JP7176907B2 - 媒体排出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙束等の媒体束を搬送する媒体排出装置に関する。
従来、印刷装置の用紙排出側に配置される用紙排出装置として、印刷装置内部から排出された連続用紙が積載されるベルトコンベアを備え、このベルトコンベアによって用紙を搬送する用紙排出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-301627号公報
ところで、印刷装置から排出された枚葉紙等の複数枚の用紙(媒体)からなる用紙束(媒体束)をベルトコンベア等の搬送部によって搬送する場合、搬送部には用紙が順次積載されていく。その後、搬送部は、受け渡し位置まで下降し、用紙束を下流側の搬送部に搬送する。
例えば、多量(数千枚)の用紙が積載される搬送部は、積載面高さ(搬送部に積載された最上部の用紙の高さ)を一定高さに保つように、用紙が積載されていくのに伴って下降していく。そして、搬送部は、積載された用紙束の高さが上限高さに達したこと、すなわち限界量の用紙を積載したことが例えば搬送部の高さに基づいて検出された場合、或いは積載枚数が設定枚数に達した場合、印刷ジョブが終了した場合などに、最下部の受け渡し位置まで下降し、用紙束を下流側の搬送部に搬送する。
しかしながら、搬送部が、積載位置から受け渡し位置へ下降を開始したときから、受け渡し位置に到達し、用紙束の搬送を行い、再び積載位置まで上昇するまでの間、用紙に処理を行う印刷装置等の処理装置にダウンタイムが生じ、媒体の処理、ひいては媒体の排出を効率良く行うことができない。
或いは、搬送部が受け渡し位置において用紙束を搬送方向下流側の搬送部に受け渡す場合、最下面の用紙の先端が下流側の搬送部に接触して折れるなど、用紙がダメージを受けることがある。また、ベルト等の搬送部の表面に接触している最下面の用紙が用紙束に先行して又は遅れて搬送されることで用紙束に積載乱れが生じ、ひいては用紙束に紙崩れが生じることがある。
本発明の目的は、媒体の排出を円滑に行うことができる媒体排出装置を提供することである。
1つの態様では、媒体排出装置は、積載された複数枚の媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の搬送を開始するように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する。
前記態様によれば、媒体の排出を円滑に行うことができる。
一実施の形態に係る用紙排出装置を備える印刷システムを示す構成図である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の制御構成を示す図である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その1)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その2)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その3)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その4)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その5)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その6)である。 一実施の形態に係る用紙排出装置の動作を説明するためのフローチャートである。 一実施の形態の変形例に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その1)である。 一実施の形態の変形例に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その2)である。 一実施の形態の変形例に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その3)である。 一実施の形態の変形例に係る用紙排出装置の動作を説明するための図(その4)である。 一実施の形態の変形例に係る用紙排出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る用紙排出装置(媒体排出装置の一例)について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係る用紙排出装置1を備える印刷システム100を示す構成図である。
図1に示す印刷システム100は、印刷装置110と、中間装置120と、用紙排出装置1とを備える。
