JP2020070303A - 硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高流動性でかつハンドリング性に優れる硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記フェノール樹脂硬化剤として融点が70〜300℃である結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物を含有する硬化性樹脂組成物。

Description

本発明は流動性、保存安定性に優れる結晶状のフェノール樹脂を配合する硬化性樹脂組成物、その硬化物及び硬化性樹脂組成物の製造法に関する
半導体封止材分野において、フェノール樹脂はエポキシ樹脂の硬化剤として使用されている。近年は、その発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。
また、半導体パッケージの形状はその変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっており、そのワイヤ配線の狭ピッチ化、細線化がますます進んできているため、樹脂組成物の流動性が悪いとワイヤスィープを誘発してしまう。さらに、ワイヤの接続部に負担がかかり悪影響を及ぼすようになってきた。
さらに、フリップチップタイプのパッケージにおいて、安価製造方法という側面からアンダーフィルを使用せず、一気に封止してしまうというモールドアンダーフィル(以下、「MUF」という。)という手法が注目されている。当該方法においては、チップとパッケージ基板の非常に狭い隙間を樹脂が通り抜ける必要があるため、フィラーの微細化が重要となっており、一方、このフィラーの微細化により、表面積が大きくなることから、系の粘度が上昇し、ボイド(空隙)発生の原因となる。
また、ウエハーレベルパッケージなど再配線層に使用する封止樹脂や、ビルドアップ層に使用される相関絶縁膜等においては層の厚みが薄いことが必要であり、また線膨張率を下げるため、微細フィラーの充填が必要であるため、同様に、樹脂組成物の低粘度化が求められている。
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−1、[online]、平成21年3月、JEITA(社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、<http://strj-jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku-2008.cfm> 高倉信之他、松下電工技報 車関連デバイス技術 車載用高温動作IC、74号、日本、2001年5月31日、35−40頁
特開2003−41096号公報 特開2013−87137号公報
低粘度化の手法にはさまざま挙げられるが、一般的にはエポキシ樹脂の低分子量化により低粘度化する手法が用いられている。しかしながら、エポキシ樹脂を低分子量化すると、室温での形状が流動性を持ちやすくなってしまうため、室温での取り扱いが難しく(液状〜水あめ〜半固形等)、さらには樹脂組成物とした場合、ベタツキが出てしまうため、貯蔵やハンドリング性が困難となる。 具体的にはエポキシ樹脂メーカから組成物メーカへ材料を納入する際に冷凍で輸送しないといけないため、エネルギーの大量使用につながる。また、輸送中の温度上昇でのブロッキング(塊になること)で取り扱いのできないものとなってしまう。また、輸送工程において問題はなくても、組成物メーカにて使用する際には室温に戻さないと使用できないため、その際の結露の発生や、室温に戻した際にブロッキングしてしまう問題、仕込み時の例えばホッパーの入り口で詰まってしまう等の問題が生じ得る。さらに、樹脂組成物を均質に混合するために、ボールミル等で粉砕しようとしても粉砕できず、釜内で固まってしまい、装置を破損するなどの問題がある。また出来上がった組成物にも同様の課題が生じる。 こういった課題に対し、結晶性のエポキシ樹脂を用いることが検討されている(特許文献1)。しかしながら、成形時の流動性の低下に限界があること、組成物化したのち、フェノール樹脂と混ざることで結晶性が崩れハンドリング特性を維持するのが難しいなどの課題がある。また、一般に、結晶性エポキシ樹脂を用いる場合、混練機での溶融混練時に結晶性エポキシ樹脂の融点以上で混練しないとエポキシ樹脂が十分に溶融せず均一分散しないので、この溶融混合物を用いたエポキシ樹脂成形材料の成形品は不均一となり、成形品の強度が各部分によって異なるために半導体装置の特性が低下してしまう。しかし、溶融混練時に、この溶融混合物の温度が高いと、混練機内で硬化反応が進行してしまい、流動性の低下、成形時の未充填の原因となるゲル化物の発生等を招く恐れがある。または結晶性の高さから再結晶化を起こすため、加熱混練後でも結晶性が残存し、この残存結晶が成型時になって初めて溶融するため、硬化性が低い、バリやボイドが発生する、得られた半導体装置の表面にしみができやすい等の成形性に劣るおそれがある。 一方、フェノール樹脂において結晶性を導入する試みもあるが、その結晶性の高さから局所的に結晶化が進行し、均質な樹脂組成物を得ることが難しい課題を有する。これに対し、特許文献2には、結晶性のフェノール化合物を用いた場合の溶け残りの課題を解決するため、溶融状態の4級ホスホニウム化合物を溶媒とし、その溶媒中に結晶性のフェノール化合物を完全溶解することで、溶け残りの発生しない保存安定性に優れる溶融混合物が得られることを開示している。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、特許文献2とは異なり、結晶状のアルキル置換ビフェノール化合物は完全に溶融せず、結晶状態を維持したままでも、樹脂組成物の流動性とハンドリング性を両立させることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
