以下、本発明の実施の形態に係る印刷システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係る印刷システム100を示す構成図である。
図1に示す印刷システム100は、第1印刷装置110と、第1中間装置120と、第2印刷装置130と、第2中間装置140と、媒体排出装置の一例である用紙排出装置1とを備える。
印刷システム100では、媒体の一例である用紙Sに片面印刷が行われる場合には、第1印刷装置110又は第2印刷装置130が片面印刷を行う。また、用紙Sに両面印刷が行われる場合には、例えば、第1印刷装置110が表面印刷を行い、第2印刷装置130が裏面印刷を行う。なお、図1には、用紙Sの搬送経路R1,R2−1,R2−2,R3,R4−1,R4−2を破線で示す。
第1印刷装置110は、媒体供給部の一例である給紙部111と、レジストローラ対114と、印刷部115と、吸着搬送部116と、排紙ローラ対117とを有する。
給紙部111は、給紙台111aと、スクレーパローラ111bと、ピックアップローラ111cとを有する。
給紙台111aには、印刷前の用紙Sが積載される。
スクレーパローラ111bは、給紙台111aに積載された用紙Sのうち最上位に位置する用紙Sを繰り出して搬送する繰り出しローラである。
ピックアップローラ111cは、スクレーパローラ111bによって繰り出された用紙Sを搬送する。
給紙部111は、後述する制御部151による図示しない給紙駆動手段の駆動制御によって、スクレーパローラ111b及びピックアップローラ111cが回転し、用紙Sを印刷部115へ供給する。
レジストローラ対114は、斜行の補正のために用紙Sが突き当てられた後、この用紙Sを搬送する。
印刷部115は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷部115の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
吸着搬送部116は、印刷部115に対向するように配置されている。吸着搬送部116は、用紙Sを吸着しながら、ベルトによって用紙Sを搬送する。
排紙ローラ対117は、用紙Sを搬送することで、第1印刷装置110から用紙Sを排出させる。
第1中間装置120は、搬送ローラ対121と、スイッチバックローラ対122と、搬送ローラ対123とを有する。
搬送ローラ対121は、第1印刷装置110の排紙ローラ対117によって第1印刷装置110から排出された用紙Sを搬送する。搬送ローラ対121によって搬送された用紙Sは、第1印刷装置110から続く直進搬送経路R1から、図示しない切替機構によって、用紙Sを反転させる反転搬送経路R2−1又は用紙Sを反転させない直進搬送経路R2−2に切り替えられて搬送される。
スイッチバックローラ対122は、正逆両方向に回転可能であり、反転搬送経路R2−1において用紙Sをスイッチバックし、搬送ローラ対123へ向けて搬送する。
搬送ローラ対123は、反転搬送経路R2−1又は直進搬送経路R2−2から搬送された用紙Sを、第2印刷装置130に続く直進搬送経路R3に搬送する。
第2印刷装置130は、レジストローラ対131と、印刷部132と、吸着搬送部133と、排紙ローラ対134とを有する。
レジストローラ対131は、斜行の補正のために用紙Sが突き当てられた後、この用紙Sを搬送する。
印刷部132は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷部132の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
吸着搬送部133は、印刷部132に対向するように配置されている。吸着搬送部133は、用紙Sを吸着しながら、ベルトによって用紙Sを搬送する。
排紙ローラ対134は、用紙Sを搬送することで、第2印刷装置130から用紙Sを排出させる。
第2中間装置140は、搬送ローラ対141と、スイッチバックローラ対142と、搬送ローラ対143とを有する。
搬送ローラ対141は、第2印刷装置130の排紙ローラ対134によって第2印刷装置130から排出された用紙Sを搬送する。搬送ローラ対141によって搬送された用紙Sは、第2印刷装置130から続く直進搬送経路R3が、図示しない切替機構によって、用紙Sを反転させる反転搬送経路R4−1又は用紙Sを反転させない直進搬送経路R4−2に切り替えられて搬送される。
スイッチバックローラ対142は、正逆両方向に回転可能であり、反転搬送経路R4−1において用紙Sをスイッチバックし、搬送ローラ対143へ向けて搬送する。
搬送ローラ対143は、反転搬送経路R4−1又は直進搬送経路R4−2から搬送された用紙Sを、第2中間装置140から排出する。