なお、図1には、媒体の一例である用紙Sの直進搬送経路R1を実線で、循環搬送経路R2を2点鎖線で、反転搬送経路R3を破線で印刷装置110及び中間装置120内に示す。
印刷装置110は、給紙台111と、給紙ローラ112と、複数の搬送ローラ対113と、吸着搬送部114と、印刷部115と、切替機構116,117と、排出ローラ対118と、排紙台119とを有する。
給紙台111には、印刷前の用紙Sが積載される。
給紙ローラ112は、給紙台111に積載された複数枚の用紙Sのうち最上部に位置する用紙Sを繰り出して搬送する。
搬送ローラ対113は、印刷装置110内の直進搬送経路R1、循環搬送経路R2、及び反転搬送経路R3のそれぞれに複数対配置され、用紙Sをニップしながら搬送する。
吸着搬送部114は、印刷部115に対向するように配置されている。吸着搬送部114は、用紙Sを吸着しながらベルトによって用紙Sを搬送する。
印刷部115は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷部115の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
切替機構116は、印刷部115によって印刷が行われた用紙Sの搬送経路を、中間装置120へ続く直進搬送経路R1と、排紙台119や反転搬送経路R3へ続く循環搬送経路R2とに切り替える。
切替機構117は、用紙Sの循環搬送経路R2を、排紙台119へ続く搬送経路と、反転搬送経路R3へ続く搬送経路とに切り替える。なお、用紙Sは、反転搬送経路R3において表裏が逆転し、再び印刷部115へ搬送される。
排出ローラ対118は、印刷装置110から排紙台119へ用紙Sを排出する。
排紙台119には、用紙排出装置1側へ排出されない用紙Sが積載される。
中間装置120は、搬送ローラ対121と、排出ローラ対122とを有する。
搬送ローラ対121は、印刷装置110から排出された用紙Sを搬送する。
排出ローラ対122は、搬送ローラ対121によって搬送された用紙Sを用紙排出装置1へ排出する。
なお、中間装置120は、例えば表裏両面の印刷が行われた用紙Sの表裏を逆転させる反転搬送経路を有していてもよい。
図2は、用紙排出装置1の制御構成を示す図である。
図1に示すように、用紙排出装置1は、積載された複数枚の用紙Sである用紙束SB(媒体束の一例)を搬送する第1搬送部の一例である第1コンベア10と、この第1コンベア10から搬送されてきた用紙束SBを搬送する第2搬送部の一例である第2コンベア20と、第1コンベア10を昇降させる昇降部30とを備える。
また、図2に示すように、用紙排出装置1は、制御部41と、記憶部42と、インターフェース部43と、センサ44と、第1搬送駆動部(アクチュエータ)の一例である第1コンベア搬送駆動部51と、第2搬送駆動部(アクチュエータ)の一例である第2コンベア搬送駆動部52とを備える。また、図1に示す昇降部30は、昇降駆動部(アクチュエータ)の一例である図2に示す第1コンベア昇降駆動部33を有する。
なお、用紙排出装置1は、単一の印刷装置110を備える印刷システム100に配置されているが、複数の印刷装置を備える印刷システムや、印刷装置以外の処理装置に配置されてもよい。
また、用紙排出装置1は、中間装置120に隣接して配置されているが、中間装置120を介さずに印刷装置110に隣接するように配置されていてもよい。また、用紙排出装置1は、中間装置120を一体に備える用紙排出装置であってもよい。また、用紙排出装置1は、第1コンベア10が他の装置に配置された第2コンベア20に用紙束SBを受け渡すように搬送するのであれば、第2コンベア20を備えないものであってもよい。
図1に示すように、第1コンベア10は、ベルト11と、プーリ12,13とを有する。
ベルト11は、プーリ12,13に架け渡されている。ベルト11には、上述のように中間装置120から排出される用紙S、すなわち印刷済みの用紙Sが積載される。このように、第1コンベア10(ベルト11)には、印刷装置110によって印刷された用紙Sが順次積載される。すなわち、第1コンベア10は、排紙台として機能する。ベルト11は、複数枚の用紙Sである用紙束SBを搬送する。
プーリ12,13のうち一方は、後述する第1コンベア搬送駆動部51から動力を伝達される駆動プーリであり、他方は従動プーリである。
第1コンベア10は、昇降部30の図示しないアームによって保持された状態で、鉛直方向に延びる一対のガイド31,32に沿って昇降する。
第2コンベア20は、ベルト21と、プーリ22,23と、ベース部24とを有する。
ベルト21は、プーリ22,23に架け渡されている。また、ベルト21は、第1コンベア10のベルト11の搬送方向D下流側に配置され、ベルト11から搬送される用紙束SBを、例えば、第2コンベア20における搬送方向D中央まで搬送する。その後、用紙束SBは、ユーザによって受け取られる。
