JP2017206631A - 封止用樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
エポキシ化合物(A)と、
フェノール樹脂(B)と、
メラミンシアヌレート(C)と、を含有し、
前記エポキシ化合物(A)は、下記式(1)で示される部分構造(a)と、グリシジルエーテル基を少なくとも二つ有する部分構造(b)とを有するエポキシ樹脂(A1)、及び下記式(4)で示されるエポキシ樹脂(A2)の少なくとも一方であり、
前記フェノール樹脂(B)は、下記式(7)で示される部分構造(e)と、ヒドロキシル基を少なくとも二つ有する部分構造(f)とを有する。
次のようにして、封止用樹脂組成物である実施例1〜14、及び比較例1〜11を調製した。まず、後掲の表1に示す成分を配合し、ミキサーで均一に混合分散してから、ミキシングロールを使って約110℃で、約10分間加熱混練した。続いて、混練して得られた混合物を冷却してから粉砕した。これにより、得られた粉体を打錠することで、タブレット状の封止用樹脂組成物を得た。
・エポキシ樹脂A:日本化薬株式会社製、品番NC3500、エポキシ当量207、5%重量減少温度:384℃。式(5)で示される繰り返し単位(c)を有し、式(5)中、n=1である。
・エポキシ樹脂B:新日鉄住金化学株式会社製、品番TC−5500E−50A、エポキシ当量:194、5%重量減少温度:340℃。式(6)で示される繰り返し単位(d)を有し、式(6)中、n=1、m=1である。
・エポキシ樹脂C:株式会社プリンテック製、品番VG3101L、エポキシ当量210、5%重量減少温度:391℃。式(4)に示す構造を有する。
・エポキシ樹脂D:日本化薬株式会社製、品番EPPN502H、エポキシ当量167、5%重量減少温度:357℃。
・エポキシ樹脂E:日本化薬株式会社製、品番NC−3000、エポキシ当量275。5%重量減少温度:391。
・フェノール樹脂A:明和化成株式会社製、品番MEHC−7403H、水酸基当量136、5%重量減少温度:375℃。式(9)で示される繰り返し単位(h)を有し、式(9)中、n=1である。
・フェノール樹脂B:群栄化学株式会社製、品番TPM−100、水酸基当量98、5%重量減少温度:293℃。
・フェノール樹脂C:明和化成株式会社製、品番MEH−7851SS、水酸基当量203、5%重量減少温度:403℃。
・難燃剤A:メラミンシアヌレート、日産化学工業株式会社製、品番MC−4000(塩素含有量1ppm)。
・難燃剤B:メラミンシアヌレート、日産化学工業株式会社製、品番MC−6000(塩素含有量2ppm)。
・難燃剤C:メラミンシアヌレート、堺化学工業株式会社製、品番MC2010N(塩素含有量18ppm)。
・難燃剤D:ホスファゼン、株式会社伏見製薬所製、品番FP−100。
・難燃剤E:水酸化アルミニウム、昭和電工株式会社製、品番HP360STE。
・無機充填剤:球状溶融シリカ、電気化学工業株式会社製、品番FB910。
・硬化促進剤:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシ−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、品番2PHZ−PW。
・シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、品番KBM803。
・低応力化剤:東レ・ダウコーニング株式会社製、品番EP2601。
・離型剤:天然カルナバワックス。
・着色剤:カーボンブラック、三菱化学株式会社製、品番MA600。
封止用樹脂組成物を、株式会社神藤金属工業所製のトランスファ成型機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で成形してから、200℃で、4時間加熱した。これにより、幅10mm、長さ80mm、厚み4mmの寸法のテストピースを得た。
封止用樹脂組成物、及びテストピースに対し、次の評価試験を実施した。これらの結果は後掲の表に示す。
テストピースの動的粘弾性をJIS K 7244−3に準拠してセイコーインスツル株式会社製の「DMS6100」を用いて、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、の条件で測定し、その測定結果からtanδピーク温度をガラス温度として読み取った。
テストピースを125℃で6時間加熱することで乾燥させてから、室温まで冷却させた時の重量を測定し、その重量を「初期重量」とした。次に、大気雰囲気下200℃の乾燥機にそのテストピースを入れて、1000時間加熱処理を行った後、室温まで冷却させた。冷却後のテストピースの重量を測定し、その重量を「処理後重量」とした。これらの結果から、重量減少率を、下記の計算式に基づき算出した。
重量減少率(%)={(初期重量)−(処理後重量)}/(初期重量)×100
