本発明について、ミラーやレンズ等の光学部品を角度調整可能な状態で筐体(或いは筐体に設置された取り付け具)に設置した光走査装置、及びその光走査装置を備えた画像形成装置を例に挙げて、以下に説明する。本発明は、ここで説明する光走査装置及び画像形成装置に適用可能なだけでなく、上記光学部品を筐体(或いは筐体に設置された取り付け具)に角度調整可能な状態で設置した機器であればどのような機器に対しても適用可能である。さらに、本発明に係る光学部品固定機構は、ミラーやレンズ等の光学部品を固定する以外にも、角度調整が必要な他の部品を固定するためにも、同様に適用可能である。本発明によれば、後述するように、例えば、板バネによりミラーの上面と、側面の上方を押さえ、板バネの上方に支点を持ち一体的に設けた補助バネで下方を押圧することで、3点で押圧する構造としているので、角度調整可能にミラーを固定するに際し、押圧力の均等性を維持し、正確にそのミラーを支持することが可能となる。
図1は、本発明の板バネを適用した光走査装置が使用される画像形成装置の構成例を示す図である。画像形成装置は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するものである。そして、図示するように、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3(3(K)、3(C)、3(M)、3(Y))、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット8、排紙トレイ9、原稿読み取り装置(スキャナユニット)13等を有して構成されている。画像形成装置は、原稿読み取り装置13のスキャナによって読み取った原稿画像情報をシート等の媒体に画像形成することができる。また、画像形成装置に接続された外部機器等から入力する画像情報を画像形成することもできる。
なお、本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
また、本実施形態では、上記ブラック、シアン、マゼンタ、イエローに対応する感光体ドラム3のうち、ブラックに対応する感光体ドラム3(K)は、他の感光体ドラム3(3(C)、3(M)、3(Y))と比べて大きな径(例えば2倍の径)を持つように構成されている。ブラック用の感光体ドラム3(K)のみを大径化することにより、使用頻度の高いモノクロ画像形成を高速化することができ、また、使用頻度の異なる感光体の交換サイクルを同等にすることができ、各色用の感光体を合理的に使用することができるようになる。本発明では、このような高精度な光走査を必要とする画像形成装置に対し、よりその効果を奏す。
本実施形態では、上記ブラック、シアン、マゼンタ、イエローに対応する感光体ドラム3に対してそれぞれ1本の光ビームを走査しながら潜像形成を行なう例を説明するが、この他、例えば、ブラック用の感光体ドラム3(K)に対する露光ビームのみに、2ビーム方式(二つのビームを使用して2列の主走査を同時に行う)を適用し、ブラックの高速化を図る構成も採用することができる。
また、上記のようにブラックの感光体ドラム3(K)のみを大径化する場合、カラー画像形成時に各色用の全ての感光体を使用するときの“位相制御”を精度よく実行するために、ブラック用の感光体の径を、他の色(イエロー,マゼンタ,シアン)用の感光体ドラム3(C)、3(M)、3(Y)の径の整数倍とすることが好ましい。
また、本実施形態では、各感光体ドラム3を走査する光ビームの光軸と、その感光体ドラム3の表面と上記光ビーム光軸との交点における感光体ドラム3表面の接線とのなす角度が、複数の感光体ドラム3において互いに等しくなるように設定されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すように接触型のローラ型やブラシ型の帯電器のほかチャージャー型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、本発明に関わる光走査装置に該当するものであり、図1に示すようにレーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラー201と、ポリゴンミラー201によって反射された光ビームを感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また、露光ユニット1は、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ベルトクリーニングユニット64等を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63は、中間転写ベルト61を張架し、矢印M方向に回転駆動させる。中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。