しかしながら、回折環撮像装置及び回折環読取装置へのイメージングプレートの取り付けを高精度に行わないと、回折環の中心位置(出射X線の光軸がイメージングプレートと交差する点の位置)は、イメージングプレートの取り付けごとに異なり、設定した回折環の中心位置が実際の中心位置と異なると、算出される残留応力の精度が悪くなるという問題がある。
本発明はこの問題を解消するためなされたもので、その目的は、回折環撮像装置及び回折環読取装置へのイメージングプレートの取り付けを高精度に行わなくても、回折環の中心位置を精度よく求めることができる回折環撮像装置を提供することにある。及び該回折環撮像装置で撮像した回折環を読み取る回折環読取装置において残留応力の測定精度を向上させることができる回折環読取装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、測定対象物に向けてX線を出射するX線出射器と、 中央にX線を通過させる貫通孔が形成されたテーブルと、テーブルに取り付けられて、中央部にてX線を通過させるとともに、測定対象物にて回折したX線を受光して、回折したX線による像である回折環を撮像するイメージングプレートとを備えた回折環撮像装置において、テーブルは、貫通孔の周囲にX線を透過させる複数の透過部を有し、イメージングプレートは、回折環が撮像される領域とは別の領域に、透過部を透過したX線による像を撮像し、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点は、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から算出可能にされている回折環撮像装置としたことにある。
これによれば、回折環撮像装置及び回折環読取装置へのイメージングプレートの取り付けを高精度に行わなくても、回折環読取装置にて透過部を透過したX線による像を読み取り、該読み取ったX線による像の中心点を算出すれば、これらの点は透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点であるので、これらの点から貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点を算出することができる。貫通孔の中心軸は出射X線の光軸と同一であるので、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点は回折環の中心位置である。すなわち、これによれば、回折環撮像装置及び回折環読取装置へのイメージングプレートの取り付けを高精度に行わなくても、回折環の中心位置を精度よく求めることができる。なお、透過部はX線を減衰させて通過させるものに加えX線を減衰させずに通過させるものも含むものとする。また、本発明においては、X線による像を撮像でき、円盤状のテーブルに取り付けと取り外しができるものは、呼び名が異なってもイメージングプレートに該当するものとする。
また、本発明の他の特徴は、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点を、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から算出可能にする方法として、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点に向かう位置ベクトルの方向に、別の透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点があり、位置ベクトルは互いに交差するものが複数あるようにしたことにある。
これによれば、透過部を透過したX線による像の中心点と、該中心点から見て回折環の中心位置方向にある別の透過部を透過したX線による像の中心点とを直線で結べば、該直線は交差するものが複数あり、該複数の直線が交差する点を回折環の中心位置とすることができるので、容易に回折環の中心位置を算出することができる。
また、本発明の他の特徴は、透過部のそれぞれは、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点の位置関係又は透過部のテーブルに平行な断面の形状から識別可能にされ、イメージングプレートにおける回転角度0のラインは、識別された透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から算出可能にされているようにしたことにある。
これによれば、透過部を透過したX線による像の中心点の位置関係、又は透過部を透過したX線による像の形状から透過部を識別し、識別した透過部を透過したX線による像の中心点から、イメージングプレートの回転角度0のラインを算出することができるので、回折環の形状から算出する残留応力の精度を高精度にすることができる。なお、イメージングプレートの回転角度0のラインとは、回折環撮像装置を測定対象物に対して予め設定した位置と姿勢にしたとき、出射X線の光軸とX線照射点における測定対象物の法線とが含まれる平面がイメージングプレートと交差するラインである。
また、本発明の他の特徴は、透過部を識別し、イメージングプレートにおける回転角度0のラインを、識別された透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から算出可能にする方法として、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点と、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点とを結んだ線分の1つの長さは、他の線分の長さと異なっており、長さが異なる線分は、イメージングプレートにおける回転角度0のラインに含まれるようにしたことにある。
これによれば、透過部を透過したX線による像の中心点から回折環の中心位置を算出し、該算出した中心位置からそれぞれの透過部を透過したX線による像の中心点までの距離を算出すれば、該算出した距離が他と異なっているX線による像の中心点と回折環の中心位置とを通るラインが回転角度0のラインになるので、容易に回転角度0のラインを算出することができる。
また、本発明の他の特徴は、透過部を識別し、イメージングプレートにおける回転角度0のラインを、識別された透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点から算出可能にする方法として、貫通孔の中心軸がイメージングプレートと交差する点から、透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点に向かう位置ベクトルの方向に、別の透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点がある位置ベクトルが1つあり、1つの位置ベクトルはイメージングプレートにおける回転角度0のラインに含まれるようにしたことにある。
これによれば、透過部を透過したX線による像の中心点から回折環の中心位置を算出し、該算出した中心位置からそれぞれの透過部を透過したX線による像の中心点に向かう位置ベクトルを算出すれば、該算出した位置ベクトルの方向の中に別のX線による像の中心点があるものがあり、その位置ベクトルが含まれるラインが回転角度0のラインになるので、容易に回転角度0のラインを算出することができる。なお、位置ベクトルが含まれるラインから別の透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点がやや離れてある場合であっても、位置ベクトルの1つを他の位置ベクトルと識別することができれば、位置ベクトルの方向に、別の透過部の中心軸がイメージングプレートと交差する点があるとみなす。
また、本発明の他の特徴は、上記の回折環撮像装置により撮像された回折環及び透過部を透過したX線による像を読み取る回折環読取装置において、透過部を透過したX線による像の形状から、イメージングプレートのテーブルへの取り付け状態の良否を判定する判定手段を備える回折環読取装置としたことにある。
