JP5967394B2 - 回折環形成装置及びx線回折測定装置 - Google Patents

回折環形成装置及びx線回折測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、測定対象物にX線を照射して、測定対象物で回折したX線によりイメージングプレートの表面に回折環を形成する回折環形成装置、及び前記回折環形成装置に加えて前記回折環形成装置で形成された回折環を読取る回折環読取り装置を備えたX線回折測定装置に関する。
従来から、測定対象物の残留応力をX線回折により測定することはよく行われている。この残留応力の測定の分野においては、装置の小型化を図るとともに、X線の照射時間を短くすることが可能なX線回折測定装置が、例えば下記特許文献1に示されている。このX線回折測定装置においては、測定装置を測定対象物であるレール上の所望の位置に配置し、レールの延設方向を含みレールの上面に垂直な面内にて所定の入射角(30〜45度)でX線をレールの上面に照射し、レールの上面にて回折したX線(以下、このような測定対象物にて回折したX線を回折X線という)を感光性を有するイメージングプレートで受光して、イメージングプレート上に環状のX線回折像(以下、この環状のX線回折像を単に回折環という)を形成するようにしている。そして、イメージングプレートを前記測定装置から取り外して回折環読取り装置に装着し、イメージングプレート上に形成された回折環の形状を、cosα法を用いて分析してレール上面部のレール軸線方向の残留応力を計算するようにしている。
特開2005−241308号公報
上記従来技術のように、測定対象物が限定され、X線の照射位置及び残留応力の測定方向(X線の照射方向を測定対象物の表面に投影させた方向)が定まっていれば、X線回折測定装置の構造を測定対象物に合わせて適切にすることで、測定対象物を測定装置にセットすれば、測定対象物に対するX線の照射方向、照射位置などを適切にすることができる。すなわち、測定対象物に対するX線の照射位置、X線の入射角度、残留応力の測定方向、及びX線照射点からイメージングプレートまでの距離を的確に設定できる。
しかしながら、測定対象物が様々な形状をしており、X線の照射位置及び残留応力の測定方向も様々である場合には、上記従来技術に示されたX線回折測定装置では、測定対象物に対するX線の照射位置、X線の入射角度、残留応力の測定方向、及びX線照射点からイメージングプレートまでの距離を的確に設定することは極めて困難である。特に、断面形状が90度の角度を有する測定対象物、すなわち断面がL字形状の測定対象物において、角部近傍位置をX線の照射位置に設定することは上記従来技術に示されたX線回折測定装置では不可能である。また、測定対象物に対するX線の入射角度、及びX線照射点からイメージングプレートまでの距離を精度よく的確に設定できない場合には、撮像した回折環から測定対象物の残留応力を精度よく算出することも不可能である。
本発明は前記問題を解決するためになされたもので、その目的は、測定対象物が断面L字形状を含む様々な形状であり、またX線の照射位置及び残留応力の測定方向も様々である場合であっても、測定対象物に対するX線の照射位置、X線の入射角度、残留応力の測定方向、及びX線照射点からイメージングプレートまでの距離を精度よく的確に設定できるようにした回折環形成装置及びX線回折測定装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、後述する実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、この実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、測定対象物(OB)に向けてX線を出射するX線出射器(20)と、中央にX線を通過させる貫通孔が形成されたテーブル(16)と、テーブルに取付けられて、中央部にてX線を通過させるとともに、測定対象物にて回折したX線の回折光を受光する受光面を有し、回折光の像である回折環を記録するイメージングプレート(15)と、X線出射器、テーブル及びイメージングプレートを収容したケース(100)とを備え、X線出射器から出射されたX線をケースを通過させて測定対象物に照射し、X線の照射により測定対象物から出射された回折X線をケースを通過させてイメージングプレートに導く回折環形成装置において、ケースは、互いに直交する第1平面壁(101)及び第2平面壁(102)と、第1平面壁及び第2平面壁と略45度の角度でそれぞれ交差する互いに平行な第3平面壁(103)及び第4平面壁(104)と、第3平面壁及び第4平面壁に垂直である第5平面壁(105,106)とを有し、X線出射器から出射されるX線の光軸が、第1平面壁及び第2平面壁にそれぞれ直交する面内に含まれるとともに、3平面壁及び第4平面壁にそれぞれ平行であり、かつ第1平面壁と第2平面壁を延長させた交差線の近傍位置に、第5平面壁に対して入射角度が第1の所定角度になるように、X線出射器をケース内に配置したことにある。この場合、第1の所定角度は、例えば、30度から60度の範囲内にあるとよい。
前記のように構成した本発明において、断面がL字形状の測定対象物の残留応力を測定する場合には、第1平面壁又は第2平面壁を測定対象物の直交する一対の平面部にそれぞれ平行になるように設定すれば、測定対象物の一対の平面部の交差線に直交する面内に光軸を有するX線、すなわち測定対象物の一対の平面部のうちの一方の平面部に対する投影方向を前記交差線に直交させたX線を、略45度の入射角度をもって前記一方の平面部に出射させることができる。これにより、断面がL字形状の測定対象物の一対の平面部の交差線付近であって、前記交差線に直交する方向の測定対象物の残留応力を測定することができる。また、平面状の測定対象物を測定する場合には、第5平面壁を測定対象物の上面と平行になるように設定すれば、X線を第1の所定角度の入射角度をもって測定対象物の上面に出射させることができる。そして、第5平面壁を測定対象物の上面と平行に保ったまま、ケースを移動及び回転させることにより、測定対象物の上面におけるX線の照射位置及びX線を測定対象物の上面に投影させた方向を変更すれば、測定対象物の上面の任意の位置における任意の方向の残留応力を測定できる。
この場合、第1平面壁乃至第5平面壁によりケースのX線出射口からのX線の出射方向が分かるので、X線の照射位置が分かり、測定対象物に対するX線の照射位置を的確に設定できる。また、第1平面壁、第2平面壁又は第5平面壁と、測定対象物の面との間隔が目視、スペーサ、他の装置などで一定になるように調整するか、第1平面壁、第2平面壁又は第5平面壁と測定対象物の面とを当接させるようにすれば、X線出射点からイメージングプレートまでの距離を予め定めた距離に設定することもできる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、ケースに先端部が取付けられ、ケースを任意の位置及び任意の姿勢に設定可能な複数の関節を有する移動装置(200)を備えたことにある。これによれば、関節を操作することにより、ケースを任意の位置に簡単に移動できるとともに、ケースの姿勢を簡単に設定できる。
また、本発明の他の特徴は、ケースは、さらに、第1平面壁及び第2平面壁のうちの一方の平面壁に対してケースの内側方向に第2の所定角度で傾斜しているとともに、第1平面壁及び第2平面壁のうちの他方の平面壁に対して垂直な第6平面壁(107,108)を有し、第6平面壁を互いに直交する一対の平面部を有する測定対象物の一対の平面部のうちの一方の平面部に平行な状態にするとともに、前記他方の平面壁を前記一対の平面部のうちの他方の平面部に平行な状態にしたとき、X線出射器から前記一対の平面部の交差線の近傍位置に出射されるX線の光軸を含むとともに前記他方の平面壁に直交する平面が、前記一対の平面部の交差線に直交する平面に対して第2の所定角度で交差するように、X線出射器からX線が出射されるようにしたことにある。この場合、第2の所定角度は、例えば10度から40度の範囲内にあるとよい。
前記本発明の他の特徴によれば、X線を測定対象物の前記一方の平面部に投影させた方向が前記一対の平面部の交差線に直交する前記一方の平面部内の方向に対して第2の所定角度をなす方向となり、測定対象物の前記一方の平面部であって、前記一対の平面部の交差線の近傍位置における、X線を前記一方の平面部に投影させた方向の残留応力が測定される。すなわち、前記一対の平面部の交差線の近傍位置であって、前記交差線方向の残留応力を含む、前記交差線方向の残留応力と前記交差線に直交する方向の残留応力とを合成した残留応力が測定される。その結果、これにより測定した残留応力と前述した交差線に直交する方向の残留応力を用いた計算処理により、前記交差線の近傍であって、前記交差線方向の残留応力も測定することができるようになる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、X線出射器からX線が出射されていない状態で、X線出射器から出射されるX線と光軸を同一にした平行光である可視光を測定対象物に出射する可視光出射器(44)と、可視光の照射点を含む領域の測定対象物の画像を結像する結像レンズ(48)、及び結像レンズによって結像された画像を撮像する撮像器(49)を有し、撮像された画像を表す撮像信号を出力するカメラと、カメラから出力される撮像信号を入力して、撮像器によって撮像された画像を画面上に表示する表示器(93)であって、測定対象物における可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離であるとき、撮像器によって撮像される照射点の画像上の位置を照射点基準位置として、撮像信号により表示される画像とは独立して画面上に表示する表示器とを備えたことにある。
測定対象物における可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離であれば、結像レンズによる結像により、撮像器の所定位置に可視光の照射点は撮像され、表示器の表示画面上においても所定位置に可視光の照射点は表示される。一方、測定対象物における可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が前記所定距離でなければ、撮像器における前記所定位置とは異なる位置に可視光の照射点は撮像されて、表示器の表示画面上においても前記所定位置とは異なる位置に可視光の照射点は表示される。この所定位置が照射点基準位置であり、作業者は、前記可視光の照射点を含む領域の画像を表示する表示器の画面を見ながら、表示器による表示画面上で、照射点の画像上の位置が照射点基準位置に合致するように、測定対象物の表面に対して垂直方向に、回折環形成装置又は測定対象物を移動させることにより、回折環形成装置と測定対象物との前記垂直方向の相対位置を調整する。したがって、照射点の画像上の位置が照射点基準位置に合致すれば、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離に設定されたことになる。その結果、前記本発明の他の特徴によれば、測定対象物におけるX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離に設定されるので、測定対象物の所定位置の残留応力の計算のために、測定対象物におけるX線の照射点からイメージングプレートまでの距離を検出する必要がなくなるとともに、前記距離を簡単かつ精度よく取得できて、残留応力を精度よく求めることができる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、前記可視光出射器(44)と、前記結像レンズ(48)及び前記撮像器(49)を有する前記カメラとを備えるとともに、カメラから出力される撮像信号を入力して、撮像器によって撮像された照射点の撮像位置を検出し、撮像器によって撮像される照射点の撮像位置と、照射点からイメージングプレートまでの距離との関係に基づいて、前記検出した照射点の撮像位置を用いて前記X線の照射点から前記イメージングプレートまでの距離を導出する距離導出手段(91)とを備えたことにある。
測定対象物における可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離であれば、前述のように、結像レンズによる結像により、撮像器の所定位置に可視光の照射位置が撮像される。一方、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が前記所定距離でないときには、撮像器における可視光の照射点は前記所定位置からずれて撮像される。この可視光の照射点の前記所定位置からのずれ量は、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離と1対1の関係にあるので、撮像器における可視光の照射点の位置が特定されれば、3角測量の原理により、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離を計算できる。したがって、前記本発明の他の特徴によれば、距離導出手段により、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が簡単かつ精度よく取得できる。その結果、前記本発明の他の特徴によれば、検出したX線照射点からイメージングプレートまでの距離を用いて残留応力を計算すればよいので、前記距離を設定通りにしなくても、残留応力を精度よく求めることができる。
また、本発明の他の特徴は、X線の照射における測定対象物の表面が第5平面壁に平行な状態にあるとき、結像レンズは測定対象物による前記可視光の反射光を集光し、撮像器は前記集光された反射光の受光点も撮像し、カメラは前記受光点を表す撮像信号も出力し、 表示器は、撮像器によって撮像された受光点も撮像信号により画面上に表示し、さらに、 表示器は、測定対象物における可視光の照射点における測定対象物の表面に対する可視光の入射角度が所定角度であるとき、撮像器によって撮像される受光点の画像上の位置を受光点基準位置として、撮像信号により表示される画像とは独立して画面上に表示するようにしたことにある。
前記本発明の他の特徴においては、測定対象物に照射される可視光は平行光であるので、測定対象物の照射点において多少散乱するが、略平行光である反射光が測定対象物の照射点で発生する。この反射光は結像レンズによって集光され、この集光された反射光は撮像器上に受光点を形成し、撮像器はこの受光点を撮像するので、表示器の表示画面上においても受光点が表示される。この場合、測定対象物の照射点から出射される反射光は、測定対象物に照射される可視光の光軸と、測定対象物の照射点を通る測定対象物の表面の法線とを含む測定対象物の表面に対して垂直な平面内であって、前記法線を中心にして前記測定対象物に照射される可視光の光軸と対称な位置にある。したがって、測定対象物における可視光の照射点を通る測定対象物の表面の法線に対して、測定対象物に照射される可視光の光軸が所定角度であれば、撮像器の所定位置に受光点は撮像され、表示器の表示画面上においても所定位置に受光点は表示される。一方、測定対象物における可視光の照射点を通る測定対象物の表面の法線に対して、測定対象物に照射される可視光の光軸が前記所定角度でなければ、撮像器における前記所定位置とは異なる位置に受光点は撮像されて、表示器の表示画面上においても前記所定位置とは異なる位置に受光点は表示される。
