JP2020076818A - 光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化によるポリゴンミラーの位置ずれやポリゴンミラーの反射面の歪みを抑制する。【解決手段】 軸305と一体的に回転可能なロータ302を有するモータ301と、貫通穴308gを有するポリゴンミラー308と、貫通穴308gに挿入された軸305に嵌合して、ポリゴンミラー308をロータ302に押圧する抑えバネ309と、ポリゴンミラー308の貫通穴308g内に配置され、ロータ302と抑えバネ309とに接触して、抑えバネ309のロータ302側への移動を規制する規制部材310と、を有し、規制部材310の線膨張係数A1は、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1に基づいて所定の範囲で選択されることを特徴とする。【選択図】 図5
Description
本発明は、画像形成装置に設けられる光走査装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、画像信号に応じて光源から出射されたレーザ光束を光変調し、光変調されたレーザ光束をポリゴンミラーにより偏向走査し、走査レンズを介して感光ドラム上に結像させて静電潜像を形成する光走査装置が用いられる。
特許文献1には、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを支持するロータと、ポリゴンミラーをロータに押圧するバネを有するモータを備えた光走査装置が記載されている。特許文献1では、ポリゴンミラーが貫通孔を有し、この貫通孔内に規制部材を配置し、規制部材はロータとバネに接触し、バネのロータ側への移動を規制している。
近年、コストダウンの目的でポリゴンミラーや規制部材を従来の金属製ではなく、樹脂で形成する構成が考えられている。しかしながら、特許文献1では、モータの熱がロータからポリゴンミラーや規制部材に伝わり、ポリゴンミラーや規制部材が熱膨張により変形することが問題となる場合がある。
熱膨張によりポリゴンミラーや規制部材が変形することで、バネの押圧力が変化し、ポリゴンミラーの軸方向の位置ずれやポリゴンミラーの反射面の歪みが発生する可能性がある。ポリゴンミラーに軸方向の位置ずれが発生すると、ポリゴンミラーに入射するレーザ光の反射位置が副走査方向に変動し、ポリゴンミラーの反射面の精度に応じて副走査方向に濃度ムラを引き起こす可能性がある。
ここで、図11(a),(b)を用いて、ポリゴンミラー308の反射面308aに入射するレーザ光Lの反射位置による光路への影響について説明する。図11(a),(b)では、光路の説明を模式的に行うため簡易的にポリゴンミラー308と、ポリゴンミラー308の回転中心となる軸305のみを示している。
図11(a)では、ポリゴンミラー308の回転中心となる軸305の軸線方向に対して平行に配置されたポリゴンミラー308の反射面308aに対して、レーザ光Lが所望の角度で所望の位置に入射し、反射されている状態を示す。ポリゴンミラー308の反射面308aにおいて、図11(a)に示す光路を通過することで、図示しない感光ドラムの副走査方向に正しくレーザ光Lが入射し、濃度ムラの無い画像が形成される。
一方、図11(b)では、ポリゴンミラー308の反射面308aがポリゴンミラー308の回転中心となる軸305の軸線方向に対して所定の角度で傾斜している状態を示す。ポリゴンミラー308の反射面308aが軸305の軸線方向に対して傾斜していることで、ポリゴンミラー308の反射面308aに対するレーザ光Lの入射角度、及び入射位置が変化する。このとき、ポリゴンミラー308は、複数の反射面を有しており、各反射面の軸305の軸線方向に対する傾斜角度は異なるバラツキを有する。このため感光ドラムの副走査方向に入射するレーザ光Lの位置に粗密が発生し、副走査方向における濃度ムラが発生する。
図11(b)では、ポリゴンミラー308の各反射面が軸305の軸線方向に対して異なる傾斜を有する状態について説明した。図12の比較例に示すように、ポリゴンミラー308をロータ302に対して押圧する抑えバネ309の押圧力が変化してポリゴンミラー308の位置ずれや反射面に歪みが発生した場合を考慮する。この場合、ポリゴンミラー308の各反射面に入射するレーザ光の位置が感光ドラムの副走査方向において変化する。このため副走査方向における濃度ムラが発生する。
図12に示す比較例では、抑えバネ309によりロータ302に対して押圧されているポリゴンミラー308や規制部材310は、それぞれの固有の線膨張係数に応じて熱変形する。温度上昇によって物質の長さや体積が膨張する。線膨張係数は、温度を1℃上げたときの物質の長さの増加量と、もとの長さとの比を表す。規制部材310やポリゴンミラー308の線膨張係数A,Bの違いにより抑えバネ309の押圧力が変化し、画像不良を引き起こす課題について、図12を用いて説明する。
抑えバネ309によりロータ302に対して押圧されている規制部材310やポリゴンミラー308の線膨張係数A,Bの違いにより抑えバネ309の押圧力が変化して画像不良を引き起こす。図12は、比較例の課題を説明するためのポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。図12に示す規制部材310は、紙ベークライトであり、その線膨張係数A0は、160(×10−6/℃)である。一方、ポリゴンミラー308の材料は、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)であり、その線膨張係数B0は65(×10−6/℃)である。
ポリゴンモータユニット300が設置された環境温度が常温の25℃でモータ301が停止しているときを考慮する。ここで、常温とは、ポリゴンモータユニット300の組立作業を実施する工場での常温環境であり、25℃±5℃程度をいう。このとき、ポリゴンミラー308の厚みU0は、10mmである。ポリゴンミラー308の厚みU0は、ポリゴンミラー308が抑えバネ309により押圧されている被押圧部308e1を考慮する。
更に、ロータ302の上面に接触しているポリゴンミラー308の下面308fに設けられた当接部308f1を考慮する。そして、軸305の軸線方向(図12の上下方向)において、ポリゴンミラー308の被押圧部308e1から当接部308f1までの厚みU0がポリゴンミラー308の厚みである。
また、ポリゴンモータユニット300が設置された環境温度が常温の25℃でモータ301が停止しているときを考慮する。このとき、軸305の軸線方向(図12の上下方向)において、規制部材310が抑えバネ309により押圧されている被押圧部310a1から、ロータ302の上面に接触している規制部材310の下面310bまでの規制部材310の厚みX0は、8mmである。
次に、ポリゴンモータユニット300が動作し、モータ301の熱がロータ302を通してポリゴンミラー308と規制部材310に伝達する状態について説明する。モータ301は、軸305を回転中心として回転することによる発熱が各部から発生する。発熱の原因としては、基板307に取り付けられた励磁コイル304に電流が流れることにより銅損、鉄損が発生して発熱する。また、基板307に設けられた軸受306により軸305が回転可能に軸支されているが、回転する軸305と軸受306との間の摩擦により発熱する。これらの発熱がロータ302を介してポリゴンミラー308と規制部材310に伝達される。
このような構成において、モータ301の回転が持続し、ポリゴンミラー308と規制部材310の温度が常温を上回って80℃となった場合の影響を考慮する。例えば、室温が常温としての25℃でポリゴンモータユニット300の組立工程を実施し、モータ301の回転によりモータ301が発熱してモータ301の温度が室温の常温としての25℃から発熱により80℃まで温度変化した場合を考慮する。このとき、ポリゴンモータユニット300を構成する各部材の熱膨張としては、以下の数1式で計算される温度変化ΔTの影響を受ける。
[数1]
ΔT=80℃−25℃
=55℃
ΔT=80℃−25℃
=55℃
上記数1式の温度変化ΔTによって、変化するポリゴンミラー308の厚みU1は、以下の数2式で計算される。このとき、ポリゴンミラー308の厚みU1は、ポリゴンミラー308が抑えバネ309により押圧されている被押圧部308e1を考慮する。更に、ロータ302の上面の被当接部302aに接触しているポリゴンミラー308の下面308fに設けられた当接部308f1を考慮する。軸305の軸線方向(図12の上下方向)における被押圧部308e1から当接部308f1までがポリゴンミラー308の厚みU1となる。