また、中間転写ベルト61の上方には、各色用のトナーボックスが設けられ、感光体ドラム3に対してトナーが供給される。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している図示しない中間転写ローラによって行われる。中間転写ローラには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラは、例えば、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、又は発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット64によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット64には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。また、不要となった廃トナーは、廃トナーボックス15に収容される。
給紙カセット8(8a、8b、8c、8d)は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置の露光ユニット1の下側に複数設けられている。また、画像形成装置の上部に設けられている排紙トレイ9は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、画像形成装置には、給紙カセット8のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ9に送るための、用紙搬送路S1が設けられている。給紙カセット8から排紙トレイ9までの用紙搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ11、レジストローラ12、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
ピックアップローラ11は、給紙カセット8の端部近傍に備えられ、給紙カセット8からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。また、レジストローラ12は、用紙搬送路S1を搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
次に、シート搬送経路を説明する。上述のように画像形成装置には予めシートを収納する複数の給紙カセット8(8a、8b、8c、8d)が設けられている。給紙カセット8からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11が配置され、シートを1枚ずつ用紙搬送路S1に導くようになっている。
給紙カセット8から搬送されるシートは、レジストローラ12まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、排紙トレイ9上に排出される。
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートを逆方向に搬送して搬送路S2へ導き、レジストローラ12を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ9に排出される。
次に本発明を適用した光走査装置の実施形態を具体的に説明する。
本実施形態の光走査装置は、上記のように複数の感光体ドラム3を有し、複数本の光ビームによって各感光体ドラム3を同時に走査露光して各感光体ドラム3に互いに異なる色の画像(潜像)を形成し、各色の画像を同一の転写媒体上に重ね合わせて顕像化することによってカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に適用可能である。
上述のように、画像形成装置には、ブラック(K)画像形成用の感光体ドラム、シアン(C)画像形成用の感光体ドラム、マゼンタ(M)画像形成用の感光体ドラム、イエロー(Y)画像形成用の感光体ドラムが略等間隔で配置されている。タンデム方式の画像形成装置は、各色の画像を同時に形成するので、カラー画像の形成に要する時間を大幅に短縮することができる。また、本例では、ブラック(K)画像形成用の感光体ドラムは、他の色の画像形成用の感光体ドラムに対して2倍の径を有しているため、使用頻度の高いモノクロの画像形成時の画像形成速度を向上させることができる。なお、以下では、K、C、M、Yによって、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローをそれぞれ表すものとする。
