センサ45からは、転舵角θ2に対応する値として第3のシャフト13の回転角についての信号が入力される。
ヨーレートセンサ47からは、車両のヨーレートγについての信号が入力される。
制御部29は、各上記センサ42〜47の信号等に基づいて、伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動を制御する。
上記の構成により、伝達比可変機構5の出力は、操舵補助力付与機構19を介して転舵機構10に伝達される。より具体的には、操舵部材2に入力された操舵トルクは、第1のシャフト11を介して伝達比可変機構5の入力部材20に入力され、出力部材22から操舵補助力付与機構19の第2のシャフト12に伝達される。第2のシャフト12に伝達された操舵トルクは、トーションバー14および第3のシャフト13に伝わり、操舵補助用モータ25からの出力と合わさって中間軸8等を介して転舵機構10に伝達される。
図3は、図2の伝達比可変機構5およびその周辺の拡大図である。図3を参照して、伝達比可変機構5の入力部材20、出力部材22および内輪391は、それぞれ、環状をなしている。
第1のシャフト11は、筒状部材202の挿通孔202aを挿通することにより、筒状部材202と同行回転可能に連結されている。
第2のシャフト12は、出力部材22の挿通孔22aを挿通することにより、出力部材22と同行回転可能に連結されている。
筒状部材202は、第1および第2のシャフト11,12のそれぞれの対向端部11a,12aを取り囲んでいる。筒状部材202の一端は、第1の軸受31と径方向に対向している。筒状部材202の他端は、第2のシャフト12の対向端部12aと径方向に対向している。
なお、筒状部材202を第2のシャフト12の対向端部12aに同行回転可能に連結するとともに、第8の軸受38を、筒状部材202と第1のシャフト11の対向端部11aとの間に介在させてもよい。
ロータ231が第1の軸線Aの回りを回転することに伴い、軌道輪ユニット39がコリオリ運動する。
図4は、伝達比可変機構5の一部を断面で表した側面図である。図3および図4を参照して、入力部材本体201および内輪391のそれぞれに第1の凹凸係合部64が設けられていることにより、入力部材本体201と内輪391とは動力伝達可能とされている。また、内輪391および出力部材22のそれぞれに第2の凹凸係合部67が設けられていることにより、内輪391と出力部材22とは動力伝達可能とされている。
第1の凸部65は、例えば38個形成されている。第1の凹部66の数は、第1の凸部65の数とは異なる数にされている。第1の凸部65の数と第1の凹部66の数との差に応じて、入力部材本体201と内輪391との間で差動回転を発生することができる。
図6は、入力部材本体201および内輪391の要部の斜視図である。図6を参照して、各第1の凸部65は、入力部材20、内輪391および出力部材22のうちの対応する部材、すなわち、当該第1の凸部65が設けられている部材としての入力部材20の入力部材本体201とは単一の材料を用いて一体に形成されている。
図7は、第1の凸部65と第1の凹部66との噛み合いを示す断面図である。図6および図7を参照して、第1の凸部65は、その外表面のうちの接触領域76が、対応する第1の凹部66の接触領域79に対して接触するようになっている。接触領域76は、第1の凸部65の基端部74と先端部77との間の部分に設けられている。
接触領域76は、摩擦抵抗を低減するための低摩擦材を用いて形成されている。この低摩擦材は、第1の凸部65の材料と比べて低い摩擦係数を有する材料を含んでいる。低摩擦材として、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)や、第1の凸部65に窒化処理を施してなる窒化物や、硬化コート処理を施してなる材料や、低μコーティング材を例示することができる。
潤滑剤保持部78は、例えば、上記動力伝達面70に形成されたローレットやクロスハッチやディンプル等からなり、動力伝達面70の表面粗さを粗くしてなる。潤滑剤保持部78は、例えば、動力伝達面70にプレス成形を施したり、シボ加工を施したり、ショットピーニング加工を施したりして形成される。