ここで、常温としての25℃でのポリゴンミラー308の厚みU0が10mm、ポリゴンミラー308の温度変化ΔTが55℃(=80℃−25℃)とする。更に、ポリゴンミラー308の材料であるポリカーボネート(PC;polycarbonate)の線膨張係数B0を65(×10−6/℃)とする。
[数2]
U1=U0+U0×ΔT×B0
=10mm+(10mm×55℃×65×10−6/℃)
=10.03575mm
U1=U0+U0×ΔT×B0
=10mm+(10mm×55℃×65×10−6/℃)
=10.03575mm
また、上記数1式の温度変化ΔTによって、規制部材310が抑えバネ309により押圧されている被押圧部310a1からロータ302の上面の被当接部302bに接触している下面310bまでの規制部材310の厚みX1は、以下の数3式で計算される。ここで、常温としての25℃での規制部材310の厚みX0が8mm、規制部材310の温度変化ΔTが55℃(=80℃−25℃)、規制部材310の材料である紙ベークライトの線膨張係数A0を160(×10−6/℃)とする。
[数3]
X1=X0+(X0×ΔT×A0)
=8mm+(8mm×55℃×160×10−6/℃)
=8.0704mm
X1=X0+(X0×ΔT×A0)
=8mm+(8mm×55℃×160×10−6/℃)
=8.0704mm
このとき、ポリゴンミラー308は、軸305の軸線方向(図12の上下方向)に35.75μmだけ熱膨張し、規制部材310は、軸305の軸線方向(図12の上下方向)に70.4μmだけ熱膨張する。
<熱膨張によるバネ圧の変化>
次に、上記熱膨張による抑えバネ309のバネ圧の変化、及びその影響について説明する。図12の点線で示す抑えバネ309は、常温としての25℃における抑えバネ309の状態を示している。一方、図12の実線で示す抑えバネ309は、モータ301の回転によりモータ301が発熱してモータ301の温度が80℃に昇温したときの熱膨張の影響による抑えバネ309の状態を示している。
次に、上記熱膨張による抑えバネ309のバネ圧の変化、及びその影響について説明する。図12の点線で示す抑えバネ309は、常温としての25℃における抑えバネ309の状態を示している。一方、図12の実線で示す抑えバネ309は、モータ301の回転によりモータ301が発熱してモータ301の温度が80℃に昇温したときの熱膨張の影響による抑えバネ309の状態を示している。
抑えバネ309の筒部309aが軸305の外周に沿って移動可能に嵌合され、抑えバネ309の筒部309a上端部309a1が軸305の頭部305aの底面305a1に当接することで、抑えバネ309は、軸305の上方向への移動が規制されている。頭部305aの底面305a1の外径は、軸305の外径よりも大きく設定されている。
図4に示すように、抑えバネ309には、アーム部309cが設けられている。このアーム部309cが弾性変形する。アーム部309cは、規制部材310の被押圧部310a1を押圧するリング状の押圧部309bと、ポリゴンミラー308の被押圧部308e1を押圧する方形状の押圧部309dとを接続している。アーム部309cの幅は、押圧部309dの幅よりも狭い。
アーム部309cの変形の応力により抑えバネ309は、押圧部309dによりポリゴンミラー308をロータ302に押し当てて固定する。前記数2式に示されるように、ポリゴンミラー308の温度が常温としての25℃から80℃に昇温してポリゴンミラー308が熱膨張することによりポリゴンミラー308の厚みUは、35.75μm厚くなる。また、規制部材310の温度が常温としての25℃から80℃に昇温して規制部材310が熱膨張することにより規制部材310の厚みXは、70.4μm厚くなる。
このため抑えバネ309の押圧部309bが規制部材310の熱膨張により軸305の軸線方向に沿って図12の上方向に70.4μm押される。一方、抑えバネ309の押圧部309dがポリゴンミラー308の熱膨張により軸305の軸線方向に沿って図12の上方向に35.75μm押される。これにより図12の破線で示す25℃の常温時の抑えバネ309は、図12の実線で示す80℃に昇温してポリゴンミラー308と規制部材310が熱膨張したときの抑えバネ309のように変形する。
規制部材310の被押圧部310a1を押圧する抑えバネ309の押圧部309bの変形は、図12の破線で示す押圧部309bの曲率半径Rが、図12の実線で示す押圧部309bの曲率半径Rよりも小さい。このため抑えバネ309の押圧部309dがポリゴンミラー308の被押圧部308e1を押圧する押圧力は、図12の破線で示す抑えバネ309よりも図12の実線で示す抑えバネ309の方が押圧力は低下する。これによりポリゴンミラー308は、モータ301の温度変化ΔTによりロータ302に対して軸305の軸線方向に沿って位置ずれが発生する。
規制部材310は、ポリゴンミラー308を押さえる抑えバネ309の押圧力を管理するために設けられている。このため規制部材310の材料として線膨張係数Aが不適切な材料を選定した場合、規制部材310がポリゴンミラー308を押さえる抑えバネ309の押圧力を管理する役割を損なう。これによりポリゴンミラー308が軸305の軸線方向に位置ずれを起こし、副走査方向の濃度ムラを引き起こす可能性があった。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、温度変化によるポリゴンミラーの位置ずれやポリゴンミラーの反射面の歪みを抑制する光走査装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る光走査装置の代表的な構成は、回転軸と一体的に回転可能なロータを有するモータと、貫通穴を有するポリゴンミラーと、前記貫通穴に挿入された前記回転軸に嵌合して、前記ポリゴンミラーを前記ロータに押圧するバネと、前記ポリゴンミラーの前記貫通穴内に配置され、前記ロータと前記バネとに接触して、前記バネの前記ロータ側への移動を規制する規制部材と、を有し、前記規制部材の線膨張係数は、前記ポリゴンミラーの線膨張係数に基づいて所定の範囲で選択されることを特徴とする。
本発明によれば、温度変化によるポリゴンミラーの位置ずれやポリゴンミラーの反射面の歪みを抑制することができる。
図により本発明に係る光走査装置の一実施形態を具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、図1〜図5を用いて本発明に係る光走査装置の第1実施形態の構成について説明する。
先ず、図1〜図5を用いて本発明に係る光走査装置の第1実施形態の構成について説明する。
<画像形成装置>
図1を用いて画像形成装置100の構成について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。図1に示す画像形成装置100は、複数色のトナー(現像剤)を用いて多色画像を形成する画像形成装置100である。尚、単色画像を形成する画像形成装置にも適用できる。
図1を用いて画像形成装置100の構成について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。図1に示す画像形成装置100は、複数色のトナー(現像剤)を用いて多色画像を形成する画像形成装置100である。尚、単色画像を形成する画像形成装置にも適用できる。
画像形成装置100は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機(MFP;Multifunction Printer)、及びファクシミリ装置のいずれであっても良い。尚、符号の末尾のY,M,C,Kは、それぞれ、対応する部材が対象とするトナーの色が、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKであることを示している。以下の説明では、色を区別する必要がない場合には、末尾のY,M,C,Kを省略した符号を使用する場合もある。画像形成装置100は、イエローY色、マゼンタM色、シアンC色及びブラックK色の現像剤としてのトナーをそれぞれ用いてトナー像を形成する4つの画像形成部としての画像形成ステーションを備えている。
各色に対応する画像形成部は、像担持体としての感光ドラム102Y,102M,102C,102Kをそれぞれ備えている。各感光ドラム102の周りには、帯電手段としての帯電部103Y,103M,103C,103K、光走査装置104Y,104M,104C,104K、及び現像手段としての現像部105Y,105M,105C,105Kがそれぞれ配置されている。尚、各感光ドラム102の周りには、更に、クリーニング手段としての図示しないクリーニング部がそれぞれ配置されている。