用紙排出装置1は、積載された複数枚の用紙Sである用紙束SB(媒体束の一例)を搬送する第1搬送部の一例である第1コンベア10と、この第1コンベア10から搬送されてきた用紙束SBを搬送する第2搬送部の一例である第2コンベア20と、第1コンベア10を昇降させる昇降部30とを備える。
第1コンベア10は、ベルト11と、プーリ12,13とを有する。
ベルト11は、プーリ12,13に架け渡されている。ベルト11には、上述のように第2中間装置140から排出される用紙S、すなわち印刷済みの用紙Sが積載される。このように、第1コンベア10(ベルト11)には、印刷装置110によって印刷された用紙Sが順次積載される。すなわち、第1コンベア10は、排紙台として機能する。ベルト11は、複数枚の用紙Sである用紙束SBを搬送する。
プーリ12,13のうち一方は、後述する第1コンベア搬送駆動部51から動力を伝達される駆動プーリであり、他方は従動プーリである。
第1コンベア10は、昇降部30の図示しないアームによって保持された状態で、鉛直方向に延びる一対のガイド31,32に沿って昇降する。
第2コンベア20は、ベルト21と、プーリ22,23と、ベース部24とを有する。
ベルト21は、プーリ22,23に架け渡されている。また、ベルト21は、第1コンベア10のベルト11の搬送方向D下流側に配置され、ベルト11から搬送される用紙束SBを、例えば、第2コンベア20における搬送方向D中央まで搬送する。その後、用紙束SBは、ユーザによって受け取られる。
但し、第2コンベア20の更に搬送方向D下流側に、コロ等の搬送部材が配置された台車や第3コンベアなどの第3搬送部が配置されていてもよい。また、第2コンベア20自体が、コロ等の搬送部材が配置された台車などの搬送部であってもよく、その場合、第2コンベア20を駆動する後述する第2コンベア搬送駆動部52は省略可能である。
プーリ22,23のうち一方は、後述する第2コンベア搬送駆動部52から動力を伝達される駆動プーリであり、他方は、従動プーリである。
ベース部24は、第2コンベア20の下部に配置されている。
ここで、第1コンベア10及び第2コンベア20は、ベルト11,21を有するため、ベルトコンベアといえるが、ローラコンベア等の他の搬送部であってもよい。また、図1では、第1コンベア10が筐体に収容され、第2コンベア20が筐体に収容されていないように図示されているが、第1コンベア10及び第2コンベア20の両方が筐体に収容されていてもよいし、両方が筐体に収容されていなくともよい。また、第1コンベア10の周囲にはサイドフェンスやエンドフェンス等が設けられているとよい。
図2は、印刷システム100の制御構成を示す図である。
図2に示すように、印刷システム100は、制御部151と、記憶部152とを備える。
また、用紙排出装置1は、センサ40と、第1搬送駆動部(アクチュエータ)の一例である第1コンベア搬送駆動部51と、第2搬送駆動部(アクチュエータ)の一例である第2コンベア搬送駆動部52とを備える。また、図1に示す用紙排出装置1の昇降部30は、昇降駆動部(アクチュエータ)の一例である第1コンベア昇降駆動部33を有する。
制御部151は、印刷システム100全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有し、第1印刷装置110、第1中間装置120、第2印刷装置130、第2中間装置140、及び用紙排出装置1の動作を制御する。なお、制御部151は、単一の制御部に限られず、例えば、第1印刷装置110、用紙排出装置1等のそれぞれに分離して配置された制御部であってもよい。
記憶部152は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
第1コンベア搬送駆動部51は、第1コンベア10を駆動する。第1コンベア搬送駆動部51は、例えばモータである。
第2コンベア搬送駆動部52は、第2コンベア20を駆動する。第2コンベア搬送駆動部52は、例えばモータである。
第1コンベア昇降駆動部33は、第1コンベア10を、用紙Sが積載される1つ以上の積載位置P1(例えば図5A及び図5Bに示す積載位置P1−1,P1−2)と、用紙束SBを第2コンベア20へ受け渡す受け渡し位置P2とに上述のガイド31,32に沿って昇降させる。第1コンベア昇降駆動部33は、例えばモータである。
なお、第1コンベア10の積載位置P1が単一の位置(高さ)であると、図5A及び図5Bに示すように第2中間装置140の排出ローラ対143によって用紙Sが排出される高さである排出高さH1と積載面高さH2との間隔が変動し、用紙Sの積載位置がばらつく。そのため、用紙Sが積載されていくのに伴って第1コンベア10が下降し、積載面高さH2が一定の位置となるとよい。
また、積載位置P1が複数位置ある場合に、最下部の積載位置P1の高さが受け渡し位置P2の高さに一致してもよい。この場合、受け渡し位置P2の高さに一致する積載位置P1から用紙束SBの搬送を行う場合には、第1コンベア10を下降させずに、そのまま用紙束SBが第1コンベア10から第2コンベア20に受け渡されることになる。
