JP2008058353A - 光学走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、偏向手段単独で軸倒れが発生している場合や、筐体の偏向手段を取付ける座面の精度が傾いている場合でも、光学走査装置に実装した状態での反射鏡の反射面の倒れを容易に補正できることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光学走査装置の代表的な構成は、回路基板30と筐体27の間に補正部材33を有し、補正部材33は筐体27と干渉しない位置と筐体27と当接して回路基板30を持ち上げて撓ませる位置とに移動可能であることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明はレーザビームプリンタやデジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置及びこれに用いられ、レーザビームを偏向走査するための光学走査装置に関するものである。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、表面が帯電された感光ドラムに、光学走査装置により画像情報に応じた光ビームを走査して潜像を形成する。形成した潜像は現像した可視像を転写材に転写されて画像形成される。
光ビームを走査する光学走査装置は、通常、発光源である半導体レーザから出射された光ビームを偏向走査するために、反射鏡を備えた偏向手段が装備されている。この偏向手段の回転軸が、偏向走査面に対して所定の位置から傾いていると(以下「軸倒れ」と称す)、各反射鏡の反射面も倒れることになる。そして、像面上での光ビームのスポットが歪み、画像欠陥が生じる。
そこで、軸倒れを補正する方法が提案されている。例えば、特許文献1に記載されているように、偏向手段自体を組み立てる際、軸倒れを補正するための補正代をあらかじめ設けておき、偏向手段単品での回転軸の傾きを補正する方法がある。また、特許文献2に記載されているように、偏向手段の回転軸を支持する支持部材の傾きを調整ネジにより調整して、軸倒れを補正する方法がある。
特開2004−93831号公報 特開平6−281876号公報
しかしながら、特許文献1記載の光学走査装置には以下のような未解決の課題がある。
通常、光学走査装置は、レンズや、スキャナモータなどの光学部品を筐体に取付けて、それぞれの光学部品の位置決めを行なっている。その為に、偏向手段単品でいくら軸倒れを補正したとしても、筐体の偏向手段取付け面の精度により偏向走査面に対する軸倒れは発生する。また、偏向手段単品での軸倒れを補正するために、スキャナモータのハウジングと固定スリーブを接着しているが、隙間が微小なために十分に接着剤が回り込まないという課題もある。
また、特許文献2記載の光偏向装置には以下のような未解決の課題がある。
特許文献2記載の光偏向装置は、回転軸を支持する2個のベアリングのうち、一方のベアリングの外輪をハウジングに固定し、他方のベアリングの外輪とハウジングの位置関係を調整ビスにより調整して軸倒れを調整している。調整ビスは1方向にのみ調整が可能な為、調整ビスが無い方向に調整するためには、複数の調整ビスを調整してそれらの合成ベクトルが、所望の方向に向くように調整する必要があり、調整が煩雑になる。
そこで本発明は、偏向手段単独で軸倒れが発生している場合や、筐体の偏向手段を取付ける座面の精度が傾いている場合でも、光学走査装置に実装した状態での反射鏡の反射面の倒れを容易に補正できる光学走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る光学走査装置の代表的な構成は、光ビームを偏向走査させるための反射鏡と、該反射鏡の回転軸と、該回転軸の回転を制御する回路基板と、少なくとも前記反射鏡、前記回転軸、前記回路基板を収容する筐体と、を有する光学走査装置において、前記回路基板と前記筐体の間に補正部材を有し、前記補正部材は前記筐体と干渉しない位置と前記筐体と当接して前記回路基板を持ち上げて撓ませる位置とに移動可能であることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、前記光学走査装置と、前記光学走査装置により前記光ビームを結像走査される感光体と、前記感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、偏向手段単独で軸倒れが発生している場合や、筐体の偏向手段を取付ける座面の精度が傾いている場合でも、光学走査装置に実装した状態の偏向手段の反射面の、光源(光ビーム)に対しての倒れを容易に補正できる。