各感光ドラム102の下方には、中間転写体としての無端ベルトからなる中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と、従動ローラ109,110とに掛け渡されている。画像形成中には、駆動ローラ108の回転に伴って、中間転写ベルト107の外周面は、図1の時計回り方向に移動する。中間転写ベルト107を介して各感光ドラム102に対向する位置には、一次転写手段としての一次転写バイアスブレード111Y,111M,111C,111Kが配置されている。
画像形成装置100は、中間転写ベルト107の外周面上に形成されたトナー像を紙等の記録材1上に転写するための二次転写手段としての二次転写バイアスローラ112を有する。更に、記録材1上に転写されたトナー像を当該記録材1に定着させるための定着手段としての定着部113とを更に備えている。
次に、画像形成装置100における、帯電プロセスから現像プロセスまでの画像形成プロセスについて説明する。尚、各色に対応する画像形成部のそれぞれで実行される画像形成プロセスは同様である。このため、以下では、イエローY色に対応する画像形成部における画像形成プロセスを例にして説明し、マゼンタM色、シアンC色及びブラックK色に対応する画像形成部における画像形成プロセスについては、重複する説明を省略する。
まず、イエローY色に対応する画像形成部の帯電部103Yが、図1の反時計回り方向に回転駆動される感光ドラム102Yの表面を一様に帯電させる。光走査装置104Yは、複数のレーザ光Lを出射して、一様に帯電した感光ドラム102Yの表面を当該複数のレーザ光Lで走査する。これにより感光ドラム102Yの表面を露光する。これにより図1の反時計回り方向に回転する感光ドラム102Yの表面上に図2に示す静電潜像210が形成される。
感光ドラム102Yの表面上に形成された静電潜像210は、現像部105Yによって、イエローY色のトナー像として現像される。その結果、感光ドラム102Yの表面上にイエローY色のトナー像が形成される。また、マゼンタM色、シアンC色及びブラックK色に対応する画像形成部を考慮する。それらの画像形成部では、それぞれ、イエローY色に対応する画像形成部と同様のプロセスで、感光ドラム102M,102C,102K上にマゼンタM色,シアンC色,ブラックK色のトナー像がそれぞれ形成される。
以下、転写プロセス以降の画像形成プロセスについて説明する。転写プロセスでは、まず、一次転写バイアスブレード111Y,111M,111C,111Kが中間転写ベルト107に転写バイアスをそれぞれ印加する。これにより、各感光ドラム102の表面上に形成されたイエローY色、マゼンタM色、シアンC色、ブラックK色の4色のトナー像が、それぞれ中間転写ベルト107の外周面上に重ね合わせて一次転写される。
中間転写ベルト107の外周面上に重ね合わせて形成された、4色のトナーから成るトナー像は、中間転写ベルト107の外周面の移動に伴って、二次転写バイアスローラ112と中間転写ベルト107の外周面との間の二次転写ニップ部14に搬送される。
一方、給送カセット115内に収容された記録材1が給送ローラ2により繰り出され、図示しない分離手段との協働により1枚ずつ分離給送される。その後、搬送ローラ3〜5により搬送されて停止したレジストローラ6のニップ部に記録材1の先端部が突き当てられて記録材1の斜行が補正される。中間転写ベルト107の外周面上に形成されたトナー像が二次転写ニップ部14に搬送されるタイミングに合わせて、レジストローラ6により記録材1が二次転写ニップ部14に搬送される。
図示しない二次転写電源から二次転写バイアスローラ112に二次転写バイアスが印加されることにより二次転写ニップ部14において中間転写ベルト107の外周面上に担持されているトナー像が記録材1上に二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト107の外周面上に残留した残トナーは、クリーニング手段としてのクリーナ7により除去される。
その後、記録材1上に形成されたトナー像は、定着部113に設けられた加熱ローラと加圧ローラとにより挟持搬送される間に加熱及び加圧されて記録材1に定着される。トナー像が定着された記録材1は、排出部116上に排出される。このようにして一連の画像形成プロセスが終了すると、次の記録材1に対する画像形成プロセスが続けて開始される。
記録材1の両面に印刷する場合には、定着部113を通過した記録材1を反転パス8に導いて記録材1の表裏を反転させた後、反転ローラ9により記録材1を両面パス10に導く。両面パス10に設けられた搬送ローラ11,12により搬送された記録材1は、搬送パス13に合流して前述した第1面への印刷と同様にして第2面への印刷が行われた後、記録材1は、排出部116上に排出される。
<光走査装置>
次に、図2及び図3を用いて光走査装置104の構成について説明する。図2は、光走査装置104の構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。図2に示す光走査装置104は、光源201、コリメータレンズ202、ポリゴンモータユニット300、回転多面鏡としてのポリゴンミラー308、モータ301、走査レンズとしてのfθレンズ205を有する。
次に、図2及び図3を用いて光走査装置104の構成について説明する。図2は、光走査装置104の構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。図2に示す光走査装置104は、光源201、コリメータレンズ202、ポリゴンモータユニット300、回転多面鏡としてのポリゴンミラー308、モータ301、走査レンズとしてのfθレンズ205を有する。
ここで、fθレンズ205は、レーザ光Lが角度θで入ってくると、該fθレンズ205の焦点距離fを掛け合わせた大きさ(f×θ)の像を結ぶようなレンズ特性(fθ特性)を有する。光走査装置104は、更に、レーザ光Lを検知するBD(Beam Detect)センサ206等を有して構成される。
ポリゴンモータユニット300は、図3に示すように、ポリゴンミラー308とモータ301とを有する。モータ301は、回転軸としての軸305と一体的に回転可能なロータ302を有する。モータ301は、ポリゴンミラー308を回転駆動する。ポリゴンミラー308は、回転多面鏡であり、図3に示す軸305の軸線方向(図3の上下方向)に沿って、偏向面としての鏡面からなる複数の反射面308a〜308dを有する。
ポリゴンミラー308の中心部には、円形の貫通穴308gが設けられている。ポリゴンミラー308は、図2に示すように、上面308eと下面308fとが正方形で、4つの側面が長方形の反射面308a〜308dからなる6面体で構成される。尚、反射面308aの数は、4つ以外であっても良い。
光源201から出射されたレーザ光Lは、軸305を回転中心として図2の時計回り方向に回転するポリゴンミラー308の回転に従って偏向される。このとき、レーザ光Lは、反射面308aを始点としたとき、反射面308a,反射面308b,反射面308c,反射面308dの順に入射して偏向される。
光源201は、感光ドラム102の表面を露光するためにレーザ光Lを出射する。また、ポリゴンミラー308は、レーザ光Lが感光ドラム102の表面を走査するように回転しながら複数の反射面308a〜308dのいずれかの反射面でレーザ光Lを偏向する回転多面鏡の一例である。光源201は、図示しないレーザドライバから供給される駆動電流によって駆動される。光源201は、図示しないレーザドライバから駆動電流が供給されて発光し、当該駆動電流に応じた光量のレーザ光Lを出射する。
光源201は、n個(nは自然数)のレーザダイオード(LD;Laser Diode)を発光素子(発光点)として備えている。本実施形態の光走査装置104では、nが2以上の整数であり、複数のレーザダイオードLDから出射される複数のレーザ光Lによって感光ドラム102の表面上を走査するマルチビーム方式を採用している。尚、以下では、n=2であり、光源201がレーザダイオードLD1,LD2の2個のレーザダイオードLDを備える場合の一例として説明する。
コリメータレンズ202は、光源201から出射されたレーザ光Lを平行光に整形する。コリメータレンズ202を通過したレーザ光L1は、ポリゴンミラー308が備える複数の反射面308a〜308dのうちのいずれかの反射面に入射し、入射した反射面で反射する。