なお、第1コンベア搬送駆動部51と第2コンベア搬送駆動部52と第1コンベア昇降駆動部33とのうち少なくとも2つを兼ねる駆動部が配置されてもよい。
例えば、制御部151は、印刷ジョブの印刷が終了した場合、又は印刷枚数が設定枚数に到達した場合に、用紙排出装置1の第1コンベア10を図5Cに示す下端の受け渡し位置P2へ下降させるように第1コンベア昇降駆動部33を制御する。そして、制御部151は、第1コンベア10によって用紙束SBを搬送するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する。
或いは、制御部151は、積載された用紙束SBの高さが上限高さに到達したこと(すなわち、第1コンベア10に限界量の用紙Sが積載されたこと)、又は設定高さに到達したことが、第1コンベア10の高さを検知するセンサによって検知されたときに、第1コンベア10を受け渡し位置P2に下降させ、用紙束SBを搬送するように第1コンベア昇降駆動部33及び第1コンベア搬送駆動部51を制御してもよい。なお、上限高さ又は設定高さにおける用紙束SBの積載枚数は、薄紙であれば普通紙よりも多くなる。
センサ40は、積載面高さH2を検知する積載面検知センサ、第1コンベア10の高さを検知する上記のセンサ、第1コンベア10と第2コンベア20との間で用紙束SBの通過を検知するセンサなどを含むとよい。なお、積載面検知センサは、例えば、所定の積載面高さH2に水平に光を照射し、この検知光が用紙束SBによって遮蔽されると、積載面高さH2が上がったことを検知する。この検知結果に基づき、制御部151は、第1コンベア昇降駆動部33を制御することによって、第1コンベア10を例えば用紙S数枚分の厚さだけ下降させる。
また、センサ40は、用紙排出装置1が設置された環境の環境情報の一例である気流を検知する気流検知センサ、環境情報の他の一例である湿度を検知する湿度検知センサなどを含むとよい。これらの気流検知センサ及び湿度検知センサは、環境情報を検知する環境情報検知部の一例として機能する。このように検知される環境情報は、制御部151によって取得される。なお、気流、湿度などの環境情報は、用紙排出装置1の外部に配置されたセンサによって検出され、制御部151によって取得されてもよい。
なお、上述の印刷システム100は、複数の印刷装置の一例である第1印刷装置110及び第2印刷装置130を備えるが、単一の印刷装置及び用紙排出装置1のみを備えていてもよい。また、用紙排出装置1は、第2中間装置140に隣接して配置されているが、第2中間装置140を介さずに、第2印刷装置130(印刷装置)に隣接するように配置されていてもよい。また、用紙排出装置1は、印刷装置や中間装置に一体に配置されていてもよい。また、用紙排出装置1は、第1コンベア10が他の装置に配置された第2コンベア20に用紙束SBを受け渡すように搬送するのであれば、第2コンベア20を備えないものであってもよい。
以下、図3、図4、及び図5A〜図5Dを参照しながら印刷システム100の動作を説明する。
図3は、印刷処理を説明するためのフローチャートである。
図4は、第1コンベア10の受け渡し復帰処理を説明するためのフローチャートである。
図5A〜図5Dは、第1コンベア10の受け渡し動作を説明するための図である。
なお、図3及び図4に示すフローチャートの各処理は、図2に示す制御部151によって行われる。
まず、制御部151は、図1に示す給紙部111に用紙Sの供給を開始させる(ステップS1)。また、制御部151は、第1印刷装置110(印刷部115、吸着搬送部116等)、第1中間装置120、第2印刷装置130(印刷部132、吸着搬送部133等)、第2中間装置140を制御し、用紙Sへの印刷を行う。
制御部151は、印刷処理が終了したかを、例えばすべての印刷ジョブが終了したかに基づいて判定し(ステップS2)、印刷処理が終了した場合(ステップS2:YES)には、図3に示す処理を終了させる。
また、制御部151は、印刷処理を終了させない場合(ステップS2:NO)には、図5A及び図5Bに示すように排出高さH1よりも下方の積載面高さH2に用紙Sが積載されていくことで形成される用紙束SBが受け渡し条件を満たすかを判定する(ステップS3)。この受け渡し条件に関して、制御部151は、例えば、第1コンベア10に限界量の用紙Sが積載されたこと又は積載された用紙束SBが設定高さに到達したことが、第1コンベア10の高さを検知するセンサによって検知された場合、設定枚数の印刷が終了した場合、印刷ジョブの印刷が終了した場合などに受け渡し条件を満たすと判定する。
制御部151は、受け渡し条件を満たさないと判定した場合(ステップS3:NO)、印刷処理を終了させるかの上記の判定(ステップS2)に戻る。