これによれば、回折環撮像装置のテーブルへのイメージングプレートの取り付けにおいて、異物等の影響によりイメージングプレートの平面がテーブルの平面に対して傾いていたり歪んでいる場合、透過部を透過したX線による像の形状は、該2つの平面が平行である場合と異なるので、透過部を透過したX線による像の形状から、イメージングプレートの取り付けの良否を判定し、取り付けが正常でないと判定された場合は、回折環の撮像をやり直すことができる。すなわち、この回折環読取装置によれば、正常な取り付け状態で撮像された回折環のみから残留応力の計算を行うことができるので、残留応力の測定精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る回折環撮像装置の構成について図1乃至図5を用いて説明する。図1は、回折環撮像装置の全体構成図であり、図2は回折環撮像装置本体の部分断面図であり、図3は回折環撮像装置本体を回折環撮像装置本体の中心軸方向から見た図であり、図4及び図5は回折環撮像装置本体の1部分を拡大した断面図である。この回折環撮像装置は測定対象物OBである配管の内部側面にX線を照射し、発生した回折X線により回折環を撮像するものである。撮像された回折環は、回折環撮像装置本体からイメージングプレートを取り外し、回折環読取装置にセットすることで読み取られるが、回折環読取装置については後述する。
図1に示すように、回折環撮像装置1は、回折環撮像装置本体5、高電圧電源6及びコンピュータ装置90等から構成され、回折環撮像装置本体5を測定対象物OBである配管の内部に挿入し、配管内部側面の測定箇所にX線を照射してイメージングプレート15に回折環を撮像するものである。配管はX線が照射されたときイメージングプレート15に回折環が撮像されるものであれば、どのような材質のものでもよい。回折環撮像装置本体5を配管の内部に挿入し、その後配管の内部から取り出すためには、挿入用治具3を回折環撮像装置本体5に取り付け、配管の中心軸方向に押し引きができるようにする。また、回折環撮像装置本体5を配管内部で位置と姿勢を設定通りにするためには、押し当て治具4を回折環撮像装置本体5にセットし、回折環撮像装置本体5を配管の中心軸方向の垂直方向に押すようにする。これらの治具については後述する。
図2に示すように、回折環撮像装置本体5においては、円筒状のホルダ7の内部にX線出射器10がセットされ、セットされると図示していない位置決め部材によりホルダ7の中心軸とX線出射器10の中心軸とは略一致し、X線出射器10の出射口11から出射されるX線の光軸は、ホルダ7の側面の1箇所に開けられた孔7aの中心軸と略一致する。X線出射器10の出射口11から出射されるX線の光軸は、X線出射器10の中心軸(ホルダ7の中心軸)と55°の角度をなし、ホルダ7の側面に開けられた孔7aの中心軸もホルダ7の中心軸に対し55°の角度をなしている。円筒状のホルダ7の図2の右側を前部、左側を後部とすると、円筒状のホルダ7の後部側面には雄ねじが切られており、雌ねじが内側に切られた上蓋8を捻じ込むことができるようになっていて、ホルダ7にX線出射器10をセットし上蓋8をホルダ7に捻じ込むと、X線出射器10はホルダ7内で固定される。また、上蓋8は中心に孔8aが開けられており、X線出射器10に高電圧を供給するための端子10aがホルダ7の外部に出るようになっている。端子10aにはケーブル9が接続され、ケーブル9は高電圧電源6の端子にも接続され、高電圧電源6からX線出射器10に、X線を出射するための高電圧の電力が供給されるようになっている。
図1に示すコンピュータ装置90は、コントローラ91、入力装置92及び表示装置93からなる。コントローラ91は、CPU、ROM、RAM、大容量記憶装置などを備えたマイクロコンピュータを主要部とした電子制御装置であり、大容量記憶装置に記憶された各種プログラムを実行し、回折環撮像の制御を行う。入力装置92は、作業者が各種パラメータ、作動指令などを入力するためのものであり、表示装置93は、作業者に対して各種の設定状況、作動状況などを視覚的に知らせるためのものである。
高電圧電源6は内部に制御回路を備え、コントローラ91からX線出射の指令が入力すると、X線出射器10に設定された強度の電力を供給し、コントローラ91から停止指令が入力すると、供給している電力を停止する。コントローラ91には、入力装置92から回折環撮像の指令が入力すると高電圧電源6にX線出射の指令を出力し、設定された時間が経過した後停止指令を出力するプログラムがインストールされている。よって、作業者が回折環撮像装置本体5を配管内部で位置決めした後、入力装置92から回折環撮像の指令を入力すれば、設定時間が経過した後イメージングプレート15には回折環が撮像されている。
図2に示されたA方向から回折環撮像装置本体5を見た図が図3である。図1、図2及び図3に示すように、円筒状のホルダ7には囲いブロック12が固定されている。囲いブロック12は台形状のブロックの上面と下面において面積が小さい面(以下、この面を下面といい、反対側の面を上面という)を円筒状のホルダ7の前部側にし、側面において90度の角度をなす側面からなる辺がある箇所を2箇所で上面から下面に向けて切り落とした形状をしている。また、囲いブロック12は台形状のブロックの上面と下面を垂直に貫くようにホルダ7を挿入するための孔12eが開けられ、台形状のブロックの斜面12gの先端には突出部24が設けられ、該突出部24には回転軸方向が孔12eの中心軸方向に垂直で斜面12gに平行になっているローラー13が取り付けられている。囲いブロック12の孔12eの側面には孔12eの中心軸と垂直を成す中心軸の孔12cが開けられており、孔12eにホルダ7を挿入し、ホルダ7の側面に作成されたねじ切り孔7bと囲いブロック12に開けられた孔12cとを合わせて、ねじ23を締め込むことにより囲いブロック12はホルダ7に固定される。図3に示すように、ねじ23を締め込む箇所は、回折環撮像装置本体5をその中心軸方向に見た場合互いに90度の角度を成す3箇所であり、該3箇所のそれぞれは、図1及び図2に示すように回折環撮像装置本体5の中心軸方向と平行な2つの箇所でねじ23を締め込むようになっている。
囲いブロック12の斜面12gは孔12eの中心軸に対して35°の角度をなしており、孔12eの中心軸はX線出射器10およびホルダ7の中心軸と一致しているので、斜面12gはX線出射器10およびホルダ7の中心軸と35°の角度を成している。そして、上述したように出射口11から出射されるX線の光軸及びホルダ7の孔7aの中心軸は、X線出射器10およびホルダ7の中心軸と55°の角度をなしているので、斜面12gは出射されるX線の光軸及びホルダ7の孔7aの中心軸に対して垂直になっている。
図1及び図2に示すように、円筒状のホルダ7には囲いブロック27も固定されている。囲いブロック27は、図2に示されたA方向から見ると、平面形状は図3に示す囲いブロック12と同じである薄い直方体状のブロックである。言い換えると、囲いブロック27は、囲いブロック12の上面から孔12eの中心軸方向に所定の幅の箇所を孔12eの中心軸に垂直な方向に切り落とした形状である。囲いブロック27にも、ホルダ7を挿入するための孔が開けられ、図2に示されたA方向から見て同じ位置に突出部24と同じ形状の突出部30が設けられ、突出部30には、突出部24に取り付けられたローラー13と同じ形状で同じ回転軸方向のローラー28が取り付けられている。囲いブロック27のホルダ7を挿入するための孔の側面にも該孔の中心軸と垂直を成す中心軸の孔27bが開けられており、該孔にホルダ7を挿入し、ホルダ7の側面に作成されたねじ切り孔7cと囲いブロック27に開けられた孔27bとを合わせて、ねじ29を締め込むことにより囲いブロック27はホルダ7に固定される。ねじ29を締め込む箇所は、図2に示されたA方向から見た場合、囲いブロック12のねじ23を締め込む位置と同じ3箇所である。