この所定位置が受光点基準位置であり、作業者は、受光点を含む領域の画像を表示する表示器の画面を見ながら、表示器による表示画面上で、受光点の画像上の位置が受光点基準位置に合致するように、ケース又は測定対象物を回転させて、例えば、ケース又は測定対象物を測定対象物における可視光の照射点を中心に測定対象物の表面の法線に垂直な少なくとも2つの軸周りに回転させて、測定対象物の表面の法線に対する可視光の光軸の角度を調整する。その結果、受光点の画像上の位置が受光点基準位置に合致すれば、測定対象物における可視光の照射点を通る測定対象物の表面の法線に対して、測定対象物に照射される可視光の光軸が所定角度に設定されたことになる。
その結果、前記本発明の他の特徴によれば、測定対象物に照射される可視光の測定対象物の照射点を通る測定対象物の法線に対する角度が所定角度に設定され、可視光とX線は同軸であるので、測定対象物の所定位置の残留応力の計算のために、測定対象物におけるX線の測定対象物に対する入射角度を検出する必要がなくなるとともに、前記入射角度を簡単かつ精度よく取得できて、残留応力を精度よく求めることができる。
また、本発明の他の特徴は、X線の照射における測定対象物の表面が第5平面壁に平行な状態にあるとき、結像レンズは測定対象物による可視光の反射光を集光し、撮像器は前記集光された反射光の受光点も撮像し、カメラは受光点を表す撮像信号も出力し、さらに、撮像信号を基に撮像器によって撮像された受光点の撮像位置を検出し、撮像器によって撮像される受光点の撮像位置と、可視光出射器から出射される可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度との関係に基づいて、前記検出した受光点の撮像位置を用いて可視光出射器から出射される可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度を導出する角度導出手段(91)を設けたことにある。
可視光出射器から出射される可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度が所定角度であれば、前述のように、結像レンズによる集光により、撮像器の所定位置に可視光の受光点が撮像される。一方、可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度が前記所定角度でないときには、撮像器における可視光の受光点は前記所定位置からずれて撮像される。この可視光の受光点の前記所定位置からのずれ量は、可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が一定であれば、前記可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度と1対1の関係にあるので、撮像器における可視光の受光点の位置が特定されれば、可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度を計算できる。したがって、前記本発明の他の特徴によれば、撮像器によって撮像される照射点の画像上の位置を照射点基準位置になるように調整した状態において、又は測定対象物の厚さがほぼ一定であるため常に可視光の照射点からイメージングプレートまでの距離が一定である状態において、角度導出手段により、可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度が導出され、可視光とX線は同軸であるので、前記角度を簡単かつ精度よく取得できて、残留応力を精度よく求めることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記回折環形成装置を備えるとともに、ケース内に、レーザ光を出射するレーザ光源(31)及びレーザ光を受光するフォトディテクタ(40)を有し、レーザ光をイメージングプレートの受光面に照射するとともに、レーザ光の照射によってイメージングプレートから出射された光を受光して受光強度に応じた受光信号を出力するレーザ検出装置(30)と、テーブルを貫通孔の中心軸周りに回転させる回転機構(27)と、X線出射器からのX線をテーブル及びイメージングプレートを通過させるX線出射位置と、レーザ検出装置からのレーザ光をイメージングプレートに照射するレーザ光照射装置との間で、テーブルを移動させる移動機構(21〜26)とを備え、回転機構を制御してテーブルを回転させるとともに、移動機構を制御してテーブルを移動させながら、レーザ検出装置を制御してイメージングプレートの受光面にレーザ光を照射位置を検出しながら照射するとともにレーザ検出装置からの受光信号を入力して、前記検出した照射位置と前記入力した受光信号を処理してイメージングプレートに形成された回折環を読取る回折環読取り手段(92)を備えたX線回折測定装置にある。
前記本発明の特徴においては、ケース内に、回折環形成装置に加えて、形成された回折環を読取るためのレーザ検出装置、回転機構、移動機構及び回折環読取り手段を備えている。その結果、本発明の他の特徴によれば、X線による回折環をイメージングプレートに形成した後に、同一の装置を用いて回折環を読取ることができるので、X線を測定対象物に照射してから測定対象物の残留応力を計算するまでを短時間で済ますことができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、回折環形成装置及びX線回折測定装置に限定されるものではなく、回折環形成装置を用いたX線による回折環の形成方法、及びX線回折測定装置を用いた測定方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の一実施形態に係る回折環形成装置を含むX線回折測定装置を示す全体概略図である。 図1に示したケース内のX線回折測定装置の拡大図である。 X線回折測定装置のケースの概略斜視図である。 (A)は前記ケースの側面図であり、(B)は前記ケースの底面図であり、(C)は前記ケースの正面図である。 図1及び図2のX線回折測定装置におけるX線が通過する部分を拡大して示す部分断面図である。 図1、図2及び図5のプレート部分の拡大斜視図である。 X線回折測定装置のケースを移動装置200に組付けた状態を示す概略斜視図である。 X線回折測定装置を用いて、測定対象物の残留応力を測定するまでの工程図である。 (A)は平板状の測定対象物の残留応力を測定する際に測定対象物に対するX線回折測定装置のケースの配置を示す側面図であり、(B)はケースの配置を示す正面図である。 (A)はX線回折測定装置のケースのX,Y,Z軸方向の位置調整を説明するための図であり、(B)は前記位置調整時の画像を示す図である。 (A)はX線回折測定装置のケースのX,Y軸周りの傾き調整を説明するための図であり、(B)は前記傾き調整時の画像を示す図である。 (A)はX線回折測定装置のケースのX,Y,Z軸方向の位置及びX,Y軸周りの傾きの微調整を説明するための図であり、(B)は前記微調整時の画像を示す図である。 (A)は断面L字形状の測定対象物の角部付近の残留応力であって、測定対象物の2つの平面が交差する線方向(角部の延設方向)に直交する方向の残留応力を測定する際に、測定対象物に対するX線回折測定装置のケースの配置を示す上面図であり、(B)は前記ケースの配置を示す側面図であり、(C)は前記ケースの配置を示す正面図である。 断面L字形状の測定対象物の角部付近の残留応力であって、測定対象物の2つの平面が交差する線方向(角部の延設方向)の残留応力を測定する際に、測定対象物に対するX線回折測定装置のケースの配置を示す側面図である。
本発明の一実施形態に係る回折環形成装置を含むX線回折測定装置の構成について図1及び図2を用いて説明する。このX線回折測定装置は、測定対象物OBの残留応力を測定及び評価するために、X線を測定対象物OBに照射し、X線の照射によって測定対象物OBから出射される回折X線により形成される回折環の形状を検出する。なお、本実施形態では、測定対象物OBは鉄製の部材である。
X線回折測定装置は、X線を出射するX線出射器10、回折X線による回折環が形成されるイメージングプレート15を取り付けるためのテーブル16と、テーブル16を回転及び移動させるテーブル駆動機構20と、イメージングプレート15に形成された回折環の形状を測定するためのレーザ検出装置30と、これらのX線出射器10、イメージングプレート15、テーブル16、テーブル駆動機構20及びレーザ検出装置30を収容するケース100とを備えている。さらに、X線回折測定装置は、コンピュータ装置90及び高電圧電源95も備えている。また、ケース100内には、X線出射器10、テーブル16、テーブル駆動機構20及びレーザ検出装置30に接続されて作動制御したり、検出信号を入力したりするための各種回路も内蔵されており、図1においてケース100外に示された前記各種回路は、ケース100内の2点鎖線内に納められている。なお、図1及び図2においては、回路基板、電線、固定具、空冷ファンなどは省略されている。
まず、ケース100の形状について、図3及び図4を用いて説明する。ケース100は、金属板で構成された複数の平板状の平面壁101〜120からなり、内部に略方形状の空間を形成している。なお、これらの平面壁101〜120は、隣合う平面壁同士が一体形成されていたり、ねじ、接着材、溶接などにより互いに連結されていたりする。ケース100の下面側には、左右両側にて、前後方向に延設された一対の平面壁101,102が設けられている。平面壁101,102は、互いに直交するように、外側から内側に向けて傾斜している。ケース100の図2及び図4(A)に示す状態を水平状態と定義すると、水平状態では、平面壁101,102は水平面に対してそれぞれ45度の角度をなす。ケース100の左右両側には、前後方向及び上下方向に延設された一対の平面壁103,104が設けられている。これらの平面壁103,104は、互いに平行であるとともに、平面壁101,102に対してそれぞれ45度の角度をなす。すなわち、ケース100の水平状態では、平面壁103,104は、水平面に対してそれぞれ垂直である。
ケース100の正面側の前部には、平面壁105,106が設けられている。平面壁105,106は、平面壁103,104に対してそれぞれ直交するとともに、前方に向かうに従って上方に傾斜している。ケース100の水平状態では、平面壁105は水平面に対して所定角度(本実施形態では、35度)をなし、平面壁106は水平面に対して所定角度(本実施形態では、45度)をなす。なお、平面壁105の水平面に対する前記所定角度が平面壁106の水平面に対する前記所定角度と異なっていれば、平面壁105,106の前記所定角度は30度乃至60度の範囲内の種々の値を取り得る。
ケース100の正面側の下部左右両側には、前方に向かって幅狭となる平面壁107,108が設けられている。平面壁107は、平面壁101に対して所定角度(本実施形態では、25度)をもってケース100の内側に向けて傾斜しており、平面壁102に対して垂直である。平面壁108は、平面壁102に対して所定角度(本実施形態では、25度)をもってケース100の内側に向けて傾斜しており、平面壁101に対して垂直である。なお、平面壁107,108の平面壁101,102に対する角度は、前記25度でなくても、10度乃至40度の範囲内の種々の値を取り得る。
ケース100の後部側の下面には、平面壁101,102の切欠き部の下端を連結する平面壁109が設けられている。ケース100の前後方向中間部の下面には、平面壁101,102の下端を連結する平面壁110が設けられている。ケース100の前側の下面には、平面壁101,102の切欠き部の下端を連結するとともに、平面壁107,108の下端を連結する平面壁111が設けられている。平面壁111には、X線出射器10からのX線、測定対象物OBからの回折光、及び後述するLED光源44からのLED光を通過させるために、径の大きな円形孔111aが設けられている。ケース100の水平状態では、これらの平面壁109〜111は水平面に対して平行である。
ケース100の後部には、平面壁101,102の後端面を連結する平面壁112が設けられている。平面壁101,102の後側の切欠き部には、切欠き部の後端面を連結する平面壁113が設けられている。平面壁101,102の前側の切欠き部には、切欠き部の前端面を連結する平面壁114が設けられている。平面壁107,108の前端面には、前端面を連結するとともに平面壁106に連結された平面壁115が設けられている。ケース100の水平状態では、これらの平面壁112〜115は水平面に対して垂直である。
平面壁101,107の上端面及び平面壁102,108の上端面には、ケース100の水平状態で垂直に立設されて前後方向に延設された平面壁116,117が設けられている。ケース100の上部には、平面壁103,104の上端面を覆う平面壁118が設けられている。ケース100の水平状態では、平面壁118は水平面に対して平行である。ケース100の前部及び後部には、平面壁103,104の前端及び後端をそれぞれ連結する平面壁119,120が設けられている。ケース100の水平状態では、平面壁119,120は水平面に対して垂直である。
ふたたび、図1及び図2の説明に戻ると、X線出射器10は、長尺状に形成され、ケース100内の上部にて図示左右方向に延設されてケース100に固定されており、高電圧電源95からの高電圧の供給を受け、X線制御回路71により制御されて、X線を下方(図示左下方向)に向けて出射口11から出射する。出射口11の向きは、出射されるX線の光軸が次のようになるように設定されている。すなわち、X線の光軸は、平面壁103,104に平行で平面壁103,104の中間に位置する平面に含まれるとともに、平面壁101,102にそれぞれ直交する平面に含まれている。そして、X線の光軸は、平面壁101,102の交差線の延長線上にて交差線と交差する。これにより、X線の光軸は、平面壁109〜111に対して垂直であり、平面壁101,102に対して45度の角度をなす。また、平面壁105への入射角度は所定角度(本実施形態では35度)となり、平面壁106への入射角度は所定角度(本実施形態では45度)となる。そして、測定対象物OBの表面と平面壁101,102を平行にすると、測定対象物OBの表面に対するX線の入射角度は45度となる。また、測定対象物OBの表面と平面壁105を平行にすると、測定対象物OBの表面に対するX線の入射角度は所定角度(本実施形態では35度)となり、測定対象物OBの表面と平面壁106を平行にすると、測定対象物OBの表面に対するX線の入射角度は所定角度(本実施形態では45度)となる。
X線制御回路71は、後述するコンピュータ装置90を構成するコントローラ91によって制御され、X線出射器10から一定の強度のX線が出射されるように、X線出射器10に高電圧電源95から供給される駆動電流及び駆動電圧を制御する。また、X線出射器10は、図示しない冷却装置を備えていて、X線制御回路71は、この冷却装置に供給される駆動信号も制御する。これにより、X線出射器10の温度が一定に保たれる。