制御部151は、受け渡し条件を満たすと判定した場合(ステップS3:YES)、給紙部111に用紙Sの供給を停止させる(ステップS4)。その後、制御部151は、停止前の最後に供給された用紙Sの印刷が行われるまで、第1印刷装置110(印刷部115、吸着搬送部116等)、第1中間装置120、第2印刷装置130(印刷部132、吸着搬送部133等)、第2中間装置140を制御し、その後、用紙Sへの印刷を停止させる。なお、制御部151が給紙部111に用紙Sの供給を停止させるタイミングは、例えば、後述する受け渡し復帰処理S5(受け渡し動作S51,S52)を行う前である。
次に、制御部151は、図4に示す第1コンベア10の受け渡し復帰処理を開始する(ステップS5)。この受け渡し復帰処理は、後述するように、ステップS51及びS52の受け渡し動作とステップS53の復帰動作とを含む。
まず、制御部151は、図5Bに示すように積載位置P1−2にある第1コンベア10を図5Cに示すように受け渡し位置P2へ下降させるように第1コンベア昇降駆動部33を制御する(ステップS51)。また、制御部151は、図5Dに示すように用紙束SBが第2コンベア20に受け渡されるまで、第1コンベア10に用紙束SBを搬送させるように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS52)。また、制御部151は、第2コンベア20を駆動するように第2コンベア搬送駆動部52も制御する。なお、用紙束SBが第1コンベア10から第2コンベア20に受け渡されたことは、例えば、第1コンベア10と第2コンベア20との間で用紙束SBの通過を検知する上記のセンサの検知結果に基づいて制御部151によって検出されるか、或いは、第1コンベア10の搬送量によって検出されればよい。
このステップS51及びS52に要する用紙束SBの受け渡し時間が時間T1である。この受け渡し時間T1は、第1コンベア10の下降時間T1aと第1コンベア10の搬送時間T1bとの和となる。
下降時間T1aは、図5Bに示す積載位置P1−2から受け渡し位置P2への距離と第1コンベア10の下降速度とに基づいて算出することができる。
また、搬送時間T1bは、用紙束SBの搬送距離と、第1コンベア10の搬送速度及び搬送加速度とに基づいて算出することができる。搬送速度、搬送加速度、および搬送時間T1bについては後述する。
なお、第1コンベア10の下降動作中に第1コンベア10の搬送動作も行われる場合には、受け渡し時間T1は、下降時間T1aと搬送時間T1bとの和よりも短くなる。また、下降時間T1aは、第1コンベア10における用紙束SBの積載枚数(積載量)によって第1コンベア10の積載位置P1における高さが異なるため、用紙束SBの積載枚数によって時間が変動する。なお、第1コンベア10に限界量の用紙Sが積載されたときの積載位置P1の高さが受け渡し位置P2の高さに一致する場合には、ステップS51の処理は省略され、搬送時間T1bが受け渡し時間T1となる。
制御部151は、用紙束SBが第2コンベア20に受け渡されると、第1コンベア10を図5Aに示す積載位置P1−1に上昇させるように第1コンベア昇降駆動部33を制御する(ステップS53)。第1コンベア10が積載位置P1−1に上昇(復帰)するまでの復帰時間、すなわち復帰動作に要する時間が時間T2である。
復帰時間T2は、受け渡し位置P2から図5Aに示す積載位置P1−2への距離と第1コンベア10の上昇速度とに基づいて算出することができる。
なお、第1コンベア10の積載位置P1が図5A及び図5Bに示すように積載面高さH2を一定高さとするべく複数位置に下降するため、復帰時の図5Aに示す積載位置P1−1は、下降前の図5Bに示す積載位置P1−2よりも上方にある。そのため、下降速度と上昇速度とが同一であっても、復帰時間(上昇時間)T2は、下降時間T1aよりも長くなる。
図3に戻り、制御部151は、給紙部111によって供給された用紙Sが第1コンベア10に積載されるまでの印刷所要時間を時間T3としたとき、受け渡し時間T1、復帰時間T2、印刷所要時間T3に基づき、「T1+T2>T3」の関係を満たす場合に、受け渡し動作(ステップS5の受け渡し復帰処理)を開始したときから時間「T1+T2−T3」経過したかの判定を繰り返す(ステップS6)。なお、印刷所要時間T3は、例えば、片面印刷又は両面印刷であるか、用紙Sの搬送方向Dにおける長さ、例えば印刷部115,132による印刷モード(通常モード、高精彩モードなど)によって変動する用紙搬送速度(ページ/分)などの用紙Sの印刷条件によって変動する。そのため、印刷所要時間T3は、次に印刷される用紙Sの印刷条件によって決定されるとよい。
なお、受け渡し開始時の積載位置P1−2の高さに応じた受け渡し時間T1、復帰時間T2、及び各印刷条件における印刷所要時間T3は、記憶部152に記憶されているとよい。