各第1の凹部66は、入力部材20、内輪391および出力部材22のうちの対応する部材、すなわち、当該第1の凹部66が設けられている部材としての内輪391とは単一の材料を用いて一体に形成されている。
第1の凹部66は、第1の凸部65に概ね合致する形状をなしている。具体的には、第1の凹部66は、内輪391の径方向R2に関して、第1の端面71の全域に亘って延びており、例えば断面半円形形状をなしている。第1の凹部66は、径方向R2の内側から外側に進むにしたがい断面形状(半円形形状)が大きくされている。この第1の凹部66は、径方向R2の何れの位置においても、第1の端面71とは面一な中心線E2を中心とする半円形形状をなしている。上記の構成により、第1の凹部66は、径方向R2の内側から外側に向かうにしたがい、対応する部材としての内輪391の周方向C2に関する幅F2が漸次大きくされており、且つ第1の端面71からの窪み量G2が漸次大きくされている。
図6を参照して、内輪391のうち、接触領域79の近傍には、潤滑剤保持部82が形成されている。潤滑剤保持部82は、グリース等の潤滑剤を保持するものであり、例えば、内輪391の第1の端面71に形成されている。
なお、第1の凸部65の近傍の潤滑剤保持部78および第1の凹部66の近傍の潤滑剤保持部82の少なくとも一方を廃止してもよい。また、第1の凸部65の接触領域76および第1の凹部66の接触領域79の少なくとも一方を、低摩擦材を用いることなく形成してもよい。
また、図9に示すように、第1の凹部66Bの断面形状を、ゴシックアーク形状に形成してもよい。この場合、第1の凹部66Bのうちの底部81Bを挟んだ第1の円弧状面83と第2の円弧状面84のそれぞれの中心線E3,E4が、互いにオフセットして配置されている。上記の構成により、第1の凸部65の接触領域76と第1の凹部66Bの接触領域79とを、より確実に接触させることができる。
ロータコア85の一端には、被保持孔87が形成されている。この被保持孔87の径方向内方には、環状の軸受保持部88が設けられている。軸受保持部88は、第1のハウジング51の一端の内周側に形成された環状凸部89に配置されている。これらの被保持孔87と軸受保持部88との間に第2の軸受32が介在していることにより、ロータコア85の一端が第1のハウジング51に回転可能に支持されている。
伝達比可変機構用モータ23のステータ232は、第1のハウジング51の他端に形成された環状の第1の溝状部94内に収容されている。この第1の溝状部94は、軸方向Sの他方S2側に開放されている。
ステータコア232は、円環状のヨーク97と、ヨーク97の周方向に等間隔に配置され且つヨーク97の径方向内方に突出する複数のティース98と、を含んでいる。ヨーク97の外周面は、第2のハウジング52の第1の溝状部94の内周面に焼きばめ等によって固定されている。各ティース98のそれぞれに電磁コイル96が巻回されている。
ロック機構58は、ロータコア85とは同行回転可能に連結された被規制部100と、被規制部100に係合することにより被規制部100の回転を規制するための規制部101とを含んでいる。被規制部100は環状の部材であり、外周面に凹部102が形成されている。凹部102は、被規制部100の周方向に関して1箇所または複数箇所に形成されている。なお、ロータコア85に凹部102を設けてもよい。この場合、ロータコア85が上記の被規制部を構成する。被規制部100の一部は、トルクセンサ44の一部とは軸方向Sの位置が重ね合わされている。
ロック機構58に対して軸方向Sの他方S2側にモータレゾルバ43が配置されている。モータレゾルバ43は、第2のハウジング52の一端に形成された第2の溝状部103に収容されており、ロータコア85の径方向外方に位置している。
モータレゾルバ43とトルクセンサ44とは、ステアリングシャフト3の径方向R3に相対向している。モータレゾルバ43の一部とトルクセンサ44の一部とは、軸方向Sに関する位置が重ね合わされている。モータレゾルバ43は、レゾルバロータ105とレゾルバステータ106とを含んでいる。レゾルバロータ105は、ロータコア85の他端の外周面107に同行回転可能に固定されている。レゾルバステータ106は、第2のハウジング52の外周部104の内周面108に圧入固定されている。