[第一実施形態]
本発明に係る光学走査装置及び画像形成装置の第一実施形態について、図を用いて説明する。
(画像形成装置)
図1は本実施形態に係る光学走査装置を用いた画像形成装置の断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置は、光学走査装置を有している。光学走査装置11は、画像情報に基づいて光変調された光ビームLを出射する。出射された光ビームLは、1次帯電器2によって一様に帯電している感光ドラム(感光体)1の表面上に結像走査され、静電潜像が形成される。
感光ドラム1に形成された静電潜像は現像器(現像手段)3によって現像剤を用いてトナー像として現像され、この可視像化されたトナー像は転写材Pに転写ローラ4によって転写されて画像が形成される。その後、感光ドラム1面上に残っている残留トナーは、クリーナ5によって除去され、感光ドラム1は、次の画像を形成するために再度1次帯電器2によって一様に帯電される。
上記転写材Pは、給送トレイ6上に積載されており、給送ローラ7によって1枚づつ順に給送される。給送された転写材Pは、レジストローラ8によって画像の書き出しタイミングに同期を取って転写ローラ4に送り出され、感光ドラム1面上に形成されたトナー像が転写される。トナー像を転写された転写材Pは、定着器9によって熱定着された後、排出ローラ10によって装置外に排出される。
(光学走査装置)
図2は光学走査装置11の構成図である。
図2に示すように、光学走査装置11は、レーザユニット21、シリンドリカルレンズ23、偏向手段24、反射鏡25、fθレンズ26、筐体27を有している。レーザユニット21は、発光源である半導体レーザ(図示せず)と半導体レーザから放射された光ビームを略平行光に変換するコリメータレンズ22とを有している。
レーザユニット21より略平行光の光ビームが出射される。略平行光の光ビームは、シリンドリカルレンズ23によって反射鏡(ここでは複数の反射面を持つポリゴンミラー)25上にて副走査方向に線像となるように収束されている。偏向手段24には、反射鏡25が組み付けられており、反射鏡25は等角速度にて回転駆動されている。反射鏡25にて偏向走査された光ビームは、fθレンズ26によって像面上で等速走査を行なっている。これらの光学部品は、ガラス繊維等を配合したポリカーボネイト樹脂等の筐体27に組み込まれてそれぞれの位置決めが行なわれている。
図3は偏向手段24と筐体27との関係を示している。図3に示すように、偏向手段24は、回路基板30、回転軸31、軸受32を有している。回路基板30は反射鏡25(回転軸31)の回転を制御する。回転軸31は反射鏡25の回転軸であり、反射鏡25を組み付けて回転させる。軸受32は回転軸31を回転支持する。
回路基板30は、鉄系の基板の表面に回路が形成されており、回路基板30の裏面3ヶ所で、筐体27の固定座面28にビス29を用いて固定されている。また、軸受32は回路基板30の裏面より下方に突出した状態で回路基板30にかしめられている。
光学走査装置全体としての反射鏡25の反射面の倒れは、次の3つのパターンに分けられる。1つめのパターンとして、回路基板30の反りや、かしめの状態により発生するような偏向手段24自体に起因するものがある。2つめのパターンとして、筐体27の固定座面28により形成される平面の状態により発生するような筐体27自体に起因するものがある。3つめのパターンとして、その両者の当接の状態に起因するものがある。
上記個々の要因を減らすのは当然のことであるものの、製造ばらつきによっては、どうしても軸倒れが大きいものも発生してしまう。そこで、偏向手段24の組付けが完了した時点で、最終的な光学走査装置としての反射鏡25の反射面の倒れを測定し、規定範囲外の場合には、補正部材33によってその倒れを補正する。
補正部材33は、ポリアセタール樹脂(通称POM)等の摺動性の良い樹脂によって作られたコの字形状の部材であり、回路基板30の外周部を挟むように圧入等の手段によって係止されている。筐体27は、補正部材33に対向する位置に凹部34を有している。補正部材33が凹部34内にあるときは、補正部材33は筐体27と干渉しないようになっている。
図4は補正部材33の機能を説明するための模式断面図である。図4(a)は補正前の初期状態を示し、図4(b)は補正後の状態を示す。
図4(a)の初期状態においては、補正部材33は筐体27の凹部34内にあり、筐体27に当接しないため、回転軸31の倒れには影響しない。偏向手段24が筐体27にビス29によって固定された後に、回転軸31の倒れや反射鏡25の反射面の倒れを直接観測若しくは、走査された光ビームのスポット径や湾曲量を測定する。これによって、偏向手段24が筐体27に固定された状態で反射鏡25の反射面の光ビームに対する倒れが規定範囲内かどうか判断できる。
