JP2020066586A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化水素油を含みながらも経時安定性に優れた口腔用組成物を提供すること。【解決手段】炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する口腔用組成物であって、(i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、(ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、(iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は(iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する、口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物等に関し、より詳細には口腔用乳化組成物等に関する。
水分含有量が比較的少なく炭化水素油を比較的多く含む組成物は、通常経時安定性が悪く、乳化剤を用いて乳化したとしても、長期間保存すると炭化水素油が分離してしまうことがしばしばである。このため各用途(例えば口腔用組成物)に用いることが難しかった。
特開2014−189550号公報 特開2009−95253号公報
本発明は、炭化水素油を含みながらも経時安定性が良好である口腔用組成物を調製することを課題とする。
本発明者らは、炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する組成物は、炭化水素油を含みながらも経時安定性が良好である可能性を見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する口腔用組成物であって、
(i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、
(ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、
(iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は
(iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する、
口腔用組成物。
項2.
水の含有量が5質量%以下である、項1に記載の口腔用組成物。
項3.
非水系組成物である、項1又は2に記載の口腔用組成物。
項4.
調製後25℃1週間静置により相分離しない、項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
項5.
炭化水素油がパラフィンである項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
項6.
口腔用組成物用担体である、炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する組成物であって、
(i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、
(ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、
(iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は
(iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する、
組成物。
炭化水素油を含みながらも経時安定性に優れた口腔用組成物を提供することができる。また、炭化水素油を含みながらも経時安定性に優れた口腔用乳化組成物を提供することができる。
以下、本発明に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。本発明は、口腔用組成物、当該組成物の製造方法等を好ましく包含するが、これらに限定されるわけではなく、本発明は本明細書に開示される全てを包含する。
本発明に包含される口腔用組成物は、炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する。本発明の口腔用組成物は、(i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、(ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、(iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は(iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する。
この(i)〜(iv)の多価アルコール及び界面活性剤の組み合わせを用いることにより、炭化水素油を含みながらも経時安定性に優れた口腔用組成物を提供することができる。(i)において、多価アルコールはグリセリンであり、界面活性剤はポリグリセリン脂肪酸エステル及びアルキルグルコシドである。(ii)において、多価アルコールはプロパンジオールであり、界面活性剤はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルである。(iii)において、多価アルコールはブチレングリコールであり、界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルである。(iv)において、多価アルコールはポリエチレングリコールであり、界面活性剤はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルである。なお、本発明の効果を損なわないのであれば、(i)〜(iv)に記載の多価アルコール及び界面活性剤以外の多価アルコール及び界面活性剤が含まれていてもよい。
プロパンジオールとしては、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)及び1,3−プロパンジオールのいずれも好ましく用いることができる。ブチレングリコールとしては、1,3−ブチレングリコールが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)の飽和又は不飽和脂肪酸とポリグリセリンとのエステル化合物が好ましい。
当該脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは10〜18である。また、当該脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸の場合は炭素間二重結合数が1、2、3、又は4であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。また、当該脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。当該脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソパルミトレイン酸、イソマルガリン酸、イソオレイン酸、イソリノール酸、イソベヘン酸等が好ましく例示され、中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、これらの脂肪酸を含む、ヤシ油脂肪酸及びパーム油脂肪酸といった天然の脂肪酸を用いてもよい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸と、ポリグリセリンとの、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はシクロエステル化合物が好ましく、モノ、ジ、又はトリエステル化合物がより好ましい。