感光体ドラム3を露光するための本発明に係る光走査装置は、それぞれユニット化された1次光学系(入射光学系)と、2次光学系(出射光学系)とから構成される。1次光学系は、YMCKの光ビームをそれぞれ出射する4つの半導体レーザと、これらの光ビームを2次光学系のポリゴンミラー201(回転多面鏡)に導くミラー及びレンズ等の光学要素とを備え、本発明に係る光学基板に相当するものである。また、2次光学系は、被走査体である感光体ドラム3上にレーザビームを走査する上記ポリゴンミラー201と、ポリゴンミラー201によって反射された光ビームを感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素、及び光ビームを検出するBDセンサ等を備えている。また、上記ポリゴンミラー201は、各色で共有する構成を採用している。
図2は、本発明を適用した光走査装置の側断面図、図3は、図2の光走査装置を斜め下方から見た斜視図である。図2及び図3において、100は1次光学系ユニット、200は2次光学系ユニット、201はポリゴンミラー、202は第1fθレンズ、203は第2fθレンズ、204はK用ミラー、205はC用第1ミラー、206はC用第2ミラー、207はC用第3ミラー、208はM用第1ミラー、209はM用第2ミラー、210はY用第1ミラー、211はY用第2ミラー、212はY用第3ミラー、220は各色用のシリンドリカルレンズ、221a,221bは固定用シャフト、222は1次光学系ユニットの設置位置、223はシリンドリカルレンズを保持する枠、224は筐体を構成する側壁、225は筐体を構成する中間壁、226は中間壁に設けられる開口、227はポリゴンモータ、300は板バネ等の弾性部材である。
1次光学系ユニット100に設けられたK,C,M,Y用の各レーザダイオードは、光源駆動手段としてのレーザ駆動回路によって駆動される。このレーザ駆動回路には、画像形成装置の制御部から出力される各種制御信号や画像処理部から供給される画像データが入力され、これら制御信号及び画像データに従って各レーザダイオードの発光を制御する。
各レーザダイオードのレーザ出射側には、それぞれK,C,M,Y用のコリメータレンズが配設されている。各レーザダイオードから出力された光ビームは、ほぼ楕円形状の拡散光であり、各色毎に備えられたコリメータレンズによって平行光(ビームが進行してもその光束の径が変化しない光)とされる。各色のコリメータレンズの後には、所定の間隙をもったアパーチャ(スリット)が配置され、光ビームの径が規制される。
上記各レーザダイオードはレーザホルダに取り付けられている。レーザホルダは、1次光学系の基板上に一体形成されているレンズホルダの背面側に取り付けられる。また、コリメータレンズ及びアパーチャが配置された鏡筒がレンズホルダの前面側に取り付けられる。レーザダイオードから発光した光ビームは、コリメータレンズ及びアパーチャを介して鏡筒の外部前方に出射する。
K用レーザダイオードの鏡筒から出射した光ビームは、K用コリメータレンズとK用アパーチャを経て、第2ミラーに向かう。また、C,M,Y用のレーザダイオードの鏡筒から出射した光ビームは、それぞれC,M,Y用のコリメータレンズ及びアパーチャを経て、第1ミラーに入射する。第1ミラーは、C,M,Y用の光ビームのそれぞれを個別に反射する3つのミラーから構成され、これらミラーによって反射された各色用の光ビームは、上記Kの光ビームの進行方向に向かって進み、第2ミラーに入射する。
各色のレーザダイオードは、副走査方向(基板面に垂直な方向)について、互いに異なる高さに配置されている。高さの差は例えば約2mmに設定されている。そして、第1ミラーは、対応するレーザダイオードから出射した光ビームのみを反射し得る位置に配置されている。また、第1ミラーを構成する3つ(C,M,Y用)のミラーは、主走査方向から見てK用レーザダイオードから出射した光ビームに重なる位置に配置されている。
上記のような構成により、K用レーザダイオードから出射したK用の光ビームと、第1ミラーによって反射されたC,M,Y用の光ビームは、主走査方向については全て一致し、副走査方向についてはずれ(高低差)を有して、それぞれの光ビームの光軸が互いに平行となって第2ミラーに入射する。そして、ここでは、各コリメータレンズを出射した各色用の光ビームは、光ビームが進行してもその光束の径が変わらない平行光である。
第2ミラーは、入射したK,C,M,Yの各色用の光ビームをシリンドリカルレンズに入射させる。シリンドリカルレンズは、入射した各色用の光ビームを副走査方向に集束するために配されている。そして、シリンドリカルレンズを出射した各色用の光ビームは、第3ミラーで反射され、ポリゴンミラー201の反射面に入射する。
ここでは、シリンドリカルレンズは、副走査方向にレンズパワーを有しており、シリンドリカルレンズからポリゴンミラー201までの光路長に従って、副走査方向にはポリゴンミラー201の反射面近傍で光ビームが収束するように設定されている。すなわち、それぞれが平行光となってシリンドリカルレンズに入射した各色用の光ビームは、副走査方向ではポリゴンミラー201の反射面の表面でほぼ収束する。また、同時に光軸が互いに平行となってシリンドリカルレンズに入射した各色用の光ビームは、副走査方向についてポリゴンミラー201の表面のほぼ同一位置に収束する。