倒れが規定範囲外の場合、図4(b)に示すように、補正部材33を回路基板30の外周部に沿って矢印X方向に移動させて筐体27と当接させる。補正部材33が回路基板30と筐体27の間に当接して挟まることによって、回路基板30を押し上げて撓ませ、回路基板30にかしめて固定されている軸受32が傾き、回転軸31並びに反射鏡25の反射面が倒れる。
この倒れる方向は、補正部材33の位置によって調整される。その結果、偏向手段24、筐体27の座面の少なくともいずれか一方の精度が悪く、軸倒れが規定範囲外に大きい場合に、その倒れを調整し、倒れ量を減らすことが可能となる。また、補正部材33を可動させる位置によっては、倒れの方向を任意に調整可能なため、反射面が倒れていても光学的に影響の少ない方向に倒れを変更することも可能となる。
反射面の傾きが規定範囲内に補正された後、接着や熱溶着といった手段によって補正部材33の位置を固定する。
なお、補正部材33が1つの場合で説明したが、複数個設けることによってさらに倒れを補正する角度や量を細かく調整することも可能である。また、軸倒れが規定範囲内であった場合、補正部材33を回路基板30から取り外しても良い。
このような構成にすることによって、もし光学走査装置の軸倒れが規定より大きい場合には、補正部材を回路基板の外周に沿って動かすことで、任意の方向に軸倒れを補正することが可能となる。その結果、反射鏡の反射面の倒れを補正し、良好な光学特性の光学走査装置を提供することが可能となる。
[第二実施形態]
次に本発明に係る光学走査装置及び画像形成装置の第二実施形態について図を用いて説明する。図5(a)(b)は本実施形態に係る偏向手段24と筐体35との関係を示す斜視図、側面図である。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の光学走査装置及び画像形成装置は、上記第一実施形態の補正部材33、凹部34に変えて補正部材36を設けたものである。
補正部材36は、ヘッダーの形状がバインドやナベのネジである。回路基板37の補正部材36の取付け位置にはメネジが切ってあり、補正部材36は回路基板37に係止されている。回転軸31の倒れが規定より大きい場合、この補正部材36をネジを締める方向に回転させることによって、補正部材36の先端が筐体35に当接を始める。しかし筐体35にはネジ穴が開いておらず、回路基板37には上に持ち上げる力が働く。その影響で、回路基板37を上方に撓ませ、その結果軸倒れが補正される。この倒れの補正量は、補正部材36の先端が筐体35に当接後にネジを回転する量によって任意に設定することが可能であり、つまり補正部材36を回転させる量によって回転軸31の倒れを補正する量も調整が可能である。
なお、補正部材36は複数個設けてもよく、複数個設けることによってさらに倒れを補正する角度や量を細かく調整することも可能である。
[第三実施形態]
次に本発明に係る光学走査装置を用いた画像形成装置の第三実施形態について図を用いて説明する。図6(a)(b)は本実施形態に係る偏向手段24と筐体38との関係を示す斜視図、側面図である。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の光学走査装置を用いた画像形成装置は、上記第一実施形態の補正部材33、凹部34に変えて、補正部材39、突起41を設けたものである。
昨今の高速化、高耐久性、静音化、低価格の要求に従い、回転部の軸受32として、空気やオイルを媒体に用いた動圧流体軸受や潤滑油を含侵させた滑り軸受が用いられている。
軸受32にオイルやエアを媒体に使用した動圧流体軸受や、潤滑油を含侵させた滑り軸受の場合、回転部が固定部分(ステータ)と分離可能であるため、搬送や物流時に回転部がステータから分離するのを防止する目的で分離防止部材が回路基板30に対して固定されている。
補正部材39は、上部形状において、反射鏡側に設けられた円盤39aと、円盤39a下面の中心点から垂下した軸39bとを有する傘形状となっている。軸39bは回路基板30を貫通している。補正部材39は、円盤39aの下面が偏向手段24の回転部の上にオーバーラップしており、回転部の分離防止部材の機能を果たしている。このように回転部の分離防止部材を軸倒れ補正部材と兼ねることによって、新たに部品を追加することなく軸倒れの補正を実現することが可能となる。