制御部151は、受け渡し動作を開始したときから時間「T1+T2−T3」経過していれば、給紙部111に用紙Sの供給を再開させる(ステップS7)。なお、受け渡し動作を開始したときから時間「T1+T2−T3」経過時に第1コンベア10が積載位置P1−1に復帰するため、制御部151は、時間「T1+T2−T3」経過後、誤差を踏まえて少し時間を置いてから給紙部111に用紙Sの供給を再開させてもよい。但し、時間T1+T2経過後に制御部151が給紙部111に用紙Sの供給を再開させると、第1コンベア10が受け渡し位置P2に復帰してから給紙部111に用紙Sの供給を再開させるのと同じになるため、制御部151は、時間T1+T2経過前に給紙部111に用紙Sの供給を再開させるとよい。
制御部151は、上述のように給紙部111に用紙Sの供給を再開させるとともに、第1印刷装置110(印刷部115、吸着搬送部116等)、第1中間装置120、第2印刷装置130(印刷部132、吸着搬送部133等)、第2中間装置140を制御し、用紙Sへの印刷を再開する。その後、制御部151は、ステップS2の処理から処理を繰り返す。なお、制御部151が給紙部111に用紙Sの供給を再開させるときには、受け渡し動作の開始後、時間「T1+T2−T3」が経過した段階であるため、受け渡し動作の開始後から時間T1+T2を要する受け渡し復帰処理(ステップS51〜S53)は、終了していない。
制御部151は、上述のステップS6において、「T1+T2≦T3」の関係を満たす場合には、受け渡し動作の開始後すぐに給紙部111に用紙Sの供給を再開させてもよいし、或いは、受け渡し動作の開始よりも時間「T3−(T1+T2)」前に給紙部111に用紙Sの供給を再開させてもよい。
以上のように、制御部151は、受け渡し動作(ステップS51及びS52)と復帰動作(ステップS53)とを含む受け渡し復帰処理(ステップS51〜S53,S5)が完了したとき以降に、給紙部111によって供給された用紙Sが第1コンベア10に積載されるように、給紙部111による用紙Sの給紙を停止させた後、受け渡し復帰処理の途中で(受け渡し復帰処理の完了前の一例)、給紙部111に用紙Sの供給を再開させる。
ところで、上述の第1コンベア10の搬送速度、搬送加速度、及び搬送時間T1bに関して、第1コンベア10や第2コンベア20が用紙束SBを搬送する際には、定速搬送時における用紙束SBの搬送速度が速いほど、加速搬送時における用紙束SBの搬送加速度(すなわち正の加速度)が大きいほど、或いは減速搬送時における用紙束SBの搬送加速度(すなわち負の加速度)の絶対値が大きいほど、用紙束SBに紙崩れが生じやすくなる。搬送速度を遅くすることによって、或いは、搬送加速度の絶対値を小さくすることによって、紙崩れを抑制することができるが、その分、搬送時間T1bが延びることになる。
そのため、搬送時間T1bを短くする観点では、用紙束SBの搬送速度をなるべく早く、或いは搬送加速度の絶対値をなるべく高くすることが望ましい。そこで、本実施の形態では、制御部151は、第1コンベア10及び第2コンベア20に積載された用紙束SBの積載用紙情報(積載媒体情報の一例)に基づいて、第1コンベア10及び第2コンベア20が用紙束SBを搬送する搬送速度及び搬送加速度の両方又は一方を決定する。また、制御部151は、決定された搬送速度及び搬送加速度に基づいて第1コンベア搬送駆動部51及び第2コンベア搬送駆動部52を制御することによって、第1コンベア10及び第2コンベア20に用紙束SBの搬送を行わせる。
なお、搬送速度及び搬送加速度のうち一方が積載用紙情報に基づいて決定されない場合には、決定されない一方は、積載用紙情報に基づかない所定の速度又は加速度とすればよい。また、制御部151は、搬送速度及び搬送加速度を積載用紙情報に基づいて決定する処理を行うという設定が例えばユーザによって設定されている場合などに限って、上述の積載用紙情報に基づく搬送速度及び搬送加速度の決定を行ってもよい。
まず、制御部151が、記憶部152に格納された図6に示すテーブルを参照することによって、搬送速度、搬送加速度、及び搬送時間T1bを決定する例について説明する。
図6は、積載用紙情報(パラメータ)と、加速搬送又は減速搬送時の搬送加速度、定速搬送時の搬送速度、及び搬送時間T1bとの関係を表すテーブルである。
まず、第1コンベア10又は第2コンベア20に積載された用紙束SBの積載用紙情報は、用紙Sの種類(図6における用紙種類)、用紙Sのサイズ(図6における用紙サイズ)、用紙Sの向き(図6における用紙方向)、及び用紙S(用紙束SB)の積載枚数(図6における用紙枚数)のうち少なくとも1つを含むとよい。
図6に示すテーブルでは、積載用紙情報として、用紙種類、用紙サイズ、用紙方向、及び用紙枚数の4つが含まれるが、図6に示すテーブルは、少なくとも1つの積載用紙情報を含めばよい。なお、積載用紙情報は、例えば、印刷ジョブに基づいて制御部151によって取得される。
