JP2020070850A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Tsutomu Iwano
勉 岩野
幸秀 澤田
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幸秀 澤田
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Abstract

【課題】ワンウェイクラッチの係合によるメカニカルなショックの発生を抑制できる、自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】ワンウェイクラッチFおよびクラッチC2の係合により1速段が構成される際には、クラッチC2に対する指示圧がクラッチC2を係合させない待機圧に設定される(T1)。その後、自動変速機に入力される入力回転数が上昇し(T2)、入力回転数とワンウェイクラッチFが係合する係合回転数とに応じたタイミングが到来すると、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられる(T3)。これにより、クラッチC2に供給される油圧が上昇し、クラッチC2が係合し始めて、クラッチC2の伝達トルクが上昇する。そして、クラッチC2に実際に供給される油圧が係合圧に上昇するまでに(T5)、入力回転数がワンウェイクラッチFの係合回転数に達し、ワンウェイクラッチFが係合する(T4)。【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
自動車などの車両では、たとえば、エンジンからの動力が変速機に入力され、変速機で変速された動力が駆動輪に伝達される。変速機としては、車両の走行状況に応じて変速比が自動的に変化する自動変速機が広く用いられている。
自動変速機は、変速比が段階的に変更されるAT(Automatic Transmission)と、変速比が無段階で連続的に変更されるCVT(Continuously Variable Transmission)とに大別される。ATでは、油圧回路から供給される油圧により係合する複数の係合要素(クラッチ、ブレーキ)が備えられており、複数の係合要素の係合および解放の組合せにより複数の変速段が選択的に構成される。
前進4段/後進1段の変速段を有する自動変速機(4速AT)には、たとえば、油圧により係合する5個の係合要素C1,C2,C3,B1,B2と、機械的に係合する1個のワンウェイクラッチFとを備えたものがある。この自動変速機では、図4に示されるように、係合要素C2およびワンウェイクラッチFの係合により1速段が構成され、係合要素C2,B1の係合により2速段が構成され、係合要素C2,C3の係合により3速段が構成され、係合要素C3,B1の係合により4速段が構成される。また、係合要素C1,B2の係合により後進段(リバース)が構成される。
なお、図4において、「自動変速機の制御装置」は、係合要素C1〜C3,B1,B2およびワンウェイクラッチFが係合状態であることを示し、「−」は、係合要素C1〜C3,B1,B2およびワンウェイクラッチFが解放状態(非係合状態)であることを示している。
ところで、近年、エンジンを走行用の駆動源として搭載する車両には、燃費の向上などの目的で、エンジンを不要時に停止させるIDS(アイドリングストップ、アイドルストップ)制御が採用されている。IDS制御では、たとえば、運転者によるブレーキ操作がなされて、ブレーキの作動により、車速が所定のアイドリングストップ実施車速以下に低下すると、エンジンが自動的に停止される。アイドリングストップ中に運転者によるブレーキ操作が解除されると、エンジンが自動的に再始動される。
図5は、IDS制御によるエンジンの再始動時における入力回転数、クラッチ指示圧、クラッチ実圧および加速度の時間変化の一例を示す図である。
前述の自動変速機(4速AT)が搭載された車両では、IDS制御によるエンジンの再始動時に、1速段を構成するため、油圧により係合/解放を制御可能な制御可能クラッチである係合要素C2に対する指示圧が係合圧に上げられる(時刻T11)。指示圧は、係合要素に供給される油圧の目標値であり、係合要素に供給される油圧を制御する油圧制御バルブに供給される電流値(電流指示値)に対応する。係合圧は、係合要素C2の完全係合に必要な油圧以上に設定され、たとえば、油圧制御バルブが出力可能な最大圧に設定される。
指示圧が係合圧に上げられることにより、係合要素C2への油圧の供給が開始される。係合要素C2に供給される油圧が係合要素C2の完全係合に必要な油圧以上に上昇すると、係合要素C2が完全係合する(時刻T12)。この時点で、自動変速機に入力される入力回転数(トルクコンバータのタービン回転数)がワンウェイクラッチFの係合回転数に達しておらず、ワンウェイクラッチFが係合していない(時刻T13)。その後、エンジンの回転数の上昇に伴い、入力回転数が上昇し、入力回転数がワンウェイクラッチFの係合回転数に達すると、ワンウェイクラッチFが係合する(時刻T14)。
特開2011−241909号公報
ところが、かかる制御では、ワンウェイクラッチFの係合によるメカニカルなショックが発生し、その係合ショックにより車両の加速度が変化することがある(時間T14−T15)。
本発明の目的は、ワンウェイクラッチの係合によるメカニカルなショックの発生を抑制できる、自動変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る自動変速機の制御装置は、ワンウェイクラッチおよび油圧により係合する複数の係合要素の係合/解放の組合せにより複数の変速段が選択的に構成される自動変速機の制御装置であって、ワンウェイクラッチおよび複数の係合要素のうちの一の係合要素の係合により所定の変速段を構成する制御において、一の係合要素に供給される油圧の目標である指示圧を一の係合要素が係合しない待機圧に設定し、自動変速機に入力される入力回転数とワンウェイクラッチが係合する係合回転数とに応じたタイミングで、指示圧を待機圧から一の係合要素が完全係合する係合圧に上昇させる。