図1、図2及び図3に示すように、囲いブロック12の上面の突出部24がある側の2つの角は、上面から下面に向けて小さく切り取られた切取面12fが形成され、切取面12fのそれぞれには、別の突出部25が設けられている。これらの突出部25も囲いブロック12の孔12eの中心軸方向に垂直で切取面12fに平行な方向の回転軸を有するローラー26を備え、2つの突出部25はローラー26を含めて形状及び大きさが同一になっている。また、突出部25は囲いブロック12に開けられた円柱状の穴の底面に固定されたばねの先端に固定され、力を加えると突出した長さが変化するようになっており、突出した長さの変化とばねが突出部25を押す力の関係は、2つの突出部25で同じになっている。また、図1及び図2に示すように囲いブロック27にも、突出部25と同じ形状で同じしくみの突出部31が、図2のA方向から見ると平面上は同一の位置になるよう2箇所に設けられており、取り付けられているローラー32は突出部25のローラー26と同じ形状で同じ回転軸方向である。
測定対象物OBである配管内部に挿入した回折環撮像装置本体5に対し、回折環撮像装置本体5の中心軸から突出部24及び突出部30の方向に向けて力を加えると、突出部24と突出部30のローラー13とローラー28は配管内部の側面に接触するが、このとき2つの突出部25と2つの突出部31にかかる力は同一になろうとするので、2つの突出部25と2つの突出部31の長さは同一になる。これにより、回折環撮像装置本体5の中心軸から突出部24及び突出部30に向かう方向は、ローラー13及びローラー28が接触している配管内部の側面と垂直になる。すなわち、配管の径によらず、ローラー13及びローラー28が接触している配管内部の側面に対する回折環撮像装置本体5の位置及び姿勢を一定にすることができる。これは、X線が照射される配管内部の側面に対する回折環撮像装置本体5の位置及び姿勢が一定になることである。
図1、図2及び図3に示すように、囲いブロック12の斜面12gにはイメージングプレート15が取り付けられる構造になっている。斜面12gの箇所の構造を拡大して示したものが図4の断面図である。図4に示されるように、囲いブロック12は斜面12gに垂直な孔12aが孔12eに向かって開けられており、囲いブロック12をホルダ7に固定すると、孔12aの中心軸はX線出射器10から出射されるX線の光軸および孔7aの中心軸と一致する。ホルダ7の孔7aは、X線出射器10の出射口11から出射されたX線が通過する孔であるので、出射されたX線は孔12aに入る。斜面12gには、出射されたX線を通過させるための円筒状パイプ14が中心部に固定されたテーブル17が、ねじ19を締め込むことにより固定されており、円筒状パイプ14の中心軸は孔12aの中心軸と一致する。これにより、出射されたX線は円筒状パイプ14の内部に入射して反対側から出射する。円筒状パイプ14の両端の内部には通路部材21,22が固定されており、通路部材21,22の中心軸には微小な径の孔21a,22aが開けられている。X線出射器10から出射されたX線は出射方向に拡がるX線であるが、円筒状パイプ14に入射して反対側から出射することで、円筒状パイプ14の中心軸と同一の光軸を有する略平行なX線となり、測定箇所に照射される。回折環撮像装置本体5を測定対象物OBである配管内部で位置決めすると、X線出射器10およびホルダ7の中心軸は配管内部の中心軸と平行になり、円筒状パイプ14の中心軸はX線出射器10から出射されるX線の光軸及び孔7a,孔12aの中心軸と一致しているので、X線は測定箇所に35°の入射角で照射される。
テーブル17を斜面12gに取り付けるには、斜面12gに形成されたねじが切られた孔12dと、テーブル17に開けられた孔17dとを合わせ、孔17dにねじ19を挿入して孔12dに締め込めばよい。孔12dは、孔12aの中心軸方向に見ると90°間隔で4箇所に作成されており、テーブル17の孔17dもこれに合うように作成されているので、ねじ19は4箇所において締め込まれる。なお、斜面12gの先端にある突出部24へのローラー13の取り付けは、突出部24に直方体状の凹部12bを作成し、凹部12bに囲いブロック12の上面に平行で孔12eの中心軸に垂直な方向に溝を作成し、その溝にローラー13の回転軸を入れて、溝を埋めることで行われる。突出部30へのローラー28の取り付け、突出部25へのローラー26の取り付け、及び突出部31へのローラー32の取り付けは、すべて同じ方法で行われる。
図5は、テーブル17の中心部(円筒状パイプ14が固定された箇所)を拡大して示した断面図である。図5に示すように、テーブル17は、中心部に後述する円盤状治具16を取り付けるための円柱状の凸部17aが形成されており、凸部17aは側面にねじが切られている。囲いブロック12の斜面12gへのイメージングプレート15の取り付けは、イメージングプレート15を円盤状治具16に取り付け、円盤状治具16をテーブル17に取り付けることで行われる。以下、取り付けの順に説明する。円盤状治具16は平面で見ると、テーブル17と同じ形状をしており、図5に示すように中心部にイメージングプレート15を取り付けるための円柱状の凸部16aが形成されており、凸部16aは側面にねじが切られている。イメージングプレート15の中心に形成された孔を凸部16aに挿入し、内側にねじが切られた固定具18を凸部16aの側面にねじ込んで締め付けることによりイメージングプレート15は、円盤状治具16に取り付けられる。凸部16aの中心軸周りには、凸部17aより大きい径の孔16dが開けられており、固定具18には孔16dと同程度の径の孔18aが開けられているので、この後、円盤状治具16を孔16dと孔18aに円筒状パイプ14を通し、凸部17aを孔16dに挿入するようにしてテーブル17と合わせる。このとき、図4に示すように、テーブル17の外周には凹部17cが形成され、円盤状治具16の外周には凸部16cが形成されているので、この箇所を合わせるようにすれば、円盤状治具16の面とテーブル17の面を密着させることができる。また、後述するテーブル17の透過部17bと円盤状治具16の孔16bとの位置を合わせることができる。この後、固定具18の外径と同程度の径の円盤状部20bと孔16d,孔18aよりやや小さい径の円筒状部20aからなる固定具20の円筒状部20aを、円盤状部20bに形成された孔20cに円筒状パイプ14を挿入した後、固定具18の孔18aから挿入する。そして、円筒状部20aの内側に形成されたねじをテーブル17の凸部17aのねじにねじ込んで締め付けることにより、円盤状治具16はテーブル17に取り付けられる。
図4及び図5に示すようには、テーブル17には微小な径の穴である透過部17bが形成され、円盤状治具16には、テーブル17に円盤状治具16を取り付けたとき透過部17bがある箇所に孔16bが開けられている。X線出射器10から出射されたX線は出射方向に拡がるX線であるため、囲いブロック12の孔12aに入射したX線は円筒状パイプ14の周囲のテーブル17の面に照射される。透過部17bの先端はテーブル17の面まで達しておらず、テーブル17の面に照射されたX線はテーブル17を透過して透過部17bの先端に達するまでに減衰する。そして減衰したX線は、透過部17bの穴を通過し、円盤状治具16の孔16bも通過してイメージングプレート15の裏面に照射される。図6はテーブル17に取り付けられたイメージングプレート15を円筒状パイプ14の中心軸方向(出射X線の光軸方向)に見て、孔16b及び透過部17bを点線で示した図である。図6に示すように孔16b及び透過部17bは円筒状パイプ14の中心軸周りに90°間隔で4箇所作成されている。図7は、X線出射器10から測定対象物OBに向けてX線を照射したとき、イメージングプレート15に形成されるX線の像を示した図であるが、図7に示すように、イメージングプレート15には測定対象物OBで発生する回折X線により形成される回折環Dと、透過部17b、孔16bを通過してイメージングプレート15に裏面から照射されるX線による像が形成される。なお、透過部17bの径及び先端の位置は、イメージングプレート15に回折環を撮像するとき透過部17bから出射するX線が適切な強度になるよう、言い換えると透過部17bを透過したX線による像を後述する回折環読取装置2で読み取る際、適切な強度が検出されるよう設定される。
