JP6576001B2 - エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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本発明は耐熱性が要求される電気電子材料用途に好適なエポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。また、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性や高流動性といった要求特性が求められる(非特許文献1)。なお、特にプラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなっている。具体的には、半導体の駆動温度の上昇により、150℃以上の耐熱性が求められるようになってきている(非特許文献2)。
一般にエポキシ樹脂は軟化点の高いエポキシ樹脂が高い耐熱性を有する傾向があるが、その反面、粘度が上昇するという傾向があり、作業性や保存安定性の面で封止材としての使用は困難となる。この課題に対し、ナフタレン構造を導入することで耐熱性を出そうとする提案がなされている(特許文献2)が、これでは固くもろくなり機械強度が低下する課題を有する。また、多官能のエポキシ樹脂が検討されているが、難燃性が著しく低下するという課題があった。
一方、マレイミド樹脂は高耐熱性を有するとして従来から検討されている。特に基板等の用途においてはBTレジンのような形で一部使用されている。しかしマレイミド樹脂は半導体封止材のような分野においてはその結晶性の高さにより有機フィラーのような特性を示し、無機フィラーをたくさん入れられない、また、成型から脱型までの間に長時間かかるといった生産性について課題がある。このような課題に対し、マレイミド樹脂をアミンで変性させて使用するという手法が検討されている。
国際公開2010/110433号公報 特許第2503814号公報
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−1、[online]、平成21年3月、JEITA (社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、インターネット<URL http://strj-jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku-2008.cfm> 高倉信之他、松下電工技報 車関連デバイス技術 車載用高温動作IC、74号、日本、2001年5月31日、35−40頁
マレイミド樹脂はその硬化物の硬さや吸水率の高さ、さらには反応性が非常に悪く、エポキシ樹脂のように100〜200℃で硬化させようとしても反応させきることができず、特性が不安定となりその取扱いが非常に困難という課題がある。具体的にはポリビスマレイミド樹脂を積層する場合は220℃以上の高温でかつ長時間の処理が必要である。
また、マレイミド樹脂をアミンで変性させて使用するという手法では高粘度となってしまい、無機フィラーを導入できない。また反応性については改善できても、アミノ基がネットワークに多く導入されることとなるため、硬化物における耐薬品特性、吸水率の点、特に組成物の段階での課題として、粘度が大きく上昇してしまうという課題がある。
そこで、本発明は流動性、作業性に優れ、かつ配合物にした際の硬化性、さらには硬化物の耐熱性と相反する難燃性、熱分解特性等に優れるエポキシ樹脂混合物及びその硬化物を提供する。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)を含有するエポキシ樹脂混合物であって、エポキシ樹脂(A)の含有量が樹脂総量に対して10〜90重量%であり、マレイミド樹脂の含有量が10〜90重量%であり、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)が0.01〜0.9Pa・s、環球法における軟化点が50〜160℃であるエポキシ樹脂混合物、
(2)前記の二官能以上のエポキシ樹脂(A)がオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有し、前記の二官能以上のマレイミド樹脂(B)がビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有する前項(1)に記載のエポキシ樹脂混合物、
(3)全塩素量が500ppm以下である前項(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂混合物、
(4)請求項1及至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂混合物と無機フィラーを含有し、その配合量が5:95〜35:65の割合で含有するエポキシ樹脂組成物、
(5)前記無機フィラーがシリカゲル、アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有し、かつその組成物において175℃におけるゲルタイムを15秒〜10分である前項(4)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)フェノール樹脂型硬化剤を含有する前項(4)又は(5)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(7)前項(5)〜(6)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物、
(8)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)を50〜160℃の温度領域で加熱混合するエポキシ樹脂混合物の製造方法、
(9)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)をニーダ、ロール混練器のいずれか一種を少なくとも用いて混合する前項(8)に記載のエポキシ樹脂混合物の製造方法、