テーブル駆動機構20は、X線出射器10の下方にて、移動ステージ21を備えている。移動ステージ21は、フィードモータ22及びスクリューロッド23により、X線出射器10から出射されたX線の光軸と測定対象物OBの法線とが成す平面内であって、前記X線の光軸に垂直な方向に移動可能となっている。フィードモータ22は、テーブル駆動機構20内に固定されていてケース100に対して移動不能となっている。スクリューロッド23は、X線出射器10から出射されたX線の光軸に垂直な方向に延設されていて、その一端部がフィードモータ22の出力軸に連結されている。スクリューロッド23の他端部は、テーブル駆動機構20内に設けた軸受部24に回転可能に支持されている。また、移動ステージ21は、それぞれテーブル駆動機構20内にて固定された、対向する1対の板状のガイド25,25により挟まれていて、スクリューロッド23の軸線方向に沿って移動可能となっている。すなわち、フィードモータ22を正転又は逆転駆動すると、フィードモータ22の回転運動が移動ステージ21の直線運動に変換される。フィードモータ22内には、エンコーダ22aが組み込まれている。エンコーダ22aは、フィードモータ22が所定の微小回転角度だけ回転するたびに、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73へ出力する。
位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73は、コントローラ91からの指令により作動開始する。測定開始直後において、フィードモータ制御回路73は、フィードモータ22を駆動して移動ステージ21をフィードモータ22側へ移動させる。位置検出回路72は、エンコーダ22aから出力されるパルス列信号が入力されなくなると、移動ステージ21が移動限界位置に達したことを表す信号をフィードモータ制御回路73に出力し、カウント値を「0」に設定する。フィードモータ制御回路73は、位置検出回路72から移動限界位置に達したことを表す信号を入力すると、フィードモータ22への駆動信号の出力を停止する。上記の移動限界位置を移動ステージ21の原点位置とする。したがって、位置検出回路72は、移動ステージ21が図1及び図2にて左上方向に移動して移動限界位置に達したとき「0」を表す位置信号を出力し、移動ステージ21が移動限界位置から右下方向へ移動すると、エンコーダ22aからのパルス列信号をカウントし、移動限界位置からの移動距離xを表す信号を位置信号として出力する。
フィードモータ制御回路73は、コントローラ91から移動ステージ21の移動先の位置を表す設定値を入力すると、その設定値に応じてフィードモータ22を正転又は逆転駆動する。位置検出回路72は、エンコーダ22aが出力するパルス信号のパルス数をカウントする。そして、位置検出回路72は、カウントしたパルス数を用いて移動ステージ21の現在の位置(移動限界位置からの移動距離x)を計算し、コントローラ91及びフィードモータ制御回路73に出力する。フィードモータ制御回路73は、位置検出回路72から入力した移動ステージ21の現在の位置が、コントローラ91から入力した移動先の位置と一致するまでフィードモータ22を駆動する。
また、フィードモータ制御回路73は、移動ステージ21の移動速度を表す設定値をコントローラ91から入力する。そして、エンコーダ22aから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いて、移動ステージ21の移動速度を計算し、前記計算した移動ステージ21の移動速度がコントローラ91から入力した移動速度になるようにフィードモータ22を駆動する。
一対のガイド25,25の上端は、板状の上壁26によって連結されている。上壁26には、図5に示すように、貫通孔26aが設けられていて、貫通孔26aの中心位置はX線出射器10の出射口11の中心位置に対向しており、X線出射器10から出射されたX線は、出射口11及び貫通孔26aを介してテーブル駆動機構20内に入射する。
後述するイメージングプレート15が回折環撮像位置にある状態(図1、図2及び図5の状態)において、移動ステージ21の貫通孔26aと対向する位置には、貫通孔21aが形成されている。移動ステージ21には、出射口11及び貫通孔26a,21aの中心軸線位置を回転中心とする出力軸27aを有するスピンドルモータ27が組み付けられている。出力軸27aは、円筒状に形成され、回転中心を中心軸とする断面円形の貫通孔27a1を有する。スピンドルモータ27の出力軸27aと反対側には、貫通孔27a1の中心位置を中心軸線とする貫通孔27bが設けられている。貫通孔27bの内周面上には、貫通孔27bの一部の内径を小さくするための円筒状の通路部材28が固定されている。
また、スピンドルモータ27内には、エンコーダ22aと同様のエンコーダ27cが組み込まれている。エンコーダ27cは、スピンドルモータ27が所定の微小回転角度だけ回転する度に、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を、スピンドルモータ制御回路74及び回転角度検出回路75へ出力する。さらに、エンコーダ27cは、スピンドルモータ27が1回転するごとに、所定の短い期間だけローレベルからハイレベルに切り替わるインデックス信号を、コントローラ91及び回転角度検出回路75に出力する。
スピンドルモータ制御回路74及び回転角度検出回路75は、コントローラ91からの指令により作動開始する。スピンドルモータ制御回路74は、コントローラ91から、スピンドルモータ27の回転速度を表す設定値を入力する。そして、エンコーダ27cから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いてスピンドルモータ27の回転速度を計算し、計算した回転速度がコントローラ91から入力した回転速度(設定値)になるように、駆動信号をスピンドルモータ27に供給する。回転角度検出回路75は、エンコーダ27cから出力されたパルス列信号のパルス数をカウントし、そのカウント値を用いてスピンドルモータ27の回転角度すなわちイメージングプレート15の回転角度θpを計算して、コントローラ91に出力する。そして、回転角度検出回路75は、エンコーダ27cから出力されたインデックス信号を入力すると、カウント値を「0」に設定する。すなわち、インデックス信号を入力した位置が回転角度0度の基準位置である。
テーブル16は、円形状に形成され、スピンドルモータ27の出力軸27aの先端部に固定されている。テーブル16の中心軸と、スピンドルモータ27の出力軸の中心軸とは一致している。テーブル16は、一体的に設けられて下面中央部から下方へ突出した突出部17を有していて、突出部17の外周面には、ねじ山が形成されている。突出部17の中心軸は、スピンドルモータ27の出力軸27aの中心軸と一致している。テーブル16の下面には、イメージングプレート15が取付けられる。イメージングプレート15は、表面に蛍光体が塗布された円形のプラスチックフィルムである。イメージングプレート15の中心部には、貫通孔15aが設けられていて、この貫通孔15aに突出部17を通し、突出部17の外周面上にナット状の固定具18をねじ込むことにより、イメージングプレート15が、固定具18とテーブル16の間に挟まれて固定される。固定具18は、円筒状の部材で、内周面に、突出部17のねじ山に対応するねじ山が形成されている。
テーブル16、突出部17及び固定具18にも貫通孔16a,17a,18aがそれぞれ設けられており、貫通孔16a,17a,18aの中心軸はテーブル16の中心軸と同じであり、貫通孔18aの内径は貫通孔16a,17aに比べて小さく、前述した通路部材28の内径と同じである。したがって、スピンドルモータ27の出力軸27aから出射されたX線は、貫通孔16a,17a,18aを介するとともに、平面壁111に設けた円形孔111aを介して外部下方に位置する測定対象物OBに向かって出射される。この場合、通路部材28の内径及び貫通孔18aの内径は小さいので、通路部材28を介して貫通孔27b,27a1,16a,17a内に入射したX線はやや拡散しているが、貫通孔18aから出射されるX線は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光となり、円形孔111aから出射される。
イメージングプレート15は、フィードモータ22によって駆動されて、移動ステージ21、スピンドルモータ27及びテーブル16と共に、原点位置から回折環を撮像する回折環撮像位置へ移動する。前述のように、この回折環撮像位置において、X線出射器10から出射されたX線がテーブルTB上の測定対象物OBに照射されるようになっている。また、イメージングプレート15は、スピンドルモータ27によって駆動されて回転しながら、フィードモータ22によって駆動されて、移動ステージ21、スピンドルモータ27及びテーブル16と共に、撮像した回折環を読み取る回折環読取り領域内、及び回折環を消去する回折環消去領域内を移動する。なお、この場合のイメージングプレート15の移動においては、イメージングプレート15の中心軸が、X線出射器10から出射されたX線の光軸と測定対象物OBの法線とが成す平面内に保たれた状態で、前記X線の光軸に垂直な方向に移動する。
レーザ検出装置30は、回折環を撮像したイメージングプレート15にレーザ光を照射して、イメージングプレート15から入射した光の強度を検出する。レーザ検出装置30は、測定対象物OB及び回折環撮像位置にあるイメージングプレート15からフィードモータ22側に充分離れている。すなわち、イメージングプレート15が回折環撮像位置にあるとき、測定対象物OBにて回折したX線がレーザ検出装置30によって遮られないようになっている。レーザ検出装置30は、レーザ光源31と、コリメートレンズ32、反射鏡33、偏光ビームスプリッタ34、1/4波長板35及び対物レンズ36を備えている。
レーザ光源31は、レーザ駆動回路77によって制御されて、イメージングプレート15に照射するレーザ光を出射する。レーザ駆動回路77は、コントローラ91によって制御され、レーザ光源31から所定の強度のレーザ光が出射されるように、駆動信号を制御して供給する。レーザ駆動回路77は、後述するフォトディテクタ42から出力された受光信号を入力して、受光信号の強度が所定の強度になるようにレーザ光源31に出力する駆動信号を制御する。これにより、イメージングプレート15に照射されるレーザ光の強度が一定に維持される。
コリメートレンズ32は、レーザ光源31から出射されたレーザ光を平行光に変換する。反射鏡33は、コリメートレンズ32にて平行光に変換されたレーザ光を、偏光ビームスプリッタ34に向けて反射する。偏光ビームスプリッタ34は、反射鏡33から入射したレーザ光の大半(例えば、95%)をそのまま透過させる。1/4波長板35は、偏光ビームスプリッタ34から入射したレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。対物レンズ36は、1/4波長板35から入射したレーザ光をイメージングプレート15の表面に集光させる。この対物レンズ36から出射されるレーザ光の光軸は、X線出射器10から出射されたX線の光軸と測定対象物OBの法線とが成す平面内であって、前記X線の光軸に平行な方向、すなわち移動ステージ21の移動方向に対して垂直な方向である。
対物レンズ36には、フォーカスアクチュエータ37が組み付けられている。フォーカスアクチュエータ37は、対物レンズ36をレーザ光の光軸方向に移動させるアクチュエータである。なお、対物レンズ36は、フォーカスアクチュエータ37が通電されていないときに、その可動範囲の中心に位置する。
対物レンズ36によって集光されたレーザ光を、イメージングプレート15の表面であって、回折環が撮像されている部分に照射すると、輝尽発光(Photo−Stimulated Luminesence)現象が生じる。すなわち、回折環を撮像した後、イメージングプレート15にレーザ光を照射すると、イメージングプレート15の蛍光体が回折X線の強度に応じた光であって、レーザ光の波長よりも波長が短い光を発する。イメージングプレート15に照射されて反射したレーザ光の反射光及び蛍光体から発せられた光は、対物レンズ36及び1/4波長板35を通過して、偏光ビームスプリッタ34にて反射する。偏光ビームスプリッタ34の反射方向には、集光レンズ38、シリンドリカルレンズ39及びフォトディテクタ40が設けられている。集光レンズ38は、偏光ビームスプリッタ34から入射した光を、シリンドリカルレンズ39に集光する。シリンドリカルレンズ39は、透過した光に非点収差を生じさせる。フォトディテクタ40は、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子によって構成されており、時計回りに配置された受光領域A,B,C,Dに入射した光の強度に比例した大きさの検出信号を受光信号(a,b,c,d)として、増幅回路78に出力する。
増幅回路78は、フォトディテクタ40から出力された受光信号(a,b,c,d)をそれぞれ同じ増幅率で増幅して受光信号(a’,b’,c’,d’)を生成し、フォーカスエラー信号生成回路79及びSUM信号生成回路80へ出力する。本実施形態においては、非点収差法によるフォーカスサーボ制御を用いる。フォーカスエラー信号生成回路79は、増幅された受光信号(a’,b’,c’,d’)を用いて、演算によりフォーカスエラー信号を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号生成回路79は、(a’+c’)−(b’+d’)の演算を行い、この演算結果をフォーカスエラー信号としてフォーカスサーボ回路81へ出力する。フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)は、レーザ光の焦点位置のイメージングプレート15の表面からのずれ量を表している。
フォーカスサーボ回路81は、コントローラ91により制御され、フォーカスエラー信号に基づいて、フォーカスサーボ信号を生成してドライブ回路82に出力する。ドライブ回路82は、このフォーカスサーボ信号に応じてフォーカスアクチュエータ37を駆動して、対物レンズ36をレーザ光の光軸方向に変位させる。この場合、フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)の値が常に一定値(例えば、ゼロ)となるようにフォーカスサーボ信号を生成することにより、イメージングプレート15の表面にレーザ光を集光させ続けることができる。
SUM信号生成回路80は、受光信号(a’,b’,c’,d’)を合算してSUM信号(a’+b’+c’+d’)を生成し、A/D変換回路83に出力する。SUM信号の強度は、イメージングプレート15にて反射したレーザ光の強度と輝尽発光により発生した光の強度を合わせた強度に相当するが、イメージングプレート15にて反射したレーザ光の強度はほぼ一定であるので、SUM信号の強度は、輝尽発光により発生した光の強度に相当する。すなわち、SUM信号の強度は、イメージングプレート15に入射した回折X線の強度に相当する。A/D変換回路83は、コントローラ91によって制御され、SUM信号生成回路80からSUM信号を入力し、入力したSUM信号の瞬時値をディジタルデータに変換してコントローラ91に出力する。