補正部材39は、下部形状において、円盤39c(第二の円盤)を有し、円盤39c下面から垂下した突出部分39dを有している。円盤39cは上面の中心点で軸39bの先端と結合している。突出部分39dは円盤39c下面の中心点から外れた位置から垂下している。
筐体38は、スパイラル状の突起41を有している。突起41は、突出部分39dに対向する位置に設けられている。突起41と突出部分39dは、初期位置では接触しないように配置されている。
回転軸31の倒れが規定より大きい場合、補正部材39を図の矢印の方向に回転させることによって、補正部材39の下部突起40が円周方向に回転し、突起41に乗り上げる。これにより、補正部材39が持ち上がり、円盤39cが回路基板30の下面を押し上げ、回路基板30を撓ませ、その結果軸倒れが補正される。この倒れの補正量は、筐体38に設けたスパイラル状の突起41の角度と補正部材36の回転する角度によって任意に設定することが可能であり、つまり補正部材36を回転させる量によって回転軸31の倒れを補正する量も調整が可能である。
このような構成にすることによって、光学走査装置の軸倒れが規定より大きい場合に、補正部材39を回転させることによって軸倒れ量を任意に補正することが可能となる。ここで、補正部材39を軸倒れによる光学特性が最も敏感な位置に配置しておくことで、反射面の倒れを補正し、良好な光学特性の光学走査装置を提供することが可能となる。
なお、補正部材39は複数個設けてもよく、複数個設けることによってさらに倒れを補正する角度や量を細かく調整することも可能である。
第一実施形態に係る光学走査装置を用いた画像形成装置の断面図である。 第一実施形態に係る光学走査装置の構成図である。 第一実施形態に係る偏向手段と筐体の構成図である。 第一実施形態に係る偏向手段と筐体の断面図である。 (a)第二実施形態に係る偏向手段と筐体の斜視図である。(b)第二実施形態に係る偏向手段と筐体の断面図である。 (a)第三実施形態に係る偏向手段と筐体の斜視図である。(b)第三実施形態に係る偏向手段と筐体の断面図である。
符号の説明
11…光学走査装置、24…偏向手段、25…反射鏡、27、35、38…筐体、30…回路基板、31…回転軸、33、36、39…補正部材、34…凹部、39a、39c…円盤、39b…軸、39d…突出部分

Claims (7)

  1. 光ビームを偏向走査させるための反射鏡と、該反射鏡の回転軸と、該回転軸の回転を制御する回路基板と、少なくとも前記反射鏡、前記回転軸、前記回路基板を収容する筐体と、を有する光学走査装置において、
    前記回路基板と前記筐体の間に補正部材を有し、前記補正部材は前記筐体と干渉しない第一の位置と前記筐体と当接して前記回路基板を持ち上げて撓ませる第二の位置とに移動可能であることを特徴とする光学走査装置。
  2. 少なくとも1つ以上の前記補正部材が前記回路基板の外周部に取付けられ、該回路基板の外周部に沿って移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学走査装置。
  3. 前記補正部材はネジであり、該ネジを回転させることで該ネジの先端が前記回路基板に当接して、前記回路基板を持ち上げて撓ませる位置に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学走査装置。
  4. 前記補正部材は円盤と突出部分とを有し、前記筐体はスパイラル状の突起を有し、前記補正部材を回転させることで前記突出部分が前記突起に乗り上げ、前記円盤が前記回路基板を持ち上げて撓ませる位置に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学走査装置。
  5. 前記補正部材は、前記円盤の上面に軸と該軸に固定された第二の円盤を有し、前記第二の円盤の下面が前記回転軸及び前記反射鏡を有する回転部の上にオーバーラップしたことを特徴とする請求項4に記載の光学走査装置。
  6. 少なくとも1つ以上の前記補正部材が前記回路基板の外周若しくは外周近傍に取付けられ、その取付け位置において回転可能であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光学走査装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学走査装置と、
    前記光学走査装置により前記光ビームを結像走査される感光体と、
    前記感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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