用紙種類は、例えば、坪量(単位面積当たりの重量)が相対的に大きい普通紙、相対的に小さい薄紙などである。薄紙は、普通紙よりも坪量が小さいため、同じ用紙サイズであれば、重量が小さくなり、滑りに対する摩擦力が小さくなる。したがって、薄紙は、普通紙よりも紙崩れが生じやすいといえる。
なお、用紙種類としては、普通紙よりも坪量が大きい厚紙が含まれてもよい。また、用紙種類は、坪量(薄紙又は普通紙)に限られず、用紙Sの材質等の他の用紙種類であってもよい。用紙Sの材質に応じて、生じる摩擦力が異なり、紙崩れの生じやすさも異なるためである。
用紙サイズは、例えば、A3(297×420mm)、A4(210×297mm)などである。A3よりもサイズが小さいA4は、第1コンベア10及び第2コンベア20のベルト11,21との接触面積がA3よりも小さくなるため、摩擦力が小さくなる。したがって、A4は、A3よりも紙崩れが生じやすいといえる。
用紙方向は、用紙Sの長手方向が搬送方向Dに平行な縦方向、又は、用紙Sの長手方向が搬送方向Dに直交する横方向である。横方向は、縦方向よりも重心から転倒支点までの距離が短くなるため、縦方向よりも紙崩れが生じやすいといえる。
用紙枚数は、例えば、1枚〜1000枚、1001枚〜2000枚、2001枚以上などである。積載された用紙枚数が多いほど、重心が高くなるため、2001枚以上が最も紙崩れが生じやすく、1001枚〜2000枚が次に紙崩れが生じやすく、1枚〜2000枚は最も紙崩れが生じにくい。なお、図6のテーブルでは、用紙枚数が3つの範囲で区切られているが、4つ以上又は2つの範囲で区切ってもよい。
図6のテーブルには、上述の用紙種類、用紙サイズ、用紙方向、及び用紙枚数に対応する加速搬送時における搬送加速度(a1〜x1[m/s2])、減速搬送時における搬送加速度(a2〜x2[m/s2])、定速搬送時における速度(a3〜x3[m/s])、及び搬送時間T1b(a4〜x4[s])が定められている。搬送時間T1bは、搬送速度及び搬送加速度と搬送距離とに基づいて決定することができる。搬送加速度及び搬送速度は、実験的に定められているとよいが、例えば、積載用紙情報が紙崩れを生じさせやすいものを含むほど、搬送加速度の絶対値が小さく且つ搬送速度が遅くなるように設定されるとよい。
例えば、図6のテーブルでは、用紙種類「薄紙」、用紙サイズ「A4」、用紙方向「横」、及び用紙枚数「2001枚以上」の場合に最も紙崩れが生じやすいため、この場合の加速搬送時における加速度x1[m/s2]及び減速搬送時における加速度x2[m/s2]の絶対値が最も小さくなり、定速搬送時における速度x3[m/s]が最も遅くなることが望ましい。
なお、加速搬送時における搬送加速度(すなわち正の加速度)及び減速搬送時(負の加速度)における搬送加速度は、ともに絶対値が小さいほど紙崩れを生じさせにくく、加速度の方向が逆方向のものである。そのため、加速搬送時における搬送加速度にマイナス1倍したものが減速搬送時における搬送加速度となるようにしてもよい。
また、図6のテーブルに含まれない積載用紙情報を含む条件(例えば、用紙サイズB4)の用紙束SBについては、図6のテーブルの搬送速度や搬送加速度に基づいて搬送速度や搬送加速度が決定されてもよい。
例えば、用紙サイズB4(257×364mm)は、A3(297×420mm)よりもサイズが小さいが、A3よりも紙崩れを生じさせやすいA4(210×297mm)よりはサイズが大きい。そのため、このような場合、制御部151は、用紙種類等の他の積載用紙情報が一致するA3の搬送速度よりも遅く且つA4の搬送速度よりも速い搬送速度にB4の搬送速度を決定し、A3の搬送加速度よりも絶対値が小さく且つA4の搬送加速度よりも絶対値が大きい搬送加速度にB4の搬送加速度を決定するとよい。例えば、制御部151は、用紙種類等の他の積載用紙情報が一致するA3及びA4の中間の値となるようにB4の搬送速度及び搬送加速度を決定してもよいし、A3とA4とB4との面積比に搬送速度及び搬送加速度のそれぞれの比が一致するように、B4の搬送速度及び搬送加速度を決定してもよい。
また、制御部151が用紙束SBの積載用紙情報として、図6のテーブルに含まれる積載用紙情報の一部(例えば、用紙種類)を取得できない場合には、用紙種類「普通紙」及び他の取得された積載用紙情報に対応する搬送速度と、用紙種類「薄紙」及び他の取得された積載用紙情報とに対応する搬送速度との中間の値を搬送速度に決定するとよい。同様に、搬送加速度についても、例えば、用紙種類「普通紙」と他の取得された積載用紙情報とに対応する搬送加速度と、用紙種類「薄紙」と他の取得された積載用紙情報とに対応する搬送加速度との中間の値を搬送加速度に決定するとよい。すなわち、制御部151は、取得できた一部の積載用紙情報に対応する複数の搬送速度及び複数の搬送加速度に基づいて搬送速度及び搬送加速度を決定するとよい。
図7は、用紙束SBの搬送速度及び搬送加速度と搬送時間T1bとの関係を示すグラフである。