また、レーザ検出装置30は、集光レンズ41及びフォトディテクタ42を備えている。集光レンズ41は、レーザ光源31から出射されたレーザ光の一部であって、偏光ビームスプリッタ34を透過せずに反射したレーザ光をフォトディテクタ42の受光面に集光する。フォトディテクタ42は、受光面に集光された光の強度に応じた受光信号を出力する受光素子である。従って、フォトディテクタ42は、レーザ光源31が出射したレーザ光の強度に対応した受光信号をレーザ駆動回路77へ出力する。
また、対物レンズ36に隣接して、LED光源43が設けられている。LED光源43は、LED駆動回路84によって制御されて、可視光を発して、イメージングプレート15に撮像された回折環を消去する。LED駆動回路84は、コントローラ91によって制御され、LED光源43に、所定の強度の可視光を発生させるための駆動信号を供給する。
また、X線回折測定装置は、図2及び図5に示すように、LED光源44を有する。LED光源44は、X線出射器10とテーブル駆動機構20の上壁26との間に配置されたプレート45の一端部下面に固定されている。プレート45は、その他端部上面にて、ケース100内に固定されたモータ46の出力軸46aに固着されており、モータ46の回転により、テーブル駆動機構20の上壁26に平行な面内を回転する。テーブル駆動機構20の上壁26にはストッパ部材47a,47bが設けられており、ストッパ部材47aは、プレート45を図6のD1方向に回転させたとき、LED光源44がX線出射器10の出射口11及びテーブル駆動機構20の上壁26の貫通孔26aに対向する位置(A位置)に静止するように、プレート45の回転を規制する。一方、ストッパ部材47bは、プレート45を図6のD2方向に回転させたとき、プレート45がX線出射器10の出射口11とテーブル駆動機構20の上壁26の貫通孔26aとの間を遮断しない位置(B位置)に静止するように、プレート45の回転を規制する。言い換えれば、A位置は、プレート45が図1、図2及び図5に示す状態にある位置であり、LED光源44から出射されるLED光がスピンドルモータ27の貫通孔27a1に設けた通路部材28の通路に入射する位置である。B位置は、X線出射器10から出射されるX線がプレート45によって遮られない位置である。
LED光源44は、コントローラ91によって作動制御されるLED駆動回路85からの駆動信号によりLED光を出射する。LED光は拡散する可視光であり、プレート45がA位置にあるとき、その一部は、貫通孔26a,21a、通路部材28の通路及び貫通孔27bを介して、スピンドルモータ27の出力軸27aの貫通孔27a1に入射し、貫通孔16a,17a,18a及び平面壁111の円形孔111aから出射される。このLED光の場合も、通路部材28の内径及び貫通孔18aの内径は小さいので、通路部材28を介して貫通孔27b,27a1,16a,17a内に入射したX線はやや拡散しているが、貫通孔18aから出射されるLED光は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光となり、円形孔111aから出射される。したがって、LED光源44、通路部材28、貫通孔18aなどが、可視光である平行光を測定対象物OBに出射する本発明の可視光出射器を構成する。
モータ46はエンコーダ22a,27aと同様なエンコーダ46bを備えており、エンコーダ46bはモータ46が所定の微小回転角度だけ回転する度に、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を回転制御回路86に出力する。回転制御回路86は、コントローラ91から回転方向と回転開始の指示が入力されると、モータ46に駆動信号を出力して、モータ46を指示方向に回転させる。そして、エンコーダ46bからのパルス列信号の入力が停止すると、駆動信号の出力を停止する。これにより、プレート45を、上述したA位置及びB位置までそれぞれ回転させることができる。
ケース100の平面壁114には結像レンズ48が設けられているとともに、ケース100内部には撮像器49が設けられている。撮像器49は、多数の撮像素子をマトリクス状に配置したCCD受光器又はCMOS受光器で構成され、各撮像素子で受光した光の強度に応じた大きさの受光信号(撮像信号)を撮像素子ごとにセンサ信号取出回路87にそれぞれ出力する。これらの結像レンズ48及び撮像器49は、イメージングプレート15に対して設定された位置にある測定対象物OBにおけるLED光の出射点を中心とした領域の画像を撮像する。すなわち、結像レンズ48及び撮像器49は、測定対象物OBを撮像するディジタルカメラとして機能する。このイメージングプレート15に対して設定された位置とは、前記測定対象物OBにおけるX線及びLED光の出射点(照射点)からイメージングプレート15までの垂直距離Lが、予め決められた所定距離Loとなる位置である。なお、この場合の結像レンズ48及び撮像器49による被写界深度は、前記出射点を中心とした前後の範囲で設定されている。センサ信号取出回路87は、撮像器49の各撮像素子からの受光信号(撮像信号)を、各撮像素子の位置(すなわち画素位置)が分かるデータと共にコントローラ91に出力する。したがって、コントローラ91には、測定対象物OBにおけるLED光の照射点P1(図10〜図12参照)を含む、照射点P1近傍の画像を表す画像データが出力されることになる。
また、結像レンズ48の光軸と、測定対象物OBに照射されるX線及びLED光の光軸を含む平面は、平面壁103,104と平行であるともに、平面壁109〜111に対して垂直である。また、結像レンズ48の光軸と、測定対象物OBに照射されるX線及びLED光の光軸が交わる点は、イメージングプレート15に対して設定された位置にある測定対象物OBにおけるX線及びLED光の出射点(照射点)である。さらに、設定された位置にある測定対象物OBにおけるX線及びLED光の出射点を通り、かつ平面壁109〜111及びイメージングプレート15の法線に対する結像レンズ48の光軸がなす角度は、X線出射器10から出射されるX線及びLED光源44から出射されるLED光の光軸が前記法線に対してなす角度(X線及びLED光の入射角度φ)に等しい。
したがって、測定対象物OBがイメージングプレート15に対して設定された位置にある状態で、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射した場合には、照射点P1を含む測定対象物OBの画像が撮像器49で撮像されることに加えて、測定対象物OBにて反射したLED光の受光点P2(図11,12参照)も撮像器49で照射点P1と同じ位置に撮像されることになる。すなわち、測定対象物OBに照射されるLED光は平行光であり、測定対象物OBにおけるLED光の照射点において、LED光は散乱光と、略平行光のまま反射する反射光を発生させる。そして、散乱光のうち結像レンズ48に入射した光は撮像器49の位置で結像して照射点P1の画像となり、結像レンズ48に入射した反射光は結像レンズ48により集光されて撮像器49で受光され、受光点P2の画像となる。測定対象物OBが設定された位置にあるとき、結像レンズ48に入射する散乱光の光軸と反射光の光軸は、いずれも結像レンズ48の光軸と一致するため、照射点P1の画像と受光点P2の画像は同じ位置になる。なお、撮像器49は測定対象物OBを撮像するもので、撮像器49は結像レンズ48の焦点位置よりも若干量だけ後方に位置するので、厳密には、撮像器49によって受光される反射光は集光した後にやや拡散したものである。
コンピュータ装置90は、コントローラ91、入力装置92及び表示装置93からなる。コントローラ91は、CPU、ROM、RAM、大容量記憶装置などを備えたマイクロコンピュータを主要部とした電子制御装置であり、大容量記憶装置に記憶された各種プログラムを実行してX線回折測定装置の作動を制御する。入力装置92は、コントローラ91に接続されて、作業者により、各種パラメータ、作業指示などの入力のために利用される。表示装置93は、表示画面上に撮像器49によって撮像された照射点P1及び受光点P2を含む画像に加えて、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を適正に設定するためのマークも表示される。このマークに関しては、詳しく後述する。さらに、表示装置93は、作業者に対して各種の設定状況、作動状況、測定結果なども視覚的に知らせる。高電圧電源95は、X線出射器10にX線出射のための高電圧及び電流を供給する。
前記のように構成したX線回折測定装置は、図7に示すように、移動装置200により測定対象物OBの測定位置に移動されるようになっており、X線回折測定装置は、回折環形成装置としての移動装置200を含む。移動装置200は、測定対象物OBが載置されるテーブルTBに立設固定された支持ロッド201を備えている。テーブルTBは、平板で構成されて、脚を介して測定場所の床面上に配置される。支持ロッド201は、下端に設けた固定部材202により、テーブルTBの端部に着脱可能に組み付けられる。支持ロッド201には環状部材203が上下方向に移動可能に組み付けられるとともに、所望の高さ位置に固定されるようになっている。
この移動装置200は、円筒状の第1乃至第5ロッド204〜208を有する。第1ロッド204は、基端側にて環状部材203に固定されている。第1乃至第5ロッド204〜208は、図示矢印方向に回転する第1乃至第4回転関節209〜212により、それぞれ連結されている。第5ロッド208の先端側は図示矢印方向に回転する第5回転関節213の基端側に接続され、第5回転関節213の先端側はケース100の平面壁104に固定されている。このような第1乃至第5回転関節209〜213により、ケース100はテーブルTBの上方にて移動可能かつ任意の方向に回転可能である。特に、ケース100の近傍の第3乃至第5回転関節211〜213は互いに直交する3つの軸線周りに回転可能であるので、ケース100をテーブルTB上に置かれた測定対象物OBに対して任意の姿勢に設定することができる。
以下に、上記のように構成した回折環形成装置を含むX線回折測定装置を用いて、回折環を形成してその形状を検出することにより、測定対象物OBの残留応力を求める具体的方法について説明する。この残留応力の測定においては、X線回折測定装置を図1及び図7に示すように構成するとともに、電源を投入することによりX線回折測定装置の作動を開始させる。そして、測定対象物OBをテーブルTB上に載置して、図8に示すようなケース100の第1配置工程S1、ケース100の第2配置工程S2、回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4,回折環消去工程S5及び残留応力計算工程S6を行う。この場合、測定対象物OBは種々の形状を有するとともに、残留応力の測定に関しては、測定位置、測定方向、及びX線の入射角度も種々の態様があるので、ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2においては、ケース100を測定対象物OBに対して種々の形態で配置させる。
第1配置工程S1では、目視により、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、X線の照射点が測定対象物OBの指定される測定位置に設定され、X線の照射方向(残留応力の測定方向)が指定された方向に設定され、X線の入射角度が所定角度に設定され、かつX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が所定距離Loに設定されるように、すなわちX線の測定対象物OBに対する照射状態が設定状態となるように、ケース100をテーブルTB上に載置された測定対象物OBに対して配置させる。なお、この第1配置工程S1において、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射し、照射点P1を目視することにより、ケース100を測定対象物OBに対して配置するようにしてもよい。ただし、この第1配置工程S1によるケース100の配置は、目視で行われるので、ケース100は精度よく配置されない。
そこで、第1配置工程S1の終了後、第2配置工程S2において、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射して、撮像器49による撮像画像を見ながら、第1乃至第5回転関節209〜213(特に、第3乃至第5回転関節211〜213)を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、X線の測定対象物OBに対する照射状態が高精度で設定状態となるように、ケース100を測定対象物OBに対して配置する。その後、回折環撮像工程S3において、X線出射器10を作動させて、測定対象物OBにX線を照射することにより、イメージングプレート15に回折環を記録し、回折環読取り工程S4において、レーザ検出装置30を作動させて、イメージングプレート15に記録された回折環を読取る。そして、回折環消去工程S5において、LED光源43を作動させて、イメージングプレート15に記録された回折環を消去し、残留応力計算工程S6において前記読取った回折環を表すデータを用いて測定対象物OBの残留応力を計算する。この残留応力の計算後、測定すべき残留応力が残っていれば、前述した第1配置工程S1、第2配置工程S2、回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4,回折環消去工程S5及び残留応力計算工程S6を繰返し行う。その後、電源をオフすることによりX線回折測定装置の作動を停止させる。以下、測定対象物OBの形状及び測定態様に応じた代表的な処理について具体的に説明する。
(1)測定例1
まず、残留応力の測定例1として、平板状の測定対象物OBの上面部における残留応力を測定する場合について説明する。この測定においては、ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2において、テーブルTB上に載置された測定対象物OBに対して、X線の照射点が測定対象物OBの指定される測定位置に設定され、X線の照射方向(残留応力の測定方向)が指定された方向(本実施形態では図9のY方向)に設定され、X線の入射角度φが所定角度φo(本実施形態では35度)に設定され、かつX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が前記所定距離Loに設定されるように、X線回折測定装置のケース100を測定対象物OBに対して配置させる。