第3の軸受33は、第2のハウジング52の延伸部92の先端の内周部に形成された軸受保持孔110と、出力部材22に形成された軸受保持部111との間に介在している。出力部材22は、第3の軸受33を介して第2のハウジング52の環状の延伸部92に回転可能に支持されている。第3の軸受33は、第4の軸受34に取り囲まれており、軸方向Sに関して両者の位置が重ね合わされている。
具体的には、第1のハウジング51の一端の内周部112にねじ部材113が配置されている。ねじ部材113は、入力部材本体201を出力部材22に近づける付勢方向H(軸方向Sの他方S2側)に入力部材本体201を付勢する付勢部材を構成している。また、このねじ部材113は、軸方向Sに関して第1の軸受31の外輪312を剛的に支持する剛性部材を構成している。ねじ部材113は、入力部材本体201を出力部材22に向けて付勢することにより、第1の凹凸係合部64および第2の凹凸係合部67のそれぞれに予圧を付与する。
また、第1の凹凸係合部64の第1の凸部65は、第1の凹部66と付勢方向Hに対向している。同様に、第2の凹凸係合部67の第2の凹部69は、第2の凸部68と付勢方向Hに対向している。出力部材22には、第3の軸受33の内輪331が圧入固定されている。出力部材22は、その中央部の段部が内輪331の一端面に当接しており、内輪331を付勢方向Hに押圧している。第3の軸受33の外輪332は、外輪332を付勢方向Hに移動可能に保持する軸受保持孔110に隣接配置された環状の段部114に受けられており、付勢方向Hへの移動が規制されている。出力部材22の付勢方向Hへの移動は、第3の軸受33によって規制されている。
具体的には、軌道輪ユニット39の外輪392が、ロータコア85の傾斜孔63に圧入固定されている。これにより、ロータコア85は、外輪392を第1の軸線Aの回りに同行回転可能且つ軸方向Sに同行移動可能に保持している。
多極磁石115は、円筒形状の永久磁石であり、複数の極(N,Sそれぞれ同じ極数)が周方向に等間隔で着磁されている。
トルクセンサ44は、磁気ヨーク116,117からの磁束を誘導する一対の集磁リング119,120をさらに含んでいる。これら一対の集磁リング119,120は、軟磁性体を用いて形成された環状の部材であり、磁気ヨーク116,117を取り囲んでこれらの磁気ヨーク116,117にそれぞれ磁気的に結合されている。
第2および第3のシャフト12,13の相対回転量に応じて磁気ヨーク116,117に磁束が生じるようになっており、この磁束は、集磁リング119,120により誘導され、合成樹脂部材121に埋設されたホールIC(図示せず)により検出される。これにより、第2のシャフト12(操舵部材)に加えられたトルクに応じた磁束密度を検出することが出来る。
第2のハウジング52の環状の延伸部92の径方向内方の空間が、トルクセンサ収容室126とされており、トルクセンサ収容室126への潤滑剤の侵入を抑制するための構造がさらに設けられている。
第2のシャフト12と第3のシャフト13とは、第6の軸受36を介して相対回転可能に互いに支持されている。第6の軸受36は、減速機構26のウォームホイール28に取り囲まれている。減速機構26は、第3のハウジング53の外周部127および端壁部61、ならびに第2のハウジング52の隔壁部93によって区画された収容室128に収容されている。ウォームホイール28の一部と第6の軸受36とは、軸方向Sに関する位置が重なり合っている。
第7の軸受37の内輪371は、第3のシャフト13の外周部に形成された環状の段部129と、第3のシャフト13の外周部に螺合されたナット部材130とによって挟持されている。第7の軸受37の外輪372は、第3のハウジング53に形成された環状の段部131と第3のハウジング53に保持された止め輪132とによって挟持されている。
上記(i)の場合、すなわち、ロック機構58によって伝達比可変機構用モータ23のロータ231の回転が規制されている場合において操舵部材の操作により第1のシャフト11が回転すると、入力部材本体201の第1の凸部65が第1の軸線Aの回りを回転する。このとき、軌道輪ユニット39は第1の軸線Aの回りを回転するコリオリ運動をせず、内輪391のみがその第2の軸線B回りを回転する。この回転により、第1の凹部66が設けられている内輪391が回転し、さらに第2のシャフト12を回転させる。