テーブル17に作成されている透過部17bの位置は、4つの透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点を四角形の頂点とすると、該四角形の対角線が交差する点が円筒状パイプ14の中心軸(出射X線の光軸)がイメージングプレート15と交差する点になるようになっている。よって、図7に点線で示すように、イメージングプレート15に裏面から照射されるX線による像(以下、裏面X線照射像という)において、イメージングプレート15の中心に対して点対称にある裏面X線照射像の中心点同士を線で結んだときの交差点Ceを算出することで、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点、すなわち回折環の中心位置を算出することができる。これにより、イメージングプレート15の円盤状治具16への取り付け、円盤状治具16のテーブル17への取り付け、及び後述する回折環読取装置2への円盤状治具16の取り付けにおいて、取り付け位置が変動しても常に回折環の中心位置を精度よく算出することができる。
また、図6に示すように、4つの透過部17bの1つは円筒状パイプ14の中心軸(出射X線の光軸)からの距離が、他の3つとは異なっている。そして、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点(回折環の中心)と該4つの透過部17bの1つの中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを通るラインは、円筒状パイプ14の中心軸(出射X線の光軸)とホルダ7の中心軸(X線出射器10の中心軸)とを含む平面がイメージングプレート15と交差するラインになっている。また、図3に示すよう、回折環撮像装置本体5を測定対象物OBである配管内部で位置決めしたとき、ホルダ7の中心軸(X線出射器10の中心軸)は配管内部の中心軸と平行であり、ホルダ7の中心軸と突出部24のローラー13が配管側面と接触する点を含む平面は、配管内部の側面と垂直に交差する。また、該平面は円筒状パイプ14の中心軸(出射X線の光軸)を含んでいる。すなわち、回折環撮像装置本体5を測定対象物OBである配管内部で位置決めしたとき、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点(回折環の中心)と該4つの透過部17bの1つの中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを通るラインは、出射X線の光軸とX線照射点の箇所の法線とを含む平面がイメージングプレート15と交差するラインである。別の言い方をすると、回折環撮像装置本体5を測定対象物OBである配管内部で位置決めしたとき、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点(回折環の中心)と該4つの透過部17bの1つの中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを通るラインは、イメージングプレート15の回転角度0のラインである。
よって、図7に示すように裏面X線照射像の中心点同士を線で結んだときの交差点Ceから、それぞれの裏面X線照射像の中心点までの距離を算出して、最も大きい距離R1を抽出すれば、回折環の中心位置に加えて回転角度0のラインも算出することができる。これにより、後述する回折環読取装置2で回折環を読み取った後、回折環の形状から残留応力を算出する際、精度のよい残留応力を算出することができる。
回折環撮像装置本体5を配管内部の目的とする測定箇所にX線が照射されるよう位置決めするには、図8に示す挿入用治具3を図1に示すように回折環撮像装置本体5の囲いブロック27に取り付け、押し当て治具4を斜面12gの反対側にあるホルダ7の囲いブロック12と囲いブロック27の間に取り付けたうえで、回折環撮像装置本体5を配管内部に挿入すればよい。挿入用治具3は図8に示すように取っ手60に伸縮パイプ61が取り付けられ、伸縮パイプ61の先端に円盤状部62と円柱状部63があり、円柱状部63の側面はねじが切られた構造をしている。伸縮パイプ61は伸縮するポインターペンのように、径の大きなパイプに径の小さなパイプを入出させることで全体の長さを変化させることができるものであり、配管の入り口の縁と取っ手60が接触したとき、X線が照射される箇所が丁度目的とする測定箇所になるよう適切な長さに調整することができる。円柱状部63の側面に切られたねじは図2に示すように囲いブロック27に形成されたねじが切られた穴27aにねじ込むことができ、円盤部62下面が囲いブロック27の上面と密着するまで円柱状部63をねじ込んで締め付けることで、挿入用治具3は回折環撮像装置本体5に取り付けられる。
押し当て治具4は図9に示すように、直方体状の固定部65と固定部65が内部に入るスペース69bを作成した収納部69とを伸縮棒68で連結し、伸縮棒68が伸縮することで、図9における固定部の左端と収納部69の右端との間の距離を変化させることができるようにしたものである。固定部65には2箇所に伸縮棒68の端部68aよりやや径の大きな穴65aが開けられ、穴65aには、ばね66が入れられたうえで伸縮棒68が入れられ、穴65aの出口は伸縮棒68の断面径よりやや大きな径の孔が開けらた蓋67が固定されている。これにより伸縮棒68は図9の位置より右側には移動せず、図9の左方向に力を加えるとばね66が縮むことで左側に移動する。伸縮棒68の端部68aの反対側の端部は収納部69のスペース69b内で収納部69と連結しており、収納部に図9の左方向の力を加えると、ばね66が縮むことで左側に移動する。そしてばね66は縮むことにより弾性力が発生し、収納部69を図9の右側へ、固定部65を図9の左側へ押す力が発生する。収納部69の図9の右端付近には、3箇所に直方体状の孔69aが開けられ、それぞれの孔69aには軸方向が図9の紙面垂直方向のローラー70の回転軸が固定されている。固定部65には、収納部69を最大限固定部65側に移動させてもローラー70が接触しないよう直方体状の凹部65bが形成されている。
このように作成されている押し当て治具4の固定部65を図1に示すように囲いブロック12と囲いブロック27との間に挟むようにセットし、収納部69を固定部65の方向に押して押し当て治具4の図9における左右の幅を小さくして、測定対象物OBである配管内部に入れる。このようにすると、ばね66の弾性力により回折環撮像装置本体5はホルダ7の中心軸から突出部24,30の方向に力がかかり、押し当て治具4の収納部69は、これとは反対方向に力がかかる。これにより、囲いブロック12のローラー13,26、囲いブロック27のローラー28,32、及び押し当て治具4のローラー70は、接触している測定対象物OBである配管側面の垂直方向に配管側面を押し、回折環撮像装置本体5は測定対象物OBである配管内部で位置決めされる。そして、上述したように、突出部24、突出部30のローラー13、ローラー28が配管内部の側面に接触し、2つの突出部25と2つの突出部31にかかる力は同一になろうとして、2つの突出部25と2つの突出部31の長さは同一になるので、配管の径によらず、回折環撮像装置本体5のローラー13、ローラー28が接触した配管側面に対する位置及び姿勢は一定になる。言い換えると、X線照射箇所の配管側面に対する位置及び姿勢は一定になる。よって、回折環撮像装置本体5に挿入用治具3を取り付け、押し当て治具4をセットし、挿入用治具3の長さを適切な長さにし、押し当て治具4の伸縮する方向の幅を小さくして回折環撮像装置本体5を配管内部に入れ、挿入用治具3を押して回折環撮像装置本体5を希望する測定箇所まで移動させれば、回折環撮像の準備は完了する。