まず、ケース100の第1配置工程S1において、目視により、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、図9に示すように、ケース100の平面壁103,104が測定対象物OBの上面(テーブルTBの上面とほぼ同じ)に垂直かつY軸方向になるとともに、ケース100の平面壁105が測定対象物OBの上面(テーブルTBの上面)と平行になるようにして、平面壁105を測定対象物OBの上面に接近させる。
例えば、第1乃至第2回転関節209,210を回転させるともに、環状部材203を上下動作させて、ケース100が測定対象物OBの測定位置のほぼ上方に位置させる。その後、第3乃至第5回転関節211〜213を回転させて、ケース100の平面壁118,110が測定対象物OBの上面(すなわちテーブルTBの上面)に平行であり、かつ平面壁103,104が測定対象物OBの上面(すなわちテーブルTBの上面)に対して垂直かつY軸方向に延設されるように、ケース100を位置させる。すなわち、ケース100が、その平面壁103,104をY軸方向に延設させた状態で、水平状態に設定する。そして、第5回転関節213を35度回転させて平面壁105が測定対象物OBの上面と平行になるようにするとともに、環状部材203を下方に移動させて平面壁105を測定対象物OBの上面近傍まで移動する。
さらに、目視により、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、微調整を行う。なお、測定対象物OBが小型であり、簡単に移動できる場合には、測定対象物OB自体をテーブルTB上にて手動で移動させてもよい。また、前記目視によるケース100の第1配置工程S1においても、前述のように、ケース100の第2配置工程S2と同様に、LED光を測定対象物OBに照射して、目視によりX線の照射点の位置を設定するようにしてもよい。このケース100の第1配置工程S1により、X線回折測定装置のケース100は、前述した設定状態にほぼ配置される。しかし、このケース100の第1配置工程S1では、目視によるケース100の配置であるので、ケース100が前述した設定状態に正確に配置されることはない。
次に、ケース100の第2配置工程S2について説明する。このケース100の第2配置工程S2においては、作業者は、入力装置92を操作して、ケース100の第2配置工程S2の開始をコントローラ91に指示する。この指示に応答して、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を回折環撮像位置(図9(A)の状態)に移動させる。また、コントローラ91は、回転制御回路86を制御し、モータ46をストッパ部材47aによりプレート45の回転が停止するまで図6のD1方向に回転させて、プレート45をA位置まで回転させる。この状態では、LED光源44がテーブル駆動機構20の上壁26に設けた貫通孔26aに対向して位置する。
その後、コントローラ91は、LED駆動回路85を制御して、LED光源44を点灯させる。このLED光源44の点灯により、LED光源44から出射されて拡散された可視光であるLED光の一部は、貫通孔26a、通路部材28、貫通孔27b,27a1,16a,17a,18aを介して固定具18から出射される。この場合、通路部材28及び貫通孔18aの内径は小さく、貫通孔18aから出射されるLED光は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光となる。この平行光であるLED光は、ケース100の平面壁111に設けた円形孔111aから外部へ出射され、測定対象物OBに照射される。
次に、コントローラ91は、センサ信号取出回路87に撮像器49からの撮像信号の入力を指示して、撮像器49による撮像信号をセンサ信号取出回路87からコントローラ91に出力させる。コントローラ91は、この撮像信号を表示装置93に出力して、撮像器49によって撮像されたLED光の照射位置近傍の画像を表示装置93に表示させる。この場合、表示装置93に表示される画像には、前記LED光の照射位置近傍の画像の中に、測定対象物OBにおけるLED光の照射点P1の画像がある。また、測定対象物OBのLED光の照射点で反射した反射光が結像レンズ48により集光されて、撮像器49が受光した受光点P2も画像として表示される。さらに、コントローラ91は、撮像器49によって撮像された照射点P1及び受光された受光点P2を含む、撮像器49からの撮像信号によって表示される画像とは独立して、結像レンズ48の光軸が撮像器49と交差する位置に相当する撮影画像上の位置に十字マークを表示する。この十字マークは、図10(B)乃至図12(B)に破線で示すものであり、図9のX軸方向及びY軸方向にそれぞれ対応している。
この場合、十字マークのクロス点は表示装置93の画面の中心に位置し、十字マークのX軸方向は画面の横方向に対応し、十字マークのY軸方向は画面の縦方向に対応する。そして、十字マークのクロス点は、測定対象物OBにおけるLED光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lが所定距離Loであるときに、照射点P1が撮像器49に撮像される位置であると同時に、距離Lが所定距離Loであり、測定対象物OBにおける照射点を通る測定対象物OBの表面に対して、測定対象物OBに照射されるLED光の光軸の角度φ(入射角度φ)が所定角度φoであるとき、測定対象物OBでの反射光が結像レンズ48により集光されて、撮像器49に受光点P2として受光される位置である。また、十字マークのY軸方向がLED光及びX線の照射方向であり、測定対象物OBの表面に投影させた方向が残留応力の測定方向である。すなわち、十字マークのクロス点は、表示装置93の表示画面上で、撮像器49によって撮像されたLED光の照射点P1及び撮像器49にて受光された受光点P2を合わせるべき点であり、Y軸方向がLED光及びX線の照射方向を示す。
次に、作業者は、表示装置93に表示される画像を見ながら、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させることにより、ケース100の測定対象物OBに対する配置を微調整して、LED光の照射点P1及び受光された受光点P2が十字マークのクロス点に位置し、かつLED光の照射方向(Y軸方向)を測定対象物OBに投影させた方向が残留応力の測定方向になるようにする。また、この場合も、測定対象物OB自体をテーブルTB上にて手動で移動させてもよい。
この場合、例えば、第1乃至第3回転関節209〜211を回転させることにより、ケース100を測定対象物OBに対してX軸方向及びY軸方向にそれぞれ移動させるとともに、ケース100をX−Y平面内で回転させて、画面上における照射点すなわちレーザ光の照射位置を測定対象物OBの所定位置(測定箇所)に設定するとともに、測定対象物OBの所定方向(測定方向)が十字マークのY軸方向に一致するようにして、測定対象物OBに照射されるLED光の照射方向を所定方向(測定方向)に設定する。また、環状部材203を上下動させることにより、ケース100をZ軸方向(すなわち高さ方向)に移動させて、照射点P1が十字マークのクロス点と一致するようにして、測定対象物OBにおける照射点からイメージングプレート15までの垂直距離Lを所定距離Loに設定する。さらに、第4及び第5回転関節212,213を回転させることにより、ケース100をX軸周り及びY軸周りに回転させて、受光点P2が十字マークのクロス点と一致するようにして、測定対象物OBにおける照射点を通る測定対象物OBの表面の法線に対する測定対象物OBに照射されるLED光の角度(入射角度φ)を所定角度φoに設定する。
この表示装置93の画像を見ながらのケース100のX軸方向位置、Y軸方向位置、Z軸方向位置(高さ)、X軸周りの傾斜角及びY軸周りの傾斜角の調整について、図10乃至図12を用いて詳しく説明すると、前記調整は以下の手順(a)〜(c)のように行われる。なお、図10(B)、図11(B)及び図12(B)は表示装置93に表示される画像を示しており、この場合、測定対象物OBが明確に分かるように、測定対象物OBの輪郭が画像上に現れるようにしているが、測定対象物OBにおける測定箇所及びLED光の照射方向が視認できれば、測定対象物OBにおける残留応力の測定箇所部分のみが画像上に現れるようにしてもよい。
(a)まず、図10(A)(B)に示すように、第1乃至第3回転関節209〜211を回転させることによりケース100をX軸方向及びY軸方向にそれぞれ移動させるとともに、第3回転関節211を回転させることによりケース100をX−Y平面内で回転させて、LED光の照射点P1すなわち測定対象物OBに対するLED光の照射点P1(照射位置)が測定対象物OBの所定位置(測定箇所)になるとともに、測定対象物OBに対するLED光の照射方向である十字マークのY軸方向が所定方向(測定方向)になるようにする。この操作中、環状部材203を上下動させることにより、ケース100をZ軸方向(高さ方向)に移動させて、LED光の照射点P1が十字マークのクロス点になるように調整する。特に、ケース100のX軸方向及びY軸方向の移動調整により、照射点P1を測定対象物OBの所定位置に設定しても、その後に、照射点P1が十字マークのクロス点に位置するように、ケース100のZ軸方向への移動調整を行うと、照射点P1(照射位置)は測定対象物OBのY軸方向に多少ずれるので、これらの位置調整を繰り返し行う必要がある。なお、図10(B)においては、測定対象物OBの上面の傾きが大きく、反射光の受光点P2(図11(B)参照)は画像上に現れていないものとしている。
(b)次に、図11(A)(B)に示すように、第4及び第5回転関節212,213を回転させることによりケース100をX軸周り及びY軸周りにそれぞれ回動させて、平行光であるLED光の反射光の受光点P2が画像の中心(十字マークのクロス点)になるように調整する。
(c)さらに、図12(A)(B)に示すように、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させることにより、ケース100のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置、並びにX軸周り及びY軸周りの傾斜角を微調整して、LED光の照射点P1(照射位置)が測定対象物OBの所定位置(測定箇所)に位置し、LED光の照射点P1及び反射光の受光点P2が十字マークのクロス点に完全に一致するようにする。また、測定対象物OBの残留応力の測定方向と画像の縦方向(Y軸方向)とがずれたときは、第1乃至第3回転関節209〜211(特に、第3回転関節211)を回転させてケース100のX−Y平面における向きを微調整する。
このようなLED光の照射点P1及び受光点P2の位置調整、並びにケース100のX−Y平面内での向きの調整により、X線出射器10から測定対象物OBに照射されるX線は測定箇所になるとともに、照射されるX線の測定対象物OBの表面の投影方向(残留応力の測定方向)は設定方向となる。また、X線の照射点からイメージングプレート15までの距離Lは所定距離Loになる。さらに、測定対象物OBの表面の法線に対する、X線出射器10から測定対象物OBの表面に出射されるX線の角度φ(X線の入射角度φ)は所定角度φoになる。
このような画像を用いた調整の終了後、作業者は、入力装置92を操作して、コントローラ91に調整終了を指示する。この指示に応答して、コントローラ91は、LED駆動回路85を制御してLED光源44を消灯させ、センサ信号取出回路87を制御して撮像器49から撮像信号の入力停止及び撮像信号のコントローラ91への出力を停止させ、かつ回転制御回路86を制御してモータ46を作動させることにより、ストッパ部材47bにより回転が停止するまでプレート45を図6のD2方向に回転させて、プレート45をB位置まで回転させる。このプレート45の回転により、X線出射器10からのX線がテーブル駆動機構20の上壁26に設けた貫通孔26aに入射され得る状態となる。これにより、ケース100の第2配置工程S2が終了する。
前記ケース100の第2配置工程S2の終了後の回折環撮像工程S3においては、作業者は、入力装置92を用いて、測定対象物OBの材質(例えば、鉄)を入力し、残留応力の測定開始をコントローラ91に指示する。これにより、コントローラ91は、まずイメージングプレート15が撮像位置にある状態で、スピンドルモータ制御回路74を制御して、イメージングプレート15を低速回転させ、エンコーダ27cからインデックス信号を入力した時点で、イメージングプレート15の回転を停止させる。これにより、後述する回折環読取り工程S4による回折環の読取り開始時における、イメージングプレート15の回転角度が0度に設定される。
次に、コントローラ91は、X線制御回路71を制御してX線出射器10にX線の出射を開始させ、所定時間の経過後に、X線制御回路71を制御してX線出射器10にX線の出射を停止させる。これにより、X線出射器10から出射されたX線は、貫通孔26a,21a、通路部材28、貫通孔27b,27a1,16a,17a,18a及び円形孔111aを介して外部に出射され、測定対象物OBの測定箇所に所定時間だけ照射される。この測定対象物OBへのX線の所定時間の照射により、測定対象物OBの測定箇所から回折X線が発生し、イメージングプレート15には回折環が撮像される。なお、この場合におけるX線出射器10から測定対象物OBの表面に出射されるX線の光軸方向は前記LED光の場合と同じであり、X線の測定対象物OBに対する入射角度φは、上述したLED光の場合と同様な所定角度φoである。
このような回折環撮像工程S3の後、コントローラ91は、自動的に又は作業者による入力装置92を用いた指示により、回折環読取り工程S4を実行する。コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を回折環読取り領域内の読取り開始位置へ移動させる。このイメージングプレート15の読取り開始位置とは、対物レンズ36の中心すなわちレーザ光の照射位置が回折環基準半径Roの円に対して若干だけ内側になるような位置である。この場合、位置検出回路72から出力される位置信号は、移動ステージ21が移動限界位置にある状態から移動ステージ21が移動した移動距離xを表しており、移動ステージ21すなわちテーブル16(イメージングプレート15)が移動限界位置にある状態で、テーブル16(イメージングプレート15)の中心から対物レンズ36の中心位置までの距離は予め決められた所定値である。したがって、イメージングプレート15の読取り開始位置への移動は、位置検出回路72からの位置信号を用いて行われる。
回折環基準半径Roとは、測定対象物OBの残留応力が「0」であるときに、測定対象物OBに対するX線の照射によりイメージングプレート15上に形成される回折環の半径であり、測定対象物OBにおけるX線の回折角度φx及びイメージングプレート15から測定対象物OBまでの距離Lに応じて決まる。そして、X線の回折角度φxは測定対象物OBの材質で決まり、前記距離Lは前記ケース100の第2配置工程S2での調整で設定されて予め決められた所定距離Loである。したがって、測定対象物OBの材質ごとに予め回折角φxを記憶しておけば、前記入力した測定対象物OBの材質を用いることにより、コントローラ91は回折環基準半径RoをRo=L・tan(φx)の演算によって自動的に計算する。なお、同一の材質の測定対象物OBの残留応力を繰り返し測定する場合には、前記回折環基準半径Roを計算することなく、繰り返し利用できる。