(10)二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)をアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも一種の溶剤中で混合した後、50〜160℃の温度域で溶剤を加熱減圧下、溶剤を留去する前項(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂混合物の製造方法、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、流動性に優れ、かつ配合物にした際の硬化性、さらには硬化物の耐熱性、難燃性、熱分解特性に寄与することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、硬化物に有用である。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)の混合物であって、エポキシ樹脂(A)の含有量が樹脂総量に対して10〜90重量%であり、マレイミド樹脂の含有量が10〜90重量%であり、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)が0.01〜0.9Pa・s、環球法における軟化点が50〜160℃であることを特徴とする。
マレイミド樹脂は単体では粉状であり、その融点が非常に高く、組成物にすることが難しいだけでなく、均質に溶解させることも難しいため、その成型物をきれいに作成することが困難である。また、そもそも硬化温度が非常に高いため、200〜220℃付近での硬化温度を長時間かけないときれいな成形物を作成できないことから半導体の封止材用途では使用は困難であった。
これに対し、マレイミド樹脂の一部をアミン等の変性剤で変性する事で溶融特性を上げたりするという手法も挙げられている。しかしアミンが入ることで硬化物の特性を悪化させるため、好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂混合物においては、あらかじめエポキシ樹脂にマレイミド樹脂を混合させておくことにより、軟化点を有する樹脂として安定的に取り扱うことができ、かつ、流動性も確保できることを明らかとした。さらに、エポキシ樹脂との混合により流動性、だけでなく、一般的なエポキシ樹脂と同様の温度領域で硬化させ、優れた硬化特性を発現させることができる組成物となる。
本発明に使用できる二官能以上のエポキシ樹脂(A)としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては固形樹脂としての取り扱いをすることが好ましいため、特に固形のエポキシ樹脂、さらには軟化点が50〜100℃のエポキシ樹脂が好ましく、より好ましくはオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる1種を少なくとも1つ含有することが好ましい。
特に、硬化物にした際の難燃性、熱分解特性、誘電特性、吸水特性の観点からフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明において使用するエポキシ樹脂(A)の特性としては、150℃における溶融粘度(ICIコーンプレート法)は0.4Pa・s以下であることが好ましく、特に0.3Pa・s以下であることが取扱い性の面から好ましい。特に常温で固体状を示すエポキシ樹脂の使用が好ましく、0.005〜0.3Pa・sであることが好ましい。
本発明において使用するエポキシ樹脂(A)の軟化点としては50〜100℃が好ましく、特に52℃〜95℃がハンドリングの面(作業性)から好ましい。融点を有するエポキシ樹脂の場合、きれいに混合することができず本発明の目的を達成することが困難となるおそれがある。
本発明において使用するエポキシ樹脂(A)の全塩素量(加水分解法)は1000ppm以下が好ましく、特に900ppm以下が好ましい。1000ppmを超える塩素量の場合、特にマレイミド化合物は吸水特性の影響が出やすいため電気信頼性が低下するおそれがある。
本発明において使用できる二官能以上のマレイミド樹脂(B)は、マレイミド基を分子内に2個以上有するマレイミド樹脂であればよく、特に限定されない。
本発明に使用可能なマレイミド樹脂(B)としては、ビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂などが好ましく挙げられる。
本発明に使用することができるマレイミド樹脂(B)は融点、軟化点を有するものを用いることができる。特に融点を有する場合は200℃以下が好ましく、また軟化点を有する場合は150℃以下であることが好ましい。
融点や軟化点が高温すぎる場合、後のエポキシ樹脂との混合の際にゲル化の可能性が高くなるため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、二官能以上のエポキシ樹脂(A)、二官能以上のマレイミド樹脂(B)を混合することによって得られる。
エポキシ樹脂混合物の混合方法としては溶融ブレンド、ドライブレンドする方法がある。
二種の樹脂混合物をドライブレンドする方法では均質に混合することが困難であるため、均質な硬化物を作成することが難しい。そのため、本発明においては溶融および/または溶解させながら製造することが好ましい。
二官能以上のエポキシ樹脂(A)、二官能以上のマレイミド樹脂(B)において、いずれか又は両方が軟化点を有する場合、その軟化点以上の温度での混合が好ましい。混合温度としては50〜160℃が好ましく、特に好ましくは50〜150℃である。50〜160℃の温度領域での加熱混合であれば大きな特性変化がない程度の反応で落ち着くためである。これに対し、50℃以下の低温の場合きれい(均質)に混合できず、また、160℃を超える温度の場合、エポキシ樹脂とマレイミド樹脂の混合物が溶融時に硬化反応が進行してしまい、ゲル化が進行してしまうおそれがある。具体的には175℃で10分程度でゲル化が始まる可能性がある。この事象はエポキシ樹脂とマレイミド樹脂がある程度均質に混合しているときにおこりやすく、たとえばエポキシ樹脂単体である場合、175℃で20時間加熱してもゲル化はしない。