このシリンドリカルレンズは、主走査方向にはレンズパワーを有していないため、入射した各色用の光ビームは、主走査方向についてはそのまま平行光として出射して、ポリゴンミラー201の反射面に入射する。通常、ポリゴンミラー201に対して、主走査方向には平行光を入射させる。主走査方向に収束する光であると、後述するfθレンズによって負の像面湾曲が生じて好ましくない。また、副走査方向については、反射面の面倒れを補正するために、反射面の表面に収束させるようにする。例えば、ポリゴンミラー201の反射面に入射させる光ビームの副走査方向の位置は、反射面の高さ方向での中央近傍となる。
本実施形態の光走査装置では、YMCK用の4本の光ビームを2次光学系の1つのポリゴンミラー201で偏向させる。この場合、ポリゴンミラー201を経た後に4本の光ビームを分離できるようにし、かつ、各色用の光ビームに主走査方向のずれが生じないようにする必要がある。このために、1次光学系のシリンドリカルレンズから出射した4本の光ビームが、ポリゴンミラー201に対して、主走査方向については同一方向から同一位置に入射し、副走査方向については角度差のある方向から略同一位置に入射するように設定する。これらの光路設定は、上記の副走査方向に高低差を持ったレーザダイオードの配置によって、各色用の光ビームが主走査方向については全て一致し、副走査方向について所定の高低差を有して進行することによって実現されている。これにより、走査光学系によって、各色用の光ビームを分離することができる。
また、上記の構成により、1次光学系の各色用のコリメータレンズからシリンドリカルレンズまでの光路上では、各色用の光ビームは平行光でかつその光軸が互いに平行であるため、コリメータレンズからシリンドリカルレンズまでの光路長を自由に設定することができる。
次に、光走査装置の全体構成について説明する。光走査装置は、上述したような1次光学系ユニット100と、その1次光学系ユニットから出射した光ビームを受けて被走査体である感光体ドラム3上にその光ビームを走査する2次光学系ユニット200とにより構成される。図2及び図3に示すように、上述した1次光学系ユニット100は、2次光学系ユニット200の下側に取り付けられ、1次光学系ユニット100の第3ミラーで反射した光ビームが、2次光学系ユニットのポリゴンミラー201に入射するように構成される。
2次光学系ユニット200は、1次光学系ユニット100から出射した光ビームに作用するミラーやレンズ等の複数の光学要素を配設したフレームを有している。このフレームは、上記ミラーやレンズ等の光学要素の配設領域を囲む側壁224と、これら側壁224に囲まれた空間内で上記光学要素が配設された中間壁225とを有して構成されている。この中間壁225は、少なくともその一部が側壁224の高さ方向の中間点に接続されている。
すなわち、通常の2次光学系ユニットでは、壁面により周囲を囲って内部を遮光した筐体を使用して、その筐体の底面に対してミラーやレンズ等の光学要素を取り付ける構成(ビルドアップ)を採用しているのに対して、本実施形態では、水平方向に延伸する中間壁225とその中間壁225の周囲を囲んで垂直方向に配設された側壁224とによって2次光学系のフレームを構成している。
また、1次光学系ユニットを組み込んだ2次光学系ユニットには、その側壁224内に配置された光学要素を上方と下方から囲むように、防塵用或いは迷光遮断用のカバーが取り付けられて用いられる。
次に、2次光学系の各光学要素について説明する。
ポリゴンミラー201は、回転方向に複数(例えば7つ)の反射面を有し、ポリゴンモータ227によって回転駆動される。ポリゴンミラー201及びポリゴンモータ227は、中間壁225の下側(感光体ドラム3と反対側)に設置されている。
1次光学系のレーザダイオードから出射して第3ミラーで反射した各色の光ビームは、2次光学系のポリゴンミラー201の反射面によって反射し、その後の各光学要素を介して感光体ドラム3を走査する。
上記のように、副走査方向について角度差を有してポリゴンミラー201に入射した各レーザビームは、その後も角度差を維持し、第1fθレンズ202及び第2fθレンズ203よりなる走査光学系を経た後に分離される。
第1fθレンズ202は、主走査方向にレンズパワーを有している。これにより主走査方向において、ポリゴンミラー201から出射した平行光の光ビームを、感光体ドラム3表面で所定のビーム径となるように収束させる。また、第1fθレンズ202は、ポリゴンミラー201の等角速度運動により主走査方向に等角速度で移動する光ビームを、感光体ドラム3上の走査ライン上で等線速で移動するように変換する機能を有している。
また、第2fθレンズ203は、主に副走査方向にレンズパワーを有している。これにより副走査方向において、ポリゴンミラー201から出射した拡散光の光ビームを平行光に変換する。また、第2fθレンズ203は、主走査方向にもレンズパワーを有していて、第1fθレンズ202の機能を補完してビーム径の制御及びビーム等線速移動を精度よく実行できるようにしている。