ポリゴンミラー308は、軸305を回転中心として図2の時計回り方向に回転するようにモータ301によって回転駆動される。ポリゴンミラー308は、一様に帯電された感光ドラム102の表面に静電潜像210を形成するためにレーザ光Lが感光ドラム102の表面を走査する間に一定速度(等角速度)で回転するように回転駆動される。ポリゴンミラー308は、入射したレーザ光L1が連続的な角度で偏向されるように、回転しながら各反射面308a〜308dでレーザ光Lを反射させる。
ポリゴンミラー308によって偏向されたレーザ光Lは、fθレンズ205に入射する。レーザ光Lは、fθレンズ205を透過することによって、感光ドラム102の表面で結像してビームスポットを形成し、感光ドラム102を主走査方向に等速で走査する。これにより感光ドラム102の表面上に静電潜像210が形成される。尚、ここで、主走査方向とは、感光ドラム102の表面に平行で、かつ、感光ドラム102の表面の移動方向に直交する方向である。また、副走査方向とは、感光ドラム102の表面の移動方向(主走査方向に直交する方向)である。
光走査装置104は、fθレンズ205を通過したレーザ光Lの走査路におけるレーザ光Lの走査開始側の位置にBDセンサ206が配置されている。BDセンサ206は、レーザ光Lを検知するための光学センサとして用いられる。レーザ光Lの1走査周期ごとに、当該レーザ光LがBDセンサ206に入射すると、BDセンサ206は、レーザ光Lを検知したことを示す検知信号としてのBD信号を生成して出力する。
BDセンサ206から出力されるBD信号は、主走査方向における画像の書き出しタイミングの基準となる同期信号として用いられる。光源201は、レーザ光Lの1走査周期ごとにBDセンサ206からBD信号を出力させるために、レーザ光LがBDセンサ206に入射する一定期間に強制的に発光するように制御される。
<ポリゴンモータユニット>
次に、図3を用いて本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成について説明する。図3に示すポリゴンモータユニット300は、モータ301と、ポリゴンミラー308と、抑えバネ309と、規制部材310とを有して構成される。抑えバネ309は、ポリゴンミラー308の貫通穴308gに挿入された回転軸としての軸305に嵌合する筒部309aが設けられている。
次に、図3を用いて本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成について説明する。図3に示すポリゴンモータユニット300は、モータ301と、ポリゴンミラー308と、抑えバネ309と、規制部材310とを有して構成される。抑えバネ309は、ポリゴンミラー308の貫通穴308gに挿入された回転軸としての軸305に嵌合する筒部309aが設けられている。
抑えバネ309の筒部309aの上端部309a1は、軸305の頭部305aの底面305a1に当接している。これにより抑えバネ309の弾性力により押圧部309dがポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1を押圧してポリゴンミラー308の下面308fの当接部308f1をロータ302の上面の被当接部302aに押圧する。
モータ301は、ロータ302と、ロータリーマグネット303と、軸305と、軸受306と、励磁コイル304と、基板307とを有して構成されている。ロータ302は、ロータリーマグネット303と、軸305とが一体的に設けられている。ロータリーマグネット303は、S極とN極とが交互に着磁されており、ロータ302の内周面に固定されている。軸305は、転がり軸受としてのボールベアリングや、滑り軸受としてのメタルベアリングや、流体軸受としての動圧ベアリング等からなる軸受306に回転可能に支持されている。
基板307に設けられた励磁コイル304は、ロータリーマグネット303と対向する位置に複数設置されている。軸受306と励磁コイル304は、基板307に支持されている。また、抑えバネ309からポリゴンミラー308にかかる押圧力を所定の範囲に収めるために、ポリゴンミラー308の中央部に設けられた円形の貫通穴308gの内部(貫通穴内)にリング状の規制部材310が設けられている。規制部材310は、ロータ302の上面の被当接部302bと、抑えバネ309の押圧部309bとに接触して抑えバネ309のロータ302側(ロータ側)への移動を規制する。
規制部材310の中央部に設けられた円形の貫通穴310c内に軸305が摺動可能に挿通される。抑えバネ309の中央部には、筒部309aが設けられており、筒部309a内に軸305が摺動可能に挿通される。筒部309aに連続して図4に示すリング状の押圧部309bが設けられている。抑えバネ309の弾性力により押圧部309bが規制部材310をロータ302側へ押圧する。
リング状の押圧部309bに連続して径方向に8つのアーム部309cが設けられている。各アーム部309cに連続して方形状の押圧部309dが設けられている。抑えバネ309の弾性力により押圧部309dがポリゴンミラー308をロータ302側へ押圧する。規制部材310により抑えバネ309がロータ302側へ移動することを規制している。
図3に示す軸305の上方から抑えバネ309の筒部309aを軸305の頭部305aの傾斜面305a2に沿って矢印方向に押圧すると、弾性を有する筒部309aが弾性変形して拡開し、頭部305aを通過して軸305に嵌合される。軸305に嵌合された筒部309aは、弾性変形して収縮し、筒部309aの上端部309a1が、軸305の頭部305aの底面305a1に当接される。これにより抑えバネ309がロータ302と反対側へ移動することを規制している。
次に、図4を用いてポリゴンミラー308が抑えバネ309によって押圧されている構成について説明する。図4は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す平面図である。図4に示すように、抑えバネ309は、アーム部309cを有して構成されている。アーム部309cは、規制部材310の上面310aに当接するリング状の押圧部309bと、ポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1に当接する方形状の押圧部309dとを接続している。アーム部309cは、押圧部309dの幅よりも狭い幅を有する
図3に示すように、抑えバネ309をポリゴンモータユニット300に組み付ける。抑えバネ309は、アーム部309cを中心として弾性変形する。アーム部309cが弾性変形したときの応力により抑えバネ309の押圧部309dがポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1を押圧する。これによりポリゴンミラー308をロータ302に押圧する。モータ301が回転駆動することによりロータ302と、ポリゴンミラー308と、規制部材310と、抑えバネ309と、軸305とが軸305を回転中心として一体的に回転する。
<規制部材の線膨張係数の選択範囲>
次に、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1に基づいて、所定の範囲で、規制部材310の線膨張係数A1を選択する構成について説明する。本実施形態では、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1に対して、規制部材310の線膨張係数A1を半分以下に設定する。これにより抑えバネ309によりロータ302に押圧されるポリゴンミラー308の位置ずれが引き起こさないように規制部材310を選定する。ここで、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1と規制部材310の線膨張係数A1とが以下の数4式で示される関係になるような範囲で、ポリゴンミラー308と規制部材310の材料をそれぞれ選択する。
次に、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1に基づいて、所定の範囲で、規制部材310の線膨張係数A1を選択する構成について説明する。本実施形態では、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1に対して、規制部材310の線膨張係数A1を半分以下に設定する。これにより抑えバネ309によりロータ302に押圧されるポリゴンミラー308の位置ずれが引き起こさないように規制部材310を選定する。ここで、ポリゴンミラー308の線膨張係数B1と規制部材310の線膨張係数A1とが以下の数4式で示される関係になるような範囲で、ポリゴンミラー308と規制部材310の材料をそれぞれ選択する。