本発明のエポキシ樹脂混合物を製造するために二官能以上のエポキシ樹脂(A)、二官能以上のマレイミド樹脂(B)は溶融ブレンドの場合、少なくとも片側の樹脂が流動性を持った上述のような条件で、押出機、ニーダー、ロール、プラネタリーミキサー等で混練する。その処理時間は5分〜3時間である。
溶解ブレンドの場合はいったんアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等から選ばれる1種以上の溶剤中で溶解又は拡散した後、50〜160℃の温度領域で加熱減圧下で溶剤を留去する方法で製造可能である。
160℃を超える過剰の加熱はエポキシ樹脂混合物のゲル化を招き、低温だと十分に樹脂が流動せず、均質なエポキシ樹脂混合物を得ることが困難となるおそれがある。
本発明のエポキシ樹脂混合物において、二官能以上のエポキシ樹脂(A)、二官能以上のマレイミド樹脂(B)の混合比率としては、(A)の含有量が10〜90重量%であり、二官能以上のマレイミド樹脂(B)の含有量が10〜90重量%である場合が好ましく、また、(A)の含有量が10〜60重量%であり、(B)の含有量が40〜90重量%である場合が耐熱性と強靭性のバランスから好ましい。
エポキシ樹脂(A)が多すぎると耐熱性が低下し、またマレイミド樹脂(B)が多すぎると強靭性が低下し、また吸水率が高く、その信頼性の面から半導体の封止用途としては使用が困難となる。
なお、これらの配合量に関しては下記の特性を満たすことを優先とし、適宜配合を変更することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂混合物において、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)は1.0Pa・s以下が好ましく、特に0.01〜0.9Pa・sが好ましい。
配線の太さやその構造にもよるが、粘度が1.0Pa・sを超えてしまうと単純な構造の半導体においてもその成型性に問題が生じ、未充填部ができてしまう等の課題が出てくるためである。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、環球法における軟化点が160℃以下であることが好ましい。
また、封止材としてタブレット化して使用する場合、50℃以上の軟化点がないと使用が困難であることから、50〜160℃であることが好ましく、さらに好ましくは55〜160℃、特に好ましくは55〜150℃である。
本発明のエポキシ樹脂混合物において、全塩素量(ISO 21627−3準拠)は500ppm以下であることが好ましく、特に近年の金ワイヤから銅ワイヤへの半導体の移り変わりを鑑みると250ppm以下がさらに好ましく、特に150ppm以下が好ましい。
全塩素量が500ppmを超えた場合、樹脂構造にも多少影響はされるものの一般に半導体封止材とした際に抽出されるイオン分が多くなるため、好ましくない。 具体的には、エポキシ樹脂組成物を硬化物にした際に熱抽出され、溶出するイオン量が20ppm以下、特に一桁かわる10ppm以下となることが好ましい。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂混合物の形状としては、板状で取り出しフレーカー等でフレーク状にする、粉砕して粉状にして取扱う等により、フレーク体、もしくは粉体で取り扱うことが好ましい。
また、特に粉状の場合、次工程における粉立ち、吸引、周辺機器の汚れ等の課題から、1.0MPa以上の圧力をかけ、粒状、もしくは紐状、タブレット状の状態に成型することが好ましい。
次に本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂混合物の他、無機フィラーを含有することが好ましい。また任意成分として他のエポキシ樹脂や硬化剤、硬化促進剤を含有することは好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂混合物に含有されるエポキシ樹脂以外にエポキシ樹脂を含有してもかまわない。全エポキシ樹脂中、本発明のエポキシ樹脂混合物中のエポキシ樹脂の総量の割合は20重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。
併用できるエポキシ樹脂はノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に本発明においては固形樹脂としての取り扱いをすることが重要であるため、特に常温で固形のエポキシ樹脂が好ましく、さらには軟化点が50〜100℃のエポキシ樹脂が好ましく、より好ましくはオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる1種を少なくとも1つ含有することが好ましく、中でも難燃性、熱分解特性、誘電特性、吸水特性からフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、使用できる硬化触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−ウンデシルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−エチル,4−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種等の複素環式化合物類、及び、それら複素環式化合物類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、カルボン酸金属塩(2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミスチリン酸などの亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩)やリン酸エステル金属(オクチルリン酸、ステアリルリン酸等の亜鉛塩)、アルコキシ金属塩(トリブチルアルミニウム、テトラプロピルジルコニウム等)、アセチルアセトン塩(アセチルアセトンジルコニウムキレート、アセチルアセトンチタンキレート等)等の金属化合物等、が挙げられる。本発明においては特にホスホニウム塩やアンモニウム塩、金属化合物類が硬化時の着色やその変化の面において好ましい。また4級塩を使用する場合、ハロゲンとの塩はその硬化物にハロゲンを残すことになり、電気信頼性および県境問題の視点から好ましくない。