[1]エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記フェノール樹脂硬化剤として融点が70〜300℃である結晶状のアルキル置換ビフェノール化合物を含有する硬化性樹脂組成物、
[2]混練・溶融混合後において、前記アルキル置換ビフェノール化合物が結晶状態を維持したまま分散している前項[1]に記載の硬化性樹脂組成物、
[3]前記アルキル置換ビフェノール化合物の融点以下の温度で混練・溶融混合後において、結晶状態を維持したまま分散している前項[2]に記載の硬化性樹脂組成物、
[4]前記アルキル置換ビフェノール化合物の分子量が200〜400である前項[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
[5]無機充填剤を含有する前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
[6]前記無機充填剤は、硬化性樹脂組成物の樹脂総量100質量%に対して70〜96質量%を含有する前項[5]に記載の硬化性樹脂組成物、
[7]さらに、硬化促進剤を含有する前項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
[8]示差走査熱量計(DSC)の測定における発熱ピークトップが100〜180℃の範囲内に有する前項[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
[9]前項[1]〜[8]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物、
[10]エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、無機充填剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、フェノール樹脂硬化剤として結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物を含有し、前記結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物の融点以下の温度で混錬/混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法、
[11]前記結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物の融点よりも20℃以上低い温度で混錬・混合して得ることを特徴とする前項[10]に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法、
に関する。
本発明の硬化性樹脂組成物は非常に高い流動性とハンドリング特性に優れるため、生産性に寄与し、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)や炭素繊維強化複合材料(以下、「CFRP」ともいう。)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料として有用である。
実施例1の硬化性樹脂組成物の外観を示す。 比較例1の硬化性樹脂組成物の外観を示す。
本発明の硬化性樹脂組成物は結晶状のアルキル置換ビフェノール化合物を含有することを特徴とする。特に無置換ビフェノール化合物にアルキル基を導入することで相溶性を持たせ、通常のエポキシ樹脂を配合した硬化性樹脂組成物においては、結晶性フェノール化合物の結晶性をある程度維持したまま、樹脂に均一に半溶融・混合し、結晶成分を均質分散させることにより半晶状の硬化性樹脂組成物を得ることになる。本願においては結晶状のアルキル置換フェノール化合物は完全に溶融せず、結晶状態を維持したまま分散し、均質な半晶状の樹脂組成物とし、有機フィラーのごとく使用することにより、樹脂組成物の流動性とハンドリング特性を両立させるものである。
言い換えると、フェノール樹脂有機フィラーと無機フィラーを含有するエポキシ樹脂をマトリックスとする硬化性樹脂組成物として用いることができる。
したがって本願においては結晶状のアルキル置換ビフェノール化合物の融点以下の温度で混練・溶融混合し、樹脂マトリックス中に均質分散することが重要となる。なお、混練・溶融混合後において、結晶状態を維持させ、均一に分散した樹脂組成物であるかどうかは、調整後の樹脂組成物の外観を目視により判断することができる。例えば、不均一な樹脂と結晶のかたまりが分散した状態であれば、ビフェノール化合物が均質に分散していないことを表し、単に不透明の樹脂板の状態であれば、均一に分散していると判断できる。
ここで使用するアルキル置換ビフェノール化合物としては、70〜300℃の融点を有する化合物を用いる。好ましくは100℃〜250℃である。70℃以下の場合、混練時の熱で完全溶融してしまい、結晶性を維持するのが難しい。また300℃以上の場合、硬化・成型時に結晶が溶融せず均一分散しないので、この成型材料は均質な硬化物を作ることが難しい。