イメージングプレート15に回折環が撮像された後、作業者は挿入用治具3を引くことで回折環撮像装置本体5を配管の外部に出すことができる。この後、作業者は図4及び図5に示される固定具20を、締め込む方向とは反対方向に回して取り外すことで円盤状治具16を取り外し、図10に示す回折環読取装置2にイメージングプレート15が下側になるよう円盤状治具16をセットする。図10に示す回折環読取装置2は、先行技術文献の特許文献2に示される回折環読取装置を改良したものであり、特許文献2に示される回折環読取装置が回折環撮像装置本体5をそのままセットするものであるのに対し、図10に示す回折環読取装置2は回折環撮像装置本体5からイメージングプレート15取り付けの円盤状治具16を取り外してセットするものである。以下、特許文献2に示される回折環読取装置と構成が同じ箇所は簡略的に説明するにとどめる。
コンピュータ装置90は、回折環撮像装置1のコンピュータ装置90と同様のものであり、回折環撮像装置1のコンピュータ装置90をそのまま用いても、別のコンピュータ装置90を用いてもよい。コンピュータ装置90は、大容量記憶装置に記憶された各種プログラムを実行し、X線による像の読み取りの制御及び読み取ったX線による像を用いた演算処理を行う。表示装置93は、各種の設定状況、作動状況に加えて残留応力等、演算処理の結果を表示する。
基台56上にあるステージ移動機構50は、スピンドルモータ57を取り付けた移動ステージ51を図10の左右方向に移動させるものであり、固定ブロック55に固定されたフィードモータ52が回転してスクリューロッド53及び軸受部54が回転することで、移動ステージ51を移動させる。スピンドルモータ57の出力軸58の先端は、固定具20の円盤状部20bと同じ大きさと形状の円盤状部分と、円盤状治具16の孔16dより僅かに小さい径の円柱状部分からなるセット部58aが形成されており、円盤状治具16の孔16dを該円柱状部分に挿入することで円盤状治具16をセットすることができるようになっている。円盤状治具16は取り付けたイメージングプレート15が下向きになるようにセットし、セット部58aの円柱状部分の長さは固定具20の円筒状部20aの長さより短くなっているので、セットしたとき円盤状治具16の孔16dの箇所にはくぼみができる。このくぼみにくぼみの深さより長さが僅かに小さく、孔16dより径が僅かに小さい円柱状部分と、孔16dより大きな径の円柱状部分からなるキャップ59を差し込む。これにより、円盤状治具16はイメージングプレート15を下向きにしてセット部58aに固定される。そして、移動ステージ51の移動方向は、セット部58aにセットされたイメージングプレート15の半径方向であるが、イメージングプレート15の中心(スピンドルモータ57の出力軸58の中心軸がイメージングプレート15と交差する点)が移動するライン上に、後述するレーザ検出装置30から照射されるレーザ光の照射点が形成される。
フィードモータ52内には、エンコーダ52aが組み込まれており、エンコーダ52aはフィードモータ52が回転するとパルス列信号を位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73へ出力する。位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73は、コントローラ91からの指令により作動し、エンコーダ52aから入力するパルス列信号を用いて、コントローラ91から入力した移動位置へ移動ステージ51を移動させる制御と、設定された速度で指令した方向に移動ステージ51を移動させる制御を行う。また、位置検出回路72は、フィードモータ52の後述するレーザ検出装置30側の移動限界位置を移動位置0にして、コントローラ91に移動位置のデジタルデータを出力する。コントローラ91には、移動位置が0のときの、後述するレーザ検出装置30から照射されるレーザ光の照射位置のスピンドルモータ57の中心軸(イメージングプレート15の中心)からの距離r0が記憶されており、コントローラ91は、r0に移動位置を加算することで、イメージングプレート15におけるレーザ光の照射半径位置を取得することができる。
レーザ検出装置35は支持台48上に固定され、イメージングプレート15に集光したレーザ光を照射し、イメージングプレート15から発光した光の強度を検出するものである。レーザ検出装置35は、レーザ光源36、コリメートレンズ37、反射鏡38、ダイクロイックミラー39、及び対物レンズ40等を備えた光ヘッドであり、光ディスクの記録再生に用いられるものと同様の構造である。レーザ駆動回路77はコントローラ91から指令が入力すると、フォトディテクタ46から入力する、集光レンズ45を介してフォトディテクタ46が受光したレーザ光の強度に相当する信号の強度が、所定の強度になるようレーザ光源36に駆動信号を出力し、レーザ光源36からは一定強度のレーザ光が出射される。コリメートレンズ37はレーザ光を平行光にし、反射鏡38はレーザ光をダイクロイックミラー39に向けて反射し、ダイクロイックミラー39は入射したレーザ光の僅かを集光レンズ45に向けて反射させるが大半をそのまま透過させ、対物レンズ40は、レーザ光をイメージングプレート15の表面に集光させる。対物レンズ40には、フォーカスアクチュエータ41が組み付けられており。後述するフォーカスサーボにより、イメージングプレート15の縦方向位置が変化しても、また、イメージングプレート15の表面が完全な平坦でなくても、レーザ光の焦点は常にイメージングプレート15の表面に合致する。
集光されたレーザ光が、X線により形成された像に照射されると、輝尽発光(Photo−Stimulated Luminesence)現象が生じ、形成された像のX線の強度に応じた光が発生する。この輝尽発光により発生した光はレーザ光の波長よりも波長が短く、レーザ光の反射光と共に対物レンズ40を通過するが、ダイクロイックミラー39にて大部分が反射し、レーザ光の反射光は大部分が透過する。ダイクロイックミラー39で反射した光は、集光レンズ42、シリンドリカルレンズ43を介してフォトディテクタ44に入射する。フォトディテクタ44は、4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子からなり、4つの受光信号(a,b,c,d)を増幅回路78に出力する。なお、シリンドリカルレンズ43は非点収差を生じさせるためにある。
増幅回路78、フォーカスエラー信号生成回路79、フォーカスサーボ回路81及びドライブ回路82は、レーザ光の焦点を常にイメージングプレート15の表面に合致させる非点収差法によるフォーカスサーボを行うが、これは光ディスクの記録再生において行われる非点収差法によるフォーカスサーボと同一である。また、SUM信号生成回路80は、入力した4つの受光信号を合算したSUM信号をA/D変換器83に出力し、A/D変換器83は入力したSUM信号の瞬時値を設定された時間間隔でデジタルデータに変換してコントローラ91に出力する。SUM信号の強度は、輝尽発光により発生した光の強度に相当し、イメージングプレート15に形成された像のX線の強度に相当する。コントローラ91は上述した移動位置のデジタルデータを取り込むのと同じタイミングで、入力したSUM信号の瞬時値のデジタルデータを取り込む。
スピンドルモータ57内には、エンコーダ57aが組み込まれており、エンコーダ57aはスピンドルモータ57が回転するとパルス列信号を回転角度検出回路75及びモータ制御回路74へ出力する。また、エンコーダ57aはスピンドルモータ57の1回転ごとにインデックス信号を回転角度検出回路75へ出力する。モータ制御回路74は、コントローラ91からの指令により作動し、エンコーダ57aから入力するパルス列信号を用いて、設定された速度でスピンドルモータ57が回転する制御を行う。また、回転角度検出回路72は、コントローラ91からの指令により作動し、インデックス信号が入力したときを回転角度0として入力するパルス列信号から回転角度を算出し、コントローラ91に回転角度のデジタルデータを出力する。コントローラ91は、上述した移動位置のデジタルデータとSUM信号の瞬時値のデジタルデータを取り込むのと同じタイミングで、入力した回転角度のデジタルデータを取り込む。これにより、コントローラ91には移動位置、回転角度、SUM信号の瞬時値(形成された像のX線強度)のデータが記憶される。これは、図7に示す回折環Dと4つの裏面X線照射像のX線強度分布データが取得されるということである。