但し、第2コンベア20の更に搬送方向D下流側に、コロ等の搬送部材が配置された台車や第3コンベアなどの第3搬送部が配置されていてもよい。また、第2コンベア20自体が、コロ等の搬送部材が配置された台車などの搬送部であってもよく、その場合、第2コンベア20を駆動する後述する第2コンベア搬送駆動部52は省略可能である。
プーリ22,23のうち一方は、後述する第2コンベア搬送駆動部52から動力を伝達される駆動プーリであり、他方は、従動プーリである。
ベース部24は、第2コンベア20の下部に配置されている。
ここで、第1コンベア10及び第2コンベア20は、ベルト11,21を有するため、ベルトコンベアといえるが、ローラコンベア等の他の搬送部であってもよい。また、図1では、第1コンベア10が筐体に収容され、第2コンベア20が筐体に収容されていないように図示されているが、第1コンベア10及び第2コンベア20の両方が筐体に収容されていてもよいし、両方が筐体に収容されていなくともよい。また、第1コンベア10の周囲にはサイドフェンスやエンドフェンス等が設けられているとよい。
図2に示す制御部41は、用紙排出装置1全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有し、第1コンベア搬送駆動部51、第1コンベア昇降駆動部33等の各部の動作を制御する。なお、制御部41は、単一の制御部に限られず、例えば、第1コンベア搬送駆動部51及び第1コンベア昇降駆動部33を制御する制御部と、第2コンベア搬送駆動部52を制御する制御部とがそれぞれ分離して配置されたものであってもよい。
記憶部42は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
インターフェース部43は、印刷システム100の制御部等の外部機器との間で各種情報の授受を行う。例えば、インターフェース部43は、印刷システム100の制御部から、印刷ジョブの印刷が終了したという情報、又は印刷枚数が設定枚数に到達したという情報を受け、制御部41は、これらの情報に基づき、第1コンベア10を図3E及び図3Fに示す下端の受け渡し位置P2へ下降させるように第1コンベア昇降駆動部33を制御する。そして、制御部41は、第1コンベア10によって用紙束SBを搬送するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する。
或いは、制御部41は、積載された用紙束SBの高さが上限高さに到達したこと(すなわち、第1コンベア10に限界量の用紙Sが積載されたこと)、又は設定高さに到達したことが、第1コンベア10の高さを検知するセンサによって検知されたときに、第1コンベア10を受け渡し位置P2に下降させ、用紙束SBを搬送するように第1コンベア昇降駆動部33及び第1コンベア搬送駆動部51を制御してもよい。なお、上限高さの用紙束SBの積載枚数は、薄紙であれば普通紙よりも多くなる。
センサ44は、第1コンベア10に用紙Sが積載される高さである図3A~図3Cに示す積載面高さh2を検知する積載面検知センサ、第1コンベア10の高さを検知する上記のセンサ、第1コンベア10と第2コンベア20との間で用紙束SBの通過を検知するセンサなどを含むとよい。なお、積載面検知センサは、例えば、所定の積載面高さh2に水平に光を照射し、この検知光が用紙束SBによって遮蔽されると、積載面高さh2が上がったことを検知する。この検知結果に基づき、制御部41は、第1コンベア昇降駆動部33を制御することによって、第1コンベア10を例えば用紙S数枚分の厚さだけ下降させる。
また、センサ44は、用紙排出装置1が設置された環境の環境情報の一例である気流を検知する気流検知センサ、環境情報の他の一例である湿度を検知する湿度検知センサなどを含むとよい。これらの気流検知センサ及び湿度検知センサは、環境情報を検知する環境情報検知部の一例として機能する。このように検知される環境情報は、制御部41によって取得され、例えば後述するオーバーラップ長さL1の決定に用いられる。なお、気流、湿度などの環境情報は、用紙排出装置1の外部に配置されたセンサによって検出され、インターフェース部43を介して制御部41によって取得されてもよい。
第1コンベア搬送駆動部51は、第1コンベア10を駆動する。第1コンベア搬送駆動部51は、例えばモータである。
第2コンベア搬送駆動部52は、第2コンベア20を駆動する。第2コンベア搬送駆動部52は、例えばモータである。
第1コンベア昇降駆動部33は、第1コンベア10を、用紙Sが積載される1つ以上の積載位置P1(例えば図3A~図3Cに示す積載位置P1-1,P1-2,P1-3)と、用紙束SBを第2コンベア20へ受け渡す受け渡し位置P2とに上述のガイド31,32に沿って昇降させる。第1コンベア昇降駆動部33は、例えばモータである。