また流動性向上のため、アルキル置換ビフェノール化合物の分子量は小さいほうが好ましく、具体的には200〜400が好ましく、214〜400であることがより好ましい。
なお、融点は、例えば、市販の示差走査熱量計(DSC)を用いて吸熱ピーク温度から求めることができる。
また、前記アルキル置換ビフェノール化合物の水酸基当量は、100〜200g/eq.であることが好ましく、107〜200g/eq.であることがより好ましく、121〜150g/eq.であることが特に好ましい。
さらに本発明に使用するアルキル基で置換されたビフェノール化合物において、置換されたアルキル基の数としては2〜6が好ましい。置換されたアルキル基として炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基、アリル基が挙げられる。結晶性の観点から置換されたアルキル基の数は2、4、6の偶数であることが好ましい。
具体的にはジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジアリルビフェノール、ジエチルビフェノール、テトラエチルビフェノール、ジフェニルビフェノールなどが挙げられる。
本発明においては置換されたアルキル基がメチル基、エチル基の場合、4〜6置換タイプのビフェノール化合物が好ましく、フェニル基、アリル基であれば2置換タイプのビフェノール化合物が好ましい。アルキル基が小さいメチル基やエチル基の2置換タイプであるとその反応性が高いため、分子量が小さく初期粘度が低い場合でも、反応性が高くなり、結果的に流動性が落ちてしまうおそれがある。
一方、置換基の大きなフェニル基やアリル基であればその効果は大きく、4置換とすると逆に反応がしづらくなってしまうおそれがある。置換基の総炭素数は2〜12が好ましく、特に4〜10が好ましい。
本発明に使用するアルキル基で置換されたビフェノール化合物は市販されているものを用いてもよく、公知の方法で製造したものを用いてもよい。市販品として入手できる具体的な化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル(東京化成工業(株)製 融点223−225℃ 分子量242.32 置換基の総炭素数4)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(ソンウォンインターナショナルジャパン(株)製 融点162℃ 分子量214.26 置換基の総炭素数2)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニル(三光化学(株)製) 融点147.7℃ 分子量338.41 置換基の総炭素数12)、3,3’−ジアリル−4,4’−ジフェニル(三井化学ファイン(株)製 融点76℃ 分子量266.34 置換基の総炭素数6)等が挙げられるが、これらに限られない。
本発明の硬化性樹脂組成物においてはエポキシ樹脂を含有する。
用いることができるエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、等シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基、および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ただし、使用するエポキシ樹脂をすべて溶融混合した際の軟化点が40〜180℃であることが好ましい。特に好ましくは40〜150℃である。
本発明の硬化性樹脂組成物には、無機充填剤を含有することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明においては、半導体封止材に使用することを想定する場合には、特性のバランスの観点から結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナが好ましい。
これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物100質量%に対して70〜96質量%を占める量が用いられることが好ましい。特に70〜93質量%であることが好ましい。本発明においては特に流動性が高いため、無機充填剤が少なすぎると無機充填剤と樹脂のバランスがずれ、樹脂組成物の成型体の中で無機充填剤の多い部分と少ない部分が出てしまう等特性面で好ましくない。
また、無機充填剤の含有量が96%を超えると流動性が出せなくなってしまうため好ましくない。
本発明の硬化性樹脂組成物において、結晶状のアルキル置換ビフェノール化合物はエポキシ樹脂の硬化剤として作用する。本発明においては硬化剤として結晶状のフェノール樹脂だけでなく、他の硬化剤との併用をしてもかまわない。
使用できる他の硬化剤としては、フェノール樹脂、当該発明の結晶性ビフェノール以外のフェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。フェノール樹脂、フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