この構成によれば、ワンウェイクラッチおよび一の係合要素の係合により所定の変速段が構成される際には、一の係合要素に対する指示圧が一の係合要素が係合しない待機圧に設定される。その後、自動変速機に入力される入力回転数が上昇し、入力回転数とワンウェイクラッチが係合する係合回転数とに応じたタイミングが到来すると、一の係合要素に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられる。これにより、一の係合要素に供給される油圧が上昇し、一の係合要素が係合し始めて、一の係合要素の伝達トルクが上昇する。その後、入力回転数がワンウェイクラッチの係合回転数に達すると、ワンウェイクラッチが係合する。一の係合要素に対する指示圧を係合圧に上げるタイミングが適切に設定されていれば、一の係合要素が完全係合していない状態、すなわち、一の係合要素に実際に供給される油圧が係合圧よりも低く、一の係合要素の伝達トルクが小さい状態で、ワンウェイクラッチが係合する。よって、ワンウェイクラッチの係合によるメカニカルなショックの発生を抑制することができる。
本発明によれば、ワンウェイクラッチの係合によるメカニカルなショックの発生を抑制することができる。
車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。 IDS制御によるエンジンの再始動時における入力回転数、クラッチ指示圧およびクラッチ実圧の時間変化の一例を示す図である。 前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATに備えられている係合要素の状態を示す図である。 従来制御によるエンジンの再始動時における入力回転数、クラッチ指示圧、クラッチ実圧および加速度の時間変化の一例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の駆動系>
図1は、車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の動力は、トルクコンバータ3および有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)4を介して、デファレンシャルギヤ5に伝達され、デファレンシャルギヤ5から左右のドライブシャフト6L,6Rを介してそれぞれ左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ11、タービンランナ12およびロックアップ機構(ロックアップクラッチ)13を備えている。ポンプインペラ11には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ11は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ12は、ポンプインペラ11と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップ機構13は、ポンプインペラ11とタービンランナ12とを直結/分離するために設けられている。ロックアップ機構13が係合(ロックアップオン)されると、ポンプインペラ11とタービンランナ12とが直結され、ロックアップ機構13が解放(ロックアップオフ)されると、ポンプインペラ11とタービンランナ12とが分離される。
ロックアップオフの状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ11が回転する。ポンプインペラ11が回転すると、ポンプインペラ11からタービンランナ12に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ12で受けられて、タービンランナ12が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ12には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップオンの状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ11およびタービンランナ12が一体となって回転する。
自動変速機4は、前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATである。自動変速機4は、インプット軸21、アウトプット軸22、センタ軸23およびラビニヨ型の遊星歯車機構24を備えている。
インプット軸21は、トルクコンバータ3のタービンランナ12に連結され、タービンランナ12と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸22は、インプット軸21と平行に設けられている。
センタ軸23は、インプット軸21に対してエンジン2側と反対側に離間して、インプット軸21と同一の回転軸線上に設けられている。