コントローラ91は、回折環Dと4つの裏面X線照射像のX線強度分布データを取得すると、上述したように回折環の中心と回転角度0のラインを算出し、回折環の形状として回転角度ごとのX線強度のピーク点の半径値データ群を算出する。得られた半径値データ群は、回折環の中心及び回転角度0のラインとも回折環読取装置2に定められたものであるので、次に、算出した回折環の中心と回転角度0のラインを用いて正規の半径値データ群を算出する。そして、得られた正規の半径値データ群からcosα法による演算を行い残留応力を算出する。この計算方法は公知技術であり、例えば先行技術文献の特許文献1に詳細に説明されている。なお、残留応力の計算において必要な、X線照射点からイメージングプレート15までの距離及びX線照射点におけるX線の入射角は、配管内部のX線照射箇所の側面に対する回折環撮像装置本体5の位置及び姿勢が一定になるようにされているので、一定の値である。この値は、囲いブロック12の設計上の構造から計算することができる。また、配管内部に金属粉を糊塗して撮像したときの回折環の半径及び回折環の円周方向におけるピーク点のX線強度の変化曲線又は半価幅の変化曲線から算出することもできる。この方法は、特許第5967491号公報で詳細に説明されている。
また、レーザ検出装置35には対物レンズ40に隣接して、LED光源47が設けられており、LED光源47は、LED駆動回路84から駆動信号が入力すると、可視光を発して、イメージングプレート15に形成されたX線による像を消去する。LED駆動回路84は、コントローラ91から指令が入力すると、LED光源47に所定の強度の可視光を発生させるための駆動信号を出力する。コントローラ91は、移動ステージ51が図10の右方向の所定位置まで移動したと判定すると、レーザ駆動回路77とLED駆動回路84に指令を出力してレーザ光照射の停止とLED光の照射を行い、フィードモータ制御回路73に指令を出力して、移動ステージ51を図10の左方向に移動させる。これにより、イメージングプレート15に形成された回折環Dと4つの裏面X線照射像は消去される。
作業者は、回折環読取装置2に回折環撮像装置本体5から取り外したイメージングプレート15取り付けの円盤状治具16をセットした後、入力装置92から読み取り開始の指令を入力すると、コントローラ91は各回路に指令を出力し、上述したように、X線による像のX線強度分布データの取得、回折環の中心と回転角度0のラインの計算、cosα法による残留応力の計算及び回折環Dと裏面X線照射像の消去が連続して行われる。そして、表示装置93には残留応力の計算結果、回折環のX線強度分布図等が表示され、移動ステージ51は円盤状治具16をセットしたときと同じ位置に戻り、スピンドルモータ57の回転は停止するので、作業者はセット部58aから円盤状治具16を取り外して上述したように回折環撮像装置本体5のテーブル17に取り付け、次の回折環撮像を行うことができる。
回折環読取装置2には、回折環撮像時における、テーブル17への円盤状治具16の取り付け状態の良否を判定するプログラムがインストールされており、回折環Dと裏面X線照射像がX線強度分布データとして取得された後、残留応力の計算が行われる前にこの良否判定が行われる。この良否判定プログラムは、テーブル17に円盤状治具16が密着して取り付けられたか否か判定するものである。視覚的に誇張して示すと、図11に示すようにテーブル17と円盤状治具16は(a)のように通常は密着するが、(b)のようにテーブル17と円盤状治具16の間にゴミ等の異物が入り、テーブル17の平面に対し円盤状治具16の平面、すなわちイメージングプレート15の平面が傾く場合がある。このような場合は、イメージングプレート15に撮像される回折環は、本来の形から変化し計算される残留応力も本来の値からずれる。よって、(b)のようにテーブル17の平面に対してイメージングプレート15の平面が傾いていることを検出したときは、良否判定プログラムは表示装置93に取り付け状態が悪いことを表示し、回折環撮像装置本体5に円盤状治具16を取り付け直し、回折環撮像を再度行うことを表示する。
良否判定プログラムが、テーブル17への円盤状治具16の取り付けの良否を判定するのは、裏面X線照射像の長さが許容値を超えたか否かを判定することによる。図11に示すように、テーブル17の平面に対してイメージングプレート15の平面が傾いていると、裏面X線照射像の形状が変化する。そして、この形状の変化は傾きの度合いが大きいほど大きくなる。よって、イメージングプレート15の半径方向と円周方向において、裏面X線照射像の長さWを算出し、この長さWの設定値からのずれが許容値内であるか否かにより、取り付けの良否を判定する。裏面X線照射像の長さWを、すべての裏面X線照射像の半径方向と円周方向において検出すれば、テーブル17の平面に対してイメージングプレート15の平面がどの方向に傾いていても、傾きがあることを検出することができる。裏面X線照射像の長さWはX線の強度分布曲線から算出すればよい。すなわち、図11に示すように、裏面X線照射像の中心を通る半径方向と円周方向のX線の強度分布曲線を算出し、ピーク点のX線強度の予め設定した割合までX線強度が減少した箇所を裏面X線照射像の縁として縁同士の間隔を長さWとすればよい。なお、円盤状治具16の平面に対してイメージングプレート15の平面が傾いていても、裏面X線照射像の長さWは大きくなり取り付け状態が悪いと判定される。円盤状治具16にイメージングプレート15を取り付けるのは、イメージングプレート15が使用限界を超えて交換するときであるので頻度は高くはないが、この場合、テーブル17への円盤状治具16の取り付けをやり直しても、取り付け状態が悪いとの判定が繰り返されるので、円盤状治具16へのイメージングプレート15の取り付けが悪いことを検出することができる。
なお、取り付け状態が良好でも、すなわちテーブル17の平面に対してイメージングプレート15の平面が平行になっていても、テーブル17の中心における円筒状パイプ14の固定が精度よく行われていないと、すなわちテーブル17の平面と円筒状パイプ14の中心軸が精度よく垂直になっていないと、イメージングプレート15に撮像される回折環は、本来の形から変化し計算される残留応力は本来の値からずれる。よって、回折環撮像装置本体5の製作が完了した直後に、テーブル17にイメージングプレート15取り付けの円盤状治具16を取り付け、配管内部の測定箇所に金属粉を糊塗し(残留応力0の状態を作り)、回折環撮像装置本体5を挿入して回折環を撮像する。そして、円盤状治具16を回折環読取装置2にセットして、回折環Dと裏面X線照射像を読み取り、上述したように回折環の中心と回転角度0のラインと回折環の形状を算出し、算出した回折環の中心と回転角度0のラインを用いて正規の半径値データ群を算出する。回折環の形状が真円であれば、すなわち正規の半径値データ群の値の範囲が予め設定した許容値内であれば、テーブル17の平面と円筒状パイプ14の中心軸は精度よく垂直になっているということであるので、読み取った回折環からの残留応力の計算は、上述したように行うことができる。
これに対し、回折環の形状が真円からずれていれば、すなわち正規の半径値データ群の範囲が予め設定した許容値を超えていれば、テーブル17の平面に対する円筒状パイプ14の中心軸は垂直からずれているということであるので、正規の半径値データ群を記憶し、以後の読み取った回折環からの残留応力の計算においては、算出した正規の半径値データ群を記憶してある正規の半径値データ群を用いて補正したうえで残留応力の計算を行う。この補正は、得られた回折環の形状をテーブル17の平面に対する円筒状パイプ14の中心軸が垂直であるときの形状に補正するものであり、詳細は特許第5522411号で説明されている。