当該ポリグリセリンは、平均4〜12(4、5、6、7、8、9、10、11、又は12)のグリセリン単位(−OCHCH(OH)CH−)を含むことが好ましく、平均5〜10のグリセリン単位を含むことがより好ましい。
好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、例えば、カプリン酸ポリグリセリル−n、ラウリン酸ポリグリセリル−n、ミリスチン酸ポリグリセリル−n、ステアリン酸ポリグリセリル−n、オレイン酸ポリグリセリル−n、ジミリスチン酸ポリグリセリル−n、ジステアリン酸ポリグリセリル−n、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−n、トリラウリン酸ポリグリセリル−n、トリミリスチン酸ポリグリセリル−n(ここでのnはグリセリン単位数を表しており、前記の通り4〜12であることが好ましく、特に5又は10が好ましい)等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキルグリコシドは、高級アルコールと糖とがグリコシド結合した構造を有する化合物である。
当該高級アルコールとしては、例えば炭素数6〜18(6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18)のアルキルアルコールが好ましく、炭素数8〜16のアルキルアルコールがより好ましい。当該アルキルアルコールは、直鎖若しくは分岐鎖状であってよく、直鎖状であることが好ましい。また、当該アルキルアルコールが有するOH基数は1であることが好ましい。
当該糖(高級アルコールとグリコシド結合する糖)としては、単糖又は多糖であってよく、多糖である場合には例えば2〜6(2、3、4、5、又は6)糖が好ましく、中でも2又は3糖が好ましい。単糖としては、例えばグルコース、マルトース等が好ましく、グルコースが中でも好ましい。また、多糖としては、例えばグルコース及びマルトースからなる群より選択される少なくとも1種が複数グリコシド結合で結合したものが好ましく、特にグルコースがグリコシド結合したものが好ましい。グリコシド結合はα又はβグリコシド結合であり得る。アルキルグルコシドは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、POE(n)硬化ヒマシ油(ここでnはEO平均付加モル数を表しており、10〜150程度が好ましく、15〜130程度がより好ましく、20〜120程度がさらに好ましい)が好ましい。なお、これはPEG−n水添ヒマシ油と記載することもできる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルとしては、POE(n)硬化ヒマシ油(ここでnはEO平均付加モル数を表しており、3〜70程度が好ましく、4〜60程度がより好ましく、5〜50程度がさらに好ましい。なお、これはPEG−n水添ヒマシ油と記載することもできる。)と、例えば、炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)の飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル化合物が好ましい。当該脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸の場合は炭素間二重結合数が1、2、3、又は4であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。また、当該脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。当該脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソパルミトレイン酸、イソマルガリン酸、イソオレイン酸、イソリノール酸、イソベヘン酸等が好ましく例示され、中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、これらの脂肪酸を含む、ヤシ油脂肪酸及びパーム油脂肪酸といった天然の脂肪酸を用いてもよい。
また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸と、POE(n)硬化ヒマシ油との、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はシクロエステル化合物が好ましく、モノ、ジ、又はトリエステル化合物がより好ましい。
好ましいポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルとして、具体的には、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレン(n)硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(n)硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(n)硬化ヒマシ油(ここでのnはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り3〜70程度が好ましく、4〜60程度がより好ましく、5〜50程度がさらに好ましい。)等が挙げられる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)であることが好ましい。より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり得、直鎖状であることがより好ましい。
また、エチレンオキシドユニット(EO)の平均付加モル数が2〜100程度であることが好ましく、2〜50程度であることがより好ましく、2〜40程度であることがさらに好ましい。
好ましいポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、具体的には、例えば、POE(n)ラウリルエーテル、POE(n)セチルエーテル、POE(n)ステアリルエーテル、POE(n)ベヘニルエーテル、POE(n)オレイルエーテル(ここでのnはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り2〜100程度であることが好ましく、2〜50程度であることがより好ましく、2〜40程度であることがさらに好ましい)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(i)〜(iv)に記載の界面活性剤以外に使用できる界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、ノニオン性界面活性剤が好ましく、より具体的には例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステロール等が挙げられる。