上記の第1fθレンズ202及び第2fθレンズ203は、樹脂によって作製される。fθレンズの所望の特性を得るための非球面形状を形成するために、fθレンズには樹脂材料を用いることが好適である。特に、第2fθレンズ203は、主走査方向と副走査方向の両方にレンズパワーを持っているため、これを実現する複雑な非球面形状を得るためには、樹脂材料を用いて作製することが好ましい。樹脂材料は、透明性、成形性、光弾性率、耐熱性、吸湿性、機械的強度、コスト等の特性を考慮して最適な材料が選択される。
上記ポリゴンミラー201で分離され、第1及び第2fθレンズ202,203を通過した各色用の4本の光ビームのうち、K用の光ビームは、第1及び第2fθレンズ202,203を経て、K用ミラー204で反射し、K用シリンドリカルレンズ220を通って感光体ドラム3(K)に入射する。感光体ドラム3(K)上ではその走査領域に描画が行われる。
また、分離されたY用の光ビームは、Y用第1〜第3ミラー210,211,212で反射して、Y用シリンドリカルレンズ220を通って感光体ドラム3(Y)に入射する。同様に、分離されたC用の光ビームは、C用第1〜第3ミラー205,206,207で反射して、C用シリンドリカルレンズ220を通って感光体ドラム3(C)に入射する。また分離されたM用の光ビームは、M用第1〜第2ミラー208,209で反射して、M用シリンドリカルレンズ220を通って感光体ドラム3(M)に入射する。
2次光学系において各色用のシリンドリカルレンズ220は、副走査方向にレンズパワーを有している。これにより、副走査方向について、平行光で入射する光ビームを感光体ドラム3上で所定のビーム径となるように収束させる。また、主走査方向については、上述の第1fθレンズ202で収束光となった光ビームがそのまま感光体ドラム3上で収束する。シリンドリカルレンズ220は、樹脂を用いて形成されている。光走査装置のような走査幅全域をカバーする長尺のシリンドリカルレンズ220は、樹脂レンズとすることが好適である。
シリンドリカルレンズ220を出射した各色の光ビームは、帯電された感光体ドラム3を画像データに応じて露光する。これにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。そして、現像器によって、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像がYMCKのトナーによりそれぞれ顕像化される。
上記構成により、2次光学系のポリゴンモータ201から感光体ドラム3までの光路長は、各色用の4つの光ビームにおいて互いに等しくなっている。
上記のような構成を備えた光走査装置は、上述のように側壁224と中間壁225とを有するフレームを備え、そのフレームに対して上述のような2次光学系の各光学要素が配設される。これら光学要素は、中間壁225の両面側に分配されて配設される。
中間壁225は同じ高さの均一な面を持つものではなく、光学要素の配置や光路に応じてその高さが変化するように形成されている。例えば、ポリゴンミラー201、ポリゴンモータ227、Y用第1ミラー210,M用第1ミラー208,及びC用第1ミラー205は、中間壁225の下側(感光体ドラム3の反対側)に、板バネ300を含む後述する本発明の固定機構によって配設されている。また、他の光学要素、例えば第1,第2fθレンズ202,203、K用ミラー204、C用第2ミラー206、C用第3ミラー207、M用第2ミラー209、Y用第2ミラー211、Y用第3ミラー212、及び各色用のシリンドリカルレンズ220等は、中間壁225の上側(感光体ドラム3側)に配設されている。これらの他の要素も本発明の固定機構により固定してもよい。
上記のような構成によって、ポリゴンミラー201で反射した1次光学系からの光ビームは、中間壁225の下側から上側に向かって、該中間壁225を横切るように光路が設定される。従って、中間壁225は、これらの光ビームの光路が存在する領域に、それら光路を遮蔽しないような開口226を備えている。
また、上記のごとくの2次光学系の各光学要素は、中間壁225に対して直接に若しくは所定の支持部材を介して取り付けられている。従来では、筐体の底面に対してミラーやレンズ等の光学要素を取り付ける構成(ビルドアップ)を採用していたため、筐体の底部内面に光学要素の取付け用の支持部材(ステー)を設ける必要が生じ、かつその支持部材の高さが高いため、光学要素の取り付け誤差が多くなるという課題があった。これに対して、本実施形態のように、2次光学系を中間壁225を有するフレームを用いて構成し、その中間壁225の両側に光学要素を分配して配置することにより、各光学要素の取り付け精度を向上させることができる。