次に、コントローラ91は、スピンドルモータ制御回路74に、イメージングプレート15が所定の一定回転速度で回転するように、スピンドルモータ27の回転を制御させる。また、レーザ駆動回路77を制御してレーザ光源31によるレーザ光のイメージングプレート15に対する照射を開始させる。その後、コントローラ91は、フォーカスサーボ回路81にフォーカスサーボ制御の開始を指示して、フォーカスサーボ回路81にフォーカスサーボ制御を開始させる。したがって、対物レンズ36が、レーザ光の焦点がイメージングプレート15の表面に合うように光軸方向に駆動制御される。
次に、コントローラ91は、回転角度検出回路75及びA/D変換回路83を作動させて、回転角度検出回路75からスピンドルモータ27(イメージングプレート15)の基準位置からの回転角度θpを入力させ始めるとともに、A/D変換回路83からSUM信号の瞬時値のディジタルデータをコントローラ91に出力させ始める。次に、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してフィードモータ22を回転させて、イメージングプレート15を読取り開始位置から図1の右下方向(図2の右方向)へ一定速度で移動させる。これにより、レーザ光の照射位置が、イメージングプレート15において、回折環基準半径Roの若干内側の位置から外側方向に一定速度で相対移動し始める。この若干内側の位置は、撮像した回折環の半径が回折環基準半径Roからずれる可能性のある位置よりもやや内側の位置である。これにより、レーザ光の照射位置は、相対的にイメージングプレート15上を螺旋状に回転し始める。
その後、コントローラ91は、イメージングプレート15が所定の小さな角度だけ回転するごとに、SUM信号の瞬時値のディジタルデータをA/D変換回路83を介して入力するとともに、回転角度検出回路75からの回転角度θp及び位置検出回路72からの移動距離xを入力して、SUM信号の瞬時値のディジタルデータを、基準位置からの回転角度θpと、移動距離xに基づくイメージングプレート15の中心からのレーザ光の照射位置の径方向距離r(半径値r)とに対応させて順次記憶する。この場合も、移動ステージ21すなわちテーブル16(イメージングプレート15)が移動限界位置にある状態で、テーブル16(イメージングプレート15)の中心から対物レンズ36の中心位置までの距離は予め決められた所定値であるので、前記半径値rは移動距離xを用いて計算される。これにより、螺旋状に回転するレーザ光の照射位置に関して、SUM信号の瞬時値、回転角度θp及び半径値rを表すデータが所定回転角度ごとに順次記憶されて蓄積されていく。
SUM信号の瞬時値、回転角度θp及び半径値rを表すデータの所定回転角度ごとの記憶動作と並行して、コントローラ91は、前記所定角度ごとに、SUM信号の瞬時値のピークに対応した半径値rを回折環の半径値とする。具体的には、回転角度θpが同一である複数のSUM信号の瞬時値が増加した後に減少している状態を検出することにより、前記複数のSUM信号の瞬時値のピークを検出し、このピークであるSUM信号の瞬時値に対応して記憶されている半径値rを取得する。そして、前記所定回転角度ごとの全ての半径値rを取得した時点で、SUM信号の瞬時値、回転角度θp及び半径値rを表すデータを所定回転角度ごとに検出し記憶する処理を終了する。これにより、回折環の形状が検出されたことになる。
その後、コントローラ91は、フォーカスサーボ回路81によるフォーカスサーボ制御を停止させ、レーザ駆動回路77によるレーザ光源31のレーザ光の照射を停止させる。また、コントローラ91は、A/D変換回路83及び回転角度検出回路75の作動を停止させるとともに、フィードモータ制御回路73によるフィードモータ22の作動も停止させる。これにより、回折環読取り工程S4が終了される。なお、この状態では、位置検出回路72の作動及びイメージングプレート15の回転は、以前と同様のまま継続されている。
このような回折環読取り工程S4の後、コントローラ91は、自動的に又は作業者による入力装置92を用いた指示により、回折環消去工程S5を実行する。この回折環消去工程S5においては、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してイメージングプレート15を回折環消去領域内の消去開始位置へ移動させる。このイメージングプレート15の消去開始位置とは、LED光源43から出力される可視光の中心が回折環基準半径Roの円に対して前記読取り開始位置の場合よりもさらに内側になるような位置である。この場合も、前記読取り開始位置の場合と同様に、イメージングプレート15の移動は、位置検出回路72からの位置信号を用いて行われる。
次に、コントローラ91は、LED駆動回路84を制御してLED光源43による可視光のイメージングプレート15に対する照射を開始させるとともに、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を前記消去開始位置から消去終了位置まで図1の右下方向(図2の右方向)に一定速度で移動させるように、フィードモータ22を回転させる。消去終了位置とは、LED光源43によるLED光の中心が回折環基準半径Roよりも前記消去開始位置と同じ程度の距離だけ外側となる位置である。これにより、LED光源43による可視光が、消去開始位置から消去終了位置まで、イメージングプレート15上に螺旋状に照射され、前記回折X線によって形成された回折環が消去される。
次に、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してイメージングプレート15の移動を停止させるとともに、LED駆動回路84を制御してLED光源43による可視光の照射を停止させる。また、コントローラ91は、位置検出回路72の作動を停止させるとともに、スピンドルモータ制御回路74を制御してスピンドルモータ27によるイメージングプレート15の回転も停止させる。これにより、回折環消去工程S5が終了する。
このような回折環消去工程S5の後、コントローラ91は、作業者による入力装置92を用いた指示により、残留応力計算工程S6を実行する。なお、前記回折環消去工程S5の後、同一の測定対象物OBの異なる位置の残留応力の測定又は他の測定対象物OBの残留応力の測定のために、前述したケース100の第1配置工程S1,ケース100の第2配置工程S2、回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4及び回折環消去工程S5を繰返し行った後、残留応力計算工程S6を行うようにしてもよい。
この残留応力計算工程S6においては、作業者による入力装置92を用いた指示により、前記取得した回折環の形状を表すデータすなわち回折環の半径値r、前記計算した回折環基準半径Ro、前記予め設定されたX線の入射角度φo、測定対象物OBからイメージングプレート15までの距離Lo、前記入力した測定対象物OBの材質などを用いて、測定対象物OBにおける測定箇所の残留圧縮応力、残留せん断応力などを計算し、計算した結果に応じて測定対象物OBのショットピーニングなどによる加工結果を評価する。なお、これらの残留圧縮応力及び残留せん断応力は、従来からよく知られているcosαを用いて計算されるとともに、その計算結果による残留圧縮応力及び残留せん断応力の大きさにより、測定対象物OBの疲労度の評価や、ショットピーニングなどによる加工結果の評価もなされる。
なお、前記測定例1では、ケース100の第1配置工程S1において、ケース100の平面壁105が測定対象物OBの上面に対して平行になるようにケース100を配置して、X線の入射角度φが35度に設定されている場合について説明した。しかし、本実施形態に係るX線回折測定においては、X線の入射角度φが45度に設定されている場合にも簡単に適用可能である。この場合には、前述したケース100の第1配置工程S1において、ケース100の平面壁106が測定対象物OBの上面に対して平行になるようにケース100を配置するようにすればよい。これによれば、平面壁106は平面壁110,111,118などに対して45度の角度をなすように構成されているので、X線及びLED光の入射角度φは45度となる。そして、この第1配置工程S1後のケース100の第2配置工程S2、回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4,回折環消去工程S5及び残留応力計算工程S6に関しては、前記測定例1と同じ処理の実行により、残留応力が計算される。ただし、この場合は、LED光が正規の角度で測定対象物OBに入射しても測定対象物OBからの反射光は結像レンズ48には入射しないため、受光点P2は撮影画像には表示されない。しかし、この場合は、平面壁114の結像レンズ48の下部に測定対象物OBからの反射光が当たるので、平面壁114に正規の角度で測定対象物OBに入射したときの測定対象物OBからの反射光の受光点として十字マークを示しておき、平面壁114における反射光の受光点を見ながらケース100の位置及び姿勢の調整を行うようにする。
このような測定例1においては、ケース100を測定対象物OBの任意の位置に移動し、またケース100を回転させることにより、測定対象物OBの上面におけるX線の照射位置及びX線を測定対象物OBの上面に投影させた方向を変更すれば、測定対象物OBの上面の任意の位置における任意の方向の残留応力を測定できる。
(2)測定例2
次に、断面がL字形状の測定対象物OBにおける角部付近の残留応力であって、測定対象物OBの直交する2平面の交差線方向と直交する方向の残留応力を測定する場合について説明する。この測定においては、ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2において、テーブルTB上に載置された測定対象物OBに対して、X線の照射点が測定対象物OBの角部付近に設定され、X線の照射方向(残留応力の測定方向)が測定対象物OBの直交する2平面の交差線に直交する方向(図13のX方向)に設定され、X線の入射角度φが所定角度φo(本実施形態では45度)に設定され、かつX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が前記所定距離Loに設定されるように、X線回折測定装置のケース100を測定対象物OBに対して配置させる。図13においては、(A)は上面図であり、(B)は側面図であり、(C)は正面図である。そして、L字形状の測定対象物OBは、その一方の平面(以下、水平面という)がテーブルTBに平行すなわち図示X−Y平面に平行になり、他方の平面(以下、垂直面という)がテーブルTBに垂直すなわち図示Y−Z平面に平行になるようにテーブルTB上に載置されている。
まず、ケース100の第1配置工程S1において、上記測定例1の場合と同様に、目視により、第1乃至第2回転関節209,210を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、ケース100を測定対象物OBの測定位置のほぼ上方に位置させる。その後、第3乃至第5回転関節211〜213を回転させて、ケース100の平面壁118,110が測定対象物OBの水平面(すなわちテーブルTBの上面)に平行であり、かつ平面壁103,104が測定対象物OBの上面(すなわちテーブルTBの上面)に対して垂直かつY軸方向に延設されるように、ケース100を位置させる。すなわち、ケース100が、その平面壁103,104をY軸方向に延設させた状態で、水平状態に設定する。そして、第4回転関節212を45度回転させて、平面壁101が測定対象物OBの垂直面と平行になり、かつ平面壁102が測定対象物OBの水平面と平行になるようにするとともに、環状部材203を下方に移動させて平面壁102を測定対象物OBの水平面近傍まで移動させる。
さらに、目視により、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、微調整を行う。なお、測定対象物OBが小型であり、簡単に移動できる場合には、測定対象物OB自体をテーブルTB上にて手動で移動させてもよい。また、この場合も、前記目視によるケース100の第1配置工程S1においても、前述のように、ケース100の第2配置工程S2と同様に、LED光を測定対象物OBに照射して、目視によりX線の照射点の位置を設定するようにしてもよい。このケース100の第1配置工程S1により、X線回折測定装置のケース100は、前述した設定状態にほぼ配置される。しかし、この場合も、このケース100の第1配置工程S1では、目視によるケース100の配置であるので、ケース100が前述した設定状態に正確に配置されることはない。
次に、上記測定例1の場合と同様に、ケース100の第2配置工程S2において、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射した状態で、作業者は、表示装置93に表示される画像を見ながら、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させることにより、ケース100の測定対象物OBに対する配置を微調整する。ただし、この場合には、結像レンズ48にはLED光の散乱光の一部は入射して撮像器49で受光されるので、LED光の照射点P1は表示画面上に現れるが、測定対象物OBで反射した略平行光であるLED光の反射光は結像レンズ48には入射しないので、前記反射光による受光点P2は撮像器49では撮像されず表示画面上に現れない。
したがって、この測定例2では、照射点P1を画面の十字マークのクロス点に一致させる調整は可能であるが、受光点P2を十字マークのクロス点に一致させる調整は不可能である。そこで、この場合、上述した測定例1における(a)の調整作業を行った後、 (b)(c)の調整作業を目視により行う。その結果、LED光すなわちX線の照射位置を測定点位置(十字マークのクロス点)に正確に合わせられ、かつX線の照射点からイメージングプレート15までの距離Lは所定距離Loに正確に合わせられる。しかしながら、この測定例2では、上記測定例1の場合のようには、(b)(c)の作業により、照射されるX線の測定対象物OBの表面の投影方向(残留応力の測定方向)、及びX線出射器10から測定対象物OBの表面に出射されるX線の角度φ(X線の入射角度φ)を正確に調整できない。そこで、前記(b)(c)の目視による調整作業においては、ケース100の平面壁101及び平面壁102が測定対象物OBの垂直面及び水平面にそれぞれ精度よく平行になるように、ケース100の測定対象物OBに対する位置の微調整を慎重に行う必要がある。このような調整により、X線の照射点、X線の照射方向(残留応力の測定方向)、X線の入射角度φ及びX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が前述した設定値に設定される。