テストピースについて、UL94垂直法の規格に準拠し、難燃性試験を行った。難燃性試験の結果、V−0の燃焼性クラスを満たすものを「V−0」、V−0の燃焼性クラスを満たさないものを「×」とした。なお、難燃性の評価が「×」である、比較例1、4、7、10及び11は(4)〜(8)の評価を行っていない。
トランスファー成型機(株式会社神藤金属工業所製)を用いて、ASRM D 3123に基づいて作製されたスパイラルフロー専用金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で封止用樹脂組成物を注入し、封止用樹脂組成物が流動した長さを測定した。
キュラストメータ(株式会社テイエスエンジニアリング製)を用いて、封止用樹脂組成物を実温175℃で加熱しながらトルク値を測定した。このトルク値が4.9N/m(0.5kgf・cm)に達するまでの時間をゲルタイムとした。
封止用樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備え、半導体素子を備えないTO−3P型の半導体装置を作製した。半導体装置の作製時には、封止用樹脂組成物を175℃で2分間、成形してから、ポストキュアを200℃で4時間行った。この硬化物を低温時温度−65℃、高温200℃で保持時間15分の条件で1000時間実施した。その後、超音波映像装置(日立パワーソリューションズ株式会社製「FineSAT」)を用いて、処理をした半導体装置のリードフレームと封止用樹脂組成物との剥離を観察し、リードフレームと封止材との剥離が観察された時間を評価した。なお、リードフレームと封止用樹脂組成物との剥離が観察されなかったものは「1000<」とした。
上記温度サイクル試験と同様にTO−3P型の半導体装置を作成した。硬化物を高温200℃で1000時間、加熱処理した。その後、超音波映像装置を用いて、処理をした半導体装置のリードフレームと封止用樹脂組成物との剥離を観察し、リードフレームと封止材との剥離が観察された時間を評価した、なお、リードフレームと封止用樹脂組成物との剥離が観察されなかったものは「1000<」とした。
銅合金(株式会社神戸製鋼所製、品名KFC−H)製で部分的にAgめっき層を備えるリードフレームに半導体チップを搭載し、リードフレームと半導体チップとを金製のワイヤで接続した。続いて、封止用樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でトランスファ成型を行った。これにより、半導体装置としてDIP 16pinを製作した。この半導体装置に、130℃、85%RH、25Vの条件でバイアス有り高度加速ストレス試験(HAST)を200時間実施しながら、半導体装置の端子間の電気抵抗を測定し、電気抵抗の測定値の抵抗増加率が20%を超えるのに要した時間を測定した。
Claims (15)
- 前記封止用樹脂組成物に対する前記メラミンシアヌレート(C)の量は、0.01〜15質量%の範囲内である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 前記封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が230℃以上であり、
前記硬化物の大気雰囲気下200℃で1000時間処理時の重量減少率が0.5%以下であり、
前記硬化物は、その厚みが3.2mmである場合のUL94垂直法の規格でV−0の難燃性を満たす、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 前記エポキシ化合物(A)の5%重量減少温度が250℃以上であり、
前記エポキシ化合物(A)のエポキシ当量が100〜300の範囲内である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 前記フェノール樹脂(B)の5%重量減少温度が300℃以上であり、
前記フェノール樹脂(B)の水酸基当量が70〜200の範囲内である、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 金型温度が175℃、注入圧力が6.9MPa、硬化時間が120秒におけるスパイラルフロー長さは60cm以上である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 60秒以下のゲルタイムを有し、
前記ゲルタイムは、前記封止用樹脂組成物を攪拌しながら、175℃で加熱した場合にトルク値が0.5kgf・cmに達するまでの時間と定義される、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物。
- 半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止材と、を備え、
前記封止材は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物を含む、
半導体装置。
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