すなわち、本実施形態の構成では、中間壁225に対して、各光学要素を直接に取り付けることができ、若しくは必要に応じて支持部材を介して取り付けることができる。支持部材には、レンズやミラー等の光学要素を保持する枠なども含まれる。中間壁225に対して直接に光学要素を取り付けることにより、光学要素の取り付け精度を安定して確保することができる。また、所定の支持部材を介して中間壁225に光学要素を取り付ける場合にも、上記従来のように支持部材の高さが不要に高くなることはなく、中間壁225から短い距離で光学要素を固定することができ、従来に比べて光学要素の取り付け精度を向上させることができる。
また、上記光学要素を中間壁225に対して直接に若しくは所定の支持部材を介して取り付けるとき、所定の固定部材を用いて各光学要素を固定する。例えば、固定部材として、ビスなどによる一般的な固定部材のみならず、板バネなどを用いることができる。例えば、光路を折り返すミラー等の両端部を中間壁225若しくは中間壁225に設けられた支持部材上に設置し、板バネをその両端部に押しつけて固定することができる。この場合、例えば折り返し用のミラーに当接して進退する調整用ビス等を設けておき、ミラーの角度調整を行うことができるようにすることができる。そして、上記のような固定部材は、感光体ドラム3を露光する光ビームを遮蔽しない位置に配置される。
上記のような光走査装置は、2次光学系のフレームの所定位置に1次光学系のユニットが配設されて構成されている。これにより、ユニット化された光走査装置は、プリンタ等の画像形成装置に対して着脱式に構成される。
画像形成装置は、上述のように光走査装置(露光ユニット)が備えられ、その光走査装置によって感光体ドラム3を画像データに応じて露光する。本実施形態では、光走査装置がユニット化されて作製されているため、画像形成装置本体に対する着脱が可能である。例えば、画像形成の高速化等の仕様変更があった場合、上述のように1次光学系や2次光学系の光学要素を交換したり配置を変えることにより対応することもでき、さらには光走査装置のユニット自体を交換可能に構成することができる。
また、光走査装置を画像形成装置内で固定するため、光走査装置の両側面に2本の固定用シャフト221a,221bが取り付けられる。そして、画像形成装置本体のフレーム内部には、各固定用シャフト221a,221bを固定支持する支持部が設けられ、固定支持されたシャフト221a,221bに対して光走査装置のフレームが固定される。すなわち、光走査装置は、2本の固定用シャフト221a,221bによって、画像形成装置本体内で保持される。
以下、例えば、上述のごときC用第1ミラー205、M用第1ミラー208、及びY用第1ミラー210のようなミラーや、レンズなどの光学部品に適用可能な、本発明に係る光学部品固定機構の主たる特徴について説明する。
本発明に係る光学部品固定機構は、光学部品に対して精密な角度調整を可能に、両端で固定するための機構である。そして、この固定機構では、次の調整部材、支点部、及び弾性部材を、光学部品の両端などに取り付ける。上記調整部材は、設置角度を調整(変更)するビスなどの部材であり、筐体上のネジ穴などにビスの長手方向に移動可能な状態で取り付けられていればよい。上記突起部は、上記調整部材による(すなわち調整部材によってなされる)設置角度変更の支点となる筐体側に設けられた突起部などの部位である。以下、上記調整部材を調整ビスで、上記支点部を突起部で、それぞれ例示する。
上記弾性部材は、突起部及び調整ビスに光学部品を押圧するための板バネ等でなる部材である。そして、上記弾性部材は、光学部品の端部側面の調整ビスに近い方を押圧するビス側押圧部(調整部材側押圧部)と、光学部品の端部側面の突起部に近い方を押圧する突起側押圧部(支点側押圧部)とを有するものとする。さらに、上記突起側押圧部は、光学部品の調整ビスによる設置角度の変更に連動して、押圧力が変更されるよう設計されているものとする。押圧力の変更は、例えば、光学部品の設置角度の変更による弾性部材の変形(反り)により、弾性部材に対し相対的に支点側押圧部を変位させることにより行われる。また、特許文献5における図3のように、光学部品の端部第II,IV側面(図7(B)を参照)に当接する部材は、両端のみで当接していなくてもよい。
また、この固定機構で固定可能な光学部品は、その断面形状が、少なくとも4面をもつ矩形、或いはその矩形の一辺又は多辺に曲線を用いた断面形状をもつものであることが好ましい。しかしながら、当然、両端面のみにこのような断面形状をもつものであれば適用でき、従って、両端部以外での断面形状は問わない。
以下、図4〜図9を参照して、光学部品として断面形状が矩形のミラーを適用し、弾性部材として板バネを適用した場合の固定機構の一例について説明するが、本発明は、図示したものに限定されるものではない。例えば、この固定機構によって光学部品の両端を固定する例で説明するが、固定箇所は光学部品の両端に限ったものではない。