図7では、用紙種類「普通紙」、用紙サイズ「A3」、用紙方向「縦」が共通し、用紙枚数が「1枚〜1000枚」、「1001枚〜2000枚」、「2001枚以上」で互いに相違する3つの条件の用紙束SBの搬送加速度及び搬送速度の例を示す。
図6に示すように、用紙枚数が「1枚〜1000枚」の条件、「1001枚〜2000枚」の条件、及び「2001枚以上」の条件では、加速搬送時における搬送加速度が順にa1,b1,c1[m/s2]となり、減速搬送時における搬送加速度が順にa2,b2,c2[m/s2]となり、定速搬送時における搬送速度が順にa3,b3,c3[m/s]となる。
図7に示すように、用紙枚数が「1枚〜1000枚」の条件(細い実線)では、3つの条件の中で最も紙崩れを生じさせにくいため、加速搬送時における搬送加速度a1[m/s2]、及び減速搬送時における搬送加速度a2[m/s2]の絶対値が最も大きくなり、定速搬送時における搬送速度a3[m/s]が最も速くなり、搬送時間T1b(a4)が最も短くなる。
そして、用紙枚数が「1001枚〜2000枚」の条件(太い実線)では、3つの条件の中で2番目に紙崩れを生じさせにくいため、加速搬送時における搬送加速度b1[m/s2]、及び減速搬送時における搬送加速度b2[m/s2]の絶対値が2番目に大きくなり、定速搬送時における搬送速度b3[m/s]が2番目に速くなり、搬送時間T1b(b4)が2番目に短くなる。
また、用紙枚数が「2001枚以上」の条件(細い破線)では、3つの条件の中で最も紙崩れを生じさせやすいため、加速搬送時における搬送加速度c1[m/s2]、及び減速搬送時における搬送加速度c2[m/s2]の絶対値が最も小さくなり、定速搬送時における搬送速度c3[m/s]が最も遅くなり、搬送時間T1b(c4)が最も長くなる。
このように、搬送速度と搬送加速度の絶対値との関係では、搬送速度が遅い条件ほど搬送加速度の絶対値を小さくするとよいが、各条件で、加速搬送時における搬送加速度、及び減速搬送時における搬送加速度のみを他の条件と異ならせ、定速搬送時における搬送速度を一定としてもよい。また、加速搬送時における搬送加速度、及び減速搬送時における搬送加速度のうち一方のみを他の条件と異ならせてもよい。また、加速搬送時における搬送加速度、及び減速搬送時における搬送加速度を一定とし、定速搬送時における搬送速度のみを他の条件と異ならせてもよい。
このように、図2に示す制御部151は、積載用紙情報に基づいて、加速搬送時における搬送加速度、減速搬送時における搬送加速度、定速搬送時における搬送速度のうち少なくとも1つを決定するとともに、搬送時間T1bを決定するとよい。
なお、上述の説明では、制御部151がテーブルを参照することによって、搬送速度、搬送加速度、及び搬送時間T1bを決定する例について述べたが、制御部151は、積載用紙情報に対応する設定値に基づいて演算を行うことによって、加速搬送時における搬送加速度、減速搬送時における搬送加速度、定速搬送時における搬送速度のうち少なくとも1つを決定し、これらの決定された又は所定の搬送加速度や搬送速度に基づいて搬送時間T1bを決定してもよい。
また、制御部151は、上述の積載用紙情報に加えて(又は積載用紙情報に代えて)、用紙排出装置1が設置された環境の気流、湿度などの環境情報に基づいて搬送速度及び搬送加速度を決定してもよい。
例えば、気流が強い場合には、気流が弱い場合と比較して、紙崩れが生じやすいといえる。また、湿度が低い場合には、湿度が高い場合と比較して、用紙Sの重量が小さくなるため、紙崩れが生じやすいといえる。そのため、気流が強いほど、或いは湿度が低いほど、搬送速度が遅くなり、搬送加速度の絶対値が小さくなり、搬送時間T1bが長くなるように、環境情報に対応する設定値が定められるとよい。
制御部151は、例えば、図6に示すテーブルを参照することにより得られる搬送速度及び搬送加速度に、環境情報に対応する設定値を掛け合わせたり、足したり、或いは引いたりすることで、搬送速度及び搬送加速度を決定し、これらの搬送速度及び搬送加速度と搬送距離とに基づいて搬送時間T1bを決定することができる。また、上述のように、制御部151がテーブルを参照せずに、各積載用紙情報に対応する設定値を用いて演算を行う場合には、積載用紙情報に対応する設定値のみならず環境情報に対応する設定値を用いて演算を行うとよい。