遊星歯車機構24には、フロントサンギヤ31、リヤサンギヤ32、キャリア33、リングギヤ34、ロングピニオンギヤ35およびショートピニオンギヤ36が含まれる。フロントサンギヤ31は、センタ軸23に相対回転可能に外嵌されている。リヤサンギヤ32は、フロントサンギヤ31に対してエンジン2側と反対側に設けられ、センタ軸23に相対回転可能に外嵌されている。キャリア33は、センタ軸23と一体的に回転可能に設けられ、ロングピニオンギヤ35およびショートピニオンギヤ36を回転可能に支持している。リングギヤ34は、リヤサンギヤ32の回転径方向の外側において、キャリア33の周囲を取り囲む円環状を有し、ロングピニオンギヤ35と噛合している。ロングピニオンギヤ35は、ショートピニオンギヤ36の軸長よりも長い軸長を有しており、フロントサンギヤ31と噛合している。ショートピニオンギヤ36は、リヤサンギヤ32およびロングピニオンギヤ35と噛合している。
リングギヤ34には、第1出力ギヤ41が共通の回転軸線を有するように保持されている。第1出力ギヤ41には、アウトプット軸22に相対回転不能に支持された第2出力ギヤ42が噛合している。また、アウトプット軸22には、第3出力ギヤ43が相対回転不能に支持されており、第3出力ギヤ43は、デファレンシャルギヤ5に備えられたリングギヤ44と噛合している。これにより、リングギヤ34の回転は、第1出力ギヤ41、第2出力ギヤ42、アウトプット軸22および第3出力ギヤ43を経由してデファレンシャルギヤ5に伝達される。
また、自動変速機4は、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFを備えている。
クラッチC1は、インプット軸21とフロントサンギヤ31とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC2は、インプット軸21とリヤサンギヤ32とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC3は、インプット軸21とセンタ軸23(キャリア33)とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、フロントサンギヤ31を制動する係合状態(オン)と、フロントサンギヤ31の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB2は、キャリア33を制動する係合状態(オン)と、キャリア33の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ワンウェイクラッチFは、キャリア33の正転(エンジン2の出力軸と同方向の回転)のみを許容する。
車両1の車室内には、運転者が操作可能な位置に、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動範囲には、たとえば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションおよびL(ロー)ポジションがこの順に一列に並べて設けられている。Pポジション、Rポジション、Nポジション、DポジションおよびLポジションは、それぞれ自動変速機4のPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、DレンジおよびLレンジに対応している。Lレンジは、Dレンジの1速段である。
PレンジおよびNレンジでは、クラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Rレンジでは、図4に示されるように、クラッチC1およびブレーキB2が係合され、クラッチC2,C3およびブレーキB1が解放される。
Dレンジの1速段では、クラッチC2およびワンウェイクラッチFが係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの2速段では、クラッチC2およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB2が解放される。
Dレンジの3速段では、クラッチC2,C3が係合され、クラッチC1およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの4速段では、クラッチC3およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C2およびブレーキB2が解放される。
<車両の制御系>
図2は、車両1の制御系の構成を示すブロック図である。
車両1には、マイコンを含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。マイコンには、たとえば、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが内蔵されている。車両1の各部を制御するため、車両1には、複数のECUが搭載されている。各ECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。複数のECUには、エンジン制御のためのエンジンECU51、変速制御のためのATECU52、ブレーキ制御のためのブレーキECU53およびIDS(アイドリングストップ)制御のためのIDSECU54が含まれる。エンジンECU51、ATECU52、ブレーキECU53およびIDSECU54には、制御に必要な各種センサが接続されている。
エンジンECU51は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、電子スロットルバルブ、インジェクタ、点火プラグおよびスタータなどを制御する。