なお、第1コンベア10の積載位置P1が単一の位置(高さ)であると、図1に示す中間装置120の排出ローラ対122によって用紙Sが排出される高さである排出高さh1と積載面高さh2との間隔が変動し、用紙Sの積載出位置がばらつくため、用紙Sが積載されていくのに伴って第1コンベア10が下降し、積載面高さh2が一定の位置となるとよい。
また、積載位置P1が複数位置ある場合に、最下部の積載位置P1の高さが受け渡し位置P2の高さに一致してもよい。この場合、受け渡し位置P2の高さに一致する積載位置P1から用紙束SBの搬送を行う場合には、後述するオーバーラップなどに関する本実施の形態の処理は行われず、第1コンベア10を下降させずに、そのまま用紙束SBが第1コンベア10から第2コンベア20に受け渡されることになる。
また、第1コンベア搬送駆動部51と第2コンベア搬送駆動部52と第1コンベア昇降駆動部33とのうち少なくとも2つを兼ねる駆動部が配置されてもよい。
以下、図3A~図3F及び図4を参照しながら用紙排出装置1の動作を説明する。
なお、図4に示すフローチャートの各処理は、図2に示す制御部41によって行われる。
制御部41は、例えば、上述の図3A~図3Cに示すように用紙Sが排出高さh1よりも下方の積載面高さh2に積載されていき、その後、印刷ジョブの印刷が終了したときや、印刷枚数が設定枚数に到達したときや、第1コンベア10に用紙Sが限界量まで積載されたとき(或いは、積載された用紙束SBが設定高さに到達したとき)などに、第1コンベア10が受け渡し位置P2への下降を開始するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS11)。
次に、制御部41は、積載媒体情報の一例である後述する積載用紙情報に基づいて、図3Dに示すように用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップするオーバーラップ長さL1を決定することによって、オーバーラップ時の用紙束SBの搬送方向Dにおける位置を決定する(ステップS12)。なお、制御部41は、積載用紙情報に基づいて、用紙束SBが第1コンベア10からはみ出すはみ出し長さL2を決定することによって、用紙束SBの搬送方向Dにおける位置を決定してもよい。このはみ出し長さL2は、第1コンベア10及び第2コンベア20の積載面間の隙間の長さとオーバーラップ長さL1との和である。なお、オーバーラップ長さL1又ははみ出し長さL2が所定の長さとなるように定められている場合には、決定処理(ステップS12)は省略可能である。
はみ出し長さL2は、用紙束SBの紙崩れを生じさせないために、搬送方向Dにおける用紙Sの長さの半分未満であり、例えば、3分の1前後または3分の1以下である。このはみ出し長さL2を満たす範囲で、オーバーラップ長さL1が決定されるとよい。
積載用紙情報は、例えば、用紙Sのサイズ及び用紙Sの向きである。制御部41は、積載用紙情報に基づいてテーブルを参照することによって、或いは積載用紙情報に対応する設定値の演算を行うことによって、オーバーラップ長さL1又ははみ出し長さL2を決定する。なお、積載用紙情報は、例えば、印刷ジョブに基づいて制御部41によって取得される。
用紙Sのサイズは、例えば、A3(297×420mm)、A4(210×297mm)などである。A4よりもサイズが大きいA3は、同じ用紙方向であれば、搬送方向Dにおける長さが長くなるため、オーバーラップ長さL1及びはみ出し長さL2を長くすることができる。
用紙Sの向きは、用紙Sの長手方向が搬送方向Dに平行な縦、又は、用紙Sの長手方向が搬送方向Dに直交する横である。縦は、横よりも搬送方向Dにおける長さが長くなるため、オーバーラップ長さL1及びはみ出し長さL2を長くすることができる。はみ出し長さL2が搬送方向Dにおける用紙Sの長さの3分の1であるとすると、用紙Sが縦向きである場合には、用紙Sが横向きである場合よりも、用紙束SBの重心と第1コンベア10の搬送方向Dにおける先端との距離が長くなる。
なお、積載用紙情報は、用紙Sのサイズと用紙Sの向きとの2つに限られず、例えば、用紙Sのサイズ、用紙Sの向き、用紙Sの種類(例えば、普通紙、厚紙、薄紙)、用紙S(用紙束SB)の積載枚数のうち少なくとも1つを含めばよい。
制御部41は、上述の積載用紙情報に加えて(又は積載用紙情報に代えて)、用紙排出装置1が設置された環境の気流、湿度などの上述の環境情報に基づいてオーバーラップ長さL1又ははみ出し長さL2を決定してもよい。例えば、気流が強い場合には、紙崩れが生じやすいため、オーバーラップ長さL1及びはみ出し長さL2を短くするとよい。