上記(ii)の場合、すなわち、伝達比可変機構用モータ23のロータ231が回転しており、且つ運転者が操舵部材を保持していることにより入力部材20の回転が規制されている場合、ロータ231が第1の軸線Aの回りを回転することにより、軌道輪ユニット39がコリオリ運動する。これにより、内輪391が入力部材20と出力部材22とを互いに逆回転させようとする。しかしながら、入力部材20の回転が規制されていることにより、出力部材22のみが回転する。
これにより、車両が比較的低速で走行している場合には、操舵角θ1を増幅して運転者の操舵を補助する機能を発揮することができる。
これにより、伝達比可変機構5の部品点数を少なくできる。また、各第1および第2の凸部65,68をそれぞれ保持するための保持部材を別途用意する必要がなく、伝達比可変機構5の部品点数をより少なくできる。さらに、部品点数が少ないことから、伝達比可変機構5の組み付けを容易にすることができる。
さらに、第1および第2の凹凸係合部64,67の各凸部65,68および各凹部66,69を、上記対応する部材201,391,22とは単一の材料を用いて一体に形成していることにより、各凸部65,68(各凹部66,69)と、上記対応する部材201,391,22と、をそれぞれ一括して形成することができ、製造工程を少なくできる。
さらに、各凸部65,68および各凹部66,69のうち、対応する部材201,391,22の径方向の外側にある箇所ほど、対応する部材201,391,22の周方向の幅F1,F2を広くしており、その結果、各凹部66,69と対応する凸部65,68とが係合する際の両者のすべりを少なくできる。これにより、各凸部65,68および各凹部66,69のそれぞれの寿命をより長くできる。
さらに、各凸部65,68および各凹部66,69の接触領域76,79は、摩擦抵抗を低減するための低摩擦材を用いて形成されている。これにより、各凹部66,69と対応する凸部65,68とが係合するときの摩擦抵抗をより低減することができる。
また、内輪391および外輪392のうち、相対的に小径の内輪391側に第1および第2の凹凸係合部64,67を設けていることにより、内輪391を、入力部材20および出力部材22で軸方向両側から支持するときの径方向の支持スパンを短くできる。これにより、内輪391の支持剛性を高くできる。
また、ロータ231によって軌道輪ユニット39の外輪392を取り囲んでいるので、第1および第2の凹凸係合部64,67のそれぞれの噛み合い音がロータ231の外側に伝わることを抑制でき、騒音をより低減することができる。
さらに、ロータコア85を第2および第4の軸受32,34で両持ち支持することができ、ロータ231の支持の剛性を高くできる。また、第2および第4の軸受32,34の間に内輪391を配置していることにより、内輪391から力を受けるロータコア85を堅固に支持することができ、ロータ231の芯振れを防止できる。その結果、騒音の低減に寄与することができる。
また、運転者による操舵部材2の操作を伝達比可変機構5によって補正することができ、例えば、カウンタステア操作を伝達比可変機構5で自動的に行ういわゆるアクティブ操舵が可能となる。
さらに、ねじ部材113によって第1の軸受31に予圧を付与でき、この第1の軸受31に起因する異音の発生を防止できる。
さらに、ねじ部材113の付勢力を、第1の軸受31の外輪312を介して第1の軸受け31の内輪311に伝えることができ、第1の軸受31に確実に予圧を付与することができる。
また、第2および第4の軸受32,34は、ロータ231を軸方向Sに移動可能に支持している。これにより、ねじ部材113の付勢力によって内輪391がロータ231の軸方向に移動することに伴い、外輪392およびロータ231をロータ231の軸方向に同行移動することができ、その結果、内輪391と外輪392との間に不要な力が作用することを防止できる。
また、伝達比可変機構用モータ23のロータ231のロータコア85が、第1および第2の凹凸係合部64,67を取り囲む筒状をなしている。これにより、ロータ231と第1および第2の凹凸係合部64,67とを、軸方向Sに関して重なる位置に配置でき、車両用操舵装置1のさらなる小型化を達成できる。また、ロータ231を防音壁として用いることができ、第1および第2の凹凸係合部64,67の噛み合い音が外部に漏れることを抑制できる。