上記説明からも理解できるように、上記実施形態においては回折環撮像装置1を、測定対象物OBに向けてX線を出射するX線出射器10と、中央にX線を通過させる円筒状パイプ14を固定したテーブル17と、テーブル17に円盤状治具体16に取り付けられた状態で取り付けられ、中央部にてX線を通過させるとともに、測定対象物OBにて回折したX線を受光して、回折したX線による像である回折環を撮像するイメージングプレート15とを備え、テーブル17は、円筒状パイプ14の周囲にX線を透過させる複数の透過部17bを有し、イメージングプレート15は、回折環が撮像される領域とは別の領域に、透過部17bを透過したX線による像を撮像し、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点は、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から算出可能にされている回折環撮像装置1としている。
これによれば、回折環撮像装置1及び回折環読取装置2へのイメージングプレート15の取り付けを高精度に行わなくても、回折環読取装置2にて透過部17bを透過したX線による像を読み取り、該読み取ったX線による像の中心点を算出すれば、これらの点は透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点であるので、これらの点から円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点を算出することができる。円筒状パイプ14の中心軸は出射X線の光軸と同一であるので、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点は回折環の中心位置である。すなわち、これによれば、回折環撮像装置1及び回折環読取装置2へのイメージングプレート15の取り付けを高精度に行わなくても、回折環の中心位置を精度よく求めることができる。
また、上記実施形態においては、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点を、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から算出可能にする方法として、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点に向かう位置ベクトルの方向に、別の透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点があり、位置ベクトルは互いに交差するものが複数あるようにされている。
これによれば、透過部17bを透過したX線による像の中心点と、該中心点から見て回折環の中心位置方向にある別の透過部17bを透過したX線による像の中心点とを直線で結べば、該直線は交差するものが複数あり、該複数の直線が交差する点を回折環の中心位置とすることができるので、容易に回折環の中心位置を算出することができる。
また、上記実施形態においては、透過部17bのそれぞれは、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点の位置関係から識別可能にされ、イメージングプレート15における回転角度0のラインは、識別された透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から算出可能にされている。
これによれば、透過部17bを透過したX線による像の中心点の位置関係から透過部17bを識別し、透過部17bを透過したX線による像の中心点の位置関係から、イメージングプレート15の回転角度0のラインを算出することができるので、回折環の形状から算出する残留応力の精度を高精度にすることができる。
また、上記実施形態においては、透過部17bを識別し、イメージングプレート15における回転角度0のラインを、識別された透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から算出可能にする方法として、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点と、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを結んだ線分の1つの長さは、他の線分の長さと異なっており、長さが異なる線分は、イメージングプレート15における回転角度0のラインに含まれるようにされている。
これによれば、透過部17bを透過したX線による像の中心点から回折環の中心位置を算出し、該算出した中心位置からそれぞれの透過部17bを透過したX線による像の中心点までの距離を算出すれば、該算出した距離が他と異なっているX線による像の中心点と回折環の中心位置とを通るラインが回転角度0のラインになるので、容易に回転角度0のラインを算出することができる。
また、上記実施形態においては、回折環撮像装置1により撮像された回折環及び透過部17bを透過したX線による像を読み取る回折環読取装置2を、透過部17bを透過したX線による像の形状から、円盤状治具16に取り付けられたイメージングプレート15のテーブル17への取り付け状態の良否を判定する判定手段を備える回折環読取装置2としている。
これによれば、回折環撮像装置本体5のテーブル17へのイメージングプレート15の取り付けにおいて、異物等の影響によりイメージングプレート15の平面がテーブル17の平面に対して傾いていたり歪んでいる場合、透過部17bを透過したX線による像の形状は、該2つの平面が平行である場合と異なるので、透過部17bを透過したX線による像の形状から、イメージングプレート15の取り付けの良否を判定し、取り付けが正常でないと判定された場合は、回折環の撮像をやり直すことができる。すなわち、この回折環読取装置2によれば、正常な取り付け状態で撮像された回折環のみから残留応力の計算を行うことができるので、残留応力の測定精度を向上させることができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点と、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを結んだ線分の1つの長さを、他の3つの線分の長さと異なるようにし、該長さが異なる線分からイメージングプレート15における回転角度0のラインを求めることができるようにしたが、イメージングプレート15における回転角度0のラインを求めることができれば、どのような方法を用いてもよい。例えば、図12に示すように、透過部17bの中心軸がイメージング、プレート15と交差する点と、円筒状パイプ14の中心軸がイメージングプレート15と交差する点とを結んだ線分は、すべて同じ長さにし、中心軸がイメージングプレート15と交差する点が回転角度0のラインにある透過部17bの近くに、別の透過部17eを設けるようにしてもよい。また、1つの透過部17bの位置や付近にある透過部の個数を異ならせるのに替えて、1つの透過部17bの、テーブル17に平行な断面の形状を他の透過部17bと異ならせるようにしてもよい。この場合、断面の形状を異ならせる中には断面の大きさを異ならせる場合も含まれるとする。