次に、制御部41は、図3Dに示すように、第1コンベア10が積載位置P1から受け渡し位置P2へ下降する途中(P1→P2)に、用紙束SBが第1コンベア10からはみ出し長さL2分だけはみ出し、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップ長さL1だけオーバーラップするように、第1コンベア10による用紙束SBの搬送速度を決定する(ステップS13)。この搬送速度は、遅いほど用紙束SBに紙崩れが生じるのを防止することができるため、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達する前に、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップ可能な範囲で遅くするとよい。或いは、所定の搬送速度が採用されている場合に、この所定の搬送速度では第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達する前に用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップできない場合に限って、搬送速度を速めるように搬送速度を決定してもよい。
そして、制御部41は、上記の搬送速度で用紙束SBを搬送するように第1コンベア搬送駆動部51を制御することによって、第1コンベア10による用紙束SBの搬送を開始させ(ステップS14)、その後、用紙束SBの一部が20の上方にオーバーラップ長さL1だけオーバーラップすると搬送を停止させる(ステップS15)。
制御部41は、図3Eに示すように、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達すると、第1コンベア10の下降を停止するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS16)。
次に、制御部41は、第1コンベア10による用紙束SBの搬送を再開させるとともに第2コンベア20による用紙束SBの搬送を開始させるように、第1コンベア搬送駆動部51及び第2コンベア搬送駆動部52を制御する(ステップS17)。なお、この搬送再開時の用紙束SBの搬送速度は、上述のステップS13において決定されたものでなくともよく、例えば所定の搬送速度である。
なお、上述のステップS15においては、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップ長さL1だけオーバーラップした状態で用紙束SBの搬送が停止しているが、用紙束SBの搬送の停止(ステップS15)及び再開(ステップS17)が行われずに、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達するタイミング(ステップS16)の前後で用紙束SBの搬送が継続して行われてもよい。
また、上述のステップS16において、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達したとき、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップしていなくともよい。この場合であっても、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達(ステップS16)する前に用紙束SBの搬送を開始(ステップS14)することによって、下降動作の一部の期間と搬送動作の一部の期間とが同時に行われることによって、用紙束SBの第2コンベア20への受け渡しを早く完了することができる。また、下降動作(ステップS11~S16)の一部又は全体の期間と搬送動作(ステップS14,S15)の一部又は全体の期間とが同時に行われてもよい。
次に、制御部41は、第1コンベア10から第2コンベア20へ用紙束SBが受け渡されたことを、例えば第1コンベア10と第2コンベア20との間に配置されたセンサが用紙束SBの通過を検知したことに基づいて検出すると、第1コンベア10の駆動を停止するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS18)。その後、制御部41は、図3Fに示すように用紙束SBが例えば第2コンベア20の搬送方向D中央まで搬送された後、第2コンベア20の駆動を停止するように第2コンベア搬送駆動部52を制御する。
ところで、第1コンベア10に用紙Sが限界量まで積載されたときなど、図5Aに示すように、第1コンベア10の積載位置P1-4が図5Cに示す受け渡し位置P2の高さに近いために、第1コンベア10の下降中に用紙束SBの一部を第2コンベア20の上方にオーバーラップさせることができない場合がある。このような場合に、用紙束SBの一部を第2コンベア20の上方にオーバーラップさせた後、用紙束SBの搬送を開始させる変形例の処理について、図5A~図5D及び図6を参照しながら説明する。
制御部41は、第1コンベア10に用紙Sが限界量まで積載されたときなど、第1コンベア10の下降中に用紙束SBの一部を第2コンベア20の上方にオーバーラップさせることができない場合などに図6に示す処理を開始する。