また、伝達比可変機構5および操舵補助力付与機構19を、ステアリングコラムとしてのハウジング24に設けている。ハウジング24を車体に組み付けることにより、伝達比可変機構5および操舵補助力付与機構19を一括して車体に組み付けることができる。また、静粛性に優れていることにより、ハウジング24が配置される車室内に伝達比可変機構5および操舵補助力付与機構19を設けても、これらの駆動音の影響は少ない。
例えば、図1の操舵補助力付与機構19を廃止してもよい。なお、以下では、上記の実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については同様の符号を付してその説明を省略する。
この場合、図10に示すように、第3のハウジング53Cの端壁部61Cは、第2のハウジング52Cの他端に沿わされた状態でこの第2のハウジング52Cに固定される。第3のハウジング53Cには、減速機構を収容する収容室が設けられていない。
また、図11に示すように、入力部材20に代えて、入力部材本体201Dと筒状部材202Dとが単一の部材を用いて一体に形成された入力部材20Dを用いてもよい。第1の凹凸係合部64の第1の凸部65は、対応する部材としての入力部材20Dとは単一の部材を用いて一体に形成されている。
これにより、ねじ部材113の付勢力によって入力部材20Dと出力部材22Dとが互いに近づいたとき、対向面136,137同士が接触してしまうことを防止できる。
また、本発明を、車両用操舵装置以外の他の一般の装置に適用することができる。
Claims (8)
- 第1の軸線の回りに回転可能な入力部材および出力部材と、
第1および第2の端面を有し、入力部材および出力部材を差動回転可能に連結する内輪と、
この内輪を転動体を介して回転可能に支持する外輪と、
この外輪を回転駆動可能なアクチュエータとを備え、
内輪および外輪の中心軸線としての第2の軸線が、第1の軸線に対して傾斜しており、
入力部材および出力部材のそれぞれは、内輪の対応する端面に対向する動力伝達面を有し、
内輪の各端面および当該端面に対応する動力伝達面を動力伝達可能に係合させる凹凸係合部が設けられ、
凹凸係合部は、各端面および当該端面に対応する上記動力伝達面の一方に設けられた凸部と、他方に設けられ上記凸部と係合する凹部とを含むことを特徴とする伝達比可変機構。 - 請求項1において、上記アクチュエータは電動モータを含み、
この電動モータは、上記外輪を同行回転可能に保持し第1の軸線の回りに回転可能なロータを有している伝達比可変機構。 - 請求項2において、上記ロータに、第2の軸線に沿う中心軸線を有し上記外輪を保持する傾斜孔が形成されている伝達比可変機構。
- 請求項2または3において、上記ロータは、ハウジングによって保持された一対の軸受に支持されており、
ロータの軸方向に関して、上記一対の軸受の間に、上記内輪が配置されている伝達比可変機構。 - 請求項1〜4の何れか1項において、入力部材に形成された挿通孔を挿通し入力部材とは同行回転可能に連なる第1の軸と、
出力部材に形成された挿通孔を挿通し出力部材とは同行回転可能に連なる第2の軸と、
第1および第2の軸の互いの対向端部を同軸的に相対回転可能に支持する支持機構とを備える伝達比可変機構。 - 請求項5において、上記支持機構は、第1および第2の軸の互いの対向端部を取り囲み第1の軸および第2の軸の一方に同行回転可能に連結される筒状部材と、
第1および第2の軸の他方と筒状部材との間に介在し両者の相対回転を許容する軸受とを含む伝達比可変機構。 - 操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比としての伝達比を変更可能な伝達比可変機構として請求項1〜6の何れか1項に記載の伝達比可変機構を備え、
上記入力部材に操舵部材が連なり上記出力部材に転舵機構が連なる車両用操舵装置。 - 請求項7において、操舵補助力を付与する操舵補助力付与機構を備える車両用操舵装置。
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