ATECU52に接続されているセンサには、タービン回転センサ61およびアウトプット回転センサ62が含まれる。タービン回転センサ61は、トルクコンバータ3のタービンランナ12の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。そのパルス信号の周波数は、タービンランナ12の回転数に対応するので、ATECU52は、タービン回転センサ61から入力されるパルス信号の周波数をタービン回転数に換算する。タービンランナ12と自動変速機4のインプット軸21とは、一体に回転するので、タービン回転数は、自動変速機4のインプット軸21の回転数である入力回転数と同じである。アウトプット回転センサ62は、自動変速機4のアウトプット軸22の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。そのパルス信号の周波数は、アウトプット軸22の回転数に対応するので、ATECU52は、アウトプット回転センサ62から入力されるパルス信号の周波数をアウトプット回転数に換算する。
ATECU52は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、トルクコンバータ3および自動変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路に含まれるバルブを制御する。バルブには、クラッチC2(図2参照)に供給される油圧を制御するためのC2ソレノイドバルブ63などが含まれる。C2ソレノイドバルブ63には、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、ノーマルオープンタイプのリニアソレノイドバルブが用いられている。
ブレーキECU53に接続されているセンサには、ブレーキセンサ64および車速センサ65などが含まれる。ブレーキセンサ64は、車室内に配設されたブレーキペダルの操作量に応じた検出信号を出力する。車速センサ65は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する回転体の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。そのパルス信号の周波数は、車速に対応するので、ブレーキECU53は、車速センサ65から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
ブレーキECU53は、各種センサの検出信号から取得した情報(ブレーキペダルの操作量、車両1の車速)および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、ブレーキアクチュエータ66などを制御し、車両1の姿勢が安定に保たれた状態で車両1が制動されるように、各ブレーキから車輪に付与される制動力を制御する。
IDSECU54には、IDS制御に必要な情報として、IDSECU54には、ブレーキECU53から車速およびブレーキペダルの操作量などの情報が入力される。
IDS制御では、車両1の走行中に、運転者によるブレーキ操作(たとえば、ブレーキペダルの踏操作)がなされると、IDSECU54により、IDS制御の開始条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。開始条件には、たとえば、ブレーキ操作が一定時間以上継続しているというブレーキ条件、車両1のステアリング機構(ステアリングホイール)に加えられている操舵トルクがIDS禁止トルク未満であるという操舵トルク条件、車両1に搭載されたバッテリのSOC(State Of Charge)が所定値以上であるというバッテリ条件、車速が0km/hよりも大きいアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h)以下であるという車速条件などが含まれる。すべての条件が成立すると、IDSECU54からエンジンECU51にIDS要求が出力され、エンジンECU51により、エンジン2が停止される。
IDS制御によるエンジン2の停止中は、所定の復帰条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。復帰条件には、たとえば、運転者によるブレーキ操作が解除されるという条件が含まれる。復帰条件が成立すると、IDSECU54からエンジンECU51に再始動要求が出力される。この再始動要求を受けて、エンジンECU51により、エンジン2が再始動される。
<クラッチ制御>
図3は、IDS制御によるエンジン2の再始動時における入力回転数、クラッチ指示圧およびクラッチ実圧の時間変化の一例を示す図である。
IDS制御によるエンジン2の再始動時には、1速段を構成するため、ATECU52によって、クラッチC2を係合させるクラッチ制御が行われる。
このクラッチ制御では、クラッチC2に対する指示圧が所定の待機圧に上げられる(時刻T1)。指示圧は、クラッチC2に供給される油圧の目標値であり、クラッチC2に供給される油圧を制御するためのC2ソレノイドバルブ63に供給される電流値(電流指示値)に対応する。待機圧は、その待機圧がクラッチC2に供給されても、クラッチC2が係合しない油圧に設定されている。
ワンウェイクラッチFが係合する回転数である係合回転数は、車両1の車速と自動変速機4のアウトプット軸22の回転数であるアウトプット回転数とによって定まる。したがって、ワンウェイクラッチFの係合回転数と自動変速機4のインプット軸21に入力される入力回転数との差回転は、車速とアウトプット回転数と入力回転数とによって定まる。係合回転数と入力回転数との差回転が一定値となる車速およびアウトプット回転数と入力回転数との関係が予め求められて、ATECU52の不揮発性メモリには、車速およびアウトプット回転数に対応する入力回転数が閾値として記憶されている。