まず、制御部41は、上述の積載用紙情報に基づいて、図5Bに示すように用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップするオーバーラップ長さL1を決定することによって、オーバーラップ時の用紙束SBの搬送方向Dにおける位置を決定する(ステップS21)。なお、本変形例におけるオーバーラップ長さL1に関しては、第1コンベア10の下降時に用紙束SBの搬送が行われないため、搬送再開時にオーバーラップ長さL1が長くなるほど用紙束SBを早く第2コンベア20に受け渡すことができるものではない。そのため、オーバーラップ長さL1は、短い長さであってもよいため、積載用紙情報に基づかずに、所定の長さであってもよい。
次に、制御部41は、第1コンベア10による用紙束SBの搬送速度を決定する(ステップS22)。なお、本変形例では、第1コンベア10の下降時に用紙束SBの搬送が行われないため、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達するタイミングに合わせて第1コンベア10による用紙束SBの搬送速度を調整する必要がない。したがって、搬送速度は、所定の速度が用いられてもよい。
次に、制御部41は、上記の搬送速度で用紙束SBを搬送するように第1コンベア搬送駆動部51を制御することによって、第1コンベア10による用紙束SBの搬送を開始させ(ステップS23)、その後、用紙束SBの一部が20の上方にオーバーラップ長さL1だけオーバーラップすると搬送を停止させる(ステップS24)。
次に、制御部41は、第1コンベア10の受け渡し位置P2への下降を開始するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS25)。なお、第1コンベア10の下降開始は、用紙束SBの搬送中であってもよい。
制御部41は、図5Cに示すように、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達すると、第1コンベア10の下降を停止するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS26)。
次に、制御部41は、第1コンベア10による用紙束SBの搬送を再開させるとともに第2コンベア20による用紙束SBの搬送を開始させるように、第1コンベア搬送駆動部51及び第2コンベア搬送駆動部52を制御する(ステップS27)。
次に、制御部41は、第1コンベア10から第2コンベア20へ用紙束SBが受け渡されたことを例えば第1コンベア10と第2コンベア20との間に配置されたセンサが用紙束SBの通過を検知したことに基づいて検出し、第1コンベア10の駆動を停止するように第1コンベア搬送駆動部51を制御する(ステップS28)。その後、制御部41は、図5Dに示すように、用紙束SBが例えば第2コンベア20の搬送方向D中央まで搬送された後、第2コンベア20の駆動を停止するように第2コンベア搬送駆動部52を制御する。
以上説明した本実施の形態では、用紙排出装置1は、積載された複数枚の用紙S(媒体の一例)である用紙束SB(媒体束の一例)を搬送する第1コンベア10(第1搬送部の一例)と、第1コンベア10を駆動する第1コンベア搬送駆動部51(第1搬送駆動部の一例)と、第1コンベア10を、用紙Sが積載される1つ以上の積載位置P1(P1-1,P1-2,P1-3)と、用紙束SBを第2コンベア20(第2搬送部の一例)へ受け渡す受け渡し位置P2とに昇降させる昇降部30と、第1コンベア搬送駆動部51及び昇降部30(第1コンベア昇降駆動部33)を制御する制御部41とを備える。この制御部41は、第1コンベア10を積載位置P1から受け渡し位置P2へ下降(移動)させる場合、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達する前に用紙束SBの搬送を開始するように第1コンベア搬送駆動部51及び昇降部30を制御する。
これにより、第1コンベア10の積載位置P1から受け渡し位置P2への下降動作(移動動作)の少なくとも一部の期間と用紙束SBの搬送動作の少なくとも一部の期間とが同時に行われる場合、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達した後に用紙束SBの搬送を開始する場合と比較して、用紙束SBの第2コンベア20への受け渡しを早く完了させ、第1コンベア10を積載位置P1へ早く戻すことができる。そのため、印刷装置110等の用紙Sに処理を行う処理装置のダウンタイムを低減し、処理装置を早く再開することができる。したがって、処理効率(印刷の生産性)、ひいては用紙Sの排出効率が向上する。