好ましいフェノール樹脂としては、フェノールアラルキル樹脂(芳香族アルキレン構造を有する樹脂)が挙げられ、特に好ましくはフェノール、ナフトール、クレゾールから選ばれる少なくとも一種を有する構造であり、そのリンカーとなるアルキレン部が、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ナフタレン構造から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする樹脂(具体的にはザイロック、ナフトールザイロック、フェノールビフェニレンノボラック樹脂、クレゾール−ビフェニレンノボラック樹脂、フェノール−ナフタレンノボラック樹脂などが挙げられる。)である。
アミン系化合物、アミド系化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物が挙げられる。
酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂が挙げられる。
その他としては、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられる
これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明においては特に信頼性の面からフェノール樹脂の使用が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂と硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物には、さらに、硬化促進剤を含有することができる。
用い得る硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩が挙げられる。(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部が必要に応じ用いられる。
更に本発明の硬化性樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100質量部に対して通常0.05〜50質量部、好ましくは0.05〜20質量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。
ただし、結晶状のビフェノール化合物の融点以下の温度で混合し、結晶が分散するように混練混合することが好ましい。具体的には結晶状のアルキル置換ビフェール化合物の融点以下の温度で混練を行い、有機フィラー然として使用することが好ましい。この際、均質に結晶を分散させておかないと配合したエポキシ樹脂と硬化剤の当量比が変わってしまうため、部分的な硬化不良が起こり、好ましくない。
具体的には融点以下、特に結晶状のビフェノール化合物の融点の20℃以上低い温度で混錬することが好ましい。融点を超えると一気に粘度が下がってしまうことから混練が困難になるばかりか、結晶性が崩れてしまうおそれがある。また、液化することで、得られた樹脂組成物のべたつきに影響し、組成物の取り出しが困難になる、製造プロセスにおいてブロッキング等を起こし、各々がくっついてしまうことで、正確な重量測定が困難になる、さらには仕込み口への投入が難しくなるなど生産性に問題が生じてしまうおそれがある。したがって、本発明においては融点以下の温度での混練・混合が好ましい。
得られたタブレット状、パウダー状、シート状もしくは粒状の組成物においては室温で保管してもべたつきがないことが特徴となる。
なお、混練・混合においては、押出機、ニーダ、ロール等を用いて充分に混合して硬化性樹脂組成物を得ることができる。
得られた本発明の硬化性樹脂組成物の成型体はその反応性も重要となる。
結晶粒がそのまま残っていると、反応時に結晶粒が溶融せず、反応に寄与しなくなるおそれがある。そのため均質に分散し、180℃以下、好ましくは160℃以下の温度での加温時に結晶が溶融することが必要となる。これは均一に分散させることにより、樹脂中に点在した結晶となるため、融点の降下が生じ、例えば200℃以上の融点のものでも硬化し、成型時には均質に硬化できる性質を有することになる。
したがって、本発明の硬化性樹脂組成物の成型体は、DSC測定において、180℃以下に発熱ピークトップを有し、180℃以下の温度で十分に硬化できる特性を有することが好ましい。発熱ピークトップの好ましい範囲は80〜180℃であり、より好ましくは100℃〜170℃、特に好ましくは100℃〜160℃である。発熱開始ピークが低すぎると反応が早すぎるため、成型までの時間が確保できず、また180℃を超えると硬化時に成型不良が起こってしまう恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物の成型方法としては、金型を用いた成型方法が一般的に用いられる。具体的にはトランスファー成型機、コンプレッション成型機などを用いた成形方法が挙げられ、アピックヤマダ、TOWAなどから成型機が販売されている。
本発明の硬化性樹脂組成物は、成型後、100〜200℃で1〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は各種用途に使用できる。
例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
特に本発明においては、半導体の封止材として主に用いられるが、同組成物を基板として使用する手法やモールドアンダーフィル(MUF)として使用することもできる。
具体的に現在用いられている封止剤の主な用途としてはコンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り質量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
・エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
・軟化点: JIS K 7234 に準拠
・耐熱性(DMA)
動的粘弾性測定器:TA−instruments、DMA−2980
測定温度範囲:−30〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)
Tg:Tan−δのピーク点をTgとした
(実施例1)
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬製NC−3000)277部に対し、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル(東京化成工業(株)製 融点223−225℃ 分子量242.32 置換基の総炭素数4)121部をミキシングロールにて90℃で5分間、65℃で10分間混練・溶融混合を行い、硬化性樹脂組成物(A1)を調整した。調整した硬化性樹脂組成物(A1)の外観を目視で観察したところ、黄白色不透明の樹脂板であり、結晶のかたまりが見当たらなかったことから、前記ビフェニル化合物が結晶状態を維持したまま均一に分散した状態であることを確認した。図1に硬化性樹脂組成物の外観を示す。なお、図1中の黒い部分は、結晶が均質に分散している、すなわち結晶のかたまりがないため、白い状態で観察された部分が反転していることを表している。
ことを意味する。
(比較例1)
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬製NC−3000)277部に対し、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル(東京化成工業(株)製 融点223−225℃ 分子量242.32 置換基の総炭素数4)121部、メチルエチルケトン50部、エタノール50部を加え、分散した後、ロータリーエバポレータを用い、230℃まで昇温しながら加熱減圧下で溶剤を留去しながら混練・溶融混合を行った。溶融混合時に150℃付近から一部結晶の昇華が見られた。調整した硬化性樹脂組成物(B1)の外観を目視で観察したところ、不均質な樹脂と結晶のかたまりが存在した状態の樹脂板であることが確認できる。図2に硬化性樹脂組成物の外観を示す。なお、図2中の白い部分は結晶のかたまりが存在していることを意味する。
(実施例2、比較例2)
実施例1及び比較例1で得られた硬化性樹脂組成物(A1,B1)を用いて、無機充填剤、硬化促進剤、添加剤を表1に記載の成分及び割合(質量部)に配合し、ミキシングロールを用いて40〜70℃で均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物(A2,B2)を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンを用いてタブレット化した。得られた硬化性樹脂組成物(A2,B2)を、以下の項目について評価を行った。
(ゲルタイム)
各実施例の硬化性樹脂組成物の適量を金属製ヘラで175℃の熱板に置き、金属製ヘラを使ってかき混ぜ、試料に粘着性がなくなり、熱板から剥がれるようになった時または粘着性がなくなった時間を測定した。
(スパイラルフロー試験)
タブレット化された硬化性樹脂組成物をアルキメデススパイラル金型とトランスファー成型機を用いて、175℃、圧力70Kgf/cmの条件で3分間射出成形したものの長さを測定によりスパイラルフロー試験を行った。
・スパイラルフロー試験は以下の条件で行った。
金型:EMMI−1−66に準拠したもの
金型温度:175℃
トランスファー圧力:70kg/cm
プレス:5tプレス、ポット径:30mm
注入時間:材料を入れずに空打ちで4秒以下
成形時間:90秒
スパイラルフロー試験ではその値が大きいほど流動性がいいことを示しているが、使用される場面により適宜選択できる。ゲルタイムは封止材を一定温度で加熱したとき、流動性を失うまでの時間であり硬化特性に関し、適宜選択できる。
Figure 2020070303
表1より、完全溶融せず、結晶状態を維持したアルキル置換ビフェノール化合物を含む本発明の硬化性樹脂組成物は、完全に溶融させた場合のビフェノール化合物を用いた硬化性樹脂組成物に対して、高い流動性を示すことが確認できる。
(実施例3)
硬化性樹脂組成物(A1)、無機充填剤、硬化促進剤、添加剤を実施例1と同様に配合し、ミキシングロールを用いて40〜70℃で均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。得られた硬化性樹脂組成物を175℃のトランスファーで成型し、硬化物を得た。その結果、外観を目視で観察したところ、均質な硬化物が得られた。DMAによるTgは121℃であった。
(実施例4)
無機充填剤を除いた以外は、実施例3と同様の成分・割合を配合し、ミキシングロールを用いて40〜70℃で均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。得られた硬化性樹脂組成物を175℃のトランスファーで成型し、硬化物を作成した。その結果、外観を目視で観察したところ、一部発泡および色むらができたものの、硬化物が得られた。DMAによるTgは118℃であった。