本発明においては特にリン系触媒、もしくはイミダゾール系、アミン系触媒のような含窒素系の触媒が好ましく、特にエポキシ樹脂の硬化剤となるフェノール樹脂等を添加しない場合はイミダゾール系、アミン系触媒のような含窒素系の触媒が特に好ましい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂混合物100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤を含有することが好ましい。例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール樹脂、カルボン酸系化合物などが挙げられる。本発明において、用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物(アミン、アミド化合物);無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのフェノール樹脂;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明においては特に半導体封止用途に使用するため、硬化物の吸水率や耐薬品性、絶縁信頼性、電気特性等の面から前述のフェノール樹脂が好ましく、特にフェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂(ザイロックタイプ、ビフェニレンタイプ)が好ましい。
アミン系硬化剤や酸無水物硬化剤はその耐薬品特性や電気信頼性、吸水率の問題から好ましくなく、特に酸無水物系の場合、吸湿・吸水による加水分解反応による酸の生成によりワイヤとチップ上のパッド部との接続部の腐食等、特に接続部の腐食に弱くなってしまうことから、使用した場合も主として使用せず添加剤として用いる程度とすることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における硬化剤の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物全体に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して1.2当量以下が好ましい。エポキシ基1当量に対して、1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られないことがある。
なお、前述の硬化促進剤としてリン系触媒等を用いる場合はその硬化剤の使用量は0.7当量以上とすることが好ましい。エポキシ樹脂自体が余ることによる硬化不良を防ぐためである。
なお、他にはシアナートエステル化合物を用いることができる。シアナートエステル化合物は単独での硬化反応に加え、エポキシ樹脂との反応により、より架橋密度の高い、高耐熱性の硬化物とすることができる。シアナートエステル樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、これらの誘導体、芳香族シアネートエステル化合物等が挙げられる。
また、例えば前述の硬化剤に記載したような、各種フェノール樹脂と青酸もしくはその塩類との反応により合成も可能である。本発明においては特に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンやその誘導体(部分重合物等)のように分子内にベンジル位のメチレン構造を有しない構造のものが好ましく、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、エポキシ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤(無機フィラー)を添加することが好ましい。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これら無機充填剤の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において、用途にもよるが一般に0〜95重量%を占める量が用いられ、5〜特に半導体封止材の用途で使用する場合、好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは65〜95重量%の範囲で、パッケージの形状、必要とする線膨張係数により適状使い分けることが好ましい。
具体的にはFCタイプの薄型、特にMUFタイプでは65〜85重量%が好ましく、ワイヤタイプ、FCの上部もしくはサイドを封止するものの場合、80〜95重量%が好ましく、リードフレームタイプで特にリードフレームの専有面積が大きい場合は81〜93重量%が好ましく使用する。このように各部材の成型方法、線膨張率や流動性を加味したうえで選択することとなる。