また、前記(b)(c)の目視による調整作業において、所定の板厚のスペーサを用いて調整作業を行うことも可能である。具体的には、この調整作業において、ケース100の平面壁101と測定対象物OBの垂直面との間、及び/又はケース100の平面壁102と測定対象物OBの水平面との間に、前記スペーサを挿入する。そして、第1乃至第5回転関節209〜213を微小に回転させるとともに、環状部材203を微小に上下動させて、それぞれのスペーサと平面壁101及び平面壁102との間、及びそれぞれのスペーサと測定対象物OBの面との間に隙間がないようにする。そして、前記ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2が終了した後、上記測定例1の場合と同様な回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4,回折環消去工程S5及び残留応力計算工程S6の処理の実行により、測定対象物OBの残留応力が測定される。
このような測定例2により、ケース100を測定対象物OBの垂直面に平行に移動させるようにすれば、測定対象物OBの角部近傍であって、垂直面と水平面との交差線に沿って任意の位置における交差線に直交する方向の測定対象物OBの残留応力を測定できる。
(3)測定例3
次に、断面がL字形状の測定対象物OBにおける角部付近の残留応力であって、測定対象物OBの水平面と垂直面の交差線方向の残留応力を測定する場合について説明する。この測定においては、ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2において、テーブルTB上に載置された測定対象物OBに対して、X線の照射点が測定対象物OBの角部付近に設定され、X線の照射方向(残留応力の測定方向)が測定対象物OBの直交する2平面の交差線方向(図14のY方向)に対して所定角度をなす方向に設定され、X線の入射角度φが所定角度φo(本実施形態では、45度)に設定され、かつX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が前記所定距離Loに設定されるように、X線回折測定装置のケース100を測定対象物OBに対して配置させる。図14は上面図であり、L字形状の測定対象物OBは、その一方の平面(以下、水平面という)がテーブルTBに平行すなわち図示Y−Z平面に平行になり、他方の平面(以下、垂直面という)がテーブルTBに垂直すなわち図示X−Y平面に平行になるようにテーブルTB上に載置されている。
まず、ケース100の第1配置工程S1において、上記測定例1の場合と同様に、目視により、第1乃至第2回転関節209,210を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、ケース100を測定対象物OBの測定位置のほぼ上方に位置させる。その後、第3乃至第5回転関節211〜213を回転させて、ケース100の平面壁118,110が測定対象物OBの水平面(すなわちテーブルTBの上面)に平行であり、かつ平面壁103,104が測定対象物OBの上面(すなわちテーブルTBの上面)に対して垂直かつY軸方向に延設されるように、ケース100を位置させる。すなわち、ケース100が、その平面壁103,104をY軸方向に延設させた状態で、水平状態に設定する。そして、第4回転関節212を45度回転させて、平面壁101が測定対象物OBの垂直面と平行になり、かつ平面壁102が測定対象物OBの水平面と平行になるようにした後、第3関節211を25度回転させて平面壁107が測定対象物OBの垂直面と平行になるようにするとともに、環状部材203を下方に移動させて平面壁102を測定対象物OBの水平面近傍まで移動する。すなわち、このケース100の配置は、上記測定例2の状態にあるケース100を、第3回転関節211の回転により、Z軸線周りに25度回転させた状態である。
さらに、上記測定例2の場合と同様に、目視により、第1乃至第5回転関節209〜213を回転させるとともに、環状部材203を上下動させて、微調整を行う。また、この測定例3の場合も、上記測定例2の場合と同様に、前記反射光による受光点P2は撮像器49では撮像されず表示画面上に現れないので、上記測定例2と同様に、目視又はスペーサを用いて、ケース100の第2配置工程S2を実行する。このような調整により、X線の照射点、X線の照射方向(残留応力の測定方向)、X線の入射角度φ及びX線の照射点からイメージングプレートまでの距離が前述した設定値に設定される。なお、この場合は、X線出射器20から測定対象物OBの水平面と垂直面との交差線の近傍位置に出射されるX線の光軸を含むとともに平面壁102に直交する平面が、前記交差線に直交する平面に対して25度の角度で交差するように、X線出射器20からX線が出射される。そして、前記ケース100の第1及び第2配置工程S1,S2の終了後、上記測定例1の場合と同様な回折環撮像工程S3、回折環読取り工程S4,回折環消去工程S5及び残留応力計算工程S6の処理の実行により、残留応力が計算される。
この測定例3では、X線を測定対象物OBの水平面に投影させた方向が測定対象物OBの水平面と垂直面との交差線に直交する測定対象物OBの水平面内の方向に対して平面壁101と平面壁107との交差角(又は平面壁102と平面壁108との交差角)である所定角度(本実施形態では25度)であり、測定対象物OBの水平面であって、水平面と垂直面との交差線の近傍の位置における、X線を水平面に投影させた方向の残留応力が測定される。すなわち、水平面の前記交差線の近傍位置であって、前記交差線方向の残留応力を含む、前記交差線方向の残留応力と前記交差線に直交する方向の残留応力とを合成したX線の残留応力が測定される。したがって、これにより測定した残留応力と前記測定例2において測定した交差線に直交する方向の残留応力を用いた計算処理により、水平面の交差線の近傍であって、前記交差線方向の残留応力を求めることができるようになる。また、この測定例3においても、ケース100を測定対象物OBの垂直面に平行に移動させるようにすれば、測定対象物OBの角部近傍であって、垂直面と水平面との交差線に沿って任意の位置における交差線方向の測定対象物OBの残留応力を測定できる。
(4)第4測定例
上記第1乃至第3測定例においては、測定対象物OBの上面又は水平面がテーブルTBの表面に平行であることを前提として、第1配置工程S1において、第3乃至第5回転関節211〜213を回転させて、ケース100の平面壁118,110が測定対象物OBに平行であり、かつ平面壁103,104が測定対象物OBの上面に対して垂直かつY軸方向に延設されるように、ケース100を位置させるように説明した。しかし、測定対象物OBにおいては、測定対象物OBをテーブルTB上に載置した場合に、測定対象物OBの上面(L字形状の測定対象物OBにおいては、その水平面)が、テーブルTBの表面に平行でない場合もある。このような場合には、ケース100の平面壁110,118等をテーブルTBに平行にした後に、第4及び第5回転関節212,213を回転させて、ケース100の平面壁110,108等を測定対象物OBの上面(L字形状の測定対象物OBにおいては、その水平面)に平行になるように設定すればよい。この場合も、ケース100の第2配置工程S2以降の処理は上記測定例1〜3の場合と同じである。このようにすれば、表面が平面に近い測定対象物OBであれば、X線の照射点、X線の照射方向(残留応力の測定方向)、X線の入射角度、X線の照射点からイメージングプレートまでの距離などを設定通りに簡単に調整することができる。
上記説明からも理解できるように、上記実施形態においては、測定例1で説明したように、測定対象物OBが平板状であれば、測定対象物OBの上面の任意の位置における任意の方向の残留応力を測定できる。また、測定例2,3で説明したように、測定対象物OBが断面L字形状であれば、測定対象物OBの角部近傍であって、垂直面と水平面との交差線に沿って任意の位置における交差線に直交する方向及び交差線方向の測定対象物OBの残留応力も測定できるので、便利である。また、この実施形態に係るX線回折測定装置によれば、X線による回折環をイメージングプレート15に形成した後に、同一の装置を用いて回折環を読取ることができるので、X線を測定対象物OBに照射してから測定対象物OBの残留応力を計算するまでを短時間で済ますことができる。
また、上記実施形態においては、X線出射器10からX線が出射されていない状態で、可視光出射器を構成するLED光源44、通路部材28、貫通孔18aなどにより、X線出射器10から出射されるX線と光軸を同一にした可視光である平行光が測定対象物OBに出射される。したがって、上記実施形態によれば、可視光である平行光が測定対象物OBに照射される照射点が測定対象物OBの測定箇所(設定位置)になるように、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を調整することにより、X線の照射位置を測定対象物OBの設定位置に容易に一致させることができる。また、LED光の照射方向が設定方向になるようにケース100を測定対象物OB上で回転させれば、X線の測定対象物OBに対する照射方向も設定方向に容易に一致させることができる。
この場合、上記実施形態においては、結像レンズ48及び撮像器49からなるカメラにより、結像レンズ48によって結像されたLED光の照射点P1を含む領域の画像を撮像器49上に撮像し、センサ信号取出回路87によって取出された撮像器49による前記画像を表す信号を用いて表示装置93に前記画像を表示するようにした。したがって、上記実施形態によれば、表示装置93に表示される前記照射点P1を含む領域の画像を見ながら、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢の調整を簡単に行うことができる。
また、上記実施形態においては、イメージングプレート15からX線の照射点までの距離Lが所定距離Loであるとき、撮像器49からの撮像信号による画像とは独立して、撮像器49からの信号により表示装置93に表示される照射点の画像上の位置を照射点基準位置(十字マークのクロス点)として表示するようにした。したがって、上記実施形態によれば、表示装置93による表示画面上で、照射点P1の画像上の位置が照射点基準位置に合致するように、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を調整すれば、イメージングプレート15からX線の照射点までの距離Lが所定距離Loになる。その結果、イメージングプレート15からX線の照射点までの距離Lを所定距離Loに簡単に調整できる。
また、上記実施形態においては、測定例1のように、X線出射器10から出射されるX線の測定対象物OBの表面の法線に対する角度(入射角度φ)が所定角度φoであるとき、撮像器49からの撮像信号による画像とは独立して、撮像器49からの信号により表示装置93に表示されるLED光の反射光の受光点P2の画像上の位置を受光点基準位置(十字マークのクロス点)として表示するようにした。したがって、上記実施形態によれば、測定対象物OBが平面状であれば、表示装置93による表示画面上で、LED光の反射光の受光点P2が受光点基準位置に合致するように、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を調整すれば、出射X線の測定対象物の表面の法線に対する角度(X線の入射角度φ)が所定角度φoになる。その結果、出射X線の測定対象物OBの表面の法線に対する角度を所定角度φoに簡単に調整できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、移動装置200の第5回転関節213の先端部をケース100の平面壁104の上端付近に固定するようにした。しかし、ケース100を任意の位置及び姿勢に調整することができて、様々な形状の測定対象物OBの残留応力を測定することが可能であれば、第5関節213の先端部をケース100のいずれの箇所に固定するようにしてもよい。例えば、第5関節213の先端部をケース100の平面壁103に固定してもよいし、第5関節213の先端部をケース100の平面壁118,120等に固定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ケース100に、平面壁101,102に対して25度をなす平面壁107,108をそれぞれ設けるようにした。しかし、測定対象物OBの形状が限定されていて、上記測定例3において、ケース100の平面壁107,108の一方のみを測定対象物OBの垂直面又は水平面に平行に設定するだけでよい場合には、平面壁107,108のいずれか一方をなくしてもよい。
また、上記実施形態において説明した、ケース100の平面壁101〜120の各交差角度は絶対的なものではなく、多少の誤差を含んでいてもよい。すなわち、例えば、45度、35度、25度などと指定された角度は、略45度、略35度、略25度であればよい。これは、ケース100の第2配置工程S2において、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射し、結像レンズ48及び撮像器49による撮像画像を見ながら、X線の照射位置、X線の照射方向(残留応力の測定方向)、X線の入射角度φ及びX線の照射点からイメージングプレートまでの距離Lが設定通りになるように調整するためである。特に、測定例1のように、LED光の照射点P1及び受光点P2を用いた微調整を行う場合には、ケース100の平面壁101〜120の各交差角度は絶対的なものではなく、多少の誤差を含んでいてもよい。また、L字状物体の測定などにおいて撮像画像からX線の入射角度φが検出できない場合であっても、正確な入射角度φが分かっていれば、残留応力等の計算を精度よく行うことができる。
また、上記実施形態の測定例1においては、表示装置93に表示される画像上のLED光の照射点P1及び反射光の受光点P2を同一位置に合わせるようにしたが、これらの画像上のLED光の照射点P1及び反射光の受光点P2を異なる位置に合わせるようにしてもよい。この場合、結像レンズ48の光軸位置を上記実施形態とは異なる位置にして、ケース100が測定対象物OBに対して設定された位置及び姿勢にあるとき結像レンズ48に入射する散乱光の光軸と反射光の光軸が異なるようにし、撮像器49における反射光の受光点P2をLED光の照射点P1と異ならせるようにすればよい。