(実施例5〜7、比較例3及び4)
エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、無機充填剤、硬化促進剤、添加剤を表2に記載の成分を表3の割合(質量部)でゲルタイムが約30秒になるように配合し、ミキシングロールを用いて40〜70℃で均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。得られたタブレットを以下の項目について評価した。なお、ゲルタイム、スパイラルフロー試験については、前述と同様の方法を用いた。
(べた付き感)
得られたタブレットの表面べたつき感を評価した。評価方法は得られたタブレットに10秒間指を押し付け塗膜のべたつき度合いを評価した。
○・・・べたつきなくさらさらとした表面である。
△・・・べたつきはあるが、指には貼り付かない。
×・・・非常にべたつき、指に貼り付く。

その結果、いずれもベタつきはなかった。
Figure 2020070303
Figure 2020070303
表3より、本発明の、完全溶融せず、結晶状態を維持したままのアルキル置換ビフェノール化合物を用いた硬化性樹脂組成物は、完全溶融させて得られた類似構造のフェノール樹脂硬化剤を用いた場合と比較して、いずれも大幅に流動性が改善されていることが確認できる。
(DSC測定)
実施例5の硬化性樹脂組成物について、以下の条件で示差走査熱量計(DSC)を用いて、融点の測定を行った。当該組成物の融点+40℃に昇温して溶融状態とした後、20℃/分の降温速度で30℃まで降温し、30℃で3分間保持した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温したときに観測される吸熱ピークの温度(融点)を求めた。
測定条件
測定機:Q−2000 TA−instruments社製
モード:M(モジュレート)DSCモード
昇温速度:10℃/min
測定温度範囲:30℃から300℃
(図3)
Figure 2020070303
図3より、発熱開始温度120.8℃、発熱ピークトップ148.4℃であり、175℃のトランスファー条件でも十分に反応が進行していることから、結晶がそのまま残っていても硬化性には影響がないことが確認できた。
以上のことから、本発明の硬化性樹脂組成物は高い流動性とハンドリング性を有しつつ、生産性および成型性に優れることがわかる。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)や炭素繊維強化複合材料(以下、「CFRP」ともいう。)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料として有用である。






Claims (11)

  1. エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記フェノール樹脂硬化剤として融点が70〜300℃である結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
  2. 混練・溶融混合後において、前記アルキル置換ビフェノール化合物が結晶状態を維持したまま分散している請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記アルキル置換ビフェノールの融点以下の温度で混練・溶融混合後において、結晶状態を維持したまま分散している請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記アルキル置換ビフェノール化合物の分子量が200〜400である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 無機充填剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記無機充填剤は、硬化性樹脂組成物の樹脂総量100質量%に対して70〜96質量%を含有する請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、硬化促進剤を含有する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 示差走査熱量計(DSC)の測定においてその発熱ピークトップが100〜180℃である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。
  10. エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、無機充填剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、フェノール樹脂硬化剤として結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物を含有し、前記結晶性のアルキル置換ビフェノール化合物の融点以下の温度で混錬/混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記アルキル置換ビフェノール化合物の融点よりも20℃以上低い温度で混錬・混合して得ることを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
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