また、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップした状態で第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達する場合、用紙束SBを第1コンベア10から第2コンベア20へ受け渡す際に生じやすい、最下面の用紙Sへのダメージ(折れなど)や、用紙束SBの積載崩れやが生じるのを防止することができる。
なお、上述のように、第1コンベア10の下降動作の少なくとも一部の期間と用紙束SBの搬送動作の少なくとも一部の期間とが同時に行われる場合や、第1コンベア10が積載位置P1に到達する前に用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップしない場合でなくとも、例えば、第1コンベア10が用紙束SBを搬送方向Dにおける第1コンベア10の中央まで搬送した後、下降動作を行う場合には、下降動作時に用紙束SBの積載乱れが生じた際に、用紙束SB(或いは一部の用紙S)が第1コンベア10から落下するのを防止することができる。
以上より、本実施の形態によれば、用紙S(媒体)の排出を円滑に行うことができる。
また、本実施の形態では、制御部41は、第1コンベア10の積載位置P1から受け渡し位置P2への下降動作(移動動作の一例)の少なくとも一部の期間と、第1コンベア10による媒体束SBの搬送動作の少なくとも一部の期間とを同時に行うように第1コンベア搬送駆動部51及び第1コンベア昇降駆動部33を制御する。これにより、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達した後に用紙束SBの搬送を開始する場合と比較して、用紙束SBの第2コンベア20への受け渡しを早く完了させ、第1コンベア10を積載位置P1へ早く戻すことができる。そのため、印刷装置110等の処理装置のダウンタイムを低減し、処理装置を早く再開することができる。したがって、処理効率(印刷の生産性)、ひいては用紙Sの排出効率が向上する。なお、搬送方向Dにおける長さが短い用紙束SBほど、第1コンベア10が受け渡し位置P2に移動する途中で搬送可能な距離が長くなるため、より一層ダウンタイムを低減することができる。
また、本実施の形態では、制御部41は、第1コンベア10を積載位置P1から受け渡し位置P2へ移動させる場合、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達する前に用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップするように第1コンベア搬送駆動部51及び昇降部30(第1コンベア昇降駆動部33)を制御する。これにより、上述のように、用紙束SBを第1コンベア10から第2コンベア20へ受け渡す際に生じやすい、最下面の用紙Sへのダメージ(折れなど)や、用紙束SBの積載崩れやが生じるのを防止することができる。更には、用紙束SBの一部が第2コンベア20の上方にオーバーラップした状態で第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達するため、第1コンベア10を受け渡し位置P2に高精度に移動させなくとも用紙束SBを第2コンベア20に受け渡すことができる。したがって、第1コンベア10の高さに求められる精度を緩和することができる。
また、本実施の形態では、制御部41は、用紙束SBの積載用紙情報に基づいて、第1コンベア10が受け渡し位置P2に到達するときの用紙束SBの搬送方向Dにおける位置を決定する。これにより、用紙束SBの紙崩れや用紙束SBの第1コンベア10からの落下が生じにくい範囲で、用紙束SBを搬送方向Dに搬送する搬送量を増やすことができるため、用紙束SBの第2コンベア20への受け渡しを早く完了させることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
積載された複数枚の媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、
前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、
前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の搬送を開始するように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
ことを特徴とする媒体排出装置。
[付記2]
前記制御部は、前記第1搬送部の前記積載位置から前記受け渡し位置への移動動作の少なくとも一部の期間と、前記第1搬送部による前記媒体束の搬送動作の少なくとも一部の期間とを同時に行うように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
ことを特徴とする付記1記載の媒体排出装置。
[付記3]