[数4]
A1≦0.5×B1
A1≦0.5×B1
<規制部材の線膨張係数を選定する際の課題>
次に、図5を用いて規制部材310の線膨張係数A1を選定する際の課題について説明する。図5は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。図5に示すポリゴンミラー308の材料は、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)であり、その線膨張係数B1は、65(×10−6/℃)である。規制部材310の材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Poly ether ether ketone)であり、その線膨張係数A1は、26(×10−6/℃)である。
次に、図5を用いて規制部材310の線膨張係数A1を選定する際の課題について説明する。図5は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。図5に示すポリゴンミラー308の材料は、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)であり、その線膨張係数B1は、65(×10−6/℃)である。規制部材310の材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Poly ether ether ketone)であり、その線膨張係数A1は、26(×10−6/℃)である。
また、モータ301が停止している状態で、常温としての25℃の温度環境において、ポリゴンミラー308の厚みU0を考慮する。このとき、抑えバネ309の押圧部309dにより押圧されているポリゴンミラー308の上面308eに設けられた被押圧部308e1を考慮する。更に、ロータ302の上面の被当接部302aに当接している下面308fに設けられた当接部308f1を考慮する。ポリゴンミラー308の被押圧部308e1から当接部308f1までの軸305の軸線方向(図5の上下方向)の厚みU0は、10mmである。
また、モータ301が停止している状態で、常温としての25℃の温度環境において、規制部材310の厚みX0を考慮する。このとき、抑えバネ309の押圧部309bにより押圧されている規制部材310の上面310aに設けられた被押圧部310a1を考慮する。更に、ロータ302の上面に設けられた被当接部302bに当接している規制部材310の下面310bに設けられた押圧部310b1を考慮する。規制部材310の被押圧部310a1から押圧部310b1までの軸305の軸線方向(図5の上下方向)の厚みX0は、8mmである。
次に、ポリゴンモータユニット300が動作して、モータ301の回転により発生する熱がロータ302を通してポリゴンミラー308と規制部材310に伝達され、ポリゴンミラー308と規制部材310が熱膨張する状態について説明する。モータ301は、回転することによる発熱が各部より発生する。一例として、励磁コイル304では電流が流れることにより銅損、鉄損が発生して発熱する。
軸受306では、軸受306と軸305の摩擦により発熱する。これらの発熱がロータ302を介してポリゴンミラー308と規制部材310に加わる。このような構成において、モータ301の回転が持続し、ポリゴンミラー308と規制部材310の温度が80℃となった場合の影響を考える。
ポリゴンモータユニット300の組立工程における室温の常温としての25℃から、モータ301の発熱によって80℃まで温度変化ΔTが発生する。このためポリゴンミラー308と規制部材310の熱膨張としては、以下の数5式で計算される温度変化ΔTの影響を受ける。
[数5]
ΔT=80℃−25℃
=55℃
ΔT=80℃−25℃
=55℃
ここで、上記数5式で示される温度変化ΔTによって変化するポリゴンミラー308の厚みU2を考慮する。このとき、抑えバネ309の押圧部309dにより押圧されているポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1を考慮する。更に、ロータ302の被当接部302aに当接しているポリゴンミラー308の下面308fの当接部308f1を考慮する。ポリゴンミラー308の厚みU2は、被押圧部308e1から当接部308f1までの軸305の軸線方向(図5の上下方向)の厚みU2である。
上記数5式で示される温度変化ΔTによって変化するポリゴンミラー308の厚みU2を考慮する。ここで、常温としての25℃の温度環境におけるポリゴンミラー308の厚みU0が10mmを考慮する。更に、温度変化ΔTが55℃(=80℃−25℃)を考慮する。更に、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)製のポリゴンミラー308の線膨張係数B1が65(×10−6/℃)を考慮する。これらを用いると、ポリゴンミラー308の厚みU2は、以下の数6式で計算される。
[数6]
U2=U0+(U0×ΔT×B1)
=10mm+(10mm×55℃×65×10−6/℃)
=10.03575mm
U2=U0+(U0×ΔT×B1)
=10mm+(10mm×55℃×65×10−6/℃)
=10.03575mm
また、常温としての25℃の温度環境における規制部材310の厚みX0を考慮する。このとき、抑えバネ309の押圧部309bにより押圧されている規制部材310の上面310aの被押圧部310a1を考慮する。更に、ロータ302の被当接部302bに当接している規制部材310の下面310bの押圧部310b1を考慮する。規制部材310の厚みX0は、被押圧部310a1から押圧部310b1までの軸305の軸線方向(図5の上下方向)の厚みX0である。
上記数5式で示される温度変化ΔTによって変化する規制部材310の厚みX2を考慮する。このとき、常温としての25℃の温度環境における規制部材310の厚みX0が8mmを考慮する。更に、温度変化ΔTが55℃(=80℃−25℃)を考慮する。更に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Poly ether ether ketone)製の規制部材310の線膨張係数A1が26(×10−6/℃)を考慮する。これらを用いると、規制部材310の厚みX2は、以下の数7式で計算される。
[数7]
X2=X0+(X0×ΔT×A1)
=8mm+(8mm×55℃×26×10−6/℃)
=8.01144mm
X2=X0+(X0×ΔT×A1)
=8mm+(8mm×55℃×26×10−6/℃)
=8.01144mm
上記数6式と数7式とを比較する。このとき、温度環境が常温としての25℃から、昇温した80℃に変化したときのポリゴンミラー308の熱膨張による厚さUの変化(=0.03575mm)と、規制部材310の熱膨張による厚さXの変化(=0.01144mm)との差を考慮する。そのとき、ポリゴンミラー308の熱膨張による厚さUと、規制部材310の熱膨張による厚さXとのそれぞれの変化の差は、24.31μm(=35.75μm−11.44μm)である。これによりポリゴンミラー308の熱膨張による厚さUの変化の方が、規制部材310の熱膨張による厚さXの変化よりも大きい。
次に、図5を用いて、上記熱膨張による抑えバネ309のバネ圧の変化と、その影響について説明する。図5の破線で示す抑えバネ309は、常温としての25℃における状態を示している。一方、図5の実線で示す抑えバネ309は、80℃におけるポリゴンミラー308と規制部材310との熱膨張の影響を受けた状態を示している。抑えバネ309は、軸305の頭部305aの底面305a1に筒部309aの上端部309a1が突き当てられて上方向への移動が規制されている。
図4に示すように、抑えバネ309は、規制部材310を押圧する押圧部309bからポリゴンミラー308を押圧する押圧部309dにかけて方形状の押圧部309dの幅よりも狭い幅を有するアーム部309cを中心として変形する。アーム部309cの変形の応力により抑えバネ309の押圧部309dは、ポリゴンミラー308をロータ302に押し当てて固定している。