以上説明した本実施の形態では、印刷システム100は、用紙S(媒体の一例)に印刷を行う印刷部115,132と、用紙Sを印刷部115,132へ供給する給紙部111(媒体供給部の一例)と、印刷部115,132によって印刷が行われた用紙Sが積載され、積載された複数枚の用紙Sである用紙束SB(媒体束の一例)を搬送する第1コンベア10(第1搬送部の一例)と、この第1コンベア10を駆動する第1コンベア搬送駆動部51(第1搬送駆動部の一例)と、第1コンベア10を、用紙Sが積載される1つ以上の積載位置P1(P1−1,P1−2)と、用紙束SBを第2コンベア20(第2搬送部の一例)へ受け渡す受け渡し位置P2とに昇降させる昇降部30と、少なくとも印刷部115,132及び給紙部111を制御する制御部151とを備える。この制御部151は、積載位置P1−2にある第1コンベア10を受け渡し位置P2に移動させるとともに第1コンベア10に積載された用紙束SBを第2コンベア20へ受け渡す受け渡し動作(ステップS51及びS52)と、第1コンベア10を受け渡し位置P2から積載位置P1−1へ移動させる復帰動作(ステップS53)とを含む受け渡し復帰処理(ステップS51〜S53,S5)が完了したとき以降に、給紙部111によって供給された用紙Sが第1コンベア10に積載されるように、受け渡し復帰処理の完了前に給紙部111に用紙Sの供給を再開させる(ステップS7)。
これにより、受け渡し復帰処理が完了した後に給紙部111が用紙Sの供給を再開する場合と比較して、第1印刷装置110および第2印刷装置130に生じるダウンタイムを低減することができる。よって、本実施の形態によれば、印刷が行われた用紙束SB(媒体束)を搬送する際の印刷のダウンタイムを低減することができる。また、複数の印刷装置(第1印刷装置110及び第2印刷装置130)を備える印刷システム100など、用紙Sの搬送経路(印刷所要時間T3)が長い印刷システム100ほど、印刷のダウンタイムを低減することができる。
また、本実施の形態では、制御部151は、受け渡し動作に要する時間(受け渡し時間)「T1」、復帰動作に要する時間(復帰時間)「T2」、及び給紙部111によって供給された用紙Sが第1コンベア10に積載されるまでの時間(印刷所要時間)「T3」に基づき、「T1+T2>T3」の関係を満たす場合に、受け渡し動作を開始したときから時間「T1+T2−T3」経過後に、給紙部111に用紙Sの供給を再開させる。これにより、受け渡し時間T1、復帰時間T2、及び印刷所要時間T3に基づき、給紙部111による用紙Sの供給が再開される時間を、第1コンベア10が積載位置P1−1に復帰する時間に合わせて決定することができる。そのため、より一層、印刷のダインタイムを低減することができる。
また、本実施の形態では、制御部151は、第1コンベア10に積載された用紙束SBの積載用紙情報(積載媒体情報の一例)に基づき、第1コンベア10が用紙束SBを搬送する搬送速度及び搬送加速度のうち少なくとも一方と受け渡し時間「T1」(搬送時間T1b)とを決定する。そのため、積載された用紙束SBの積載用紙情報が、紙崩れが生じやすい条件であれば、紙崩れが生じにくい条件と比較して、搬送速度を遅くすることや、搬送加速度の絶対値を小さくすることによって、紙崩れを抑制することができる。また、一律に搬送速度を遅くしたり或いは搬送加速度の絶対値を小さくしたりする場合と比較して、搬送時間T1bを短くすることができる。したがって、印刷のダウンタイムを低減することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
媒体に印刷を行う印刷部と、
前記媒体を前記印刷部へ供給する媒体供給部と、
前記印刷部によって印刷が行われた前記媒体が積載され、積載された複数枚の前記媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、
前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、
少なくとも前記印刷部及び前記媒体供給部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記積載位置にある前記第1搬送部を前記受け渡し位置に移動させるとともに前記第1搬送部に積載された前記媒体束を前記第2搬送部へ受け渡す受け渡し動作と、前記第1搬送部を前記受け渡し位置から前記積載位置へ移動させる復帰動作とを含む受け渡し復帰処理が完了したとき以降に、前記媒体供給部によって供給された前記媒体が前記第1搬送部に積載されるように、前記受け渡し復帰処理の完了前に前記媒体供給部に前記媒体の供給を再開させる
ことを特徴とする印刷システム。
[付記2]
前記制御部は、前記受け渡し動作に要する時間「T1」、前記第1搬送部が前記受け渡し位置から前記積載位置に移動する時間「T2」、及び前記媒体供給部によって供給された前記媒体が前記第1搬送部に積載されるまでの時間「T3」に基づき、「T1+T2>T3」の関係を満たす場合に、前記受け渡し動作を開始したときから時間「T1+T2−T3」経過後に、前記媒体供給部に前記媒体の供給を再開させる
ことを特徴とする付記1記載の印刷システム。
[付記3]
前記制御部は、前記第1搬送部に積載された前記媒体束の積載媒体情報に基づき、前記第1搬送部が前記媒体束を搬送する搬送速度及び搬送加速度のうち少なくとも一方と前記時間「T1」とを決定する
ことを特徴とする付記2記載の印刷システム。