エンジン2が再始動されて、エンジン2の回転数が上昇すると、そのエンジン回転数の上昇に伴って、自動変速機4のインプット軸21に入力される入力回転数が上昇する(時間T2−T4)。クラッチ制御の開始から一定の周期で、車速、アウトプット回転数および入力回転数が取得されて、車速およびアウトプット回転数に応じた閾値が不揮発性メモリから読み出され、入力回転数が閾値以上であるか否かが判断される。そして、入力回転数が閾値以上に上昇すると、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられる(時刻T3)。係合圧は、クラッチC2の完全係合に必要な油圧以上に設定され、たとえば、C2ソレノイドバルブ63が出力可能な最大圧に設定される。
クラッチC2に対する指示圧が係合圧に上げられた時点では、係合回転数と入力回転数との差回転が一定値であり、ワンウェイクラッチFが係合していない。クラッチC2に対する指示圧が上げられたことにより、クラッチC2に供給される油圧が上昇し、クラッチC2が係合し始めて、クラッチC2の伝達トルクが上昇する。
入力回転数がワンウェイクラッチFの係合回転数に達すると、ワンウェイクラッチFが係合する(時刻T4)。その後、クラッチC2に供給される実際の油圧(クラッチ実圧)が係合圧に上昇すると、クラッチC2が完全係合する(時刻T5)。
<作用効果>
以上のように、ワンウェイクラッチFおよびクラッチC2の係合により1速段が構成される際には、クラッチC2に対する指示圧がクラッチC2が係合しない待機圧に設定される。その後、自動変速機4に入力される入力回転数が上昇し、入力回転数とワンウェイクラッチFが係合する係合回転数とに応じたタイミングが到来すると、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられる。これにより、クラッチC2に供給される油圧が上昇し、クラッチC2が係合し始めて、クラッチC2の伝達トルクが上昇する。
そして、クラッチC2に実際に供給される油圧が係合圧に上昇するまでに、入力回転数がワンウェイクラッチFの係合回転数に達し、ワンウェイクラッチFが係合する。その結果、クラッチC2の伝達トルクが比較的小さい状態でワンウェイクラッチFが係合するので、ワンウェイクラッチFの係合によるメカニカルなショックの発生を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、車速およびアウトプット回転数に対応する入力回転数の閾値がATECU52の不揮発性メモリに記憶されており、入力回転数が閾値以上に達したことに応じて、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられる。これに限らず、車速およびアウトプット回転数とワンウェイクラッチFの係合回転数との関係がATECU52の不揮発性メモリに記憶されていて、車速およびアウトプット回転数に応じた係合回転数と入力回転数との差回転が算出されて、その差回転が一定値になったことに応じて、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられてもよい。
また、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられてからクラッチC2のクラッチ実圧が係合圧に達するまでに要する時間は、油温やエンジン回転数(エンジンの動力により駆動される油圧ポンプの回転数)などに依存するから、油温および/またはエンジン回転数に応じて、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられるタイミング(前述の実施形態における閾値)が補正されてもよい。
さらに、アクセル操作がなされている場合、ワンウェイクラッチFの係合によるメカニカルなショックが多少大きくても、そのショックによる車両1の加速度の変化を運転者や同乗者が感じにくいので、アクセル開度やスロットル開度に応じて、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられるタイミングが早まるように補正されてもよい。
待機圧は、一定圧であってもよいが、車速、アウトプット回転数、油温、アクセル開度および/またはスロットル開度に基づいて可変に設定されてもよい。
また、車速およびアウトプット回転数とワンウェイクラッチFの係合回転数との関係がATECU52の不揮発性メモリに記憶されていて、入力回転数の上昇の傾きから入力回転数が係合回転数に達するまでの時間が求められ、その時間に基づいて、入力回転数が係合回転数に達する前のタイミングで、クラッチC2に対する指示圧が待機圧から係合圧に上げられてもよい。
本発明は、IDS制御によるエンジンの再始動時に限らず、エンジンの通常始動時に適用されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
4:自動変速機
52:ATECU(制御装置)
63:C2ソレノイドバルブ
B1,B2:ブレーキ(係合要素)
C1,C3:クラッチ(係合要素)
C2:クラッチ(一の係合要素)
F:ワンウェイクラッチ

Claims (1)

  1. ワンウェイクラッチおよび油圧により係合する複数の係合要素の係合/解放の組合せにより複数の変速段が選択的に構成される自動変速機の制御装置であって、
    前記ワンウェイクラッチおよび前記複数の係合要素のうちの一の係合要素の係合により所定の変速段を構成する制御において、
    前記一の係合要素に供給される油圧の目標である指示圧を前記一の係合要素が係合しない待機圧に設定し、
    前記自動変速機に入力される入力回転数と前記ワンウェイクラッチが係合する係合回転数とに応じたタイミングで、前記指示圧を前記待機圧から前記一の係合要素が完全係合する係合圧に上昇させる、制御装置。
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