また使用する粒径としてはその平均粒径で0.1μm〜30μmのものが好ましい。30μmよりも大きすぎるとパッケージ中のワイヤに引っかかる等の問題がありや、0.1μmよりも小さすぎると極度に流動性を低下させるという問題があることから好ましくない。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、酸化防止剤、光安定剤、シランカップリング剤、カルナバワックス、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料、カーボンブラック、染料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。これらに残留するハロゲンや硫酸痕はできるだけ少ないことが好ましい。特にカップリング剤についてはエポキシ基を有するカップリング剤の添加が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。
具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物に必要な素材を必要に応じてミキサー類で粉砕して混合し、その後必要に応じて押出機、ニーダー、ロール、プラネタリーミキサー等の混練可能な機器を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得る。この際、ニーダーやロール等の混練機の温度が150℃以下であることが好ましい。前述のとおり、マレイミド樹脂が混合されている場合、ゲル化のリスクが大きくなるため、150℃より大きな温度はかけないことが好ましい。また、それぞれの樹脂の軟化点とも関係してその混練温度は40℃以上であることが好ましく、特に50℃以上であることが好ましい。
なお、二種類以上(同種でも構わない)の混練機を用いることより均質に混合できるため好ましい。
得られた本発明のエポキシ樹脂組成物は粉状、もしくはフレーク状に粉砕した後、顆粒(小さな粒状)もしくは板状、もしくはタブレット状(円柱状)に圧力をかけ成型することにより本発明のエポキシ樹脂組成物の成型体が得られる。
このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物の成型体は−40〜40℃の間で保管可能であり、特にこの成型体での反応の進行を遅らせるため、−40〜25℃での保管が好ましい。一般にマレイミド樹脂は反応が遅いと言われているが、本発明のエポキシ樹脂組成物においては通常とは異なり反応が速いため、温度管理は重要となる。
得られた本発明のエポキシ樹脂組成物は、DSCにおける反応開始温度は50〜150℃であり、特に70〜140℃の範囲に入ることが好ましい。またその反応ピークトップの温度が130〜180℃の間であることが好ましく、またピーク終了温度が160〜220℃であることが好ましい。反応開始温度が早すぎる場合、成型時に十分な流動性が出づらいため、成型不良が起こりやすく、金型の端部の方のワイヤを変形させる等の問題が生じる。また、ピーク終了温度が高すぎる場合、硬化物が十分に固まらず未硬化となってしまうことから行程途中での再反応や駆動中に徐々に特性が変化してしまう、さらにはそのパフォーマンスを十分に出せない等の問題があるため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物のゲルタイム(樹脂が固まり始めるまでにかかる時間をいう。)はその成型の手法にもよるが175℃で15秒〜10分であることが好ましく、20秒〜5分がより好ましく、特に20秒〜3分が好ましい。圧縮成型等の成型方法を用いる場合は50〜10分に調整することが好ましい。ただし、生産性の問題からそのゲルタイムは200秒以下であることが好ましい。
なお、本発明に上記ゲルタイム内に成型物のIRチャートを比較した場合、マレイミド樹脂の二重結合部ピークが消失/もしくはほぼ消失しているように見えるレベルに小さくなっている)していることが確認できる。
以下に本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の作成方法について記載する。以下に限定はされないが、好ましい手法の事例となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般的には二段階で硬化させる。二段階の工程とは、金型内でゲル化成型する一段目の工程、脱型後、後硬化により二段目の反応を行う工程である。
金型にICチップを搭載したリードフレーム、もしくはパッケージ基板等を設置したものを用意し、一般的にはトランスファーモールディング/もしくはコンプレッション成型の手法を用いて金型内で一段目の硬化を行い、脱型した後、二段目で後硬化させる。
具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、シリコンチップの場合、100℃〜200℃、特に好ましくは150〜180℃、特に好ましくは160〜175℃の間で後硬化を行う。シリコンチップはあまり過度な温度をかけるとチップ自体に負荷がかかりすぎるため悪影響を及ぼすため好ましくない。特に175℃付近までの温度で取り扱うことが好ましい。なお、シリコンカーバイドやチッ化ガリウム等のチップの場合は170〜250℃となる。硬化時間は1〜10時間である。この時、ボイド等ができないようにベント等でガスを抜く、または真空にして空気等の気体を巻き込まないように、ガス対策を講じることが好ましい。このようにして半導体装置を得ることができる。
適用できる半導体装置としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、IC、LSIなどのパッケージであれば限定されず、たとえば、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)に有効である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
軟化点: JIS K 7234 に準拠
全塩素: JIS K 7243−3 (ISO 21672−3) に準拠
塩素イオン: JIS K 7243−1 (ISO 21672−1) に準拠
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
ガラス転移点(Tg):
TMA 熱機械測定装置:TAインスツルメンツ TQ400EM
昇温速度:2℃/min.