また、(i)〜(iv)に記載の界面活性剤も含めて、用いる界面活性剤のHLB(Hydrophilic−Lipophilic Balance)は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、特に制限されない。例えば7〜18程度が好ましい。当該範囲の上限若しくは下限は、例えば7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、又は17.5であってもよい。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)の飽和又は不飽和脂肪酸と、ポリエチレングリコールエーテルとの、エステル化合物が好ましい。
当該脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸の場合は炭素間二重結合数が1、2、3、又は4であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。また、当該脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。当該脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソパルミトレイン酸、イソマルガリン酸、イソオレイン酸、イソリノール酸、イソベヘン酸等が好ましく例示され、中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、これらの脂肪酸を含む、ヤシ油脂肪酸及びパーム油脂肪酸といった天然の脂肪酸を用いてもよい。
また、当該ポリエチレングリコールは、エチレンオキシドユニット(EO)の平均付加モル数が2〜150程度であることが好ましく、10〜140程度であることがより好ましく、20〜130程度であることがさらに好ましい。
また、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸と、ポリエチレングリコールとの、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はシクロエステル化合物が好ましく、モノ又はジエステル化合物がより好ましい。
好ましいポリエチレングリコール脂肪酸エステルとして、具体的には、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール−n、モノステアリン酸ポリエチレングリコール−n、モノオレイン酸ポリエチレングリコール−n、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール−n、ジラウリン酸ポリエチレングリコール−n、ジステアリン酸ポリエチレングリコール−n、ジオレイン酸ポリエチレングリコール−n、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール−n(ここでのnはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り2〜150程度であることが好ましく、10〜140程度であることがより好ましく、20〜130程度であることがさらに好ましい)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)の飽和又は不飽和脂肪酸と、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテルとの、エステル化合物が好ましい。
当該脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸の場合は炭素間二重結合数が1、2、3、又は4であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。また、当該脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。当該脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソパルミトレイン酸、イソマルガリン酸、イソオレイン酸、イソリノール酸、イソベヘン酸等が好ましく例示され、中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、これらの脂肪酸を含む、ヤシ油脂肪酸及びパーム油脂肪酸といった天然の脂肪酸を用いてもよい。
また、当該ポリオキシエチレンは、エチレンオキシドユニット(EO)の平均付加モル数が20〜80程度であることが好ましく、25〜70程度であることがより好ましく、30〜60程度であることがさらに好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸と、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテルとの、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はシクロエステル化合物が好ましく、トリ又はテトラエステル化合物がより好ましい。
好ましいポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、具体的には、例えば、テトラオレイン酸ソルベス−n(ここでのnはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り20〜80程度であることが好ましく、25〜70程度であることがより好ましく、30〜60程度であることがさらに好ましい)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルは、脂肪酸グリセリル(脂肪酸とグリセリンのモノエステル)のポリエチレングリコールエーテルであり、例えば、炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)の飽和又は不飽和脂肪酸とグリセリンのモノエステルに、ポリエチレングリコールが結合(エーテル結合)したものが好ましい。
当該脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸の場合は炭素間二重結合数が1、2、3、又は4であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。また、当該脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。当該脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソパルミトレイン酸、イソマルガリン酸、イソオレイン酸、イソリノール酸、イソベヘン酸等が好ましく例示され、中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましい。また、これらの脂肪酸を含む、ヤシ油脂肪酸及びパーム油脂肪酸といった天然の脂肪酸を用いてもよい。