図4及び図5は、本発明に係るミラー固定機構の一例を示す斜視図で、図6は、図4及び図5のミラー固定機構における板バネを説明するための図で、図7は、図6の板バネを用いた固定機構と従来技術(特許文献5)に記載の板バネを用いた従来の固定機構とを比較して説明するための図で、図8及び図9は、図6の板バネの変形について説明するための断面図である。ここで、図6(A)は板バネの断面図を、図6(B)は上方向からの斜視図を、図6(C)は下方向(ミラーに当接する方)からの斜視図を、それぞれ示している。
図4〜図9において、300は板バネ等の弾性部材、301はIV面押圧部、302はIII面ビス側押圧部、303は固定部、304はIII面突起側押圧部のビス側部材、305はIII面突起側押圧部の突起側部材、306は固定ネジ、307は調整ビス、308は第1突起部(固定点)、309は第2突起部(固定点)、MIはミラー(ミラー205,208,210)である。
調整ビス307は、ミラーMIの端部第1側面(I面;例えば長辺側の側面)に当接するように設けられる。上記突起部に相当する第1突起部308は、I面(調整ビスと同一面)上の調整ビスの当接位置から離間した位置に当接する。そして、この例の固定機構は、突起部308の当接位置に近い側のミラーMIの端部の側面(II面)に当接して、ミラーMIを支持する支持部(以下、第2突起部という)309を、ミラーMIの両端に付設している。そして、上記ビス側押圧部及び突起側押圧部は、ミラーMIにおける端部第1側面に対向した端部第3側面(III面)上に当接するものとする。さらに、板バネ300は、第2突起部309が当接したII面に対向した端部第4側面(IV面)を押圧する第2突起側押圧部(支持側押圧部)を有するものとする。
そして、図7(A)の矢視の方向に調整ビスを前後させることで、図4及び図5に示すような角度調整方向(ミラーMIの断面を同一面で回動させるような方向)で、ミラーMIの角度を調整することができる。
ここで、図4〜図9では、上記ビス側押圧部、上記突起側押圧部、上記第2突起側押圧部として、次のような部位を例示している。すなわち、上記ビス側押圧部は、一端の固定部303の穴に固定ネジ(ビス)306を差し込んで筐体側に固定されてその一端を支点とし、かつIII面上の調整ビス307に近い方でミラーMIに当接することで押圧力F1をかけることが可能な板バネ(特にIII面ビス側押圧部302及び固定部303が該当)で形成されている。ここで、固定部303は、板バネ300を筐体側に固定するため固定板で例示している。また、III面ビス側押圧部302は、その固定板303に対して所定角度をもって連なって形成され、ミラーMIのIII面上に当接しビス側を押圧するメイン板で例示している。
また、上記第2突起側押圧部は、板バネ300のメイン板302と連なりかつIV面上を押圧するL字状板バネ(第1のL字状板)301で例示している。ただし、L字状板バネ301で例示したものは、L字状に限ったものではなく、例えば突起が形成された板バネであってもよい。L字状板バネ301は、図示したように、板バネ300におけるビス側押圧部の当接位置からIV面上の当接位置までの屈設したバネであってよい。このように、L字状板バネ301は、板バネ300の本体と一体で形成されることが好ましい。そして、L字状板バネ301の端部がミラーMIに当接することで、その折り曲げ部(屈曲部)が支点(回動中心)となって回動し、押圧力F3がかけられる。ここで、押圧力F3がよりかかるために、L字状板バネ301の原型の角度は、ある程度もつことが好ましく、また、L字状板バネ301のミラーMIのIV面に対する当接角度が垂直により近い方が好ましい。
また、上記突起側押圧部は、板バネ300とビス側押圧部で連なるなど、メイン板302から分岐して形成され、かつIII面上の第1突起部308に近い方を押圧する補助用L字状板バネ(第2のL字状板)304,305で例示している。ただし、補助用L字状板バネ304,305で例示したものは、L字状に限ったものではなく、例えば突起が形成された補助用の板バネであってもよい。このように、補助用L字状板バネ304,305は、板バネ300の本体と一体に形成されることが部品点数も増加しないので好ましい。また、補助用L字状板バネにおいて、突起側部材305はビス側部材304に対してL字状に折れ曲がっており、その部材305の端部がミラーMIに当接することで、折り曲げ部(屈曲部)が支点(回動中心)となって回動し、押圧力F2がかけられる。ここで、押圧力F2がよりかかるために、III面突起側押圧部のビス側部材304に対するIII面突起側押圧部の突起側部材305の原型の角度は、ある程度もつことが好ましく、また、III面突起側押圧部の突起側部材305のミラーMIのIII面に対する当接角度が垂直により近い方が好ましい。
また、補助用L字状板バネ304,305は、図示のようにビス側押圧部で板バネ300の本体と連結するのではなく、例えばより固定部303寄りの位置で連結したものであってもよい。但し、この連結点(すなわち分岐点)は、できる限り押圧力F1をかける箇所(ビス側押圧部の当接位置)に近い方が、補助用L字状板バネの部位304の可動範囲が拡がるので好ましい。