また、上記実施形態においては、画像上においてLED光の反射光の照射点P1を所定位置に合わせるように、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を調整して、測定対象物OBにおける可視光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lが所定距離Loになるようにした。しかし、これに代えて、LED光の反射光の照射点P1を所定位置に合わせることなく、測定対象物OBにおける可視光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lを計算により導出するようにしてもよい。測定対象物OBにおける可視光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lが所定距離Loであれば、結像レンズ48による結像により、撮像器49の所定位置にLED光の照射点が撮像される。一方、距離Lが所定距離Loでないときには、撮像器49におけるLED光の照射点は前記所定位置からずれて撮像される。このLED光の照射点の前記所定位置からのずれ量は、距離Lと1対1の関係にあるので、撮像器49におけるLED光の照射点の位置が特定されれば、3角測量の原理により距離Lを計算できる。すなわち、前記所定位置に対する撮像器49による照射点の撮像位置と距離Lとの関係を予め記憶しておき、撮像器49からの撮像信号を基に、撮像器49によるLED光の照射点の撮像位置を検出して、前記撮像位置と距離Lとの関係に基づいて、前記検出した撮像位置を用いて距離Lを計算により導出する。なお、これらの撮像位置の検出及び距離Lの計算は、コントローラ91のプログラム処理により、撮像器49からの受光信号を用いて実行される。そして、この求めた距離Lを用いて回折環基準半径Ro、残留応力などを計算するようにしてもよい。
また、上記実施形態の測定例1においては、画像上においてLED光の反射光の受光点P2を所定位置に合わせるように、ケース100の測定対象物OBに対する位置及び姿勢を調整して、LED光及びX線の入射角度φが所定角度φoになるようにした。しかし、これに代えて、LED光の反射光の受光点P2を所定位置に合わせることなく、入射角度φを計算により導出することもできる。LED光の照射点P1が所定位置にある条件、すなわち測定対象物OBにおける可視光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lが所定距離Loである条件では、LED光の入射角度φが所定角度φoであれば、結像レンズ48によるLED光の反射光の集光により、撮像器49の所定位置にLED光の反射光は受光される。一方、入射角度φが所定角度φoでないときには、撮像器49における受光点は、前記所定位置からずれる。この受光点の前記所定位置からのずれ量は、入射角度φと1対1の関係にあるので、撮像器49における受光点の位置が特定されれば、入射角度φを計算できる。すなわち、撮像器49による受光点の位置と入射角度φとの関係を予め記憶しておき、撮像器49からの撮像信号を基に、撮像器49による受光点の位置を検出して、前記位置と入射角度φとの関係に基づいて、前記検出した位置を用いて入射角度φを計算により導出する。なお、これらの受光点の位置の検出及び入射角度φの計算は、コントローラ91のプログラム処理により、撮像器49からの撮像信号を用いて実行される。そして、この求めた入射角度φを用いて残留応力などを計算するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、プレート45、モータ46及びストッパ部材47aによりLED光源44をX線の光軸上に移動させて、LED光を測定対象物OBに照射する構造にした。しかし、これに代えて、出射X線と光軸を同一にした可視の平行光を照射することができれば、どのような構造にしてもよい。例えば、ビームスプリッタを出射X線の光軸上に配置し、LED光をビームスプリッタで反射させて出射X線と光軸を同一にして照射するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、スピンドルモータ27の貫通孔27bに内径の小さな通路部材28を設けるとともに、固定具18の貫通孔18aの内径を小さくして、LED光源44から出射されたLED光から小さな断面径の平行光が得られるようにしたが、小さな断面径の可視の平行光が得られるならば、別の構造にしてもよい。例えば、通路部材28の軸長を長くすることにより、LED光源44からのLED光から小さな断面径の平行光が得られるようにしてもよい。また、可視光であるレーザ光を出射するレーザ光源の近くにコリメートレンズとエキスパンダ―レンズを配置し、出射する小さな断面径のレーザ光の光軸をスピンドルモータ27の出力軸27aの貫通孔27a1の中心軸線と一致させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、移動装置200の環状部材203及び第1乃至第5回転関節209〜213を手動で操作するようにした。しかし、これらの環状部材203及び第1乃至第5回転関節209〜213の一部又は全部にモータのような駆動装置を設け、入力装置92による指示により駆動装置を駆動して、ケース100の配置の一部又は全部を自動で行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図10乃至図12の(B)のように、表示装置93の画面上に、測定対象物OBの全体が表示されるようにしたが、表示装置93の画面が小さかったり、測定対象物OBの表面積が大きかったりして、測定対象物OBの全体を表示装置93に表示できずに、測定対象物OBにおける残留応力の測定箇所が視認できない場合には、測定対象物OBの表面に測定箇所を囲む枠などのマークを表記するとよい。また、前述のように測定対象物OBの全体を表示装置93に表示できなかったり、測定対象物OBの表面形状が円形などで方向性を認識し難くかったりして、測定対象物OBの方向性を視認でき難い場合には、測定対象物OBの表面に測定対象物OBの方向を示す直線などのマークを表記するとよい。
また、上記実施形態では、表示装置93による画像を見ながら、測定対象物OBにおけるLED光の照射位置及び測定対象物OBに対するLED光の照射方向を調整することにより、LED光すなわちX線の照射位置及び照射方向を所定位置及び所定方向に設定するようにした。しかし、LED光の測定対象物OBへの照射により、表示装置93の画像を見なくても、測定対象物OBそのものを見て前記LED光の照射位置及び照射方向の調整が可能であれば、特に、表示装置93に測定対象物OBの画像を表示しなくてもよい。
また、上記実施形態においては、ケース100の第2配置工程S2において、LED光源44からのLED光を測定対象物OBに照射し、結像レンズ48及び撮像器49による撮像画像を見ながら、X線の照射位置、X線の照射方向(残留応力の測定方向)、X線の入射角度φ及びX線の照射点からイメージングプレートまでの距離Lが設定通りになるように調整するようにした。しかし、高精度の測定が必要なければ、LED光源44、結像レンズ48及び撮像器49などをなくして、作業者が目視のみによりケース100を配置したり、スペーサを用いてケース100を配置したりするようにしてもよい。これによれば、装置の製造コストを下げることができる。
さらに、上記実施形態においては、X線回折測定装置を、回折環がイメージングプレート15に形成された後に、レーザ検出装置30からのレーザ光の照射により回折環を読取る構造にした。しかし、回折環の読取りを別途行う装置でも、イメージングプレート15の中心にある貫通孔を通してX線が出射され、イメージングプレート15に回折環を形成する装置であれは、本発明は適用されるものである。

Claims (10)

  1. 測定対象物に向けてX線を出射するX線出射器と、
    中央にX線を通過させる貫通孔が形成されたテーブルと、
    前記テーブルに取付けられて、中央部にてX線を通過させるとともに、測定対象物にて回折したX線の回折光を受光する受光面を有し、回折光の像である回折環を記録するイメージングプレートと、
    前記X線出射器、前記テーブル及び前記イメージングプレートを収容したケースとを備え、前記X線出射器から出射されたX線を前記ケースを通過させて測定対象物に照射し、前記X線の照射により測定対象物から出射された回折X線を前記ケースを通過させて前記イメージングプレートに導く回折環形成装置において、
    前記ケースは、互いに直交する第1平面壁及び第2平面壁と、前記第1平面壁及び前記第2平面壁と略45度の角度でそれぞれ交差する互いに平行な第3平面壁及び第4平面壁と、前記第3平面壁及び第4平面壁に垂直である第5平面壁とを有し、
    前記X線出射器から出射されるX線の光軸が、前記第1平面壁及び前記第2平面壁にそれぞれ直交する面内に含まれるとともに、前記3平面壁及び前記第4平面壁にそれぞれ平行であり、かつ前記第1平面壁と前記第2平面壁を延長させた交差線の近傍位置に、前記第5平面壁に対して入射角度が第1の所定角度になるように、前記X線出射器を前記ケース内に配置したことを特徴とする回折環形成装置。
  2. 請求項1に記載の回折環形成装置において、さらに、前記ケースに先端部が取付けられ、前記ケースを任意の位置及び任意の姿勢に設定可能な複数の関節を有する移動装置を備えたことを特徴とする回折環形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の回折環形成装置において、
    前記ケースは、さらに、前記第1平面壁及び前記第2平面壁のうちの一方の平面壁に対して前記ケースの内側方向に第2の所定角度で傾斜しているとともに、前記第1平面壁及び前記第2平面壁のうちの他方の平面壁に対して垂直な第6平面壁を有し、
    前記第6平面壁を互いに直交する一対の平面部を有する測定対象物の一対の平面部のうちの一方の平面部に平行な状態にするとともに、前記他方の平面壁を前記一対の平面部のうちの他方の平面部に平行な状態にしたとき、前記X線出射器から前記一対の平面部の交差線の近傍位置に出射されるX線の光軸を含むとともに前記他方の平面壁に直交する平面が、前記一対の平面部の交差線に直交する平面に対して前記第2の所定角度で交差するように、前記X線出射器からX線が出射されるようにしたことを特徴とする回折環形成装置。
  4. 請求項3に記載した回折環形成装置において、前記第2の所定角度は10度から40度の範囲内にあることを特徴とする回折環形成装置。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載した回折環形成装置において、前記第1の所定角度は30度から60度の範囲内にある回折環形成装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載した回折環形成装置において、さらに、
    前記X線出射器からX線が出射されていない状態で、前記X線出射器から出射されるX線と光軸を同一にした平行光である可視光を測定対象物に出射する可視光出射器と、
    前記可視光の照射点を含む領域の測定対象物の画像を結像する結像レンズ、及び前記結像レンズによって結像された画像を撮像する撮像器を有し、前記撮像された画像を表す撮像信号を出力するカメラと、
    前記カメラから出力される撮像信号を入力して、前記撮像器によって撮像された画像を画面上に表示する表示器であって、測定対象物における前記可視光の照射点から前記イメージングプレートまでの距離が所定距離であるとき、前記撮像器によって撮像される照射点の画像上の位置を照射点基準位置として、前記撮像信号により表示される画像とは独立して画面上に表示する表示器とを備えたことを特徴とする回折環形成装置。
  7. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載した回折環形成装置において、さらに、
    前記X線出射器からX線が出射されていない状態で、前記X線出射器から出射されるX線と光軸を同一にした平行光である可視光を測定対象物に出射する可視光出射器と、
    前記可視光の照射点を含む領域の測定対象物の画像を結像する結像レンズ、及び前記結像レンズによって結像された画像を撮像する撮像器を有し、前記撮像された画像を表す撮像信号を出力するカメラと、
    前記カメラから出力される撮像信号を入力して、前記撮像器によって撮像された照射点の撮像位置を検出し、前記撮像器によって撮像される照射点の撮像位置と、前記照射点から前記イメージングプレートまでの距離との関係に基づいて、前記検出した照射点の撮像位置を用いて前記X線の照射点から前記イメージングプレートまでの距離を導出する距離導出手段とを備えたことを特徴とする回折環形成装置。
  8. 請求項6に記載の回折環形成装置において、
    前記X線の照射における測定対象物の表面が前記第5平面壁に平行な状態にあるとき、
    前記結像レンズは測定対象物による前記可視光の反射光を集光し、
    前記撮像器は前記集光された反射光の受光点も撮像し、
    前記カメラは前記受光点を表す撮像信号も出力し、
    前記表示器は、前記撮像器によって撮像された受光点も前記撮像信号により画面上に表示し、さらに、
    前記表示器は、測定対象物における前記可視光の照射点における測定対象物の表面に対する可視光の入射角度が所定角度であるとき、前記撮像器によって撮像される前記受光点の画像上の位置を受光点基準位置として、前記撮像信号により表示される画像とは独立して画面上に表示するようにしたことを特徴とする回折環形成装置。
  9. 請求項6に記載の回折環形成装置において、
    前記X線の照射における測定対象物の表面が前記第5平面壁に平行な状態にあるとき、
    前記結像レンズは測定対象物による前記可視光の反射光を集光し、
    前記撮像器は前記集光された反射光の受光点も撮像し、
    前記カメラは前記受光点を表す撮像信号も出力し、さらに、
    前記撮像信号を基に前記撮像器によって撮像された受光点の撮像位置を検出し、前記撮像器によって撮像される受光点の撮像位置と、前記可視光出射器から出射される可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度との関係に基づいて、前記検出した受光点の撮像位置を用いて前記可視光出射器から出射される可視光の測定対象物の表面の法線に対する角度を導出する角度導出手段を設けたことを特徴とする回折環形成装置。
  10. 請求項1乃至9のうちのいずれか一つに記載した回折環形成装置を備えたX線回折測定装置であって、
    前記ケース内に、
    レーザ光を出射するレーザ光源及びレーザ光を受光するフォトディテクタを有し、レーザ光を前記イメージングプレートの受光面に照射するとともに、レーザ光の照射によって前記イメージングプレートから出射された光を受光して受光強度に応じた受光信号を出力するレーザ検出装置と、
    前記テーブルを貫通孔の中心軸周りに回転させる回転機構と、
    前記X線出射器からのX線を前記テーブル及び前記イメージングプレートを通過させるX線出射位置と、前記レーザ検出装置からのレーザ光を前記イメージングプレートに照射するレーザ光照射装置との間で、前記テーブルを移動させる移動機構とを備え、
    前記回転機構を制御して前記テーブルを回転させるとともに、前記移動機構を制御して前記テーブルを移動させながら、前記レーザ検出装置を制御して前記イメージングプレートの受光面にレーザ光を照射位置を検出しながら照射するとともに前記レーザ検出装置からの受光信号を入力して、前記検出した照射位置と前記入力した受光信号を処理して前記イメージングプレートに形成された回折環を読取る回折環読取り手段を備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
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