また、当該ポリオキシエチレンは、エチレンオキシドユニット(EO)の平均付加モル数が3〜200程度であることが好ましく、5〜50程度であることがより好ましく、5〜30程度であることがさらに好ましい。
また、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとしては、脂肪酸グリセリルの有する2つのヒドロキシル基のうち1つだけがポリエチレングリコールとエーテル結合したものが好ましい。
好ましいポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとして、具体的には、例えば、ステアリン酸PEG−nグリセリル(ここでのnはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り3〜200程度であることが好ましく、5〜50程度であることがより好ましく、5〜30程度であることがさらに好ましい)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が8〜24(8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24)であることが好ましい。より好ましくは8〜22であり、さらに好ましくは10〜20であり、よりさらに好ましくは12〜18である。また、当該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり得る。
また、エチレンオキシドユニット(EO)の平均付加モル数が2〜100程度であることが好ましく、2〜50程度であることがより好ましく、2〜40程度であることがさらに好ましい。また、プロピレンオキシドユニット(PO)は平均付加モル数が2〜12程度であることが好ましく、2〜10程度であることがより好ましく、4〜8程度であることがさらに好ましい。
好ましいポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとして、具体的には、例えば、PPG−yセテス−x、PPG−yデシルテトラデセス−x(ここでのxはEO平均付加モル数を表しており、前記の通り2〜100程度であることが好ましく、2〜50程度であることがより好ましく、2〜40程度であることがさらに好ましい。また、ここでのyはPO平均付加モル数を表しており、前記の通り、2〜12程度であることが好ましく、2〜10程度であることがより好ましく、4〜8程度であることがさらに好ましい。)等が上げられる。
ポリオキシエチレンステロールとしては、PEG−nフィトステロール(ここでnはEO平均付加モル数を表しており、5〜100程度が好ましく、5〜50程度がさらに好ましく、10〜40程度がさらに好ましい)が好ましい。
炭化水素油としては、パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、セレシン、リモネン、テレビン油等が例示でき、特に口腔用組成物に用いられる公知の炭化水素油が好ましく、中でもスクワラン及びパラフィンが好ましく、特にパラフィンが好ましい。スクワランとしては動物性スクワラン及び植物性スクワランのどちらも用いることができ、例えばサメスクワラン、オリーブスクワラン等を好ましく用いることができる。また、パラフィンとしては、流動パラフィンが好ましく、特に軽質流動パラフィンがより好ましい。炭化水素油は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の口腔用組成物における、炭化水素油及び界面活性剤の含有割合は、例えば、界面活性剤1質量部に対して、炭化水素油は2〜125質量部程度が好ましく、3〜110質量部程度がより好ましく、5〜100質量部程度がさらに好ましい。
また、本発明の口腔用組成物における、多価アルコール及び界面活性剤の含有割合は、例えば、界面活性剤1質量部に対して、多価アルコールは3〜75質量部程度が好ましく、7〜60質量部程度がより好ましく、8〜50質量部程度がさらに好ましい。
また、本発明の口腔用組成物における、炭化水素油及び多価アルコールの含有割合は、例えば、多価アルコール1質量部に対して、炭化水素油は0.10〜10質量部程度が好ましく、0.13〜8質量部程度がより好ましく、0.15〜5質量部程度がさらに好ましい。
本発明の口腔用組成物における、炭化水素油及び界面活性剤の含有割合、多価アルコール及び界面活性剤の含有割合、並びに炭化水素油及び多価アルコールの含有割合は、口腔用組成物が調製されるのであれば特に制限されるわけではないが、いずれか1つを満たすことが好ましく、いずれか2つを満たすことがより好ましく、3つ全てを満たすことがさらに好ましい。
本発明の口腔用組成物における、炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤の含有量は、本発明の口腔用組成物が調製されれば特に制限されるわけではないが、炭化水素油、多価アルコール、界面活性剤の総質量に対して、炭化水素油は、3〜85質量%程度が好ましく、5〜80質量%程度がより好ましく、15〜75質量%程度がさらに好ましい。また、多価アルコールは、炭化水素油、多価アルコール、界面活性剤の総質量に対して、7〜95質量%程度が好ましく、15〜90質量%程度がより好ましく、20〜80質量%程度がさらに好ましい。また、界面活性剤は、炭化水素油、多価アルコール、界面活性剤の総質量に対して、0.3〜7質量%程度が好ましく、0.5〜6質量%程度がより好ましく、1〜5質量%程度がさらに好ましい。
また、これらの含有割合及び含有量は、本発明の口腔用組成物に含まれる全ての多価アルコールの合計、及び全ての界面活性剤の合計、に基づいて算出される値である。例えば、(i)〜(iv)に記載の多価アルコール及び界面活性剤以外の多価アルコール及び界面活性剤が含まれている場合は、当該その他の多価アルコール及び界面活性の含有量を(i)〜(iv)に記載の多価アルコール及び界面活性剤含有量に合算したうえで、算出される。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、水を含んでいてもよい。具体的には、例えば水の含有量は5質量%以下であることが好ましい。また、当該水の含有量範囲の上限は、4、3、2、1、又は0.5質量%であってもよい。本発明の口腔用組成物は、水を含まない組成物(すなわち、非水系組成物)であることがより好ましい。ただし、不可避的不純物として除去困難な量の水が当該組成物に含まれる場合については、ここでの「非水系組成物」に包含される。
本発明の口腔用組成物は、乳化組成物であることが好ましい。また、本発明の口腔用組成物は、特に調製後室温(25℃)で1週間静置したときに、より好ましくは調製後室温(25℃)で1ヶ月静置したときに、炭化水素油が分離しない(相分離を起こさない)ものが好ましい。本発明の口腔用組成物は、その形態は特に限定はされないが、例えばゲル状又はクリーム状であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物の調製方法としては、例えば、多価アルコールと界面活性剤とをまず撹拌し混合した後、撹拌を続けながら、当該混合物に炭化水素油を徐々に加えて混合する方法が挙げられる。混合は公知の攪拌機(例えばディスパーミキサー等)により行うことができる。一度に大量に炭化水素油を加えると均一に混ざらない場合があるため、少しずつ加えることが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、特に限定するものではないが、常法に従って例えば歯磨剤(例えば、練歯磨剤)、液体歯磨剤、洗口剤(マウスウォッシュ)、ジェル剤、軟膏状製剤、パスタ剤、ガム剤等の通常の剤形にすることができる。