前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の一部が前記第2搬送部の上方にオーバーラップするように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
ことを特徴とする付記1又は2記載の媒体排出装置。
[付記4]
前記制御部は、前記媒体束の積載媒体情報に基づいて、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達するときの前記媒体束の搬送方向における位置を決定する
ことを特徴とする付記3記載の媒体排出装置。
1 用紙排出装置
10 第1コンベア
11 ベルト
12,13 プーリ
20 第2コンベア
21 ベルト
22,23 プーリ
24 ベース部
30 昇降部
31,32 ガイド
33 第1コンベア昇降駆動部
41 制御部
42 記憶部
43 インターフェース部
44 センサ
51 第1コンベア搬送駆動部
52 第2コンベア搬送駆動部
100 印刷システム
110 印刷装置
111 給紙台
112 給紙ローラ
113 搬送ローラ対
114 吸着搬送部
115 印刷部
116,117 切替機構
118 排出ローラ対
119 排紙台
120 中間装置
121 搬送ローラ対
122 排出ローラ対
D 搬送方向
h1 排出高さ
h2 積載面高さ
L1 オーバーラップ長さ
L2 はみ出し長さ
P1 積載位置
P2 受け渡し位置
S 用紙
SB 用紙束
R1 直進搬送経路
R2 循環搬送経路
R3 反転搬送経路

Claims (4)

  1. 媒体が順次積載され、積載された複数枚の媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、
    前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、
    前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、
    前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の搬送を開始するように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
    ことを特徴とする媒体排出装置。
  2. 積載された複数枚の媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、
    前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、
    前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、
    前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の搬送を開始するように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御し、
    前記制御部は、前記第1搬送部の前記積載位置から前記受け渡し位置への移動動作の少なくとも一部の期間と、前記第1搬送部による前記媒体束の搬送動作の少なくとも一部の期間とを同時に行うように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
    ことを特徴とする媒体排出装置。
  3. 積載された複数枚の媒体である媒体束を搬送する第1搬送部と、
    前記第1搬送部を駆動する第1搬送駆動部と、
    前記第1搬送部を、前記媒体が積載される1つ以上の積載位置と、前記媒体束を第2搬送部へ受け渡す受け渡し位置とに昇降させる昇降部と、
    前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の搬送を開始するように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御し、
    前記制御部は、前記第1搬送部を前記積載位置から前記受け渡し位置へ移動させる場合、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達する前に前記媒体束の一部が前記第2搬送部の上方にオーバーラップするように前記第1搬送駆動部及び前記昇降部を制御する
    ことを特徴とする媒体排出装置。
  4. 前記制御部は、前記媒体束の積載媒体情報に基づいて、前記第1搬送部が前記受け渡し位置に到達するときの前記媒体束の搬送方向における位置を決定する
    ことを特徴とする請求項3記載の媒体排出装置。
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