・吸水率
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
・吸湿率
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を85℃―85%、121℃―100% の各条件下で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
<難燃性試験>
・難燃性の判定:UL94に準拠。サンプルサイズは幅12.5mm×長さ150mmとし、厚さは0.8mmで試験を行った。
・残炎時間:5個1組のサンプルに10回接炎したあとの残炎時間の合計
実施例1
アルミカップを150℃のホットプレート上に載せ予め加温した中にNC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)3部を入れ溶融させ、ここにビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)7部を、少しずつ混ぜながら添加し、添加後、180秒かけて撹拌した後、あらかじめ用意しておいた、SUSプレート上に流し込み、本発明のエポキシ樹脂混合物(EPX−1)を得た。得られた樹脂混合物(EPX−1)は粉状に粉砕した。
得られた樹脂混合物(EPX−1)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ問題なく均一に溶解し、淡黄色の液体となった。
また、GPCで確認したところ、それぞれが混在している状態であり、その重合物は1%以下であった。軟化点は128℃(環球法)であり、ICIコーンプレート法による150℃における溶融粘度は0.12Pa・sであった。また得られた樹脂混合物(EPX−1)のエポキシ当量は902g/eq.であった。
参考例1
アルミカップを180℃のホットプレート上に載せ、予め加温した中にNC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)3部を入れ溶融させ、ここにビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)7部を、少しずつ混ぜながら添加し、添加後、180秒かけて撹拌したところ、徐々に粘度が上昇していくことを確認した。得られた参考用のエポキシ樹脂混合物(EPX−2)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ赤みががった薄褐色の溶液で一部溶解せずに白濁しており、ゲル化物が生成していることが確認できた。
実施例2
50℃と80℃に加温した二本ロールを用いて、NC−3000L(日本化薬製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 軟化点52℃)150部、ビス(マレイミドフェニル)メタン(ジアミノジフェニルメタンと無水マレイン酸でマレイミド化することで得られる。融点168℃)350部を60秒かけて混練し、板状の混合物(EPX−2)として取り出した。
得られた樹脂混合物(EPX−2)についてテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解したところ問題なく均一に溶解し、淡黄色の液体となった。
また、GPCで確認したところ、それぞれが混在している状態であり、その重合物は1%以下であった。軟化点は131℃(環球法)であり、ICIコーンプレート法による150℃における溶融粘度は0.11Pa・sであった。
得られたエポキシ樹脂混合物は粉砕によりフレーク状とした。
実施例3、比較例1〜3
実施例1で得られたエポキシ樹脂混合物(EPX−1)ないし比較用のエポキシ樹脂(EP1 : トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 日本化薬製 EPPN−502H、EP2 : ビフェニル-フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 日本化薬製 NC−3000)を、硬化剤(P−1:フェノールノボラック 明和化成工業製 H−1)(P−2: トリスフェノールメタン型フェノール樹脂 日本化薬製 KAYAHARD KTG−105)(P−3:、ビフェニル-フェノールアラルキル型 日本化薬製 KAYAHARD GPH−65)、硬化触媒(硬化促進剤)、無機充填剤、カップリング剤、離型剤を表1の割合(当量)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。試験結果を表1に示す。
(表1)
Figure 0006576001
表1より、本発明のエポキシ樹脂混合物を用いた硬化物は、比較例に比べて耐熱性が向上したにもかかわらず、電気特性は維持し、難燃性は向上していることが確認できる。


Claims (6)

  1. 二官能以上のエポキシ樹脂(A)と、二官能以上のマレイミド樹脂(B)とを含有するエポキシ樹脂混合物と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A)がオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有し、前記の二官能以上のマレイミド樹脂(B)がビス(マレイミドフェニル)メタン、ビス(テトラアルキル置換マレイミドフェニル)メタン、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有するものであり、
    前記エポキシ樹脂混合物が前記エポキシ樹脂(A)の含有量が樹脂総量に対して10〜90重量%であり、マレイミド樹脂の含有量が10〜90重量%であり、150℃におけるICI溶融粘度(コーンプレート法)が0.01〜0.9Pa・s、環球法における軟化点が50〜160℃であって、
    前記エポキシ樹脂混合物と硬化剤とを混合する前に、前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)を加熱混合する工程を有するエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物が、さらに無機フィラーを含有し、前記エポキシ樹脂混合物と前記無機フィラーの配合量が5:95〜35:65である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法
  3. 前記無機フィラーがシリカ、アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有し、かつその組成物において175℃におけるゲルタイムが15秒〜10分である請求項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法
  4. 前記硬化剤がフェノール樹脂型硬化剤である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法
  5. 前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)を50〜160℃の温度領域で加熱混合する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記エポキシ樹脂(A)と前記マレイミド樹脂(B)をニーダ、ロール混練器のいずれか一種を少なくとも用いて混合する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
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