本発明の口腔用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に含有させることができる公知の成分を含ませてもよい。このような成分を加えた本発明の口腔用組成物は、例えば、多価アルコールと界面活性剤とをまず撹拌し混合する際、一緒に当該成分を加えて混合する方法により調製することができる。
このような公知の成分としては、例えば、研磨剤、湿潤剤、発泡剤、香料、活性剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、pH調整剤、安定化剤、矯味剤、収れん剤、増粘剤、他の薬効剤等が挙げられる。なお、このような公知の成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
研磨剤としては、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂、生体活性ガラス等を用いることができる。
湿潤剤としては、例えばアルコール(一価アルコール又は多価アルコール)が挙げられ、より具体的には例えばエタノールが上げられる。また多価アルコールとしては、2価又は3価のアルコールが好ましく例示される。2価のアルコール及び3価のアルコールとしては、特に制限はされないが、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等が好ましく挙げられる。プロパンジオールとしては、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)及び1,3−プロパンジオールのいずれも好ましく用いることができる。中でも、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが好ましく、特にプロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
発泡剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18程度の高級アルキル硫酸エステル塩;N−長鎖アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホネート塩、高級脂肪酸ナトリウムモノグリセライドモノサルフェート、N−メチル−N−パルミトイルタウライド塩、N−アシルサルコシンナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤などが挙げられる。
香料としては、例えば、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ウインターグリーン、サリチル酸メチル、シオネール、チモール、丁字油、ユーカリ油、ローズマリー油、セージ油、レモン油、オレンジ油、オシメン油、シトロネロール、メチルオイゲノール等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、α−メトキシシンナミックアルデヒド、キシリット、スクラロース、パラチノース、ステビアフィン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
矯味剤としては、例えば、チャエキス、チャ乾留液、プロポリスエキス、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
収れん剤としては、例えば、重曹、乳酸アルミニウム、亜鉛化合物等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム、ローカストビンガム、カラギーナン、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、ジェランガム等のガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン等の合成粘結剤、増粘性シリカ、アルミニウムシリカゲル、ビーガム等の無機粘結剤、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、寒天、ゼラチン、大豆多糖類、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
他の薬効剤としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ素化合物;硝酸カリウム、塩化カリウム等のカリウム塩、塩化ストロンチウム等のストロンチウム塩、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素;トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、グリセロリン酸、クロロフィル、グルコン酸銅、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ピロリドンカルボン酸、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;酢酸−dl−α−トコフェロール、酢酸ピリドキシン、アスコルビン酸またはその塩等のビタミン類;アルギニン、リジン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸またはその塩等の塩基性アミノ酸;フラボノイド、フェノール酸等のポリフェノール類;アロエ、イチョウ葉、アガリクス、ウーロン茶、カミツレ、カリン、ギムネマ、クマザサ、甜茶、杜仲茶、ドクダミ、ハトムギ、メグスリノキ、ヨモギ、緑茶、ルイボス、レモンバーム、ローズマリー、クラブミン、ラカンカ、シソ、クランベリー、ノコギリソウ、エルダー、リコリス、ハッカ、ユーカリ、ガラナ、カンゾウ、ボダイジュ、ホップ、カカオ、クワ葉、タイム、オウゴン等の植物抽出物、乳酸菌、過酸化水素等が挙げられる。
なお、これら公知の成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の口腔用組成物に配合されている程度の量を参考に適宜調整することができる。
また本発明は、炭化水素油、多価アルコール、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有する、口腔用組成物用担体も包含する。当該口腔用組成物用担体は、用途が口腔用組成物用担体であるという点を除けば、その構成は基本的に上記口腔用組成物と同様である。