この構成において、温度環境が常温としての25℃から80℃に変化したときのポリゴンミラー308と規制部材310との熱膨張によりポリゴンミラー308の厚みUは、上記数6式に示すように、35.75μm厚くなる。同様に、規制部材310の厚みXは、上記数7式に示すように、11.44μm厚くなる。これにより温度環境が常温としての25℃のときに図5の破線で示す状態の抑えバネ309は、温度環境が昇温した80℃のときに図5の実線で示す状態に変形する。
ここで、規制部材310を押圧している抑えバネ309の変形の度合いとして、図5に示す押圧部309bの曲率半径Rを考慮する。このとき、温度環境が常温としての25℃のときの図5の破線で示す状態の押圧部309bの曲率半径Rに対して、温度環境が昇温した80℃のときの図5の実線で示す状態の押圧部309bの曲率半径Rが小さくなっている。
このため温度環境が昇温した80℃のときの図5の実線で示す状態の抑えバネ309の押圧部309dによりポリゴンミラー308を押圧する押圧力は、温度環境が常温としての25℃のときよりも増加する。これにより温度環境が昇温した80℃のときの図5の実線で示す状態の抑えバネ309の押圧部309dにより押圧されるポリゴンミラー308は、ロータ302に対して位置ずれを引き起こさない構成となる。
<変形例>
次に、図6を用いて、第1実施形態のポリゴンモータユニット300の変形例の構成について説明する。図6は、第1実施形態のポリゴンモータユニット300の変形例の構成を示す断面図である。上記実施形態では、抑えバネ309が軸305の頭部305aにより規制されて、ロータ302とは反対側への移動を規制する構成の一例について説明した。
次に、図6を用いて、第1実施形態のポリゴンモータユニット300の変形例の構成について説明する。図6は、第1実施形態のポリゴンモータユニット300の変形例の構成を示す断面図である。上記実施形態では、抑えバネ309が軸305の頭部305aにより規制されて、ロータ302とは反対側への移動を規制する構成の一例について説明した。
図6に示す変形例では、抑えバネ309がロータ302とは反対側への移動を規制する構成として軸305とは別部材としての止め輪311により抑えバネ309がロータ302とは反対側への移動を規制する構成としている。図6に示す軸305には、図5に示すような頭部305aは設けられていない。軸305は、ロータ302と一体化され、軸受306により軸305が回転可能に支持されている。
抑えバネ309のロータ302とは反対側への移動を規制する規制部材として、軸305の外周面に嵌合する止め輪311が設けられている。止め輪311は、抑えバネ309の押圧部309dがポリゴンミラー308に対して所定の押圧力を加える位置において軸305の外周面に対して圧入されている。
止め輪311は、図5に示す軸305の頭部305aと同様の効果を発揮する。このため軸305の外周面に嵌合する別部材としての止め輪311を設けた構成においても同様な効果を得ることが出来る。また、止め輪311は、頭部305aを有さない軸305の外周面に圧入されて抑えバネ309のロータ302とは反対側への移動を規制する構成とした。他に、止め輪311をE字形状のEリングを使用し、軸305の外周面にEリングを装着する凹部を設けることで、軸305の外周面に設けた凹部にEリングを装着して抑えバネ309のロータ302とは反対側への移動を規制する構成としても良い。
更に、抑えバネ309の筒部309aが軸305の外周面に対して軸305の径方向内側に向かって十分な押圧力を有し、抑えバネ309のロータ302側への移動と、ロータ302とは反対側への移動を規制する構成としても良い。この場合は、軸305の頭部305aや止め輪311等の規制部材は不要である。
本実施形態では、規制部材310の材料をポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Poly ether ether ketone)として説明した。しかし、規制部材310の線膨張係数Aがポリゴンミラー308の線膨張係数Bの半分以下となるような材料をそれぞれ選択すれば良い。このため規制部材310の材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Poly ether ether ketone)に限定されない。
例えば、規制部材310の材料として、線膨張係数Aが20(×10−6/℃)の液晶ポリマー樹脂(LCP;Liquid Crystal Polymer)を用いることができる。他に、線膨張係数Aが30.6(×10−6/℃)のポリアミドイミド(PAI;Poly Amide Imide)等を用いても良い。
このように、規制部材310の線膨張係数Aが、ポリゴンミラー308の線膨張係数Bの半分以下となるような材料を適宜選定することで、抑えバネ309がロータ302側へ移動することを規制し、ポリゴンミラー308の位置ずれを低減することが可能となる。これによりモータ301の回転に伴って発熱するポリゴンモータユニット300の温度変化ΔTによるポリゴンミラー308の位置ずれやポリゴンミラー308の反射面308a〜308dの歪みを抑制することができる。
モータ301の熱がロータ302からポリゴンミラー308や規制部材310に伝わり、ポリゴンミラー308や規制部材310が熱膨張したときの抑えバネ309の変形を低減することができる。これにより温度変化によるポリゴンミラー308の位置ずれやポリゴンミラー308の反射面308a〜308dの歪みの発生を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図8及び図9を用いて本発明に係る光走査装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。第1実施形態では、規制部材310により抑えバネ309がロータ302側へ移動することを規制する。これによりポリゴンミラー308の位置ずれを低減する構成とした。これによりポリゴンミラー308や規制部材310の熱膨張による抑えバネ309の押圧力の低下を抑制し、ポリゴンミラー308の位置ずれを抑制していた。
次に、図8及び図9を用いて本発明に係る光走査装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。第1実施形態では、規制部材310により抑えバネ309がロータ302側へ移動することを規制する。これによりポリゴンミラー308の位置ずれを低減する構成とした。これによりポリゴンミラー308や規制部材310の熱膨張による抑えバネ309の押圧力の低下を抑制し、ポリゴンミラー308の位置ずれを抑制していた。
第1実施形態では、ポリゴンミラー308や規制部材310の熱膨張による抑えバネ309の押圧力の増加によってポリゴンミラー308の位置ずれを防止した。しかしながら、抑えバネ309の押圧力が過剰に増加した場合には、ポリゴンミラー308に加わる押圧力が過剰に大きくなる。これによりポリゴンミラー308の反射面308a〜308dが歪み、各反射面308a〜308dに入射するレーザ光Lの反射位置が変動する。これにより画像不良を引き起こす可能性がある。
<押圧力の増大によるポリゴンミラーの変形>
次に、図7〜図9を用いて、抑えバネ309の押圧力が過剰に増加した場合にポリゴンミラー308が変形する様子について説明する。図7(a)は、熱膨張による影響を受けていない状態のポリゴンミラー308の側面図である。図7(b)は、熱膨張による影響を受けていない状態のポリゴンミラー308の平面図である。図8(a)は、熱膨張による影響を受けた状態のポリゴンミラー308の側面図である。図8(b)は、熱膨張による影響を受けた状態のポリゴンミラー308の平面図である。図9は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。
次に、図7〜図9を用いて、抑えバネ309の押圧力が過剰に増加した場合にポリゴンミラー308が変形する様子について説明する。図7(a)は、熱膨張による影響を受けていない状態のポリゴンミラー308の側面図である。図7(b)は、熱膨張による影響を受けていない状態のポリゴンミラー308の平面図である。図8(a)は、熱膨張による影響を受けた状態のポリゴンミラー308の側面図である。図8(b)は、熱膨張による影響を受けた状態のポリゴンミラー308の平面図である。図9は、本実施形態のポリゴンモータユニット300の構成を示す断面図である。