次に、上述のごとき構成の板バネ300による固定の効果について、従来と比較しながら説明する。従来の固定機構では、図7(B)に示すように、ミラーMIのIV面押圧部401、L字状のIII面押圧部402,403、及び固定された固定部404でなる板バネ400により、ミラーMIの上面(IV面)を固定点409方向に力F2で、側面(III面)中央部を力F1で、それぞれ押圧する構造をもつ。しかし、このような従来の板バネ400は、F1とF2とは独立して押さえられる。この場合、F1が調整ビス407と固定点とに分配され、ミラーMIの角度を調整するが、分配のバランスが崩れ易く、ミラーMIの角度調整が困難となる。また、F2と固定点により、ミラーMIが挟まれているため、摩擦が生じ、さらに動き難くなっている。
また、図7(A)の一部(板バネ300を除いた部分)を参照して、他の形態について考察する。本発明の弾性部材を用いなくても、F1,F2,F3を独立して押さえるように構成することは可能であり、板バネ400を用いたものに比べて、角度を決める力F1,F2は個別に設定できるため動き易い。しかしながら、本発明のごとく連動していないと、ミラーMIの角度が変わることによって力のバランスが崩れ易い。また、板バネ400と同様に、F3と固定点により、ミラーMIが挟まれている状態となるため、摩擦が生じ、動き難くなっている。
それに対し、図7(A)のように本発明の板バネ300を適用することで、板バネ300によって加えられる押圧力F1,F2,F3は、連動して働く。F1とF2とが連動して押圧力が変わるように図示のごとき形状とする。このとき、F2が強くなるとその反作用でF1も強くなり、逆にF1が強くなるとF2も強くなる。ここで、F1とF2の大きさが同じになるように、板バネ300の形状や剛性、材質を決めておくとよい。さらに、押圧力F3を加える部301も連動して動くため、摩擦が生じ難く、従来の板バネより調整が実行し易い。
ここで、本発明の板バネ300の各部の連動について、図8及び図9を参照して補足説明する。ミラーMIを固定する前は、板バネ300は図8の上部に図示した断面形状をもつものとする。そして、ミラーMIにこの板バネ300を当接して固定ネジ306で固定部303を固定することで、ミラーMIから力Fが板バネ300にかかる。その力Fの反作用として、III面ビス側押圧部302において図8の矢視部分が反り、III面ビス側押圧部302の上部がミラーMI方向に前進して押圧力F1を生み出すとともに、補助用L字状板バネ304,305が、押圧力F1の力点に対して相対的にミラーMI方向に前進し、押圧力F2を生み出す。板バネ300のこのような断面形状変化は、図9のように変化の前後の形状を重ねることで、より理解が深まる。
上記のように、例えば、光走査装置において、レーザを反射面で反射するミラー等の光学部品と、光学部品の角度を変更する調整部材と、光学部品角度変更の支点と、光学部品を支点に押圧する弾性部材(板バネ等)とを備え、上記弾性部材には光学部品の側面の上方を押圧する側面上方押圧部と、光学部品の側面の下方を押圧する側面下方押圧部とが設けられており、上記側面下方押圧部は弾性部材上方の角度変動に連動して押圧力を変更するような構成とすることで、角度調整可能に光学部品を固定するに際し、喩え衝撃が光学部品や固定機構に加わった場合であっても押圧力の均等性を維持し、正確にその光学部品を支持することが可能となる。
1…露光ユニット、2…現像器、3…感光体ドラム、4…クリーナユニット、5…帯電器、6…中間転写ベルトユニット、7…定着ユニット、8…給紙カセット、9…排紙トレイ、10…転写ローラ、11…ピックアップローラ、12…レジストローラ、12a,12c,12d,12e…搬送ローラ、13…スキャナユニット、61…中間転写ベルト、62…中間転写ベルト駆動ローラ、63…中間転写ベルト従動ローラ、64…中間転写ベルトクリーニングユニット、71…ヒートローラ、72…加圧ローラ、100…1次光学系ユニット、200…2次光学系ユニット、201…ポリゴンミラー、202…第1fθレンズ、203…第2fθレンズ、204…K用ミラー、205…C用第1ミラー、206…C用第2ミラー、207…C用第3ミラー、208…M用第1ミラー、209…M用第2ミラー、210…Y用第1ミラー、211…Y用第2ミラー、212…Y用第3ミラー、220…シリンドリカルレンズ、221a,221b…固定用シャフト、222…1次光学系ユニットの設置位置、223…シリンドリカルレンズを保持する枠、224…側壁、225…中間壁、226…開口、227…ポリゴンモータ、300…弾性部材(板バネ)、301…IV面押圧部、302…III面ビス側押圧部、303…固定部、304,305…III面突起側押圧部、306…固定ネジ、307…調整ビス、308…第1突起部(固定点)、309…第2突起部(固定点)、MI…ミラー。