当該口腔用組成物用担体に更に口腔用組成物に許容される成分(例えば上記公知の成分)を加えることにより、好適な口腔用組成物を製造することができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本発明は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本発明の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本発明に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下、特に断らない限り、「%」は「質量%」を示す。また、各表に記載される各成分の配合量値も特に断らない限り「質量%」を示す。また、各表に記載の原料のうち、脂肪酸の結合数(例えば、ジ、トリなど)を表す文言が記載されていないものは、「モノ」を表す。(例えば、ラウリン酸ポリグリセリル−10はモノラウリン酸ポリグリセリル−10を意味する。)POEはポリオキシエチレンを、PEGはポリエチレングリコールを、それぞれ表す。
口腔用組成物の調製1
表1及び表2に示す組成(数値は質量%を示す)に従い、グリセリン及び軽質流動パラフィンに加えて、ラウリン酸ポリグリセリル−10を添加し、口腔用組成物を調製した。混合は、より詳細には次のようにして行った。容器(ビーカー)にグリセリンとラウリン酸ポリグリセリル−10を加え、ガラス棒を用いた手動攪拌、あるいはディスパーミキサーにより撹拌してこれらを混合した。この際、必要に応じて加温を行った。撹拌を続けながら、さらに軽質流動パラフィンを少量ずつ加えた。用いた軽質流動パラフィンは、モレスコホワイトP−70(株式会社MORESCO)である。
調製直後、得られた各組成物を目視観察して、相分離の有無を確認した。相分離が起こらずゲル状(乳化状態)を保つものを○と評価し、油相が分離してしまったものを×と評価した(調製可否の評価)。さらに、得られた組成物をガラス容器に充填し、1週間室温(25℃)で静置した後に再度目視観察して、同様に評価した(1週間安定性評価)。なお、1週間安定性評価が○のものは、特に記載のない限り、室温で1ヶ月程度まで相分離が起こらず安定であった。結果を表1及び表2にあわせて示す。
Figure 2020066586
Figure 2020066586
実施例に示す組成物は、相分離を起こさず、さらに1週間後も安定して乳化状態を保つことが判明した。
口腔用組成物の調製2
表3に示す組成(数値は質量%を示す)に従い、グリセリン及び軽質流動パラフィンに加えて、各種界面活性剤を添加し、口腔用組成物を調製し、上記と同様にして安定性を評価した。なお、実施例3−5のみ、軽質流動パラフィンとして、モレスコホワイトP−350(株式会社MORESCO)を用いた。モレスコホワイトP−70は、動粘度が12.56mm/s(40℃)、平均分子量が323の軽質流動パラフィンであるのに対して、モレスコホワイトP−350は動粘度が67.65mm/s(40℃)、平均分子量が483の軽質流動パラフィンである。結果を表3にあわせて示す。なお、表3中の○(1)は、静置後1週間は安定であるが、1ヶ月程度で分離したことを示す。
Figure 2020066586
実施例に示す組成物は、相分離を起こさず、さらに1週間後も安定して乳化状態を保つことが判明した。
口腔用組成物の調製3
表4〜表6に示す組成(数値は質量%を示す)に従い、グリセリン及び軽質流動パラフィンに加えて、各種界面活性剤を添加し、口腔用組成物を調製し、上記と同様にして安定性を評価した。なお、表5及び表6で用いたアルキルグリコシドは、Plantacare1200UP(BASF社)であり、より詳細には炭素数12〜16のアルキルアルコールのポリグリコシドの水溶液である。水の含有量は約47〜50%である。結果を表4〜表6にあわせて示す。
Figure 2020066586
Figure 2020066586
Figure 2020066586
実施例に示す組成物は、相分離を起こさず、さらに1週間後も安定して乳化状態を保つことが判明した。
口腔用組成物の調製4
表7〜表9に示す組成(数値は質量%を示す)に従い、各種多価アルコール及び軽質流動パラフィンに加えて、各種界面活性剤を添加し、口腔用組成物を調製し、上記と同様にして安定性を評価した。結果を表7〜表9にあわせて示す。
Figure 2020066586
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実施例に示す組成物は、相分離を起こさず、さらに1週間後も安定して乳化状態を保つことが判明した。
以下に本発明の口腔用組成物の処方例を示す。なお、各処方例の配合量(%)は質量%を示す。グリセリン:ラウリン酸ポリグリセリル−10:軽質流動パラフィン=35:5:60の組成物をベースとして用いた。下記処方は室温1週間静置後も油分の分離がなく、安定であった。
Figure 2020066586
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Claims (6)

  1. 炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する口腔用組成物であって、
    (i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、
    (ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、
    (iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は
    (iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する、
    口腔用組成物。
  2. 水の含有量が5質量%以下である、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 非水系組成物である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 調製後25℃1週間静置により相分離しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. 炭化水素油がパラフィンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  6. 口腔用組成物用担体である、炭化水素油、多価アルコール、及び界面活性剤を含有する組成物であって、
    (i)グリセリン、並びにポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はアルキルグルコシドを含有するか、
    (ii)プロパンジオール、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、
    (iii)ブチレングリコール、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有するか、又は
    (iv)ポリエチレングリコール、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを含有する、
    組成物。
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