また、透過部17bの1つを中心軸がイメージングプレート15と交差する点が回転角度0のライン上にあるようにしなくても、それぞれの透過部17bを識別できるようにし、それぞれの透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から回転角度0のライン上にある点を算出できるようにしてもよい。また、回転角度0のラインを求める計算が複雑になってもよければ、それぞれの透過部17bを識別できるようにし、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点と回転角度0のラインとの位置関係を予め取得しておけばよい。それぞれの透過部17bを識別できるようにするには、上述したように1つの透過部17bの位置、付近にある別の透過部の個数又はテーブル17に平行な断面の形状を異ならせれば可能であるが、これ以外にイメージングプレート15を回転させたとき、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点同士の位置関係が1つ以外にない場合であれば、どのような場合でも識別は可能である。
また、それぞれの透過部17bを識別できなくても、円盤状治具16の回折環撮像装置本体5のテーブル17への取り付け方向、及び円盤状治具16の回折環読取装置2のセット部58aへの取り付け方向を一定にすることができ、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点と回転角度0のラインとの位置関係が予め取得されていれば、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点(回折環の中心)を算出できれば、回転角度0のラインは算出することができる。
また、上記実施形態においては、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点同士を結んだ2つの直線の交差点が、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点(回折環の中心)であるようにしたが、出射X線の光軸がイメージングプレート15と交差する点を算出できれば、どのような方法を用いてもよい。例えば、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点同士を結んだ直線が3つ以上同じ点で交差するようにしてもよいし、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点を頂点とする図形の重心位置が回折環の中心となるようにしてもよい。また、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点から等距離にある点を回折環の中心となるようにしてもよい。また、回折環の中心を求める計算が複雑になってもよければ、それぞれの透過部17bを識別できるようにし、透過部17bの中心軸がイメージングプレート15と交差する点と回折環の中心位置との関係を予め取得しておいてもよい。
また、上記実施形態においては、透過部17bの先端がテーブル17の面まで達しないようにして、テーブル17の面に照射されたX線が減衰したうえで透過部17bの穴を通過するようにしたが、適切な強度のX線をイメージングプレート15に照射させることができるならば、透過のさせ方はどのような方法を用いてもよい。例えば、透過部17bを貫通孔にし、貫通孔内にX線を適度に減衰させる物質を充填してもよいし、貫通孔内の一部又は入口或いは出口にX線を適度に減衰させる物質を取り付けてもよい。また、テーブル17の面に照射されるX線が適切な強度であれば、X線をそのまま貫通孔を通過させてもよい。
また、上記実施形態においては、回折環撮像装置本体5及び回折環読取装置2を、イメージングプレート15を円盤状治具16に取り付けたうえで、取り付け及びセットする構造にしたが、イメージングプレート15を破損する可能性を低くできるならば、回折環撮像装置本体5及び回折環読取装置2を、イメージングプレート15を直接取り付け及びセットする構造にしてもよい。
また、上記実施形態においては、回折環撮像装置本体5は、テーブル17の中心部に円筒状パイプ14を固定し、X線出射器10から出射されたX線が円筒状パイプ14の内部を通過することで略平行なX線となって出射されるようにしたが、中心部にある貫通孔をX線が通過することで略平行なX線を出射することができれば、どのような構造にしてもよい。例えばテーブル17の中心部に長い円柱状部又は角柱状部を設け、該円柱状部又は角柱状部の中心軸方向に貫通孔を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、回折環撮像装置本体5は、囲いブロック12及び囲いブロック27と押し当て治具4により、ローラー13及びローラー28が接触する配管内部側面に対する位置及び姿勢が一定になるようにした。しかし、回折環撮像装置本体5の、X線が照射される箇所の配管内部側面に対する位置及び姿勢が一定になるようにすることができるならば、どのような方法を用いてもよい。例えば、測定対象物OBである配管内部の径がほぼ一定であれば、配管内部の径よりわずかに外径が小さい円筒状の治具の内部に回折環撮像装置本体5を固定し、該円筒状の治具を配管内部に挿入するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、回折環読取装置2を、イメージングプレート15に照射されるレーザ光がイメージングプレート15を基準にすると、螺旋状に移動する構造にしたが、イメージングプレート15に撮像された回折環及び裏面X線照射像を読み取ることができれば、レーザ光の移動のさせ方はどのようにしてもよい。例えば、イメージングプレート15に対し、レーザ光が1方向に往復移動するとともにこの方向の垂直方向に移動する構造にしてもよい。
また、上記実施形態においては、回折環読取装置2のコントローラ91は残留応力を計算する演算プログラムを備えるようにした。しかし、X線回折測定に時間がかかってもよい場合は、回折環読取装置2のコントローラ91は回折環の形状を検出するまでにし、別のコンピュータ装置に回折環の形状データ及び計算に必要なパラメータを入力して、残留応力を計算するようにしてもよい。この場合、別のコンピュータ装置にデータを入力する方法としては、記録媒体を介する方法、ネット回線等を使用して転送する方法等、様々な方法が考えられる。また、計算の一部または全部を人為的に行ってもよい。
また、上記実施形態においては、回折環撮像装置1を、回折環撮像装置本体5を配管内部に挿入して回折環撮像を行う構造にしたが、本発明は回折環撮像と回折環読み取りを別々の装置で行い、回折環撮像の後、イメージングプレート15又はイメージングプレート15が取り付けられたユニットを取り外して回折環読取装置にセットする方式の装置であれば、どのような装置の場合でも適用することができる。
1…回折環撮像装置、2…回折環読取装置、3…挿入用治具、4…押し当て治具、5…回折環撮像装置本体、6…高電圧電源、7…ホルダ、8…上蓋、9…ケーブル、10…X線出射器、11…出射口、12…囲いブロック、13…ローラー、14…円筒状パイプ、15…イメージングプレート、16…円盤状治具、17…テーブル、17b…透過部、18…固定具、19…ねじ、20…固定具、21,22…通路部材、23…ねじ、24,25…突出部、26…ローラー、27…囲いブロック、28…ローラー、29…ねじ、30,31…突出部、32…ローラー、35…レーザ検出装置、36…レーザ光源、37…コリメートレンズ、38…反射鏡、39…ダイクロイックミラー、40…対物レンズ、41…アクチュエーター、42…集光レンズ、43…シリンドリカルレンズ、44…フォトディテクタ、45…集光レンズ、46…フォトディテクタ、47…LED光源、48…支持台、50…ステージ移動機構、51…移動ステージ、52…フィードモーター、53…スクリューロッド、54…軸受部、55…固定ブロック、56…基台、57…スピンドルモーター、58…出力軸、58a…セット部、59…キャップ、60…取っ手、61…伸縮パイプ、62…円盤状部、63…円柱状部、65…固定部、66…ばね、67…蓋、68…伸縮棒、69…収納部、69b…スペース、70…ローラー、90…コンピュータ装置、91…コントローラ、92…入力装置、93…表示装置、OB…測定対象物(配管)