図7(a),(b)に示すように、熱膨張による影響を受けていない状態において、ポリゴンミラー308の反射面308a〜308dは、所望の精度の傾斜を有し、レーザ光Lを感光ドラム102の表面上の副走査位置に正しく反射できる状態である。図8(a)は、熱膨張の影響により抑えバネ309からの押圧力が過剰に増大し、ポリゴンミラー308が変形した様子を示す側面図である。図8(b)は、熱膨張の影響により抑えバネ309からの押圧力が過剰に増大し、ポリゴンミラー308が変形した様子を示す平面図である。
図8(a),(b)の左側に示したカラーチャート15では、カラーチャート15の上側に行くほど暖色で示され、カラーチャート15の下側に行くほど寒色で示されている。カラーチャート15の上側に示される暖色に近いほど、ポリゴンミラー308の変形が大きいことを示す。図8(a),(b)に示すポリゴンミラー308の中央部に設けられた貫通穴308gの周縁部308hは、カラーチャート15の下側の寒色で示されている。このためポリゴンミラー308の貫通穴308gの周縁部308hでは、変形が最も小さいことを示している。また、ポリゴンミラー308の反射面308a〜308dの端部では、ポリゴンミラー308の変化が大きいことを示している。
図8(a),(b)に示すように、熱膨張の影響により抑えバネ309からの押圧力が過剰に増大したことで、ポリゴンミラー308の反射面308a〜308dが歪む。これによりポリゴンミラー308の反射面308a〜308dでのレーザ光Lの反射位置が変化し、感光ドラム102の表面上の副走査位置への入射に粗密が生じる。これにより副走査方向の濃度ムラが発生してしまう。
ここで、図9を用いて、熱膨張によりポリゴンミラー308と規制部材310とが変形した場合を考慮する。常温としての25℃の温度環境でモータ301が停止している状態で、ポリゴンミラー308の厚みU3のときのポリゴンミラー308の上面308eの高さ位置Hu3を考慮する。更に、モータ301の発熱によって80℃まで昇温した状態で、ポリゴンミラー308の厚みU4のときのポリゴンミラー308の上面308eの高さ位置Hu4を考慮する。そして、25℃から80℃まで変化したときのポリゴンミラー308の上面308eの高さ位置Hu3と高さ位置Hu4との相対的な高低差ΔHuを考慮する。
一方、常温としての25℃の温度環境でモータ301が停止している状態で、規制部材310の厚みX3のときの規制部材310の上面310aの高さ位置Hx3を考慮する。更に、モータ301の発熱によって80℃まで昇温した状態で、規制部材310の厚みX4のときの規制部材310の上面310aの高さ位置Hx4を考慮する。
そして、25℃から80℃まで変化したときの規制部材310の上面310aの高さ位置Hx3と高さ位置Hx4との相対的な高低差ΔHxを考慮する。本実施形態では、25℃から80℃まで変化したときのポリゴンミラー308の上面308eの高低差ΔHuと、規制部材310の上面310aの高低差ΔHxとを略同一に保つ。これにより抑えバネ309がポリゴンミラー308に過大な押圧力を印加することを防止する。
<ポリゴンミラーと規制部材の選定方法>
次に、図10を用いて、本実施形態におけるポリゴンモータユニット300のポリゴンミラー308と規制部材310の選定方法について説明する。図10は、本実施形態の規制部材310の線膨張係数A2と、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2の選定範囲を説明する図である。本実施形態においても規制部材310の線膨張係数A2は、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2に基づいて所定の範囲で選択される。
次に、図10を用いて、本実施形態におけるポリゴンモータユニット300のポリゴンミラー308と規制部材310の選定方法について説明する。図10は、本実施形態の規制部材310の線膨張係数A2と、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2の選定範囲を説明する図である。本実施形態においても規制部材310の線膨張係数A2は、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2に基づいて所定の範囲で選択される。
図10に示すように、本実施形態におけるポリゴンミラー308の材料は、ポリカーボネート(PC;Polycarbonate)であり、その線膨張係数B2は65(×10−6/℃)である。
ここで、常温としての25℃の温度環境でモータ301が停止している状態を考慮する。このとき、図9に示すポリゴンミラー308の厚みU3は、10mmである。ここで、抑えバネ309の押圧部309dにより押圧されているポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1を考慮する。更に、ロータ302の上面の被当接部302aに当接しているポリゴンミラー308の下面308fの当接部308f1を考慮する。このとき、ポリゴンミラー308の厚みU3は、軸305の軸線方向(図9の上下方向)における被押圧部308e1から当接部308f1までの厚みU3である。
また、常温としての25℃の温度環境でモータ301が停止している状態を考慮する。このとき、規制部材310の厚みX3は、8mmである。ここで、抑えバネ309の押圧部309bにより押圧されている規制部材310の上面310aの被押圧部310a1を考慮する。更に、ロータ302の上面の被当接部302bに当接している規制部材310の下面310bの押圧部310b1を考慮する。規制部材310の厚みX3は、軸305の軸線方向(図5の上下方向)における被押圧部310a1から押圧部310b1までの厚みX3である。
このとき、ポリカーボネート製のポリゴンミラー308の線膨張係数B2を考慮する。更に、常温としての25℃の温度環境において、ポリゴンミラー308がロータ302と接触している面としての被当接部302aに対して垂直方向(図9の上下方向)におけるポリゴンミラー308の常温時の厚みU3を考慮する。更に、常温としての25℃の温度環境において、規制部材310がロータ302と接触している面としての被当接部302bに対して垂直方向(図9の上下方向)における規制部材310の常温時の厚みX3を考慮する。
これらを用いて、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを以下の数8式により求める。尚、ポリゴンミラー308の常温時の厚みU3と、規制部材310の常温時の厚みX3は、ポリゴンモータユニット300の組立作業が行われる常温としての25℃の室内環境でのそれぞれの厚みU3,X3を用いている。このときの常温は、20℃〜35℃の範囲とすることができる。
[数8]
A2i=(B2×U3)/X3
=(65×10−6/℃×10mm)/8mm
=81.25(×10−6/℃)
A2i=(B2×U3)/X3
=(65×10−6/℃×10mm)/8mm
=81.25(×10−6/℃)
このとき、規制部材310の材料としては、線膨張係数A2が81.25(×10−6/℃)の「ポリカーボネート/ABS」を選定することができる。ここで、「ポリカーボネート/ABS」は、ポリカーボネート(PC;Polycarbonate)と、ABSを混合したものである。ABSは、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)の共重合体である。
ここで、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを考慮する。理想値A2iは、上記数8式に示されるように、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2を考慮する。更に、常温としての25℃の温度環境におけるポリゴンミラー308の厚みU3を考慮する。そして、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2とポリゴンミラー308の厚みU3との積に対する、常温としての25℃の温度環境における規制部材310の厚みX3との比で理想値A2iを求めている。
モータ301の発熱がロータ302を通してポリゴンミラー308と規制部材310に加わった場合を考慮する。このとき抑えバネ309の押圧部309dが押圧するポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1の高さ位置Hu4を考慮する。更に、抑えバネ309の押圧部309bが押圧する規制部材310の上面310aの被押圧部310a1の高さ位置Hx4を考慮する。このとき、両者の高さ位置Hu4,Hx4の相対的な高低差ΔHが不変となる。
尚、図9に示す高さ位置Hu3,Hu4,Hx3,Hx4は、ロータ302の被当接部302bの面の高さを基準高さレベルHsとし、基準高さレベルHsからの高さとすることができる。ポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1と、規制部材310の上面310aの被押圧部310a1の高さ位置Hu3,Hu4,Hx3,Hx4を比較する共通の基準高さレべルHsは、他の共通の基準高さレべルを採用することでも良い。
<熱膨張による抑えバネのバネ圧の変化と、その影響>
次に、図9を用いて、ポリゴンミラー308と規制部材310の熱膨張による抑えバネ309のバネ圧の変化と、その影響について説明する。
次に、図9を用いて、ポリゴンミラー308と規制部材310の熱膨張による抑えバネ309のバネ圧の変化と、その影響について説明する。
図9は、熱膨張によるポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1の高さ位置Hu3,Hu4の相対的な高低差ΔHuと、規制部材310の上面310aの被押圧部310a1の高さ位置Hx3,Hx4の相対的な高低差ΔHxとを示している。図9に示したように、熱膨張によるポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1の高さ位置Hu3,Hu4の相対的な高低差ΔHuを考慮する。この高低差ΔHuに対して、熱膨張による規制部材310の上面310aの被押圧部310a1の高さ位置Hx3,Hx4の相対的な高低差ΔHxが同一となる。
このとき、抑えバネ309の規制部材310の上面310aの被押圧部310a1に当接している押圧部309bからポリゴンミラー308の上面308eの被押圧部308e1に当接している押圧部309dまでのアーム部309cを考慮する。このアーム部309cは、図9に示すように、熱膨張による変位がない。このため抑えバネ309の押圧部309dがポリゴンミラー308に与える押圧力の変化を低減することが可能となる。これによりポリゴンミラー308の位置ずれやポリゴンミラー308に対する過剰な押圧力の増加を防止することができる。
<理想値を選定できない場合における規制部材の線膨張係数の選定範囲>
次に、図10を用いて、ポリゴンミラー308と規制部材310の材料の制約上、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを選定できない場合における規制部材310の線膨張係数A2の選定範囲について説明する。図10に示すように、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを中心として考慮する。
次に、図10を用いて、ポリゴンミラー308と規制部材310の材料の制約上、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを選定できない場合における規制部材310の線膨張係数A2の選定範囲について説明する。図10に示すように、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを中心として考慮する。
そして、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2と、理想値A2iとの差分を理想値A2iに加えた値を規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の上限値A2uとする。そして、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2を規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の下限値A2lとする。これらの規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の下限値A2lから上限値A2uの範囲で規制部材310の材料が有する線膨張係数A2を選択する。
ポリゴンミラー308と規制部材310の材料の制約上、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを選定できない場合がある。この場合には、規制部材310の線膨張係数A2は、ポリゴンミラー308の線膨張係数B2と、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iと、を用いて、以下の数9式で示される範囲で選択することができる。
[数9]
B2≦A2≦A2i+(A2i−B2)
B2≦A2≦A2i+(A2i−B2)
本実施形態では、規制部材310の材料として、「ポリカーボネート/ABS」を使用した場合について説明した。他に、規制部材310の材料として、線膨張係数A2が90(×10−6/℃)のポリプロピレン(PP;Polypropylene)を用いることができる。他に、線膨張係数A2が85(×10−6/℃)のポリオキシメチレン(POM;Polyoxymethylene)等を用いても良い。ポリオキシメチレンとしては、ポリプラスチックス株式会社製の「ジュラコン(DURACON)登録商標」が採用できる。
上記数8式に示されるように、ポリゴンミラー308の線膨張係数Bと、常温としての25℃の温度環境におけるポリゴンミラー308の厚みU3と、常温としての25℃の温度環境における規制部材310の厚みX3とを考慮する。これらを用いて、規制部材310の材料が有する線膨張係数A2の理想値A2iを求める。そして、上記数9式に示される範囲内で、規制部材310の材料を適宜選定する。
これにより抑えバネ309がポリゴンミラー308に与える押圧力を所定範囲内に制御することができる。これによりポリゴンミラー308の位置ずれやポリゴンミラー308の反射面308a〜308dの変形を低減することが可能となる。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
A1…ポリエーテルエーテルケトン製の規制部材310の線膨張係数
B1,B2…ポリカーボネート製のポリゴンミラー308の線膨張係数
301…モータ
302…ロータ
305…軸(回転軸)
308…ポリゴンミラー
308g…貫通穴
309…抑えバネ(バネ)
310…規制部材
B1,B2…ポリカーボネート製のポリゴンミラー308の線膨張係数
301…モータ
302…ロータ
305…軸(回転軸)
308…ポリゴンミラー
308g…貫通穴
309…抑えバネ(バネ)
310…規制部材
Claims (4)
- 回転軸と一体的に回転可能なロータを有するモータと、
貫通穴を有するポリゴンミラーと、
前記貫通穴に挿入された前記回転軸に嵌合して、前記ポリゴンミラーを前記ロータに押圧するバネと、
前記ポリゴンミラーの前記貫通穴内に配置され、前記ロータと前記バネとに接触して、前記バネの前記ロータ側への移動を規制する規制部材と、
を有し、
前記規制部材の線膨張係数は、前記ポリゴンミラーの線膨張係数に基づいて所定の範囲で選択されることを特徴とする光走査装置。 - 前記規制部材の線膨張係数をAとし、
前記ポリゴンミラーの線膨張係数をBとしたとき、
A≦0.5×B
の範囲で選択されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。 - 前記ポリゴンミラーの線膨張係数をBとし、
前記ポリゴンミラーが前記ロータと接触している面に対して垂直方向における前記ポリゴンミラーの常温時の厚みをUとし、
前記規制部材が前記ロータと接触している面に対して垂直方向における前記規制部材の常温時の厚みをXとし、
前記規制部材の線膨張係数をAとしたとき、
A=(B×U)/X
であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。 - 前記ポリゴンミラーの線膨張係数をBとし、
前記ポリゴンミラーが前記ロータと接触している面に対して垂直方向における前記ポリゴンミラーの常温時の厚みをUとし、
前記規制部材が前記ロータと接触している面に対して垂直方向における前記規制部材の常温時の厚みをXとし、
前記規制部材の線膨張係数をAとし、
前記規制部材の線膨張係数の理想値をAiとしたとき、
Ai=(B×U)/X
とし、
前記規制部材の線膨張係数Aは、
B≦A≦Ai+(Ai−B)
の範囲で選択されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
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